JP2007269617A - Ito粉体およびその製造方法、透明導電材用塗料、並びに透明導電膜 - Google Patents

Ito粉体およびその製造方法、透明導電材用塗料、並びに透明導電膜 Download PDF

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Abstract

【課題】透明度が高く、ヘイズの値が小さく、抵抗値が小さい透明導電膜を成膜することの出来るITO塗料に用いるITO粒子、当該ITO粒子を含むITO塗料、並びに当該ITO粒子を含む透明導電膜を提供する。
【解決手段】スズを含有するインジウム水酸化物を、有機溶媒中で、240℃以上350℃以下の温度で加熱処理し、本発明に係るITO粒子を生成させる。そして当該ITO粒子を溶媒に分散させて、本発明に係るITO塗料を得、当該ITO塗料を所定の基板上に塗布することで透明導電膜を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、ITO粉体およびその製造方法、当該ITO粉体を含む透明導電材用塗料、並びに、当該塗料を用いて成膜される透明導電膜に関する。
Snを含有するIn酸化物、すなわちITO(以下、「スズ含有酸化インジウム」と記載する場合もある。)を含む膜は、可視光に対する高い透光性と、導電性とを示すことから、各種表示デバイスや太陽電池などの透明導電膜として用いられている。このITOを含む透明導電膜(以下、ITO膜と記載する場合もある。)の成膜方法としては、スパッタリング法等の物理成膜法、粒子分散液または有機化合物を塗布する塗布法が知られている。
塗布法による塗膜は、スパッタリング法などの物理的方法に比べて導電性が多少低いものの、真空装置などの高価な装置を用いることなく大面積や複雑形状の成膜が可能であり、低コストになる利点がある。更に、この塗布法の中でも、粒子分散液による方法は、塗布膜を熱分解させる必要がある有機化合物塗布法に比べ、比較的低温プロセスで成膜でき、良好な導電性も得られることから、ブラウン管の電磁波シールド膜として広く用いられており、LCDやELなどの表示デバイスへの応用も検討されている。
従来、ITO膜の形成に用いられるITO粉体の製造方法としては、インジウム化合物とスズ化合物とを含む水溶液を、8〜12のpH条件で加水分解させ、生成したコロイド粒子を含有するゾルを濾過し洗浄した後、乾燥して加熱処理する方法が提案されている。
その他には、インジウム系水酸化物の分散液を乾燥し、ついで通常500℃以上の高温で加熱処理(焼成)して結晶化させる方法が提案されている。
また、特許文献1には、有機溶媒にインジウム塩とスズ塩とを溶解したした後、ここへアルカリ水溶液を添加してインジウム水酸化物とスズ水酸化物を生成させ、得られたインジウム水酸化物とスズ水酸化物の混合物を乾燥後、加熱処理することが提案されている。
更に、特許文献2には、インジウム系水酸化物をアルコールに分散させ、ついで乾燥した後、200〜500℃の温度範囲で加熱処理することが提案されている。
特開平3−54114号公報 特開2004−75472号公報
上記、従来のITO粉体の製造方法では、インジウム水酸化物およびスズ水酸化物のコロイド粒子を含有するゾルを乾燥した後、当該乾燥物を加熱処理によって焼結する。しかし、得られた焼結物の粉砕後におけるITO粒子の平均粒径は0.2〜0.4μmと粗い。このような粗大ITO粒子の塗料化には、ITO粒子の分散性をよくするために、ビーズミルでの分散工程が行われるが、それでも微細で分散性の良いITO粒子を得るのは困難である。この為、当該粗いITO粒子を含むITO塗料によりITO膜形成を行った場合は、ITO粒子の分散性及び透明性が必ずしも十分ではなかった。さらに、インジウム系水酸化物を高温で焼成する場合には、ITO粒子は凝集し、場合によっては粒子同士が強く結合して解砕できない程度に凝集し、粗大化してしまう問題があった。だからといって、凝集を抑制するために焼成温度を低下させると、今度は、結晶化が不十分となり、ITO膜形成後に十分な導電性が得られない。
ここで、特許文献1においては、インジウム水酸化物とスズ水酸化物とを有機溶媒にて混合することにより、1次粒子の凝集を低減させるとしている。しかし、その後550℃まで加熱処理している。しかし、比較的高温領域である550℃においては、ITO粒子同士が焼結し粗大化してしまう。また、インジウム水酸化物とスズ水酸化物の調製に有機溶媒を使用しているため、排水処理費が嵩み生産コスト高の問題もある。
一方、特許文献2においては、インジウム系水酸化物を有機溶媒に分散させることにより、後工程の加熱処理にて凝集を低減していると記載している。そして、インジウム系水酸化物の乾燥後に、350〜475℃の高温領域で加熱処理してインジウム系酸化物を得ている。しかし、当該加熱処理により、インジウム系酸化物の表面に被覆されている有機物が揮発し、その際に、インジウム系酸化物の粒子の凝集が引き起こされてしまう。また、加熱処理前にオートクレーブ処理を必須としているので、工程が複雑になり製造コストが嵩むと考えられる。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、透明度が高く、ヘイズの値が小さく、抵抗値が小さい透明導電膜を成膜することの出来るITO塗料に用いるITO粒子、当該ITO粒子を含むITO塗料、並びに当該ITO粒子を含む透明導電膜を提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決すべく研究を行った結果、インジウム水酸化物を有機溶媒中における湿式プロセスにより反応させて、ITO粒子を、粒子分散液として得る新規な構成に想到した。そして、これにより、ITO粒子間の焼結や凝集を防止できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、上述の課題を解決するための第1の構成は、
10nm以下の1次粒子径を有するITO粒子の個数割合が5%以上、且つ、ITO粒子の50%体積平均径が60nm以下、且つ、ITO粒子の90%体積粒径が100nm以下であることを特徴とするITO粉体である。
第2の構成は、
10nm以下の1次粒子径を有し、粒子相互間の接触がないITO粒子の個数割合が50%以上、且つ、ITO粒子の体積平均径が50nm以下であることを特徴とする第1の構成に記載のITO粉体である。
第3の構成は、
粒子相互間の接触がないITO粒子の個数割合が、70%以上あることを特徴とする第1または第2の構成に記載のITO粉体である。
第4の構成は、
BETから求められる粒子径をR1、結晶子径から求められる粒子径をR2としたとき、
0.6≦R2/R1≦1
であることを特徴とする第1から第3の構成のいずれかに記載のITO粉体である。
第5の構成は、
第1から第4の構成のいずれかに記載のITO粉体であって、当該ITO粉体を含む圧粉体の熱収縮開始温度が300℃以下であることを特徴とするITO粉体である。
第6の構成は、
第5の構成に記載のITO粉体であって、当該ITO粉体を含む圧粉体の熱収縮率が少なくとも0.7%以上であることを特徴とするITO粉体である。
第7の構成は、
スズを含有するインジウム水酸化物を、有機溶媒中で240℃以上350℃以下の温度で加熱処理をすることにより、ITOを得ることを特徴とするITOの製造方法である。
第8の構成は、
前記有機溶媒として、240℃以上の沸点を有する有機溶媒を用いることを特徴とする第7の構成に記載のITOの製造方法である。
第9の構成は、
前記有機溶媒として、分子一個あたりにOH基を一個以上有する有機溶媒を用いることを特徴とする第7または第8の構成に記載のITOの製造方法である。
第10の構成は、
前記有機溶媒として、ポリオールを用いることを特徴とする第9の構成に記載のITOの製造方法である。
第11の構成は、
前記有機溶媒として、テトラエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールの中から選ばれる少なくとも一つ以上の溶媒を用いることを特徴とする第10の構成に記載のITOの製造方法である。
第12の構成は、
第1から第6の構成のいずれかに記載のITO粉体を含むことを特徴とする透明導電材用塗料である。
第13の構成は、
第12の構成に記載の透明導電材用塗料をガラス基板上へ膜厚200nmで成膜して、ITO塗布ガラス基板としたとき、
当該透明導電膜のヘイズの値が1.0%以下、全光透過率が90%以上であることを特徴とする透明導電膜塗料である。
第14の構成は、
第7から第11の構成のいずれかに記載のITOの製造方法において得られる、ITOを分散した有機溶媒の当該有機溶媒を、適宜な溶媒に置換することを特徴とする透明導電膜塗料の製造方法である。
第15の構成は、
第12または第13の構成に記載の透明導電膜塗料を用いて製造されることを特徴とする透明導電膜である。
本発明に係るITO粒子は、粒径が小さい上に、ITO粒子間の凝集・焼結がない。この為、当該ITO粒子を含むITO塗料を調製するにあたり、ITO粉体を粉砕工程が不要になる。さらに、当該ITO塗料により成膜された透明導電膜は、透明度が高く、ヘイズの値が小さく、抵抗値が小さい。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
透明導電膜においては、その透明性が重要な特性である。膜が透明であるための条件としては、入射光に対して反射が少なく、可視域での吸収がなく散乱が無いことが要求される。散乱に関しては、散乱源となる粉体が1種類の物質であるならば、当該粉体の粒子径と対象光の波長とに依存し、ミー散乱、レイリー散乱の式により計算できる。
ここで、ミー散乱は、粒子の大きさが波長に比べて無視できない場合の光の散乱をいい、粒子の大きさが、波長の1/10程度より大きい場合に問題となる。一方、波長に対する粒子径が十分小さい場合は、レイリー散乱が支配要因となる。本発明に係る粒子の場合は、レイリー散乱の領域である。そこで、以下、レイリー散乱について説明する。
一般に、対象光の波長の2分の1に相当する粒子径の粉体が、最も散乱が大きい。粉体の粒子径が、この粒子径から外れ、さらに対象光の波長に比べて小さくなると、以下のレイリー散乱式により、粒子径の6乗に比例して散乱は急激に小さくなる。
Ks=(4π/3λ)×d×[(M−1)/(M+2)]
Ks:散乱係数、λ:波長、d:粒子径、M=n/n
:物質の屈折率、n:媒体の屈折率
ここで、可視域の波長が0.4〜0.8μmであることより、粉体の粒子径を0.1μm以下にし、均一に分散させることで、この粒子からなる粉体を可視光に対して透明にすることができることが判る。
本実施形態のITO粉体は、1次粒子径が10nm以下の粒子が個数割合で5%以上、且つ50%体積粒径が60nm以下、90%体積粒径が100nm以下である。本発明者らは、ITO粒子が上述の構成を備えることにより、当該ITO粒子を含む透明導電膜において、光学特性の1つであるヘイズの値が1%以下と改善されることを見出した。
本発明者らは、本実施形態のITO粉体が、上述の構成に加えて、粒子相互間の接触が全くない1次粒子の体積平均径が50nm以下、且つ1次粒子径が10nm以下の個数割合が50%以上であると、後述するように、さらにヘイズの値を改善出来ることを見出した。
即ち、ITO粉体に含まれるITO粒子径が単純に小さいだけでは、透明導電膜の高透明性を確保できない。例えば、ITO粒子径が小さくても、それらが凝集して100nm以上の粒子となると、当該ITO粉体を塗料にしたときの分散性が悪化して、ITO粒子が沈降してしまう。この結果、当該塗料を用いて透明導電膜を成膜した際、当該透明導電膜においてヘイズの値が低下しない。即ち、ITO粒子相互間に焼結もしくは凝集があると、ITO塗料としたときの分散性が低下し、得られる透明導電膜においてヘイズの値が低下しないのである。従って、塗布による透明導電膜の作製においては、その塗布液中におけるITO粒子の分散性が重要であるが、本実施形態で作成したITO粒子を含むITO塗料は、分散性が良好である。さらに、一般的なITO塗料においては、ITO粒子の分散性向上のために分散剤が添加されているが、本実施形態にかかるITO粉体を用いた場合は、ITO粒子が微粒子であって、且つ、粒子間の接触がなく独立した粒子として存在するので、分散剤を使用せずとも、均一でムラがなくヘイズの値の低いITO塗膜を得ることができる。そして、ヘイズと全光線透過率とに関しては、粒子相互間の接触がないITO粒子の個数割合が、70%以上あることにより、ヘイズ値は減少し、全光線透過率は増加することを見出した。
本実施形態のITO粉体において、BET(比表面積)から求められるITO粒子径をR1、結晶子径から求められるITO粒子径をR2としたとき、(R2/R1)は、0.6≦R2/R1≦1の範囲にある。当該(R2/R1)は、粒子の結晶性を表すパラメータであるが、0.6≦R2/R1であれば、粒子の結晶性が悪くならず、電子の移動度の低下が抑制されて、塗膜の電気抵抗の悪化を回避できる。
一方、R2/R1=1であれば、結晶子径がBET径から求められるITO粒子径と同じになり、結晶性が良い粒子(理論的な上限)となることが出来る。
一般に、透明導電膜の成膜の際には、成膜時または成膜後に加熱処理と加圧処理とを併用して行い、当該透明導電膜の低抵抗化を図る。これは、加熱処理と加圧処理との双方ともに、ITO粒子同士の距離を縮め、接触面積を増大させるためである。本評価においては、ITO塗布液の加熱処理と加圧処理後の膜評価に相当するものとして、粉体の加熱処理と加圧処理後の圧粉体評価をおこなった。これは、ITO塗布液の加熱処理と加圧処理後の膜評価とでは、当該ITO膜の膜厚が薄すぎて、変化が見られにくく評価が難しい為である。
本実施形態に係るITO粉体は、圧粉体としたときの熱収縮開始温度が300℃以下であった。ここで、圧粉体とは、詳細は後述するが内径5mmの金型にITO粉体0.15gを充填し、269kg/cmの印加圧で成形したものである。そして、当該熱収縮開始温度が300℃以下であったことから、当該加熱処理を300℃以下でおこなうことができるので、透明導電膜を形成する基板に高度の耐熱性が要求されず、適用可能な基板の種類が多様なものとなる。さらに、300℃以下という低温焼成が可能なため、簡潔なプロセスでの膜形成が可能となる。具体的には、耐熱性が300℃程度の樹脂フィルムに対しても透明導電膜を成膜可能である
本実施形態のITO粉体を含む圧粉体の熱収縮率は、少なくとも1%以上である。従って、本実施形態のITO粒子を含む塗膜を作成し、熱処理を行うことで、ITO粒子間の距離が縮まり、粒子間の接触点および接触面積が増大して導電性が向上する。
(本実施形態に係るITO粒子の生成機構)
本実施形態に係るITO粒子の生成機構について説明する。
本実施形態に係るITO粒子は、スズを含有しインジウムを主成分とした前駆体を、有機溶媒中で、240℃以上350℃以下の温度で加熱処理することで生成させる。上記インジウムを主成分とした前駆体の好ましい例は、スズを含有するインジウム水酸化物である。
一般的に、スズを含有するインジウム水酸化物からITO粒子を生成するには230℃以上の温度で焼成することが必要である。それは、水酸化インジウムが脱水され酸化インジウムになる温度が230〜250℃程度であるためである。しかし、従来の技術によれば、実用的な範囲の低抵抗値を有する結晶性の良いITO粒子を得るには、少なくとも500℃以上の温度で焼成することが必要であった。
本実施形態に係るITO粒子の生成においては、240〜350℃、好ましくは240〜327℃という低温において生成を可能とした。当該生成温度が低温であるほど、その設備、電力費を削減できるため、製造コストが安価になるメリットがある。また、一般的には、ITO粒子を低温生成させると、その結晶性が悪くなってしまうと考えられている。しかし、本実施形態に係るITO粒子の生成では、低温生成と良好な結晶性とを両立させることができた。その理由は定かではないが、有機溶媒中での加熱により、スズ含有水酸化インジウムが有機溶媒中に溶解し、さらに、析出することによって超微粒子が生成し、当該超微粒子の生成により、ITO粒子の生成温度の低温化が実現できたのではないかと考えられる。
本実施形態に係るITO粒子の生成では、沸点が240℃以上の有機溶媒を用いる。これは、スズ含有酸化インジウム粉体の生成が、有機溶媒中の加熱処理でなされるため、有機溶媒の沸点が240℃以上であれば、当該有機溶媒が加熱分解し、反応系外に揮発することを回避できるからである。従って、本実施形態にて使用する有機溶媒は、その沸点が240℃以上、好ましくは260℃以上であればよい。
さらに、本実施形態に係るITO粒子の生成で使用できる有機溶媒は、1分子当たりに、少なくともOH基を1個以上持つ溶媒が好ましい。中でも多価アルコールが好ましく、さらに好ましくは、テトラエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが挙げられる。しかし、これに限らず、その有機溶媒の沸点が240℃以上、さらに好ましくは260℃以上の多価アルコールまたは、その誘導体であればよく、またイオン性液体でもよい。これは、出発原料であるスズ含有水酸化インジウム粒子が親水性であるため、OH基を有するか、または、イオン性の有機溶媒であれば、当該粒子表面に吸着され易くなり、最終的なITO粒子の分散性が良くなる為ではないかと考えられる。勿論、これらの有機溶媒は1種のみではなく、2種以上を混合して用いても良い。
上述したように、本実施形態に係るITO粒子の生成において用いる有機溶媒は、分子一個あたりにOH基を一個以上持つことが好ましいが、当該有機溶媒が、分子一個あたりにOH基を一個以上持つことで、異なる効果も発揮する。それは、当該有機溶媒中に存在するOH基がスズ含有酸化インジウムからO(酸素)を奪って、これを還元し、酸素欠陥を生成させる効果である。当該生成した酸素欠陥に起因して、生成するITO粒子にキャリアが発生するので導電性が向上する。ここで、OH基を多く有する化合物という観点から、有機溶媒としてはポリオールが好ましい。
尤も、好ましい有機溶媒はポリオールに限られる訳ではなく、多価アルコール、または、その誘導体でも良い。さらには、有機溶媒自体に当初の時点においてOH基が無くても、原料であるスズ含有水酸化インジウムに含有される水分等の存在により加水分解を起こし、結果的にアルコールが生成するタイプの有機溶媒であっても良い。このタイプの有機溶媒としては、例えば、オレイン酸、オレイルアミンがある。また、上述した有機溶媒は、カルボン酸基、アミン基を含んでいても良い。
以上のことから、本実施形態に係るITO粒子生成における好ましい有機溶媒の例として、テトラエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコールの中から選ばれる少なくとも一つ以上の有機溶媒が挙げられる。中でも、常温で液体であること、かつ安価であること等の観点を考慮すると、テトラエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールが、より好ましい。
(本実施形態に係るスズ含有酸化インジウムを含む透明導電材用塗料)
本実施形態に係るスズ含有酸化インジウムを含む透明導電材用塗料において溶媒は、水、極性をもつ有機溶媒、または、それらの混合溶媒が適宜な溶媒である。これは、ITO粒子表面が極性を持ち、且つ親水性であるため、透明導電材用塗料を形成しているときには、溶媒中に水のような極性溶媒が存在するものが、適宜な溶媒となるからでである。
そこで、上述の工程において得られたITOを分散した有機溶媒の当該有機溶媒を、これら適宜な溶媒に置換することで、容易に透明導電材用塗料を製造することが出来る。当該溶媒置換の方法としては、まず、ITOと、これを分散した有機溶媒とを分離した後、ITOを適宜な溶媒へ再分散させれば良い。
また、ITOと、これを分散した有機溶媒とを分離せず、当該有機溶媒を所謂溶媒置換の手法を用いて、適宜な溶媒に置換しても良い。当該溶媒置換の手法を用いた場合は、工程が短縮可能で、使用エネルギーが少なくて済むメリットがある。
本実施形態に係るITO粒子を含む塗料においても、当該塗料を静置したときに、ITO粒子が沈降しないことが求められる。ここにいう沈降とは、当該塗料を1週間静置したときに、塗料溶媒が沈降層と透明な上澄み層に分離することをいう。ITO粒子を含む塗料において、粒子が沈降するということは、当該粒子が凝集したか、または、初めから粗大粒子が形成されていたことが考えられる。そして、ITO粒子を含む塗料において、ITO粒子の凝集や当初からの粗大粒子が存在すると、当該塗料を用いてITO塗膜を形成した際に膜厚の不均一が生じ、導電性の低下や、ヘイズの値の増加につながる。従って、ITO粒子を含む塗料においては、ITO粒子がブラウン運動のみで分散し、沈降せずにいる状態が理想である。
本実施形態に係る透明導電材用塗料は、本実施形態に係るITO粉体と、水、極性をもつ有機溶媒、または、それらの混合溶媒とが含まれ、ITO粒子同士が溶着していない為、静置させたときにITO粒子が沈降しないものである。当該塗料を用いることで、均一な塗膜を成膜することが出来、当該均一な塗膜を焼成することによって、ヘイズが低く、導電性が良好な導電性塗膜が得られる。
〔本実施形態のITO粉体の製造方法〕
次に、本実施形態のITO粒子の製造方法について説明する。
<原料>
スズ含有水酸化インジウムは、一般的には、スズ塩とインジウム塩と純水とを混合して水溶液とし、当該スズ塩とインジウム塩との混合水溶液とアルカリとを反応させて、水酸化スズと水酸化インジウムとのスラリーを生成させる。ここで、スズ塩としては塩化スズが、インジウム塩としては塩化インジウム塩が好ましく用いられる。アルカリとしては、水酸化スズと水酸化インジウムとのスラリー生成後における不純物の低減の観点より、アンモニアを用いることが望ましい。
さらに、スズ含有水酸化インジウムは、上述した水溶液中ではなく、アルコール中で作製してもよい。得られたスズ含有水酸化インジウムスラリーの固液分離後の洗浄には、純水を使用してもよいし、アルコールで洗浄しても良い。
生成した水酸化インジウムと水酸化スズとのスラリーを固液分離にて採集し、当該スラリーを純水等により洗浄して不純物を除去することで、純度を高めたスズ含有水酸化インジウムのケーキが得られる。このとき洗浄剤としては、純水、アルコールが挙げられる。但し、コスト面の観点からは、純水洗浄が好ましい。得られたケーキを室温以上、望ましくは80℃以上の温度で乾燥することより、本実施形態に係るインジウムを主成分とした前駆体であるスズ含有水酸化インジウムの乾燥粉が得られる。
本実施形態に係るインジウムを主成分とした前駆体であるスズ含有水酸化インジウムの乾燥粉を、有機溶媒中で加熱処理してITO粒子を製造する方法において、その原料として、スズ含有水酸化インジウムについて説明したが、その他の原料としては、水酸化インジウムと水酸化スズとを別々に作製し、その後に両者の混合物としたものを原料としても良い。また、これら、スズ含有水酸化インジウム、または、水酸化インジウムと水酸化スズとを別々に作製後これらを混合した混合物を、あらかじめ400℃以下で加熱処理したものを原料としても良い。いずれの原料を本実施形態に係るインジウムを主成分とした前駆体として用いた場合も、400℃以下の加熱処理でITO粒子の生成が可能なので、ITO粒子同士の融着や焼結を回避できるからである。
本実施形態において、水酸化インジウムとは異なる種類のインジウム成分原料として、オキシ水酸化インジウム、酸化インジウム、脂肪酸インジウム、インジウムアルコキシドが挙げられ、これらは単一であってもよく、混合して使用しても良い。また同様に、水酸化スズとは異なる種類のスズ成分原料として、脂肪酸スズ、オキシ水酸化スズ、酸化スズ、スズアルコキシドが挙げられ、これらは、単一であってもよく、混合したものでもよい。
本実施形態で用いる有機溶媒について、さらに説明する。
本実施形態で用いる有機溶媒は、その沸点が240℃以上、好ましくは260℃以上であれば良い。そして、本実施形態で用いる有機溶媒は、少なくとも1分子当たりにOH基を1個以上持つ溶媒が好ましい。中でも多価アルコールが好ましく、さらに好ましいのは、テトラエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールである。しかしこれらの溶媒に限られず、沸点が240℃以上、さら好ましくは260℃以上を有する、多価アルコール、または、多価アルコールの誘導体、さらにはイオン性液体でも良い。これらの有機溶媒は、1種のみではなく、2種以上を混合して用いても良い。出発原料であるスズ含有水酸化インジウムは親水性であるため、このような有機溶媒を用いることで、当該有機溶剤が粒子表面に吸着され、作製されるITO粒子の分散性の向上に寄与しているのであると考えられる。
本実施形態に係るITO粒子生成の際に使用される雰囲気ガスは、不活性ガスおよび/または還元性ガスである。好ましくは、一酸化炭素、窒素、水素、希ガス、アンモニアガスである。さらに好ましくは、窒素、水素が挙げられる。これらの雰囲気ガスは、1種のみでなく、2種以上を混合して使用しても良い。
<加熱処理装置>
本実施形態で使用される加熱装置として、例えば、マントルヒーター、リボンヒーター、オイルバス等が挙げられるが、350℃まで加熱可能な、多様な加熱装置が適用可能である。
<反応器>
本実施形態で使用される反応器は、350℃に耐えうる反応器であればよい。但し、加熱処理中に有機溶媒が蒸気となって若干揮発することを考慮すると、還流手段を有する反応器であることが好ましい。
<固液分離>
固液分離は、本実施形態における有機溶媒中での加熱処理後に生成したITO粒子を回収する工程である。
当該固液分離には、遠心分離法や吸引ろ過法が適用可能だが、本実施形態で生成したITO粒子は分散性が良いので、吸引ろ過法を適用する場合は、凝集剤の添加するなどして2次凝集を起こさせる必要がある。ここで、余分な薬剤の添加を避ける観点からは、遠心分離法の適用が好ましいと考えられる。当該遠心分離の条件例としては、4000rpm、1時間が挙げられる。
<洗浄>
洗浄は、生成したITO粒子から不純物を除去するために実施される。具体的には、上述した有機溶媒中での加熱処理後に、遠心分離法等によりITO粒子と有機溶媒とを分離し、当該分離されたITO粒子へ洗浄液を添加する。洗浄液としては、純水、極性を持った有機溶媒、または、それらの混合液等が好ましく適用できる。当該洗浄液を添加した後に、ITO粒子を洗浄するための超音波分散を行う。このとき、ホモミクサー等による強制撹拌を併用してもよい。超音波分散後は、再度遠心分離機にかけて固液分離する。このときの遠心分離の条件例として、4000rpm、1時間が挙げられる。上述した、遠心分離−洗浄液添加−超音波分散を1洗浄単位とし、当該洗浄単位を繰り返し実施することにより、ITO粒子中の不純物を低減することができる。繰り返しの回数は、1回以上、好ましくは3回以上である。
<溶媒置換>
上述したITO粒子への洗浄を終了した後、ITO分散液を得るために、溶媒置換を実施する。溶媒置換する際の置換液は、その沸点が300℃以下、好ましくは200℃以下である溶媒が使用できる。沸点が300℃以下であれば、ITO塗布液を塗布して塗膜焼成する際に揮発し残留しないので、結果的に表面抵抗が増大せず、ヘイズの悪化を回避できるからである。ITO分散液を得るための溶媒としては、純水、極性をもった有機溶媒、または、それらの混合液等が好ましく適用できる。当該溶媒置換も、洗浄のところで説明した、遠心分離−洗浄液添加−超音波分散、の1洗浄単位を適用して実施すれば良い。または、所謂溶媒置換の手法を用いても良い。
[本実施形態に係るITO分散液を用いた塗膜の製造方法例]
本実施形態に係るITO分散液の塗膜化に際しては、スクリーン印刷、スピンコート、ディップコート、ロールコート、刷毛コート、スプレーコート等の公知の方法を用いることが出来る。例えば、当該ITO分散液を基板上に塗布する場合には、当該基板材料として、有機高分子、プラスチック、ガラス等をあげることができ、当該基板形状としてはフィルム状のものが一般的である。特に、タッチパネルのようにフレキシビリティを要求される基板には高分子フィルムが好ましく、当該高分子フィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンタフタレート(PEN)、ポリイミド、アラミド、ポリカーボネート等のフィルムを用いることが出来る。
成膜された本実施形に係るITO粉体を含む透明導電膜は、透明度が高く、ヘイズの値が小さく、抵抗値が小さい透明導電膜であった。
(実施例1)
インジウム濃度が18.45wt%の塩化インジウム水溶液(InCl)366gと、塩化スズ(SnCl)22gとを秤量し、純水に溶解して、塩化インジウムと塩化スズとの混合溶液1.5Lを調製した。なお、当該混合溶液においてスズの濃度はインジウムとスズの合計に対して15mol%となっている。
一方、濃度25wt%のNH水溶液275gを純水2100gで希釈し、液温を50℃とした。なお、当該NH水溶液において、NH量は、前記塩化インジウムと塩化スズとの混合溶液を中和するのに必要な量の2倍当量である。
当該NH水溶液を撹拌し、ここに前記塩化インジウムと塩化スズとの混合溶液を3分間かけて添加し、スズ含有水酸化インジウムの懸濁液とした。生成したスズ含有水酸化インジウムの懸濁物を遠心分離法により濾過収集し、純水により洗浄して、スズ含有水酸化インジウムのケーキを得た。当該スズ含有水酸化インジウムのケーキを100℃で6時間、乾燥して、インジウムを主成分とした前駆体(スズ含有水酸化インジウム)を得た。
当該インジウムを主成分とした前駆体(スズ含有水酸化インジウム)を乾燥重量で11g秤量してセパラブルフラスコに充填し、さらにテトラエチレングリコールを240ml添加して撹拌し、インジウムを主成分とした前駆体をテトラエチレングリコール中に分散させた。ここで、フラスコに蓋をして、当該テトラエチレングリコール中へ窒素ガスを30分間吹き込み、フラスコ内をガスパージした。当該窒素吹き込みと併行して、撹拌回転数を300rpmに設定して当該テトラエチレングリコールを攪拌し、さらに、室温から300℃まで2℃/minの昇温速度で加熱し、300℃に到達後2時間キープした。また、当該加熱中はテトラエチレングリコールが蒸発してしまうので、セパラブルフラスコにコンデンサーを取り付けて、テトラエチレングリコールを還流しながら反応させた。
加熱、保温が終了し、室温まで冷却した後、セパラブルフラスコから反応液を取り出して遠沈菅に分取し、遠心分離を4000rpm、1時間行って固液分離を行った。
当該固液分離の後、テトラエチレングリコールを除去し、代わりにメタノールを添加して超音波分散を行った後、遠心分離−洗浄液添加−超音波分散の1洗浄単位を3回実施した。本実施例おいては、洗浄用の溶媒と分散用の溶媒とに、同じメタノールを使用したので、洗浄完了と同時に溶媒置換も完了し、ITO分散液を得た。実施例1に係る製造方法のポイントを表1に記載した。
実施例1に係るITO粒子の粒子特性を評価する為、前記ITO分散液を真空乾燥で60℃にて乾燥させ、ITO粉体を得た。このITO粉体に対し、以下の特性測定を実施した。当該測定結果を表2および表3に示す。
<1次粒子粒径(直径)の測定方法(その1)>
ITO粒子の粒径測定は、当該ITO粒子のTEM写真における1次粒子の画像の大きさを測定することにより算出した。このとき、重なっている1次粒子や、1次粒子間で接触(固着)の著しいものは、測定対象外とした。一方、単純に1次粒子表面で接触している複数の1次粒子は、その複数1次粒子の輪郭が容易に分かるため測定対象とした。TEM写真は20万倍の写真を使用した。測定に際しては、当該ITO1次粒子において長さが最大となる部分を決め、当該部分の長さを測定し、その測定値を直径(粒径)とした。なお、測定対象とする1次粒子の数は100個とした。
<1次粒子粒径(直径)の測定方法(その2)>
上記1次粒子粒径の測定(その1)では、TEM写真上の1次粒子において、1次粒子表面のみで単純に接触している複数の1次粒子の粒子径は、その輪郭が容易に判断できるために測定対象としていたが、当該1次粒子粒径の測定(その2)では、1次粒子相互間で接触が全くない1次粒子のみを対象とした。すなわち、完全に単分散している1次粒子のみを測定対象とした。TEM写真は、1次粒子粒径の測定(その1)と同様に、20万倍の写真を使用し、測定に際しては、当該ITO粒子において長さが最大となる部分を決め、当該部分の長さを測定し、その測定値を当該1次粒子の直径(粒径)とした。なお、測定する1次粒子の数は100個とした。
<体積平均径の算出方法>
上述したITO1次粒子の粒子径の測定結果に基づいて、(その1)と(その2)のそれぞれの測定方法で体積平均径を求めた。90%体積径は、(その1)の方法で求めた。
体積平均径(50%の体積粒径を与える粒子径)、および90%体積粒径(90%の体積粒径を与える粒子径)を求めた。なお、体積平均径を算出する際の体積は、立方体近似とした。具体的には、試料粉体中に含まれるITO1次粒子の最大1次粒径と最小1次粒径との間を10〜20の粒子径区分に分け、体積頻度分布表から粒度分布曲線を作成する。この粒度分布曲線から、体積平均径および90%体積粒径を求めた。
<個数割合の算出方法(その1)>
個数割合の算出方法(その1)では、ITOの1次粒子数を100個測定した際の、所定粒径を有するITO粒子の存在割合を算出した。例えば、ITOの1次粒子を100個測定して、1次粒子径が10nm以下の粒子が50個測定されたとすると、その個数割合は50%とした。
<個数割合の算出方法(その2)>
ITO粒子を撮影した倍率が20万倍のTEM写真を準備し、当該写真中で任意に設定した200×200nmの視野において、焼結せず独立している1次粒子および1次粒子群の数を数えた。ここでいう1次粒子群とは、1次粒子同士が接触して複数の1次粒子となり粗大化した粒子のことをいう。当該個数割合の算出方法は、独立している1次粒子と1次粒子群に対し、独立している1次粒子の数を数えて、その割合を算出したものである。ここで、測定する1次粒子および1次粒子群は、200×200nmのTEM写真上の視野において、50個以上100個未満の粒子観察して行った。
例えば、TEM写真の200×200nmの視野において、独立している1次粒子および1次粒子群の数が、80個であったとする。そのとき、完全に独立している1次粒子の数が64個で、1次粒子群が16個であった場合、粒子相互間の接触が全くない1次粒子の存在個数割合は80%と算出される。
本実施例1に係るITO粒子を撮影した倍率が20万倍のTEM写真(視野:200×200nm)である図1および図2を用いて、個数割合の算出方法(その2)を、より具体的に説明する。図1は、図2において、1次粒子および1次粒子群を、それぞれ印と番号を付して明瞭化したものである。図1より、1次粒子および1次粒子群は53個存在する。この53個の中で、明らかに1次粒子間で接触している(単純な1次粒子同士の重なり、化学的接触、物理的接触も含む)ものは、粒子番号18、19、24、44、47、51の6個である。その他の47個の1次粒子は、完全に独立して存在する1次粒子である。したがって、粒子相互間の接触が全くない1次粒子の存在個数割合は89%と算出される。
<BET値の測定方法>
BET測定は、測定器としてカンタクロム社製のMONOSORBを用い、B.E.T式1点法により求めた。
<結晶子径の測定方法>
X線源はCuのKα1線を用い、(111)回折ピークの半価幅とピークの位置から次式(Scherrerの式)により求めた。
t=0.9×λ/(B×cosθ)
t:結晶子径、λ:CuのKα1線の波長、B:半価幅、θ:回折角
<BET径の測定方法>
BET径(比表面積)は以下の式により求めた。
(BET径)=6/(ρ×10×BET値)×10
ρ:粒子の密度=7.2g/cm3、BET値:(m/g)
<熱収縮開始温度、熱収縮率の測定方法>
熱収縮開始温度、熱収縮率は、測定器としてマックサイエンス/ブルカーエイエックスエス社製のDILATO METER 5000を用いて測定した。測定試料は、内径5mmの金型にITO粉体0.15gを入れ、269kg/cmの印加圧で成形して、熱収縮率測定試料とした。この測定試料を、室温から500℃まで加熱したときの収縮率を測定した。
<沈降性の評価方法>
沈降性の評価は、ITO分散液を50ml遠沈菅に40ml入れ、そのまま1週間静置した。そのときの判断としては、完全に粒子が沈降し上澄みが無色透明なものは沈降性である(×)と評価し、そうでないものは沈降性でない(○)と評価した。
<塗膜化方法>
ガラス基板(26×76×1mm)を、スピンコーター(ABLE社製)により250rpmの回転数で回転させ、そこに実施例1に係るITO分散液5ccを10秒かけて滴下し、コートした。なお、実施例1に係るITO分散液とは、ITO粒子濃度が5wt%となるように調製されたメタノール分散液である。当該コート後、ガラス基板を取り出し60℃で10分間大気乾燥させた。乾燥後、ガラス基板を再度上記スピンコーターに取り付け、250rpmで回転させ、オーバーコート材を滴下した。ここで、オーバーコート材は、コルコート社製のコルコートN−103Xである。次に、オーバーコート後のガラス基板を取り出し、再度乾燥機で60℃、10分間大気乾燥させた。乾燥機から取り出し、窒素雰囲気にて400℃まで昇温させて1時間保持した後、自然冷却しITO塗布ガラス基板を得た。得られたITO塗布ガラス基板におけるITO塗膜の膜厚は200nmであった。
<表面抵抗値の測定方法>
上述の塗膜化方法で作製したITO塗布ガラス基板の表面抵抗値を測定した。測定には三菱化学社製のロレスタHP MCP−T410を用い、四端子法にて測定した。
<ヘイズ、全光線透過率の測定方法>
上述の塗膜化方法で作製したITO塗布ガラス基板の、ヘイズの値、全光線透過率を測定した。ヘイズの値の測定は、測定器として日本電色社製 濁度計 NDH 2000を用いた。使用したガラス基板は、MATSUNAMI GLASS社製のMICRO SLLIDE GLASS、品番S7213(サイズ:26×76×1)である。
一方、実施例1に係るITO塗布ガラス基板のヘイズ値、全光線透過率を表2に示す。ガラス基板のみで測定すると、ヘイズが0.13%、全光線透過率が90.24%であった。
ここで、ヘイズについては、透明導電膜である塗膜と、ガラス基板のとのヘイズの値に加算関係が成立すると考えられることから、当該塗膜のヘイズは0.11%である。
本実施例記載の全光線透過率について、塗料を塗膜せずガラス基板のみで測定した全光線透過率が、塗膜化した全光線透過率よりも小さくなる場合があった。例えば、本実施例1の全光線透過率は92.22%であり、塗膜していないガラス基板の全光線透過率である90.24%よりも大きくなっている。この原因は定かではないが、塗料を塗膜したほうが濁度計の光源からの光の反射が抑えられているのに対し、ガラス基板のみであると、光源からの光が反射してしまうので、結果的にガラス基板のみの方が、塗膜化したものよりも全光線透過率が低下したと考えられる。しかし、当該塗膜の全光線透過率は、少なくともガラス基板の全光線透過率90.24%以上であると考えられる。他方、本実施例記載の全光線透過率について、塗料を塗膜せずガラス基板のみで測定した全光線透過率が、塗膜化した全光線透過率よりも大きくなる場合は、当該全光線透過率が当該塗膜の全光線透過率を示していると考えられる。
(実施例2)
ITO粒子合成の際のテトラエチレングリコール温度を327℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係るITO分散液とITO粉体とを得た。得られたITO分散液、ITO粉体に対し、実施例1と同様の測定を行った。その製造方法のポイントおよび測定結果を、表1、表2および表3に示す。
そして、実施例1と同様に考えて、ヘイズは0.81%以下、全光線透過率は90.24%以上である。
(実施例3)
ITO粒子合成の際のテトラエチレングリコール温度を250℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係るITO分散液とITO粉体とを得た。得られたITO分散液、ITO粉体に対し、実施例1と同様の測定を行った。その製造方法のポイントおよび測定結果を、表1、表2および表3に示す。
そして、実施例1と同様に考えて、ヘイズは0.82%以下、全光線透過率は90.24%以上である。
(実施例4)
有機溶媒をトリエチレングリコールとし、ITO粒子合成の際のトリエチレングリコール温度を250℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係るITO分散液とITO粉体とを得た。得られたITO分散液、ITO粉体に対し、実施例1と同様の測定を行った。その製造方法のポイントおよび測定結果を、表1、表2および表3に示す。
そして、実施例1と同様に考えて、ヘイズは0.07%以下、全光線透過率は92.57%である。
(実施例5)
有機溶媒をジエチレングリコールとし、ITO粒子合成の際のジエチレングリコール温度を240℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5に係るITO分散液とITO粉体とを得た。得られたITO分散液、ITO粉体に対し、実施例1と同様の測定を行った。その製造方法のポイントおよび測定結果を、表1、表2および表3に示す。
そして、実施例1と同様に考えて、ヘイズは0.82%以下、全光線透過率は90.05%である。
(実施例6)
有機溶媒をポリエチレングリコールとした以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係るITO分散液とITO粉体とを得た。得られたITO分散液、ITO粉体に対し、実施例1と同様の測定を行った。その製造方法のポイントおよび測定結果を、表1、表2および表3に示す。
そして、実施例1と同様に考えて、ヘイズは0.85%以下、全光線透過率は90.17%である。
(実施例7)
インジウムを主成分とした前駆体原料を、スズ含有水酸化インジウムから当該スズ含有水酸化インジウムを大気中250℃で加熱処理して得たスズ含有酸化インジウムに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例7に係るITO分散液とITO粉体とを得た。得られたITO分散液、ITO粉体に対し、実施例1と同様の測定を行った。その製造方法のポイントおよび測定結果を、表1、表2および表3に示す。
そして、実施例1と同様に考えて、ヘイズは0.84%以下、全光線透過率は90.15%である。
(実施例8)
有機溶媒であるテトラエチレングリコールへ、加熱前にあらかじめNaOH水溶液を添加しpH12としてから加熱を開始した以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係るITO分散液とITO粉体とを得た。得られたITO分散液、ITO粉体に対し、実施例1と同様の測定を行った。その製造方法のポイントおよび測定結果を、表1、表2および表3に示す。
そして、実施例1と同様に考えて、ヘイズは0.82%以下、全光線透過率は90.12%である。
(実施例9)
インジウム濃度18.61wt%の塩化インジウム水溶液49.69gに、塩化スズ(SnCl)を2.70g添加して溶解し、そこにエタノールを99.36g添加して混合して溶液Aとした。一方、沈殿剤として、NaOHを22.11g秤量し、エタノール526.52gと純水49.95gとの混合溶媒へ溶解させて溶液Bとした。室温下で溶液Aを撹拌回転数600rpmで撹拌し、そこへ溶液Bを添加して60分間保持し、スズ含有水酸化インジウムを生成させた。次に、吸引濾過法により、生成したスズ含有水酸化インジウムのケーキを得た。得られたスズ含有水酸化インジウムケーキ中の塩酸根を、純水で洗浄し、その後、さらにエタノールで洗浄し、実施例9に係るインジウムを主成分とした前駆体(スズ含有水酸化インジウム)を得た。
実施例1に係るインジウムを主成分とした前駆体を、当該実施例9に係るインジウムを主成分とした前駆体へ変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例9に係るITO分散液とITO粉体とを得た。得られたITO分散液、ITO粉体に対し、実施例1と同様の測定を行った。その製造方法のポイントおよび測定結果を、表1、表2および表3に示す。
そして、実施例1と同様に考えて、ヘイズは0.86%以下、全光線透過率は90.11%である。
(比較例1)
実施例1で生成させたインジウムを主成分とした前駆体(スズ含有水酸化インジウム)を乾燥させた後、焼成炉に設置し、アンモニアを0.5%含有する窒素雰囲気下で640℃、2時間の焼成を行って、比較例1に係るITO粉体を得た。得られたITO粉体からITO分散液を調製し、実施例1と同様の測定を行った。その製造方法のポイントおよび測定結果を、表1、表2および表3に示す。
そして、実施例1と同様に考えて、ヘイズは2.09%以下、全光線透過率は89.89%である。
なお、比較例1に係るITO粒子の倍率が20万倍のTEM写真(視野:200×200nm)を図3に示す。図3の観察から、完全に独立している1次粒子および1次粒子群が存在せず、すべて1次粒子間で接触していることが判明した。従って、粒子相互間の接触が全くない1次粒子の存在割合は0%と算出された。
(比較例2)
ITO粒子合成の際のテトラエチレングリコール温度を230℃とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2に係るITO分散液とITO粉体とを得た。得られたITO分散液、ITO粉体に対し、実施例1と同様の測定を行った。その製造方法のポイントおよび測定結果を、表1、表2および表3に示す。
そして、実施例1と同様に考えて、ヘイズは1.50%以下、全光線透過率は85%である。
(比較例3)
インジウム濃度が19.64wt%の塩化インジウム水溶液(InCl)76.2gと、塩化スズ(SnCl)4.8gとを秤量し、純水に溶解して、塩化インジウムと塩化スズとの混合溶液を調製し、NH水溶液と反応させることなく乾燥した。そして、当該乾燥物を11g秤量してセパラブルフラスコに充填した後は、実施例1と同様の反応条件にて反応させたが、ITO粒子は、生成しなかった。
(評価)
実施例1〜9と比較例1〜3について評価する。表2および表3から明らかなように、実施例1〜9において、粒子特性において、体積平均径が24nm以上55nm以下の範囲にあり、10nm以下の個数割合が6%以上46%以下の範囲である超微粒子ITOが得られた。また非接触粒子のみの測定において、体積平均径が11nm以上42nm以下の範囲にあり、10nm以下の個数割合が51%以上85%以下の範囲である超微粒子であり粒子間の焼結が少ない分散性の良いITOが得られた。これらの単分散超微粒子ITOの塗膜特性は、ヘイズが0.24%以上0.99%以下の範囲にあり、全光線透過率も90.05%以上92.57%以下の範囲であり、ヘイズが低く、全光線透過率の高い塗膜が得られた。
一方、比較例1は、粒子特性において、体積平均径が42nmであるが、10nm以下の個数割合が0%と実施例と比較して粗大なものとなった。比較例2は、ITO粒子の形状が不定形となり粒子測定不可能となった。比較例3では、ITO粒子が生成しなかった。
さらに、比較例1は粒子特性において、非接触粒子の測定を行ったところ、すべての粒子が数珠状に接触しており、体積平均径が測定不可能であった。このことより粗大で分散性の悪いことが確認できた。比較例2では、ITO粒子の形状が不定形となり粒子測定不可能となった。比較例3では、ITO粒子が生成しなかった。
これら比較例1、2に係るITO粒子の塗膜特性は、比較例1および2では、ヘイズが1.63%以上2.22%以下の範囲にあり、全光線透過率が85.00%以上89.89%以下の範囲であった。即ち、比較例1、2とも実施例1〜9と比較して、ヘイズが高く、全光線透過率も低い塗膜となることが判明した。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1に係るITO粒子のTEM写真であって、1次粒子および1次粒子群へ印と番号を付して明瞭化した図である。 実施例1に係るITO粒子のTEM写真である。 比較例1に係るITO粒子のTEM写真である。

Claims (15)

  1. 10nm以下の1次粒子径を有するITO粒子の個数割合が5%以上、且つ、ITO粒子の50%体積平均径が60nm以下、且つ、ITO粒子の90%体積粒径が100nm以下であることを特徴とするITO粉体。
  2. 10nm以下の1次粒子径を有し、粒子相互間の接触がないITO粒子の個数割合が50%以上、且つ、ITO粒子の体積平均径が50nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のITO粉体。
  3. 粒子相互間の接触がないITO粒子の個数割合が、70%以上あることを特徴とする請求項1または2に記載のITO粉体。
  4. BETから求められる粒子径をR1、結晶子径から求められる粒子径をR2としたとき、
    0.6≦R2/R1≦1
    であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のITO粉体。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のITO粉体であって、当該ITO粉体を含む圧粉体の熱収縮開始温度が300℃以下であることを特徴とするITO粉体。
  6. 請求項5に記載のITO粉体であって、当該ITO粉体を含む圧粉体の熱収縮率が少なくとも0.7%以上であることを特徴とするITO粉体。
  7. スズを含有するインジウム水酸化物を、有機溶媒中で240℃以上350℃以下の温度で加熱処理をすることにより、ITOを得ることを特徴とするITOの製造方法。
  8. 前記有機溶媒として、240℃以上の沸点を有する有機溶媒を用いることを特徴とする請求項7に記載のITOの製造方法。
  9. 前記有機溶媒として、分子一個あたりにOH基を一個以上有する有機溶媒を用いることを特徴とする請求項7または8に記載のITOの製造方法。
  10. 前記有機溶媒として、ポリオールを用いることを特徴とする請求項9に記載のITOの製造方法。
  11. 前記有機溶媒として、テトラエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールの中から選ばれる少なくとも一つ以上の溶媒を用いることを特徴とする請求項10に記載のITOの製造方法。
  12. 請求項1から6のいずれかに記載のITO粉体を含むことを特徴とする透明導電材用塗料。
  13. 請求項12に記載の透明導電材用塗料をガラス基板上へ膜厚200nmで成膜して、ITO塗布ガラス基板としたとき、
    当該透明導電膜のヘイズの値が1.0%以下、全光透過率が90%以上であることを特徴とする透明導電膜塗料。
  14. 請求項7から11のいずれかに記載のITOの製造方法において得られるITOを分散した有機溶媒の当該有機溶媒を、適宜な溶媒に置換することを特徴とする透明導電膜塗料の製造方法。
  15. 請求項12または13に記載の透明導電膜塗料を用いて製造されることを特徴とする透明導電膜。
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