JP2007039282A - 導電性酸化スズ粉末の製造方法と製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微少量の炭素、窒素などを含有することによって高い導電性と経済安定性を有し、かつ薄膜を形成したときに高い透明性を有する酸化スズ粉末を短時間に製造する方法および装置を提供する。
【手段】 原料のスズ化合物粉末を、不活性ガス雰囲気中、水蒸気およびまたはアルコール蒸気の存在下で焼成することを特徴とし、好ましくは、焼成温度が200℃以上〜1000℃未満であり、焼成時間が1分以上〜60分以下であり、アルコールの飽和蒸気圧30%以上の不活性ガス雰囲気下、または水の飽和蒸気圧の30%以上の不活性ガス雰囲気下でスズ化合物粉末を焼成することによって、体積固有抵抗が104Ω・cm以下であって、加速比が50倍以下の導電性酸化スズ粉末を製造する方法および装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は導電性酸化スズ粉末の製造方法に関する。酸化スズ粉末は、帯電防止・帯電制御・静電防止・防塵などの用途に広く用いられている。本発明は、樹脂や塗料などに添加して薄膜を形成したときに高い透明性を有し、かつ導電性に優れた酸化スズ粉末を短時間に製造する方法および装置に関する。
酸化スズ粉末は導電材料として従来から利用されている。例えば、体積固有抵抗10-1〜104Ω・cmおよび比表面積5〜100m2/gの酸化スズ粉末が従来知られている(特許文献1、2)。しかし、この酸化スズ粉末の導電性は温度や湿度に対する依存性が高く、これらの環境要因によって導電性が大きく変化し、経時安定性が低いという問題がある。そこで、導電性およびその経時安定性を高めるためにアンチモンをドープした酸化スズ粉末が知られている。しかし、アンチモンの毒性が懸念されるために使用分野が限られ、また、アンチモンを含有する酸化スズ粉末は色調が青味を帯びると云う欠点がある。
本発明者等は、アンチモンを含有せずに高い導電性と経時安定を有する酸化スズ粉末の検討を進め、酸化スズ粉末を有機化合物で表面処理して粉末表面に微量のカーボンを存在させ、あるいは酸化スズ粉末に微少量の窒素をドープすることによって、アンチモンを含有せずに、優れた導電性と経時安定性を有し、かつ粉末の色調に優れた導電性酸化スズ粉末を開発した(特願2005−212420、特願2005−69343)。
特開平6−345429号公報 特開2003−300727号公報
粉末表面に微少量の炭素を存在させた酸化スズ粉末は、例えば、酸化スズ粉末をアルコール等に浸漬した後に不活性雰囲気下で250℃前後の温度で2時間前後加熱処理して製造することができる。粉末表面に微少量の窒素をドープした酸化スズ粉末は、例えば、水酸化スズ粉末を窒素雰囲気下、500℃前後の温度で2時間前後加熱処理して製造することができる。本発明はこの製造方法を更に改良し、より短時間で目的の導電性酸化スズ粉末を製造できるようにしたものである。
本発明によれば以下の製造方法および製造装置が提供される。
(1)原料のスズ化合物粉末を、不活性ガス雰囲気中、水蒸気およびまたはアルコール蒸気の存在下で、焼成することを特徴とする導電性酸化スズ粉末の製造方法。
(2)焼成温度が200℃以上〜1000℃未満であり、焼成時間が1分以上〜60分以下である上記(1)に記載する製造方法。
(3)アルコールの飽和蒸気圧30%以上の不活性ガス雰囲気下、または水の飽和蒸気圧30%以上の不活性ガス雰囲気下で、スズ化合物粉末を焼成することによって、体積固有抵抗が104Ω・cm以下であって、加速比が50以下の導電性酸化スズ粉末を製造する上記(1)または(2)の何れかに記載する製造方法。
(4)水蒸気またはアルコール蒸気を焼成雰囲気中に導入する方法、原料のスズ化合物粉末に水またアルコールを含ませた状態とし又は焼成炉内に水またはアルコールの蒸発源を設けることによって加熱下で水蒸気またはアルコール蒸気を発生させる方法、不活性ガスを水中またはアルコール中でバグリングさせて焼成雰囲気に導入する方法を単独または2種以上併用して、水蒸気およびまたはアルコール蒸気を含む不活性ガス雰囲気を形成し、原料のスズ化合物粉末を焼成する上記(1)〜(3)の何れかに記載する製造方法。
(5)原料のスズ化合物粉末を焼成する焼成炉、焼成炉内に不活性ガスを導入する手段、焼成炉内の不活性ガス雰囲気に水蒸気およびまたはアルコール蒸気を含有させる手段を有することを特徴とする導電性酸化スズ粉末の製造装置。
本発明の製造方法によれば、優れた導電性と経時的安定性を有する酸化スズ粉末を製造する際に、焼成時間を大幅に短縮することができ、例えば60分以下の焼成時間によって、優れた導電性と経時安定性を有する導電性酸化スズ粉末を製造することができる。具体的には、体積固有抵抗が104Ω・cm以下であって、その加速比が50以下の導電性酸化スズ粉末を短時間に製造することができる。従って、本発明の製造方法によれば製造効率を大幅に高めることができる。また、本発明の製造方法は、原料のスズ化合物粉末を水蒸気ないしアルコールを導入した雰囲気下で焼成すればよく、製造が容易である。
また、従来の製造方法では、例えば、有機化合物によって表面処理した後にさらに不活性ガス下で焼成することによって高導電性酸化スズ粉末を製造するには、酸化スズ粉末を原料粉末として使用しており、水酸化スズ粉末を用いると目的の導電性酸化スズ粉末が得られない。さらに従来の製造方法では、窒素ガス雰囲気下で焼成することによって表面改質した高導電性酸化スズ粉末を製造するには、水酸化スズ粉末を原料粉末として使用しており、酸化スズ粉末を用いると目的の導電性酸化スズ粉末を得るのが難しい。一方、本発明の製造方法によれば、原料として酸化スズ、水酸化スズ、酢酸スズ、蓚酸スズ、クエン酸スズなどの各種スズ化合物粉末を用いることができる利点がある。
以下、本発明を具体的に説明する。なお、%は特に示さない限り重量%である。
〔具体的な説明〕
本発明の製造方法は、原料のスズ化合物粉末を、不活性ガス雰囲気中、水蒸気およびまたはアルコール蒸気の存在下で、焼成することを特徴とする導電性酸化スズ粉末の製造方法である。具体的には、例えば、水蒸気を含む窒素ガス雰囲気下またはアルゴンガス雰囲気下、またはアルコール蒸気を含む不活性ガス雰囲気下で原料のスズ化合物粉末を焼成することによって短時間に導電性酸化スズ粉末を製造する方法である。
原料のスズ化合物としては、酸化スズ、水酸化スズ、酢酸スズ、蓚酸スズ、クエン酸スズなどの各種スズ化合物粉末を用いることができる。これら何れのスズ化合物粉末を用いても微少量の炭素およびまたは窒素を含有させた導電性酸化スズ粉末を製造することができる。
本発明の導電性酸化スズ粉末の粒度は、BET比表面積1〜200m2/g、一次粒子径1〜500nmの範囲が適当であり、BET比表面積20〜200m2/g、一次粒子径1〜200nmの範囲が好ましく、従って、原料のスズ化合物粉末は上記粒度範囲のものが好ましい。二酸化スズ粉末のBET比表面積が上記範囲よりも小さく、または一次粒子径が上記範囲よりも大きいと、粒子径が大きすぎて透明性が損なわれる。一方、二酸化スズ粉末のBET比表面積が上記範囲よりも大きく、または一次粒子径が上記範囲よりも小さいと、粉末粒子が凝集しやすくなる。
なお、原料粉末として水酸化スズ粉末を用いる場合、水酸化スズの製造時にケイ酸塩化合物を添加することによって粒径を制御することが知られている。具体的には、アルカリ溶液中に塩化スズ溶液を滴下して水酸化スズ沈澱を生成させ、この沈澱を回収して乾燥し、原料粉末として利用する場合、アルカリ溶液にケイ酸ナトリウムを添加することによってBET比表面積が大きく、分散性の良い水酸化スズ粉末を得ることができる。ただし、ケイ酸塩を添加すると体積固有抵抗が高くなるので、水酸化スズないしこれを処理して得た導電性酸化スズ粉末のケイ酸含有量は10%以下が適当である。
水蒸気またはアルコール蒸気を含む不活性ガスの焼成雰囲気を形成する方法は限定されない。例えば、(イ)水蒸気またはアルコール蒸気を不活性ガス雰囲気の焼成炉内に導入する方法、(ロ)原料のスズ化合物粉末に水またアルコールを散布ないし噴霧し、あるいは水またはアルコール中にスズ化合物粉末を浸漬して、スズ化合物粉末が水またはアルコールを含んだ状態とし、焼成時の加熱下で水蒸気またはアルコール蒸気を発生させる方法、(ハ)焼成炉内に水またはアルコールの蒸発源を設けることによって加熱下で水蒸気またはアルコール蒸気を発生させる方法、(ニ)不活性ガスを水中またはアルコール中でバグリングさせて焼成雰囲気に導入する方法などを用いることができる。これらの方法は単独でもよく、または2種以上を併用しても良い。
焼成雰囲気中の水またはアルコールの蒸気圧は飽和蒸気圧30%以上が好ましい。水やアルコールの蒸気圧が上記範囲よりも少ないと本発明の効果が不十分である。なお、雰囲気中の水またはアルコールの蒸気圧を上記範囲内に制御して焼成するには密閉型の焼成炉を用いるのが適当である。
焼成温度は200℃以上〜1000℃未満、焼成時間は1分以上〜60分以下が適当であり、焼成温度450℃〜700℃、焼成時間1分〜30分が好ましい。本発明の製造方法によれば、従来の製造方法に比べて大幅に短い焼成時間によって目的の導電性酸化スズ粉末を製造することができる。
本発明の製造方法によれば、アルコールの飽和蒸気圧30%以上の不活性ガス雰囲気下、または水の飽和蒸気圧30%以上の不活性ガス雰囲気下でスズ化合物粉末を焼成することによって、スズ化合物が酸化スズに焼成され、このときに不活性ガスやアルコール蒸気または水蒸気によって酸化スズの粉末表面が改質され、優れた導電性と経時安定性を有する酸化スズ粉末を得ることができる。具体的には、例えば、体積固有抵抗が104Ω・cm以下、好ましくは体積固有抵抗が10Ω・cm以下であって、加速比が50以下の導電性酸化スズ粉末を製造することができる。
本発明の方法によって製造された上記酸化スズ粉末の導電性は経時安定性に優れており、具体的には、例えば、体積固有抵抗の加速比が50以下の導電性酸化スズ粉末である。体積固有抵抗の加速比とは、酸化スズ微粉末を100℃、2時間加熱したときの体積固有抵抗の安定性を示す値であり、〔試験後の体積固有抵抗/試験前の体積固有抵抗〕を加速比と云う。加速比が1に近いほど、環境による変動が少なく、環境や経時変化による変動がないことを意味する。本発明の方法によって製造した酸化スズ微粉末は体積固有抵抗の経時変化が小さく、上記加速比が50以下であり、好ましくは30以下、さらに好ましくは10以下である。
また、本発明の方法によって製造された上記酸化スズ微粉末は色調が優れており、例えば、Lab表色系において、L:45〜83、a:−2〜+2、b:−6〜+7の範囲内であり、青味や赤味および黄味や緑味などの雑色味が無く、無色透明性に優れている。因みに、従来のアンチモンを含有する酸化スズ粉末は青味を帯びており、b値が本発明の上記範囲から外れるものが多い。
本発明の方法によって製造された上記酸化スズ粉末は、以上のように、実質的にアンチモンを含有せずに優れた導電性を有する。従って、本発明の方法によって製造された酸化スズ粉末を含有する薄膜を形成したときに、表面抵抗の小さい導電性被膜を得ることができる。
具体的には、本発明の方法によって製造された酸化スズ粉末は、上記範囲の導電性およびBET比表面積を有することによって、この酸化スズ粉末を樹脂成分に混合したときに凝集が少なく分散性の良い薄膜を形成することができるので、高導電性の薄膜を形成することができ、例えば、本発明の酸化スズ粉末を10〜90wt%含有する膜厚5μmの薄膜を形成したときに、表面抵抗1012Ω/□以下、好ましくは1010Ω/□以下の導電膜を得ることができる。
さらに、本発明の酸化スズ粉末を含む上記薄膜は透明性に優れており、例えば、全光透過率80%以上、ヘーズ10%以下、好ましくは全光透過率84%以上、ヘーズ3.5%以下の成膜を得ることができる。
本発明の製造方法は、原料のスズ化合物粉末を焼成する焼成炉、焼成炉内に不活性ガスを導入する手段、焼成炉内の不活性ガス雰囲気に水蒸気およびまたはアルコール蒸気を含有させる手段を有する製造装置によって実施することができる。
焼成炉内の不活性ガス雰囲気に水蒸気およびまたはアルコール蒸気を含有させる手段としては、例えば以下の構成からなる手段を用いることができる。
(イ)水蒸気またはアルコール蒸気を焼成炉内に導入する手段を設けたもの、(ロ)原料のスズ化合物粉末に水またアルコールを散布ないし噴霧し、あるいは水またはアルコール中にスズ化合物粉末を浸漬する手段を設けたもの、(ハ)焼成炉内に水またはアルコールの蒸発源を設けたもの、(ニ)不活性ガスを焼成炉に導く管路の途中に水またはアルコールを入れたバグリング槽を設けたもの。
本発明の方法によって製造した酸化スズ粉末は、優れた導電性と経時安定性、および透明性を有するので広い分野で透明導電材料として利用することができる。具体的には、例えば、食品包装材・梱包材分野、静電記録材料として荷電制御が要求されるプリンタ、複写機関連の帯電ローラー、感光ドラム、トナー、静電ブラシ等の分野、ガスセンサー用焼結体原料粉末としての分野、埃付着防止が要求されるCRT、ブラウン管等の分野、光ディスク、FD、テープ等の磁気記録媒体分野、薄膜塗料分野、太陽電池、液晶ディスプレイ等の内部電極、更には電極改質剤として電池分野等、熱線遮蔽、蓄熱材料などに利用されている。これら各種材料に利用する際に、本発明の導電性酸化スズ粉末は、例えば、塗料、インク、エマルジョン、繊維、その他のポリマー中に容易に分散混練でき、塗料に添加して薄膜を形成したときに高い透明性と導電性を有する導電性被膜を形成することができる。
以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。この結果を表1、表2に示す。
〔実施例1〕
水酸化スズ粉末を焼成炉に装入し、窒素ガスを80℃に加熱した水中に通じてバブリングしながら焼成炉に導入し、600℃の加熱下で5分間焼成した後に冷却して酸化スズ粉末を製造した。この酸化スズ粉末の体積固有抵抗は1.8Ω・cmであった。熱分析を行なったところ金属Snは確認できなかった。また、この粉体について体積固有抵抗の加速試験を行なったと、加速比は2.5であった。この酸化スズ粉末300gをダイノーミルでビーズ分散した分散体を作成した。この分散体をゼラチンと混合してPETフィルムに塗布し、6時間風乾して膜厚5μmの薄膜を形成した。この表面抵抗を測定したところ3×109Ω/□であった。また、目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認できなく透明であった。
〔実施例2〕
実施例1において、焼成温度を800℃に変更した以外は同様の条件下で酸化スズ粉末を製造した。この酸化スズ粉末の体積固有抵抗は0.8Ω・cmであった。熱分析を行なったところ金属Snは確認できなかった。また、この粉体について体積固有抵抗の加速試験を行なったところ加速比は2.0であった。この酸化スズ粉末300gをダイノーミルでビーズ分散した分散体を作成した。この分散体をゼラチンと混合してPETフィルムに塗布し、6時間風乾して膜厚5μmの薄膜を形成した。この表面抵抗を測定したところ1×109Ω/□であった。また、目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認できなく透明であった。
〔実施例3〕
実施例1において、窒素ガスを水中に通じてバブリングを行う際に、水温を25℃に変更した以外は同様の条件下で酸化スズ粉末を製造した。この酸化スズ粉末の体積固有抵抗は6.9Ω・cmであった。熱分析を行なったところ金属Snは確認できなかった。また、この粉体について体積固有抵抗の加速試験を行なったところ加速比は40.0であった。この酸化スズ粉末300gをダイノーミルでビーズ分散した分散体を作成した。この分散体をゼラチンと混合してPETフィルムに塗布し、6時間風乾して膜厚5μmの薄膜を形成した。この表面抵抗を測定したところ1×1011Ω/□であった。また、目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認できなく透明であった。
〔実施例4〕
実施例1において、不活性ガスをアルゴンに変更した以外は同様の条件下で酸化スズ粉末を製造した。この酸化スズ粉末の体積固有抵抗は0.9Ω・cmであった。熱分析を行なったところ金属Snは確認できなかった。また、この粉体について体積固有抵抗の加速試験を行なったところ加速比は2.0であった。この酸化スズ粉末300gをダイノーミルでビーズ分散した分散体を作成した。この分散体をゼラチンと混合してPETフィルムに塗布し、6時間風乾して膜厚5μmの薄膜を形成した。この表面抵抗を測定したところ8×108Ω/□であった。また、目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認できなく透明であった。
〔実施例5〕
実施例1において、原料の水酸化スズ粉末の水分量を10%に調整した以外は同様の条件下で酸化スズ粉末を製造した。この酸化スズ粉末の体積固有抵抗は1.0Ω・cmであった。熱分析を行なったところ金属Snは確認できなかった。また、この粉体について体積固有抵抗の加速試験を行なったところ加速比は2.5であった。この酸化スズ粉末300gをダイノーミルでビーズ分散した分散体を作成した。この分散体をゼラチンと混合してPETフィルムに塗布し、6時間風乾して膜厚5μmの薄膜を形成した。この表面抵抗を測定したところ2×109Ω/□であった。また、目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認できなく透明であった。
〔実施例6〕
実施例1において、原料粉末として酸化スズ粉末を用いた以外は同様の条件下で酸化スズ粉末を製造した。この酸化スズ粉末の体積固有抵抗は1.0Ω・cmであった。熱分析を行なったところ金属Snは確認できなかった。また、この粉体について体積固有抵抗の加速試験を行なったところ加速比は3.0であった。この酸化スズ粉末300gをダイノーミルでビーズ分散した分散体を作成した。この分散体をゼラチンと混合してPETフィルムに塗布し、6時間風乾して膜厚5μmの薄膜を形成した。この表面抵抗を測定したところ8×108Ω/□であった。また、目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認できなく透明であった。
〔実施例7〕
実施例1の酸化スズ粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散液に市販のアクリル樹脂(製品名アクリディックA−168、樹脂分50%)200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルム(基材の全光線透過率89%、ヘーズ2.0%)に塗布し、1時間風乾して膜厚5μmの薄膜を形成した。この表面抵抗を測定したところ7×108Ω/□であり、全光線透過率は88%、ヘーズは2.5%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず、透明で色味にも問題はなかった。
〔比較例1〕
実施例1において、窒素ガスを水中にバブリングせずに焼成炉に導入した以外は同様の条件下で酸化スズ粉末を製造した。この酸化スズ粉末の体積固有抵抗は1.5×105Ω・cmであった。熱分析を行なったところ金属Snは確認できなかった。また、この粉体について体積固有抵抗の加速試験を行なったところ加速比は55.0であった。この酸化スズ粉末300gをダイノーミルでビーズ分散した分散体を作成した。この分散体をゼラチンと混合してPETフィルムに塗布し、6時間風乾して膜厚5μmの薄膜を形成した。この表面抵抗を測定したところ9×1013Ω/□以上であった。また、目視にて透明性を確認したところ、白濁しており凝集物は確認され透明性に問題がでた。
〔比較例2〕
比較例1の酸化スズ粉末300gを用い、実施例7と同様にして膜厚5μmの薄膜を形成した。この表面抵抗を測定したところ5×1012Ω/□であり、全光線透過率は79%、ヘーズは5.5%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認され、白濁し透明、色味に問題を生じた。
〔比較例3〕
実施例1において、窒素ガスを水素に変更した以外は同様の条件下で酸化スズ粉末を製造した。この酸化スズ粉末の体積固有抵抗は測定できなかった。熱分析を行なったところ金属Snが確認された。また、この粉体について体積固有抵抗の加速試験を行なったところ加速比は測定できなかった。
〔実施例8〕
水酸化スズ粉末を原料として用い、58℃に加温したアルコールに窒素ガスをバブリングして焼成炉に導入し、200℃で5分間焼成した後に冷却して酸化スズ粉末を製造した。この酸化スズ粉末の体積固有抵抗は2.0Ω・cmであった。熱分析を行なったところ金属Snは確認できなかった。また、この粉体について体積固有抵抗の加速試験を行なったところ加速比は1.3であった。この酸化スズ粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散液に市販のアクリル樹脂(製品名アクリディックA−168、樹脂分50%)200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルム(基材の全光線透過率89%、ヘーズ2.0%)に塗布し、1時間風乾して膜厚5μmの薄膜を形成した。この表面抵抗を測定したところ9×106Ω/□であり、全光線透過率は85%、ヘーズは2.2%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず、透明で色味にも問題はなかった。
Figure 2007039282
Figure 2007039282

Claims (5)

  1. 原料のスズ化合物粉末を、不活性ガス雰囲気中、水蒸気およびまたはアルコール蒸気の存在下で、焼成することを特徴とする導電性酸化スズ粉末の製造方法。
  2. 焼成温度が200℃以上〜1000℃未満であり、焼成時間が1分以上〜60分以下である請求項1に記載する製造方法。
  3. アルコールの飽和蒸気圧30%以上の不活性ガス雰囲気下、または水の飽和蒸気圧30%以上の不活性ガス雰囲気下で、スズ化合物粉末を焼成することによって、体積固有抵抗が104Ω・cm以下であって、加速比が50以下の導電性酸化スズ粉末を製造する請求項1または2の何れかに記載する製造方法。
  4. 水蒸気またはアルコール蒸気を焼成雰囲気中に導入する方法、原料のスズ化合物粉末に水またアルコールを含ませた状態とし又は焼成炉内に水またはアルコールの蒸発源を設けることによって加熱下で水蒸気またはアルコール蒸気を発生させる方法、不活性ガスを水中またはアルコール中でバグリングさせて焼成雰囲気に導入する方法を単独または2種以上併用して、水蒸気およびまたはアルコール蒸気を含む不活性ガス雰囲気を形成し、原料のスズ化合物粉末を焼成する請求項1〜3の何れかに記載する製造方法。
  5. 原料のスズ化合物粉末を焼成する焼成炉、焼成炉内に不活性ガスを導入する手段、焼成炉内の不活性ガス雰囲気に水蒸気およびまたはアルコール蒸気を含有させる手段を有することを特徴とする導電性酸化スズ粉末の製造装置。

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