JP2781798B2 - 白色導電性物質及びその製法 - Google Patents

白色導電性物質及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、白色度が高く且つ耐候性の優れた導電性物
質及びその製法に関する。
従来の技術及びその問題点 科学技術の発達とニーズの多様化に伴ない、高性能、
多機能素材の開発が活発に行われ、エレクトロニクス産
業分野等にあっても、導電性高分子材料の開発について
の研究が種々試みられており、例えば、カーボン粒子若
しくは繊維又は銅、銀、金等の金属粉を導電性充填剤と
して用いた高分子材料が提案されている。しかしなが
ら、カーボン粒子、カーボン繊維、銅、銀、金等の金属
粉等は、いずれも黒色又は金属独自の色調を有するもの
であり、例えばプラスチックス等に導電性充填剤として
用いて得られる導電性高分子は有色であり、白色調の導
電性高分子は得られず、用途が限定される。
本発明者らは、先に特開昭59-6235号公報記載の発明
をなし、表面が酸化第二錫で覆われた繊維状チタン酸カ
リウムを主成分とする白色導電性物質を、また特開昭59
-102820号公報記載の発明をして、チタン酸アルカリ金
属の水分散液に(a)錫、インジウム、アンチモン、銅
及びニッケルからなる金属群から選ばれた金属化合物の
一種又は複数種の溶液及び(b)水酸化アルカリ又はハ
ロゲン化アルカリの水溶液の両者を同時に添加し、両溶
液間の反応により生成する水不溶性金属酸化物をチタン
酸アルカリ金属塩の表面に沈着させること等を要旨とす
る導電性チタン酸アルカリ金属塩の製造技術を公開し
た。
しかしながらいずれの発明に係る導電性物質も、導電
性、耐熱性は安定しているが、特に白色度や耐候性の点
で充分ではなかった。
発明が解決しようとする問題点 本発明は白色度が高く、且つ耐候性が優れ、導電性、
耐熱性の安定した白色導電性物質を提供することにあ
る。
問題点を解決するための手段 本発明者は、前述の公知技術の欠点を改良すべく鋭意
研究を重ねた結果、白色若しくは疑似白色の基材の表面
が錫、アンチモン及びコバルトの元素の酸化物からなる
複合酸化物被膜で覆われ、当該複合酸化物被膜中の酸化
錫及び酸化アンチモンの比率がそれぞれ約90〜約85重量
%及び約10〜約15重量%であって、かつ、酸化コバルト
の比率が当該複合物酸化物被膜を構成している酸化錫及
び酸化アンチモンの全重量に対して約0.05〜約1重量%
である白度、耐候性に優れた白色導電性物質及びその製
法を開発するに至った。
本発明において、原料として用いられる素材として
は、白色若しくは疑似白色なものが望ましい。また基材
の形状としては、リン片状、板状、針状、粉末状、粒
状、球状、繊維状等いずれの形状でもよい。
リン片状又は板状基材は、別名フレーク状基材ともい
われ、マイカが一般的である。天然マイカを例にとって
説明すると、マイカはへき開性を有するケイ酸アルミニ
ウム系の鉱物で、含有成分の違いにより多くの種類があ
るが、このうちマスコバイト(白雲母)が好ましい。ま
た、セリサイト、タルク等も挙げることができる。人工
のものとしては、マイカの表面に酸化チタンをコーティ
ングしたもの、ガラスフレーク、アルミナフレーク等を
挙げることができる。
針状基材としては、天然物と人工物があり、天然物と
してはアスベクトとウォラストナイトが代表的なもので
ある。アスベストは、針状基材としては歴史も古く、補
強性能等も優れているが、石綿肺やガンの原因物質とし
て諸外国で使用禁止措置が採られている。ウォラストナ
イトは、無水珪酸カルシウムで多用されている。人工物
としては、チタン酸カリウムウォスカー、石膏繊維、ゾ
ノトライト、MOS繊維(MgSO4・5MgO・8H2O)、PMF(Pr
ocessed Minearal Fiber)等を挙げることができる。
粉末若しくは粉状基材としては、いろいろな種類のも
のが本発明の基材として使用することができ、具体例と
しては二酸化チタン、シリカ粉末、亜鉛華、リトポン、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸
化マグネシウム、ケイ酸カリウム、カオリナイト、モン
モリオナイト等を挙げることができる。一白色若しくは
疑似白色の色相を示す粉末乃至粉状物質も、本発明の基
材として使用可能であるが、200〜800℃の温度範囲で分
解、溶融又は変質する基材は好ましいものではない。
球状基材としては、内部の詰まったビーズと内部が中
空であるバルーンとに分けられる。本発明における白色
若しくは疑似白色基材として使用できるものはバルーン
状のものが多い、バルーン状基材の具体例としてはシリ
カバルーン、ガラスバルーン、フライアッシュバルーン
等を挙げることができる。またビーズとしては、人工的
に制御されたもののうち、シリコンビーズ、ガラスビー
ズ等が本発明の基材として使用可能である。
繊維状基材としては、白色若しくは疑似白色である繊
維状基材、例えばガラス繊維、アルミナ繊維、セラミッ
ク繊維、ロックウール繊維等が例示できる。
本発明の白色度が高く、且つ耐候性が高い白色導電性
物質は、前述した各種の白色若しくは疑似白色基材の表
面に錫、アンチモンの元素の酸化物からなる複合酸化物
被膜を設けた構成からなるが、当該複合酸化物被膜中の
酸化錫の比率が約90〜約85重量%、残りの成分としては
酸化アンチモン及び酸化コバルトである。
従来、前述した各種白色若しくは疑似白色の基材表面
に酸化錫又は酸化銀に酸化アンチモンをドープした被膜
層を設けた白色導電性物質は公知である。しかしなが
ら、導電性は付与されているものの、該白色導電性物質
の白色度は低く、所謂L値でいえば80未満であり、その
色相は灰白色であり、白色と言い難いものであった。ま
た耐候性についても充分でなく、白色導電性物質の用途
は一般的に人の目に触れる部位へ使用する場合が多く、
特に光による色相変化が大きな問題であり、公知の白色
導電性物質は自然光(太陽光)や螢光灯等で色差(以下
「ΔE」という)が4以上、一般的には5〜12となり、
実用上大きな問題を抱えていた。
本発明者は、白色若しくは疑似白色の基材の表面に施
す導電性の複合酸化物被膜の構成が酸化錫として約90〜
約85重量%の範囲であり、残りの成分が酸化アンチモン
及び酸化コバルトとすることにより、L値で80以上の白
度を有し、且つΔE値が4以下の実用上極めて用途範囲
の広い白色導電性物質が得られることを見い出した。
当該複合酸化物被膜の構成において、酸化錫の比率が
90重量%を越える場合には、白度はより高くなるが、導
電性を発現し得なくなる。また逆に酸化錫の比率が85重
量%以下であると、当該複合酸化物被膜は灰色から黒色
化し、本発明の目的物を得ることはできない。本発明に
おいては、従来からΔEの大きな導電材料である酸化錫
/酸化アンチモン系複合酸化物膜の構成に新たに微量の
酸化コバルトを添加したことにより、白色度の向上及び
ΔEの低減化を図ることができた。酸化コバルトの添加
は極めて微量でその効果を発揮し得る。即ち、本発明の
複合酸化物の構成中、酸化アンチモンは約10〜約15重量
%であり、酸化コバルトは当該複合酸化物被膜を構成し
ている酸化錫/酸化アンチモンの全重量に対し約0.05〜
約1重量%の割合で添加すればよい。
本発明の白色導電性物質の従来公知の白色導電性物質
と著しい性能の差は、その製法により安定したものとな
る。
本発明の目的である白色度が高く、且つ耐候性が優
れ、導電性、耐熱性の安定した白色導電性物質の製法は
次の通りである。
本発明の製法は、白色若しくは疑似白色の基材、塩化
第一錫、アンモチン系化合物及びコバルト系化合物をア
ルカリ性水溶液中で反応させ、当該基材の表面に錫−ア
ンモチン−コバルトの複合水酸化物被膜を形成せしめ、
次いで酸性水溶液中で熟成した後、脱水乾燥し、更に高
温に加熱して当該複合水酸化物被膜を複合酸化物被膜と
する方法である。
本発明に用いられる酸化錫の原料は塩化第一錫に特定
される。本発明の目的である白色度が高く、且つ耐候性
の高い白色導電性物質の製法においては、他の錫化合物
は原料として使用することは適当でない。
本発明に用いられるアンチモン化合物やコバルト化合
物としては、水又は水溶性有機溶媒に可溶なものであれ
ばよく、例えばハロゲン化塩、酸化物等でアルカリ性で
水に可溶なもの及び金属のアルコラート、金属アセチル
アセトナート等の水溶性有機溶媒に可溶なものを例示で
きる。具体的にはSbCl3、SbCl5、CoCl、CoCl5、酸化ア
ンチモン、酸化コバルト等の水可溶性化合物及びアンチ
モン、コバルトのメチレート、エチレート、プロピオネ
ート、ブチレート及びアセチルアセトネート等の水溶性
有機溶媒に可溶な化合物が挙げられる。これ等の塩化第
一錫やアンチモン化合物及びコバルト化合物は労働安全
性、省資源等の観点から水溶液として使用することが望
ましいが、水溶性有機溶媒、例えば炭素数4以下のアル
コール類、アセトン、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジオキサン、グリセリン、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、
エチルセロソルブアセテート、ジアセトンアルコール、
アセチルアセテート等の1種又は2種以上の混合溶媒、
更にはこれ等の水溶液が挙げられる。
尚、本発明では、塩化第一錫とアンモチン化合物及び
コバルト化合物を別々に溶解した溶液、並びに塩化第一
錫とアンチモン化合物及びコバルト化合物を同時に溶解
した溶液のいずれも使用できる。
白色若しくは疑似白色の基材の水分散液の調整に当っ
ては、見掛濃度が約0.01〜50重量%好ましくは約0.1〜
3重量%になるようにするのがよい。
白色若しくは疑似白色基材の水分散液に添加される塩
基第一錫、アンチモン化合物及びコバルト化合物溶液の
濃度も自由に選定できるが、濃度が低すぎると液量が多
くなって取扱いに不便であり、生産性も低下するので、
好ましくない。また反対に溶解度以上の塩化第一錫、ア
ンチモン化合物及びコバレト化合物を添加した溶液を用
いた場合には、これ等化合物の加水分解物の白色若しく
は疑似白色基材への沈着が不均一となり、目的の白色導
電性物質の導電性、白度、耐候性にバラツキを生じる虞
れがあり、好ましくない。
本発明において、白色若しくは疑似白色の基材の表面
の複合酸化物被膜の成分はアンチモン、コバルトからな
る金属酸化物の混合物を10〜15重量%程度含有し、残り
が実質的に酸化錫から構成される。酸化アンチモンが当
該複合酸化物被膜中での含有量が10重量%未満では、ド
ーピング効果に乏しく、高導電性が望めなくなる傾向が
生ずる。また上限においては従来は特に制限はなかった
が、15重量%を超えると灰色又は青味を帯びた有彩色と
なり、白度が低下する傾向があり、白色導電性物質とし
ての利用価値が低下し、且つ一般的に高価になりやすく
産業利用性が低下する。 白色若しくは疑似白色の基材
の表面の複合酸化物被膜の被膜量としては、被膜量が少
な過ぎると均一に被膜ができず、導電性が発現されなく
なったり、低導電性となり、逆に多すぎても実質的に有
効な被膜であればよいのであって、一層の導電性が期待
できない上、白度の低下を招き、本発明の目的に合致し
なくなる。本発明の複合酸化物被膜としては、全体配合
として約20〜40重量%の範囲が好ましい。
白色若しくは疑似白色の基材の水分散液に塩化第一
錫、アンチモン化合物及びコバルト化合物溶液を添加す
る方法としては加水分解を生じる条件に調整する必要が
ある。
加水分解する第1の方法としては、塩化第一錫並びに
アンチモン及びコバルトのアルコラート、アセチルアル
コラート等の有機金属化合物を用い、これ等を水溶性有
機溶媒に溶解したものを白色若しくは疑似白色の基材の
水分散液中に添加することにより、塩化第一錫及びアン
チモン化合物やコバルト化合物が加水分解され、白色若
しくは疑似白色基材の表面に複合水酸化物の形で沈着さ
せる。尚、これらの加水分解反応は加熱下アルカリ性物
質の存在下で促進されるので、白色若しくは疑似白色の
基材の水分散液を50℃以上〜沸点以下に加熱して反応を
行なうのが好ましい。この際、アルカリ性物質として
は、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、アンモ
ニア等が使用できる。
加水分解の第2の方法は塩化第一錫とアンチモン化合
物やコバルト化合物としてはハロゲン化物を用い、これ
等のアルコール溶液を白色若しくは疑似白色の基材の水
分散液中に添加する方法であり、加熱及びアルカリ性物
質の存在下で加水分解反応が促進されるのは第1の方法
と同様である。
加水分解の第3の方法は、塩化第一錫とアンチモン化
合物及びコバルト化合物の水溶液を白色若しくは疑似白
色の基材の水分散液中に添加する方法であり、有機溶媒
を用いない点で労働安全性、防災、更には経済性の観点
から産業利用性の高い方法である。但し、塩化第一錫や
アンチモン化合物及びコバルト化合物は水分と接触する
と即加水分解したり変質するものが多く、安定な水溶液
が得られ難いことが多いが、酸性水溶液にすることによ
り安定な水溶液が得られる。尚、このような酸性水溶液
で安定なものも、加水分解は加熱及びアルカリ性物質の
存在下に行われることは第1及び第2の方法と同様であ
る。
本発明においては、塩化第一錫の溶液とアンモチン化
合物及びコバルト化合物の溶液の全種全量を混合して同
時に添加してもよいが、生成する複合水酸化物被膜層の
組成を調整すべく、各々の溶液を別々又は一部混合した
ものを添加する等、その添加法は特に制限されない。し
かし、コバルト化合物は反応の最終段階で添加するのが
効果的である。
上記の加水分解反応においては、溶液のpHは10〜14の
範囲が好ましい。
pH10〜14のアルカリ性溶液中で白色若しくは疑似白色
基材の表面に複合水酸化物被膜を形成せしめた後、酸性
溶液を添加し、系内をpH6以下となし充分な時間をかけ
て熟成させる。本発明の目的の白色導電性物質を得るた
めにはこの熟成反応が重要である。
熟成反応の終了したスラリー液中の固形分を過、デ
カンテーション又は遠心分離等の手段を用いて分離し、
これを水洗乾燥させる。
次いで、本発明の目的である白色導電性物質を得るた
めには、400〜800℃、好ましくは500〜700℃の温度で焼
成し、複合水酸化物被膜を複合水酸化物被膜に変換す
る。この熱処理に要する時間は、複合水酸化物被膜の膜
厚にもよるが、通常30分〜3時間、好ましくは1〜2時
間の範囲である。
この熱処理に際し、必要に応じて還元雰囲気を採用し
て導電性を向上させることもできる。この還元性熱処理
に際しては、水素ガス、アンモニアガス、一酸化炭素、
窒素ガス等のガスを単用又は併用すればよい。
本発明においては、白色若しくは疑似白色の基材の表
面に複合水酸化物被膜を形成せしめ、別乾燥した後、
加熱焼成前に分級・解繊すると、熱処理工程での品質の
バラツキを極めて小さくすることができる。また加熱焼
成せしめて本発明の目的である白色導電性物質を得た
後、その後工程として分級・解繊工程を入れると、利用
時極めて分散性の良好な白色導電性物質とすることがで
きる。
以下に実施例を挙げて本発明をより一層明らかにす
る。尚、実施例において単に「%」とあるのは「重量
%」であり、単に「部」とあるのは「重量部」である。
実施例1 チタン酸カリウムウィスカー(大塚化学社製、TISMO
−N)を250g取り、3000cm3のイオン水中に分散させ
る。次いで、15%の苛性ソーダ水溶液255gを加え、pHを
12に調整した。該アルカリ水溶液を三口フラスコ(5l)
に仕込む。三口フラスコを加温し液温を70℃に上げ、塩
化第一錫の45%HCl溶液(日本化学産業社製、工業グレ
ード)127g及び三塩化アンチモン(日本化学産業社製、
99.9%)のHCl溶液222gの混合液を一方の口より、更に1
5%苛性ソーダ溶液200gをもう一方の口より同時に約1
時間かけて滴下する。その後、上記塩化第一錫の45%HC
l溶液127gに、12.3%HCl溶液75gを加えたものを一方の
口より、更に15%苛性ソーダ溶液160gをもう一方の口よ
り、同時に約1時間かけて滴下する。塩化コバルト(和
光純薬社製、CoCl2・6H2O)の20%水溶液を2g添加す
る。以上の2段階の反応終了後、液温を70℃に保持した
まま、30%HCl溶液を徐々に滴下させ、反応系全体のpH
を4に調整した後30分攪拌を続ける。その後生成物を
別、脱水し、イオン水にて洗浄後乾燥する。乾燥した生
成物は、粗砕した後、電気炉(マッフル炉)で酸化雰囲
気中500℃、1時間焼成した。
このようにして得られた白色導電性物質のΔEは2.8
であり、L値は85、及び導電値は100Ω/cmであった。こ
こで、ΔEとは耐候性を表わす目安の数値であり、一般
的にはJIS Z 8730色素表示方法に記載され、定義されて
いる。また、同様にL値とは明度を表わす数値であり、
JIS Z 8728色の表示方法に記載され、定義されたもので
ある。また、導電値の測定は、JIS K 6911法に準拠し、
測定した(以下、実施例2以降も同様の測定法を採用し
た)。
実施例2 アナターゼ型二酸化チタン(帝国化工社製、JA−1)
を100g取り、1000cm3のイオン水中に分散させる。次い
で、15%の苛性ソーダ水溶液76gを加え、pHを12に調整
した。該アルカリ水溶液を三口フラスコ(2l)に仕込
む。三口フラスコを加温し液温を70℃に上げ、塩化第一
錫の45%HCl溶液(日本化学産業社製、工業グレード)3
8g及び三塩化アンチモン(日本化学産業社製、99.9%)
のHCl溶液67gの混合液を一方の口より、更に15%苛性ソ
ーダ溶液60gをもう一方の口より同時に約1時間かけて
滴下する。その後、上記塩化第一錫の45%HCl溶液38g
に、12.3%HCl溶液22.5gを加えたものを一方の口より、
更に15%苛性ソーダ溶液48gをもう一方の口より、同時
に約1時間かけて滴下する。その後、塩化コバルト(和
光純薬社製、CoCl2・6H2O)の10%水溶液を1.2g添加す
る。上記の反応終了後、液温を70℃に保持したまま、30
%HCl溶液を徐々に滴下させ、反応系全体のpHを4に調
整した後60分攪拌を続ける。生成物は別、脱水し、イ
オン水にて洗浄後乾燥する。乾燥した生成物は、粗粉砕
した後、電気炉(マッフル炉)で酸化雰囲気中600℃、
1時間焼成した。このようにして得られた白色導電性物
質のΔEは2.6であり、L値は84、及び導電値は80Ω/cm
であった。
実施例3 マスコバイト粉末(白雲母、60〜200メッシ通過、80
%)を230g取り、3000cm3のイオン水中に分散させる。
次いで、15%の苛性ソーダ水溶液250gを加え、pHを12に
調整した。このようにして調整した当該アルカリ性水分
散液を80℃に加温し、三口フラスコに仕込んだ。次いで
三口フラスコを80℃に加温し続けて、塩化第一錫の45%
塩酸酸性水溶液(日本化学産業社製)120g及び三塩化ア
ンチモン(日本化学産業社製、純度99.9%)の塩酸水溶
液220gの混合液を三口フラスコの一方の口から、同時に
15%苛性ソーダ溶液200gをもう一方の口から約1.5時間
かけて滴下した。その後続いて上記塩化第一錫の45%塩
酸酸性水溶液120gに、12.3%塩酸水溶液75gを加えたも
のを一方の口より、更に15%苛性ソーダ水溶液160gをも
う一方の口から同時に約1時間かけて滴下した。更に塩
化コバルト(和光純薬社製、CoCl2・6H2O、試薬1級)
の20%水溶液を30g添加した後、液温を80℃に保持した
まま、30%塩酸水溶液を徐々に滴下させ、反応系全体の
pHを4に調整した後30分攪拌を続ける。その後、生成物
(スラリー)を別、脱水し、イオン水で洗浄後105℃
にて乾燥する。乾燥した生成物は、粗砕・分級後、電気
炉(マッフル炉)で酸化雰囲気中600℃にて約2時間焼
成して白色導電性物質を得た。
このようにして得られた白色導電性物質のΔEは2.3
であり、L値は80、及び導電値は15Ω/cmであった。
実施例4 シリコンバルーン(東芝シリコーン社製、トスパー
ル)を400℃で1時間焼成したシリカバルーン150gを、2
000cm3のイオン水中に分散させる。次いで15%の苛性ソ
ーダ水溶液を125g加え、pHを12に調整した。該アルカリ
性分散液を三口フラスコ(3l)に仕込む。この容器を加
温し、液温を70℃に上げ、塩化第一錫の45%HCl溶液
(日本化学産業社製)62g及び三塩化アンチモン(日本
化学産業社製、99.9%)のHCl溶液110gの混合液を一方
の口より、更に15%苛性ソーダ溶液100gをもう一方の口
より、同時に約1時間かけて滴下する。その後、上記塩
化第一錫の45%HCl溶液62gに12.3%HCl溶液35gを加えた
ものを一方の口より、更に15%苛性ソーダ溶液80gをも
う一方の口より同時に約1時間かけて滴下する。その
後、塩化コバルト(和光純薬社製、CoCl2・6H2O)の30
%水溶液を0.7g添加する。上記反応終了後、液温70℃を
保持したまま30%HCl溶液を徐々に滴下し、反応系全体
のpHを4に調整した後、60分間攪拌を続ける。その後生
成物を別、脱水し、イオン水で洗浄後乾燥する。乾燥
した生成物は、粗粉砕した後、電気炉(マッフル炉)で
酸化雰囲気中500℃、1時間焼成した。
このようにして得られた白色導電性物質のΔEは1.7
であり、L値は86、及び導電値は95Ω/cmであった。
実施例5 アルミナ繊維(英ICI社製、サファルRF)を長さ1〜3
mmにカットした繊維(比表面積3〜4m3/g)を100g取
り、2000cm3のイオン水中に分散させる。次いで、15%
の苛性ソーダ水溶液100g加え、pHを12に調整した。該ア
ルカリ性分散液を70℃に上げ、塩化第一錫の45%HCl溶
液50g及び三塩化アンチモンのHCl溶液87gの混合液を一
方の口より、更に15%苛性ソーダ溶液80gをもう一方の
口より、同時に約1時間かけて滴下する。その後、上記
塩化第一錫の45%HCl溶液50gに12.3%HCl溶液30gを加え
たものを一方の口より、更に15%苛性ソーダ溶液60gを
もう一方の口より、同時に約1時間かけて滴下する。そ
の後塩化コバルトの20%水溶液1gを添加する。上記反応
終了後、液温を70℃を保持したまま30%HCl溶液を徐々
に滴下させ、反応系全体のpHを4に調整した後60分間攪
拌を続ける。その後は実施例4に従い白色導電性物質を
得た。
このようにして得られた白色導電性物質のΔEは1.9
であり、L値は87、及び導電値は20Ω/cmであった。
発明の効果 本発明によれば、導電性塗料、インキ、複合材料等に
適用できる白度が高く、且つ耐候性に優れた白色導電性
物質を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴江 正義 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大塚化学株式会社徳島研究所内 (72)発明者 森本 琢郎 京都府京都市伏見区桃山町養斎5―16 (56)参考文献 特開 昭56−140028(JP,A) 特開 昭63−285118(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白色若しくは疑似白色の基材の表面が錫、
    アンチモン及びコバルトの元素の酸化物からなる複合酸
    化物被膜で覆われ、当該複合酸化物被膜中の酸化錫及び
    酸化アンチモンの比率がそれぞれ約90〜約85重量%及び
    約10〜約15重量%であって、かつ、酸化コバルトの比率
    が当該複合酸化物被膜を構成している酸化錫及び酸化ア
    ンチモンの全重量に対して約0.05〜約1重量%である白
    度、耐候性に優れた白色導電性物質。
  2. 【請求項2】白色若しくは疑似白色の基材、塩化第一
    錫、アンチモン化合物及びコバルト化合物をアルカリ性
    溶液中で反応させ、当該基材の表面に錫−アンチモン−
    コバルトの複合水酸化物被膜を形成せしめ、次いで酸性
    溶液中で熟成した後、濾別乾燥し、更に高温に加熱して
    当該複合水酸化物被膜を複合酸化物被膜とすることを特
    徴とする白色導電性物質の製法。
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