JP2005194169A - 赤外線遮蔽膜付きガラスおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】赤外線透過率が低く、電波透過性が高く、かつ自動車用窓ガラスなどの高い耐摩耗性を要求される部位にも使用可能な赤外線遮蔽膜付きガラスの提供する。
【解決手段】表面に平均一次粒子径100nm以下の透明導電性酸化物微粒子が酸化ケイ素マトリックス中に質量比で[透明導電性酸化物微粒子]/[酸化ケイ素]=10/2〜10/20の比率で分散された第1層被膜が0.2〜2μmの厚みで形成され、さらにその上に、ケイ素の酸化物、ケイ素の酸窒化物、ケイ素の窒化物からなる第2層被膜が0.02〜0.2μmの厚みで積層された赤外線遮蔽膜付きガラスにおいて、高い赤外線遮蔽性、高い電波透過性、高い耐摩耗性を得る。
【選択図】なし
【解決手段】表面に平均一次粒子径100nm以下の透明導電性酸化物微粒子が酸化ケイ素マトリックス中に質量比で[透明導電性酸化物微粒子]/[酸化ケイ素]=10/2〜10/20の比率で分散された第1層被膜が0.2〜2μmの厚みで形成され、さらにその上に、ケイ素の酸化物、ケイ素の酸窒化物、ケイ素の窒化物からなる第2層被膜が0.02〜0.2μmの厚みで積層された赤外線遮蔽膜付きガラスにおいて、高い赤外線遮蔽性、高い電波透過性、高い耐摩耗性を得る。
【選択図】なし
Description
本発明は、赤外線遮蔽膜付きガラスおよびその製造方法に関し、特に機械的耐久性に優れた赤外線遮蔽膜付きガラスおよびその製造方法に関する。
近年、車両用ガラスや建築用ガラスを通して車内や建物内に流入する赤外線を遮蔽し、車内や建物内の温度上昇、冷房負荷を軽減する目的から赤外線遮蔽膜付きガラスが採用されている(たとえば、特許文献1)。また、車両用ガラスや建築用ガラスでは、安全性や視界を確保するため、可視光透過率が高いことが要求される場合も多い。
ガラス基板に赤外線遮蔽性能を付加させ熱線遮蔽性を高める手法は、これまでにも数多く提案されており、たとえば、ガラス基板に赤外線吸収性のイオンを加えることによりガラスそのものに赤外線遮蔽性能を付加しようとしたもの、またはガラス基板表面に導電膜を形成することにより赤外線遮蔽性能を付加しようとしたものなどが提案され、実際に使用されてきている。
しかし、ガラス基板に赤外線吸収性のイオンを加える方法では、可視光透過率を高く保ったまま赤外線吸収性を高めることは困難であり、また特に波長1.5μm〜2.7μmの中波長赤外線の遮蔽性を高めるのは困難であった。また、ガラス基板表面に導電膜を形成する方法では、導電膜のために電波がガラスを透過することができず、近年の移動体通信の普及に伴って開口部の電波透過性が要求されるようになってきていることから不都合が生じることがあった。このように、透明性、赤外線遮蔽性、および電波透過性を有するガラスを製造することは極めて困難であった。
以上のような問題を解決するために、高い赤外線遮蔽性を発現する酸化錫がドープされた酸化インジュウム(ITO)微粒子をバインダに分散させた被膜を基材上に塗布し、赤外線遮蔽膜付きガラスとする方法が提案されてきている(特許文献2、3)。この方法であれば、比較的高い可視光線透過率を維持したまま赤外線遮蔽性を付与できるとともに、膜としての導電性もバインダの存在によって抑制されるため、電波透過性を付与させることも可能となる。
しかしながら、この系に通常用いられるバインダは有機系バインダもしくは無機系バインダであるが、有機系バインダでは得られる被膜の機械的耐久性は乏しく、例えば自動車用ドアガラスなど機械的耐久性を要求される部位には使用できないという問題があった。一方無機系バインダとして、ゾルゲル法をはじめとする材料が用いられることが多いが、それでも上記のような機械的耐久性が要求される部位で使用できるほどに耐久性の優れた被膜を製造するためには、比較的高い温度、例えば400℃以上、好ましくは500℃以上の温度で熱処理をする必要があった。
しかしながら、ITO導電体は酸素欠損型の半導体であり、酸素の存在下に300℃以上の温度におかれると自由電子が酸化によって失われてしまい、赤外線遮蔽性は消失してしまう。このため、赤外線遮蔽性を保ち、機械的耐久性に優れた被膜を製造するためには、コスト面で圧倒的に不利な非酸化性雰囲気下での熱処理を行う必要があり、大気中での熱処理において簡便かつ安価に高耐久な赤外線遮蔽膜付きガラスを製造する方法は見出されておらず、自動車用窓ガラスなどの高い機械的耐久性を要求される部位へ適用できる赤外線遮蔽膜はこれまで見出されていなかった。
本発明は、可視光透過率が高く、赤外線透過率が低く、電波透過性が高く、かつ自動車用窓ガラスなどの機械的耐久性が要求される部位へも適用が可能な赤外線遮蔽膜付きガラスを提供することを目的とする。
本発明は、すなわち下記〔1〕〜〔8〕を提供する。
〔1〕
ガラス基板表面上に平均一次粒子径100nm以下の透明導電性酸化物微粒子が酸化ケイ素マトリックス中に質量比[透明導電性酸化物微粒子]/[酸化ケイ素]=10/0.5〜10/20の比率で分散された第1層被膜が0.2〜2μmの厚みで形成され、第1層被膜の上に隣接して、ケイ素の酸化物、ケイ素の酸窒化物、またはケイ素の窒化物からなる第2層被膜が0.02〜0.2μmの厚みで積層されてなる赤外線遮蔽膜が形成された赤外線遮蔽膜付きガラスであって、JIS−R3212(1998年)に規定される耐摩耗性試験においてCS−10F磨耗ホイールで1000回転試験後の摩耗による曇価の増加量が5%以下である赤外線遮蔽膜付きガラス。
〔1〕
ガラス基板表面上に平均一次粒子径100nm以下の透明導電性酸化物微粒子が酸化ケイ素マトリックス中に質量比[透明導電性酸化物微粒子]/[酸化ケイ素]=10/0.5〜10/20の比率で分散された第1層被膜が0.2〜2μmの厚みで形成され、第1層被膜の上に隣接して、ケイ素の酸化物、ケイ素の酸窒化物、またはケイ素の窒化物からなる第2層被膜が0.02〜0.2μmの厚みで積層されてなる赤外線遮蔽膜が形成された赤外線遮蔽膜付きガラスであって、JIS−R3212(1998年)に規定される耐摩耗性試験においてCS−10F磨耗ホイールで1000回転試験後の摩耗による曇価の増加量が5%以下である赤外線遮蔽膜付きガラス。
〔2〕
前記赤外線遮蔽膜の可視光透過率が90%以上であることを特徴とする前記〔1〕記載の赤外線遮蔽膜付きガラス。
前記赤外線遮蔽膜の可視光透過率が90%以上であることを特徴とする前記〔1〕記載の赤外線遮蔽膜付きガラス。
〔3〕
透明導電性酸化物微粒子として、その微粒子の拡散反射分光測定における反射率のピーク波長が550nm以下の微粒子であることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の赤外線遮蔽膜付きガラス。
透明導電性酸化物微粒子として、その微粒子の拡散反射分光測定における反射率のピーク波長が550nm以下の微粒子であることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の赤外線遮蔽膜付きガラス。
〔4〕
ガラス基板として、JIS−R3106(1998年)により定められる可視光透過率が70%以上であり、波長1.0μmにおける透過率が30%以下であり、かつ波長2.0μmにおける透過率が40〜70%であるガラス基板を用いることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕に記載の赤外線遮蔽膜付きガラス。
ガラス基板として、JIS−R3106(1998年)により定められる可視光透過率が70%以上であり、波長1.0μmにおける透過率が30%以下であり、かつ波長2.0μmにおける透過率が40〜70%であるガラス基板を用いることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕に記載の赤外線遮蔽膜付きガラス。
〔5〕
ガラス基板の表面上に、平均一次粒子径が100nm以下である透明導電性酸化物微粒子を含む組成物を塗布して、前記透明導電性酸化物微粒子が堆積された下層被膜を塗布する工程と、
200℃以下の温度で該下層被膜を半硬化させる工程と、
該下層被膜上にポリシラザン化合物を含む組成物を塗布して上層被膜を塗布して積層膜とする工程と、
得られた積層膜付きガラス基板を、酸素を含む雰囲気下でガラス基板温度が400℃以上750℃以下の温度で熱処理する工程と、
を有することを特徴とする前記〔1〕に記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
ガラス基板の表面上に、平均一次粒子径が100nm以下である透明導電性酸化物微粒子を含む組成物を塗布して、前記透明導電性酸化物微粒子が堆積された下層被膜を塗布する工程と、
200℃以下の温度で該下層被膜を半硬化させる工程と、
該下層被膜上にポリシラザン化合物を含む組成物を塗布して上層被膜を塗布して積層膜とする工程と、
得られた積層膜付きガラス基板を、酸素を含む雰囲気下でガラス基板温度が400℃以上750℃以下の温度で熱処理する工程と、
を有することを特徴とする前記〔1〕に記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
〔6〕
前記透明導電性酸化物微粒子を含む組成物中に、加熱によりシロキサン結合を有する酸化ケイ素マトリックスと成る成分を含むことを特徴とする前記〔5〕に記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
前記透明導電性酸化物微粒子を含む組成物中に、加熱によりシロキサン結合を有する酸化ケイ素マトリックスと成る成分を含むことを特徴とする前記〔5〕に記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
〔7〕
前記酸化ケイ素マトリックスとなる成分として、平均組成式(CH3)mSi(OR)4−m(Rはメチル基またはエチル基であり、m=0.2〜0.95)で表されるアルコキシシランの混合物、前記混合物の加水分解物、および前記混合物の重縮合物からなる群から選ばれる1種類以上を用いることを特徴とする前記〔5〕または〔6〕に記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
前記酸化ケイ素マトリックスとなる成分として、平均組成式(CH3)mSi(OR)4−m(Rはメチル基またはエチル基であり、m=0.2〜0.95)で表されるアルコキシシランの混合物、前記混合物の加水分解物、および前記混合物の重縮合物からなる群から選ばれる1種類以上を用いることを特徴とする前記〔5〕または〔6〕に記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
〔8〕
前記透明導電性酸化物微粒子として、その微粒子の拡散反射分光測定における反射率のピーク波長が550nm以下である微粒子を用いることを特徴とする前記〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
前記透明導電性酸化物微粒子として、その微粒子の拡散反射分光測定における反射率のピーク波長が550nm以下である微粒子を用いることを特徴とする前記〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
〔9〕
前記透明導電性酸化物微粒子として、JIS−Z8701(1999)c光源2°視野により求められるxy色度座標における粉体色が、x値0.3以上、y値0.33以上であるITO微粒子を用いることを特徴とする前記〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
前記透明導電性酸化物微粒子として、JIS−Z8701(1999)c光源2°視野により求められるxy色度座標における粉体色が、x値0.3以上、y値0.33以上であるITO微粒子を用いることを特徴とする前記〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
〔10〕
前記ITO微粒子として、粉末X線回折分析によって求められる結晶子径が15nm以上50nm以下であるITO微粒子を用いることを特徴とする前記〔9〕に記載の赤外線遮蔽膜つきガラスの製造方法。
前記ITO微粒子として、粉末X線回折分析によって求められる結晶子径が15nm以上50nm以下であるITO微粒子を用いることを特徴とする前記〔9〕に記載の赤外線遮蔽膜つきガラスの製造方法。
〔11〕
前記下層被膜を半硬化させる工程において、被膜を半硬化させる際に、波長300nm以下の紫外線を1分間以上照射することを特徴とする前記〔5〕〜〔10〕のいずれかに記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
前記下層被膜を半硬化させる工程において、被膜を半硬化させる際に、波長300nm以下の紫外線を1分間以上照射することを特徴とする前記〔5〕〜〔10〕のいずれかに記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
本発明の赤外線遮蔽膜付きガラスは、可視光透過率が高く、赤外線透過率が低く、電波透過性が高く、機械的耐久性が高い。また、本発明の赤外線遮蔽膜付きガラスは薬品耐性が高い。本発明の製造方法によれば、酸素を含む雰囲気下で強化処理や、酸素を含む雰囲気下で高温成型加工しながら本発明の赤外線膜付きガラスを得ることができ、製造方法の簡易化、製造コストの低減ができる。
本発明は、ガラス基板表面上に平均一次粒子径100nm以下の透明導電性酸化物微粒子が酸化ケイ素マトリックス中に質量比[透明導電性酸化物微粒子]/[酸化ケイ素]=10/0.5〜10/20の比率で分散された第1層被膜が0.2〜2μmの厚みで形成され、第1層被膜の上に隣接して、ケイ素の酸化物、ケイ素の酸窒化物、またはケイ素の窒化物からなる第2層被膜が0.02〜0.2μmの厚みで積層されてなる赤外線遮蔽膜が形成された赤外線遮蔽膜付きガラスであって、JIS−R3212(1998年)に規定される耐摩耗性試験においてCS−10F磨耗ホイールで1000回転試験後の摩耗による曇価の増加量が5%以下である赤外線遮蔽膜付きガラスを提供する。また本発明は、前記赤外線遮蔽膜付きガラスを効率よく、また安価に製造するための製造方法をも提供する。
以下に本発明の構成要素について詳細に説明する。
まず、第1層被膜(図3における20)について説明する。
平均一次粒子径が100nm以下の透明導電性酸化物微粒子は、赤外線遮蔽性を発現させる構成因子であり、平均一次粒子径が100nm以下であることが重要である。粒子径がこれ以上大きくなると、ガラス基板に成膜した際に散乱による曇り(曇価、ヘイズ)の原因となるため好ましくない。50nm以下であるとさらに透明性維持の点で好ましい。
まず、第1層被膜(図3における20)について説明する。
平均一次粒子径が100nm以下の透明導電性酸化物微粒子は、赤外線遮蔽性を発現させる構成因子であり、平均一次粒子径が100nm以下であることが重要である。粒子径がこれ以上大きくなると、ガラス基板に成膜した際に散乱による曇り(曇価、ヘイズ)の原因となるため好ましくない。50nm以下であるとさらに透明性維持の点で好ましい。
赤外線遮蔽性を発現する透明導電性酸化物微粒子は、酸化インジュウム、酸化錫、および酸化亜鉛からなる群より選ばれる1種類以上からなる微粒子が好ましい。赤外線遮蔽性の観点からは、酸化錫が酸化インジュウムに混合された材料(以下ITOと呼ぶ)からなる微粒子が好ましい。ITOの酸化錫と酸化インジュウム混合の比率はインジュウム原子数に対する錫原子数(Sn/In)で表すとき、Sn/In=2〜20であることが必要で、特にSn/In=3〜10が好ましい。
酸化ケイ素マトリックスは、前記透明導電性酸化物微粒子の結合剤として働いて基板への密着性や被膜硬度を高める働きを有する。ところで、透明導電性酸化物微粒子自身は導電性に優れているために透明導電性酸化物微粒子が被膜内で連続的に密着すると被膜自身が導電性を発現し、電波透過性に悪影響を与える。酸化ケイ素マトリックスは、透明導電性酸化物微粒子同士の接触を制限し、被膜自身が導電膜となることを防止する効果があり、被膜の電波透過性を発現させる重要な構成因子である。ここで言う酸化ケイ素とは、厳密な意味でSiO2となっている必要はなく、Si−O−Siシロキサン結合からなる酸化ケイ素マトリックス材料であればよい。また、酸化ケイ素マトリックス材料として、Si以外の構成元素、たとえばN、C、Ti、Sn、Zr、Al、B、P、Nb、Taなどが少量含まれていてもよい。
酸化ケイ素マトリックス材料は、本第1層被膜中においては、質量比で[透明導電性酸化物微粒子]/[酸化ケイ素]=10/0.5〜10/20で存在している必要がある。酸化ケイ素が前記質量比で10/0.5未満では、被膜の密着性や硬度が不足し、また電波透過性を維持することが困難になるおそれがあるし、前記質量比で10/20超では必要な赤外線遮蔽性が維持することが困難である。好ましくは、[透明導電性酸化物微粒子]/[酸化ケイ素]=10/0.5〜10/10である。
本第1層被膜の膜厚は、0.2〜2μmである。0.2μm未満の膜厚では良好な赤外線遮蔽性を維持できないし、2μm超の膜厚となると、被膜を形成する際にクラックが入ったり、透明性が低下したりする。
次に、第2層被膜(図3における30)について説明する。第2層被膜は、被膜の機械的耐久性の向上に寄与する構成因子であり、また後述するような高温で被膜を熱処理する際に、透明導電性酸化物微粒子の酸化を防止する酸素バリヤ膜として働く。第2層被膜は、ケイ素の酸化物、ケイ素の酸窒化物、またはケイ素の窒化物からなる被膜である。特に、ケイ素の酸化物、酸窒化物が好ましい。
第2層被膜の膜厚は、0.02〜0.2μmである必要がある。膜厚が0.02μm未満では高い耐久性を維持できなくなり、また酸素バリヤ性も不足する。0.2μm超の膜厚では膜にクラックが入る傾向にある。
本発明は、第1層被膜と第2層皮膜とが、この順に隣接して形成され、JIS−R3212(1998年)3.7項に規定される耐摩耗性試験において、CS−10F磨耗ホイールで1000回転試験後の摩耗による曇価の増加量が5%以下である赤外線遮蔽膜付きガラスを提供する。本発明によれば、自動車用のドアガラスなど、非常に高い機械的耐久性が要求される部位への適用も可能であり、かつ、赤外線遮蔽性と電波透過性が両立する。
また、自動車用窓ガラスとして使用する際には、部位によっては高い可視光透過率が要求される場合があるが、そのためには、前記赤外線遮蔽膜(ガラス基板を含まず)としての可視光透過率が90%以上なることが好ましい。ここでいう可視光透過率とは、JIS−R3212で規定される計算式から算出される被膜単身の可視光透過率を示している。前記可視光透過率が90%以上の赤外線遮蔽膜をガラス基板に形成した場合は、可視光透過率が著しく低下しない。即ち、該ガラス基板の可視光透過率の90%以上を維持できる。
また、本発明に使用されるガラス基板(図3における10)は特に限定されず、通常のソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラスなどを用いることができる。特に赤外線遮蔽性を有するガラス基板を用いると効果が高い。具体的には、JIS−R3106(1998年)により定められる可視光透過率が70%以上であり、波長1.0μmにおける透過率が30%以下であり、かつ波長2.0μmにおける透過率が40〜70%であるガラス基板を用いると、特に効果が高い。本発明における赤外線遮蔽膜は、1.0μm近傍の近赤外領域の遮蔽性はそれほど高くないため、1.0μm付近の波長の光の遮蔽性能が高いガラス基板を用いることで全赤外領域にわたって優れた赤外線遮蔽性を具備させることができる。
本発明の赤外線遮蔽膜付きガラスは、以下のようにして製造することができる。すなわち、
1)ガラス基板の表面上に、平均一次粒子径が100nm以下である透明導電性酸化物微粒子を含む組成物を塗布して、前記透明導電性酸化物微粒子が堆積された下層被膜を塗布し、
2)200℃以下の温度で前記下層被膜を半硬化させ、
3)前記下層被膜上にポリシラザン化合物を含む組成物を塗布して上層被膜を塗布して積層膜とし、
4)得られた積層膜付きガラス基板を、酸素を含む雰囲気下でガラス基板温度が400℃以上750℃以下の温度で熱処理する。
1)ガラス基板の表面上に、平均一次粒子径が100nm以下である透明導電性酸化物微粒子を含む組成物を塗布して、前記透明導電性酸化物微粒子が堆積された下層被膜を塗布し、
2)200℃以下の温度で前記下層被膜を半硬化させ、
3)前記下層被膜上にポリシラザン化合物を含む組成物を塗布して上層被膜を塗布して積層膜とし、
4)得られた積層膜付きガラス基板を、酸素を含む雰囲気下でガラス基板温度が400℃以上750℃以下の温度で熱処理する。
焼成後の被膜内の透明導電性酸化物微粒子の凝集状態は、組成物中での凝集状態を反映するため、被膜の透明性や電波透過性を維持するためには、透明導電性酸化物微粒子は組成物中で高度に分散されている必要がある。分散状態としては、数平均の凝集粒子径として、500nm以下、さらには200nm以下、更には100nm以下であることが好ましい。分散媒としては、水、アルコールなどの極性溶媒や、トルエン、キシレンといった非極性溶媒など、種々の溶媒が適宜利用できる。分散させるための方法としては、公知の方法を利用でき、超音波照射、ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ペイントシェーカーなどのメディアミルや、ジェットミルやナノマイザーなどの高圧衝撃ミルなどを利用できる。
前記記載のように透明導電性酸化物微粒子が溶媒に分散された分散液には、加熱によりシロキサン結合を有する酸化ケイ素マトリックスとなりうる成分(以降、シロキサンマトリックス材料)を添加することもできる。シロキサンマトリックス材料とは、加熱によってシロキサン結合(Si−O−Si)が形成されて3次元ネットワーク化し、硬質、透明な酸化ケイ素マトリックスとなりうる化合物であり、具体的にはゾルゲル法で利用されるアルコキシシラン類やアルコキシシラン類の加水分解、アルコキシシラン類の縮合物、水ガラスなどが挙げられる。中でも、アルコキシシラン類が好ましく用いられる。アルコキシシラン類としては、一般式(CH3)aSi(OR)4−a(Rはメチル基またはエチル基であり、aは整数)で表されるアルコキシシランが挙げられ、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランを示し、これらの混合物、前記混合物の加水分解物、もしくは前記混合物の重縮合物からなる群から選ばれる1種類以上のものが好ましい。
第1層被膜に有効な赤外線遮蔽性を具備させるためにはある程度の厚さを必要とするため、厚さと被膜の硬さのバランスを考慮すると、前記混合物、前記加水分解、もしくは前記重縮合物からなる群から選ばれる1種類以上のもの平均組成式が(CH3)mSi(OR)4−m(m=0.2〜0.95)で表されるものが更に好ましい。ここで、mは、Si原子に隣接するCH3基とSi原子の存在比を示し、mが0.2未満では被膜を厚膜化する際に膜にクラックが入りやすくなり、0.95超になると十分な硬度を持った被膜ができにくくなるだけでなく、CH3基が後述する熱処理時に抜けにくくなって被膜が着色するおそれがある。また、Ti、Sn、Zr、Al、B、P、Nb、Taなど、ガラス形成もしくは修飾成分となりうる他の元素やその化合物を含んでいてもよい。
本組成物中の透明導電性酸化物微粒子とシロキサンマトリックス材料の存在比は、酸化物換算の質量比で[透明導電性酸化物微粒子]/[酸化ケイ素]=1/2以上である。好ましくは1/1以上である。透明導電性酸化物微粒子がシロキサンマトリックス材料に対して質量比で1/2未満では赤外線遮蔽性が不足する。
以上のようにして得られた塗布用組成物を、ガラス基板上に塗布して成膜し、下層被膜とする。塗布方法は特に限定はされず、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ロールコート法、メニスカスコート法など、公知の方法を用いることができる。
このようにして得られた第1層被膜の膜厚は、下層被膜を後述する熱処理した後の膜厚として0.2〜2μmであることが必要である。0.2μm未満では所望の赤外線遮蔽性は得られないし、2μm超では膜にクラックが入るおそれがあり、赤外線遮蔽性もそれほど向上しないため不経済である。
ガラス基板上に塗布された下層被膜は、200℃以下の温度で半硬化させる。この工程では、膜中の溶媒成分などを除去するのが主目的であり、これ以上温度を上げても効果はないため非経済的である。処理時間は、1分〜2時間程度である。また、実用的な温度の下限は50℃程度であり、より好ましくは120℃以上である。50℃未満でも半硬化する場合があるが、時間が掛かるために実用的でない。ただし、下層膜用組成物中にシロキサンマトリックスを含まない場合には、下限は室温付近となりうる。またどちらの場合も半硬化させる雰囲気は、大気下でも、非酸化性雰囲気での乾燥でもよいが、非酸化性雰囲気での効果は特に無いため非経済的である。
なお、この加熱処理の前後、加熱処理中、もしくは加熱処理の代わりに、波長300nm以下の紫外線を1分以上照射することも好適に行われる。この紫外線照射は、300nm以下の短波長の紫外線を含むランプ下に被膜つきガラスを放置する程度の簡便な処理でよく、ランプとしては水銀灯が好ましく用いられる。中でも、低圧水銀灯と呼ばれる、300nm以下の波長の紫外線を多く放出するランプを用いると効果が高い。300nm以下の波長の紫外線は、膜中の有機物の分解に寄与し、後述する熱処理時に膜中から有機成分が抜けやすくする働きを有する。
以上のようにして得られた半硬化状態の下層被膜上に隣接して、ポリシラザン化合物を含む組成物を塗布して上層被膜とする。上層被膜は、後述する熱処理時に下層の透明導電性酸化物微粒子中に酸素が供給されて透明導電性酸化物微粒子が酸化されるのを防ぐ、酸素バリヤ膜としての働きを有する。ポリシラザンとは、Si−NR−Si(Rは水素もしくは炭化水素基)シラザン結合を有する樹脂化合物の総称であり、加熱あるいは水分との反応によってSi−NH結合が分解してSi−O−Siネットワークを形成する材料である。
本発明においては、上記一般式のR=Hである、ペルヒドロポリシラザンが硬質膜を作成するためには好ましく用いられる。このポリシラザンから形成される第2被膜は、比較的酸素バリヤ性が高く、本工程で用いられる酸素バリヤ層用材料として非常に好適である。第2層被膜形成用の組成物中には、硬化触媒、溶媒、活性剤が添加され、第2層被膜形成用の組成物中におけるポリシラザン化合物の量は、組成物全体に対し質量比で20%以下が望ましい。また、他の金属源など被膜形成に必要ない不純物も少量含まれていてもよい。
該上層用塗布液は、成膜、半硬化された下層膜上に塗布されるが、塗布液が下層膜中に浸透して下層膜の透明導電性酸化物微粒子の結合剤および基材であるガラスとの密着性向上剤としても働く。特に下層膜中にシロキサンマトリックスを含まない場合や、シロキサンマトリックスが少量しか含まれない場合にはこの上層液の浸透が著しくなる。このため、下層膜用組成物中のシロキサンマトリックスの存在比が透明導電性酸化物微粒子に対して酸化物換算の質量比で5%以下であっても、2層膜となった際には下層膜中に透明導電性酸化物微粒子に対して質量比で5ないし200%の酸化ケイ素を含む、本発明の構成を満足する膜となる。
第2層被膜の膜厚は、上層被膜を熱処理した後の膜厚として0.02〜0.2μmであることが非常に重要である。下被膜の膜中成分によって最適な膜厚は変動するものの、0.02μm未満の膜厚では酸素バリヤ性が不足して熱処理中に下被膜中のITOが酸化されてしまい、赤外線遮蔽性は維持できなくなるおそれがあるし、0.2μm超に膜厚を厚くすると、熱処理時に下層被膜から発生する分解成分、たとえばアルコキシシラン化合物から発生する有機成分などが抜けにくくなるため被膜が着色したり、クラックが発生したりする。
上層被膜の塗布方法は、下層被膜の形成方法と同様、公知の技術が利用できる。
上層被膜の塗布方法は、下層被膜の形成方法と同様、公知の技術が利用できる。
以上のようにして積層膜とした後、400℃以上の温度で熱処理を行って被膜を硬化させる。熱処理時間は、通常1分〜2時間程度である。この熱処理時の雰囲気は、通常の大気中など、酸素を含む雰囲気下で行うことができ、経済的である。非酸化性雰囲気での熱処理も可能であるが、特に大型の窓ガラスなどを作成する際には雰囲気の維持に非常にコストが掛かる。温度の上限は、ガラス基板の耐熱性によって決まるが、通常のソーダライムガラス基板を用いた場合には、750℃前後が上限となる。特に、自動車用窓ガラスとして用いられている強化ガラスを作成する際には、大気中650〜700℃近い温度まで昇温されたのち、風冷して強化処理を行うが、本発明の赤外線遮蔽膜を用いれば、強化処理のための熱処理を行っても赤外線遮蔽特性の劣化は見られないため、この強化工程の高温の熱を利用して熱処理が可能であり、高い耐久性を有する赤外線遮蔽性被膜付き自動車用、建築用の強化ガラスを効率よく経済的に製造できる。熱処理温度は、ガラス基板温度で400℃以上750℃以下、特に500℃以上700℃以下が好ましい。
また、赤外線遮蔽性微粒子としてITOを用いる場合には、より好ましい製造方法の形態として、以下の手法が挙げられる。すなわち、
1)ガラス基板上の少なくとも一方の表面に、xy色度座標におけるc光源、2°視野での粉体色がx値0.3以上、y値0.33以上であって、平均一次粒子径が100nm以下であるITO微粒子を含む組成物を塗布し、前記ITO微粒子が堆積された下層被膜を塗布し、
2)200℃以下の温度で前記下層被膜を半硬化させ、
3)前記下層被膜上にポリシラザン化合物を含む組成物を塗布して上層被膜を塗布して積層膜とし、
4)得られた積層膜付きガラス基板を、酸素を含む雰囲気下でガラス基板温度が400℃以上750℃以下の温度で熱処理する
ここで用いられるITO微粒子は、xy色度座標におけるc光源、2°視野での粉体色がx値0.3以上、y値0.33以上である。このようなITO微粒子は、そのものでは赤外線遮蔽性は有していないが、後工程の焼成工程において膜中で還元が起こり、キャリアが発生して赤外線遮蔽性を有する膜となるものである。
1)ガラス基板上の少なくとも一方の表面に、xy色度座標におけるc光源、2°視野での粉体色がx値0.3以上、y値0.33以上であって、平均一次粒子径が100nm以下であるITO微粒子を含む組成物を塗布し、前記ITO微粒子が堆積された下層被膜を塗布し、
2)200℃以下の温度で前記下層被膜を半硬化させ、
3)前記下層被膜上にポリシラザン化合物を含む組成物を塗布して上層被膜を塗布して積層膜とし、
4)得られた積層膜付きガラス基板を、酸素を含む雰囲気下でガラス基板温度が400℃以上750℃以下の温度で熱処理する
ここで用いられるITO微粒子は、xy色度座標におけるc光源、2°視野での粉体色がx値0.3以上、y値0.33以上である。このようなITO微粒子は、そのものでは赤外線遮蔽性は有していないが、後工程の焼成工程において膜中で還元が起こり、キャリアが発生して赤外線遮蔽性を有する膜となるものである。
このようなITO微粒子は、共沈法などで得られた前駆体粉末を大気中もしくは窒素などの通常の不活性ガス中での焼成するだけで作成可能である。従来用いられてきた高性能な赤外線遮蔽性を有するITO微粒子のように、危険を伴う水素などの還元性雰囲気下や加圧不活性雰囲気下での焼成を必要としないため、より低コストで安全に作成することができる。
このITO微粒子は、やはり透明性という観点からは平均一次粒子径として100nm以下であることが必要である。特に好ましくは、粉末X線回折分析から算出される結晶子径が15〜50nmであるITO微粒子を用いると良い。結晶子径がこれより小さくなると膜中での還元が起こった後でも高い赤外線遮蔽性を発現することができず、またこれ以上の結晶子径を有する微粒子では透明性が低下する恐れがあるからである。
焼成後の被膜内のITO微粒子の凝集状態は、組成物中での凝集状態を反映するため、被膜の透明性や電波透過性を維持するためには、ITO微粒子は組成物中で高度に分散されている必要がある。分散状態としては、数平均の凝集粒子径として、500nm以下、さらには200nm以下、更には100nm以下であることが好ましい。分散媒としては、水、アルコールなどの極性溶媒や、トルエン、キシレンといった非極性溶媒など、種々の溶媒が適宜利用できる。分散させるための方法としては、公知の方法を利用でき、超音波照射、ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ペイントシェーカーなどのメディアミルや、ジェットミルやナノマイザーなどの高圧衝撃ミルなどを利用できる。
前記記載のようにITO微粒子が溶媒に分散された分散液に、加熱によりシロキサン結合を有する酸化ケイ素マトリックスとなりうる成分(以降、シロキサンマトリックス材料)を添加して塗布用組成物とすることができる。シロキサンマトリックス材料とは、加熱によってシロキサン結合(Si−O−Si)が形成されて3次元ネットワーク化し、硬質、透明な酸化ケイ素マトリックスとなりうる化合物であり、具体的にはゾルゲル法で利用されるアルコキシシラン類やアルコキシシラン類の加水分解、アルコキシシラン類の縮合物、水ガラスなどが挙げられる。中でも、アルコキシシラン類が好ましく用いられる。アルコキシシラン類としては、一般式(CH3)aSi(OR)4−a(Rはメチル基またはエチル基であり、aは整数)で表されるアルコキシシランが挙げられ、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランを示し、これらの混合物、前記混合物の加水分解物、もしくは前記混合物の重縮合物からなる群から選ばれる1種類以上のものが好ましい。
第1層被膜に有効な赤外線遮蔽性を具備させるためにはある程度の厚さを必要とするため、厚さと被膜の硬さのバランスを考慮すると、前記混合物、前記加水分解、もしくは前記重縮合物からなる群から選ばれる1種類以上のもの平均組成式が(CH3)mSi(OR)4−m(m=0.2〜0.95)で表されるものが更に好ましい。ここで、mは、Si原子に隣接するCH3基とSi原子の存在比を示し、mが0.2未満では被膜を厚膜化する際に膜にクラックが入りやすくなり、0.95超になると十分な硬度を持った被膜ができにくくなるだけでなく、CH3基が後述する熱処理時に抜けにくくなって被膜が着色するおそれがある。また、Ti、Sn、Zr、Al、B、P、Nb、Taなど、ガラス形成もしくは修飾成分となりうる他の元素やその化合物を含んでいてもよい。
本組成物中のITO微粒子とシロキサンマトリックス材料の存在比は、酸化物換算の質量比で[ITO微粒子]/[酸化ケイ素]=1/2以上である。好ましくは1/1以上である。ITO微粒子がシロキサンマトリックス材料に対して質量比で1/2未満では赤外線遮蔽性が不足する。
以上のようにして得られた塗布用組成物を、ガラス基板上に塗布して成膜し、下層被膜とする。塗布方法は特に限定はされず、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ロールコート法、メニスカスコート法など、公知の方法を用いることができる。
以上のようにして得られた塗布用組成物を、ガラス基板上に塗布して成膜し、下層被膜とする。塗布方法は特に限定はされず、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ロールコート法、メニスカスコート法など、公知の方法を用いることができる。
このようにして得られた第1層被膜の膜厚は、下層被膜を後述する熱処理した後の膜厚として0.2〜2μmであることが必要である。0.2μm未満では所望の赤外線遮蔽性は得られないし、2μm超では膜にクラックが入るおそれがあり、赤外線遮蔽性もそれほど向上しないため不経済である。
ガラス基板上に塗布された下層被膜は、200℃以下の温度で半硬化させる。この工程では、膜中の溶媒成分などを除去するのが主目的であり、これ以上温度を上げても効果はないため非経済的である。処理時間は、1分〜2時間程度である。また、実用的な温度の下限は50℃程度であり、より好ましくは120℃以上である。50℃未満でも半硬化する場合があるが、時間が掛かるために実用的でない。ただし、下層膜用組成物中にシロキサンマトリックスを含まない場合には、下限は室温付近となりうる。またどちらの場合も半硬化させる雰囲気は、大気下でも、非酸化性雰囲気での乾燥でもよいが、非酸化性雰囲気での効果は特に無いため非経済的である。
なお、この加熱処理の前後もしくは加熱処理中に、波長300nm以下の紫外線を1分以上照射することも好適に行われる。この紫外線照射は、300nm以下の短波長の紫外線を含むランプ下に被膜つきガラスを放置する程度の簡便な処理でよく、ランプとしては水銀灯が好ましく用いられる。中でも、低圧水銀灯と呼ばれる、300nm以下の波長の紫外線を多く放出するランプを用いると効果が高い。300nm以下の波長の紫外線は、膜中の有機物の分解に寄与し、後述する熱処理時に膜中から有機成分が抜けやすくする働きを有する。
以上のようにして得られた半硬化状態の下層被膜上に隣接して、ポリシラザン化合物を含む組成物を塗布して上層被膜とする。上層被膜は、後述する熱処理時に下層のITO微粒子中に酸素が供給されてITO微粒子が酸化されるのを防ぐ、酸素バリヤ膜としての働きを有する。ポリシラザンとは、Si−NR−Si(Rは水素もしくは炭化水素基)シラザン結合を有する樹脂化合物の総称であり、加熱あるいは水分との反応によってSi−NH結合が分解してSi−O−Siネットワークを形成する材料である。
本発明においては、上記一般式のR=Hである、ペルヒドロポリシラザンが硬質膜を作成するためには好ましく用いられる。このポリシラザンから形成される第2被膜は、比較的酸素バリヤ性が高く、本工程で用いられる酸素バリヤ層用材料として非常に好適である。第2層被膜形成用の組成物中には、硬化触媒、溶媒、活性剤が添加され、第2層被膜形成用の組成物中におけるポリシラザン化合物の量は、組成物全体に対し質量比で20%以下が望ましい。また、他の金属源など被膜形成に必要ない不純物も少量含まれていてもよい。
該上層用塗布液は、成膜、半硬化された下層膜上に塗布されるが、塗布液が下層膜中に浸透して下層膜のITO微粒子の結合剤および基材であるガラスとの密着性向上剤としても働く。特に下層膜中にシロキサンマトリックスを含まない場合や、シロキサンマトリックスが少量しか含まれない場合にはこの上層液の浸透が著しくなる。このため、下層膜用組成物中のシロキサンマトリックスの存在比がITO微粒子に対して酸化物換算の質量比で5%以下であっても、2層膜となった際には下層膜中にITO微粒子に対して質量比で5ないし200%の酸化ケイ素を含む、本発明の構成を満足する膜となる。
第2層被膜の膜厚は、上層被膜を熱処理した後の膜厚として0.02〜0.2μmであることが非常に重要である。下被膜の膜中成分によって最適な膜厚は変動するものの、0.02μm未満の膜厚では酸素バリヤ性が不足して熱処理中に下被膜中のITOが酸化されてしまい、赤外線遮蔽性は維持できなくなるおそれがあるし、0.2μm超に膜厚を厚くすると、熱処理時に下層被膜から発生する分解成分、たとえばアルコキシシラン化合物から発生する有機成分などが抜けにくくなるため被膜が着色したり、クラックが発生したりする。
上層被膜の塗布方法は、下層被膜の形成方法と同様、公知の技術が利用できる。
上層被膜の塗布方法は、下層被膜の形成方法と同様、公知の技術が利用できる。
以上のようにして積層膜とした後、400℃以上の温度で熱処理を行って被膜を硬化させる。熱処理時間は、通常1分〜2時間程度である。この熱処理によって、下層膜中のITO微粒子が還元され、赤外線遮蔽性が発現する。この還元作用の機構は良くわかっていないが、膜中に存在する有機成分、たとえば有機シラン化合物の有機基などの分解が還元作用をもたらしていると考えられる。このため、熱処理時の雰囲気は、通常の大気中など、酸素を含む雰囲気下で行うことができ、経済的である。非酸化性雰囲気での熱処理も可能であるが、特に大型の窓ガラスなどを作成する際には雰囲気の維持に非常にコストが掛かるため好ましくない。温度の上限は、ガラス基板の耐熱性によって決まるが、通常のソーダライムガラス基板を用いた場合には、750℃前後が上限となる。特に、自動車用窓ガラスとして用いられている強化ガラスを作成する際には、大気中650〜700℃近い温度まで昇温されたのち、風冷して強化処理を行うが、本発明の赤外線遮蔽膜の製造方法を用いれば、強化処理のための熱処理によって赤外線遮蔽性が発現するものであり、通常のガラスの製造工程に組み入れることができるため、高い耐久性を有する赤外線遮蔽性被膜付き自動車用、建築用の強化ガラスを効率よく経済的に製造できる。
以下、本発明の実施例を挙げてさらに説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、形成された赤外線遮蔽膜中の導電性酸化物微粒子の平均粒径はTEM観察により見積り、得られた赤外線遮蔽膜付きガラスを以下のとおり評価した。
1)膜厚:走査電子顕微鏡(日立製作所製:S−800)によって膜の断面観察を行い、得られた観察像より第1層被膜および第2層被膜の膜厚を得た。
2)可視光透過率(TV):分光光度計(日立製作所製:U−3500)により380〜780nmの赤外線遮蔽膜付きガラスの透過率を測定し、JIS−R3106(1998年)により可視光透過率を算出した。
3)赤外線遮蔽膜単体の透過率:2)の方法により測定したガラス基板単体の透過率と赤外線遮蔽膜付きガラスを比較して、
(赤外線遮蔽膜付きガラスの透過率)/(ガラス基板単体の透過率)×100%で評価した。
1)膜厚:走査電子顕微鏡(日立製作所製:S−800)によって膜の断面観察を行い、得られた観察像より第1層被膜および第2層被膜の膜厚を得た。
2)可視光透過率(TV):分光光度計(日立製作所製:U−3500)により380〜780nmの赤外線遮蔽膜付きガラスの透過率を測定し、JIS−R3106(1998年)により可視光透過率を算出した。
3)赤外線遮蔽膜単体の透過率:2)の方法により測定したガラス基板単体の透過率と赤外線遮蔽膜付きガラスを比較して、
(赤外線遮蔽膜付きガラスの透過率)/(ガラス基板単体の透過率)×100%で評価した。
4)日射透過率(Te):分光光度計(日立製作所製:U−3500)により300〜2100nmの赤外線遮蔽膜付きガラスの透過率を測定し、JIS−R3106(1998年)により日射透過率を算出した。なお、本発明における赤外線遮蔽性能は日射透過率の性能で表現した。
5)赤外域の透過率:分光光度計(日立製作所製:U−3500)により300〜2100nmの赤外線遮蔽膜付きガラスの透過率を測定し、波長1μmの透過率をT1、波長2μmの透過率をT2とした。
6)耐摩耗性:テーバー式耐摩耗試験機を用い、JIS−R3212(1998年)に記載の方法によって、CS−10F磨耗ホイールで1000回転の摩耗試験を行い、試験前後の傷の程度を曇価(ヘイズ値)によって測定し、曇価の増加量で評価した。
7)耐薬品性:0.05モル/リットルの硫酸溶液および0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム溶液を被膜上に滴下し、25℃で24時間放置したのち水洗して試験前後での外観、特性の変化を追跡した。
5)赤外域の透過率:分光光度計(日立製作所製:U−3500)により300〜2100nmの赤外線遮蔽膜付きガラスの透過率を測定し、波長1μmの透過率をT1、波長2μmの透過率をT2とした。
6)耐摩耗性:テーバー式耐摩耗試験機を用い、JIS−R3212(1998年)に記載の方法によって、CS−10F磨耗ホイールで1000回転の摩耗試験を行い、試験前後の傷の程度を曇価(ヘイズ値)によって測定し、曇価の増加量で評価した。
7)耐薬品性:0.05モル/リットルの硫酸溶液および0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム溶液を被膜上に滴下し、25℃で24時間放置したのち水洗して試験前後での外観、特性の変化を追跡した。
8)電波減衰率:ネットワークアナライザ(ヒューレットパッカード社製:8510B)により、赤外線遮蔽膜付きガラスを透過する1GHzの電磁波の減衰率を測定した。
9)凝集粒子径:溶媒中の透明導電性酸化物微粒子の数平均凝集粒子径は、大塚電子レーザーゼータ電位計、ELS−8000で測定した。
9)凝集粒子径:溶媒中の透明導電性酸化物微粒子の数平均凝集粒子径は、大塚電子レーザーゼータ電位計、ELS−8000で測定した。
(透明導電性酸化物微粒子分散液の作成例)
透明導電性酸化物微粒子としてITO微粒子(平均一次粒子径30nm、Sn/In=5%)を用い、このITO微粒子の拡散反射分光スペクトル(図1)は、440nmに反射率の極大を有した。
ITO微粒子を分散液の作成は、ITO微粒子120gを、硝酸によってpH=3に調整したイオン交換水280g中に添加し、湿式ジェットミルを用いて分散処理を行ったのち純水を添加して固形分濃度20重量%のITO微粒子が分散した分散液Aを得た。分散液中のITO微粒子の数平均凝集粒子径は100nmであった。
透明導電性酸化物微粒子としてITO微粒子(平均一次粒子径30nm、Sn/In=5%)を用い、このITO微粒子の拡散反射分光スペクトル(図1)は、440nmに反射率の極大を有した。
ITO微粒子を分散液の作成は、ITO微粒子120gを、硝酸によってpH=3に調整したイオン交換水280g中に添加し、湿式ジェットミルを用いて分散処理を行ったのち純水を添加して固形分濃度20重量%のITO微粒子が分散した分散液Aを得た。分散液中のITO微粒子の数平均凝集粒子径は100nmであった。
(例1)
23.7gのエタノール中にテトラメトキシシラン5.7gおよびメチルトリメトキシシラン6.2gを混合したのち、40℃で溶液を撹拌しながら0.1モル/リットルの硝酸水溶液6gを徐々に滴下した。そのまま40℃温浴中で1時間撹拌を続け、液Bとした。
分散液A50g中に、液B25gをゆっくりと撹拌しながら滴下し、そのまま室温で30分撹拌して第1層被膜形成用組成物Cとした。得られた組成物Cを、厚さ3.5mmの高熱線吸収グリーンガラス(TV:75%、Te:47%、T1=22%、T2=49%、旭硝子製UVFL)上にスピンコート法によって塗布し、大気中で120℃で10分間乾燥させて下層被膜とした。
23.7gのエタノール中にテトラメトキシシラン5.7gおよびメチルトリメトキシシラン6.2gを混合したのち、40℃で溶液を撹拌しながら0.1モル/リットルの硝酸水溶液6gを徐々に滴下した。そのまま40℃温浴中で1時間撹拌を続け、液Bとした。
分散液A50g中に、液B25gをゆっくりと撹拌しながら滴下し、そのまま室温で30分撹拌して第1層被膜形成用組成物Cとした。得られた組成物Cを、厚さ3.5mmの高熱線吸収グリーンガラス(TV:75%、Te:47%、T1=22%、T2=49%、旭硝子製UVFL)上にスピンコート法によって塗布し、大気中で120℃で10分間乾燥させて下層被膜とした。
5重量%のポリシラザン−ジブチルエーテル溶液を下層被膜の上にスピンコート法によって塗布し、大気中で120℃で10分間乾燥させた後720℃に保った大気雰囲気の電気炉中でガラス基板温度が685℃になるまで熱処理して赤外線遮蔽膜付きガラスを得た。熱処理に掛かった時間はおおよそ4分であった。得られた膜の膜厚は、第1層被膜が0.5μm、第2層被膜が0.1μmであった。
X線光電子分光法によって、第1層被膜中の[透明導電酸化物(ITO)微粒子]/[酸化ケイ素]の存在比を測定し質量比で表わすと、[ITO微粒子]/[酸化ケイ素]=10/4であった。また、ITOは685℃では結晶成長起こさないため、第1層被膜中のITO平均一次粒径は30nmである。また、第2層目の組成分析を行うと、主成分はケイ素の酸化物であるが僅かにケイ素の窒化物も含まれるケイ素の酸窒化物であった。
得られた赤外線遮蔽膜付きガラスの特性(可視光透過率、日射透過率、耐摩耗性および電波減衰率)の評価結果を表1に示す。また、赤外線遮蔽膜付きガラスの分光透過率を図2に示す。
得られた赤外線遮蔽膜付きガラスの特性(可視光透過率、日射透過率、耐摩耗性および電波減衰率)の評価結果を表1に示す。また、赤外線遮蔽膜付きガラスの分光透過率を図2に示す。
(例2)
23.9gのエタノール中にテトラメトキシシラン3.8gおよびメチルトリメトキシシラン7.9gを混合したのち、40℃で溶液を撹拌しながら0.1モル/リットルの硝酸水溶液6gを徐々に滴下した。そのまま40℃温浴中で1時間撹拌を続け、マトリックス成分液(液D)とした。
分散液A50g中に、液D42gをゆっくりと撹拌しながら滴下し、そのまま室温で30分撹拌して第1層被膜形成用組成物Eとした。得られた組成物Eを、厚さ3.5mmの高熱線吸収グリーンガラス(TV:75%、Te:47%、T1=22%、T2=49%、旭硝子製UVFL)上にスピンコート法によって塗布し、大気中で120℃で10分間乾燥させて下層被膜とした。その後は、例1と同様にして上層被膜を塗布後熱処理し、赤外線遮蔽膜付きガラスを得た。得られた膜の膜厚は、第1層被膜が0.65μm、第2層被膜が0.1μmであった。
23.9gのエタノール中にテトラメトキシシラン3.8gおよびメチルトリメトキシシラン7.9gを混合したのち、40℃で溶液を撹拌しながら0.1モル/リットルの硝酸水溶液6gを徐々に滴下した。そのまま40℃温浴中で1時間撹拌を続け、マトリックス成分液(液D)とした。
分散液A50g中に、液D42gをゆっくりと撹拌しながら滴下し、そのまま室温で30分撹拌して第1層被膜形成用組成物Eとした。得られた組成物Eを、厚さ3.5mmの高熱線吸収グリーンガラス(TV:75%、Te:47%、T1=22%、T2=49%、旭硝子製UVFL)上にスピンコート法によって塗布し、大気中で120℃で10分間乾燥させて下層被膜とした。その後は、例1と同様にして上層被膜を塗布後熱処理し、赤外線遮蔽膜付きガラスを得た。得られた膜の膜厚は、第1層被膜が0.65μm、第2層被膜が0.1μmであった。
X線光電子分光法によって、第1層被膜中の[透明導電酸化物(ITO)微粒子]/[酸化ケイ素]の存在比を測定し質量比で表わすと、[ITO微粒子]/[酸化ケイ素]=10/6であった。また、ITOは685℃では結晶成長起こさないために、第1層被膜中のITO平均一次粒径は30nmである。
得られた赤外線遮蔽膜付きガラスの特性(可視光透過率、日射透過率、耐摩耗性および電波減衰率)の評価結果を表1に示す。
得られた赤外線遮蔽膜付きガラスの特性(可視光透過率、日射透過率、耐摩耗性および電波減衰率)の評価結果を表1に示す。
(例3)
例1の下層被膜の乾燥工程において、大気中で120℃10分の乾燥の後200W低圧水銀灯で5分間露光を行った以外は、例1と同様にして赤外線遮蔽膜付きガラスを得た。X線光電子分光法によって、第1層被膜中の[透明導電酸化物(ITO)微粒子]/[酸化ケイ素]の存在比を測定し質量比で表わすと、[透明導電酸化物(ITO)微粒子]/[酸化ケイ素]=10/4であった。また、ITOは685℃では結晶成長起こさないために、第1層被膜中のITO平均一次粒径は30nmである。
例1の下層被膜の乾燥工程において、大気中で120℃10分の乾燥の後200W低圧水銀灯で5分間露光を行った以外は、例1と同様にして赤外線遮蔽膜付きガラスを得た。X線光電子分光法によって、第1層被膜中の[透明導電酸化物(ITO)微粒子]/[酸化ケイ素]の存在比を測定し質量比で表わすと、[透明導電酸化物(ITO)微粒子]/[酸化ケイ素]=10/4であった。また、ITOは685℃では結晶成長起こさないために、第1層被膜中のITO平均一次粒径は30nmである。
(例4)
例1で用いた組成物Cを2−プロパノールで10倍に希釈した組成物を、スプレーコート法によって60m×80cm×3.5mmの高熱線吸収グリーンガラスに塗布し、150℃に保ったトンネル式オーブンによって大気中で乾燥させた後、0.3重量%のポリシラザン−ジブチルエーテル溶液をスプレーコート法によって塗布し、150℃に保ったトンネル式オーブンによって大気中で乾燥させた。
例1で用いた組成物Cを2−プロパノールで10倍に希釈した組成物を、スプレーコート法によって60m×80cm×3.5mmの高熱線吸収グリーンガラスに塗布し、150℃に保ったトンネル式オーブンによって大気中で乾燥させた後、0.3重量%のポリシラザン−ジブチルエーテル溶液をスプレーコート法によって塗布し、150℃に保ったトンネル式オーブンによって大気中で乾燥させた。
下層被膜と上層被膜塗布乾燥後のガラスを、大型強化炉を用いてガラス基板温度685℃まで大気中で昇温したのち(おおよそ4分)風冷して強化処理を行った。X線光電子分光法によって、第1層被膜中の[透明導電酸化物(ITO)微粒子]/[酸化ケイ素]の存在比を測定し質量比で表わすと、[透明導電酸化物(ITO)微粒子]/[酸化ケイ素]=10/4であった。また、ITOは685℃では結晶成長起こさないために、第1層被膜中のITO平均一次粒径は30nmである。得られた赤外線遮蔽膜付き強化板ガラスの特性を表1に示す。
(例5−比較例)
例1において上層被覆を作成せず、下層被膜付きガラス基板を例1と同様に熱処理して赤外線遮蔽膜付きガラスを作成した。結果を表1に示すとともに、熱処理後のガラスの分光透過率を図1に示す。
例1において上層被覆を作成せず、下層被膜付きガラス基板を例1と同様に熱処理して赤外線遮蔽膜付きガラスを作成した。結果を表1に示すとともに、熱処理後のガラスの分光透過率を図1に示す。
(例6−比較例)
例1で、熱処理条件を180℃、30分で行った以外は例1と同様にして赤外線遮蔽膜付きガラスを得た。結果を表1に示す。
例1で、熱処理条件を180℃、30分で行った以外は例1と同様にして赤外線遮蔽膜付きガラスを得た。結果を表1に示す。
また、表1中において、例は、実施例に記載の例1〜例6を示し、m値は、平均組成式(CH3)mSi(OR)4−mであらわされるmの値を示し、膜厚は、第1層被膜膜厚と第2層被膜膜厚を示し、(第1層被膜膜厚)/(第2層被膜膜厚)の順に単位μmで表示した。Tv−1はガラス基板単体の可視光透過率(%)、Tv−2は赤外線遮蔽膜付きガラスの可視光透過率(%)、Tv−3は計算によって求めた赤外線遮蔽膜の可視光透過率(%)を示す。耐摩耗性はテーパー式耐摩耗試験機を用い、JIS−R3212(1998年)に記載の方法によって、CS−10F磨耗ホイールで1000回転の摩耗試験を行い、試験前後の傷の程度を曇価(ヘイズ値)によって測定し、曇価の増加量を示し、注1の耐摩耗性については、強化ガラスを切断できないために耐摩耗試験できないが、例1の場合と同程度である。
(例7−比較例)
c光源、2°視野でのxy色度座標上における粉体色が、(x、y)=(0.347、0.376)であり、粉末X線回折法によって求められる結晶子径が26nmであるITO微粒子をpH=3の硝酸水溶液中にサンドミルを用いてITO濃度20%で分散させて分散液Fとした。平均分散粒子径は90nmであった。
26.6gのエタノール中にテトラメトキシシラン0.36gおよびメチルトリメトキシシラン2.86gを混合したのち、40℃で溶液を撹拌しながら0.1モル/リットルの硝酸水溶液1.68gを徐々に滴下した。そのまま40℃温浴中で1時間撹拌を続け、マトリックス成分液(液G)とした。
c光源、2°視野でのxy色度座標上における粉体色が、(x、y)=(0.347、0.376)であり、粉末X線回折法によって求められる結晶子径が26nmであるITO微粒子をpH=3の硝酸水溶液中にサンドミルを用いてITO濃度20%で分散させて分散液Fとした。平均分散粒子径は90nmであった。
26.6gのエタノール中にテトラメトキシシラン0.36gおよびメチルトリメトキシシラン2.86gを混合したのち、40℃で溶液を撹拌しながら0.1モル/リットルの硝酸水溶液1.68gを徐々に滴下した。そのまま40℃温浴中で1時間撹拌を続け、マトリックス成分液(液G)とした。
分散液F70g中に、液G37.3gをゆっくりと撹拌しながら滴下し、そのまま室温で30分撹拌して第1層被膜形成用組成物Hとした。得られた組成物Hを、厚さ3.5mmの高熱線吸収グリーンガラス(TV:75%、Te:47%、T1=22%、T2=49%、旭硝子製UVFL)上にスピンコート法によって塗布し、大気中で120℃で10分間乾燥させて下層被膜とした。
5重量%のポリシラザン−ジブチルエーテル溶液を下層被膜の上にスピンコート法によって塗布し、大気中で120℃で10分間乾燥させて膜つきガラスを得た。得られた膜つきガラスの特性可視光透過率、日射透過率、耐摩耗性および電波減衰率)の評価結果を表2に示す。
5重量%のポリシラザン−ジブチルエーテル溶液を下層被膜の上にスピンコート法によって塗布し、大気中で120℃で10分間乾燥させて膜つきガラスを得た。得られた膜つきガラスの特性可視光透過率、日射透過率、耐摩耗性および電波減衰率)の評価結果を表2に示す。
(例8)
例7で得られた膜つきガラスを、720℃に保った大気雰囲気の電気炉中でガラス基板温度が685℃になるまで熱処理して赤外線遮蔽膜付きガラスを得た。熱処理に掛かった時間はおおよそ4分であった。得られた膜の膜厚は、第1層被膜が0.3μm、第2層被膜が0.1μmであった。
得られた赤外線遮蔽膜付きガラスの特性の評価結果を表2に示す。
例7で得られた膜つきガラスを、720℃に保った大気雰囲気の電気炉中でガラス基板温度が685℃になるまで熱処理して赤外線遮蔽膜付きガラスを得た。熱処理に掛かった時間はおおよそ4分であった。得られた膜の膜厚は、第1層被膜が0.3μm、第2層被膜が0.1μmであった。
得られた赤外線遮蔽膜付きガラスの特性の評価結果を表2に示す。
(例9)
例7で用いたITO微粒子を、濃硝酸を0.02質量%含むエタノール溶媒中にビーズミルを用いて分散させ、7質量%のITOを含む分散液Iを作成した。平均分散粒子径は90nmであった。得られた分散液Iを、厚さ3.5mmの高熱線吸収グリーンガラス(Tv:75%、Te:47%、T1=22%、T2=49%、旭硝子製UVFL)上にスピンコート法によって塗布し、そのまま室温で1分間回転させて乾燥させた後、5重量%のポリシラザン−キシレン溶液を下層被膜の上にスピンコート法によって塗布し、大気中で120℃で10分間乾燥させて膜つきガラスを得た。得られた膜つきガラスを720℃に保った大気雰囲気の電気炉中でガラス基板温度が685℃になるまで熱処理して赤外線遮蔽膜付きガラスを得た。熱処理に掛かった時間はおおよそ4分であった。得られた膜の膜厚は、第1層被膜が0.3μm、第2層被膜が0.1μmであった。
例7で用いたITO微粒子を、濃硝酸を0.02質量%含むエタノール溶媒中にビーズミルを用いて分散させ、7質量%のITOを含む分散液Iを作成した。平均分散粒子径は90nmであった。得られた分散液Iを、厚さ3.5mmの高熱線吸収グリーンガラス(Tv:75%、Te:47%、T1=22%、T2=49%、旭硝子製UVFL)上にスピンコート法によって塗布し、そのまま室温で1分間回転させて乾燥させた後、5重量%のポリシラザン−キシレン溶液を下層被膜の上にスピンコート法によって塗布し、大気中で120℃で10分間乾燥させて膜つきガラスを得た。得られた膜つきガラスを720℃に保った大気雰囲気の電気炉中でガラス基板温度が685℃になるまで熱処理して赤外線遮蔽膜付きガラスを得た。熱処理に掛かった時間はおおよそ4分であった。得られた膜の膜厚は、第1層被膜が0.3μm、第2層被膜が0.1μmであった。
第1層膜用組成物にはシロキサンマトリックスが含まれていないが、得られた膜の組成分析を行ってみると、第1層被膜中の[透明導電酸化物(ITO)微粒子]/[酸化ケイ素]=10/3であった。これは、第2層膜塗布時に、第1層被膜中に第2層被膜形成成分であるポリシラザンが浸透したためであると考えられる。
得られた赤外線遮蔽膜付きガラスの特性の評価結果を表2に示す。
得られた赤外線遮蔽膜付きガラスの特性の評価結果を表2に示す。
ガラス基板単体のTeは47%であるから、上記結果より明らかなように、例2〜4より形成される赤外線遮蔽膜付きガラスは、強化処理に相当するような過酷な熱処理を経た後でもTeを7%低減し、Teを40%という高い赤外線遮蔽性を発現した。自動車フロントサイドガラス用途では、実用上、Teは42%以下、好ましくは40%以下が望まれる。また、例2〜4より形成される赤外線遮蔽膜付きガラスは、高い耐久性も具備している。更に耐薬品試験でも変化が見られない。ところが、例5においては、第2層被膜が形成されていないため、熱処理時に第1層被膜中のITOの酸化が起こってしまい、Teが45%と大きく赤外線遮蔽性は十分に発現できない。また、例6においては、低温で硬化したため、ITOの酸化が起こらず赤外線遮蔽性は発現するが、酸化ケイ素マトリックス材料の硬化が不十分なために機械的耐久性が十分でない。例5、例6、では本発明の目的を達成できない。
また、例7は未焼成膜であるが、赤外線遮蔽性を有していないITO微粒子を使用しているために赤外線遮蔽性を有しておらず、また耐磨耗性も非常に弱い。しかし、例8に示されるように焼成によって赤外線遮蔽性が発現し、また高い耐磨耗性や薬品性などをも具備する膜が得られている。
また、例9では、第1層膜組成物にはシロキサンマトリックスが含まれていないが、第2層用組成物中のポリシラザンが第1層中に浸透したため2層膜化して形成された膜の第1層には酸化ケイ素が含まれている。
このようにして作成された赤外線遮蔽膜は、非常に耐久性も高く、また可視光線透過率が高いため自動車用などへの応用に適している。
このようにして作成された赤外線遮蔽膜は、非常に耐久性も高く、また可視光線透過率が高いため自動車用などへの応用に適している。
本発明の赤外線遮蔽膜付きガラスは、可視光透過率が高く、電波透過性が高く、機械的耐久性に優れている。また、本発明の製造方法は、特に自動車用ガラス、建材用ガラス等への用途に使用が期待できる。
10・・ガラス基板
20・・第1層被膜(ITO+酸化ケイ素からなる赤外線遮蔽膜)
30・・第2層被膜(ケイ素の酸化物膜、ケイ素の酸窒化物膜、もしくはケイ素の窒化物膜)
20・・第1層被膜(ITO+酸化ケイ素からなる赤外線遮蔽膜)
30・・第2層被膜(ケイ素の酸化物膜、ケイ素の酸窒化物膜、もしくはケイ素の窒化物膜)
Claims (11)
- ガラス基板表面上に平均一次粒子径100nm以下の透明導電性酸化物微粒子が酸化ケイ素マトリックス中に質量比[透明導電性酸化物微粒子]/[酸化ケイ素]=10/0.5〜10/20の比率で分散された第1層被膜が0.2〜2μmの厚みで形成され、第1層被膜の上に隣接して、ケイ素の酸化物、ケイ素の酸窒化物、またはケイ素の窒化物からなる第2層被膜が0.02〜0.2μmの厚みで積層されてなる赤外線遮蔽膜が形成された赤外線遮蔽膜付きガラスであって、JIS−R3212(1998年)に規定される耐摩耗性試験においてCS−10F磨耗ホイールで1000回転試験後の摩耗による曇価の増加量が5%以下である赤外線遮蔽膜付きガラス。
- 前記赤外線遮蔽膜の可視光透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1記載の赤外線遮蔽膜付きガラス。
- 透明導電性酸化物微粒子として、その微粒子の拡散反射分光測定における反射率のピーク波長が550nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の赤外線遮蔽膜付きガラス。
- ガラス基板として、JIS−R3106(1998年)により定められる可視光透過率が70%以上であり、波長1.0μmにおける透過率が30%以下であり、かつ波長2.0μmにおける透過率が40〜70%であるガラス基板を用いることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の赤外線遮蔽膜付きガラス。
- ガラス基板の表面上に、平均一次粒子径が100nm以下である透明導電性酸化物微粒子を含む組成物を塗布して、前記透明導電性酸化物微粒子が堆積された下層被膜を塗布する工程と、
200℃以下の温度で該下層被膜を半硬化させる工程と、
該下層被膜上にポリシラザン化合物を含む組成物を塗布して上層被膜を塗布して積層膜とする工程と、
得られた積層膜付きガラス基板を、酸素を含む雰囲気下でガラス基板温度が400℃以上750℃以下の温度で熱処理する工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。 - 前記透明導電性酸化物微粒子を含む組成物中に、加熱によりシロキサン結合を有する酸化ケイ素マトリックスと成る成分を含むことを特徴とする請求項5に記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
- 前記酸化ケイ素マトリックスとなる成分として、平均組成式(CH3)mSi(OR)4−m(Rはメチル基またはエチル基であり、m=0.2〜0.95)で表されるアルコキシシランの混合物、前記混合物の加水分解物、および前記混合物の重縮合物からなる群から選ばれる1種類以上を用いることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
- 前記透明導電性酸化物微粒子として、その微粒子の拡散反射分光測定における反射率のピーク波長が550nm以下である微粒子を用いることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
- 前記透明導電性酸化物微粒子として、JIS−Z8701(1999)c光源2°視野により求められるxy色度座標における粉体色が、x値0.3以上、y値0.33以上であるITO微粒子を用いることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
- 前記ITO微粒子として、粉末X線回折分析によって求められる結晶子径が15nm以上50nm以下であるITO微粒子を用いることを特徴とする請求項9に記載の赤外線遮蔽膜つきガラスの製造方法。
- 前記下層被膜を半硬化させる工程において、被膜を半硬化させる際に、波長300nm以下の紫外線を1分間以上照射することを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれかに記載の赤外線遮蔽膜付きガラスの製造方法。
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-
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