JP2003327428A - インジウム系酸化物微粒子およびその製造方法、ならびにインジウム系酸化物微粒子を含む透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材、表示装置 - Google Patents

インジウム系酸化物微粒子およびその製造方法、ならびにインジウム系酸化物微粒子を含む透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材、表示装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】帯電防止性、反射防止性および電磁遮蔽性等に
優れるとともに、被膜の強度、透明性にも優れた透明導
電性被膜の形成に用いることのできるインジウム系酸化
物微粒子を提供する。 【解決手段】X線回折パターンにおいて、少なくともイ
ンジウム酸化物に帰属される面指数(2,2,2)におけるピ
ーク(PA)およびインジウム水酸化物に帰属される面指数
(2,0,0)におけるピーク(PB1)、面指数(2,2,0)における
ピーク(PB2)を有し、ピーク(PB2)のピーク高(HPB2)とピ
ーク(PA)のピーク高(HPA)との比(HPB2)/(HPA)が1/2以下
であるインジウム系酸化物微粒子。下記の工程からなる
インジウム系酸化物微粒子の製造方法;(a)インジウム
系水酸化物の有機溶媒分散液を調製する工程、(b)前記
有機溶媒分散液を120〜400℃の温度範囲で加熱処理する
工程、または、(a')インジウム系水酸化物とインジウム
系酸化物種粒子との有機溶媒混合分散液を調製する工
程、(b)インジウム系水酸化物の有機溶媒分散を120〜40
0℃の温度範囲で加熱処理する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、新規なX線回折パターン
を有するインジウム系酸化物微粒子分散ゾルおよびその
製造方法、ならびにインジウム系酸化物微粒子を含む透
明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材、表
示装置に関する。さらに詳しくは、インジウム系酸化物
微粒子が互いに凝集、焼結、融着等することなく安定で
単分散のゾルであり、得られる透明導電性被膜形成用塗
布液が安定であり、このため導電性、膜の強度、外観、
製造信頼性等に優れた透明導電性被膜付基材等に好適に
用いることのできるインジウム系酸化物微粒子分散ゾル
およびその製造方法ならびに該微粒子を含んでなる透明
導電性被膜形成用塗布液および透明導電性被膜付基材、
表示装置に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、陰極線管、蛍光表示
管、液晶表示板などの表示パネルのような透明基材の表
面の帯電防止および反射防止を目的として、これらの表
面に帯電防止機能および反射防止機能を有する透明被膜
を形成することが行われていた。また、陰極線管などか
ら電磁波が放出されること知られており、従来の帯電防
止、反射防止に加えてこれらの電磁波および電磁波の放
出に伴って形成される電磁場を遮蔽することが望まれて
いる。
【0003】これらの電磁波などを遮蔽する方法の一つ
として、陰極線管などの表示パネルの表面に電磁波遮断
用の導電性被膜を形成する方法がある。帯電防止用導電
性被膜であれば表面抵抗が少なくとも108Ω/□程度
の表面抵抗を有していれば十分であるのに対し、電磁遮
蔽用の導電性被膜では102〜104Ω/□のような低い
表面抵抗を有することが必要であった。
【0004】また、低表面抵抗の導電性被膜をAgなど
の金属微粒子を含む導電性被膜形成用塗布液を用いて基
材の表面に金属微粒子含有被膜を形成する方法が知られ
ている。この方法では、金属微粒子含有被膜形成用塗布
液として、コロイド状の金属微粒子が極性溶媒に分散し
たものが用いられている。このような塗布液では、コロ
イド状金属微粒子の分散性を向上させるために、金属微
粒子表面がポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ンまたはゼラチンなどの有機系安定剤で表面処理されて
いる。しかしながら、このような金属微粒子含有被膜形
成用塗布液を用いて形成された導電性被膜は、被膜中で
金属微粒子同士が安定剤を介して接触するため、粒界抵
抗が大きく、被膜の表面抵抗が低くならないことがあっ
た。このため、製膜後、400℃程度の高温で焼成して
安定剤を分解除去する必要があるが、安定剤の分解除去
をするため高温で焼成すると、金属微粒子同士の融着や
凝集が起こり、導電性被膜の透明性やヘーズが低下する
という問題があった。また、陰極線管などの場合は、高
温に晒すと劣化してしまうという問題もあった。
【0005】また、金属微粒子は前記導電性酸化物と異
なり本来光を透過しないために金属微粒子を用いて形成
された導電性被膜は導電性被膜中の金属微粒子の密度や
膜厚等に依存して透明性が低下する問題もあった。さら
に従来のAg等の金属微粒子を含む透明導電性被膜で
は、耐塩水性や耐酸化性が低く、金属が酸化されたり、
イオン化による粒子成長したり、また場合によっては腐
食が発生することがあり、塗膜の導電性や光透過率が低
下し、表示装置が信頼性を欠くという問題があった。
【0006】また、前記した従来の透明導電性被膜を形
成するために用いられる塗布液、なかでも電磁波遮蔽性
能に優れた低表面抵抗の透明導電性被膜を形成するため
に金属微粒子などの導電性の高い微粒子を配合した塗布
液は安定性が不充分で、得られる透明導電性被膜の被膜
表面は必ずしも表面が平滑でなく、筋条あるいはスポッ
ト状の外観上の欠陥ができることがあり製品の歩留まり
を低下させる問題があった。さらに従来の塗布液を用い
た場合は基板の清浄度の影響を受けて外観上の欠陥が派
生しやすく製造信頼性に欠ける問題があった。
【0007】また、金属微粒子の代わりに、Sbドープ
酸化錫またはSnドープ酸化インジウムのような導電性
酸化物を含む塗布液を用いて形成しようという試みもな
されている。このような導電性酸化物粒子は、錫化合
物、Sb化合物を含むスズ化合物、インジウム化合物、
錫化合物を含むインジウム化合物等の水溶液を加水分解
して加水分解物を調製し、これを乾燥し、ついで高温で
焼成することによって製造されていた(特開昭63−1
1519号公報)。このような方法は導電性酸化物微粒
子は凝集体として得られ、しかも粒子径分布が不均一で
ある。このため凝集体を酸水溶液またはアルカリ水溶液
中で粉砕処理して導電性酸化物微粒子がコロイド粒子と
して水に分散した水性ゾルとすることが行われていた
(特開昭62−230617号公報)。
【0008】このような導電性酸化物は、一般に金属よ
りも導電抵抗が大きいので、金属製帯電防止性被膜の場
合よりも膜厚を厚くする必要があった。しかしながら、
導電性被膜の膜厚は、10〜200nm程度にしないと
反射防止効果は発現しないため、従来のSbドープ酸化
錫またはSnドープ酸化インジウムのような導電性酸化
物では、表面抵抗が低く、電磁波遮断性に優れるととも
に、反射防止にも優れた導電性被膜を得ることが困難で
あるという問題があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術の問題
点を解決し、帯電防止性、反射防止性および電磁遮蔽性
等に優れるとともに、被膜の強度、透明性にも優れた透
明導電性被膜の形成に用いることのできるインジウム系
酸化物微粒子、該微粒子の製造方法ならびに該微粒子を
含んでなる透明導電性被膜形成用塗布液および透明導電
性被膜付基材、表示装置を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【発明の概要】本発明に係るインジウム系酸化物微粒子
は、X線回折パターンにおいて、少なくともインジウム
酸化物に帰属される面指数(2,2,2)におけるピー
ク(PA)およびインジウム水酸化物に帰属される面指
数(2,0,0)におけるピーク(PB1)、面指数
(2,2,0)におけるピーク(PB2)を有し、ピーク
(PB2)のピーク高(HPB2)とピーク(PA)のピー
ク高(HPA)との比(HPB2)/(HPA)が1/2以
下であることを特徴としている。
【0011】前記微粒子は、記載のインジウム系酸化物
微粒子が、分散媒中の水の割合が80重量%以上の分散
媒に酸化物としての濃度が4重量%となるように分散さ
せたゾルの電気伝導度が100μS/cm以下であるこ
とが好ましい。前記インジウム系酸化物微粒子の製造方
法は、下記の工程からなることを特徴としている; (a)インジウム系水酸化物の有機溶媒分散液を調製す
る工程、(b)前記有機溶媒分散液を120〜400℃
の温度範囲で加熱処理する工程。
【0012】また、下記の工程から前記インジウム系酸
化物微粒子は製造することもできる; (a')インジウム系水酸化物とインジウム系酸化物種
粒子との有機溶媒混合分散液を調製する工程、(b)イ
ンジウム系水酸化物の有機溶媒分散を120〜400℃
の温度範囲で加熱処理する工程。
【0013】脱水あるいは他の有機溶媒に置換し、さら
に、120〜400℃の温度範囲で加熱処理すること、
および/または脱イオン処理することを施してもよい。
本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液は前記インジ
ウム系酸化物微粒子と極性溶媒とを含むことを特徴とし
ている。
【0014】本発明に係る透明導電性被膜付基材は、基
材と、基材上の前記インジウム系酸化物微粒子を含む透
明導電性微粒子層と、該透明導電性微粒子層上に設けら
れ、該透明導電性微粒子層よりも屈折率が低い透明被膜
とからなることを特徴としている。本発明に係る表示装
置は、前記透明導電性被膜付基材で構成された前面板を
備え、透明導電性被膜が該前面板の外表面に形成されて
いることを特徴としている。
【0015】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。インジウム系酸化物微粒子 本発明に係るインジウム系酸化物微粒子は、X線的に結
晶性を有しており、X線回折パターンにおいて、少なく
ともインジウム酸化物に帰属される面指数(2,2,
2)におけるピーク(PA)およびインジウム水酸化物
に帰属される面指数(2,0,0)におけるピーク(P
B1)、面指数(2,2,0)におけるピーク(PB2)を
有し、ピーク(PB2)のピーク高(HPB2)とピーク
(PA)のピーク高(HPA)との比(HPB2)/(HPA)
が1/2以下、好ましくは1/4以下である。
【0016】このような本発明に係るインジウム系酸化
物微粒子のX線回折パターンを図1に示す。図1は後述
する実施例1で得られた錫含有酸化インジウム微粒子の
X線回折パターンである。前記ピーク比(HPB2)/(H
A)が1/2を越えると、インジウム水酸化物が多すぎ
て充分な導電性が得られない。また、凝集することなく
実質的にピーク(PB2)のない(インジウム水酸化物の
存在しない)インジウム系酸化物微粒子を得ることは困
難である。
【0017】このようなインジウム系酸化物微粒子は、
平均粒子径が2〜200nm、好ましくは5〜150n
mの範囲にあることが好ましい。インジウム系酸化物微
粒子の平均粒子径が前記下限未満の場合は、粒界抵抗が
増すために粒子層の表面抵抗が急激に大きくなり、本発
明の目的を達成しうる程度の低抵抗値を有する被膜を得
ることができないことがある。
【0018】インジウム系酸化物微粒子の平均粒子径が
前記上限を越えると、粒子が大きすぎて粒子同士の接点
が減少し充分な導電性が得られないことがあり、また膜
強度や基材との密着性が低下したり、得られる透明導電
性被膜のヘーズが高くなることがある。なお、本発明の
インジウム系酸化物微粒子の平均粒子径は、TEM写真
を撮影し20個の粒子について粒子径を測定しこの平均
値を平均粒子径として求めることができる。
【0019】上記インジウム系酸化物微粒子としては、
酸化インジウム、SnまたはFがドーピングされた酸化
インジウムが用いられる。このときのSnまたはFの含
有量は1〜14重量%、好ましくは2〜12重量%の範
囲である。このようなインジウム系酸化物微粒子は酸化
物系導電性微粒子の中でも導電性が高く、得られる透明
導電性被膜は帯電防止性能、電磁波遮蔽性能に優れると
ともに、金属微粒子を用いた透明導電性被膜と異なり透
明性に優れている。
【0020】本発明に係るインジウム系酸化物微粒子
は、そのまま粉体として、使用することもできるが、水
および/または有機溶媒に分散した分散ゾルとして使用
することもできる。有機溶媒としては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアル
コール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリ
ルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコ
ール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢
酸メチルエステル、酢酸エチルエステルなどのエステル
類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエ
チルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルな
どのケトン類などが挙げられる。これらは単独で使用し
てもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
【0021】また、分散ゾル中のインジウム系酸化物微
粒子濃度は酸化物として1〜50重量%、さらには2〜
40重量%の範囲にあることが好ましい。インジウム系
酸化物微粒子濃度が酸化物として前記下限未満の場合
は、たとえば透明導電性被膜形成用塗布液に用いたとき
に、得られる塗布液の濃度が低いために、一回の塗布で
厚膜の被膜の形成が困難であったり、そのために複数回
の塗布、乾燥等を要するので生産性が低下する問題があ
る。
【0022】インジウム系酸化物微粒子濃度が酸化物と
して前記上限を越えるものは得ることが困難であるとと
もに、実用的にはこの濃度まで高濃度にする必要性もな
い。本発明に係るインジウム系酸化物微粒子は、電気伝
導度が低く、酸化物としての濃度が4重量%となるよう
に、分散媒中の水の割合が80重量%以上の分散媒に分
散させた分散ゾルの電気伝導度が100μS/cm以
下、さらには50μS/cm以下であることが望まし
い。
【0023】前記電気伝導度が前記範囲内にあれば、イ
ンジウム系酸化物微粒子が分散された分散ゾルの安定性
が高く、このためようなインジウム系酸化物微粒子分散
ゾルを配合して得られる、後述する透明導電性被膜形成
用塗布液の安定性も高く、基材との密着性、膜の強度、
透明性に優れた被膜を得ることができるとともに、得ら
れた膜にムラが発生することがなく、外観も良好な被膜
を得ることができる。
【0024】インジウム系酸化物微粒子の製造方法 本発明に係る前記インジウム系酸化物微粒子の製造方法
は、下記の工程からなる。工程(a) まず、インジウム水酸化物、あるいは錫またはフッ素を
含むインジウム水酸化物の有機溶媒分散液(以下、イン
ジウム系水酸化物分散液という)を調製する。
【0025】インジウム系水酸化物としては、水酸化物
として入手可能なものであればこれを有機溶媒に分散さ
せて調製してもよい。有機溶媒としては前記したゾルで
使用されるものと同様の有機溶媒を用いることができ
る。なお、分散媒として有機溶媒単独(すなわち水分を
含んでいないこと)が好ましいが、必要に応じて少量の
水を含んでいてもよい。
【0026】また、本発明では、水酸化物を直接分散さ
せることなく、以下のようにインジウム化合物水溶液と
必要に応じて錫および/またはフッ素化合物水溶液を使
用し、含まれるインジウム系化合物を加水分解し、必要
に応じて洗浄して得られたインジウム系水酸化物が有機
溶媒に分散された分散液を用いることが好適である。イ
ンジウム化合物としては水溶性の化合物であればとくに
制限はなく、例えば硝酸インジウム、硫酸インジウム、
塩化インジウム等が挙げられる。
【0027】インジウム化合物水溶液の濃度は、酸化物
In23として概ね1〜20重量%、さらには4〜10
重量%の範囲にあることが好ましい。インジウム化合物
水溶液の濃度が酸化物In23として1重量%未満の場
合は、濃度が低いために生産効率が低く、インジウム化
合物水溶液の濃度が酸化物In23として20重量%を
越えると、最終的に得られるインジウム系酸化物微粒子
の粒子径分布がブロードに、すなわち粒子径が不均一と
なる傾向がある。
【0028】また、錫化合物としては錫酸カリウム、錫
酸ナトリウム、フッ化錫、塩化錫等が挙げられる。フッ
素化合物としてはフッ化錫、フッ化アンモニウム等が挙
げられる。インジウム化合物水溶液と混合する錫化合物
水溶液および/またはフッ素化合物水溶液の量は、得ら
れるインジウム系酸化物微粒子中のSnおよび/または
Fの含有量が前記した範囲となるような量であればよ
い。
【0029】また、混合して得られるインジウム水和物
分散液のpHを後述する範囲に調整するために混合する
アルカリ金属水酸化物水溶液としてはNaOH、KO
H、RbOH、CsOHなどの水溶液を用いることができ
る。インジウム化合物水溶液と、必要に応じて錫化合物
水溶液および/またはフッ素化合物水溶液とを、さらに
必要に応じてアルカリ金属水酸化物水溶液とを混合して
インジウム水酸化物、あるいは錫および/またはフッ素
を含むインジウム水酸化物分散液を調製する。
【0030】このときのインジウム系水酸化物分散液の
温度は20〜80℃、さらには25〜60℃の範囲にあ
ることが好ましい。また分散液のpHは8〜12、さら
には9〜11.5の範囲にあることが好ましい。分散液
の温度が前記下限未満の場合は、インジウム水酸化物の
粒子径が小さいためか、最終的に得られるインジウム系
酸化物微粒子が凝集体となる傾向がある。
【0031】分散液の温度が前記上限を越えると、大き
さの不均一なインジウム系水酸化物が生成し、得られる
インジウム系酸化物微粒子の粒子径が不均一となる傾向
がある。また、分散液のpHが前記下限未満の場合は、
温度が高い場合と同様に、大きさの不均一なインジウム
系水酸化物が生成し、得られるインジウム系酸化物微粒
子の粒子径が不均一となる傾向がある。また、分散液の
pHが前記上限を越えると、洗浄によっても容易にアル
カリを除去することが困難となり、インジウム系酸化物
微粒子中のアルカリ金属の残存量が多くなり、導電性が
不充分となることがある。
【0032】ついで、得られたインジウム系水酸化物分
散液は、必要に応じて、上記温度、pHの範囲で熟成し
てもよい。熟成中は撹拌してもよく、撹拌しなくてもよ
い。このときの熟成時間は温度、pHによって異なる
が、概ね0.2〜24時間程度である。こうして得られ
たインジウム系水酸化物分散液中に、インジウム系水酸
化物は、凝集することなく微粒子状で分散している。
【0033】このような熟成を行うことによって、最終
的に得られるインジウム系酸化物微粒子の粒子径分布が
均一になる傾向がある。ついで、インジウム系水酸化物
分散液は、必要に応じて、インジウム系水酸化物を濾過
分離し、洗浄してもよい。洗浄する方法としては、アル
カリ金属および/またはインジウム化合物等に由来する
カチオンおよびアニオンを除去できれば特に制限はな
く、従来公知の方法を採用することができる。例えば温
水を充分用いて洗浄してもよく、アンモニア水あるいは
酸を用いて洗浄してもよい。さらに、必要に応じてイオ
ン交換樹脂にて脱イオン(カチオン、アニオン)するこ
ともできる。
【0034】洗浄後のアルカリ金属の残存量はM2
(M:アルカリ金属カチオン)として0.01重量%以
下、さらには0.001重量%以下の範囲にあることが
好ましい。アルカリ金属の残存量が前記上限を越える
と、得られる微粒子の導電性が不充分であったり、イン
ジウム系酸化物微粒子の分散液を調製した場合、分散液
の安定性が低く、粒子が凝集したりすることがある。
【0035】また、洗浄後のアニオンの残存量も0.0
1重量%以下、さらには0.001重量%以下の範囲に
あることが好ましい。アニオンの残存量が前記上限を越
えると、やはりインジウム系酸化物微粒子の分散液を調
製した場合、分散液の安定性が低く、粒子が凝集するこ
とがある。洗浄後のインジウム系水酸化物を有機溶媒に
分散させて有機溶媒分散液を調製する。このとき、分散
液中の水の残存量が概ね10重量%以下となるように必
要に応じて有機溶媒で溶媒置換することが好ましい。分
散液中の水の残存量が10重量%を越えると、前記した
ようなX線回折パターンを有するインジウム系酸化物微
粒子が得られず、すなわちインジウム系水酸化物の割合
が少ないインジウム系酸化物微粒子が得られず、このよ
うなインジウム系酸化物微粒子を用いて得られる透明導
電性被膜は導電性が充分発現せず、充分な帯電防止性能
等が得られないことがある。
【0036】有機溶媒としては、前記したものと同じも
のが使用される。有機溶媒は、単独で使用してもよく、
また2種以上混合して使用してもよい。分散媒としては
有機溶媒だけであることが好ましいが、必要に応じて少
量の水を含んでいてもよい。特に、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコー
ル、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルア
ルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコー
ル、イソプロピルグリコールなどのアルコール類を使用
すると、得られるインジウム系酸化物微粒子の酸化物の
結晶性が高く、前記したピーク比(HPB2)/(H
A)が1/4以下とインジウム酸化物の割合の高いイ
ンジウム系酸化物微粒子が得られ、さらに凝集すること
なく単分散したインジウム系酸化物微粒子分散ゾルが得
られる。
【0037】前記インジウム系水酸化物の有機溶媒分散
液の濃度は酸化物として1.0〜20重量%、さらには
3〜10重量%の範囲にあることが好ましい。インジウ
ム系水酸化物分散液の濃度が酸化物として前記下限未満
の場合は、濃度が低すぎて粒子成長が起きにくく、さら
に収率や生産効率が低下する。インジウム系水酸化物の
有機溶媒分散液の濃度が酸化物として前記上限を越える
と、インジウム系水酸化物の分散が均一にならないため
に、得られるインジウム系酸化物微粒子の粒子径分布が
不均一になることがある。
【0038】種粒子 また、本発明では、インジウム系水酸化物の有機溶媒分
散液に、インジウム系水酸化物種粒子が含まれていても
よい。このように種粒子が含まれていると、均一な粒子
径のインジウム系酸化物微粒子を得ることができるとと
もに、種粒子と、水酸化物との混合比を調製することに
より、インジウム系酸化物微粒子の粒子径をコントロー
ルすることができる。
【0039】インジウム系酸化物種粒子としては、酸化
インジウム、錫および/またはフッ素がドープされた酸
化インジウムからなる種粒子の水および/または有機溶
媒分散液が使用される。このときの有機溶媒も前記した
と同様の有機溶媒を用いることができる。かかる種粒子
の大きさは特に制限されるものではないが、2〜100
nmの範囲にあるものが好適に使用される。
【0040】使用される酸化インジウム、錫および/ま
たはフッ素がドープされた酸化インジウムからなる種粒
子としては、とくに制限されるものではなく、例えば、
市販の粉末を特に制限なく使用することができる。また
所望の平均粒子径になるまで粉砕して使用することもで
きる。種粒子は、使用されるインジウム系水酸化物から
誘導される酸化物と同じ組成であっても、異なる組成で
あってもよく、例えば、種粒子が酸化インジウムで、イ
ンジウム系水酸化物が錫および/またはフッ素を含むイ
ンジウム水酸化物であってもよい。
【0041】特に本発明では、使用される酸化インジウ
ム、錫および/またはフッ素がドープされた酸化インジ
ウムからなる種粒子としては、本発明に係る方法で製造
されたインジウム系酸化物微粒子が好適である。特にこ
れらの粒子を含む分散ゾルを使用すると粒径の揃ったイ
ンジウム系酸化物微粒子を調製することができる。ま
た、インジウム系水酸化物分散液とインジウム系酸化物
種粒子の混合分散液の濃度は水酸化物も含め酸化物とし
て1〜20重量%、さらには4〜10重量%の範囲にあ
ることが好ましい。
【0042】混合分散液の濃度が酸化物として1重量%
未満の場合は、インジウム系酸化物種粒子に、インジウ
ム系水酸化物が効率的に付着析出せず、より大きなイン
ジウム系酸化物微粒子を得ることが困難となり、混合分
散液の濃度が酸化物として20重量%を越えると、イン
ジウム系水酸化物同士が新たな粒子を形成したり、イン
ジウム系酸化物種粒子に付着析出するインジウム系水酸
化物が不均一になり、このため得られるインジウム系酸
化物微粒子の粒子径が不均一となる傾向がある。
【0043】また、インジウム系酸化物種粒子とインジ
ウム系水酸化物分散液との混合比率は、インジウム系酸
化物種粒子分散ゾルに由来する酸化物をMOZとし、イ
ンジウム系水酸化物分散液に由来する酸化物をMOG
したときにMOG/MOZが0.5〜500、さらには1
〜100の範囲にあることが好ましい。この混合比MO
G/MOZが0.5未満の場合は、粒子を大きくする効率
が低く、混合比MOG/MOZが500を越えると、イン
ジウム系水酸化物同士が新たな粒子を形成したり、イン
ジウム系酸化物微粒子に付着析出するインジウム系水酸
化物が不均一になり、このため得られるインジウム系酸
化物微粒子の粒子径が不均一となる傾向にある。本発明
では、上記MOG/MOZが0.5〜500の範囲で混合
比率を変えることによりインジウム系酸化物微粒子の粒
子径をコントロールすることができる。工程(b) ついで、インジウム系水酸化物の有機溶媒分散液あるい
は、インジウム系酸化物種粒子を含むインジウム系水酸
化物有機溶媒分散液の混合分散液を120〜400℃、
好ましくは150〜250℃の温度範囲で加熱処理す
る。なお大気圧下の溶媒の沸点以上の温度で加熱する場
合、オートクレーブなどの耐圧容器を使用して加圧状態
で加熱してもよい。
【0044】加熱処理温度が120℃未満の場合は、前
記した有機溶媒分散液中に水が多い場合と同様にインジ
ウム系水酸化物の割合が少ない、あるいはインジウム系
酸化物の割合が多いインジウム系酸化物微粒子が得られ
ないことがある。加熱処理温度が400℃を越えると、
好適に用いることのできる有機溶媒がなく、またインジ
ウム系酸化物の割合は高くなるものの凝集した粒子が生
成するようになる。
【0045】以上のような(a)工程および(b)工程を施す
ことで、上記したような本発明に係るインジウム系酸化
物微粒子を得ることができる。このように、特定の有機
溶媒中で加熱処理すると、粒径が均一で、かつ分散性に
優れたインジウム系酸化物微粒子が得られる。このよう
な微粒子が得られる理由は定かではないものの、有機溶
媒中では、粒子表面に有機溶媒が存在するために粒子同
士の凝集や結合が抑制され、また水の少ない有機溶媒中
で加熱処理されるために脱水反応が進行しやすく、この
ため酸化物が主である単分散のインジウム系酸化物微粒
子が得られると考えられる。
【0046】また、従来法では、インジウム系水酸化物
を乾燥したのち焼成し、粉砕してインジウム系酸化物微
粒子を調製していた。この方法では、高温で焼成し、し
かも焼成後、酸またはアルカリ等の存在下で粉砕処理す
る必要があり、しかも、均一な粒子径のインジウム系酸
化物微粒子を得ることは困難であった。しかしながら、
本発明によると、有機溶媒にインジウム系水酸化物が分
散したゾルを加熱処理するだけで、安定に単分散したイ
ンジウム系酸化物微粒子分散ゾルおよびその製造方法が
提供される。
【0047】こうして得られたインジウム系酸化物微粒
子は、乾燥して溶媒を除去して使用される。また、分散
媒(有機溶媒)に分散させた分散ゾルの状態で使用する
こともできる。さらに必要に応じて、下記工程(c)およ
び/または(d)を行ってもよい。工程(c): 加熱処理 (b)工程で得られた微粒子の分散液は、必要に応じて脱
水または、限外濾過膜法やロータリーエバポレーター方
などで有機溶媒置換し、再び120〜400℃、好まし
くは150〜250℃の温度範囲で加熱処理してもよ
い。なお大気圧下の溶媒の沸点以上の温度で加熱する場
合、オートクレーブなどの耐圧容器を使用し、加圧下で
加熱してもよい。
【0048】前記(b)工程の後は、インジウム系水酸化
物がインジウム系酸化物となることにともなって水が脱
離する。このため、得られるインジウム系酸化物微粒子
の前記したピーク比(HPB2)/(HPA)が1/2以
下に低下してないときは、脱離した水を除去・脱水する
か有機溶媒で置換し、再び加熱処理することが好まし
い。工程(d): 脱塩処理 脱塩する方法としては、インジウム系酸化物微粒子分散
ゾル中の塩(カチオン、アニオンを含む)の濃度を低減
でき、ゾルの電気伝導度を100μS/cm以下、さら
に好ましくは50μS/cm以下にすることができれば
特に制限はなく、例えばイオン交換樹脂にて脱イオンす
る方法、限外濾過膜洗浄法、デカンテーション法などが
挙げられる。
【0049】インジウム系酸化物微粒子分散ゾルの電気
電導度が100μS/cm以下であれば、インジウム系
酸化物微粒子が分散した分散ゾルの安定性が向上すると
ともに、後述するインジウム系酸化物微粒子分散ゾルを
用いて得られる透明導電性被膜形成用塗布液の安定性も
向上し、このような塗布液を用いて得られる被膜は基材
との密着性、膜の強度、透明性等に優れている。
【0050】このようにして得られるインジウム系酸化
物微粒子分散ゾル中のインジウム系酸化物微粒子の平均
粒子径は概ね2〜200nm、さらには5〜150nm
の範囲にあることが望ましい。透明導電性被膜形成用塗布液 つぎに、本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液につ
いて説明する。
【0051】本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液
は導電性微粒子としての前記インジウム系酸化物微粒子
と極性溶媒とからなっている。極性溶媒としては、水、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラ
ヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘ
キシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのア
ルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル
などのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセ
トン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト
酢酸エステルなどのケトン類などが挙げられる。これら
は単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用し
てもよい。
【0052】透明導電性被膜形成用塗布液中には、イン
ジウム系酸化物微粒子が酸化物として0.1〜7重量
%、好ましくは0.5〜5重量%の範囲で含まれている
ことが望ましい。透明導電性被膜形成用塗布液中のイン
ジウム系酸化物微粒子が前記下限未満の場合は、得られ
る被膜の膜厚が薄くなることがあり、このため充分な導
電性が得られないことがある。またインジウム系酸化物
微粒子が前記上限を越えると、塗布液中でインジウム系
酸化物微粒子が2次粒子(凝集粒子あるいは鎖状に連結
した非単分散状態の粒子)を形成することがあり、この
2次粒子が多くなると基材との密着性や膜の緻密性が低
下し、膜強度が低下することがあり、また充分な導電性
が得られないことがある。さらに、被膜が厚くなり、光
透過率が低下して透明性が悪化したり、被膜表面の平坦
性が低下し筋やムラ等が発生し外観が悪くなることがあ
る。
【0053】本願発明の透明導電性被膜形成用塗布液に
は前記インジウム系酸化物微粒子以外に、Au、Ag、P
d、Pt、Rh、Ru、Cu、Fe、Ni、Co、Sn、Ti、I
n、Al、Ta、Sbなどの金属から選ばれる少なくとも1
種からなる金属微粒子または2種以上の金属からなる複
合金属微粒子(これらを総じて金属微粒子ということも
ある)が含まれていてもよい。
【0054】好ましい2種以上の金属の組合せとして
は、Au-Cu、Ag-Pt、Ag-Pd、Au-Pd、Au-Rh、
Pt-Pd、Pt-Rh、Fe-Ni、Ni-Pd、Fe-Co、Cu-
Co、Ru-Ag、In-Sn、Au-Cu-Ag、Ag-Cu-Pt、
Ag-Cu-Pd、Ag-Au-Pd、Au-Rh-Pd、Ag-Pt-P
d、Ag-Pt-Rh、Fe-Ni-Pd、Fe-Co-Pd、Cu-Co-
Pdなどが挙げられる。
【0055】このような金属微粒子は本発明の目的を損
なわない量で含まれていればよく、その含有量は特に制
限されるものではなく、たとえば、透明導電性被膜形成
用塗布液中には、30重量%以下、好ましくは10重量
%以下の量で含まれていればよい。このような金属微粒
子が含まれていると、導電性被膜の導電性が向上し電磁
波遮蔽能が向上することに加えて、金属微粒子の使用に
よる透過率の制御が可能であり、このためコントラスト
を向上することができ、また金属微粒子と本発明に係る
インジウム系酸化物微粒子を併用すると、金属微粒子の
みを用いる場合に比較して耐塩水性、耐酸化性等に優れ
ている。
【0056】また、このように金属微粒子を混合して用
いる場合には金属微粒子の分散性を向上させるため、透
明導電性被膜形成用塗布液中に有機系安定剤が含まれて
いてもよい。このような有機系安定剤として具体的に
は、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール
酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、
フタル酸、クエン酸などの多価カルボン酸およびその
塩、アセチルアセトンあるいはこれらの混合物など、複
素環化合物あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0057】さらに、本願発明の透明導電性被膜形成用
塗布液には着色剤として微粒子カーボンおよび/または
チタンブラックが含まれていることが好ましい。さらに
染料、顔料が含まれていてもよい。このような着色剤が
含まれているとコントラストに優れた表示装置を得るこ
とができる。本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液
には、被膜形成後のインジウム系酸化物微粒子のバイン
ダーとして作用するマトリックス形成成分成分が含まれ
ていてもよい。このようなマトリックス形成成分として
は、シリカからなるものが好ましく、具体的には、アル
コキシシランなどの有機ケイ素化合物の加水分解重縮合
物またはアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を脱アルカリして
得られるケイ酸重縮合物、あるいは塗料用樹脂などが挙
げられる。このマトリックス形成成分は、固形分として
導電性微粒子1重量部当たり、0.01〜0.5重量部、
好ましくは0.03〜0.3重量部の量で含まれていれば
よい。
【0058】本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液
中の固形分濃度(インジウム系酸化物微粒子と必要に応
じて添加される金属微粒子、微粒子カーボン、染料、顔
料などの添加剤の総量)は、液の流動性、塗布液中にお
けるインジウム酸化物粒子など粒状成分の分散性などの
点から、15重量%以下、好ましくは0.15〜5重量
%であることが好ましい。
【0059】上記したような透明導電性被膜形成用塗布
液を用いれば、インジウム系酸化物微粒子が均一に分散
しており、得られる透明導電性被膜はインジウム系酸化
物微粒子が緻密に充填し、基材との密着性に優れ、ま
た、概ね102〜104Ω/□の低表面抵抗を有する透明
導電性微粒子層を形成することができるので、帯電を防
止したり、電磁波および電磁波の放出に伴って生じる電
磁場を効果的に遮蔽することができる。
【0060】また、導電性微粒子が主に酸化インジウム
系微粒子から構成されるので得られる透明導電性被膜付
基材は耐塩水性や耐酸化性、透明性に優れている。透明導電性被膜付基材 次に、本発明に係る透明導電性被膜付基材について具体
的に説明する。本発明に係る透明導電性被膜付基材は、
基材と、基材上の前記インジウム系酸化物微粒子を含む
透明導電性微粒子層と、該透明導電性微粒子層上に設け
られ、該透明導電性微粒子層よりも屈折率が低い透明被
膜とから構成される。
【0061】基材としては透明性の高いものであれば特
に制限されないが、たとえばガラス、プラスチック、セ
ラミックなどからなるフィルム、シートあるいはその他
の成形体などが好適に使用される。この基材上に、前記
した導電性微粒子としてのインジウム系酸化物微粒子か
らなる透明導電性微粒子層が形成されている。
【0062】インジウム系酸化物微粒子の粒子径は、2
〜200nm、好ましくは5〜150nmの範囲にある
ものが好適である。 [透明導電性微粒子層(マトリックスなどが含まれてい
る場合透明導電性被膜ということもある)]透明導電性
微粒子層の厚さは、5〜200nm、好ましくは10〜
150nmの範囲にあることが好ましく、この範囲の厚
さであれば帯電防止性、電磁遮蔽性に優れた透明導電性
被膜付基材を得ることができる。
【0063】このような透明導電性被膜には、前記した
塗布液のように、必要に応じて、金属微粒子、着色剤、
マトリックス成分、有機系安定剤等を含んでいてもよ
く、具体的には、前記と同様のものが挙げられる。この
ような透明導電性微粒子層は上記透明導電性被膜形成用
塗布液を基材上に塗布し・乾燥して、形成される。
【0064】透明導電性微粒子層を形成する方法として
は、たとえば、透明導電性被膜形成用塗布液をディッピ
ング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、
フレキソ印刷法などの方法で、基材上に塗布したのち、
常温〜約90℃の範囲の温度で乾燥する。透明導電性被
膜形成用塗布液中に上記のようなマトリックス形成成分
が含まれている場合には、マトリックス形成成分の硬化
処理を行ってもよい。
【0065】例えば、透明導電性被膜形成用塗布液を塗
布して形成した被膜を、乾燥時、または乾燥後に、15
0℃以上で加熱するか、未硬化の被膜に可視光線よりも
波長の短い紫外線、電子線、X線、γ線などの電磁波を
照射するか、あるいはアンモニアなどの活性ガス雰囲気
中に晒してもよい。このようにすると、被膜形成成分の
硬化が促進され、得られる被膜の硬度が高くなる。 [透明被膜]本発明に係る透明導電性被膜付基材では、
前記透明導電性微粒子層の上に、前記透明導電性微粒子
層よりも屈折率の低い透明被膜が形成されている。
【0066】このときの透明被膜の膜厚は、50〜30
0nm、好ましくは80〜200nmの範囲にあること
が好ましい。透明被膜の膜厚が50nm未満の場合は、
膜の強度や反射防止性能が劣ることがある。透明被膜の
膜厚が300nmを越えると、膜にクラックが発生した
り膜の強度が低下することがあり、また膜が厚すぎて反
射防止性能が不充分となることがある。
【0067】このような透明被膜は、たとえば、シリ
カ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸化物、およびこ
れらの複合酸化物などから形成される。本発明では、透
明被膜として、特に加水分解性有機ケイ素化合物の加水
分解重縮合物、またはアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を脱
アルカリして得られるケイ酸重縮合物からなるシリカ系
被膜が好ましい。このような透明被膜が形成された透明
導電性被膜付基材は、反射防止性能に優れている。
【0068】前記透明被膜には、さらに平均粒子径が5
〜300nm、好ましくは10〜200nmの範囲にあ
り屈折率が1.28〜1.42の範囲、好ましくは1.2
8〜1.40の範囲にある低屈折率粒子を含むことが望
ましい。使用される低屈折率粒子の平均粒子径は、形成
される透明被膜の厚さに応じて適宜選択される。
【0069】低屈折率粒子の屈折率が1.42以下であ
れば、得られる透明導電性被膜付基材は、ボトム反射率
および視感反射率が低く、優れた反射防止性能を発揮す
ることができる。透明被膜中の低屈折率粒子の含有量は
酸化物に換算して、10〜90重量%、好ましくは20
〜80重量%の範囲にあることが望ましい。
【0070】本発明に用いる低屈折率粒子としては、平
均粒子径および屈折率が上記範囲にあれば特に制限はな
く従来公知の粒子を用いることができる。例えば本願出
願人の出願による特開平7−133105号公報に開示
した複合酸化物ゾル、WO00/37359号公報に開
示した被覆層を有する多孔質の複合酸化物粒子は好適に
用いることができる。
【0071】さらに、上記透明被膜中には、必要に応じ
て、フッ化マグネシウムなどの低屈折率材料で構成され
た微粒子、染料、顔料などの添加剤が含まれていてもよ
い。透明被膜の形成方法としては、特に制限はなく、こ
の透明被膜の材質に応じて、真空蒸発法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法などの乾式薄膜形成方
法、あるいは上述したようなディッピング法、スピナー
法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法な
どの湿式薄膜形成方法を採用することができる。
【0072】上記透明被膜を湿式薄膜形成方法で形成す
る場合、従来公知の透明被膜形成用塗布液を用いること
ができる。このような透明被膜形成用塗布液としては、
具体的に、シリカ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸
化物、またはこれらの複合酸化物を透明被膜形成成分と
して含む塗布液が用いられる。本発明では、透明被膜形
成用塗布液として加水分解性有機ケイ素化合物の加水分
解重縮合物、またはアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を脱ア
ルカリして得られるケイ酸液を含むシリカ系透明被膜形
成用塗布液が好ましく、特に下記一般式[1]で表され
るアルコキシシランの加水分解重縮合物を含有している
ことが好ましい。このような塗布液から形成されるシリ
カ系被膜は、インジウム系酸化物微粒子含有の導電性微
粒子層よりも屈折率が小さく、得られる透明導電性被膜
付基材は反射防止性に優れている。
【0073】 RaSi(OR')4-a [1] (式中、Rはビニル基、アリール基、アクリル基、炭素
数1〜8のアルキル基、水素原子またはハロゲン原子で
あり、R'はビニル基、アリール基、アクリル基、炭系
数1〜8のアルキル基、−C24OCn2n+1(n=1
〜4)または水素原子であり、aは1〜3の整数であ
る。) このようなアルコキシランとしては、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシ
ラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポ
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどが挙げ
られる。
【0074】上記のアルコキシシランの1種または2種
以上を、たとえば水−アルコール混合溶媒中で酸触媒の
存在下、加水分解すると、アルコキシシランの加水分解
重縮合物を含む透明被膜形成用塗布液が得られる。この
ような塗布液中に含まれる被膜形成成分の濃度は、酸化
物換算で0.5〜2.0重量%であることが好ましい。本
発明で使用される透明被膜形成用塗布液には、平均粒子
径が5〜300nm、好ましくは10〜200nmの範
囲にあり屈折率が1.28〜1.42、さらには1.28
〜1.40の範囲にある低屈折率粒子を含むことが望ま
しい。
【0075】本発明では、このような透明被膜形成用塗
布液を塗布して形成した被膜を、乾燥時、または乾燥後
に、150℃以上で加熱するか、未硬化の被膜に可視光
線よりも波長の短い紫外線、電子線、X線、γ線などの
電磁波を照射するか、あるいはアンモニアなどの活性ガ
ス雰囲気中に晒してもよい。このようにすると、被膜形
成成分の硬化が促進され、得られる透明被膜の硬度が高
くなる。
【0076】さらに、透明被膜形成用塗布液を塗布して
被膜を形成する際に、透明導電性微粒子層を約40〜9
0℃に保持しながら透明被膜形成用塗布液を塗布して、
前記のような処理を行うと、透明被膜の表面にリング状
の凹凸が形成し、ギラツキの少ないアンチグレアの透明
被膜付基材が得られる。表示装置 本発明に係る透明導電性被膜付基材は、帯電防止、電磁
遮蔽に必要な概ね10 2〜104Ω/□の範囲の表面抵抗
を有し、また透明性に優れるとともに可視光領域および
近赤外領域で充分な反射防止性能を有し、表示装置の前
面板として好適に用いられる。
【0077】本発明に係る表示装置は、ブラウン管(C
RT)、蛍光表示管(FIP)、プラズマディスプレイ
(PDP)、液晶用ディスプレイ(LCD)などのよう
な電気的に画像を表示する装置であり、上記のような透
明導電性被膜付基材で構成された前面板を備えている。
従来の前面板を備えた表示装置を作動させると、前面板
に画像が表示されると同時に前面板が帯電したり、電磁
波が前面板から放出されるが、本発明に係る表示装置で
は、前面板が前記した概ね102〜104Ω/□の表面抵
抗を有する透明導電性被膜付基材で構成されているの
で、このような帯電を防止したり、電磁波およびこの電
磁波の放出に伴って生じる電磁場を効果的に遮蔽するこ
とができる。
【0078】また、表示装置の前面板で反射光が生じる
と、この反射光によって表示画像が見にくくなるが、本
発明に係る表示装置では、前面板が可視光領域および近
赤外領域で充分な反射防止性能を有する透明導電性被膜
付基材で構成されているので、このような反射光を効果
的に防止することができる。さらに、ブラウン管の前面
板が、本発明に係る透明導電性被膜付基材で構成され、
この透明導電性被膜のうち、透明導電性微粒子層、その
上に形成された透明被膜の少なくとも一方に少量の染料
または顔料が含まれている場合には、これらの染料また
は顔料がそれぞれ固有な波長の光を吸収し、これにより
ブラウン管から放映される表示画像のコントラストを向
上させることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、高温で焼成することな
く、さらに焼成の後、酸またはアルカリ等の存在下で粉
砕処理することなく均一な粒子径のインジウム系酸化物
微粒子が安定に単分散したインジウム系酸化物微粒子分
散ゾルおよびその製造方法が提供される。
【0080】さらに、このインジウム系酸化物微粒子を
導電性微粒子として用いることによって、均一で緻密な
被膜が得られ、このため導電性、膜の強度等に優れた透
明導電性被膜付基材の製造に好適に用いることができる
透明導電性被膜形成用塗布液、該塗布液を用いて形成さ
れた透明導電性被膜付基材が提供される。さらに、この
ような透明導電性被膜付基材を表示装置の前面板として
用いれば、帯電防止性能、電磁遮蔽性能に優れるととも
に反射防止性能等に優れ、さらに耐塩水性や耐酸化性に
も優れることから耐久性に優れた表示装置を提供するこ
とができる。
【0081】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0082】
【実施例1】インジウム系酸化物微粒子(ITO-1)分散
ゾルの調製 工程(a) 硝酸インジウム79.9gを水686gに溶解して得ら
れた溶液と、錫酸カリウム12.7gを濃度10重量%
の水酸化カリウム溶液に溶解して得られた溶液とを調製
し、これらの溶液を、50℃に保持された1000gの
純水に2時間かけて添加した。この間、系内のpHを1
1に保持して、錫を含むインジウム水酸化物を調製し
た。
【0083】ついで、錫を含むインジウム水酸化物を濾
過分離し、温水を充分かけて洗浄した後、酸化物として
の濃度が4重量%となるように、錫を含むインジウム水
酸化物を水に分散させた分散液を調製し、先ず陽イオン
交換樹脂を用いてアルカリ金属の除去を行い、ついで陰
イオン交換樹脂を用いてアニオンを除去した。ついで、
洗浄後の酸化物としての濃度が5重量%の錫を含むイン
ジウム水酸化物の分散液にエチルアルコールを加えなが
ら限外濾過装置(旭化成工業(株)製:マイクローザS
IP-1013)を用いて溶媒置換を行い、錫を含むイ
ンジウム水酸化物のエチルアルコール分散液を調製し
た。分散液の錫を含むインジウム水酸化物の酸化物とし
ての濃度は5重量%、水分含有量3重量%であった。 工程(b) ついで、錫を含むインジウム水酸化物のエチルアルコー
ル分散液をオートクレーブにて、200℃で2時間加熱
処理した。 工程(d) ついで、陽イオン交換樹脂、ついで陰イオン交換樹脂を
用いてイオン除去(脱塩)を行い、錫含有インジウム酸
化物微粒子(ITO-1)分散ゾル(酸化物としての濃度5
重量%)を調製した。
【0084】得られた錫含有インジウム酸化物微粒子
(ITO-1)分散ゾルについて、伝導度計(TOA Electroni
cs社製:CM-14P)にて電気伝導度を測定し、またゾルの
安定性を評価した。なお、伝導度は、得られたゾルを酸
化物としての濃度が0.5重量%となるように希釈して
測定した。結果を表1に示す。
【0085】ゾルの安定性 酸化物としての濃度5重量%のゾルを透明サンプル瓶に
入れ、25℃で24時間放置した後、これを目視により
観察し、以下の基準で評価した。 初期と変わらず透明性を有している : ○ 透明相と半透明相の2相分離が認められる : △ サンプル瓶下部に沈降物が認められる : × また、110℃で2時間乾燥して得たインジウム系酸化
物微粒子(ITO-1)について、X線回折パターンを測定
し、インジウム酸化物に帰属される面指数(2,2,
2)におけるピーク(PA)およびインジウム水酸化物
に帰属される面指数(2,2,0)におけるピーク(P
B2)の確認を行い、およびピーク(PB2)のピーク高
(HPB2)とピーク(PA)のピーク高(HPA)とその
比(HPB2)/(HPA)を求めた。X回折パターンを
図1に、計算結果を表1に示した。
【0086】また、TEM写真を撮影し、20個の粒子
について粒子径を測定しこの平均値を平均粒子径とし
て、あわせて表1に示した。
【0087】
【実施例2】インジウム系酸化物微粒子(ITO-2)分散
ゾルの調製 工程(c) 実施例1と同様に行った工程(b)の後、得られた分散液
にエチルアルコールを加えながら限外濾過装置を用いて
溶媒置換を行い、錫を含むインジウム系酸化物微粒子の
エチルアルコール分散液を調製した。このとき、酸化物
としての濃度5重量%、水分含有量は0.5重量%であ
った。
【0088】ついで、錫を含むインジウム水酸化物のエ
チルアルコール分散液を再びオートクレーブにて、20
0℃で2時間加熱処理した。 工程(d) ついで、実施例1と同様にしてイオン除去(脱塩)を行
い、インジウム系酸化物微粒子(ITO-2)分散ゾル(酸
化物としての濃度5重量%)を調製した。
【0089】得られたインジウム系酸化物微粒子(ITO-
2)分散ゾルについて電気伝導度およびゾルの安定性を
評価し、結果を表に示した。また、インジウム系酸化物
微粒子(ITO-2)について、X線回折パターンを測定
し、インジウム酸化物に帰属される面指数(2,2,
2)におけるピーク(P A)およびインジウム水酸化物
に帰属される面指数(2,2,0)におけるピーク(P
B2)の確認、およびピーク(PB2)のピーク高(H
B2)とピーク(PA)のピーク高(HPA)とその比
(HPB2)/(HPA)を求めた。
【0090】結果を表1に示す。また、TEM写真を撮
影し、20個の粒子について粒子径を測定しこの平均値
を平均粒子径とした。結果をあわせて表1に示す。
【0091】
【実施例3】インジウム系酸化物微粒子(ITO-3)分散
ゾルの調製 工程(a) 実施例1の工程(a)と同様にして得た錫を含むインジ
ウム水酸化物のエチルアルコール分散液(酸化物として
の濃度5重量%、水分含有量3重量%)600gに、イ
ンジウム系酸化物種粒子として実施例1で調製したイン
ジウム系酸化物微粒子(ITO-1)分散ゾル(酸化物とし
ての濃度5重量%)150gを混合してMOG/MOZ
4.0のインジウム系水酸化物の有機溶媒分散液とイン
ジウム系酸化物種粒子分散ゾルとの混合分散液を調製し
た。 工程(b) ついで、上記混合分散液をオートクレーブにて、200
℃で2時間加熱処理した。 工程(d) ついで、陽イオン交換樹脂、ついで陰イオン交換樹脂を
用いてイオン除去(脱塩)を行い、インジウム系酸化物
微粒子(ITO-3)分散ゾル(固形分濃度5重量%)を調
製した。
【0092】得られたインジウム系酸化物微粒子(ITO-
3)分散ゾルについて電気伝導度およびゾルの安定性を
評価し、結果を表に示した。また、110℃で2時間乾
燥して得たインジウム系酸化物微粒子(ITO-3)につい
て、X線回折パターンを測定し、インジウム酸化物に帰
属される面指数(2,2,2)におけるピーク(PA
およびインジウム水酸化物に帰属される面指数(2,
2,0)におけるピーク(PB2)の確認、およびピーク
(PB2)のピーク高(HPB2)とピーク(PA)のピー
ク高(HPA)とその比(HPB2)/(HPA)を求め
た。
【0093】結果を表1に示す。別途、X線回折パター
ンを図1に示した。また、TEM写真を撮影し、20個
の粒子について粒子径を測定しこの平均値を平均粒子径
とした。結果を表1にあわせて示す。
【0094】
【実施例4】インジウム系酸化物微粒子(ITO-4)分散
ゾルの調製 実施例1の工程(a)と同様にして得た錫を含むインジ
ウム水酸化物のエチルアルコール分散液(酸化物として
の濃度5重量%、水分含有量3重量%)600gに、イ
ンジウム系酸化物種粒子として実施例1で調製したイン
ジウム系酸化物微粒子(ITO-1)分散ゾル(酸化物とし
ての濃度5重量%)100gを混合してMOG/MOZ
6.0のンジウム系水酸化物の有機溶媒分散液とインジ
ウム系酸化物種粒子分散ゾルとの混合分散液を調製した
以外は実施例3と同様にしてインジウム系酸化物微粒子
(ITO-4)分散ゾル(酸化物としての濃度5重量%)を
調製した。
【0095】得られたインジウム系酸化物微粒子(ITO-
4)分散ゾルについて電気伝導度を測定し、またゾルの
安定性を評価し、結果を表1に示した。また、インジウ
ム系酸化物微粒子(ITO-4)について、X線回折パター
ンを測定し、インジウム酸化物に帰属される面指数
(2,2,2)におけるピーク(P A)およびインジウ
ム水酸化物に帰属される面指数(2,2,0)における
ピーク(PB2)の確認、およびピーク(PB2)のピーク
高(HPB2)とピーク(PA)のピーク高(HPA)とそ
の比(HPB2)/(HPA)を求めた。結果を表1に示
す。
【0096】また、TEM写真を撮影し、20個の粒子
について粒子径を測定しこの平均値を平均粒子径とし
た。結果を表1に示す。
【0097】
【比較例1】インジウム系酸化物微粒子(ITO-5)分散
ゾルの調製 硝酸インジウム79.9gを水686gに溶解して得ら
れた溶液と、錫酸カリウム12.7gを濃度10重量%
の水酸化カリウム溶液に溶解して得られた溶液とを調製
し、これらの溶液を、50℃に保持された1000gの
純水に2時間かけて添加した。この間、系内のpHを1
1に保持した。得られた錫含有インジウム酸化物水和物
分散液から錫含有インジウム酸化物水和物を濾別・洗浄
した後、再び水に分散させて酸化物としての濃度10重
量%の金属酸化物前駆体水酸化物分散液を調製した。こ
の分散液を、温度100℃で噴霧乾燥して金属酸化物前
駆体水酸化物粉体を調製した。上記粉体を、窒素ガス雰
囲気下、550℃で2時間加熱処理した。
【0098】これを濃度が30重量%となるようにエタ
ノールに分散させ、さらに硝酸水溶液でpHを3.5に
調製した後、この混合液を30℃に保持しながらサンド
ミルで0.2時間粉砕してゾルを調製した。ついで、エ
タノールを加えて酸化物としての濃度20重量%のイン
ジウム系酸化物微粒子(ITO-5)分散ゾルを調製した。得
られたインジウム系酸化物微粒子(ITO-5)分散ゾルの
一部について酸化物としての濃度5重量%に希釈して安
定性を評価し、また一部について酸化物としての濃度
0.5重量%に希釈して電気伝導度を評価し、結果を表
1に示した。
【0099】また、インジウム系酸化物微粒子(ITO-
5)について、X線回折パターンを測定し、インジウム
水酸化物に帰属される面指数(2,2,2)におけるピ
ーク(PA)およびインジウム水酸化物に帰属される面
指数(2,2,0)におけるピーク(PB2)の確認、お
よびピーク(PB2)のピーク高(HPB2)とピーク(P
A)のピーク高(HPA)とその比(HPB2)/(H
A)を求めた。結果を表1に示す。またインジウム系
酸化物微粒子(ITO-5)のX線回折パターンを図2に示
す。
【0100】また、TEM写真を撮影し、20個の粒子
について粒子径を測定しこの平均値を平均粒子径とし、
表1に示した。
【0101】
【比較例2】インジウム系酸化物微粒子(ITO-6)分散
ゾルの調製 実施例1の工程(b)において、オートクレーブの温度
を100℃とした以外は実施例1と同様にしてインジウ
ム系酸化物微粒子(ITO-6)分散ゾル(酸化物としての
濃度5重量%)を調製した。
【0102】得られたインジウム系酸化物微粒子(ITO-
6)分散ゾルについて電気伝導度およびゾルの安定性を
評価し、結果を表1に示した。また、インジウム系酸化
物微粒子(ITO-6)について、X線回折パターンを測定
し、インジウム水酸化物に帰属される面指数(2,2,
2)におけるピーク(PA)およびインジウム水酸化物
に帰属される面指数(2,2,0)におけるピーク(P
B2)の確認、およびピーク(PB2)のピーク高(H
B2)とピーク(P A)のピーク高(HPA)とその比
(HPB2)/(HPA)を求めた。結果を表1に示す。
またインジウム系酸化物微粒子(ITO-6)のX線回折パ
ターンを図3に示す。
【0103】また、TEM写真を撮影し、20個の粒子
について粒子径を測定しこの平均値を平均粒子径とし、
表1に示した。 [評価]透明導電性被膜形成用塗布液(C-1)〜(C-6)の調製 先ず、上記で得たインジウム系酸化物微粒子(ITO-1)〜
(ITO-6)分散ゾルを表1に示す濃度となるように、水と
ブチルセルソルブの2:1の混合溶媒とを混合し、透明
導電性被膜形成用塗布液(C-1)〜(C-6)を調製した。
【0104】得られた各透明導電性被膜形成用塗布液に
ついて安定性を評価し、結果を表に示した。塗布液の安定性 塗布液を透明サンプル瓶に入れ、50℃の恒温槽中、2
4時間放置した後、これを目視による観察と振蕩による
粘性の変化を調べ、以下の基準で評価した。
【0105】 初期と変わらず透明性を有し、粘度の変化がない : ○ 粘度の上昇が認められる : △ サンプル瓶下部に沈降物が認められ、粘度も上昇 : ×透明被膜形成用塗布液(T)の調製 正珪酸エチル(SiO2:28重量%)50g、エタノー
ル194.6g、濃硝酸1.4gおよび純水34gの混合
溶液を室温で5時間攪拌してSiO2濃度5重量%のマト
リックス形成成分を含む液(M)を調製した。これに、エ
タノール/ブタノール/ジアセトンアルコール/イソプ
ロパノール(2:1:1:5重量混合比)の混合溶媒を
加え、SiO2濃度1重量%の透明被膜形成用塗布液(T)
を調製した。
【0106】透明導電性被膜付パネルガラス(P-1)〜
(P-6)の製造 ブラウン管用パネルガラス(17")の表面を40℃で保
持しながら、スピナー法で100rpm、90秒の条件で
上記透明導電性被膜形成用塗布液(C-1)〜(C-6)をそれぞ
れ塗布し乾燥した。このときの導電層の膜厚を測定し、
結果を表に示した。
【0107】ついで、このようにして形成された透明導
電性微粒子層上に、同じように、スピナー法で100rp
m、90秒の条件で透明被膜形成用塗布液(T)を塗布・乾
燥し、160℃で30分間焼成して透明導電性被膜付基
材を得た。このときの透明被膜の膜厚はいずれも50n
mとなるように形成した。これらの透明導電性被膜付基
材の表面抵抗を表面抵抗計(三菱油化(株)製:LORESTA)
で測定し、ヘーズをヘーズコンピューター(日本電色
(株)製:3000A)で測定した。反射率は反射率計(大塚電
子(株)製:MCPD-2000)を用いて測定し、波長400〜7
00nmの範囲で反射率が最も低い波長における反射率
をボトム反射率とし、また波長400〜700nmの平
均反射率を視感反射率として求めた。
【0108】結果を表1に示す。
【0109】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造された本発明に係るインジウム
系酸化物微粒子のX線回折パターンを示す。
【図2】比較例1で製造された従来のインジウム系酸化
物微粒子のX線回折パターンを示す。
【図3】比較例2で製造された従来のインジウム系酸化
物微粒子のX線回折パターンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 1/00 C09D 1/00 5/24 5/24 (72)発明者 平 井 俊 晴 福岡県北九州市若松区北湊町13番2号 触 媒化成工業株式会社若松工場内 Fターム(参考) 4F100 AA17B AA33B AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C DE01B GB41 JD08 JG01B JM01 JN01B JN01C JN18C 4J038 DL031 HA156 HA211 JA19 JA20 JA25 JA26 JA27 JA30 JA33 JA54 JA55 JA56 KA06 KA08 KA12 KA20 NA20 PB09 PB11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線回折パターンにおいて、少なくともイ
    ンジウム酸化物に帰属される面指数(2,2,2)にお
    けるピーク(PA)およびインジウム水酸化物に帰属さ
    れる面指数(2,0,0)におけるピーク(PB1)、面
    指数(2,2,0)におけるピーク(PB2)を有し、 ピーク(PB2)のピーク高(HPB2)とピーク(PA
    のピーク高(HPA)との比(HPB2)/(HPA)が1
    /2以下であることを特徴とするインジウム系酸化物微
    粒子。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のインジウム系酸化物微粒
    子が、分散媒中の水の割合が80重量%以上の分散媒
    に、酸化物としての濃度が4重量%となるように分散さ
    せたゾルの電気伝導度が100μS/cm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインジウム系酸化物微
    粒子。
  3. 【請求項3】下記の工程からなることを特徴とする請求
    項1または2に記載のインジウム系酸化物微粒子の製造
    方法; (a)インジウム系水酸化物の有機溶媒分散液を調製す
    る工程、(b)前記有機溶媒分散液を120〜400℃
    の温度範囲で加熱処理する工程。
  4. 【請求項4】下記の工程からなることを特徴とする請求
    項1または2に記載のインジウム系酸化物微粒子の製造
    方法; (a')インジウム系水酸化物とインジウム系酸化物種
    粒子との有機溶媒混合分散液を調製する工程、(b)イ
    ンジウム系水酸化物の有機溶媒分散を120〜400℃
    の温度範囲で加熱処理する工程。
  5. 【請求項5】加熱処理後、必要に応じて脱水あるいは他
    の有機溶媒に置換し、さらに、120〜400℃の温度
    範囲で加熱処理すること、および/または脱イオン処理
    することを特徴とする請求項3または4に記載のインジ
    ウム系酸化物微粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1または2に記載の前記インジウム
    系酸化物微粒子と極性溶媒とを含むことを特徴とする透
    明導電性被膜形成用塗布液。
  7. 【請求項7】基材と、基材上の請求項1または2に記載
    のインジウム系酸化物微粒子を含む透明導電性微粒子層
    と、該透明導電性微粒子層上に設けられ、該透明導電性
    微粒子層よりも屈折率が低い透明被膜とからなることを
    特徴とする透明導電性被膜付基材。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の透明導電性被膜付基材で
    構成された前面板を備え、透明導電性被膜が該前面板の
    外表面に形成されていることを特徴とする表示装置。
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