JP4033646B2 - 導電性金属酸化物粒子、導電性金属酸化物粒子の製造方法、透明導電性被膜付基材および表示装置 - Google Patents

導電性金属酸化物粒子、導電性金属酸化物粒子の製造方法、透明導電性被膜付基材および表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、導電性金属酸化物粒子、該電性金属酸化物粒子が極性溶媒に分散した透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材および該基材を備えた表示装置に関し、さらに詳しくは、帯電防止性、電磁遮蔽性に優れるとともに、透明性が高く、信頼性に優れた透明導電性被膜の形成に用いることができる透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材および該基材を備えた表示装置に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来より、陰極線管、蛍光表示管、液晶表示板などの表示パネルのような透明基材の表面の帯電防止および反射防止を目的として、これらの表面に帯電防止機能および反射防止機能を有する透明被膜を形成することが行われていた。
また、陰極線管などから電磁波が放出されること知られており、従来の帯電防止、反射防止に加えてこれらの電磁波および電磁波の放出に伴って形成される電磁場を遮蔽することが望まれている。
【0003】
これらの電磁波などを遮蔽する方法の一つとして、陰極線管などの表示パネルの表面に電磁波遮断用の導電性被膜を形成する方法がある。しかし、従来の帯電防止用導電性被膜であれば表面抵抗が少なくとも107Ω/□程度の表面抵抗を有していれば十分であるのに対し、電磁遮蔽用の導電性被膜では102〜104Ω/□のような低い表面抵抗を有することが必要であった。
【0004】
このように表面抵抗の低い導電性被膜を、従来のSbドープ酸化錫またはSnドープ酸化インジウムのような導電性酸化物を含む塗布液を用いて形成しようとすると、従来の帯電防止性被膜の場合よりも膜厚を厚くする必要があった。しかしながら、導電性被膜の膜厚は、10〜200nm程度にしないと反射防止効果は発現しないため、従来のSbドープ酸化錫またはSnドープ酸化インジウムのような導電性酸化物では、表面抵抗が低く、電磁波遮断性に優れるとともに、反射防止にも優れた導電性被膜を得ることが困難であるという問題があった。
【0005】
また、低表面抵抗の導電性被膜を形成する方法の一つとして、Agなどの金属微粒子を含む導電性被膜形成用塗布液を用いて基材の表面に金属微粒子含有被膜を形成する方法がある。この方法では、金属微粒子含有被膜形成用塗布液として、コロイド状の金属微粒子が極性溶媒に分散したものが用いられている。このような塗布液では、コロイド状金属微粒子の分散性を向上させるために、金属微粒子表面がポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンなどの有機系安定剤で表面処理されている。しかしながら、このような金属微粒子含有被膜形成用塗布液を用いて形成された導電性被膜は、被膜中で金属微粒子同士が安定剤を介して接触するため、粒界抵抗が大きく、被膜の表面抵抗が低くならないことがあった。このため、製膜後、400℃程度の高温で焼成して安定剤を分解除去する必要があるが、安定剤の分解除去をするため高温で焼成すると、金属微粒子同士の融着や凝集が起こり、導電性被膜の透明性やへーズが低下するという問題があった。また、陰極線管などの場合は、高温に晒すと劣化してしまうという問題もあった。
【0006】
また、金属微粒子は前記導電性酸化物と異なり本来光を透過しないために金属微粒子を用いて形成された導電性被膜は導電性被膜中の金属微粒子の密度や膜厚等に依存して透明性が低下する問題もあった。
さらに従来のAg等の金属微粒子を含む透明導電性被膜では、耐塩水性や耐酸化性が低く、金属が酸化されたり、イオン化による粒子成長したり、また場合によっては腐食が発生することがあり、塗膜の導電性や光透過率が低下し、表示装置が信頼性を欠くという問題があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、102〜104Ω/□程度の低い表面抵抗を有し、帯電防止性、反射防止性および電磁遮蔽性に優れるとともに、被膜の透明性や信頼性にも優れた透明導電性被膜の形成に用いることのできる導電性金属酸化物粒子、該微粒子を含んでなる透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材、および該基材を備えた表示装置を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る導電性金属酸化物粒子は、酸化錫、S b 、FまたはPがドーピングされた酸化錫、酸化インジウム、S n Zn Zr またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、低次酸化チタンから選ばれる導電性金属酸化物からなり、平均粒子径が 2 200nm の範囲にある導電性金属酸化物粒子であって、
該粒子中に、Au,Ag,Pd,Pt,Rh,Ru,Cu,Fe,Ni,Coから選ばれる1種または2種以上の元素の金属からなる該導電性向上成分を含み、かつ
導電性金属酸化物粒子中の導電性向上成分の含有量が金属に換算して0.01〜1.5重量%の範囲にあることを特徴としている。
【0009】
前記導電性金属酸化物がSn、Zn、ZrまたはFがドーピングされた酸化インジウムであることが好ましい。
下記の工程(a)〜(e)からなることを特徴とする導電性金属酸化物粒子の製造方法:
(a)酸化錫、S b 、FまたはPがドーピングされた酸化錫、酸化インジウム、S n Zn Zr またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、低次酸化チタンから選ばれる導電性金属酸化物の前駆体(水酸化物)粒子分散液(固形分濃度1〜30重量%)に、 u, g, d, t, h, u, u, e, i, o から選ばれる1種または2種以上の元素の金属からなる導電性向上成分微粒子を、金属換算で前記前駆体粒子(酸化物換算)に対して 0 01 1.5 重量%の量で添加し、混合する工程、
(b)次いで、100〜250℃の範囲で水熱処理する工程、
(c)得られた粒子分散液を乾燥する工程、
(d)乾燥後の粉体を非酸化雰囲気下、400〜650℃の温度範囲で加熱処理する工程、(e)加熱処理した粉体を粉砕する工程。
【0010】
本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液は、上記導電性金属酸化物粒子と極性溶媒とをからなり、導電性金属酸化物微粒子を 0.1 7 重量%の量で含むことを特徴としている。
前記極性溶媒の双極子モーメントが1.6〜5.0の範囲にあることが好ましい。
前記透明導電性被膜形成用塗布液は、酸またはアルカリイオンを含むことが好ましい。
【0011】
本発明に係る透明導電性被膜付基材は、基材と、基材上の、前記導電性金属酸化物粒子を含む透明導電性微粒子層と、該透明導電性微粒子層上に設けられ、該透明導電性微粒子層よりも屈折率が低く、かつ50〜300 nm の膜厚の透明被膜と、からなることを特徴としている。
前記透明被膜が、平均粒子径が5〜300nmの範囲にあり屈折率が1.45以下の低屈折率粒子を含んでいることが望ましい。
【0012】
本発明に係る表示装置は、前記透明導電性被膜付基材で構成された前面板を備え、透明導電性被膜が該前面板の外表面に形成されていることを特徴としている。
【0013】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
導電性金属酸化物粒子
まず、本発明に係る導電性金属酸化物粒子について説明する。
本発明に係る導電性金属酸化物粒子は導電性金属酸化物と、導電性向上成分とからなっている。
【0014】
[導電性金属酸化物]
本発明に用いる導電性金属酸化物としては、導電性向上成分を加えて得られる導電性金属酸化物粒子を用いた透明導電性被膜の表面抵抗が104Ω/□以下であれば特に制限はなく、従来公知の導電性金属酸化物を用いることができる。導電性金属酸化物を用いることによって、耐塩水性や耐酸化性に優れ、長期にわたって優れた表示性能を維持することができ、信頼性に優れた表示装置を得ることができる。
【0015】
導電性金属酸化物としては、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングざれた酸化錫、酸化インジウム、Sn、Zn、ZrまたはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、低次酸化チタンなどが挙げられる。
これらのうち、Sn、Zn、ZrまたはFがドーピングされた酸化インジウムが、得られる粒子の粉体抵抗が低く、得られる透明導電性被膜付基材は充分な電磁遮蔽効果を有し、透明性も阻害されることがないので望ましい。
【0016】
[導電性向上成分]
本発明に用いる導電性向上成分としてはAu、Ag、Pd、Pt、Rh、Ru、Cu、Fe、Ni、Coから選ばれる1種または2種以上の元素の金属が挙げられる。2種以上の元素の金属からなる場合、合金であっても、混合物であってもよい。中でも、Ag、Pd、Ru、Auから選ばれる金属は、前記導電性金属酸化物粒子に少量含まれても充分導電性が向上するので好ましい。
【0017】
導電性金属酸化物粒子に含まれる導電性向上成分の量は、導電性向上成分を金属に換算して0.01〜1.5重量%、好ましくは0.02〜0.8重量%の範囲にある。
導電性金属酸化物粒子に含まれる導電性向上成分の量が0.01重量%未満の場合は、このような導電性向上成分が含まれる効果、即ち得られる透明導電性被膜の表面抵抗が104Ω/□以下にならないことがあり、電磁波遮蔽効果が不充分となることがある。
【0018】
導電性金属酸化物粒子に含まれる導電性向上成分の量が1.5重量%を越えると、金属成分が多すぎて導電性金属酸化物粒子の分散安定性が低下し、たとえば塗布液中で導電性金属酸化物粒子が凝集し2次粒子の平均粒子径が500nmを越えるようになり、このため得られる透明導電性被膜の導電性が不充分となることがある。また、金属成分が多すぎて得られる透明導電性被膜の透明性が低下したり、耐塩水性や耐酸化性が低下する傾向にある。
【0019】
また、導電性金属酸化物粒子の平均粒子径は2〜200nm、好ましくは5〜150nmの範囲にある。
このような粒径範囲にあれば、低抵抗であって、導電性が高い被膜を形成でき、さらに得られた被膜の膜強度も高く、基材との密着性にも優れ、ヘーズや反射率も低いという優れた特性を有している。
【0020】
本発明に係る導電性金属酸化物粒子における導電性金属酸化物および導電性向上成分の分散状態は特に制限されるものではなく、たとえば、図1に示されるように、導電性向上成分からなる微粒子が導電性金属酸化物粒子中に分散しているものであってもよく、また導電性金属酸化物粒子表面の全面または表面に導電性向上成分からなる層が形成されていてもよく、さらには、導電性向上成分からなるコア粒子の表面に導電性金属酸化物からなる層が形成されていてもよいが、特に好ましくは図1に示される態様である(図1は粒子の概略断面図を示す)。図1に示されるような粒子の場合、導電性向上成分は形成される金属酸化物粒子よりも小さく、かつ1〜5nm程度の粒径であればよい。
【0021】
本発明に用いる導電性金属酸化物粒子の製造方法は、従来公知の導電性金属酸化物に前記した導電性向上成分を所定量導入して得られる導電性金属酸化物粒子の導電性が向上し、導電性金属酸化物粒子を用いた透明導電性被膜の表面抵抗が104Ω/□以下となる方法であれば特に制限されるものではない。
特に、本発明に係る導電性金属酸化物粒子の製造方法で得られる粒子は、単分散性に優れ、これを用いた透明導電性性被膜形成用塗布液中でも単分散性が維持され、このためヘーズが低く充分低抵抗の透明導電性性被膜が得られるので好適である。
【0022】
導電性金属酸化物粒子の製造方法
次いで、本発明に係る導電性金属酸化物粒子分散ゾルの製造方法について説明する。
本発明に係る導電性金属酸化物粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜(e)からなることを特徴としている。
【0023】
工程(a)
導電性金属酸化物の前駆体(水酸化物)粒子分散液に導電性向上成分微粒子を添加し、混合する工程。
本発明に用いる導電性金属酸化物前駆体水酸化物としては、前記した導電性金属酸化物を誘導するものであれば特に制限はなく、たとえば水酸化錫(水和酸化スズ)、水酸化インジウム(水和酸化インジウム)、あるいはドーピング剤としてFを含む水酸化錫(水和酸化スズ)、Sn、Zn、ZrまたはFを含む水酸化インジウム(水和酸化インジウム)、水酸化アンチモンなどが好適に用いられる。なかでもSn、Zn、ZrまたはFを含む水酸化インジウム(水和酸化インジウム)が、より低抵抗値の透明導電性被膜を得ることができるので好適である。
【0024】
このような導電性金属酸化物前駆体水酸化物は公知の方法で調製でき、たとえば錫ドープ酸化インジウム前駆体水酸化物の場合は、硝酸インジウム水溶液に錫酸カリウムのアルカリ性水溶液を加え、必要に応じて熟成、洗浄等することによって調製することができる。
次いで、導電性金属酸化物前駆体水酸化物を水等の分散媒に分散させて導電性金属酸化物前駆体水酸化物の分散液を調製する。
【0025】
導電性金属酸化物前駆体水酸化物の分散液の濃度は固形分として1〜30重量%、さらには5〜15重量%の範囲にあることが好ましい。前記導電性金属酸化物がSn、Zn、ZrまたはFがドーピングされている場合、これらドーパントの量は、金属換算で、水酸化物中に2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%の範囲にあることが望ましい。
【0026】
分散液の固形分濃度が前記範囲内にあれば、表面抵抗値が104Ω/□以下の導電性被膜を形成可能な導電性金属酸化物粒子を製造することができる。
なお分散液の固形分濃度が1重量%未満の場合は、後述する導電性向上成分が導電性金属酸化物前駆体水酸化物の好適に取り込むことができないためか、最終的に得られる透明導電性被膜の表面抵抗値が104Ω/□以下にならないことがあり、このため充分な電磁波遮蔽効果が得られないことがある。また、分散液の固形分濃度が30重量%を越えると、得られる導電性金属酸化物粒子が凝集したり、条件によっては平均粒子径が200nmを越えることがあり、この場合も最終的に得られる透明導電性被膜の表面抵抗値が104Ω/□以下にならないことがあり、このため充分な電磁波遮蔽効果が得られないことがある。
【0027】
上記導電性金属酸化物前駆体水酸化物の分散液に導電性向上成分を添加する。
本発明で用いる導電性向上成分としては、前記したものと同じものが挙げられる。とくに、Ag,Pd,Ru,Au,Ptから選ばれる1種以上の金属または2種以上合金は前記導電性金属酸化物粒子に少量含まれても充分導電性が向上するので好ましい。
【0028】
本発明では、特にこれら金属(合金を含む)からなる金属コロイドが好適に用いることができる。このような金属コロイドは従来公知の方法によって得ることができ、たとえば硝酸銀などの金属塩水溶液に、還元剤を添加して還元したり、超音波を照射したりする方法などによって、粒子径が約1〜50nm程度の金属コロイドを得ることができる。
【0029】
導電性向上成分の添加量は、導電性金属酸化物粒子に含まれる導電性向上成分の量が、導電性金属酸化物前駆体水酸化物を酸化物に換算し、導電性向上成分を金属に換算して0.01〜1.5重量%、好ましくは0.02〜0.8重量%の範囲となるように添加する。
導電性金属酸化物粒子に含まれる導電性向上成分の量が0.01重量%未満の場合は、このような導電性向上成分が含まれる効果、即ち得られる透明導電性被膜の表面抵抗が104Ω/□以下にならないことがあり、電磁波遮蔽効果が不充分となることがある。
【0030】
導電性金属酸化物粒子に含まれる導電性向上成分の量が1.5重量%を越えると、金属成分が多すぎて導電性金属酸化物粒子の分散安定性が低下し、たとえば塗布液中で導電性金属酸化物粒子が凝集し2次粒子の平均粒子径が500nmを越えるようになり、このため得られる透明導電性被膜の導電性が不充分となることがある。また、金属成分が多すぎて得られる透明導電性被膜の透明性が低下したり、耐塩水性や耐酸化性が低下する傾向にある。
【0031】
次いで、導電性金属酸化物前駆体水酸化物の分散液に導電性向上成分を添加した後、混合する。混合方法としては特に制限されるものではないが、超音波照射が好適である。超音波を照射することによって導電性金属酸化物前駆体水酸化物の凝集体の単分散化が促進される。また、必ずしも理由は明らかではないが、超音波を照射しない場合は、導電性向上成分の添加効果が得られないことがある。超音波の強度は20〜400kHz、10〜600Wの範囲にあればよい。
【0032】
工程(b)
次いで、工程(a)で得られた分散液を100〜250℃、好ましくは120〜220℃の温度範囲で水熱処理する。このような温度で水熱処理すれば、導電性金属酸化物粒子中に導電性向上成分が取り込まれ、低表面抵抗の粒子を得ることができる。なお水熱処理温度が100℃未満の場合は、導電性向上成分の取り込みが不充分で、得られる透明導電性被膜の表面抵抗が104Ω/□以下にならないことがあり、透明導電性被膜の電磁波遮蔽効果が不充分となることがある。水熱処理温度が250℃を越えると、Sn、Zn、ZrまたはF等のドープ剤がドープされにくくなり、表面抵抗が低くならないことある。
【0033】
通常、このような水熱処理は、オートクレーブなどの耐圧容器内で行われることが望ましい。
工程(c)
水熱処理した導電性金属酸化物前駆体水酸化物の分散液を乾燥する。乾燥はスプレーなどの噴霧乾燥が好適に採用される。なお乾燥温度は特に制限はなく、常温(20℃)〜250℃程度の温度であればよい。
【0034】
このように乾燥しておくと安定的に低抵抗の導電性金属酸化物粒子を得ることができる。
乾燥後の粉体中の水分量は、導電性向上成分の種類、粒子径などによって異なるが、概ね20重量%以下であることが好ましい。
工程(d)
乾燥して得た導電性金属酸化物前駆体水酸化物粉体を非酸化雰囲気、たとえば不活性ガス、還元ガス、真空下、400〜650℃で加熱処理する。
【0035】
加熱処理温度が前記範囲内にあれば、導電性金属酸化物成分が結晶化し、高い導電性を有する導電性金属酸化物粒子を得ることができる。なお、加熱処理温度が400℃未満の場合は、結晶化が不充分であったり、ドーピング効果が充分に発揮せず、また、加熱処理温度が650℃を越えると、得られる導電性金属酸化物粒子が焼結したり、粒子同士が融着することがあり、その結果、得られる透明導電性被膜のヘーズが上昇したり、導電性向上成分が酸化され、表面抵抗が104Ω/□以下にならないことがある。
【0036】
上記温度範囲で加熱処理することによって導電性金属酸化物前駆体水酸化物が結晶性導電性金属酸化物となる。このような本発明に係る導電性金属酸化物粒子は、導電性向上成分を含んでいるので、導電性金属酸化物のみからなる粒子と比較して、高い導電性を有している。
工程(e)
こうして得られた加熱処理後の粉体を粉砕する。粉砕は乾式粉砕でも、湿式粉砕でもよいが、特に湿式粉砕が均一に粉砕できるので望ましい。なお、湿式粉砕を行う場合、導電性金属酸化物粒子を水、有機溶媒に分散させるが、このようにすると導電性金属酸化物粒子分散ゾルが調製される。
【0037】
なお加熱処理した粉体は多くの場合凝集しており、容易に分散しない場合があるので、必要に応じて、凝集体を粉砕してもよい。
上記加熱処理した粉体の水および/または有機溶媒分散液を調製する。このときの粉体の濃度は10〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
粉体分散液の濃度が10重量%未満の場合は、粉砕効率が低く、また後述する透明導電性被膜形成用塗布液に用いるには濃度が低すぎる場合がある。また、このため濃縮などを必要とすることがある。粉体分散液の濃度が40重量%を越えると、得られるゾルの粘度が高すぎたり安定性が不充分となることがある。
【0038】
また有機溶媒としては、後述する塗布液で例示される極性溶媒と同じものが例示される。
必要に応じて分散液に分散促進剤を添加してもよい。分散促進剤としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸等の鉱酸、酢酸、蟻酸等の有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリが挙げられる。
【0039】
このときの分散剤の添加量は、導電性金属酸化物粒子100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲にあることが好ましい。
また、分散促進剤として酸を用いる場合は分散液のpHが2.5〜5.0の範囲となるように調整することが好ましく、またアルカリを用いる場合は分散液のpHが9.0〜12.0の範囲となるように調整することが好ましい。
【0040】
こうして分散促進剤が添加された粉体の分散液を湿式粉砕処理する。このときの粉砕方法としては、粉砕後の平均粒子径を2〜200nmの範囲となるようにできれば特に制限はなく従来公知の方法を採用することができる。たとえば、サンドミル、コロイドミル、ボールミル、超音波ホモジナイザー、ベントシェーカーなどによって粉砕処理することができる。
【0041】
得られた導電性金属酸化物粒子分散ゾルは、必要に応じて濃縮したり希釈して導電性金属酸化物粒子の濃度を10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%の範囲に調節することができる。
上記のようにして得られる導電性金属酸化物粒子の平均粒子径は2〜200nmの範囲にある。
【0042】
透明導電性被膜形成用塗布液
次に、本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液について説明する。
本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液は、前記した導電性金属酸化物粒子と極性溶媒とからなっている。
[導電性金属酸化物粒子]
導電性金属酸化物粒子としては前記したと同様の導電性金属酸化物粒子を用いることができる。
【0043】
[極性溶媒]
本発明で用いられる極性溶媒としては、
水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
【0044】
前記極性溶媒は双極子モーメントが1.6〜5.0の範囲にあることが好ましい。
極性溶媒の双極子モーメントが1.6未満の場合は、塗布液中での金属酸化物粒子の単分散性や分散安定性が不充分となることがあり、緻密な導電性金属酸化物粒子層が形成できない場合や、得られる透明導電性被膜のヘーズが高くなることがある。
【0045】
極性溶媒の双極子モーメントが5.0を越えるのものは、通常入手困難であったり、さらに塗布液中での金属酸化物粒子の単分散性や分散安定性が向上することもない。
本発明で好適に使用される有機溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類などが挙げられる。
【0046】
また、本発明の塗布液には、前記酸またはアルカリなどの分散促進剤を含んでいてもよい。
分散促進剤として酸を用いる場合は分散液のpHが2.5〜5.0の範囲となるように調整することが好ましく、またアルカリを用いる場合は分散液のpHが9.0〜12.0の範囲となるように調整することが好ましい。
【0047】
本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液中に、導電性金属酸化物粒子が、0.1〜7重量%、好ましくは0.5〜5重量%の量で含まれていることが望ましい。
透明導電性被膜形成用塗布液中の導電性金属酸化物粒子が0.1重量%未満の場合は、得られる被膜の膜厚が薄くなることがあり、このため充分な導電性が得られないことがある。また導電性金属酸化物粒子が7重量%を越えると、塗布液中で導電性金属酸化物粒子が凝集して2次粒子を形成することがあり、この2次粒子の平均粒子径が500nmを越えると充分な導電性が得られないことがある上、被膜自体が厚くなり、光透過率が低下して透明性が悪化したり、外観が悪くなったりすることがある。
【0048】
このような透明導電性被膜形成用塗布液には、必要に応じて微粒子カーボン、染料、顔料等を含んでいてもよい。
微粒子カーボンを配合する場合、平均粒子径が2〜200nm、好ましくは2〜150nmの範囲にある微粒子カーボンが好ましい。また、微粒子カーボンの配合量は、導電性金属酸化物粒子100重量部に対して0.15重量部以下であることが好ましい。微粒子カーボンの配合量が0.15重量部以下であれば、透明導電性被膜の導電性を大きく下げることなく透過率を調整することができ、コントラストを向上することができる。
【0049】
本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液には、被膜形成後の導電性粒子のバインダーとして作用するマトリックス形成成分が含まれていてもよい。このようなマトリックス形成成分としては、シリカからなるものが好ましく、具体的には、アルコキシシランなどの有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物またはアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を脱アルカリして得られるケイ酸重縮合物、あるいは塗料用樹脂などが挙げられる。このマトリックス形成成分は、前記導電性金属酸化物粒子1重量部当たり、固形分として0.01〜0.5重量部、好ましくは0.03〜0.3重量部の量で含まれていればよい。
【0050】
透明導電性被膜形成用塗布液中の固形分濃度(導電性金属酸化物粒子と必要に応じて添加される導電性金属酸化物粒子以外の導電性微粒子、染料、顔料などの添加剤の総量)は、液の流動性、塗布液中の複合金属微粒子などの粒状成分の分散性などの点から、15重量%以下、好ましくは0.15〜5重量%であることが好ましい。
【0051】
このような本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液は、本発明に係る金属酸化物粒子を、有機溶媒に公知の方法で分散させ、さらに必要に応じて、マトリックス形成成分を、その他の導電性微粒子、染料、顔料などを混合すれば調製できる。また、前記した金属酸化物粒子分散ゾルにマトリックス形成成分、その他導電性微粒子、染料、顔料を混合し、必要に応じて濃度調整することで調製することもできる。
【0052】
透明導電性被膜付基材
次に、本発明に係る透明導電性被膜付基材について具体的に説明する。
本発明に係る透明導電性被膜付基材では、ガラス、プラスチック、セラミックなどからなるフィルム、シートあるいはその他の成形体などの基材上に、前記した平均粒子径が5〜500nm、好ましくは10〜300nmの導電性金属酸化物粒子からなる透明導電性微粒子層と、該透明導電性微粒子層上に透明被膜が形成されている。
【0053】
導電性金属酸化物粒子としては、前記と同様のものが挙げられる。
[透明導電性微粒子層]
透明導電性微粒子層の膜厚は、50〜500nm、好ましくは50〜300nmの範囲にあることが好ましく、この範囲の膜厚であれば電磁遮蔽効果に優れた透明導電性被膜付基材を得ることができる。
【0054】
このような透明導電性微粒子層には、必要に応じて、上記導電性金属酸化物粒子以外の金属微粒子、マトリックス成分、有機系安定剤等を含んでいてもよく、具体的には、前記と同様のものが挙げられる。
[透明被膜]
本発明に係る透明導電性被膜付基材では、前記透明導電性微粒子層の上に、前記透明導電性微粒子層よりも屈折率の低い透明被膜が形成されている。
【0055】
このときの透明被膜の膜厚は、50〜300nm、好ましくは80〜200nmの範囲にあることが好ましい。
透明被膜の膜厚が50nm未満の場合は、膜の強度や反射防止性能が劣ることがある。
透明被膜の膜厚が300nmを越えると、膜にクラックが発生したり膜の強度が低下することがあり、また膜が厚すぎて反射防止性能が不充分となることがある。
【0056】
このような透明被膜は、たとえば、シリカ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸化物、およびこれらの複合酸化物などから形成される。本発明では、透明被膜として、特に加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物、またはアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を脱アルカリして得られるケイ酸重縮合物からなるシリカ系被膜が好ましい。このような透明被膜が形成された透明導電性被膜付基材は、反射防止性能に優れている。
【0057】
前記透明被膜には、さらに平均粒子径が5〜300nm、好ましくは10〜200nmの範囲にあり屈折率が1.45以下、好ましくは1.40以下の低屈折率粒子を含むことが望ましい。
使用される低屈折率粒子の平均粒子径は、形成される透明被膜の厚さに応じて適宜選択される。
【0058】
低屈折率粒子の屈折率が1.45以下であれば、得られる透明導電性被膜付基材は、ボトム反射率および視感反射率が低く、優れた反射防止性能を発揮することができる。
透明被膜中の低屈折率粒子の含有量は酸化物に換算して、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲にあることが望ましい。
【0059】
本発明に用いる低屈折率粒子としては、平均粒子径および屈折率が上記範囲にあれば特に制限はなく従来公知の粒子を用いることができる。このような低屈折率粒子としては、たとえばシリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア等の金属酸化物から構成される粒子が挙げられる。また、本願出願人の出願による特開平7−133105号公報に開示した複合酸化物ゾル、WO00/37359号公報に開示した被覆層を有する多孔質の複合酸化物粒子、および特願2000−48277号で提案しているシリカ系微粒子は屈折率が1.40以下と低く、このようなシリカ系微粒子を用いて得られる透明低反射導電性被膜付基材は反射防止性能に優れ、視感反射率が低く、このため目で感じる反射(映り込み)は弱く、反射色の色付を抑えることができるので好適である。
【0060】
さらに、上記透明被膜中には、必要に応じて、フッ化マグネシウムなどの低屈折率材料で構成された微粒子、染料、顔料などの添加剤が含まれていてもよい。
[透明導電性被膜付基材の製造方法]
次に、上記した透明導電性被膜付基材の製造方法について説明する。
上記透明導電性被膜付基材は、前記した導電性金属酸化物粒子を含む透明導電性被膜形成用塗布液を基材上に塗布・乾燥して透明導電性微粒子層を形成し、次いで該微粒子層上に透明被膜形成用塗布液を塗布して前記透明導電性微粒子層上に該微粒子層よりも屈折率の低い透明被膜を形成することによって製造することができる。
[透明導電性微粒子層の形成]
まず、上記透明導電性被膜形成用塗布液を基材上に塗布し・乾燥して、透明導電性微粒子層を基材上に形成する。
【0061】
透明導電性微粒子層を形成する方法としては、たとえば、透明導電性被膜形成用塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法などの方法で、基材上に塗布したのち、常温〜約90℃の範囲の温度で乾燥する。
透明導電性被膜形成用塗布液中に上記のようなマトリックス形成成分が含まれている場合には、マトリックス形成成分の硬化処理を行ってもよい。
【0062】
たとえば、透明導電性被膜形成用塗布液を塗布して形成した被膜を、乾燥時、または乾燥後に、150℃以上で加熱するか、未硬化の被膜に可視光線よりも波長の短い紫外線、電子線、X線、γ線などの電磁波を照射するか、あるいはアンモニアなどの活性ガス雰囲気中に晒してもよい。このようにすると、被膜形成成分の硬化が促進され、得られる被膜の硬度が高くなる。
【0063】
上記のような方法によって形成された透明導電性微粒子層の膜厚は約50〜500nm、さらには50〜300nmの範囲が望ましく、この範囲の膜厚であれば帯電防止性および電磁遮蔽性に優れた透明導電性被膜付基材を得ることができる。
[透明被膜の形成]
本発明では、上記のようにして形成された透明導電性微粒子層の上に、該微粒子層よりも屈折率の低い透明被膜を形成する。
【0064】
透明被膜の膜厚は、50〜300nm、好ましくは80〜200nmの範囲であることが好ましく、このような範囲の膜厚であると優れた反射防止性を発揮する。
透明被膜の形成方法としては、特に制限はなく、この透明被膜の材質に応じて、真空蒸発法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの乾式薄膜形成方法、あるいは上述したようなディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法などの湿式薄膜形成方法を採用することができる。
【0065】
上記透明被膜を湿式薄膜形成方法で形成する場合、従来公知の透明被膜形成用塗布液を用いることができる。このような透明被膜形成用塗布液としては、具体的に、シリカ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸化物、またはこれらの複合酸化物を透明被膜形成成分として含む塗布液が用いられる。
本発明では、透明被膜形成用塗布液として加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物、またはアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を脱アルカリして得られるケイ酸液を含むシリカ系透明被膜形成用塗布液が好ましく、特に下記一般式[1]で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物を含有していることが好ましい。このような塗布液から形成されるシリカ系被膜は、導電性金属酸化物粒子含有の導電性微粒子層よりも屈折率が小さく、得られる透明被膜付基材は反射防止性に優れている。
【0066】
aSi(OR')4-a [1]
(式中、Rはビニル基、アリール基、アクリル基、炭素数1〜8のアルキル基、水素原子またはハロゲン原子であり、R'はビニル基、アリール基、アクリル基、炭系数1〜8のアルキル基、−C24OCn2n+1(n=1〜4)または水素原子であり、aは1〜3の整数である。)
このようなアルコキシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
【0067】
上記のアルコキシシランの1種または2種以上を、たとえば水−アルコール混合溶媒中で酸触媒の存在下、加水分解すると、アルコキシシランの加水分解重縮合物を含む透明被膜形成用塗布液が得られる。このような塗布液中に含まれる被膜形成成分の濃度は、酸化物換算で0.5〜2.0重量%であることが好ましい。
本発明で使用される透明被膜形成用塗布液には、平均粒子径が5〜300nm、好ましくは10〜200nmの範囲にあり屈折率が1.45以下、好ましくは1.40以下の低屈折率粒子を含むことが望ましい。
【0068】
使用される低屈折率粒子の平均粒子径は、形成される透明被膜の厚さに応じて適宜選択される。
また、使用される低屈折率粒子の屈折率が1.45以下であれば、得られる透明導電性被膜付基材は、ボトム反射率および視感反射率が低く、優れた反射防止性能を発揮することができる。
【0069】
低屈折率粒子の使用量は、透明被膜中の低屈折率粒子の含有量が酸化物に換算して、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲となるように用いることが望ましい。
本発明に用いる低屈折率粒子としては、平均粒子径および屈折率が上記範囲にあれば特に制限はなく従来公知の粒子を用いることができる、たとえば、前記したものが使用される。
【0070】
さらにまた、本発明で使用される透明被膜形成用塗布液には、フッ化マグネシウムなどの低屈折率材料で構成された微粒子、透明被膜の透明度および反射防止性能を阻害しない程度に少量の導電性微粒子および/または染料または顔料などの添加剤が含まれていてもよい。
本発明では、このような透明被膜形成用塗布液を塗布して形成した被膜を、乾燥時、または乾燥後に、150℃以上で加熱するか、未硬化の被膜に可視光線よりも波長の短い紫外線、電子線、X線、γ線などの電磁波を照射するか、あるいはアンモニアなどの活性ガス雰囲気中に晒してもよい。このようにすると、被膜形成成分の硬化が促進され、得られる透明被膜の硬度が高くなる。
【0071】
さらに、透明被膜形成用塗布液を塗布して被膜を形成する際に、透明導電性微粒子層を約40〜90℃に保持しながら透明被膜形成用塗布液を塗布して、前記のような処理を行うと、透明被膜の表面にリング状の凹凸が形成し、ギラツキの少ないアンチグレアの透明被膜付基材が得られる。
表示装置
本発明に係る透明導電性被膜付基材は、電磁遮蔽に必要な概ね102〜104Ω/□の範囲の表面抵抗を有し、また透明性に優れるとともに可視光領域および近赤外領域で充分な反射防止性能を有し、表示装置の前面板として好適に用いられる。
【0072】
本発明に係る表示装置は、ブラウン管(CRT)、蛍光表示管(FIP)、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶用ディスプレイ(LCD)などのような電気的に画像を表示する装置であり、上記のような透明導電性被膜付基材で構成された前面板を備えている。
従来の前面板を備えた表示装置を作動させると、前面板に画像が表示されると同時に電磁波が前面板から放出され、この電磁波が観察者の人体に影響を及ぼすが、本発明に係る表示装置では、前面板が前記した概ね102〜104Ω/□の表面抵抗を有する透明導電性被膜付基材で構成されているので、このような電磁波、およびこの電磁波の放出に伴って生じる電磁場を電磁場を効果的に遮蔽することができる。
【0073】
また、表示装置の前面板で反射光が生じると、この反射光によって表示画像が見にくくなるが、本発明に係る表示装置では、前面板が可視光領域および近赤外領域で充分な反射防止性能を有する透明導電性被膜付基材で構成されているので、このような反射光を効果的に防止することができる。
さらに、ブラウン管の前面板が、本発明に係る透明導電性被膜付基材で構成され、この透明導電性被膜のうち、透明導電性微粒子層、その上に形成された透明被膜の少なくとも一方に少量の染料または顔料が含まれている場合には、これらの染料または顔料がそれぞれ固有な波長の光を吸収し、これによりブラウン管から放映される表示画像のコントラストを向上させることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電防止性、電磁遮蔽性に優れ、また透明性に優れるとともに光透過率の制御が可能であり、かつ耐塩水性や耐酸化性に優れ信頼性が高い透明導電性被膜付基材に好適に用いることのできる導電性金属酸化物成分と導電性向上成分とからなる導電性金属酸化物粒子が得られる。
【0075】
また、このような導電性金属酸化物粒子を含む透明導電性被膜形成用塗布液を用いて、透明導電性微粒子層を形成し、該透明導電性微粒子層上に透明被膜を形成すると、反射防止性に優れるとともに透明性の低下が小さい、信頼性の高い透明導電性被膜付基材を提供することができる。
さらに、このような透明性に優れた透明導電性被膜付基材を表示装置の前面板として用いれば、電磁遮蔽性に優れるとともに反射防止性にも優れた表示装置を提供することができる。
【0076】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0077】
【実施例1】
導電性金属酸化物粒子( P-1 )分散ゾルの調製
工程 (a)
硝酸インジウム79.9gを水686gに溶解して得られた溶液と、錫酸カリウム12.7gを濃度10重量%の水酸化カリウム溶液に溶解して得られた溶液とを調製し、これらの溶液を、50℃に保持された1000gの純水に2時間かけて添加した。この間、系内のpHを11に保持した。得られたSnドープ酸化インジウム水和物分散液からSnドープ酸化インジウム水和物を濾別・洗浄した後、再び水に分散させて固形分濃度10重量%の金属酸化物前駆体水酸化物分散液(A)を調製した。
【0078】
別途、以下のようにして銀微粒子分散液を調製した。
純水100gに、あらかじめクエン酸3ナトリウムを銀金属1重量部当たり0.01重量部となるように加え、これに金属換算で濃度が10重量%となるように硝酸銀を加え、さらに硝酸銀のモル数と等モル数の硫酸第一鉄の水溶液を添加し、窒素雰囲気下で1時間攪拌して銀微粒子の分散液を得た。得られた分散液は遠心分離器により水洗して不純物を除去した後、水に分散させて濃度4重量%の銀微粒子(M-1)分散液を調製した。銀微粒子(M-1)の平均粒子径は20nmであった。
【0079】
次いで、金属酸化物前駆体水酸化物分散液(A)100gに導電性金属酸化物粒子(すなわち酸化物換算)中の銀の含有量が0.05重量%となるように導電性向上成分として銀微粒子(M-1)分散液0.125gを添加し、超音波発生装置(海上電気(株)製:AUTOCHEDER-300,形式-5271)で27kHz、300Wの超音波を照射した。
【0080】
工程 ( )
超音波を照射した分散液を圧力容器に入れ、200℃で2時間水熱処理した。
工程 ( )
水熱処理した分散液を、温度100℃で噴霧乾燥して金属酸化物前駆体水酸化物粉体を調製した。
【0081】
工程 ( )
上記粉体を、窒素ガス雰囲気下、550℃で2時間加熱処理した。
工程 ( )
これを濃度が30重量%となるようにエタノールに分散させ、さらに硝酸水溶液でpHを3.5に調製した後、この混合液を30℃に保持しながらサンドミルで0.5時間粉砕してゾルを調製した。次いで、エタノールを加えて濃度20重量%の導電性金属酸化物(銀を含むスズドープ酸化インジウム)粒子(P-1)分散ゾルを調製した。
【0082】
得られた導電性金属酸化物粒子(P-1)について、SEM写真を撮影し20個の粒子について粒子径を測定しこの平均値を平均粒子径とした。結果を表1に示す。
【0083】
【実施例2】
導電性金属酸化物粒子( P-2 )分散ゾルの調製
実施例1において、導電性金属酸化物粒子中の銀の含有量が0.1重量%となるように導電性向上成分として銀微粒子(M-1)分散液0.25gを添加した以外は実施例1と同様にして濃度20重量%の導電性金属酸化物粒子(P-2)分散ゾルを調製した。
【0084】
得られた導電性金属酸化物粒子(P-2)の各平均粒子径を表1に示した。
【0085】
【実施例3】
導電性金属酸化物粒子( P-3 )分散ゾルの調製
実施例1において、導電性金属酸化物粒子中の銀の含有量が1.0重量%となるように導電性向上成分として銀微粒子(M-1)分散液2.5gを添加した以外は実施例1と同様にして濃度20重量%の導電性金属酸化物粒子(P-3)分散ゾルを調製した。
【0086】
得られた導電性金属酸化物粒子(P-3)の平均粒子径を表1に示した。
【0087】
【実施例4】
導電性金属酸化物粒子( P-4 )分散ゾルの調製
以下のようにして銀とパラジウムの合金微粒子(M-2)分散液を調製した。
純水100gに、あらかじめクエン酸3ナトリウムを銀とパラジウムの合計金属1重量部当たり0.01重量部となるように加え、これに金属換算で濃度が10重量%となり、銀とパラジウムの重量比が7/3となるように硝酸銀および硝酸パラジウム水溶液を加え、さらに硝酸銀および硝酸パラジウムの合計モル数と等モル数の硫酸第一鉄の水溶液を添加し、窒素雰囲気下で1時間攪拌して銀とパラジウムの合金微粒子の分散液を得た。得られた分散液は遠心分離器により水洗して不純物を除去した後、水に分散させて濃度4重量%の銀とパラジウムの合金微粒子(M-2)分散液を調製した。合金微粒子(M-2)の平均粒子径は20nmであった。
【0088】
次いで、合金微粒子(M-2)分散液を用いた以外は実施例2と同様にして濃度20重量%の導電性金属酸化物粒子(P-4)分散ゾルを調製した。
【0089】
【実施例5】
導電性金属酸化物粒子( P-5 )分散ゾルの調製
以下のようにして金微粒子(M-3)分散液を調製した。
メタノール・水混合溶媒(メタノール40重量部/60重量部)に、あらかじめポリビニルアルコールを金1重量部当たり0.01重量部となるように加え、分散液中の金微粒子の濃度が金属換算で2重量%となるように塩化金酸を添加し、次いで還流器付フラスコで90℃、窒素雰囲気下5時間加熱して、濃度4重量%の金微粒子(M-3)分散液を調製した。金微粒子(M-3)の平均粒子径は20nmであった。
【0090】
次いで、この金微粒子(M-3)分散液を用いた以外は実施例2と同様にして濃度20重量%の導電性金属酸化物粒子(P-5)分散ゾルを調製した。
【0091】
【比較例1】
導電性金属酸化物粒子( P-6 )分散ゾルの調製
硝酸インジウム79.9gを水686gに溶解して得られた溶液と、錫酸カリウム12.7gを濃度10重量%の水酸化カリウム溶液に溶解して得られた溶液とを調製し、これらの溶液を、50℃に保持された1000gの純水に2時間かけて添加した。この間、系内のpHを11に保持した。得られたSnドープ酸化インジウム水和物分散液からSnドープ酸化インジウム水和物を濾別・洗浄した後、乾燥し、次いで空気中で350℃の温度で3時間焼成し、さらに空気中で600℃の温度で2時間焼成することによりSnドープ酸化インジウム微粒子を得た。これを濃度が30重量%となるように純水に分散させ、さらに硝酸水溶液でpHを3.5に調製した後、この混合液を30℃に保持しながらサンドミルで、3時間粉砕してゾルを調製した。次に、このゾルをイオン交換樹脂で処理して硝酸イオンを除去し、純水を加えて濃度20重量%の導電性金属酸化物粒子(P-6)分散ゾルを調製した。
【0092】
【比較例2】
導電性金属酸化物粒子( P-7 )分散ゾルの調製
実施例1において、導電性金属酸化物粒子中の銀の含有量が5.0重量%となるように導電性向上成分として銀微粒子(M-1)分散液12.5gを添加した以外は実施例1と同様にして濃度20重量%の導電性金属酸化物粒子(P-7)分散ゾルを調製した。
【0093】
【比較例3】
導電性金属酸化物粒子( P-8 )分散ゾルの調製
比較例1で調製した導電性金属酸化物粒子(P-6)分散ゾルと、実施例1で調製した銀微粒子(M-1)分散液とを、導電性金属酸化物粒子(P-6)と銀微粒子(M-1)の固形分重量比が95/5となるように混合し、濃度20重量%の導電性金属酸化物粒子(P-8)分散ゾルを調製した。
【0094】
【表1】
Figure 0004033646
【0095】
【実施例6〜12、比較例4〜7】
a)透明導電性被膜形成用塗布液 (C-1) (C-7) (C-8) (C-11) の調製
正珪酸エチル(SiO2:28重量%)50g、エタノール194.6g、濃硝酸1.4gおよび純水34gの混合溶液を室温で5時間攪拌してSiO2濃度5重量%のマトリックス形成成分を含む液(A)を調製した。
【0096】
表1に示す(P-1)〜(P-8)の分散ゾルおよび(M-1)の分散液と、上記マトリックス形成成分を含む(A)液、水、t-ブタノール、ブチルセルソルブ、クエン酸およびN-メチル-2-ピロリドンから表2に示す透明導電性被膜形成用塗布液(C-1)〜(C-11)を調製した。
b)透明被膜形成用塗布液 (B) の調製
低屈折率粒子の調製(外殻層内部に空洞となっている粒子)
平均粒径5nm、SiO2濃度20重量%のシリカゾル10gと純水190gとを混合して反応母液を調製し、95℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2として1.5重量%のケイ酸ナトリウム水溶液24,900gと、Al23として0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液36,800gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を95℃に保持した。反応液のpHは、ケイ酸ナトリウムおよびアルミン酸ナトリウムの添加直後、12.5に上昇し、その後、ほとんど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のSiO2・Al23多孔質物質前駆体粒子の分散液(F)を調製した。
【0097】
次いで、この多孔質物質前駆体粒子の分散液(F)500gを採取し、純水1,700gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、ケイ酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂で脱アルカリして得られたケイ酸液(SiO2濃度3.5重量%)3,000gを添加して多孔質物質前駆体粒子表面にシリカ保護膜を形成した。得られた多孔質物質前駆体粒子の分散液を、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%に調整したのち、多孔質物質前駆体粒子の分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(35.5%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行ったのち、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離し、粒子前駆体分散液を調製した。
【0098】
上記粒子前駆体分散液1500gと、純水500g、エタノール1,750gおよび28%アンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO228重量%)104gを添加し、粒子前駆体表面にエチルシリケートの加水分解重縮合物でシリカ外殻層を形成することによって、外殻層内部に空洞を有する粒子を作製した。次いで、エバポレーターで固形分濃度5重量%まで濃縮した後、濃度15重量%のアンモニア水を加えてpH10とし、オートクレーブで180℃、2時間加熱処理し、限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の低屈折率粒子(LP)の分散液を調製した。
【0099】
得られた粒子の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、外殻層内部に空洞が形成された粒子であった。また、平均粒子径は96nm、屈折率は1.31であった。
上記マトリックス形成成分を含む(A)液に、エタノール/ブタノール/ジアセ トンアルコール/イソプロパノール(2:1:1:5重量混合比)の混合溶媒を加え、ついで上記低屈折率粒子(LP)の分散液を加え、マトリックス形成成分のSiO2濃度1重量%、低屈折率粒子の固形分濃度20重量%の透明被膜形成用塗布液(B)を調製した。
c)透明導電性被膜付パネルガラスの製造
ブラウン管用パネルガラス(17")の表面を45℃で保持しながら、スピナー 法で150rpm、90秒の条件で上記透明導電性被膜形成用塗布液(C-1)〜(C-11)をそれぞれ塗布し乾燥した。なお、導電性微粒子層の厚さは、実施例6〜12、比較例4〜6の場合200nmとなるように、また比較例7の場合は導電性微粒子層の厚さが30nmとなるように塗布し乾燥した。
【0100】
次いで、このようにして形成された透明導電性微粒子層上に、同じように、スピナー法で100rpm、90秒の条件で透明被膜形成用塗布液(B)を塗布・乾燥し、180℃で30分間焼成して透明導電性被膜付基材を得た。このとき透明被膜の厚さはいずれも250nmであった。
なお、これとは別に、ガラス基材上に厚さ250nm の透明被膜のみを形成し、透明被膜の屈折率を測定したところ1.40であり、透明被膜の屈折率は1.40であった。
【0101】
これらの透明導電性被膜付基材の表面抵抗を表面抵抗計(三菱油化(株)製:LORESTA)で測定し、ヘーズをヘーズコンピューター(日本電色(株)製:3000A)で測定した。透過率は分光光度計(日本分光(株)製:U-Vest560)で測定した。反射率は反射率計(大塚電子(株)製:MCPD-2000)を用いて測定し、波長400〜700nmの範囲で反射率が最も低い波長での反射率をボトム反射率、波長400〜700nmの範囲の平均反射率を視感反射率として表示した。
【0102】
また信頼性評価として、下記の方法によって、耐塩水性および耐酸化性の試験を実施した。
[耐塩水性] 濃度5重量%の食塩水溶液に、前記実施例および比較例で得た透明導電性被膜付基材片を、一部が食塩水溶液中に浸漬するように浸漬させ、24時間および48時間放置した後これを取り出し、未浸漬部位との色調の変化を観察した。
【0103】
[耐酸化性] 濃度2重量%の過酸化水素水溶液に、上記実施例および比較例で得た透明導電性被膜付基材片を、一部が過酸化水素水溶液中に浸漬するように浸漬させ、24時間放置した後これを取り出し、未浸漬部位との色調の変化を観察した。
Figure 0004033646
[表示性能]
上記で得た透明導電性被膜を形成したパネルガラスを用いて、表示装置を組立て、表示性能として画像および画像面から5mの距離にある蛍光灯の反射の程度(映り込み)および着色程度を観察し、以下の基準で評価した。
【0104】
◎:反射(映り込み)がなく、画像が鮮明であるもの
○:反射(映り込み)は弱く、画像は鮮明であるもの
△:反射(映り込み)も強く、画像の一部が不鮮明であるもの
×:反射(映り込み)が画像より鮮明であるもの
【0105】
【表2】
Figure 0004033646

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る導電性金属酸化物粒子の概略断面図を示す。

Claims (9)

  1. 酸化錫、S b 、FまたはPがドーピングされた酸化錫、酸化インジウム、S n Zn Zr またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、低次酸化チタンから選ばれる導電性金属酸化物からなり、平均粒子径が 2 200nm の範囲にある導電性金属酸化物粒子であって、
    該粒子中に、Au,Ag,Pd,Pt,Rh,Ru,Cu,Fe,Ni,Coから選ばれる1種または2種以上の元素の金属からなる該導電性向上成分を含み、かつ
    導電性金属酸化物粒子中の導電性向上成分の含有量が金属に換算して0.01〜1.5重量%の範囲にあることを特徴とする導電性金属酸化物粒子。
  2. 前記導電性金属酸化物がSn、Zn、ZrまたはFがドーピングされた酸化インジウムであることを特徴とする請求項1に記載の導電性金属酸化物粒子。
  3. 下記の工程(a)〜(e)からなることを特徴とする導電性金属酸化物粒子の製造方法:
    (a)酸化錫、S b 、FまたはPがドーピングされた酸化錫、酸化インジウム、S n Zn Zr またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、低次酸化チタンから選ばれる導電性金属酸化物の前駆体(水酸化物)粒子分散液(固形分濃度1〜30重量%)に、 u, g, d, t, h, u, u, e, i, o から選ばれる1種または2種以上の元素の金属からなる導電性向上成分微粒子を、金属換算で前記前駆体粒子(酸化物換算)に対して 0 01 1.5 重量%の量で添加し、混合する工程、
    (b)次いで、100〜250℃の範囲で水熱処理する工程、
    (c)得られた粒子分散液を乾燥する工程、
    (d)乾燥後の粉体を非酸化雰囲気下、400〜650℃の温度範囲で加熱処理する工程、(e)加熱処理した粉体を粉砕する工程。
  4. 請求項1または2に記載の導電性金属酸化物粒子と極性溶媒とをからなり、導電性金属酸化物微粒子を 0.1 7 重量%の量で含むことを特徴とする透明導電性被膜形成用塗布液。
  5. 前記極性溶媒の双極子モーメントが1.6〜5.0の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の透明導電性被膜形成用塗布液。
  6. 酸またはアルカリイオンを含むことを特徴とする請求項4または5に記載の透明導電性被膜形成用塗布液。
  7. 基材と、基材上の、請求項1または2に記載の前記導電性金属酸化物粒子を含む透明導電性微粒子層と、
    該透明導電性微粒子層上に設けられ、該透明導電性微粒子層よりも屈折率が低く、かつ50〜300 nm の膜厚の透明被膜と、
    からなることを特徴とする透明導電性被膜付基材。
  8. 前記透明被膜が、平均粒子径が5〜300nmの範囲にあり屈折率が1.45以下の低屈折率粒子を含むことを特徴とする請求項7に記載の透明導電性被膜付基材。
  9. 請求項7または8に記載の透明導電性被膜付基材で構成された前面板を備え、透明導電性被膜が該前面板の外表面に形成されていることを特徴とする表示装置。
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