JP2008251210A - 白色導電粉末とその製造方法および用途 - Google Patents

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【課題】白色繊維状無機粉末を基材とし、アンチモン等の有害成分を含有せずに優れた導電性を有し、環境汚染等を生じる虞れがなく、少量で導電性が発現できかつ水に分散可能で環境への負担が少ない白色導電粉末を提供する。
【解決手段】白色繊維状無機粉末を基材とし、アンチモン、リン、およびインジウムを含まない酸化スズ層、または上記アンチモン等を含まずに0.1〜5.0%のフッ素を含有する酸化スズ層を該基材表面に有することを特徴する白色導電粉末であり、粉末体積抵抗が100kΩ・cm以下であり、上記フッ素含有酸化スズ層を有するものは粉末体積抵抗が10kΩ・cm以下である白色導電性粉末とその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、アンチモン等の有害成分を含有せずに優れた導電性を有する白色粉末に関する。より詳しくは、本発明は、白色繊維状無機粉末を基材とし、アンチモン等の有害成分を含有せずに優れた導電性を有し、環境汚染等を生じる虞のない白色導電粉末に関する。
導電粉末は帯電防止・帯電制御・静電防止・防塵等の用途に現在広く用いられている。従来、導電性を高めるために、アンチモン等をドープした導電粉末が使用されているが、アンチモンは有毒物質であり、近時、環境汚染防止等の観点から、アンチモンフリーの導電材料が求められている。さらに、従来の導電粉末は水に分散し難く、有機溶剤に分散させて使用しているが、環境への負荷を低減するため、水に分散可能であってプラスチックとの密着性も良い導電粉末が求められている。
具体的には、従来、白色導電粉末として、例えば、酸化アルミニウムをドープした酸化亜鉛、二酸化チタン粉末等の表面に酸化アンチモンをドープした酸化錫膜を形成した白色導電粉末が知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。また、アンチモン成分を含有する酸化錫からなる導電被膜をチタン酸カリウム繊維に形成した白色導電繊維が知られている(特許文献4、特許文献5)。さらに、二酸化チタン粒子表面に酸化スズおよびリンを含む導電層を形成した白色導電性二酸化チタン粉末が知られている(特許文献6)。また、これらのドープ成分を含有しない表面改質した透明導電性酸化スズ粉末が知られている(特許文献7)。
しかし、酸化アンチモンをドープした酸化錫膜を有する白色導電粉末は、導電性が安定しているものの、アンチモンは有毒成分であるので、アンチモンフリーの導電粉末が求められている。一方、リンをドープした酸化錫膜を有する酸化チタンは、導電性が不安定であり、またリンの偏在性の問題があった。さらに、表面改質されたノンドープ酸化錫からなる透明導電性酸化スズ粉末はカーボン残存等の問題があり、また白色粉末ではないので外観や機能性の点から白色環境を要求される用途には適さないと云う問題もある。さらに酸化スズの担体として粒状の粉末を使用したものは、粒子相互の接触を確実にするためには樹脂への添加量を比較的多量に必要とするなどの問題がある。
この他に、基板表面に気相反応によってフッ素含有酸化スズ膜を形成し、これを酸素導入下の不活性ガス下で熱処理することによって低抵抗にしたフッ素含有酸化スズ膜を形成する方法が知られているが(特許文献8)、粉体原料を気相処理したものは粉体表面に被膜が十分に形成されないので、粉体原料の処理方法として適さない。
特開昭59−145262号公報 特開昭58−209002号公報 特開昭62−180903号公報 特開昭61−136532号公報 特開平07−053217号公報 国際公開WO2005/012449号公報 特開2006−59806号公報 特開2003−81633号公報
本発明は、従来の白色導電粉末における上記問題を解決したものであり、白色繊維状無機粉末を基材とし、アンチモン等の有害成分を含有せずに優れた導電性を有し、環境汚染等を生じる虞れがなく、少量の添加量で良好な導電性を得ることができ、かつ水に分散可能で環境への負担が少ない白色導電粉末を提供するものである。
本発明は、以下の構成によって上記課題を解決した白色導電粉末を提供する。
(1)白色繊維状無機粉末を基材とし、アンチモン、リン、およびインジウムを含まない酸化スズ層を該基材表面に有することを特徴とする白色導電粉末。
(2)酸化スズ層の含有量が30〜60%であり、粉末体積抵抗が100kΩ・cm以下である上記(1)に記載する白色導電性粉末。
(3)白色繊維状無機粉末を基材とし、アンチモン、リン、およびインジウムを含まず、0.1〜5.0%のフッ素を含有する酸化スズ層を該基材表面に有することを特徴とする白色導電粉末。
(4)フッ素含有酸化スズ層の含有量が30〜60%であり、粉末体積抵抗が10kΩ・cm以下である上記(3)に記載する白色導電性粉末。
(5)白色繊維状無機粉末がチタン酸カリウム繊維である上記(1)〜上記(4)に記載する白色導電粉末。
(6)酸化スズ層が、白色繊維状無機粉末表面に湿式処理によってスズ化合物を形成し、これを雰囲気調整した不活性ガス雰囲気下で熱処理したものである上記(1)、上記(2)、または上記(5)の何れかに記載する白色導電粉末。
(7)フッ素含有酸化スズ層が、白色繊維状無機粉末表面に湿式処理によってスズ化合物を形成し、これにフッ素を導入し、雰囲気調整した不活性ガス雰囲気下で熱処理したものである上記(3)、上記(4)、または上記(5)に記載する白色導電粉末。
本発明はさらに以下の製造方法および用途を提供する。
(8)基材の白色繊維状無機粉末を水に分散し、これにスズ源を加え、低pH下で加水分解して該粉末表面にスズ化合物を析出させ、乾燥後、不活性ガス雰囲気および水蒸気の存在下、酸素を排除し、熱処理して、基材表面に導電性酸化スズ層を形成することを特徴とする白色導電粉末の製造方法。
(9)基材の白色繊維状無機粉末を水に分散し、これにスズ源を加え、低pH下で加水分解して該粉末表面にスズ化合物を析出させ、この析出時またはその後にフッ素を導入して該粉末表面にフッ素含有スズ化合物を形成し、乾燥後、不活性ガス雰囲気および水蒸気の存在下、酸素を排除し、熱処理して、基材表面に導電性フッ素含有酸化スズ層を形成する白色導電粉末の製造方法。
(10)上記(1)〜上記(7)の何れかに記載する白色導電粉末を水に分散してなる分散液。
(11)上記(1)〜上記(7)の何れかに記載する白色導電粉末を含有する膜組成物。
本発明の導電粉末は、白色繊維状無機粉末を基材としており、高い導電性を有する白色繊維状導電粉末である。従って、外観や機能面から白色環境が求められる用途、例えば、半導体製造クリーンルームやコンピュータルーム、病院等の内装材ないしカーペットなどにおける導電材料として好適である。
また、本発明の白色導電粉末は、酸スズ層にアンチモン、リン、インジウムを何れも含まないので環境汚染等を生じる懸念がない。また、アンチモン、リン、インジウムを含まないので低コストである。なお、本発明において、アンチモン、リン、およびインジウムを含まないとは、原料および工程中でアンチモン、リン、およびインジウム源を使用せず、従って検出限界500ppmの標準的な測定装置によってこれらの元素が検出されないことを云う。
本発明の白色導電粉末は、上記アンチモン等のドープ成分を含まずに高い導電性を有しており、とくに酸化スズ層にフッ素が含有されているもの安定した高い導電性を有するので、安全な導電材料として各種の機器に広く用いることができる。具体的には、例えば、静電塗装プライマー、帯電防止効果を有する樹脂やタイル、導電性塗料、静電記録材料、複写機関連の帯電ローラー、感光ドラム、トナー、静電ブラシなどにおける導電材料として好適である。
本発明の白色導電粉末は水に分散可能であるので、水性塗料等の導電材料として用いることができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。なお、%は特に示さない限り、また数値固有の場合を除いて質量%である。
〔白色導電粉末〕
本発明に係る第一態様の導電粉末は、白色繊維状無機粉末を基材とし、アンチモン、リン、およびインジウムを含まない酸化スズ層を該基材表面に有することを特徴とする白色導電粉末である。また、本発明に係る第二態様の導電粉末は、白色繊維状無機粉末を基材とし、アンチモン、リン、およびインジウムを含まず、0.1〜5.0%のフッ素を含有する酸化スズ層を該基材表面に有することを特徴とする白色導電粉末である。
本発明の白色導電粉末は、基材の白色繊維状無機粉末として、チタン酸カリウム繊維を用いることができる。このチタン酸カリウム繊維は繊維径0.1μm〜1.0μm、繊維長さ5μm〜25μmのものが好ましい。
上記基材表面に形成された酸化スズ層はアンチモン、リン、およびインジウムを含まない。従来の導電粉末は上記アンチモンやリン等をドープすることによって導電性を高めているが、本発明の白色導電粉末は白色繊維状無機粉末の基材表面に湿式処理によってスズ化合物を形成し、これを雰囲気調整した不活性ガス雰囲気下で熱処理して酸化スズ層を形成することによって高い導電性を達成しているので上記各元素を含有する必要がない。
また、本発明のフッ素含有酸化スズ層を有する白色導電粉末は、白色繊維状無機粉末表面に湿式処理によってスズ化合物を形成し、これにフッ素を導入し、雰囲気調整した不活性ガス雰囲気下で熱処理してフッ素含有酸化スズ層を形成することによって、高い導電性を達成しているので、上記各元素を含有する必要がない。さらに上記フッ素を含有した酸化スズ層は導電性が高く、かつ安定である。
本発明の白色導電粉末において、粉末中の酸化スズ層ないしフッ素含有酸化スズ層の割合は30〜60%が適当である。この量が30%未満では所望の導電性が得るのが難しく、60%より多いと低抵抗にはなるものの、凝集の問題が生じるので好ましくない。
フッ素を含有する酸化スズ層において、酸化スズ層中のフッ素量は0.1〜5.0%が好ましい。フッ素量が0.1%未満では粉末体積抵抗が低下しない。またフッ素量が5.0%より多くても、粉末体積抵抗は5.0%の場合と大差なく、抵抗値を低下する割合は小さい。
本発明の白色導電粉末の導電性は、粉末中の酸化スズ層の量が30〜60%において、例えば、酸化スズ層がフッ素を含有しないものは粉末体積抵抗が100kΩ・cm以下の導電性を有することができる。また、酸化スズ層がフッ素を含有するものは粉末体積抵抗が10kΩ・cm以下、好ましくは5kΩ・cm以下の導電性を有することができる。なお、粉末体積抵抗が100kΩ・cmより大きいと、この粉末を樹脂に混入したときの表面抵抗が概ね1010Ω/□以上になるので粉末含有量60%において帯電防止効果が不十分になる。本発明の白色導電粉末の導電性は粉末体積抵抗が小さいのでこのような問題がない。
本発明の白色導電粉末は、Lab表色系において、L75以上、a−2〜+2、b−8〜+8である。Labの値が上記範囲を外れると明るさ、緑色〜赤色、青色〜黄色の項目において白色性に関連する色度が損なわれるので好ましくない。本発明の白色導電粉末はLabの各値が上記範囲内であり、濁りのない良好な白色を有する。
〔製造方法〕
本発明の白色導電粉末について、フッ素を含有しない酸化スズ層を有するものは、白色繊維状無機粉末の表面に湿式処理によってスズ化合物を形成し、雰囲気調整した不活性ガス雰囲気下で、熱処理して酸化スズ層を形成することによって製造することができる。
好ましくは、基材の白色繊維状無機粉末を水に分散させ、これにスズ源を加え、低pH下、例えばpH4以下で加水分解して基材粉末表面にスズ化合物を析出させ、乾燥後、不活性ガス雰囲気および水蒸気の存在下、酸素を排除し、熱処理して基材表面に導電性酸化スズ層を形成する。
また、フッ素含有酸化スズ層を有するものは、白色繊維状無機粉末の表面に湿式処理によってスズ化合物を析出させ、これにフッ素を導入し、雰囲気調整した不活性ガス雰囲気下で熱処理してフッ素含有酸化スズ層を形成することによって製造することができる。
好ましくは、基材の白色繊維状無機粉末を水に分散し、これにスズ源を加え、低pH下、例えばpH4以下で加水分解して基材粉末表面にスズ化合物を析出させ、この析出時またはその後にフッ素を導入して該粉末表面にフッ素含有スズ化合物を形成し、乾燥後、不活性ガス雰囲気および水蒸気の存在下、酸素を排除し、熱処理して基材表面にフッ素含有酸化スズ層を形成する。
基材の白色繊維状無機粉末としては、例えば、繊維状のチタン酸カリウムが用いられる。該繊維状のチタン酸カリウムは繊維径0.1μm〜1.0μm、繊維長さ5μm〜25μmのものが好ましい。該基材粉末を水に分散させて40〜100℃に加温し、これにスズ源を加え、これを加水分解して基材粉末表面にスズ化合物を析出させる。スズ源としては塩化スズ、硝酸スズ、酢酸スズ、その他の可溶性スズ塩を用いることができる。
基材粉末表面にスズ化合物を析出させた後に、デカンテーションにより残留塩分を除去して乾燥する。なお、スズ源として塩化スズを用いる場合には、塩酸水溶液を加え、pH4以下でスズ化合物を析出させ、その後の洗浄は塩酸が僅かに残留する程度に止めるのが良い。
フッ素を導入するには、デカンテーションの後に、フッ素源、例えば、フッ化第一スズを加える。このとき、水酸基とフッ素が置換してフッ素が取り込まれる。フッ素を含むことによって紛体はやや黄色味を帯びる。このフッ素はほとんど全てがスズ化合物に取り込まれるので遊離のフッ素が無く、熱処理において炉を傷めることが少ない。
従来、CVD法などの気相反応によってシリカ基板表面にフッ素ドープ酸化スズ膜を形成することが知られているが(特許文献8)、粉末原料を用いる場合には気相処理では粉末全体に十分な酸化スズ層を形成することができない。
本発明の白色導電粉末は、上記湿式処理の後に乾燥し、熱処理を行って酸化スズ層ないしフッ素含有酸化スズ層を形成する。熱処理温度は400℃以上〜800℃以下が好ましい。熱処理温度が400℃より低いと十分な導電性が得られず、また800℃より高いと粉末の焼結が始まり、塗膜を形成したときに凝集体が存在する場合があるので好ましくない。
この熱処理は、雰囲気調整した不活性ガス雰囲気下で行うのが良く、具体的には、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気および水蒸気の存在下、酸素を排除して行うのが好ましい。水蒸気はアルコール蒸気でも良い。水蒸気またはアルコール蒸気を導入する方法は限定されない。熱処理炉の不活性ガス雰囲気中に水蒸気またはアルコール蒸気を導入してもよく、湿式処理後の原料粉末の乾燥を適度にして湿った状態にし、または原料粉末に水をまたはアルコールを噴霧しても良い。あるいは不活性ガスを水やアルコールに通じてバブリングさせて熱処理炉に導入しても良い。
水またはアルコールの蒸気圧は飽和蒸気圧30%以上が好ましい。この蒸気圧を保って熱処理するには密閉型の熱処理炉を用いるのが好ましい。なお、スズ化合物の加熱時には水分が抜けるので、この水分を利用して同様の効果を得るようにしても良い。
また、雰囲気から酸素を排除して加熱する。従来、酸素を含む不活性ガス下で熱処理する方法が知られているが(特許文献8)、酸素が含まれていると、安定して低抵抗粉末が製造できず、また不均一となる。
湿式処理した原料粉末を、水蒸気またはアルコール蒸気を含む不活性ガス雰囲気下で酸化を排除して熱処理することによって、低抵抗の白色導電粉末が得られる。なお、フッ素含有酸化スズ層を有するものは、不活性ガスが水蒸気やアルコール蒸気を含まない場合でも抵抗が比較的低い粉末が得られる。また、フッ素含有酸化スズ層を有する場合、水蒸気またはアルコール蒸気の存在下で熱処理することによって粉末の抵抗をさらに低下させることができる。本発明の製造方法は、フッ素含有酸化スズ層を有する白色導電粉末について、不活性ガスが水蒸気やアルコール蒸気を含まない熱処理、および不活性ガスが水蒸気やアルコール蒸気を含む熱処理の何れも含む。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示す。実施例および比較例において、粉末体積抵抗は試料粉末を圧力容器に入れて100kgf/cm2で圧縮し、この圧粉をデジタルマルチメーター(横河電機製品:型式7561-02)によって測定した。粉体のL値、a値、b値はスガ試験機社製装置(SM-7-IS-2B)を用いて測定した。塗布膜の表面抵抗は白色導電粉末を含む膜厚約100μmの薄膜について表面抵抗計(ハイレスタ:三菱油化製品:型式HT-210、供給電圧100V)を用いて測定した。また、塗膜の性状(凝集体によるブツの有無)は目視にて確認し、塗膜の隠ぺい力は規格(JIS K5600)に従って観察した。
〔実施例1〕
チタン酸カリウム繊維(繊維径0.3〜0.6μm、長さ10〜20μm)50gを水300ccに分散させ、90℃に加温した。この分散液に、粉体中の酸化スズ含有量が表1の値になるように所定量の塩化スズを加え、塩酸水溶液を20分〜30分かけて添加してpH3〜4に調整した。この湿式処理した粉末を取り出して洗浄し乾燥した。上記湿式処理で加えた塩化スズは実質的に全量が加水分解され、粉末表面にスズ化合物(X線回折ではSnO2パターンを示す水酸化スズ)が析出していた。この乾燥粉末20gを石英管状炉に入れ、水を通して水蒸気を飽和させた窒素ガスを0.3L/分の割合で30分間炉内に流し、酸素を排除して、表1に示す温度で熱処理した。処理した粉末を取り出し、100kgf/cm2で圧粉して粉末体積抵抗を測定した。また、上記粉末のLab表色系の値を測定した。この結果を表1に示した。さらに、この粉末のX線回折によって粉末表面に酸化スズ層が形成されていることを確認した。またアンチモン、リン、インジウムは何れも検出されなかった。
〔比較例1〕
酸化スズ含有量、熱処理温度、および加熱雰囲気を表2に示す条件にした以外は実施例1と同様にして白色導電粉末を製造した。この粉末について粉末体積抵抗およびLab表色系の値を測定した。この結果を表1に示した。
〔実施例2・比較例2〕
実施例1および比較例1において製造した白色導電微粉末4.2gを、市販のアクリル塗料(樹脂含有量10%)100gに加え、ビーズを入れたペイントシェーカーで30分攪拌した。この塗料をアプリケータでPETフィルムに膜厚約100μmに塗布し、乾燥後の表面抵抗を表面抵抗計にて測定した。また、塗膜の性状および隠ぺい力を目視にて確認した。この結果を表1に示した。
表1に示すように、試料A1〜A3は何れも粉末体積抵抗が100kΩ・cm以下であって高い導電性を有する。一方、試料B1、B2、B3、B5は何れも粉末体積抵抗が各段に高く、導電性の低い。また、試料B4は塗膜に凝集体が存在する。また、試料B1〜B5の塗膜は何れも隠蔽力が不良である。
Figure 2008251210
〔実施例3〕
チタン酸カリウム繊維50gを水300ccに分散させ、90℃に加温した。この分散液に、粉体中の酸化スズ含有量が表2の値になるように所定量の塩化スズを加え、塩酸水溶液を20分〜30分かけて添加してpH3〜4に調整した。この湿式処理した粉末を取り出して洗浄した。上記湿式処理で加えた塩化スズは実質的に全量が加水分解され、粉末表面にスズ化合物(X線回折ではSnO2パターンを示す水酸化スズ)が析出していた。これにフッ化第一スズを表2に示すフッ素含有量になるように所定量を加え、攪拌し乾燥した。この乾燥粉末20gを石英管状炉に入れ、水を通して水蒸気を飽和させた窒素ガスを0.3L/分の割合で30分間炉内に流し、酸素を排除して表2に示す温度で熱処理した。処理した粉末を取り出し、100kgf/cm2で圧粉し、粉末体積抵抗を測定した。また上記粉末のLab表色系の値を測定した。この結果を表2に示した。さらに、この粉末のX線回折によって粉末表面に酸化スズ層が形成されていることを確認した。またアンチモン、リン、インジウムは何れも検出されなかった。
〔比較例3〕
酸化スズ含有量、酸化スズ中のフッ素量、熱処理温度、および加熱雰囲気を表2に示す条件にした以外は実施例3と同様にして白色導電粉末を製造した。この粉末について粉末体積抵抗およびLab表色系の値を測定した。この結果を表2に示した。
〔実施例4・比較例4〕
実施例3および比較例3において製造した白色導電微粉末4.2gを、市販のアクリル塗料(樹脂含有量10%)100gに加え、ビーズを入れたペイントシェーカーで30分攪拌した。この塗料をアプリケータでPETフィルムに膜厚約100μmに塗布し、乾燥後の表面抵抗を表面抵抗計にて測定した。また、塗膜の性状および隠蔽力を目視にて確認した。この結果を表2に示した。
表2に示すように、試料C1〜C5は何れも粉末体積抵抗が10kΩ・cm以下であり、導電性が高い。一方、試料D1〜D3、D5は粉末体積抵抗が各段に高く、導電性が低い粉末である。また、試料D5塗膜に凝集体が存在する。さらに、試料D3〜D5の塗膜は何れも隠蔽力が不良である。
Figure 2008251210

Claims (11)

  1. 白色繊維状無機粉末を基材とし、アンチモン、リン、およびインジウムを含まない酸化スズ層を該基材表面に有することを特徴とする白色導電粉末。
  2. 酸化スズ層の含有量が30〜60%であり、粉末体積抵抗が100kΩ・cm以下である請求項1に記載する白色導電性粉末。
  3. 白色繊維状無機粉末を基材とし、アンチモン、リン、およびインジウムを含まず、0.1〜5.0%のフッ素を含有する酸化スズ層を該基材表面に有することを特徴とする白色導電粉末。
  4. フッ素含有酸化スズ層の含有量が30〜60%であり、粉末体積抵抗が10kΩ・cm以下である請求項3に記載する白色導電性粉末。
  5. 白色繊維状無機粉末がチタン酸カリウム繊維である請求項1〜4に記載する白色導電粉末。
  6. 酸化スズ層が、白色繊維状無機粉末表面に湿式処理によってスズ化合物を形成し、これを雰囲気調整した不活性ガス雰囲気下で熱処理したものである請求項1、2または5の何れかに記載する白色導電粉末。
  7. フッ素含有酸化スズ層が、白色繊維状無機粉末表面に湿式処理によってスズ化合物を形成し、これにフッ素を導入し、雰囲気調整した不活性ガス雰囲気下で熱処理したものである請求項3、4または5に記載する白色導電粉末。
  8. 基材の白色繊維状無機粉末を水に分散し、これにスズ源を加え、低pH下で加水分解して該粉末表面にスズ化合物を析出させ、乾燥後、不活性ガス雰囲気および水蒸気の存在下、酸素を排除し、熱処理して、基材表面に導電性酸化スズ層を形成することを特徴とする白色導電粉末の製造方法。
  9. 基材の白色繊維状無機粉末を水に分散し、これにスズ源を加え、低pH下で加水分解して該粉末表面にスズ化合物を析出させ、この析出時またはその後にフッ素を導入して該粉末表面にフッ素含有スズ化合物を形成し、乾燥後、不活性ガス雰囲気および水蒸気の存在下、酸素を排除し、熱処理して、基材表面に導電性フッ素含有酸化スズ層を形成する白色導電粉末の製造方法。
  10. 請求項1〜7の何れかに記載する白色導電粉末を水に分散してなる分散液。
  11. 請求項1〜7の何れかに記載する白色導電粉末を含有する膜組成物。
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