JP2003300727A - 導電性超微粉二酸化スズ - Google Patents

導電性超微粉二酸化スズ

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JP2003300727A
JP2003300727A JP2003080245A JP2003080245A JP2003300727A JP 2003300727 A JP2003300727 A JP 2003300727A JP 2003080245 A JP2003080245 A JP 2003080245A JP 2003080245 A JP2003080245 A JP 2003080245A JP 2003300727 A JP2003300727 A JP 2003300727A
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antimony
powder
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Hisao Hayashi
尚男 林
Norihiro Sato
法祐 佐藤
Nobuyoshi Kasahara
暢順 笠原
Katsuhiko Yoshimaru
克彦 吉丸
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アンチモンを含有せず、色調が改善されてお
り、安全で且つ導電性が向上しており、一次粒子の凝集
した粗粒分がなく且つ一次粒子自体の粒度分布がシャー
プな超微粉二酸化スズを提供すること。 【解決手段】湿式反応及び一段焼成により得られる導電
性超微粉二酸化スズであって、実質的に二酸化スズから
なり、粒度分布におけるD90の粒径が0.01〜5μm
であり、比表面積が5〜100m2 /gであり、体積抵
抗率が10-1〜104 Ω・cmであり、且つドーパント
を含有していない導電性超微粉二酸化スズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性超微粉二酸化
スズに関し、更に詳しくは、帯電・静電防止機能が要求
される薄膜塗料分野、荷電調整が要求される複写機関連
の帯電ローラー、感光ドラム、トナー等の分野、アンチ
モンの毒性が問題視される帯電・静電防止分野、ガスセ
ンサー用焼結体原料粉末としての分野、埃付着防止が要
求されるCRT、ブラウン管等の分野、光ディスク、F
D、テープ等の磁気記録媒体分野、太陽電池、液晶ディ
スプレイ等の内部電極、更には電極改質剤として電池分
野等に利用され、またその利用の際に、塗料、インク、
エマルジョン、繊維その他のポリマー中に容易に分散混
練でき、塗料に添加して薄膜として被覆された場合に高
透明性であり、且つ導電性に優れた導電性超微粉二酸化
スズに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマーは導電性粒子の添加により導電
性になし得ることが知られており、プラスチックや塗料
等に混入してそれらに導電性を付与することのできる微
細物質として、金属粒子又はカーボンブラック粒子、並
びに酸化亜鉛粒子もしくはヨウ化物の如き半導体酸化物
からなる粒子、アンチモンあるいはフッ素等をドープし
た酸化錫粉末、アルミニウム等をドープした酸化亜鉛粉
末あるいは酸化錫を被覆した酸化チタン、酸化アルミニ
ウム等の粉末、並びに酸化錫を被覆したガラスファイバ
ー、チタン酸アルカリ金属塩繊維、酸化チタン繊維等の
物質が知られている。
【0003】金属粒子又はカーボンブラック粒子の使用
に伴なう欠点は、そのような添加剤を含むポリマーは黒
色となることであり、このことが多くの場合に望ましく
ないことである。酸化亜鉛粒子を使用すると、温度・湿
度依存性により導電性がばらつくという望ましくない結
果を招く。また、アンチモンをドープした酸化錫粉末は
導電性付与性に優れているがそのアンチモンドープに起
因して青黒味の色調を呈するので白色度に若干問題があ
り、更にそのアンチモンの毒性が懸念され、従ってその
用途が限定されていた。それでアンチモンを含有しない
導電性粉末として酸化錫で被覆された酸化チタン粉末の
製造方法が開示されている(特開平4−154621
号)。
【0004】従来、導電性二酸化スズの製造方法として
は、加熱水中で塩化スズ及び塩化アンチモンを加水分解
して沈殿物として得る方法(特開昭56−156606
号)や、アルカリ物質を添加してpH8以上に維持しな
がら加熱水中で塩化スズ及び塩化アンチモンを加水分解
して沈殿物として得る方法(特開昭57−71822
号)が知られている。しかし、これらの方法で得られる
アンチモンをドープした二酸化スズは導電性には優れて
いるが、アンチモンのドープに起因して青黒味の色調を
呈するので白色度に問題があり、また、アンチモンの毒
性が懸念されるので用途が限定されている。更に、それ
らの加水分解反応による製造方法では粒径のコントロー
ルが困難で、ブロードな粒度分布の粉末になることが多
いという問題がある。
【0005】また、第二スズ塩及びアンチモン塩を含む
酸性溶液とアルカリ溶液との中和沈殿反応により得られ
た沈殿物を空気中(酸化性雰囲気中)で焼成して導電性
二酸化スズを製造する方法(特開昭63−112421
号、特開平4−62713号及び特開平4−77317
号)も知られている。しかし、これらの方法で得られる
二酸化スズもアンチモンのドープに起因した上記と同様
の問題があり、また、中和沈殿反応は両液の拡散が遅
く、濃度が不均一になり、核発生の時期が揃わず、ブロ
ードな粒度分布の沈殿が析出することになる。しかも、
析出後も速やかに反応槽外に排出されず、反応槽中に長
く滞留する間に結晶成長が進み、粒径の大きな粉末にな
る。
【0006】アンチモンを含まない導電性二酸化スズの
製造方法としては、pH10以上のアルカリ溶液に塩化
スズ溶液を滴下し、沈殿させ、その沈殿物を真空中又は
還元性雰囲気中で焼成して導電性超微粉二酸化スズを得
る方法(特公昭62−1572号、特公昭62−157
3号、特公昭62−1574号及び特開平2−3221
3号)が知られている。この場合にはアンチモンの毒性
の問題はないが、得られる二酸化スズ粉末の体積抵抗率
はいずれも104 〜107 Ω・cmと高く、しかもこれ
ら104 〜107 Ω・cmの粉末を塗料に添加して薄膜
として被覆した場合には、その塗膜の表面抵抗は1011
Ω/□よりも大きくなり、静電防止用途には使用しがた
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】アンチモンを含有しな
い二酸化スズはアンチモンを含有する二酸化スズよりも
一般に体積抵抗率が高く、それで二酸化スズに良好な導
電性を付与するためにアンチモン等のドーパントを添加
しているが、近年アンチモンのドープに起因する青黒味
の色調及びアンチモンの毒性が問題視されている。それ
でアンチモンを含有せず、色調が改善されており、安全
で且つ導電性の向上した二酸化スズが強く求められてい
る。更に、塗料に添加して薄膜として被覆した場合の高
透明性も要求されている。塗膜の透明性には二酸化スズ
の粒度分布が大きく影響しており、特に一次粒子の凝集
した粗粒分がなく且つ一次粒子自体の粒度分布がシャー
プなものが理想的である。このような粒度分布の二酸化
スズであれば塗料中での分散が一次粒子レベルまで行わ
れ、しかも一次粒子径が可視光の半波長以下であれば、
高透明、低ヘーズの塗膜が得られる。
【0008】本発明者らは上記のような事情に鑑み、上
記のような欠点のない導電性超微粉二酸化スズを提供す
ることを目的として鋭意検討を重ね、本発明を完成し
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の導電性超
微粉二酸化スズは、湿式反応及び一段焼成により得られ
る導電性超微粉二酸化スズであって、実質的に二酸化ス
ズからなり、粒度分布におけるD90の粒径が0.01〜
5μmであり、比表面積が5〜100m2 /gであり、
体積抵抗率が10-1〜104 Ω・cmであり、且つドー
パントを含有していないことを特徴とする。
【0010】上記のような本発明の導電性超微粉二酸化
スズは、第二スズ塩を0.5〜10mol /l の濃度で含
有するアルカリ性溶液又は酸性溶液と該第二スズ塩溶液
を中和する中和溶液とをそれぞれ別々に同時に連続して
反応槽(例えば、反応槽の槽底)に導入し、導入後直ち
に両溶液を一緒に高速撹拌して瞬時に両溶液の均一混
合、均一核発生、沈殿物の微細分散を促進し、この際反
応槽内をpH2〜12の範囲内で所定の一定pH値に維
持して沈殿物の浮遊濃度を一定にすることにより微細で
シャープな粒度分布を持つ沈殿物を連続的に析出させ、
反応後の溶液及び反応沈殿物をスラリーとして反応槽
(例えば、反応槽上部)より連続して排出し、そのスラ
リーを固液分離処理して沈殿物を回収し、乾燥し、その
後不活性又は弱還元性雰囲気中、300〜800℃で焼
成して導電性を付与することにより製造することができ
る。
【0011】本発明の導電性超微粉二酸化スズは体積抵
抗率が低く、しかも導電性超微粉二酸化スズ自体が白色
あるいは透明性に優れ、それで導電性超微粉二酸化スズ
と共に着色剤を添加することによって任意の色調が得ら
れ、またアンチモンを含有していないので毒性の問題も
なく、樹脂中への高い分散性を有し、高品質で安価なも
のである。
【0012】本明細書において、粒度分布における
10、D50及びD90の粒径とは、微粉の量を粒径の小さ
い方から累積してそれぞれ10%、50%及び90%と
なる部分の微粉の粒径を意味する。
【0013】以下、本発明を更に詳細に説明する:本発
明の導電性超微粉二酸化スズは、湿式反応及び一段焼成
により得られるものであって、粒度分布におけるD90
粒径が0.01〜5μmであり、比表面積が5〜100
2 /gであり、体積抵抗率が10-1〜104 Ω・cm
である。粒度分布におけるD90の粒径が0.01μm未
満であるか、比表面積が100m2/gを越える場合に
は、低温焼成でも焼結する傾向が高くなるので好ましく
ない。また、粒度分布におけるD90の粒径が5μmを越
えるか、比表面積が5m2 /g未満である場合には、粗
大粒子となり、塗料に添加して薄膜として被覆した場合
に透明性を損なう傾向が高くなるので好ましくない。
【0014】本発明の目的を達成するためには体積抵抗
率が104 Ω・cm以下、好ましくは103 Ω・cm以
下であることが必要であり、また、アンチモン等のドー
パントを用いないで得られる導電性超微粉二酸化スズの
体積抵抗率の下限は10-1Ω・cm程度である。
【0015】本発明の導電性超微粉二酸化スズの製造に
おいては、用いる第二スズ塩溶液は酸性溶液又はアルカ
リ性溶液のいずれでもよく、またその第二スズ塩として
は特に限定されるものではない。例えば、第二スズ塩溶
液が酸性溶液である場合には、第二スズ塩として塩化ス
ズ、硫酸スズ、硝酸スズ、酢酸スズ等を用いることがで
きる。また、第二スズ塩溶液がアルカリ性溶液である場
合には、第二スズ塩としてスズ酸ナトリウム、スズ酸カ
リウム等を用いることができる。第二スズ塩溶液中の第
二スズ塩の濃度は0.5〜10 mol/l (SnO2 とし
て75〜1500g/l )であることが好ましい。第二
スズ塩の濃度が0.5mol /l 未満の場合には生産能力
が低すぎ、また第二スズ塩の濃度が10mol /l を越え
る場合にはpH値を一定に維持することが困難であり、
そのことに起因して粒度分布がブロードになりやすく、
またpH電極等へのスケールの付着等の問題が発生しや
すくなるので好ましくない。
【0016】上記の第二スズ塩溶液を中和する中和溶液
としては、第二スズ塩溶液が酸性溶液である場合には、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸
ナトリウム等の水溶液を用いることができ、また第二ス
ズ塩溶液がアルカリ性溶液である場合には、塩酸、硫
酸、硝酸、酢酸等の希釈水溶液を用いることができる。
中和溶液の濃度は第二スズ塩溶液の濃度の0.5〜5倍
であることが好ましい。中和溶液の濃度が希薄過ぎると
廃液量がいたずらに増加して廃液処理に費用がかさみ、
逆に中和溶液の濃度が濃厚過ぎるとpH値を一定に維持
することが困難であり、そのことに起因して粒度分布が
ブロードになりやすく、またpH電極等へのスケールの
付着等の問題が発生しやすくなるので好ましくない。
【0017】上記の製造方法においては、両溶液が出会
う反応槽内、好ましくは反応槽の槽底付近で両溶液を一
緒に高速撹拌するので、不均一沈殿が未然に防止され、
瞬時に両溶液の均一混合、均一核発生、沈殿物の微細分
散が促進される。なお、この際に、反応槽内をpH2〜
12、好ましくはpH3〜9の範囲内で所定の一定pH
値に維持する。このpH範囲を逸脱すると反応効率が低
下して二酸化スズの回収率が低下するので好ましくな
く、更にpHが2未満の場合には粒度分布がブロードで
粗大粒子となり、塗料に添加して薄膜として被覆した場
合に透明性を損なう傾向が高くなるので好ましくない。
また、pHが12を越える場合には析出粒子がマイナス
に帯電するので二次凝集が起こりにくく、粒子径が微細
になりすぎ、従って、後工程の固液分離が困難になり、
また洗浄によってもアルカリ分を除去し切れないため、
得られる二酸化スズの導電性を悪化させるので好ましく
ない。上記の製造方法において反応槽内を所定の一定p
H値に維持することは第二スズ塩溶液及び中和溶液の導
入流量を調整することによって容易に達成できる。
【0018】上記の製造方法においては、所定量の第二
スズ塩溶液及び中和溶液をそれぞれ別々に同時に連続し
て反応槽に導入し、反応後の溶液及び反応沈殿物をスラ
リーとして反応槽より連続して排出し、そのスラリー量
は導入された第二スズ塩溶液及び中和溶液の合計量と同
量であり、従って常に一定量が反応槽中に滞留する。ま
た両溶液の混合液は常に一定のpHに維持されており且
つ高速撹拌されているので、瞬時に両溶液の均一混合、
均一核発生、沈殿物の微細分散が促進され、微細でシャ
ープな粒度分布を持つ水和二酸化スズの均一沈殿物が連
続的に析出される。なお、この沈殿反応は、特には限定
されないが、一般的には30〜90℃で実施される。
【0019】上記のようにして得られたスラリーを固液
分離処理(濾過)し、洗浄して沈殿物を回収し、乾燥
し、その後不活性又は弱還元性雰囲気中、300〜80
0℃、好ましくは450〜700℃で焼成する。焼成温
度が300℃未満の場合には二酸化スズが十分には結晶
化されないので導電性が不十分である。また、800℃
を越える場合には焼結して粗大粒子が生じ、塗料に添加
して薄膜として被覆した場合に透明性が得られない。
【0020】上記の製造方法で採用する焼成雰囲気はN
2 、He、Ne、Ar、Kr等の不活性ガス雰囲気で
も、これらの不活性ガスにH2 又はCO等の還元性ガス
を20vol%以下、好ましくは0.1〜5 vol%の濃度
で添加した弱還元性雰囲気でもよい。不活性ガス中に添
加する還元性ガスの濃度が20 vol%を越える還元性雰
囲気を用いると、化学量論比の二酸化スズよりも更に還
元が進み、空気中に取り出した際に、急激に酸化され、
時には発火して焼結することがある。また、還元の進行
で生成二酸化スズが濃い茶褐色になり、色調の面で好ま
しくない。
【0021】上記の製造方法において、詳細は不明であ
るが、弱還元性雰囲気は二酸化スズ中の電子密度(キャ
リア濃度)を増加させて導電性を付与するのに貢献して
いる。これは、二酸化スズ焼結体ガスセンサーが水素等
の可燃性ガスに触れた際に導電性が向上するという良く
知られた現象と類似している。即ち、還元処理により二
酸化スズ表面が局部的に金属スズに還元され、フェルミ
レベルが電導帯に移動して導電化されることによるもの
と思われる。従って、焼成雰囲気を弱還元性雰囲気と
し、二酸化スズSnO2 の化学量論比から僅かに酸素欠
損が生じた程度SnO2-x に焼成することが好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はかかる実施例によって限定されるもの
ではない。
【0023】実施例1 60重量%SnCl4 溶液3170g(SnO2 換算量
で1100g)と水1800gとを混合して3.6リッ
トルの第二スズ塩溶液を得た。また、25%アンモニア
水5リットルと水5リットルとを混合して10リットル
の中和溶液を得た。両溶液を6000rpmの高速撹拌
中の反応槽の槽底に定量ポンプで連続して送液した。第
二スズ塩溶液の流量を40ml/min に固定し、反応槽内
のpH値がpH3、pH5及びpH7の各値で安定する
ように中和溶液の流量をそれぞれ50ml/min 付近、5
5ml/min 付近及び60ml/min 付近で調整した。各々
のpHにおける反応時間は15分程であり、この間の反
応槽中の温度は各々60〜80℃であった。得られた各
々のpH毎のスラリーを反応槽の上部より連続して排出
し、順次個別に濾過し、洗浄し、乾燥させた後、水平環
状炉中でN2 ガス流量300ml/min で各々450℃で
2時間焼成した。
【0024】得られた各々の粉末を2ton /cm2 の圧力
で加圧成形して試験片を作成し、試験片の体積抵抗率は
三菱油化製、抵抗測定器ロレスタAPを用いて測定し、
粉末の比表面積はカンタクローム製、カンタソーブを用
いてBET法で測定し、粒度分布はリーズ&ノースラッ
プインスツルメント社製、マイクロトラックを用いて測
定し、色差はスガ試験機製、カラーコンピューター色差
計SM−5型を用いてL* 、a* 、b* を測定した。こ
こで、粒度分布測定の前処理として、分散剤ヘキサメタ
リン酸ソーダを添加した水溶液中に粉末を入れ、10分
間超音波照射した懸濁液を試料として使用した。それら
の評価結果を表1に示す。
【0025】更に、得られた各々の粉末7.95gとア
クリル系樹脂溶液7.41g(三菱レイヨン製ダイヤナ
ールLRシリーズ46%とトルエン/ブタノール溶剤5
4%とからなる溶液)とを配合し(固形分重量比70:
30)、レッドデビル社製ペイントシェーカーにて10
時間分散処理を行った。分散後の塗料をバーコーターに
てポリエチレン製透明シート(全光線透過率98%、ヘ
イズ2%)に塗布し、90℃で30分間乾燥して厚み1
μmの塗膜を得た。これを三菱油化製、高抵抗測定機ハ
イレスタHPにて表面抵抗率を、また、日本電色工業
製、ヘイズメーター1001DPを使用して全光線透過
率及びヘイズを測定した。それらの結果を表2に示す。
【0026】実施例2 実施例1と同様の処理により得た乾燥後の各々の粉末を
水平環状炉中でN2 +H2 混合ガス(300ml/min +
3ml/min )雰囲気下で各々500℃で1時間焼成し
た。得られた各々の粉末を実施例1と同様にして評価し
た。それらの評価結果を表1及び表2に示す。
【0027】実施例3 Na2 SnO3 ・3H2 O(40%Sn)2166g
(SnO2 換算量で1100g)と水6500gとを混
合して7リットルの第二スズ塩溶液を得た。また、20
%H2 SO4 水溶液を10リットル調製して中和溶液と
した。この両溶液を用いて、pHをそれぞれ5、7及9
とする以外は実施例1と同様の処理によって得られた乾
燥後の粉末を水平環状炉中でN2 ガス流量300ml/mi
n で各々600℃、500℃及び400℃で2時間焼成
した。得られた各々の粉末を実施例1と同様にして評価
した。それらの評価結果を表1及び表2に示す。
【0028】比較例1 反応槽中のpHをそれぞれ1及び13に変更した以外は
実施例1と同様に処理し、同様に評価した。それらの評
価結果を表1及び表2に示す。
【0029】比較例2 特開昭56−156606号公報に記載の発明と同様な
加熱加水分解法によって超微粉二酸化スズの析出を試み
た。即ち、SnCl4 51.9g(SnO2 換算量で3
0.0g)をエタノール200mlに溶解させた溶液を
95℃以上に加熱、撹拌中の熱水500ml中に1時間
かけて滴下した。その後、1時間撹拌を継続して熟成を
行い、固液分離し、乾燥した後、N2 雰囲気下450℃
で2時間焼成した。得られた粉末の評価結果を表1及び
表2に示す。
【0030】比較例3 特公昭62−1574号公報に記載の発明と同様な製法
によって超微粉二酸化スズの析出を試みた。即ち、60
重量%SnCl4 溶液86.4g(SnO2 換算量で3
0.0g)を90℃以上に加熱、撹拌中の10%NaO
H溶液500ml中に1時間かけて滴下した。その後、
10%HCl水溶液を滴下してpH3とした。得られた
沈殿物を固液分離し、乾燥した後、N2 +H2 混合ガス
(500ml/min +500ml/min )雰囲気下400℃
で1時間焼成した。焼成後の粉末は暗黒色を呈し、体積
抵抗率は104 〜105 Ω・cmと高かった。更に、こ
の焼成粉末を加熱したところ、200℃までの間に発火
し、黄色味を帯びた107Ω・cmの粉末となった。得
られた粉末の評価結果を表1及び表2に示す。
【0031】
【表1】 表1のデータから明らかなように、本発明導電性超微粉
二酸化スズの粒度分布はシャープである。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の導電性超微粉二酸化スズはアン
チモンを含有していないので毒性が無く安全であり、ア
ンチモンに起因するような青黒味が無く、それ自体透明
性に優れており、着色剤を併用することにより任意の色
調を得ることができ、帯電・静電防止又は荷電調整用途
に対して十分な導電性を有しており且つ樹脂中への高い
分散性を有しているので、繊維、エマルジョン、イン
ク、塗料、紙、プラスチック、ゴム、樹脂等に混入して
それらに導電性を付与することができ、ガスセンサー、
CRT、ブラウン管等の埃付着防止に利用でき、帯電ロ
ーラー、感光ドラム、トナー、磁気記録媒体、光ディス
クや太陽電池、液晶等の内部電極等に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉丸 克彦 埼玉県上尾市原市1380−1B−208 Fターム(参考) 5G301 CA02 CA23 CD04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿式反応及び一段焼成により得られる導電
    性超微粉二酸化スズであって、実質的に二酸化スズから
    なり、粒度分布におけるD90の粒径が0.01〜5μm
    であり、比表面積が5〜100m2 /gであり、体積抵
    抗率が10-1〜104 Ω・cmであり、且つドーパント
    を含有していないことを特徴とする導電性超微粉二酸化
    スズ。
  2. 【請求項2】体積抵抗率が10-1〜103 Ω・cmであ
    る請求項1記載の導電性超微粉二酸化スズ。
  3. 【請求項3】比表面積が5〜36m2 /gである請求項
    1又は2記載の導電性超微粉二酸化スズ。
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