JPH06345429A - 導電性超微粉二酸化スズ及びその製造方法 - Google Patents

導電性超微粉二酸化スズ及びその製造方法

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JPH06345429A
JPH06345429A JP5165929A JP16592993A JPH06345429A JP H06345429 A JPH06345429 A JP H06345429A JP 5165929 A JP5165929 A JP 5165929A JP 16592993 A JP16592993 A JP 16592993A JP H06345429 A JPH06345429 A JP H06345429A
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Norisuke Satou
法祐 佐藤
Nobuyori Kasahara
暢順 笠原
Katsuhiko Yoshimaru
克彦 吉丸
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 実質的に二酸化スズからなり、粒度分布にお
けるD90の粒径が0.01〜5μmであり、比表面積が
5〜100m2/gであり、体積抵抗率が10-1〜104
Ω・cmであり、且つドーパントを含有していない導電
性超微粉二酸化スズ、及び第二スズ塩溶液と中和溶液と
をそれぞれ別々に同時に反応槽に導入し、導入後直ちに
両溶液を一緒に高速撹拌し、この際反応槽内をpH2〜
12の範囲内で所定の一定pH値に維持して沈殿物を析
出させ、沈殿物を回収し、乾燥し、その後不活性又は弱
還元性雰囲気中で焼成して導電性を付与することからな
る導電性超微粉二酸化スズの製造方法。 【効果】 毒性が無く安全であり、アンチモンに起因す
るような青黒味が無く、それ自体透明性に優れており、
着色剤を併用することにより任意の色調を得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性超微粉二酸化スズ
及びその製造方法に関し、更に詳しくは、帯電・静電防
止機能が要求される薄膜塗料分野、荷電調整が要求され
る複写機関連の帯電ローラー、感光ドラム、トナー等の
分野、アンチモンの毒性が問題視される帯電・静電防止
分野、ガスセンサー用焼結体原料粉末としての分野、埃
付着防止が要求されるCRT、ブラウン管等の分野、光
ディスク、FD、テープ等の磁気記録媒体分野、太陽電
池、液晶ディスプレイ等の内部電極、更には電極改質剤
として電池分野等に利用され、またその利用の際に、塗
料、インク、エマルジョン、繊維その他のポリマー中に
容易に分散混練でき、塗料に添加して薄膜として被覆さ
れた場合に高透明性であり、且つ導電性に優れた導電性
超微粉二酸化スズ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマーは導電性粒子の添加により導電
性になし得ることが知られており、プラスチックや塗料
等に混入してそれらに導電性を付与することのできる微
細物質として、金属粒子又はカーボンブラック粒子、並
びに酸化亜鉛粒子もしくはヨウ化物の如き半導体酸化物
からなる粒子、アンチモンあるいはフッ素等をドープし
た酸化錫粉末、アルミニウム等をドープした酸化亜鉛粉
末あるいは酸化錫を被覆した酸化チタン、酸化アルミニ
ウム等の粉末、並びに酸化錫を被覆したガラスファイバ
ー、チタン酸アルカリ金属塩繊維、酸化チタン繊維等の
物質が知られている。
【0003】金属粒子又はカーボンブラック粒子の使用
に伴なう欠点は、そのような添加剤を含むポリマーは黒
色となることであり、このことが多くの場合に望ましく
ないことである。酸化亜鉛粒子を使用すると、温度・湿
度依存性により導電性がばらつくという望ましくない結
果を招く。また、アンチモンをドープした酸化錫粉末は
導電性付与性に優れているがそのアンチモンドープに起
因して青黒味の色調を呈するので白色度に若干問題があ
り、更にそのアンチモンの毒性が懸念され、従ってその
用途が限定されていた。それでアンチモンを含有しない
導電性粉末として酸化錫で被覆された酸化チタン粉末の
製造方法が開示されている(特開平4−154621
号)。
【0004】従来、導電性二酸化スズの製造方法として
は、加熱水中で塩化スズ及び塩化アンチモンを加水分解
して沈殿物として得る方法(特開昭56−156606
号)や、アルカリ物質を添加してpH8以上に維持しな
がら加熱水中で塩化スズ及び塩化アンチモンを加水分解
して沈殿物として得る方法(特開昭57−71822
号)が知られている。しかし、これらの方法で得られる
アンチモンをドープした二酸化スズは導電性には優れて
いるが、アンチモンのドープに起因して青黒味の色調を
呈するので白色度に問題があり、また、アンチモンの毒
性が懸念されるので用途が限定されている。更に、それ
らの加水分解反応による製造方法では粒径のコントロー
ルが困難で、ブロードな粒度分布の粉末になることが多
いという問題がある。
【0005】また、第二スズ塩及びアンチモン塩を含む
酸性溶液とアルカリ溶液との中和沈殿反応により得られ
た沈殿物を空気中(酸化性雰囲気中)で焼成して導電性
二酸化スズを製造する方法(特開昭63−112421
号、特開平4−62713号及び特開平4−77317
号)も知られている。しかし、これらの方法で得られる
二酸化スズもアンチモンのドープに起因した上記と同様
の問題があり、また、中和沈殿反応は両液の拡散が遅
く、濃度が不均一になり、核発生の時期が揃わず、ブロ
ードな粒度分布の沈殿が析出することになる。しかも、
析出後も速やかに反応槽外に排出されず、反応槽中に長
く滞留する間に結晶成長が進み、粒径の大きな粉末にな
る。
【0006】アンチモンを含まない導電性二酸化スズの
製造方法としては、pH10以上のアルカリ溶液に塩化
スズ溶液を滴下し、沈殿させ、その沈殿物を真空中又は
還元性雰囲気中で焼成して導電性超微粉二酸化スズを得
る方法(特公昭62−1572号、特公昭62−157
3号、特公昭62−1574号及び特開平2−3221
3号)が知られている。この場合にはアンチモンの毒性
の問題はないが、得られる二酸化スズ粉末の体積抵抗率
はいずれも104 〜107 Ω・cmと高く、しかもこれ
ら104 〜107 Ω・cmの粉末を塗料に添加して薄膜
として被覆した場合には、その塗膜の表面抵抗は1011
Ω/□よりも大きくなり、静電防止用途には使用しがた
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】アンチモンを含有しな
い二酸化スズはアンチモンを含有する二酸化スズよりも
一般に体積抵抗率が高く、それで二酸化スズに良好な導
電性を付与するためにアンチモン等のドーパントを添加
しているが、近年アンチモンのドープに起因する青黒味
の色調及びアンチモンの毒性が問題視されている。それ
でアンチモンを含有せず、色調が改善されており、安全
で且つ導電性の向上した二酸化スズが強く求められてい
る。更に、塗料に添加して薄膜として被覆した場合の高
透明性も要求されている。塗膜の透明性には二酸化スズ
の粒度分布が大きく影響しており、特に一次粒子の凝集
した粗粒分がなく且つ一次粒子自体の粒度分布がシャー
プなものが理想的である。このような粒度分布の二酸化
スズであれば塗料中での分散が一次粒子レベルまで行わ
れ、しかも一次粒子径が可視光の半波長以下であれば、
高透明、低ヘーズの塗膜が得られる。
【0008】本発明者らは上記のような事情に鑑み、上
記のような欠点のない導電性超微粉二酸化スズを提供す
ることを目的として鋭意検討を重ね、本発明を完成し
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の導電性超
微粉二酸化スズは、実質的に二酸化スズからなり、粒度
分布におけるD90の粒径が0.01〜5μmであり、比
表面積が5〜100m2/gであり、体積抵抗率が10-1
〜104 Ω・cmであり、且つドーパントを含有してい
ないことを特徴とする。
【0010】また、本発明の導電性超微粉二酸化スズの
製造方法は、第二スズ塩を0.5〜10mol/l の濃度で
含有するアルカリ性溶液又は酸性溶液と該第二スズ塩溶
液を中和する中和溶液とをそれぞれ別々に同時に連続し
て反応槽(例えば、反応槽の槽底)に導入し、導入後直
ちに両溶液を一緒に高速撹拌して瞬時に両溶液の均一混
合、均一核発生、沈殿物の微細分散を促進し、この際反
応槽内をpH2〜12の範囲内で所定の一定pH値に維
持して沈殿物の浮遊濃度を一定にすることにより微細で
シャープな粒度分布を持つ沈殿物を連続的に析出させ、
反応後の溶液及び反応沈殿物をスラリーとして反応槽
(例えば、反応槽上部)より連続して排出し、そのスラ
リーを固液分離処理して沈殿物を回収し、乾燥し、その
後不活性又は弱還元性雰囲気中、300〜800℃で焼
成して導電性を付与することを特徴とする。
【0011】本発明の導電性超微粉二酸化スズは体積抵
抗率が低く、しかも導電性超微粉二酸化スズ自体が白色
あるいは透明性に優れ、それで導電性超微粉二酸化スズ
と共に着色剤を添加することによって任意の色調が得ら
れ、またアンチモンを含有していないので毒性の問題も
なく、樹脂中への高い分散性を有し、高品質で安価なも
のである。
【0012】本明細書において、粒度分布における
10、D50及びD90の粒径とは、微粉の量を粒径の小さ
い方から累積してそれぞれ10%、50%及び90%と
なる部分の微粉の粒径を意味する。
【0013】以下、本発明を更に詳細に説明する:本発
明の導電性超微粉二酸化スズにおいては、粒度分布にお
けるD90の粒径が0.01〜5μmであり、比表面積が
5〜100m2/gであり、体積抵抗率が10-1〜104
Ω・cmである。粒度分布におけるD90の粒径が0.0
1μm未満であるか、比表面積が100m2/gを越える
場合には、低温焼成でも焼結する傾向が高くなるので好
ましくない。また、粒度分布におけるD90の粒径が5μ
mを越えるか、比表面積が5m2/g未満である場合に
は、粗大粒子となり、塗料に添加して薄膜として被覆し
た場合に透明性を損なう傾向が高くなるので好ましくな
い。
【0014】本発明の目的を達成するためには体積抵抗
率が104 Ω・cm以下、好ましくは103 Ω・cm以
下であることが必要であり、また、本発明の製造方法
で、即ちアンチモン等のドーパントを用いないで得られ
る導電性超微粉二酸化スズの体積抵抗率の下限は10-1
Ω・cm程度である。
【0015】本発明の製造方法においては、用いる第二
スズ塩溶液は酸性溶液又はアルカリ性溶液のいずれでも
よく、またその第二スズ塩としては特に限定されるもの
ではない。例えば、第二スズ塩溶液が酸性溶液である場
合には、第二スズ塩として塩化スズ、硫酸スズ、硝酸ス
ズ、酢酸スズ等を用いることができる。また、第二スズ
塩溶液がアルカリ性溶液である場合には、第二スズ塩と
してスズ酸ナトリウム、スズ酸カリウム等を用いること
ができる。第二スズ塩溶液中の第二スズ塩の濃度は0.
5〜10 mol/l(SnO2 として75〜1500g/l)
であることが好ましい。第二スズ塩の濃度が0.5mol/
l 未満の場合には生産能力が低すぎ、また第二スズ塩の
濃度が10mol/l を越える場合にはpH値を一定に維持
することが困難であり、そのことに起因して粒度分布が
ブロードになりやすく、またpH電極等へのスケールの
付着等の問題が発生しやすくなるので好ましくない。
【0016】上記の第二スズ塩溶液を中和する中和溶液
としては、第二スズ塩溶液が酸性溶液である場合には、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸
ナトリウム等の水溶液を用いることができ、また第二ス
ズ塩溶液がアルカリ性溶液である場合には、塩酸、硫
酸、硝酸、酢酸等の希釈水溶液を用いることができる。
中和溶液の濃度は第二スズ塩溶液の濃度の0.5〜5倍
であることが好ましい。中和溶液の濃度が希薄過ぎると
廃液量がいたずらに増加して廃液処理に費用がかさみ、
逆に中和溶液の濃度が濃厚過ぎるとpH値を一定に維持
することが困難であり、そのことに起因して粒度分布が
ブロードになりやすく、またpH電極等へのスケールの
付着等の問題が発生しやすくなるので好ましくない。
【0017】本発明の製造方法においては、両溶液が出
会う反応槽内、好ましくは反応槽の槽底付近で両溶液を
一緒に高速撹拌するので、不均一沈殿が未然に防止さ
れ、瞬時に両溶液の均一混合、均一核発生、沈殿物の微
細分散が促進される。なお、この際に、反応槽内をpH
2〜12、好ましくはpH3〜9の範囲内で所定の一定
pH値に維持する。このpH範囲を逸脱すると反応効率
が低下して二酸化スズの回収率が低下するので好ましく
なく、更にpHが2未満の場合には粒度分布がブロード
で粗大粒子となり、塗料に添加して薄膜として被覆した
場合に透明性を損なう傾向が高くなるので好ましくな
い。また、pHが12を越える場合には析出粒子がマイ
ナスに帯電するので二次凝集が起こりにくく、粒子径が
微細になりすぎ、従って、後工程の固液分離が困難にな
り、また洗浄によってもアルカリ分を除去し切れないた
め、得られる二酸化スズの導電性を悪化させるので好ま
しくない。本発明の製造方法において反応槽内を所定の
一定pH値に維持することは第二スズ塩溶液及び中和溶
液の導入流量を調整することによって容易に達成でき
る。
【0018】本発明の製造方法においては、所定量の第
二スズ塩溶液及び中和溶液をそれぞれ別々に同時に連続
して反応槽に導入し、反応後の溶液及び反応沈殿物をス
ラリーとして反応槽より連続して排出し、そのスラリー
量は導入された第二スズ塩溶液及び中和溶液の合計量と
同量であり、従って常に一定量が反応槽中に滞留する。
また両溶液の混合液は常に一定のpHに維持されており
且つ高速撹拌されているので、瞬時に両溶液の均一混
合、均一核発生、沈殿物の微細分散が促進され、微細で
シャープな粒度分布を持つ水和二酸化スズの均一沈殿物
が連続的に析出される。なお、この沈殿反応は、特には
限定されないが、一般的には30〜90℃で実施され
る。
【0019】上記のようにして得られたスラリーを固液
分離処理(濾過)し、洗浄して沈殿物を回収し、乾燥
し、その後不活性又は弱還元性雰囲気中、300〜80
0℃、好ましくは450〜700℃で焼成する。焼成温
度が300℃未満の場合には二酸化スズが十分には結晶
化されないので導電性が不十分である。また、800℃
を越える場合には焼結して粗大粒子が生じ、塗料に添加
して薄膜として被覆した場合に透明性が得られない。
【0020】本発明の製造方法で採用する焼成雰囲気は
2 、He、Ne、Ar、Kr等の不活性ガス雰囲気で
も、これらの不活性ガスにH2 又はCO等の還元性ガス
を20 vol%以下、好ましくは0.1〜5 vol%の濃度
で添加した弱還元性雰囲気でもよい。不活性ガス中に添
加する還元性ガスの濃度が20 vol%を越える還元性雰
囲気を用いると、化学量論比の二酸化スズよりも更に還
元が進み、空気中に取り出した際に、急激に酸化され、
時には発火して焼結することがある。また、還元の進行
で生成二酸化スズが濃い茶褐色になり、色調の面で好ま
しくない。
【0021】本発明の製造方法において、詳細は不明で
あるが、弱還元性雰囲気は二酸化スズ中の電子密度(キ
ャリア濃度)を増加させて導電性を付与するのに貢献し
ている。これは、二酸化スズ焼結体ガスセンサーが水素
等の可燃性ガスに触れた際に導電性が向上するという良
く知られた現象と類似している。即ち、還元処理により
二酸化スズ表面が局部的に金属スズに還元され、フェル
ミレベルが電導帯に移動して導電化されることによるも
のと思われる。従って、焼成雰囲気を弱還元性雰囲気と
し、二酸化スズSnO2 の化学量論比から僅かに酸素欠
損が生じた程度SnO2-x に焼成することが好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はかかる実施例によって限定されるもの
ではない。
【0023】実施例1 60重量%SnCl4 溶液3170g(SnO2 換算量
で1100g)と水1800gとを混合して3.6リッ
トルの第二スズ塩溶液を得た。また、25%アンモニア
水5リットルと水5リットルとを混合して10リットル
の中和溶液を得た。両溶液を6000rpmの高速撹拌
中の反応槽の槽底に定量ポンプで連続して送液した。第
二スズ塩溶液の流量を40ml/minに固定し、反応槽内の
pH値がpH3、pH5及びpH7の各値で安定するよ
うに中和溶液の流量をそれぞれ50ml/min付近、55ml
/min付近及び60ml/min付近で調整した。各々のpHに
おける反応時間は15分程であり、この間の反応槽中の
温度は各々60〜80℃であった。得られた各々のpH
毎のスラリーを反応槽の上部より連続して排出し、順次
個別に濾過し、洗浄し、乾燥させた後、水平環状炉中で
2 ガス流量300ml/minで各々450℃で2時間焼成
した。
【0024】得られた各々の粉末を2ton/cm2 の圧力で
加圧成形して試験片を作成し、試験片の体積抵抗率は三
菱油化製、抵抗測定器ロレスタAPを用いて測定し、粉
末の比表面積はカンタクローム製、カンタソーブを用い
てBET法で測定し、粒度分布はリーズ&ノースラップ
インスツルメント社製、マイクロトラックを用いて測定
し、色差はスガ試験機製、カラーコンピューター色差計
SM−5型を用いてL* 、a* 、b* を測定した。ここ
で、粒度分布測定の前処理として、分散剤ヘキサメタリ
ン酸ソーダを添加した水溶液中に粉末を入れ、10分間
超音波照射した懸濁液を試料として使用した。それらの
評価結果を表1に示す。
【0025】更に、得られた各々の粉末7.95gとア
クリル系樹脂溶液7.41g(三菱レイヨン製ダイヤナ
ールLRシリーズ46%とトルエン/ブタノール溶剤5
4%とからなる溶液)とを配合し(固形分重量比70:
30)、レッドデビル社製ペイントシェーカーにて10
時間分散処理を行った。分散後の塗料をバーコーターに
てポリエチレン製透明シート(全光線透過率98%、ヘ
イズ2%)に塗布し、90℃で30分間乾燥して厚み1
μmの塗膜を得た。これを三菱油化製、高抵抗測定機ハ
イレスタHPにて表面抵抗率を、また、日本電色工業
製、ヘイズメーター1001DPを使用して全光線透過
率及びヘイズを測定した。それらの結果を表2に示す。
【0026】実施例2 実施例1と同様の処理により得た乾燥後の各々の粉末を
水平環状炉中でN2 +H2 混合ガス(300ml/min+3
ml/min)雰囲気下で各々500℃で1時間焼成した。得
られた各々の粉末を実施例1と同様にして評価した。そ
れらの評価結果を表1及び表2に示す。
【0027】実施例3 Na2 SnO3 ・3H2 O(40%Sn)2166g
(SnO2 換算量で1100g)と水6500gとを混
合して7リットルの第二スズ塩溶液を得た。また、20
%H2 SO4 水溶液を10リットル調製して中和溶液と
した。この両溶液を用いて、pHをそれぞれ5、7及9
とする以外は実施例1と同様の処理によって得られた乾
燥後の粉末を水平環状炉中でN2 ガス流量300ml/min
で各々600℃、500℃及び400℃で2時間焼成し
た。得られた各々の粉末を実施例1と同様にして評価し
た。それらの評価結果を表1及び表2に示す。
【0028】比較例1 反応槽中のpHをそれぞれ1及び13に変更した以外は
実施例1と同様に処理し、同様に評価した。それらの評
価結果を表1及び表2に示す。
【0029】比較例2 特開昭56−156606号公報に記載の発明と同様な
加熱加水分解法によって超微粉二酸化スズの析出を試み
た。即ち、SnCl4 51.9g(SnO2 換算量で3
0.0g)をエタノール200mlに溶解させた溶液を
95℃以上に加熱、撹拌中の熱水500ml中に1時間
かけて滴下した。その後、1時間撹拌を継続して熟成を
行い、固液分離し、乾燥した後、N2 雰囲気下450℃
で2時間焼成した。得られた粉末の評価結果を表1及び
表2に示す。
【0030】比較例3 特公昭62−1574号公報に記載の発明と同様な製法
によって超微粉二酸化スズの析出を試みた。即ち、60
重量%SnCl4 溶液86.4g(SnO2 換算量で3
0.0g)を90℃以上に加熱、撹拌中の10%NaO
H溶液500ml中に1時間かけて滴下した。その後、
10%HCl水溶液を滴下してpH3とした。得られた
沈殿物を固液分離し、乾燥した後、N2 +H2 混合ガス
(500ml/min+500ml/min)雰囲気下400℃で1
時間焼成した。焼成後の粉末は暗黒色を呈し、体積抵抗
率は104 〜105 Ω・cmと高かった。更に、この焼
成粉末を加熱したところ、200℃までの間に発火し、
黄色味を帯びた107 Ω・cmの粉末となった。得られ
た粉末の評価結果を表1及び表2に示す。
【0031】
【表1】 表1のデータから明らかなように、本発明の製造方法で
得られた導電性超微粉二酸化スズの粒度分布はシャープ
である。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の導電性超微粉二酸化スズはアン
チモンを含有していないので毒性が無く安全であり、ア
ンチモンに起因するような青黒味が無く、それ自体透明
性に優れており、着色剤を併用することにより任意の色
調を得ることができ、帯電・静電防止又は荷電調整用途
に対して十分な導電性を有しており且つ樹脂中への高い
分散性を有しているので、繊維、エマルジョン、イン
ク、塗料、紙、プラスチック、ゴム、樹脂等に混入して
それらに導電性を付与することができ、ガスセンサー、
CRT、ブラウン管等の埃付着防止に利用でき、帯電ロ
ーラー、感光ドラム、トナー、磁気記録媒体、光ディス
クや太陽電池、液晶等の内部電極等に用いることができ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に二酸化スズからなり、粒度分布
    におけるD90の粒径が0.01〜5μmであり、比表面
    積が5〜100m2/gであり、体積抵抗率が10-1〜1
    4 Ω・cmであり、且つドーパントを含有していない
    ことを特徴とする導電性超微粉二酸化スズ。
  2. 【請求項2】 体積抵抗率が10-1〜103 Ω・cmで
    ある請求項1記載の導電性超微粉二酸化スズ。
  3. 【請求項3】 第二スズ塩を0.5〜10mol/l の濃度
    で含有するアルカリ性溶液又は酸性溶液と該第二スズ塩
    溶液を中和する中和溶液とをそれぞれ別々に同時に連続
    して反応槽に導入し、導入後直ちに両溶液を一緒に高速
    撹拌して瞬時に両溶液の均一混合、均一核発生、沈殿物
    の微細分散を促進し、この際反応槽内をpH2〜12の
    範囲内で所定の一定pH値に維持して微細でシャープな
    粒度分布を持つ沈殿物を連続的に析出させ、反応後の溶
    液及び反応沈殿物をスラリーとして反応槽より連続して
    排出し、そのスラリーを固液分離処理して沈殿物を回収
    し、乾燥し、その後不活性又は弱還元性雰囲気中、30
    0〜800℃で焼成して導電性を付与することを特徴と
    する導電性超微粉二酸化スズの製造方法。
  4. 【請求項4】 第二スズ塩溶液及び中和溶液をそれぞれ
    別々に同時に連続して反応槽の槽底に導入し、槽底より
    反応槽上部への連続した上向流となし、反応後の溶液及
    び反応沈殿物をスラリーとして反応槽上部より連続して
    排出することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
JP16592993A 1993-06-14 1993-06-14 導電性超微粉二酸化スズの製造方法 Expired - Lifetime JP3456540B2 (ja)

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