JP4002435B2 - 透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材および表示装置 - Google Patents

透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材および表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、導電性高分子と無機酸化物粒子と極性溶媒とからなることを特徴とする透明導電性被膜形成用塗布液、該塗布液を用いて形成された透明導電性被膜付基材、該基材を備えた表示装置に関する。
さらに詳しくは、導電性高分子と無機酸化物粒子とを用いた透明導電性被膜が基材との密着性や耐擦傷性等に優れ、帯電防止性能、電磁波遮蔽性能に優れるとともに反射防止性能にも優れた透明導電性被膜の形成に使用可能な透明導電性被膜形成用塗布液、および該塗布液を用いて得られる透明導電性被膜付き基材、該基材を備えた表示装置に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来より、陰極線管、蛍光表示管、液晶表示板などの表示パネルのような透明基材の表面の帯電防止および反射防止を目的として、これらの表面に帯電防止機能および反射防止機能を有する透明被膜を形成することが行われていた。
また、陰極線管などから放出される電磁波が人体に影響を及ぼすことから従来の帯電防止、反射防止に加えてこれらの電磁波および電磁波の放出に伴って形成される電磁場を遮蔽することが望まれている。
【0003】
これらの電磁波などを遮蔽する方法の一つとして、陰極線管などの表示パネルの表面に電磁波遮断用の導電性被膜を形成する方法がある。しかし、従来の帯電防止用導電性被膜であれば表面抵抗が少なくとも107Ω/□程度の表面抵抗を 有していれば十分であるのに対し、電磁遮蔽用の導電性被膜では102〜104Ω/□のような低い表面抵抗を有することが必要であった。
【0004】
このように表面抵抗の低い導電性被膜を、従来のSbドープ酸化錫またはSnドープ酸化インジウムのような導電性酸化物を含む塗布液を用いて形成しようとすると、従来の帯電防止性被膜の場合よりも膜厚を厚くする必要があった。しかしながら、導電性被膜の膜厚は、10〜200nm程度にしないと反射防止効果は発現しないため、従来のSbドープ酸化錫またはSnドープ酸化インジウムのような導電性酸化物では、表面抵抗が低く、電磁波遮断性に優れるとともに、反射防止にも優れた導電性被膜を得ることが困難であるという問題があった。
【0005】
また、低表面抵抗の導電性被膜を形成する方法の一つとして、Agなどの金属微粒子を含む導電性被膜形成用塗布液を用いて基材の表面に金属微粒子含有被膜を形成する方法がある。この方法では、金属微粒子含有被膜形成用塗布液として、コロイド状の金属微粒子が極性溶媒に分散したものが用いられている。このような塗布液では、コロイド状金属微粒子の分散性を向上させるために、金属微粒子表面がポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンなどの有機系安定剤で表面処理されている。しかしながら、このような金属微粒子含有被膜形成用塗布液を用いて形成された導電性被膜は、被膜中で金属微粒子同士が安定剤を介して接触するため、粒界抵抗が大きく、被膜の表面抵抗が低くならないことがあった。このため、製膜後、400℃程度の高温で焼成して安定剤を分解除去する必要があるが、安定剤の分解除去をするため高温で焼成すると、金属微粒子同士の融着や凝集が起こり、導電性被膜の透明性やヘーズが低下するという問題があった。また、陰極線管などの場合は、高温に晒すと劣化してしまうという問題もあった。
【0006】
さらに従来のAg等の金属微粒子を含む透明導電性被膜では、金属が酸化されたり、イオン化による粒子成長したり、また場合によっては腐食が発生することがあり、塗膜の導電性や光透過率が低下し、表示装置が信頼性を欠くという問題があった。
そこで導電性酸化物微粒子または金属微粒子からなる導電性被膜上には通常反射防止性能を付与して表示性能を向上するために、あるいは導電性被膜を保護するために反射防止膜あるいは保護膜が形成されている。
【0007】
このときの反射防止膜の形成には、下層の導電性被膜よりも屈折率の低い被膜形成成分を含む反射防止膜形成用塗布液が用いられ、たとえば被膜形成成分としては、樹脂、有機ケイ素化合物の加水分解物やこれらに低屈折率粒子としてフッ化マグネシウムやシリカ粒子などが配合されて用いられている。
しかしながら、上記した導電性金属微粒子、導電性酸化物微粒子を用いた導電性被膜は可撓性がなく、またこのようなナノサイズのゾル粒子を用いると粒子によっては均一に分散できず、不安定で凝集して沈降することがあり、得られる導電性被膜の外観が低下(筋、傷の発生)したり、透明性が不充分となったりすることがあった。
【0008】
このため、特開2000−149661号公報に、導電性材料として導電性高分子を用いることで、当該導電性高分子が可撓性を有しているために、柔軟な基材に使用することが可能となることが提案されている。しかしながら、このような導電性高分子を用いると、基材との密着性が不充分であったり、耐擦傷性が低かったりするなどの問題点があった。また、基材の屈折率によっては充分な反射防止性能が得られない場合があった。
【0009】
さらに、特開2000−230152号公報には、導電性高分子層上にフルオロアルキルシランから誘導される保護膜を設けた陰極線管が開示されている。しかしながら、このようなフルオロアルキルシランから誘導された保護膜では、導電性高分子層との屈折率差が小さいために反射防止性能が充分ではないという問題点があった。
【0010】
さらにまた、特開2000−195334号公報には、酸化チタン粒子等の高屈折率粒子を含む導電性高分子層上にシリカゾルを塗布して、低屈折率膜を形成することが提案されている。しかしながら、このようなものではボトム反射率は低いものの、視感反射率(400〜700nmの範囲の平均反射率)が高目であるために目で感じる反射(映り込み)が強く感じられたり、反射色の色付きを抑えたりすることが困難であることがあった。
【0011】
このため、さらなる反射防止性能に優れた導電性被膜付基材の出現が求められていた。
【0012】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、102〜108Ω/□程度の低い表面抵抗を有し、優れた帯電防止性、電磁遮蔽性および反射防止性を併せ持つともに、基材との密着性に優れ、耐擦傷性にも優れた透明導電性被膜を形成しうる透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材および該基材を備えた表示装置を提供することを目的としている。
【0013】
【発明の概要】
本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液は、導電性高分子と屈折率が1.28〜1.42の範囲にある無機酸化物粒子と極性溶媒とからなることを特徴としている。
本発明に係る塗布液には、さらに、マトリックス形成成分を含んでいることが望ましい。
【0014】
本発明に係る透明導電性被膜付基材は、前記記載の透明導電性被膜形成用塗布液を用いて形成されてなることを特徴としている。
本発明に係る透明導電性被膜付基材は、導電性高分子と屈折率が1.5〜2.8の範囲にある無機酸化物粒子と極性溶媒とからなる透明導電性被膜形成用塗布液を用いて形成された透明導電層上に、屈折率が1.28〜1.42の範囲にある無機酸化物粒子を含む透明被膜が設けられていることを特徴としている。
【0015】
本発明に係る表示装置は、前記記載の透明導電性被膜付基材で構成された前面板を備え、該前面板の外表面に透明導電性被膜が形成されていることを特徴としている。
【0016】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
透明導電性被膜形成用塗布液
まず、本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液について説明する。
[導電性高分子]
本発明の透明導電性被膜形成用塗布液に用いる導電性高分子としては、帯電防止性、電磁遮蔽性を示す導電性高分子であれば従来公知の導電性高分子を用いることができ、具体的には、ポリチオフェン系樹脂、ポリピロール系樹脂、ポリアニリン系樹脂、ポリアセチレン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリセレノフェン系樹脂等の樹脂および、これらの混合物等が挙げられる。
【0017】
中でもポリチオフェン系樹脂、ポリピロール系樹脂は導電性が高く好ましい。
塗布液中の導電性高分子の濃度は0.01〜3重量%、さらには0.1〜2重量%の範囲にあることが好ましい。
塗布液中の導電性高分子の濃度が前記範囲未満の場合は、濃度が低すぎて得られる透明導電性被膜の膜厚が薄く充分な導電性が得られないことがある。
【0018】
塗布液中の導電性高分子の濃度が前記範囲を越えると、塗布ムラができたり、膜厚が厚すぎて透過率が低下したり、基材との密着性に劣ることがある。
[無機酸化物粒子]
本発明に用いる無機酸化物粒子としてはSiO2、Al23、ZrO2、SnO2等の酸化物粒子およびこれらの1種または2種以上からなる複合酸化物粒子が挙げられる。
【0019】
このような無機酸化物粒子は、平均粒子径が1〜300nm、さらには2〜200nmの範囲にあることが好ましい。
平均粒子径が前記範囲の下限未満の場合は、粒子が凝集する傾向にあり導電性高分子樹脂中に高分散できないことがあり、このため基材との密着性をかえって低下させることがある。平均粒子径が前記範囲の上限を越えると、膜形成性が低下したり、この場合も基材との密着性が低下することがあり、さらに通常採用する膜厚よりも大きく表面に凹凸ができる。
【0020】
前記無機酸化物粒子は屈折率が1.28〜1.42、さらには1.30〜1.40の範囲にあることが好ましい。
屈折率が1.28未満の無機酸化物粒子は、得ることが困難であり、屈折率が1.42を越えると、得られる透明導電性被膜の屈折率があまり低下せず、用いる基材の屈折率によっては双方の屈折率差が小さく、たとえば屈折率差が0.03以内と小さい場合は反射防止性能が不充分となることがある。
【0021】
無機酸化物粒子の屈折率が上記範囲にあれば、別に反射防止用の透明被膜を設けることなく反射防止性能に優れた透明導電性被膜付基材を得ることができる。
このような無機酸化物粒子としては屈折率が上記範囲にあれば特に制限はなく従来公知の無機酸化物粒子を用いることができる。
なかでも、本願出願人の出願による特開平7−133105号公報に開示したシリカ系微粒子、WO00/37359号公報に開示したシリカ系微粒子は屈折率が1.40以下と低く、特に内部に空洞を有するシリカ系微粒子屈折率が低く、このようなシリカ系微粒子を用いて得られる透明導電性被膜付基材は反射防止性能に優れ、視感反射率が低く、このため目で感じる反射(映り込み)は弱く、反射色の色付きを抑えることができる。
【0022】
さらに、前記無機酸化物粒子は、塗布液中での分散性、導電性高分子との親和性等を向上させるためにシランカップリング剤等で表面処理して用いることができる。
シランカップリング剤としては従来公知のシランカップリング剤を用いることができ、たとえば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0023】
表面処理方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、たとえば、無機酸化物粒子分散液にシランカップリング剤を添加し、必要に応じて加熱したり、硝酸などの酸を添加したりして処理することができる。
塗布液中の無機酸化物粒子の濃度は導電性高分子の濃度にもよるが、0.0001〜1.5重量%、さらには0.005〜1.2重量%の範囲にあることが好ましい。
【0024】
また、塗布液中の無機酸化物粒子の重量(WP)と導電性高分子の重量(WR)との重量比(WP)/(WR)は0.01〜0.5、さらには0.05〜0.4の範囲にあることが好ましい。
この重量比(WP)/(WR)が前記範囲の下限未満の場合は、得られる透明導電性被膜中の無機酸化物粒子が少なく、充分な基材との密着性や、耐擦傷性が得られないことがある。また、重量比(WP)/(WR)が前記範囲の上限を越えると、無機酸化物粒子が多すぎて基材との密着性が低下することがあり、また用いる無機酸化物粒子が絶縁性微粒子の場合は導電性が不充分となることがあり、このため充分な帯電防止性能や電磁波遮蔽性能が得られないことがある。
【0025】
透明導電性被膜形成用塗布液中の固形分濃度(導電性高分子と無機酸化物粒子の重量、なお後述するマトリックス形成成分、カーボン微粒子、染料、顔料などの添加剤を含む場合はそれらを加えた総量)は、塗布液の流動性、塗布液中の導電性高分子と無機酸化物粒子など粒状成分の分散性などの点から、10重量%以下、好ましくは0.15〜5重量%であることが好ましい。
【0026】
このような透明導電性被膜形成用塗布液には、前記導電性高分子および無機酸化物微粒子以外に微粒子カーボン、染料、顔料など着色剤が含まれていてもよい。
これらの微粒子カーボンなどの平均粒径は、前記無機酸化物粒子と同様の範囲にあることが好ましい。
【0027】
微粒子カーボンなど着色剤の含有量は、前記導電性高分子1重量部当たり、0.5重量部以下、好ましくは0.2重量部以下の量で含まれていればよい。微粒子カーボンなどが0.5重量部を超える場合は、透過率が低くなり過ぎることがあり、また得られる透明導電性被膜の厚さが不均一になるとともに導電性が低下し電磁波遮蔽効果が低下することがあるので好ましくない。
【0028】
本発明に係る透明低反射導電性被膜形成用塗布液には、被膜形成後の導電性高分子、無機酸化物粒子と基材との間のバインダーとして作用するマトリックス形成成分が含まれていてもよい。このようなマトリックス形成成分としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ハイドロキシプロピルセルロース等の水溶性高分子あるいは下記シリカ系のマトリックス形成成分が好ましい。
【0029】
シリカ系のマトリックス形成成分として具体的には、下記式[1]で表されるアルコキシシランなどの有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物またはアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を脱アルカリして得られるケイ酸重縮合物などが挙げられる。このマトリックス形成成分は、前記導電性高分子と無機酸化物粒子の合計重量1重量部当たり、固形分として0.01〜0.5重量部、好ましくは0.03〜0.3重量部の量で含まれていればよい。
【0030】
aSi(OR')4-a [1]
(式中、Rはビニル基、アリール基、アクリル基、炭素数1〜8のアルキル基、水素原子またはハロゲン原子であり、R'はビニル基、アリール基、アクリル基、炭系数1〜8のアルキル基、−C24OCn2n+1(n=1〜4)または水素 原子であり、aは1〜3の整数である。)
このようなアルコキシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメトキシメチル-3,3,3-トリフルオロプロピルシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0031】
上記のアルコキシシランの1種または2種以上を、たとえば水−アルコール混合溶媒中で酸触媒の存在下、加水分解すると、アルコキシシランの加水分解重縮合物であるマトリックス形成成分分散液が得られる。このようなマトリックス形成成分分散液に導電性高分子と無機酸化物粒子を分散させることによってマトリックス形成成分を含む透明導電性被膜形成用塗布液が得られる。
[極性溶媒]
本発明で用いられる極性溶媒としては、
水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
【0032】
第1の透明導電性被膜付基材
次に、本発明に係る透明導電性被膜付基材について具体的に説明する。
本発明に係る第1の透明導電性被膜付基材では、ガラス、プラスチック、セラミックなどからなるフィルム、シートあるいはその他の成形体などの基材上に、前記した本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液を用いて導電層が形成されている。
【0033】
[導電層の形成]
導電層は、前記した本発明に係る導電性被膜形成用を使用して形成することができる。
導電層を形成する方法としては、たとえば、前記透明導電性被膜形成用塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法などの方法で、基材上に塗布したのち、常温〜約90℃の範囲の温度で乾燥する。
【0034】
透明導電性被膜形成用塗布液中に上記のようなマトリックス形成成分が含まれている場合には、マトリックス前駆体の硬化処理を行ってもよい。
たとえば、透明導電性被膜形成用塗布液を塗布して形成した被膜を、乾燥時、または乾燥後に、150℃以上で加熱するか、未硬化の被膜に可視光線よりも波長の短い紫外線、電子線、X線、γ線などの電磁波を照射するか、あるいはアンモニアなどの活性ガス雰囲気中に晒してもよい。このようにすると、被膜形成成分の硬化が促進され、得られる被膜の硬度が高くなる。
【0035】
上記のような方法によって形成された透明導電性被膜の膜厚は5〜200nm、さらには10〜150nmの範囲が望ましく、この範囲の膜厚であれば帯電防止性および電磁遮蔽性に優れ、基材との密着性にも優れた透明導電性被膜付基材を得ることができる。
また、本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液を用いて形成された第1の透明導電性被膜付基材は、導電性被膜の屈折率が概ね1.3〜1.45の範囲にあり、反射防止性能にも優れている。さらに、透明導電性被膜が導電性高分子を含んで構成されているので可撓性を有し、プラスチック基材なども好適に採用でき、この場合は加工性にも優れている。
【0036】
第2の透明導電性被膜付基材
本発明に係る第2の透明導電性被膜付基材は、導電性高分子と屈折率が1.5〜2.8の範囲にある無機酸化物粒子Aと極性溶媒とからなる透明導電性被膜形成用塗布液を用いて形成された透明導電層上に、屈折率が1.28〜1.42の範囲にある無機酸化物粒子Bを含む透明被膜が設けられていることを特徴としている。無機酸化物粒子AとBとの間の屈折率差は0.1〜1.5、好ましくは0.3〜1.2の範囲にあることが望ましい。
【0037】
基材としては、前記第1の透明導電性被膜付基材で例示したものと同様に、ガラス、プラスチック、セラミックなどからなるフィルム、シートあるいはその他の成形体などが好適に使用される。
[導電層の形成]
導電層は、以下に示す第2の導電性被膜形成用塗布液を使用して形成することができる。
【0038】
透明導電性微粒子層を形成する方法としては、たとえば、塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法などの方法で、基材上に塗布したのち、常温〜約90℃の範囲の温度で乾燥する。
第2の透明導電性被膜形成用塗布液には、屈折率が1.5〜2.8、さらには1.7〜2.7の範囲にある無機酸化物粒子と、前記したような導電性高分子を含む。
【0039】
このような無機酸化物粒子としては、ZrO2、TiO2、Al23、SnO2、In23、Sb25、MgO等の他これらの2種以上からなる複合酸化物、さらにSiO2など屈折率が1.5未満の酸化物であってもこれを複合化して屈折率が1.5〜2.8の複合酸化物粒子などが挙げられる。
特に、導電性を有するものが好適であり、SnドープIn23、SnドープSb25等は導電性が高いので好適である。
【0040】
なお、第2の透明導電性被膜形成用塗布液は、このような屈折率が1.5〜2.8の範囲にある無機酸化物粒子を用いる以外は前記した本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液と使用される導電性高分子、任意で含んでいてもよいマトリックス形成成分、カーボン微粒子、染料、顔料などの添加剤の種類、量はこのような透明導電性被膜形成用塗布液には、前記透明導電性被膜形成用塗布液と同様である。
【0041】
本発明の第2の透明導電性被膜形成用塗布液を用いて得られる透明導電性被膜は屈折率が高く、概ね1.50〜2.50の範囲にある。
透明導電性被膜形成用塗布液中に上記のようなマトリックス形成成分が含まれている場合には、マトリックス形成成分の硬化処理を行ってもよい。たとえば、前記第1の透明導電性被膜付基材で例示した方法が採用される。
【0042】
上記のような方法によって形成された透明導電性被膜の膜厚は5〜200nm、さらには10〜150nmの範囲が望ましく、この範囲の膜厚であれば帯電防止性および電磁遮蔽性に優れ、基材との密着性にも優れた透明導電性被膜付基材を得ることができる。透明導電性被膜が導電性高分子を含んで構成されているので可撓性を有し、プラスチック基材なども好適に採用でき、この場合は加工性にも優れている。
【0043】
このような透明導電性被膜上に以下のように屈折率の低い透明被膜(以下、反射防止膜、保護膜、ハードコート膜等ということがある)を形成すると、基材の屈折率がたとえば1.5以下と低い場合であっても得られる透明導電性被膜付基材は反射防止性能に優れ、視感反射率が低く、このため目で感じる反射(映り込み)は弱く、反射色の色付きを抑えることができる。また、耐擦傷性の高い透明導電性被膜付基材が得られる。
[透明被膜の形成]
本発明に係る第2の透明導電性被膜付基材では、透明導電性被膜の上に、該透明導電性被膜よりも屈折率の低い透明被膜が形成されている。
【0044】
透明被膜は、マトリックス形成成分と屈折率が1.28〜1.42の範囲にある無機酸化物粒子を含む被膜形成用塗布液を用いて形成される。
マトリックス形成成分としては前記した透明導電性被膜形成用塗布液と同じものを用いることができる。
屈折率が1.28〜1.42の範囲にある無機酸化物粒子としては、前記本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液で例示したものと同様のものが使用される。
【0045】
このような無機酸化物粒子を用いると、得られる透明導電性被膜付基材は、ボトム反射率および視感反射率が低く、優れた反射防止性能を発揮することができる。
塗布液中の無機酸化物粒子の使用量は、透明被膜中の無機酸化物粒子の含有量が酸化物に換算して、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲となるように用いることが望ましい。
【0046】
さらに、上記透明被膜形成用塗布液には、フッ化マグネシウムなどの低屈折率材料で構成された微粒子、透明被膜の透明度および反射防止性能を阻害しない程度に少量の導電性微粒子および/または染料または顔料などの添加剤が含まれていてもよい。
透明被膜の形成方法としては、前記透明被膜形成用塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法などの湿式薄膜形成方法を採用することができる。透明導電性被膜上に塗布したのち、マトリックス形成成分の硬化処理を行ってもよい。
【0047】
硬化処理としては、このような透明被膜形成用塗布液を塗布して形成した被膜を、乾燥時、または乾燥後に、150℃以上で加熱するか、未硬化の被膜に可視光線よりも波長の短い紫外線、電子線、X線、γ線などの電磁波を照射するか、あるいはアンモニアなどの活性ガス雰囲気中に晒してもよい。
このようにすると、マトリックス形成成分の硬化が促進され、得られる被膜の硬度が高く、耐擦傷性に優れた第2の透明導電性被膜付基材を得ることができる。
【0048】
このときの透明被膜の膜厚は、50〜300nm、好ましくは80〜200nmの範囲にあることが好ましい。
透明被膜の膜厚が50nm未満の場合は、膜の強度や反射防止性能が劣ることがある。
透明被膜の膜厚が300nmを越えると、膜にクラックが発生したり膜の強度が低下することがあり、また膜が厚すぎて反射防止性能が不充分となることがある。
【0049】
なお、第2の透明導電性被膜形成用塗布液を用いて形成された第2の透明導電性被膜付基材は、導電性被膜の屈折率が概ね1.5〜2.5の範囲にあり、該導電性被膜上に形成された透明被膜の屈折率が概ね1.35〜1.45の範囲にあり、導電性被膜と透明被膜の屈折率差が0.05以上あるので、得られる第2の透明導電性被膜付基材は反射防止性能に優れ、視感反射率が低く、このため目で感じる反射(映り込み)は弱く、反射色の色付きを抑えることができる。
【0050】
表示装置
本発明に係る透明導電性被膜付基材は、帯電防止、電磁遮蔽に必要な102〜108Ω/□の範囲の表面抵抗を有し、また可視光領域および近赤外領域で充分な反射防止性能を有し、このため透明低反射導電性被膜付基材は、表示装置の前面板として好適に用いられる。
【0051】
本発明に係る表示装置は、ブラウン管(CRT)、蛍光表示管(FIP)、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶用ディスプレイ(LCD)などのような電気的に画像を表示する装置であり、上記のような透明導電性被膜付基材で構成された前面板を備えている。
従来の前面板を備えた表示装置を作動させると、前面板に画像が表示されると同時に電磁波が前面板から放出され、この電磁波が観察者の人体に影響を及ぼすが、本発明に係る表示装置では、前面板が102〜104Ω/□の表面抵抗を有する透明導電性被膜付基材で構成されている場合は、このような電磁波、およびこの電磁波の放出に伴って生じる電磁場を効果的に遮蔽することができる。
【0052】
また、前面板が104〜108Ω/□の表面抵抗を有する透明導電性被膜付基材で構成されている場合は、優れた帯電防止性を発揮する。
また、表示装置の前面板で反射光が生じると、この反射光によって表示画像が見にくくなるが、本発明に係る表示装置では、前面板が可視光領域および近赤外領域で充分な反射防止性能を有する透明導電性被膜付基材で構成されているので、このような反射光を効果的に防止することができる。
【0053】
さらに、表示装置の前面板が、本発明に係る透明導電性被膜付基材で構成され、この透明低反射導電性被膜に少量の微粒子カーボン、染料または顔料が含まれている場合には、これらの微粒子カーボン、染料または顔料がそれぞれ固有な波長の光を吸収し、これによりたとえばブラウン管から放映される表示画像のコントラストを向上させることができる。
【0054】
また、表示装置の前面板が本発明に係る第2の透明導電性被膜付基材で構成されている場合は、硬度の高い透明被膜(保護膜)が形成されているので耐擦傷性に優れている。
【0055】
【発明の効果】
本発明による第1の透明導電性被膜形成用塗布液を用いると、透明低反射導電性被膜形成用塗布液には導電性高分子と無機酸化物粒子が含まれているので、この塗布液を基材上に塗布し、乾燥して得られる透明導電性被膜は、帯電防止性、電磁遮蔽性を有し、基材との密着性に優れ、可撓性を有するとともに膜の強度が高く、屈折率が低いので反射防止性能に優れている。また基材がプラスチック等の場合は加工性にも優れている。
【0056】
本発明による第2の透明導電性被膜形成用塗布液を用いると、透明低反射導電性被膜形成用塗布液には導電性高分子と、所定の屈折率の無機酸化物粒子が含まれているので、この塗布液を基材上に塗布し、乾燥して得られる透明導電性被膜は、帯電防止性、電磁遮蔽性を有し、基材との密着性に優れ、膜の強度にも優れている。
【0057】
さらに、得られる第2の透明導電性被膜付基材は透明導電性被膜上に透明導電性被膜より屈折率の低い透明被膜が形成されているので、耐擦傷性に優れるとともに基材の屈折率が低い場合であっても反射防止性能に優れている。
このような透明導電性被膜付基材を表示装置の前面板として用いれば、帯電防止性、電磁遮蔽性に優れるとともに反射防止性にも優れた表示装置を得ることができる。
【0058】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0059】
【製造実施例】
導電性高分子 (A-1) 分散液の調製
メタノール130重量部に塩化第二鉄6水和物(和光純薬(株)製)50重量部を溶解させた。この溶液に3−ヘキシチオフェン(東京化成(株)製)20重量部を添加し、−20℃にて10時間反応させ液状の導電性高分子を得た。ついで、イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SMNUPB)を用いて脱イオンを行い、さらにメタノールで希釈して濃度5重量%のポリチオフェン導電性高分子(A-1)分散液を得た。導電性高分子(A-1)の体積固有抵抗値は室温で6.5×102Ω・cmであった。
【0060】
導電性高分子 (A-2) 分散液の調製
ガラス製反応容器に純水50ml、パラトルエンスルホン酸30mmol、アニリン1.00Ggを入れ0℃で混合した。この溶液に重クロム酸アンモニウム0.85gと22mmolのパラトルエンスルホン酸を含む水溶液を滴下し、0℃で2時間攪拌した。濃緑色の生成物を洗浄および乾燥してパラトルエンスルホン酸をドーパントとするポリアニリン粉末を調製した。このポリアニリン粉末を濃度15重量%のアンモニア水溶液中に分散させ、60分間脱ドーピングして洗浄、および乾燥して中性のポリアニリンを得た。次に、中性のポリアニリンを10mlの硫酸と共に室温で攪拌して溶解し、濃い青色の溶液を得た。得られた上記のろ液をイオン交換樹脂(三菱化学製 SMNUPB)を用いて脱塩を行い、ついで濃縮し、濃度5重量%のポリスルホアニリン導電性高分子(A-2)分散液を得た。導電性高分子(A-2)の体積固有抵抗は室温で1.1×102Ω・cmであった。
【0061】
マトリックス形成成分液 (B-1) の調製
正珪酸メチル(多摩化学(株)製:メチルシリケート51)1.57gにエタノール7.21g添加し、ついで純水7.12gと濃度61重量%の硝酸を0.12g添加し、室温で1時間攪拌し、SiO2換算で濃度5重量%のマトリックス形成成分液(B-1)を調製した。
【0062】
マトリックス形成成分液 (B-2) の調製
有機ケイ素化合物として ジメトキシメチル-3,3,3-トリフルオロ-プロピルシラン(信越シリコーン(株)製:LS-1080)1.68gにエタノールを27.93g添加し、これに純水2.5gと濃度61重量%の硝酸を0.05g添加し、60℃で2時間攪拌し、固形分として濃度5重量%のマトリックス形成成分液(B-2)を調製した。
【0063】
マトリックス形成成分液 (B-3) の調製
光を遮断する為に、銀薄紙で包んだビーカーに、ジペンタエリスリトルヘキサアクリレート40g、ペンタエリスリトリアクリレート20gおよびN-ビニルピロリドン5gを添加した後、ブチルアセテート30gおよびイソプロピルアルコール30gを入れて攪拌機で30分間攪拌し、ついでイソプロピルアルコールで希釈して固形分濃度5重量%のマトリックス形成成分液(B-3)を調製した。
【0064】
無機酸化物粒子 (C-1) 分散液
平均粒径5nm、SiO2濃度20重量%のシリカゾル10gと純水190gとを混合して反応母液を調製し、95℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2として1.5重量%のケイ酸ナトリウム水溶液24,900gと、Al23として0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液36,800gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を95℃に保持した。反応液のpHは、ケイ酸ナトリウムおよびアルミン酸ナトリウムの添加直後、12.5に上昇し、その後、ほとんど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のSiO2・Al23多孔質物質前駆体粒子の分散液(F)を調製した。
【0065】
ついで、この多孔質物質前駆体粒子の分散液(F)500gを採取し、純水1,700gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、ケイ酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂で脱アルカリして得られたケイ酸液(SiO2濃度3.5重量%)3,000gを添加して多孔質物質前駆体粒子表面にシリカ保護膜を形成した。得られた多孔質物質前駆体粒子の分散液を、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%に調整したのち、多孔質物質前駆体粒子の分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(35.5%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行ったのち、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離し、粒子前駆体分散液を調製した。
【0066】
上記粒子前駆体分散液1500gと、純水500g、エタノール1,750gおよび28%アンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO228重量%)104gを添加し、粒子前駆体表面にエチルシリケートの加水分解重縮合物でシリカ外殻層を形成することによって、外殻層内部に空洞を有する粒子を作製した。ついで、エバポレーターで固形分濃度5重量%まで濃縮した後、濃度15重量%のアンモニア水を加えてpH10とし、オートクレーブで180℃、2時間加熱処理し、限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の低屈折率粒子(C-1)の分散液を調製した。
【0067】
無機酸化物粒子 (C-2) 分散液
無機酸化物粒子としてシリカゾル(触媒化成工業(株)製:SI-550、平均粒子径5nm)を水で濃度5重量%に希釈して無機酸化物粒子(C-2)分散液とした。
無機酸化物粒子 (C-3) 分散液
硝酸インジウム79.9gを水686gに溶解して得られた溶液と、錫酸カリウム12.7gを濃度10重量%の水酸化カリウム溶液に溶解して得られた溶液 とを調製し、これらの溶液を、50℃に保持された1000gの純水に2時間かけて添加した。この間、系内のpHを11に保持した。得られたSnドープ酸化イン ジウム水和物分散液からSnドープ酸化インジウム水和物を濾別・洗浄した後、乾燥し、ついで空気中で350℃の温度で3時間焼成し、さらに空気中で600℃の温度で2時間焼成することによりSnドープ酸化インジウム微粒子を得た。 これを濃度が30重量%となるように純水に分散させ、さらに硝酸水溶液でpHを3.5に調製した後、この混合液を30℃に保持しながらサンドミルで、4時間粉砕してゾルを調製した。次に、このゾルをイオン交換樹脂で処理して硝酸イオンを除去し、純水を加えて表1に示す濃度のSnドープ酸化インジウム微粒子(C-3)の分散液を調製した。
【0068】
無機酸化物粒子の屈折率の測定方法
(1)マトリックス形成成分液(B-1)と無機化合物粒子(C-1)とを、酸化物換算の重量比(マトリックス(SiO2):無機化合物粒子(MOx+SiO2))が、それぞれ100:0、90:10、80:20、60:40、50:50、25:75となるように、混合した屈折率測定用塗布液を調製した。
(2)各塗布液を、表面を50℃に保ったシリコンウェハー上に300rpm、スピナー法で各々塗布し、ついで160℃で30分加熱処理した後、エリプソメーターで形成した屈折率測定用被膜の屈折率を測定した。
(3)ついで、得られた屈折率と粒子混合割合(粒子:(MOx+SiO2)/[粒子:(MOx+SiO2)+マトリックス:SiO2})をプロットし、外挿によって粒子が100%のときの屈折率を求める。
(4)空隙率は、求めた屈折率を用いて、純粋なSiO2の屈折率(1.45)との差から、空気に換算して含まれている空隙を算出して求めた。
【0069】
【実施例1〜4、参考例1および2、比較例1〜3】
透明導電性被膜形成用塗布液 (L-1) (L-9) の調製
上記導電性高分子(A-1)、(A-2)分散液、マトリックス形成成分液(B-1)〜(B-3)、無機酸化物粒子(C-1)、(C-2)分散液およびイソプロピルアルコール/水(7:3重量比)の混合溶媒とを、各成分の組成比が表1のようになるように混合して透明導電性被膜形成用塗布液(L-1)〜(L-9)を調製した。
【0070】
透明被膜形成用塗布液 (M) の調製
マトリックス形成成分液(B-1)、無機酸化物粒子(C-1)分散液およびイソプロピルアルコール/水(7:3重量比)の混合溶媒とを、各成分の組成比が表1のようになるように混合して透明被膜形成用塗布液(M)を調製した。
透明導電性被膜付パネルガラスの製造(実施例1 , , , 6、比較例1と2)
ブラウン管用パネルガラス(17")の表面を45℃に保持しながら、スピナー法で200rpm、100秒の条件で上記透明導電性被膜形成用塗布液(L-1)、(L-2)、(L-4)、(L-6)、(L-7)、(L-8)をそれぞれ塗布し乾燥した。ついで、各々160℃で5分間焼成して透明導電性被膜付基材を得た。
【0071】
これらの透明導電性被膜付基材の表面抵抗を表面抵抗計(三菱油化(株)製:LORESTA)で測定し、ヘーズをへーズコンピューター(日本電色(株)製:3000A)で測定した。透過率は日本分光(株)製:U-Vest560で測定した。
反射率は反射率計(大塚電子(株)製:MCPD-2000)を用いて測定し、波長400〜700nmの範囲における平均反射率を視感反射率として表示した。
【0072】
結果を表2に合わせて示す。
透明導電性被膜付パネルガラスの製造(実施例5)
ブラウン管用パネルガラス(17")の表面を45℃に保持しながら、スピナー法で200rpm、100秒の条件で上記透明導電性被膜形成用塗布液(L-5)を塗布し乾燥したのち、さらに同条件で透明被膜形成用塗布液(M)を塗布し乾燥した。ついで、160℃で5分間焼成して透明導電性被膜付基材を得た。
【0073】
得られた透明導電性被膜付基材の表面抵抗、透過率、反射率は上記と同様にして評価した。(なお、実施例5では透明被膜が形成されたパネルガラスについて評価した。)
結果を表2に合わせて示す。
透明導電性被膜付樹脂基材の製造 ( 実施例3と比較例3 )
PETフィルム(屈折率1.66)に、バーコーター法で上記透明導電性被膜形成用塗布液(L-3)、(L-9)をそれぞれ塗布し、70℃で1分間乾燥した。
【0074】
ついで、高圧水銀灯(10000mj/cm2)を1分間照射して硬化させ、透明導電性被膜付基材を得た。
これらの透明導電性被膜付基材の表面抵抗、透過率、反射率は上記と同様にして評価した。
結果を表2に合わせて示す。
【0075】
密着性の評価
上記のようにして形成した透明導電性被膜をカッターナイフで縦横各11本の線引きにより100個の升目を作り、これにセロテープ(R)を貼り、ついで剥離したときにセロテープ(R)に付着して剥離した透明導電性被膜の升目の数により、以下の基準で評価した。
【0076】
剥離した升目の数が0個 :◎
剥離した升目の数が1〜3個 :○
剥離した升目の数が4〜10個 :△
剥離した升目の数が11個以上 :×
耐擦傷性の評価
消しゴム(ライオン(株)製:GAZA 1K)を被膜上に置き、1Kgの加重を掛けて50往復させた後の傷のつき方を観察し、以下の基準で評価した。
【0077】
全く傷が認められない :◎
僅かに傷が認められる :○
明瞭に傷が認められる :△
膜の大部分が剥離している :×
結果を表2に合わせて示す。
【0078】
【表1】
Figure 0004002435
【0079】
【表2】
Figure 0004002435

Claims (3)

  1. 導電性高分子と、屈折率が1.28〜1.42の範囲にあり、内部に空洞を有するシリカ系微粒子と、極性溶媒とからなり、塗布液中のシリカ系微粒子の重量 (WP) と導電性高分子の重量 (WR) との重量比 (WP)/(WR) 0.01 0.5 の範囲にあり、導電性高分子の濃度が 0.01 〜3重量%の範囲にあり、さらに、マトリックス形成成分を含むことを特徴とする透明導電性被膜形成用塗布液。
  2. 請求項1に記載の透明導電性被膜形成用塗布液を用いて形成されてなる透明導電性被膜付基材。
  3. 請求項2に記載の透明導電性被膜付基材で構成された前面板を備え、該前面板の外表面に透明導電性被膜が形成されていることを特徴とする表示装置。
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