JP3431726B2 - 導電性粉末及びその製造方法、導電性塗膜 - Google Patents

導電性粉末及びその製造方法、導電性塗膜

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JP3431726B2
JP3431726B2 JP13798995A JP13798995A JP3431726B2 JP 3431726 B2 JP3431726 B2 JP 3431726B2 JP 13798995 A JP13798995 A JP 13798995A JP 13798995 A JP13798995 A JP 13798995A JP 3431726 B2 JP3431726 B2 JP 3431726B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性粉末及びその製造
方法に関し、更に詳しくは、透明性と隠蔽性とのバラン
スが取れており、毒性が少なく、安価であり、プラスチ
ック、ゴム、樹脂、塗料(以下、基材と称す)中への高
い分散性を有し、かつ温度変化に対しても安定性のある
導電率を有する導電性粉末及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの幾つかの用途において、
それらの電気絶縁性が技術上の問題を惹き起こしてい
る。例えば、コンピューターハウジングを用いる場合の
様に電気部品を比較的大きな電磁界から遮蔽する必要が
ある場合、あるいは帯電した部品から放電させる場合に
は、プラスチックの電気絶縁性は特に望ましくない。高
性能爆薬又はIC部品の保管、帯電防止処理のカーペッ
ト又は医療用ゴム製品の製造、或は金属用導電性接着剤
の製造方法においてもプラスチックの電気絶縁性は問題
を惹き起こしている。
【0003】ポリマーは導電性粒子の添加により導電性
になし得ることが知られおり、基材に混入してそれらに
導電性を付与することの出来る微細物質の研究が種々行
なわれている。代表的な物質としては、金属粉末、カー
ボンブラック粉末、アンチモン等をドープした酸化錫粉
末、アンチモン等をドープした酸化錫被膜を有する粉
末、ならびに酸化錫を被覆した二酸化チタン粉末等が挙
げられる。
【0004】このうち、金属粒子又はカーボンブラック
粒子については、それらを含む基材が黒色を呈する為、
色調の選択ができない。又、アンチモンをドープした酸
化錫粉末については、導電性付与の点では優れているも
ののアンチモンの毒性が懸念される上、基材も青黒味を
呈するという問題がある。
【0005】一方、昨今、導電性を付与した基材を塗料
化し、部材に塗布した際に、即ち導電性被膜形成時に、
部材の性能には影響のない部材表面のキズ、汚れ、ムラ
等を隠蔽すると同時に、導電性被膜における色調の鮮明
さ等の外観も改善することが重要視される様になりつつ
ある。
【0006】この様な要求に対して、例えば特公平4−
154621号公報には、酸化錫を被覆した二酸化チタ
ン粉末の製造方法が開示されているが、この方法で作成
された粉末では導電性の付与や上記隠蔽性の点では優れ
ているものの被膜の透明度が著しく失われるという欠点
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来技
術による導電性粉末では、安全性、コスト、分散性、導
電性、透明性と隠蔽性とのバランス性について一長一短
があり、必ずしも満足できるものではなかった。従っ
て、これらの安全性、コスト、分散性、導電性を兼ね備
えている上に、透明性と隠蔽性とのバランスがほどよく
取れた導電性粉末の開発が待たれていた。
【0008】本発明の目的は、(1)基材に添加した際
に、透明性と隠蔽性とのバランスが取れており、且つ着
色材による色調の調整を阻害せず、(2)アンチモンの
様な有害物質を含まず、(3)安価に製造でき、(4)
導電性が温度変化に対して安定しており、(5)プラス
チック中への高い分散性を有し、(6)基材に添加した
際に、粉末の表面を被覆している被膜が剥離しない導電
性粉末を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意努力した結果、微粒子芯材として
硫酸バリウム微粒子及び二酸化チタン微粒子を特定の量
比で併用し、それらの表面を特定量の二酸化錫で被覆し
て得た粉体混合物であって、該粉体混合物の比電気抵抗
値が特定の値である導電性粉体を提供することによって
上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成し
た。
【0010】即ち、本発明の導電性粉末は、硫酸バリウ
ムの微粒子芯材とその表面を被覆している二酸化錫の被
膜からなる粉体と、二酸化チタンの微粒子芯材とその表
面を被覆している二酸化錫の被膜からなる粉体との粉体
混合物であり、該粉体混合物中の硫酸バリウム及び二酸
化チタンの相対量がTiO2/(TiO2+BaSO4
=0.03〜0.40(重量比)を満足する量であり、
二酸化錫が該粉体混合物の30〜80重量%を占めてお
り、該粉体混合物を400Kgf/cm 2 の圧力で加圧
成形した時の比電気抵抗値が100〜103Ω・cmであ
ることを特徴とする。
【0011】又、本発明の上記の導電性粉末の製造方法
は、硫酸バリウム微粒子及び二酸化チタン微粒子を、硫
酸バリウム及び二酸化チタンの相対量がTiO2 /(T
iO 2 +BaSO4 )=0.03〜0.40(重量比)を
満足する量で且つ合計総濃度が10〜1000g/lと
なる量で含有する分散スラリーと、四価の錫化合物を含
むアルカリ性溶液とを混合してpH11〜14の混合液
を調製し、該混合液に酸を添加して添加後の液のpHを
1〜5に調節し、それにより得られた沈殿物を固液分離
し、乾燥し、不活性雰囲気下又は還元性雰囲気下で焼成
することを特徴とする。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
導電性粉末においては、粉体混合物の芯材を構成する硫
酸バリウム及び二酸化チタンの相対量は重量比でTiO
2 /(TiO2 +BaSO4 )=0.03〜0.40、好
ましくは0.05〜0.30、更に好ましくは0.10〜
0.30を満足する量である。上記の重量比が0.03未
満の場合(二酸化チタンの量が上記の範囲よりも少ない
場合)には、導電性を付与した基材を塗料化し、部材に
塗布した際の隠蔽力が小さく、部材表面のキズ、汚れ、
ムラ等が目立ち、製品の美観を損ねる。又、0.40を
超える場合には、白色度が強過ぎて基材の着色時に鮮明
な色調が得られない。
【0013】また、本発明の導電性粉末においては、二
酸化錫が粉体混合物の30〜80重量%を占める。二酸
化錫の量が30重量%未満の場合には、粉末の導電性が
不十分となり、従って基材に添加しても満足な帯電防止
効果が得られない。又、80重量%を超える場合には、
増加するコストに見合った効果が得られず、無意味であ
る。
【0014】本発明の導電性粉末は、主として基材に導
電性を付与するために基材に添加して用いるものである
ので、本発明においては粉体混合物を400Kgf/c
2 の圧力で加圧成形した時の比電気抵抗値が100〜1
3Ω・cmであるもののみを対象とする。また、本発
明は導電性粉末を塗膜とした際に透明性と隠匿性とのバ
ランスが取れることを目的にしており、従って、本発明
においては粉体混合物を用いて作成した塗膜の全光線透
過率が15〜70%であるもののみを対象とする。
【0015】更に、本発明の導電性粉末においては、硫
酸バリウムの微粒子芯材の平均粒子径は好ましくは0.
1〜0.7μmである。平均粒子径が0.1μm未満の場
合には、所望レベルの導電性に達するのに必要な被膜物
質の量が多くなり、コスト的に不経済となる傾向があ
る。又、平均粒子径が0.7μmを超える場合には、硫
酸バリウムの単位重量当りの導電性が小さいため、最終
製品の導電性も低くなる傾向がある。また、二酸化チタ
ンの微粒子芯材の平均粒子径は好ましくは0.1〜0.5
μmである。平均粒子径が0.1μm未満の場合には、
所望レベルの導電性に達するのに必要な被膜物質の量が
多くなり、コスト的に不経済となる傾向がある。又、平
均粒子径が0.5μmを超える場合には、二酸化チタン
の単位重量当りの導電性が小さいため、最終製品の導電
性も低くなる傾向がある。
【0016】本発明の導電性粉末の製造方法において
は、硫酸バリウム微粒子及び二酸化チタン微粒子を、硫
酸バリウム及び二酸化チタンの相対量がTiO2 /(T
iO2+BaSO4 )=0.03〜0.40(重量比)を
満足する量で且つ合計総濃度が10〜1000g/lで
ある量で含有する分散スラリーを用いる。本発明の製造
方法において、硫酸バリウム微粒子及び二酸化チタン微
粒子を、硫酸バリウム及び二酸化チタンの相対量がTi
2 /(TiO2 +BaSO4 )=0.03〜0.40
(重量比)を満足する量で含有する分散スラリーを用い
る理由は上記の導電性粉末の説明から明らかである。ま
た、本発明の製造方法において、硫酸バリウム微粒子及
び二酸化チタン微粒子を、硫酸バリウム及び二酸化チタ
ンの合計総濃度が10〜1000g/lである量で含有
する分散スラリーを用いる理由は、合計総濃度が10g
/l未満の場合には生産性が悪くなり、また1000g
/lを超える場合には得られる導電性粉末中に遊離の二
酸化錫が含まれ、また均一な二酸化錫被膜が得られにく
くなる傾向があるためである。
【0017】本発明の導電性粉末の製造方法において用
いる分散スラリーは、硫酸バリウム微粒子を含有する分
散スラリーと二酸化チタン微粒子を含有する分散スラリ
ーとを別々に調製し、それらを混合して調製したもので
あっても、或いは硫酸バリウム微粒子及び二酸化チタン
微粒子の何れか一方を含有する分散スラリーに他方を添
加攪拌して調製したものであっても、又は硫酸バリウム
微粒子及び二酸化チタン微粒子を同時に分散させたもの
であってもよい。
【0018】本発明の導電性粉末の製造方法において用
いる四価の錫化合物を含むアルカリ性溶液としては、例
えば錫酸ナトリウム水溶液、錫酸カリウム水溶液等が挙
げられる。四価の錫化合物を含むアルカリ性溶液の濃度
については特には制限はないが、薄過ぎると反応系の総
量が多くなり、pHの調整に必要な薬剤量も多くなり、
生産性も低下するので好ましくなく、また濃過ぎると反
応の均一性が低下する傾向があるので好ましくなく、従
って、四価の錫化合物の濃度を1〜95重量%とするこ
とが好ましい。
【0019】本発明の導電性粉末の製造方法において
は、上記の分散スラリーと上記の四価の錫化合物を含む
アルカリ性溶液とを混合してpH11〜14の混合液を
調製することが必須である。pHが11未満である場合
には錫化合物が加水分解してその分だけ二酸化錫の被覆
が不十分となる。一方、pHが14よりも大きい場合に
は次工程で多量の酸を必要とし、不経済である。
【0020】本発明の導電性粉末の製造方法において
は、pH11〜14の混合液を調製した後に該混合液に
酸を添加して添加後の液のpHを1〜5に調節する。こ
の際にpHが1未満であると錫化合物が再溶解してその
分だけ二酸化錫の被覆が不十分となる。一方、pHが5
よりも大きい場合には加水分解が不十分となり、好まし
くない。
【0021】本発明の導電性粉末は、上記した製造方法
によって好ましく製造することができるが、次の製造方
法によっても製造することができる。即ち、硫酸バリウ
ム微粒子を10〜1000g/lの量で含有する分散ス
ラリーと、四価の錫化合物を含むアルカリ性溶液とを混
合してpH11〜14の混合液を調製し、該混合液に酸
を添加して添加後の液のpHを1〜5に調節してスラリ
ーAを調製する。一方、二酸化チタン微粒子を10〜1
000g/lの量で含有する分散スラリーと、四価の錫
化合物を含むアルカリ性溶液とを混合してpH11〜1
4の混合液を調製し、該混合液に酸を添加して添加後の
液のpHを1〜5に調節してスラリーBを調製する。硫
酸バリウム及び二酸化チタンの相対量がTiO2 /(T
iO2 +BaSO4 )=0.03〜0.40(重量比)を
満足する量でスラリーAとスラリーBとを混合し、それ
により得られた沈殿物を固液分離し、乾燥し、不活性雰
囲気下又は還元性雰囲気下で焼成する。
【0022】
【0023】本発明の導電性粉末は塗料、樹脂、プラス
チック等の基材に混入しても透明性と隠蔽性とのバラン
スが取れており、他の着色材を併用した際の色のくすみ
も抑制されるので所望の鮮明な色調が得られる。又、本
発明の導電性粉末は、芯材として微粒子の硫酸バリウム
及び微粒子の二酸化チタンを使用し、それらの表面に二
酸化錫単味の被膜を形成しているので、アンチモンをド
ープした二酸化錫被覆の導電性粉末に較べて毒性の問題
もなく、また青黒味の色調の発生もない。
【0024】又、本発明の導電性粉末は、温度変化に対
しても安定な導電性を示すと共に、基材中への分散性に
も優れている。従って、本発明の導電性粉末は紙、プラ
スチック、ゴム、樹脂、塗料等に混入してそれらに導電
性を付与することができ、例えば精密電子機器の静電気
障害防止、静電気災害の発生防止、防塵等のためのハウ
ジング、建材、繊維、機械部品等の用途に用いることが
できる。
【0025】更に、本発明の導電性粉末は複写機関連で
荷電調整剤として導電性ローラ、感光ドラム、トナー
に、又、電極改質剤として電池等に用いることもでき
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定され
るものではない。 実施例1 平均粒子径が0.2μmの硫酸バリウム粒子95gを水
760ml中に分散させ、一方、平均粒子径が0.3μ
mの二酸化チタン粒子5gを水25ml中に分散させ、
これらの分散スラリーを混合し、攪拌して75℃まで加
熱した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してス
ラリーのpHを12程度に調整した。次いで錫酸ナトリ
ウム(Na2SnO3・3H2O 96%含有)184gを
水500mlに溶解した水溶液を該分散スラリーに添加
し、30分間攪拌した後、20%硫酸水溶液を90分間
かけてスラリー液のpHが2.5になるまで中和した。
この分散スラリーをpH2.5、75℃に保持しながら
3時間熟成した後、濾過し、洗浄し、乾燥し、横型チュ
ーブ炉中でアルゴン雰囲気下、300℃で2時間焼成し
て、本発明の導電性粉末を得た。この導電性粉末はチタ
ンをTiO2 として2.4重量%、錫をSnO2 として
50.8重量%含有し、残部は硫酸バリウムで構成され
ていた。この導電性粉末の比電気抵抗値、並びにこの導
電性粉末を用いて作成した塗膜の膜厚、塗膜抵抗、全光
線透過率及びヘイズは表1に示す通りであった。又、全
光線透過率を測定したテストピースを用いて、下地が白
の場合及び黒の場合について隠蔽性及び透明性を調べた
ところ、下地が白の場合には隠蔽性が確保されていると
同時に、下地が黒の場合には下地を視認できる透明性を
有していることが認められた。又、この導電性粉末は走
査型電子顕微鏡及び透過型電子顕微鏡により観察した結
果、二酸化錫被膜が芯材表面を均一に被覆しており、遊
離の二酸化錫の存在しないものであった。
【0027】実施例2 平均粒子径が0.2μmの硫酸バリウム粒子90gを水
720ml中に分散させ、一方、平均粒子径が0.3μ
mの二酸化チタン粒子10gを水50ml中に分散させ
る以外は、実施例1の方法と同様にして本発明の導電性
粉末を得た。この導電性粉末はチタンをTiO2 として
4.5重量%、錫をSnO2 として50.1重量%含有
し、残部は硫酸バリウムで構成されていた。この導電性
粉末の比電気抵抗値、並びにこの導電性粉末を用いて作
成した塗膜の膜厚、塗膜抵抗、全光線透過率及びヘイズ
は表1に示す通りであった。又、全光線透過率を測定し
たテストピースを用いて、下地が白の場合及び黒の場合
について隠蔽性及び透明性を調べたところ、下地が白の
場合には隠蔽性が確保されていると同時に、下地が黒の
場合には下地を視認できる透明性を有していることが認
められた。又、この導電性粉末は走査型電子顕微鏡及び
透過型電子顕微鏡により観察した結果、実施例1と同様
に二酸化錫被膜が芯材表面を均一に被覆しており、遊離
の二酸化錫の存在しないものであった。
【0028】実施例3 平均粒子径が0.2μmの硫酸バリウム粒子85gを水
680ml中に分散させ、一方、平均粒子径が0.3μ
mの二酸化チタン粒子15gを水75ml中に分散させ
る以外は、実施例1の方法と同様にして本発明の導電性
粉末を得た。この導電性粉末はチタンをTiO2 として
6.9重量%、錫をSnO2 として50.0重量%含有
し、残部は硫酸バリウムで構成されていた。この導電性
粉末の比電気抵抗値、並びにこの導電性粉末を用いて作
成した塗膜の膜厚、塗膜抵抗、全光線透過率及びヘイズ
は表1に示す通りであった。又、全光線透過率を測定し
たテストピースを用いて、下地が白の場合及び黒の場合
について隠蔽性及び透明性を調べたところ、下地が白の
場合には隠蔽性が確保されていると同時に、下地が黒の
場合には下地を視認できる透明性を有していることが認
められた。又、この導電性粉末は走査型電子顕微鏡及び
透過型電子顕微鏡により観察した結果、実施例1と同様
に二酸化錫被膜が芯材表面を均一に被覆しており、遊離
の二酸化錫の存在しないものであった。
【0029】比較例1 平均粒子径が0.2μmの硫酸バリウム粒子100gを
水800ml中に分散させ、分散スラリーを単独で使う
以外は、実施例1の方法と同様にして導電性粉末を得
た。この導電性粉末の比電気抵抗値、並びにこの導電性
粉末を用いて作成した塗膜の膜厚、塗膜抵抗、全光線透
過率及びヘイズは表1に示す通りであった。又、全光線
透過率を測定したテストピースを用いて、下地が白の場
合及び黒の場合について隠蔽性及び透明性を調べたとこ
ろ、下地が黒の場合には下地を視認できる透明性を十分
有していることが認められたが、下地が白の場合の隠蔽
性が劣っていた。
【0030】比較例2 平均粒子径が0.3μmの二酸化チタン粒子100gを
水500ml中に分散させる以外は、実施例1の方法と
同様にして導電性粉末を得た。この導電性粉末の比電気
抵抗値、並びにこの導電性粉末を用いて作成した塗膜の
膜厚、塗膜抵抗、全光線透過率及びヘイズは表1に示す
通りであった。又、全光線透過率を測定したテストピー
スを用いて、下地が白の場合及び黒の場合について隠蔽
性及び透明性を調べたところ、下地が白の場合の隠蔽性
は十分有しているが、下地が黒の場合においては下地を
視認できる透明性を有していないことがわかた。
【0031】なお、導電性粉末の比電気抵抗値、並びに
この導電性粉末を用いて作成した塗膜の膜厚、塗膜抵
抗、全光線透過率及びヘイズの測定方法は次の通りであ
る。 (1)比電気抵抗値 試料を400Kgf/cm2 の圧力で加圧成形して試験
片とし、該試験片の比電気抵抗値を低抵抗測定器(三菱
油化製、ロレスタAP)を用いて測定する。
【0032】(2)塗膜の膜厚 試料7.45gに対し、溶剤(トルエン)6.78gと樹
脂(ダイヤナールLR167)を添加し、ガラスビーズ
(1mmφ)25gと共にサンプル瓶に詰め、ペイント
シェイカーを用いて60分間分散させる。分散が終了し
た塗料を2ml採取し、ドクターブレードを用いて塗膜
を作成し、80℃に温度設定させた乾燥器で30分間乾
燥する。塗膜化した試料をマイクロメーターを用いて断
面厚さを測定する。
【0033】(3)塗膜抵抗 試料7.45gに対し、溶剤(トルエン)6.78gと樹
脂(ダイヤナールLR167)を添加し、ガラスビーズ
(1mmφ)25gと共にサンプル瓶に詰め、ペイント
シェイカーを用いて60分間分散させる。分散が終了し
た塗料を2ml採取し、ドクターブレードを用いて塗膜
を作成し、80℃に温度設定させた乾燥器で30分間乾
燥する。塗膜化した試料の塗膜抵抗値を低抵抗測定器
(三菱油化社製ハイレスタIP)を用いて測定する。
【0034】(4)全光線透過率 試料7.45gに対し、溶剤(トルエン)6.78gと樹
脂(ダイヤナールLR167)を添加し、ガラスビーズ
(1mmφ)25gと共にサンプル瓶に詰め、ペイント
シェイカーを用いて60分間分散させる。分散が終了し
た塗料を2ml採取し、ドクターブレードを用いて塗膜
を作成し、80℃に温度設定させた乾燥器で30分間乾
燥する。塗膜化した試料を透過率計(日本電色工業製N
DH−1001DP)を用いて全光線透過率を測定す
る。
【0035】(5)ヘイズ 試料7.45gに対し、溶剤(トルエン)6.78gと樹
脂(ダイヤナールLR167)を添加し、ガラスビーズ
(1mmφ)25gと共にサンプル瓶に詰め、ペイント
シェイカーを用いて60分間分散させる。分散が終了し
た塗料を2ml採取し、ドクターブレードを用いて塗膜
を作成し、80℃に温度設定させた乾燥器で30分間乾
燥する。塗膜化した試料を透過率計(日本電色工業製N
DH−1001DP)を用いて全光線透過率及び平行透
過率を測定する。ヘイズは下記の式によって算出する: ヘイズ(%)={(全光線透過率−平行透過率)/全光線
透過率}×100
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の導電性粉末は、(1)基材に添
加した際、透明性と隠蔽性のバランスが取れており、か
つ着色材による色調の調整を阻害せず、(2)アンチモ
ンの様な有害物質を含まず、(3)安価に製造でき、
(4)導電性が温度変化に対して安定しており、(5)
プラスチック中への高い分散性を有し、(6)基材に添
加した際にも、粉末の表面を被覆している被膜が剥離し
ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 1/00 - 1/24 C09D 5/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸バリウムの微粒子芯材とその表面を
    被覆している二酸化錫の被膜からなる粉体と、二酸化チ
    タンの微粒子芯材とその表面を被覆している二酸化錫の
    被膜からなる粉体との粉体混合物であり、該粉体混合物
    中の硫酸バリウム及び二酸化チタンの相対量がTiO2
    /(TiO2+BaSO4)=0.03〜0.40(重量
    比)を満足する量であり、二酸化錫が該粉体混合物の3
    0〜80重量%を占めており、該粉体混合物を400K
    gf/cm 2 の圧力で加圧成形した時の比電気抵抗値が
    100〜103Ω・cmであることを特徴とする導電性粉
    末。
  2. 【請求項2】 硫酸バリウムの微粒子芯材の平均粒子径
    が0.1〜0.7μmであり、二酸化チタンの微粒子芯
    材の平均粒子径が0.1〜0.5μmである請求項1記
    載の導電性粉末。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の導電性粉末を用い
    て得られた塗膜の全光線透過率が15〜70%であるこ
    とを特徴とする導電性塗膜
  4. 【請求項4】 硫酸バリウム微粒子及び二酸化チタン微
    粒子を、硫酸バリウム及び二酸化チタンの相対量がTi
    2/(TiO2+BaSO4)=0.03〜0.40
    (重量比)を満足する量で且つ合計総濃度が10〜10
    00g/lとなる量で含有する分散スラリーと、四価の
    錫化合物を含むアルカリ性溶液とを混合してpH11〜
    14の混合液を調製し、該混合液に酸を添加して添加後
    の液のpHを1〜5に調節し、それにより得られた沈殿
    物を固液分離し、乾燥し、不活性雰囲気下又は還元性雰
    囲気下で焼成することを特徴とする請求項1又は2記載
    の導電性粉末の製造方法。
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