JP2006257407A - 硬化性樹脂組成物、硬化膜、反射防止フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量平均分子量が300〜10000であるオルガノシランの加水分解物および縮合反応物の少なくともいずれか1種(A)、ポリスチレン換算による質量平均分子量が5000以上であって、フルオロアルキル構造およびポリシロキサン構造を有する含フッ素化合物(B)、及び平均粒径5nm〜100nmの無機微粒子(C)を含有する硬化性樹脂組成物から形成される反射防止フィルム。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3にはバインダー中に微小空孔を形成させることで屈折率を低下させようという試みがある。これらはいずれも膜強度や指紋汚れや油性マジックの拭き取り性等の点で実用的に満足できるものではなかった。
また、該硬化膜を用いた反射防止フィルムを提供し、該反射防止フィルムを用いた偏光板、画像表示装置を提供することである。
1.エチレングリコール換算による質量平均分子量が300〜10000であるオルガ
ノシランの加水分解物及び縮合反応物の少なくともいずれか1種(A)、
ポリスチレン換算による質量平均分子量が5000以上であって、フルオロアルキル構造およびポリシロキサン構造を有する含フッ素化合物(B)、及び
平均粒径5nm〜100nmの無機微粒子(C)、
を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
2.前記無機微粒子が、内部及び表面の少なくともいずれかに平均孔径0.01nm〜90nmの空孔を有することを特徴とする前記1記載の硬化性樹脂組成物。
3.エチレングリコール換算による質量平均分子量が300〜10000であるオルガノシランの加水分解物及び縮合反応物の少なくともいずれか1種(A)、
ポリスチレン換算による質量平均分子量が5000以上であって、フルオロアルキル構造およびポリシロキサン構造を有する含フッ素化合物(B)、及び
一般式R4COCH2COR5(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表される溶剤(D)、
を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
4.前記硬化性樹脂組成物において、平均粒径5nm〜100nmの無機微粒子(C)が、内部及び表面の少なくともいずれかに平均孔径0.01nm〜90nmの空孔を有する粒子であることを特徴とする前記1に記載の硬化性樹脂組成物。
5.前記無機微粒子の吸着水量が6.1質量%以下であることを特徴とする前記1、2又は4に記載の硬化性樹脂組成物。
6.前記無機微粒子が、核粒子を導電性物質又はその前駆体で表面処理してなることを特徴とする前記1、2、4又は5に記載の硬化性樹脂組成物。
7.硬化樹脂組成物中のフッ素原子含有量が、5〜60質量%であることを特徴とする前記1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
8.さらに、架橋性化合物を含有していることを特徴とする前記1〜7のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
9.さらに、酸発生剤を含有していることを特徴とする前記1〜8のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
10.前記1〜9のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を熱及び電離放射線の少なくともいずれかの手段で硬化させて得られる硬化膜。
11.X線光電子分光法により測定した、硬化膜表面のシリコン原子(Si)とフッ素原子(F)のピーク強度比(Si/F)が0.03〜1であることを特徴とする前記10記載の硬化膜。
12.前記10または11記載の硬化膜を有することを特徴とする反射防止フィルム。
13.透明支持体の片面に直接または他の層を介して下記(i)のモノマーに相当する繰り返し単位及び下記(ii)のモノマーに相当する繰り返し単位を含むフルオロ脂肪族基含有共重合体を含有する塗布組成物からなるハードコート層の表面に反射防止層が積層され、かつ該反射防止層が前記10または11記載の硬化膜により形成されたものであることを特徴とする反射防止フィルム。
(i)下記一般式[1]で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマー
(ii)下記一般式[2]で表されるモノマー
一般式[1]
(一般式[1]において、R0は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、Lは2
価の連結基を表し、nは1以上18以下の整数を表す。)
一般式[2]
(一般式[2]において、R1は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、L1は2価の連結基を表し、Yは環状化合物を有する置換基を表す。)
14.ハードコート層の表面が凸凹形状となっており光防眩性を有することを特徴とする前記13記載の反射防止フィルム。
15.前記反射防止フィルムの表面を水に15分間接触させた後に拭き取った部分の、D65標準光源下で測定したCIE1976L*a*b*色空間における色度変化△Eが0.45以下であることを特徴とする前記13または14に記載の反射防止フィルム。
16.前記13〜15のいずれかに記載の反射防止フィルムを、偏光膜の保護フィルムの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
17.前記13〜15のいずれかに記載の反射防止フィルムを、偏光膜の保護フィルムの一方に、光学異方性のある光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムのもう一方に用いたことを特徴とする偏光板。
18.前記13〜15のいずれかに記載の反射防止フィルム、あるいは前記16または17に記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
19.画像表示装置が、TN、STN、IPS、VA及びOCBの何れかのモードの透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置であることを特徴とする前記18に記載の画像表示装置。
さらにこれら反射防止フィルムを用いることにより、上記特徴を保持した偏光板用保護フィルム、偏光板、及び画像表示装置を提供することができる。
本発明の反射防止フィルムは、透明支持体上に、オルガノシランの加水分解物およびその縮合反応物の少なくともいずれかと含フッ素化合物を含有する層を有することを特徴とするものである。以下、本発明の反射フィルムを構成する各層について詳細に説明する。
解物及び縮合反応物の少なくともいずれか1種を指し、加水分解物、縮合反応物、及びこれらの混合物でもよい。また、構成成分(A)は、原料となるオルガノシラン化合物を未反応残存物として含んでいても良い。未反応残存物量としては1%以下が好ましい。以下に構成成分(A)の原料となるオルガノシラン化合物、加水分解反応、縮合反応、生成物の分子量等について説明する。
[オルガノシラン化合物]
本発明に用いるオルガノシラン化合物について詳細に説明する。
一般式(3):(R10)m−Si(X)4-m
上記一般式(3)においてR10は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヘキシル基、t-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ヘキサデ
シル基等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6のものである。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
O基等が挙げられる)が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
mは0〜3の整数を表す。R10もしくはXが複数存在するとき、複数のR10もしくはXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。mとして好ましくは0、1または2である。
R10が複数ある場合は、少なくとも一つが、置換アルキル基もしくは置換アリール基であることが好ましい。中でも該置換アルキル基もしくは置換アリール基がさらにビニル重合性基を有することが好ましく、この場合、一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(4)で表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物として表すことができる。
ル基、シアノ基、フッ素原子または塩素原子を表す。上記アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。R1としては、水
素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子および塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子および塩素原子が更に好ましく、水素原子およびメチル基が特に好ましい。
Yは、単結合、エステル基、アミド基、エーテル基またはウレア基を表す。単結合、エステル基およびアミド基が好ましく、単結合およびエステル基が更に好ましく、エステル基が特に好ましい。
R10は、一般式(3)のR10と同義であり、置換もしくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。
Xは、一般式(3)のXと同義であり、ハロゲン、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
シシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン等が挙げられる。この中でも硬化組成物中での無機粒子の分散安定性、耐擦傷性の観点からテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
オルガノシランの加水分解および縮合反応の少なくともいずれかの反応は、触媒の存在下で行われることが好ましい。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類等が挙げられるが、無機酸化物微粒子液の製造安定性や保存安定性の点から、本発明においては、酸触媒(無機酸類、有機酸類)及び金属キレート化合物の少なくともいずれかが用いられる。無機酸では塩酸、硫酸、有機酸では、水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下のものが好ましく、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が3.0以下の有機酸がより好ましく、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、マロン酸が更に好ましく、シュウ酸が特に好ましい。
ト)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる
本発明に用いられるオルガノシランの加水分解物および縮合反応物の形状は鎖状であっ
ても3次元の網目構造であっても良い。また、これらの化合物の質量平均分子量は、エチレングリコール換算による質量平均分子量が300〜10000であることが好ましい。質量平均分子量が上記範囲にあると、硬化性組成物の塗工および保存安定性が良好であると共に、硬化膜の耐擦傷性を充分に確保でき、好ましい。エチレングリコール換算による質量平均分子量が300〜9000であることがさらに好ましく、300〜8000であることが特に好ましい。
前記質量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、DMF、示差屈折計検出によるエチレングリコール換算で表した分子量である。
(フルオロアルキル構造およびポリシロキサン構造を有する含フッ素化合物)
前記含フッ素化合物は、前記一般式(3)とフルオロアルキル構造を有する一般式(5)の加水分解および縮合反応の少なくともいずれかにより得られる。
一般式(6):CnF2n+1−(CH2)m−Si(X2)3
上記一般式(6)中、nは1〜10の整数、mは1〜5の整数を表す。nは4〜10が好ましく、mは1〜3が好ましく、X2はメトキシ基、エトキシ基、または塩素原子を表す。
これら化合物としては、例えば、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
、一般式(3):一般式(5)=1〜10:1、さらに2〜10:1が好ましい(モル比)。
本発明に用いられる加水分解物および縮合反応により得られる含フッ素化合物の少なくともいずれかの形状は、鎖状であっても3次元の網目構造であっても良い。また、含フッ素化合物の質量平均分子量は、ポリスチレン換算による質量平均分子量が5000以上であることが好ましい。さらに、5000〜100000であることが好ましく、5000〜50000であることが特に好ましい。質量平均分子量が5000以上の場合には、硬化膜の耐擦傷性を充分に確保でき好ましい。一方、質量平均分子量が100000以下の場合は、硬化性組成物の塗工性および保存安定性が維持されて好ましい。
質量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量である。
本発明のフッ素化合物(B)の具体的な例は、例えば、特開2000−191977号公報、特開2000−204319号公報、特開2000−328001号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
(無機微粒子)
次に本発明の硬化組成物に含有される無機微粒子について、以下に記載する。
折率が1.17〜1.40、さらには1.17〜1.35、特には1.17〜1.30の範囲であることが好ましい。ここでの屈折率は粒子全体として屈折率を表し、中空シリカ微粒子を形成している外殻のシリカ成分のみの屈折率を表すものではない。中空シリカ微粒子の屈折率は、粒子の強度及び該中空粒子を含む低屈折率層の耐擦傷性の観点から、1.17以上とすることが好ましい。
なお、これら中空シリカ微粒子の屈折率はアッベ屈折率計[アタゴ(株)製]にて測定することができ、25℃、D線での値である。
中空微粒子の好ましい製造方法を以下に記載する。
第1段階として、後処理で除去可能なコア粒子形成、第2段階としてシェル層形成、第3段階としてコア粒子の溶解、必要に応じて第4段階として追加シェル相の形成である。具体的には中空粒子の製造は、例えば特開2001−233611号公報に記載されている中空シリカ微粒子の製造方法に準じて行うことができる。
前記多孔質シリカ系微粒子には、多孔質のシリカ微粒子とシリカを主成分とする複合酸化物微粒子が含まれ、特開平7ー133105号公報に記載された、多孔性の無機酸化物微粒子の表面をシリカ等で被覆した低屈折率のナノメーターサイズの複合酸化物微粒子は好適に用いることができる。
また、内部に空洞を有するシリカ系微粒子としては、特開2001−233611号公報に記載された、シリカとシリカ以外の無機酸化物からなり、内部に空洞を有する低屈折率のナノメーターサイズのシリカ系微粒子も好適に用いることができる。
子径が4〜100nm、さらには8〜90nmの範囲にあることが好ましい。得ることが容易であり、安定性があり、単分散の酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子が得られる点で、平均粒子径が4nm以上のシリカ系微粒子が好ましい。得られる酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子の平均粒子径が100nmを越えることが少なく、透明被膜の透明性やヘイズの点で、平均粒子径は90nm以下が好ましい。
本発明において、無機微粒子の吸着水量は以下の測定法により求めることができる。
粒子の粉末を、ロータリーポンプを用いて、20℃、約1hPaの条件で1時間乾燥させた。その後20℃、55%RHで1時間保存した。島津(株)製“DTG−50”を用い、乾燥後の試料約10mgを白金セルに秤量し、加熱速度20℃/分で温度20℃から950℃まで上昇させた。吸着水量は200℃まで昇温した際の質量減少百分率として以下数式(2)により算出した。
数式(2):吸着水量(%)=100×(W20−W200)/W200
ここで、
W20:昇温開始時の初期質量、
W200:200℃まで昇温した時点での質量。
きる。
層中に粒子サイズや調製条件が異なる粒子を複数種含む場合においては、それら粒子の少なくとも1種の吸着水量が6.1質量%以下であればよい。但し、吸着水量が6.1質量%以下の粒子の全粒子にしめる割合が、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。吸着水量が上記範囲であれば、水滴付着跡が改善される。
本発明に用いられる硬化組成物、例えば塗布液には前記(D)成分が添加されることが好ましい。以下に、(D)成分をさらに説明する。
ン化合物およびβ−ケトエステル化合物の少なくともいずれかであり、本発明に用いられる硬化組成物の安定性向上剤として作用するものである。すなわち、前記金属キレート化合物(ジルコニウム、チタニウムおよびアルミニウム化合物の少なくともいずれかの化合物)中の金属原子に配位することにより、これらの金属キレート化合物による一般式(3)と一般式(5)成分の縮合反応を促進する作用を抑制し、得られる組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと考えられる。(D)成分を構成するR4およびR5は、前記金属キレート化合物を構成するR4およびR5と同様である。
本発明の硬化性組成物(硬化性樹脂組成物)中のオルガノシランの加水分解物および縮合反応物(A)の少なくともいずれかとフッ素化合物(B)の混合割合は、当該組成物から得られる硬化膜の用途に応じて適宜に調製される。オルガノシランの加水分解物および縮合反応物(A)の少なくともいずれかの割合が多くなると、フッ素化合物(B)の割合が少なくなり、硬化膜の屈折率が上昇したり、防汚染性が低下する傾向がある。一方、オルガノシランの加水分解物および縮合反応物(A)少なくともいずれかの割合が少なくなると、硬化膜の皮膜強度が弱くなり、耐擦傷性が低下する傾向がある。これらの観点から、硬化性組成物中、オルガノシランの加水分解物および縮合反応物(A)の割合は、オル
ガノシランの加水分解物および縮合反応物(A)とフッ素化合物(B)との合計に対して、通常、固形分で5〜90質量%であるのが好ましい。より好ましくは、30〜75質量%である。
硬化組成物の溶液濃度は、溶液安定性を損なわない範囲であれば特に制限されない。硬化性樹脂組成物を反射防止層形成剤に用いる場合には薄膜を厚み精度よく形成する必要があるため、通常、0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%の程度とするのが、取扱い易く好ましい。
硬化膜の屈折率は、1.20〜1.46であることが好ましく、1.25〜1.40であることがより好ましく、1.25〜1.38であることが特に好ましい。
硬化膜の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜120nmであることがさらに好ましい。硬化膜のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な硬化膜の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、光学フィルムの防汚性能を改良するために、表面の水に対する接触角が90度以上であることが好ましい。更に好ましくは95度以上であり、特に好ましくは100度以上である。
硬化組成物中のフッ素原子含有量は600MHzNMR(Bruker社製 AVANCE600型)にて定量した(CF3−Phを内標としたacetone−d6溶液を19
F−NMRにて定量)。
硬化組成物中のフッ素原子含有量は、5質量%以上であることが好ましい。さらに、5〜60質量%であることが好ましく、特に7〜38質量%であることが好ましい。硬化膜の防汚性の点で、5質量%以上が好ましく、耐擦傷性の点で、60質量%以下が好ましい。
シリコン原子(Si)とフッ素原子(F)のピーク強度比(Si/F)はX線光電子分光法((株)島津製作所製 ESCA−3400)により、C、N、O、F、Siの合計
を100として、これらの存在比率より求められる。
Si/Fは0.03〜1の範囲が好ましく、さらに0.03〜0.8が好ましく、特に0.05〜0.8が好ましい。Si/Fが0.03〜1の範囲であれば、耐擦傷性及び防汚性に優れ好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、反射防止層を有する側の表面を、水に15分間接触させた後に拭き取った部分の、D65標準光源下で測定したCIE1976L*a*b*色空間
における色度変化△Eが0.45以下であることが好ましい。
具体的には、上記水跡の評価方法は以下の手順とした。
試料である反射防止フィルム、又は偏光板もしくは画像表示装置の反射防止フィルム側の最表面を水平に設置した。次ぎにこの試料を、25℃、55%RHで30分間以上放置した後に、イオン交換水2.0mLをピペット(エッペンドルフ社製)で約2秒かけて滴下した。反射防止フィルムの表面の性質により広がりやすさが異なるが、水滴を直径約1.5〜2.5cmの円状に広げた。15分間放置後、「ベンコット」{旭化成(株)製}で水滴を拭き取った。水滴を滴下する前後で反射防止フィルムの反射スペクトルを測定した。測定は、日本分光(株)製“Model V−550UV/Vis”分光光度計を用い、D65標準光源下でのCIE1976L*a*b*色空間における色度変化(△E)を決定した。
上記△Eは、本発明中の硬化組成物中に使用する無機微粒子の吸着水量を前記範囲にすることで低減することができる。
ハードコート層は、反射防止フィルムに物理強度を付与するために、透明支持体の表面に設けることができる。
テーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ことができる。
、水素原子またはメチル基が好ましい。L1は2価の連結基を表し、酸素原子、イオウ原
子、窒素原子を含む2価の連結器が好ましい。Yは環状化合物を有する置換基を表し、環状化合物は脂環式化合物でも芳香族化合物でも良く、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ナフタレン環などの同素環式化合物でもエポキシ環、チオフェン環、ピロール環などの複素環式化合物でもよい。また、フルオロ脂肪族基含有共重合体中に一般式[2]で表されるモノマーの重合単位が2種類以上構成単位として含まれていても良い。
本発明の一般式[1]においては、R0は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表
し、水素原子、メチル基がより好ましい。Lは2価の連結器を表し、酸素原子、イオウ原子、窒素原子を含む2価の連結器が好ましい。nは1以上18以下の整数を表し、4〜12がより好ましく、6〜8が特に好ましい。
また、該フッ素系ポリマー中に一般式[1]で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの重合単位が2種類以上構成単位として含まれていても良い。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等をあげることができる。
アクリル酸エステル類:
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等、
メタクリル酸エステル類:
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、クロルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等、
アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜6のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど。
メタクリルアミド類:
メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜6のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルメタクリルアミドなど。
アリル化合物:
アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど
アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど
ビニルエステル類:
ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β―フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレートなど。
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど。
フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類:
ジブチルフマレートなど
その他、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
マレイロニトリル、スチレンなど。
に基づいて、80質量%以下であることが好ましく、60質量%で以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。
本発明で好ましく用いられる一般式[2]で表されるモノマーの重合単位の量は、該フッ素系ポリマーを構成する全重合単位に基づいて、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%であることが更に好ましい。
000〜100,000が好ましく、1,500〜80,000がより好ましく、2,000〜60,000が更に好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、透明支持体上に、該透明支持体と異なる屈折率を有する少なくとも1層以上の薄層からなる反射防止膜を塗設されて形成される。透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。
ルのことであるが、特に、低級脂肪酸エステルが好ましい。
ここで低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数が2〜4のセルロースアシレートが好ましく、中でもセルロースアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いることもまた好ましい。
表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理及びオゾン酸化処理が含まれる。具体的には、例えば、発明協会公開技法公技番号2001−1745号(発行2001年3月15日)30〜31頁に記載の内容、特開2001−9973号公報に記載の内容等が挙げられる。
好ましくは、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理及び火焔処理、更に好ましくはグロー放電処理と紫外線処理が挙げられる。
本発明の反射防止フィルムには、さらに、防湿層、帯電防止層(導電層)、プライマー層、下塗層や保護層、シールド層、滑り層、ガスバリアー層を設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
本発明の反射防止フィルムを塗布する方法としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やダイコート法が好ましく、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイコート法がより好ましく、ダイコート法が特に好ましい。更に、構成を後述のように工夫したダイを使用して塗布を行うことが最も好ましい。
図1は、本発明の実施の際に使用できるスロットダイを用いたコーターの断面図である。コーター10はバックアップロール11に支持されて連続走行するウェブ12に対して、スロットダイ13から塗布液14をビード14aにして塗布することにより、ウェブ12上に塗膜14bを形成する。
ウェブ12の走行方向側の先端リップ17のウェブ走行方向における長さは、長いほど
ビード形成に不利であり、この長さがスロットダイ幅方向における任意の個所間でばらつくと、かすかな外乱によりビードが不安定になる。したがって、この長さをスロットダイ幅方向における変動幅が20μm以内とすることが好ましい。
本発明の反射防止層の各層は、熱及び光照射の少なくともいずれかの手段による硬化処理を行う。透明支持体の着色や分解、変形を抑えるために、加熱する場合は160℃以下、光照射する場合には1000mJ/cm2が好ましい。更には、光硬化処理の後半で加熱処理することも好ましい。
10〜1000mJ/cm2が好ましい。また、光照射工程での塗布膜の温度分布は、
均一なほど好ましく、±3℃以内が好ましく、更には±1.5℃以内に制御されることが好ましい。この範囲において、塗布膜の面内及び層内深さ方向での重合反応が均一に進行
するので好ましい。
上記工程は、各層の形成毎に行ってもよいし、塗布部−乾燥室−放射線硬化部−熱硬化室を複数設けて、各層の形成を連続的に行うことも可能であるが、生産性の観点から各層の形成を連続的に行う事が好ましい。
本発明の好ましい偏光板は、偏光膜の保護フィルム(偏光板用保護フィルム)の少なくとも一方に、本発明の反射防止フィルムを有する。
反射防止膜付き偏光板としては、反射防止膜を設けたセルロースアシレートフィルムの反対側のセルロースアシレートフィルム表面及びセルロースアシレートフィルムの片面を其々親水化処理して、偏光膜をこれらで挟んで接着剤で貼りあわせて作製した態様が好ましい。更には、反射防止膜を設けたセルロースアシレートフィルム及び光学補償層を設けたセルロースアシレートフィルムの各々の反対側のセルロースアシレートフィルム表面を親水化処理して、偏光膜をこれらで挟んで接着剤で貼りあわせて作製した態様が好ましい。これにより偏光板の厚みが薄くなり、画像表示装置の軽量化が可能となる。
透明保護フィルムの表面の親水化処理は、公知の方法で行うことができる。例えば、コロナ放電処理、グロー放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、オゾン処理、酸処理、アルカリ鹸化処理等で該フィルム表面を改質する方法が挙げられる。これらについては、前記の公技番号2001−1745号、30〜32頁に詳細に記載されている。
これらの中でも特に好ましくは、セルロースアシレートフィルム表面をアルカリ鹸化処理で表面処理することが有効である。アルカリ液及び処理は、特開2002−82226号公報、国際公開02/46809号パンフレット、特開2003−313326号公報に記載の内容が挙げられる。
本発明に用いられる偏光膜は、通常、Optiva Inc.に代表される塗布型偏光膜、もしくはバインダーと、ヨウ素または二色性色素からなる偏光膜が好ましい。
偏光膜におけるヨウ素および二色性色素は、バインダー中で配向することで偏向性能を発現する。ヨウ素および二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。
市販の偏光子は、ポリマー表面から4μm程度(両側合わせて8μm程度)にヨウ素もしくは二色性色素が分布しており、十分な偏光性能を得るためには、少なくとも10μmの厚みが必要である。浸透度は、ヨウ素もしくは二色性色素の溶液濃度、同浴槽の温度、同浸漬時間により制御することができる。
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。
変性ポリビニルアルコールについては、特開平8−338913号、同9−152509号および同9−316127号の各公報に記載がある。
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールは、二種以上を併用してもよい。
架橋しているバインダーは、それ自体架橋可能なポリマーを用いることができる。官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入して得られるバインダーを、光、熱あるいはpH変化により、バインダー間で反応させて偏光膜を形成することができる。
また、架橋剤によりポリマーに架橋構造を導入してもよい。
架橋は一般に、ポリマーまたはポリマーと架橋剤の混合物を含む塗布液を、透明支持体上に塗布したのち、加熱を行うことにより実施される。最終商品の段階で耐久性が確保できれば良いため、架橋させる処理は、最終の偏光板を得るまでのいずれの段階で行っても良い。
偏光膜は、架橋反応が終了した後でも、反応しなかった架橋剤をある程度含んでいる。
但し、残存する架橋剤の量は、偏光膜中に1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。このようにすることで、偏光膜を液晶表示装置に組み込み、長期使用、或は高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、偏光度の低下を生じない。
架橋剤については、米国再発行特許23297号明細書の記載が挙げられる。また、ホウ素化合物(例、ホウ酸、硼砂)も架橋剤として用いることができる。
二色性色素の例としては、例えば、このような二色性染料の具体例としては、例えば、「偏光フィルムの応用」(CMC刊、昭和61年2月10日発行)、或いは「COLOUR INDEX,ThirdEdition,Volume2」(The Society of Dyers and Colourists, The American Association of Textile Chemists and Colrists 刊、1971年発行)中のC. I. Direct染料(直接染料)等を挙げることができる。
本発明の反射防止フィルムを偏光板用保護フィルムとして用いることにより、物理強度、耐候性に優れた反射防止機能を有する偏光板が作製でき、大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
また、本発明の反射防止フィルムを偏光板用保護フィルムの一方に、後述する光学異方性層のある光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムのもう一方に用いた偏光板を作製することにより、さらに、液晶表示装置の明室でのコントラストを改良し、上下左右の視野角が非常に広げることができる偏光板を作製できる。
光学補償フィルムとは、一般に液晶表示装置に用いられ、位相差を補償する光学材料のことを指し、位相差板、光学補償シートなどと同義である。光学補償シートは光学異方性層具備の複屈折性を有し、液晶表示装置の表示画面の着色を取り除いたり、視野角特性を改善したりする目的で用いられる。
光学異方性層としては、液晶性化合物を含有する組成物から形成しても良いし、複屈折を持つポリマーフィルムから形成しても良い。前記液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物または棒状液晶性化合物が好ましい。
合については、特開平8−27284公報の記載が挙げられる。
なお、STNモードのような棒状液晶性分子がねじれ配向している液晶セルを、光学的に補償するためには、ディスコティック液晶性分子もねじれ配向させることが好ましい。
上記連結基に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。また、不斉炭素原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。
非重合性ディスコティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、例えば特許第2640083号明細書記載の化合物等が挙げられる。
本発明の反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。本発明の反射防止フィルムは透明支持体を有しているので、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して用いられる。
本発明の反射防止フィルムは、偏光膜の表面保護フィルムの片側として用いた場合、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
Compensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
の裏表2枚の保護フィルムの内の本発明の反射防止フィルムとは反対側の面に用いることにより、1枚の偏光板の厚みで反射防止効果と視野角拡大効果を有する偏光板を得ることができ、特に好ましい。
また、λ/4板と組み合わせることで、反射型液晶用の偏光板や、有機ELディスプレイ用表面保護板として表面および内部からの反射光を低減するのに用いることができる。
(フルオロ脂肪族基含有ポリマー(P−3)の合成)
温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた2,000mlの反応容器に、ジメチルジメトキシシラン116質量部、i−プロパノール600質量部とジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ケロープEP−12、ホープ製薬(株)製)3質量部を仕込み、撹拌下室温でイオン交換水20.0質量部をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間撹拌した後、60℃で4時間反応させた後、室温まで冷却しゾル液aを得た。このようにして得た物質をGPC測定した結果、Mw=2,500であった。
温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた2,000mlの反応容器に、ジメチルジメトキシシラン116質量部、i−プロパノール600質量部、アセチルアセトン15質量部とジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ケロープEP−12、ホープ製薬(株)製)3質量部を仕込み、撹拌下室温でイオン交換水20.0質量部をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間撹拌した後、60℃で2時間反応させた後、室温まで冷却しゾル液bを得た。このようにして得た物質をGPC測定した結果、Mw=400
であった。
温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた2,000mlの反応容器に、ジメチルジメトキシシラン116質量部、i−プロパノール600質量部とジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ケロープEP−12、ホープ製薬(株)製)3質量部を仕込み、撹拌下室温でイオン交換水20.0質量部をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間撹拌した後、60℃で1時間反応させた後、室温まで冷却しゾル液cを得た。このようにして得た物質をGPC測定した結果、Mw=250であった。
温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた2,000mlの反応容器に、Si(OC2
H5)4 5.5質量部、CF3(CF3)5(CH2)2Si(OCH3)347.0質量部と
i−プロパノール600質量部を仕込み、撹拌下室温で0.1モル/L塩酸14.5質量部をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間撹拌した後、60℃で8時間反応させその後、室温まで冷却しゾル液dを得た。このようにして得た物質をGPC測定した結果、Mw=8,800であった。
PET−30 742質量部
ポリ(グリシジルメタクリレート) 277質量部
イルガキュア184 51質量部
P−3 2.8質量部
KBM−5103 112質量部
MEK(メチルエチルケトン) 728質量部
シクロヘキサノン 503質量部
PET−30 742質量部
ポリ(グリシジルメタクリレート) 277質量部
イルガキュア184 51質量部
F−475 1.2質量部
MEK(メチルエチルケトン) 728質量部
シクロヘキサノン 503質量部
PETA 50.0質量部
イルガキュア184 2.0質量部
SX−350(30%) 1.7質量部
架橋アクリル−スチレン粒子(30%) 13.3質量部
P−3 0.20質量部
KBM−5103 10.0質量部
トルエン 38.5質量部
PETA 50.0質量部
イルガキュア184 2.0質量部
SX−350(30%) 1.7質量部
架橋アクリル−スチレン粒子(30%) 13.3質量部
F−475 0.10質量部
KBM−5103 10.0質量部
トルエン 38.5質量部
「PET−30」:ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製)。
「PETA」:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(日本化薬(株)製)。
「ポリ(グリシジルメタクリレート)」:質量平均分子量15,000。
「イルガキュア184」:光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)。
「KBM−5103」:シランカップリング剤(信越化学工業(株)製)。
「SX−350」:平均粒径3.5μm架橋ポリスチレン粒子(屈折率1.60、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液。ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用)。
「架橋アクリル−スチレン粒子」:平均粒径3.5μm(屈折率1.55、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液)。
「P−3」:本発明のフッ素系ポリマー 40質量% MEK溶液)
「F−475」:フッ素系界面活性剤メガファックF−475
ゾル液a 12.7質量部
ゾル液d 10.1質量部
IPA−ST−L 2.3質量部
サイメル303 0.1質量部
p−トルエンスルホン酸 0.03質量部
i−プロパノール 70.6質量部
ブタノール 4.8質量部
ゾル液a 12.7質量部
ゾル液d 10.1質量部
中空シリカ微粒子ゾル 3.5質量部
サイメル303 0.1質量部
p−トルエンスルホン酸 0.03質量部
i−プロパノール 68.9質量部
ブタノール 4.8質量部
ゾル液b 15.9質量部
ゾル液d 12.7質量部
サイメル303 0.1質量部
p−トルエンスルホン酸 0.03質量部
i−プロパノール 66.6質量部
ブタノール 4.8質量部
ゾル液b 12.7質量部
ゾル液d 10.1質量部
IPA−ST−L 2.3質量部
サイメル303 0.1質量部
p−トルエンスルホン酸 0.03質量部
i−プロパノール 70.6質量部
ブタノール 4.8質量部
ゾル液a 1.5質量部
ゾル液d 41.2質量部
サイメル303 0.3質量部
p−トルエンスルホン酸 52.5質量部
i−プロパノール 93.0質量部
ブタノール 4.8質量部
ゾル液a 16.1質量部
ゾル液d 1.8質量部
サイメル303 0.02質量部
p−トルエンスルホン酸 0.01質量部
i−プロパノール 75.0質量部
ブタノール 4.8質量部
ゾル液c 15.9質量部
ゾル液d 12.7質量部
サイメル303 0.1質量部
p−トルエンスルホン酸 0.03質量部
i−プロパノール 66.6質量部
ブタノール 4.8質量部
「中空シリカ微粒子ゾル」:粒子サイズ約40〜50nm、シエル厚6〜8nm、屈折率1.31、固形分濃度20%、主溶媒イソプロピルアルコール、特開2002−79616号公報の調製例4に準じて粒子サイズを変更して作製)
「サイメル303」:メトキシ化メチルメラミン(三井サイテック株式会社製)
(反射防止フィルムの作製)
上記のハードコート層用塗布液(HCL−1)、低屈折率層(LL−1)を用いて、下記に記載の塗布、乾燥方法にしたがって塗布を行った。80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TD80UF、富士写真フィルム(株)製、屈折率:1.48)に、ハードコート層用塗布液(HCL−1)を、搬送速度20m/minの条件でグラビアコーターを用いて塗布し、第一(最初)の乾燥ゾーン内で30℃30秒間の乾燥の後、更に以降の第二の乾燥ゾーン内で110℃、2分の乾燥の後、酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、巻き取った。上記第一の乾燥ゾーン内の風速は、最大で0.2m/sであり、
乾燥ゾーン内で塗布膜はセットしていることが確認された。このハードコート層は屈折率1.51、層厚7μmであった。
前記に得られたフィルム試料について、以下の項目の評価を行った。
分光光度計“V−550”{日本分光(株)製}にアダプター“ARV−474”を装着して、380〜780nmの波長領域において、各反射防止フィルム試料の入射角5°における出射角−5゜の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの領域における平均反射率を算出し、反射防止性を評価した。
ラビングテスターを用いて、以下の条件で各反射防止フィルム試料表面のこすりテストをおこなった。
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に、スチールウール「ゲレードNo.0000」{日本スチールウール(株)製}を巻いて、動かないよ
うバンド固定した。
移動距離(片道):13cm、こすり速度:13cm/秒、荷重:500g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。
◎:非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
○:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
○△:弱い傷が見える。
△:中程度の傷が見える。
△×〜×:一目見ただけで分かる傷がある。
各反射防止フィルム試料の低屈折率層を有する側の表面に付着させた、油性ペン「マッキーケア」{ゼブラ製}をセルロース製不織布「ベンコットM−3」{旭化成(株)製}で拭取り、その取れ易さを下記の2段階評価を行った。
○:油性ペンを完全に拭き取ることができる。
×:油性ペンの拭き取り跡が残る。
前記防汚性評価を同一箇所で繰り返し、拭き取り跡が残る回数にて下記の3段階評価を行った。
○:合計6回以上拭き取れる
△:合計2回〜5回拭き取れる
×:1回しか拭き取れない。
各反射防止フィルム試料の透明支持体側をCRT表面に張り付け、0.5μm以上のホコリ及びティッシュペーパー屑を、1ft3(立方フィート)当たり100〜200万個
有する部屋で24時間使用した。反射防止膜100cm2当たり、付着したホコリとティ
ッシュペーパー屑の数を測定し、それぞれの結果の平均値が20個未満の場合をA、20〜49個の場合をB、50〜199個の場合をC、200個以上の場合をDとして評価した。
試料の裏側に油性黒インキを塗り、暗室において「ナショナル パルック 3波長型昼白色(F.L 15EX-N 15W)」の反射光で目視観察して、色味ムラを以下の基準で評価した。
○:かすかに見えるが気にならない。
△:やや気になる。
×:かなり気になる。
(反射防止フィルムの作製)
超音波除塵器で、膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD−80UF、富士写真フイルム(株)製)の塗布側表面を除電処理した上に、ハードコート層用塗布液(HCL−1)を前記ダイコーターを用いて30m/minの塗布速度で、17.5cc/m2の塗布量で塗布した。減圧チャンバーの減圧度は0.5kPaとした。HCL−1
の塗布に於いては、下流側リップランド18bとウェブ12との隙間GLを100μmにして塗布を行った。塗布されたウェブはその後80℃で乾燥した後、酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量50
0mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させて巻き取り、屈折率1.51、厚さ
7μmのハードコート層を形成した。上記のハードコート層の上に、低屈折率層用塗布液(LL−1)を前記ダイコーターを用いて30m/minの塗布速度、5.0cc/m2
の塗布量で塗布した。減圧チャンバーの減圧度は0.55kPaとした。塗布されたウェブはその後90℃で30秒間乾燥した後、140℃で5分加熱硬化した。その後、酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量400mJ/cm2の紫外線を照射し、低屈折率層(屈折率1.43、膜厚83nm)を形成した。このようにして、反射防止フィルム(AF−14)を作製した。
前記に得られたフィルム試料について、実施例1と同様の評価を行い、同じ塗布液を用いて作製したフィルム試料は同様の結果を得た。
〔偏光板用保護フィルムの作製〕
実施例1、2で作製した反射防止フィルム(AF−1)〜(AF−10)、(AF−12)、(AF−14)〜(AF−23)、(AF−25)において、本発明の反射防止膜を有する側とは反対側の透明支持体の表面に、水酸化カリウム57質量部、プロピレングリコール120質量部、イソプロピルアルコール535質量部、及び水288質量部からなるアルカリ溶液を40℃に保温した鹸化液を塗布して、その透明支持体の表面を鹸化処理した。
鹸化処理した透明支持体表面のアルカリ溶液を、水で十分に洗浄した後、100℃で十分に乾燥させた。このようにして、偏光板用保護フィルムを作製した。
層厚75μmのポリビニルアルコールフィルム{(株)クラレ製}を、水1000g、ヨウ素7g、ヨウ化カリウム10.5gからなる水溶液に5分間浸漬し、ヨウ素を吸着させた。次いで、このフィルムを4質量%ホウ酸水溶液中で、4.4倍に縦方向に1軸延伸をした後、緊張状態のまま乾燥して偏光膜を作製した。
このようにして作製した本発明の各偏光板をTN,STN,IPS,VA,OCBのモードの透過型、反射型、又は半透過型の液晶表示装置に装着して、その評価を行ったところ、これらの液晶表示装置は、何れも反射防止性能に優れ、極めて視認性が優れていた。
〔偏光板の作製〕
光学補償フィルム「ワイドビューフィルム A 12B」{富士写真フィルム(株)製}の、光学補償層を有する側とは反対側の表面を実施例3と同様の条件で鹸化処理した。
このようにして作製した本発明の各偏光板をTN,STN,IPS,VA,OCBのモードの透過型、反射型、又は、半透過型の液晶表示装置に装着してその評価を行ったところ、これらの液晶表示装置は、光学補償フィルムを用いていない、前記の偏光板を装着した液晶表示装置よりも、何れも明室でのコントラストに優れ、上下左右の視野角が非常に広く、更に、反射防止性能に優れ、極めて視認性と表示品位が優れていた。
〔無機微粒子の調製〕
調製例1−無機微粒子(Pc−1)の調製
平均粒径5nm、SiO2濃度20質量%のシリカゾル100gと純水1900gの混合物を80℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2として1.17質量%の珪酸ナトリウム水溶液9000gとAl2O3として0.83質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を80℃に保持した。反応液のpHは添加直後、12.5に上昇し、その後、殆ど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20質量%のSiO2・Al2O3一次粒子分散液(1)を調製した。
ついで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13質量%になった複合酸化物微粒子(2)の分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(濃度35.5質量%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離して固形分濃度20質量%のシリカ系微粒子(Pc−1H)分散液とした。限外濾過膜を用いて溶媒をイソプロピルアルコールに置換して固形分濃度30質量%とし、無機微粒子(Pc−1)分散液とした。
無機粒子(Pc−1)の調製において、一次粒子分散液(1)から複合酸化物微粒子(2)を調製する際に添加する珪酸ナトリウム水溶液量を3,800gに変更した以外は同様にして、複合酸化物微粒子を調製した。その後、上記調製例1と同様にして脱アルミニ
ウム処理と溶媒置換を行い、固形分濃度30質量%の無機微粒子(Pc−2)分散液を得た。
[アンチモン酸の調製]
純水1800gに苛性カリ(旭硝子(株)製:純度85質量%)57gを溶解した溶液中に三酸化アンチモン(住友金属鉱山(株)製:KN 純度98.5質量%)111gを懸濁させた。この懸濁液を95℃に加熱し、次いで、過酸化水素水(林純薬(株)製:特級、純度35質量%)32.8gを純水110.7gで希釈した水溶液を9時間で添加(0.1mole/hr)し、三酸化アンチモンを溶解し、その後11時間熟成した。冷却後、得られた溶液から1000gを取り、この溶液を純水6000gで希釈した後、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:pk-216)に通して脱イオン処理を行った。このときのpHは2.1、電導度は2.4mS/cmであった。
この酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子分散液100gに純水300gとメタノール400gを加え、これに正珪酸エチル(SiO2濃度28質量%)3.57gを混合し、50℃で15時間加熱撹拌してシリカ被覆層を形成した酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子分散液を調製した。この分散液を限外濾過膜を用い、イソプロピルアルコールにて溶媒置換するとともに固形分濃度30質量%になるまで濃縮し、無機微粒子(Pc−3)分散液を得た。
この様にして得られた粒子を用い以下の評価を行った。
分散液をエバポレーターで乾燥し粉末化した後に、200℃まで昇温した際の質量減少百分率として、下記の数式(I)により算出した。
数式(I):吸着水量(%)=100×(W20−W200)/W200
ここで、
W20:昇温開始時の初期質量
W200:200℃まで昇温した時点での質量
内部に円柱状のくりぬき(断面積:0.5cm2)を有するセラミック製セルを用い、まず、架台電極上にセルを置き、内部に試料粉体0.6gを充填し、円柱状突起を有する上部電極の突起を挿入し、油圧機にて上下電極を加圧したペレットを作成した。100kg/cm2加圧時の抵抗値(Ω)と試料の高さ(cm)を測定し、抵抗値に高さを乗することによって体積抵抗値を算出した。
評価結果を表4に示す。
PETA 50.0質量部
イルガキュア184 2.0質量部
SX−350(30%) 1.7質量部
架橋アクリル−スチレン粒子(30%) 13.3質量部
P−3 0.05質量部
KBM−5103 10.0質量部
トルエン 38.5質量部
コルコートN103(2%) 590質量部
オプスターJTA105(5%) 100質量部
オプスタ−JTA105A(5%) 1質量部
イソプロピルアルコール 23質量部
酢酸ブチル 120質量部
コルコートN103(2%) 245質量部
オプスターJTA105(5%) 100質量部
オプスタ−JTA105A(5%) 1質量部
IPA−ST−L(30%) 23質量部
酢酸ブチル 365質量部
コルコートN103(2%) 245質量部
オプスターJTA105(5%) 100質量部
オプスタ−JTA105A(5%) 1質量部
無機微粒子(Pc−1)(30%) 23質量部
酢酸ブチル 365質量部
コルコートN103(2%) 245質量部
オプスターJTA105(5%) 100質量部
オプスタ−JTA105A(5%) 1質量部
無機微粒子(Pc−2)(30%) 23質量部
酢酸ブチル 365質量部
コルコートN103(2%) 245質量部
オプスターJTA105(5%) 100質量部
オプスタ−JTA105A(5%) 1質量部
無機微粒子(Pc−3)(30%) 23質量部
酢酸ブチル 365質量部
低屈折率層用塗布液(LL−55)の調製において、コルコートN103を、同量のコ
ルコートPに変更した以外は同様にして低屈折率層用塗布液(LL−56)を調製した。
低屈折率層用塗布液(LL−55)の調製において、コルコートN103を、同量のテトラエトキシシラン(部分縮合物平均分子量約200)に変更した以外は同様にして低屈折率層用塗布液(LL−57)を調製した。
「コルコートN103」:オルガノシロキサンオリゴマ−(平均分子量950、コルコート社製)
「コルコートP」:オルガノシロキサンオリゴマ−(平均分子量8000、コルコート社製)
「オプスタ−JTA105」:本発明のフッ素化合物(B)(ポリエチレングリコール、ヘキサメチロールメラミン、酸発生剤含有、JSR社製)
「オプスタ−JTA105A」:硬化剤(JSR社製)
上記のハードコート層用塗布液(HCL−51)、低屈折率層(LL−51)を用いて、下記に記載の塗布、乾燥方法にしたがって塗布を行った。80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TD80UF、富士写真フィルム(株)製、屈折率:1.48)に、ハードコート層用塗布液(HCL−51)を、搬送速度20m/minの条件でグラビアコーターを用いて塗布し、第一(最初)の乾燥ゾーン内で30℃30秒間の乾燥の後、更に以降の第二の乾燥ゾーン内で110℃、2分の乾燥の後、酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量150mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、巻き取った。上記第一の乾燥ゾーン内の風速は、最大で0.2m/sであり、乾燥ゾーン内で塗布膜はセットしていることが確認された。このようにして得られたハードコート501は層の屈折率1.51、厚み5μmであった。
/cm2の紫外線を照射し低屈折率層(屈折率:1.43、層厚:約90nm)を設けた。このようにして反射防止フィルム(AF−501)を作成した。
上記反射防止フイルムAF−501の作成において、低屈折率層用塗布液を(LL−52)〜(LL−57)に変更した以外はAF−501と同様にして反射防止フィルムAF−502〜507を作成した。低屈折率層用塗布液(LL−57)は、調製後しばらくして増粘が起こり塗布面状が悪く評価できなかった。
反射防止フィルムAF−501〜507について、実施例1に準じた評価に加え以下の評価を行った。
(評価9:低湿下でのゴミ付着性)
各反射防止フィルム試料の透明支持体側をCRT表面に張り付け、25℃、40%RH下で0.5μm以上のホコリ及びティッシュペーパー屑を、1ft3(立方フィート)当たり100〜200万個有する部屋で24時間使用した。反射防止膜100cm2当たり、付着したホコリとティッシュペーパー屑の数を測定し、それぞれの結果の平均値が20個未満の場合をA、20〜49個の場合をB、50〜199個の場合をC、200個以上の場合をDとして評価した。
各反射防止フィルムの最表面を水平にし、25℃、55%RHに30分以上放置した後に、純水2.0mLをピペット(エッペンドルフ社製)で約2秒かけて滴下した。反射防止フィルムの表面により広がりやすさが異なるが、水滴を直径約1.5〜2.5cmの円状に広げた。15分放置後、「ベンコット」{旭化成(株)製}で水滴を拭き取った。水滴を滴下する前後で反射防止フィルムの反射スペクトルを測定した。測定は日本分光(株)製“Model V−550UV/Vis”分光光度計を用い、D65光源下でのCIE1976Lab色空間における色度変化(△E)を決定した。
△Eは小さいほど好ましく、1.0を超えると故障として認識され、0.45以下では認識されにくい。
評価結果を表5に示す。
本発明の成分(A)、(B),(C)を含む反射防止フィルムは、反射率が低く、耐擦傷性に優れる。また、無機微粒子の表面の吸着水量を低下させた反射防止フィルムAF−504,505は水滴付着跡が低減していることが分かる。更に、中空シリカ表面を導電性成分で被覆した粒子を用いた反射防止フィルムAF−55は低湿度でのゴミ付着性が改善されていることが分かる。
GS 隙間
10 コーター
11 バックアップロール
12 ウェブ
13 スロットダイ
14 塗布液
14a ビード
14b 塗膜を形成する。
15 ポケット
16 スロット
16a 開口部
17 先端リップ
18 ランド(平坦部)
18a 上流側リップランド
18b 下流側リップランド
30 従来のスロットダイ
31a 上流側リップランド
31b 下流側リップランド
32 ポケット
33 スロット
40 減圧チャンバー
40a バックプレート
40b サイドプレートレート
40c ネジ
Claims (19)
- エチレングリコール換算による質量平均分子量が300〜10000であるオルガノシランの加水分解物及び縮合反応物の少なくともいずれか1種(A)、
ポリスチレン換算による質量平均分子量が5000以上であって、フルオロアルキル構造およびポリシロキサン構造を有する含フッ素化合物(B)、及び
平均粒径5nm〜100nmの無機微粒子(C)、
を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - 前記無機微粒子が、内部及び表面の少なくともいずれかに平均孔径0.01nm〜90nmの空孔を有することを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- エチレングリコール換算による質量平均分子量が300〜10000であるオルガノシランの加水分解物及び縮合反応物の少なくともいずれか1種(A)、
ポリスチレン換算による質量平均分子量が5000以上であって、フルオロアルキル構造およびポリシロキサン構造を有する含フッ素化合物(B)、及び
一般式R4COCH2COR5(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表される溶剤(D)、
を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - 前記硬化性樹脂組成物において、平均粒径5nm〜100nmの無機微粒子(C)が、内部及び表面の少なくともいずれかに平均孔径0.01nm〜90nmの空孔を有する粒子であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記無機微粒子の吸着水量が6.1質量%以下であることを特徴とする請求項1、2又は4に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記無機微粒子が、核粒子を導電性物質又はその前駆体で表面処理してなることを特徴とする請求項1、2、4又は5に記載の硬化性樹脂組成物。
- 硬化樹脂組成物中のフッ素原子含有量が、5〜60質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに、架橋性化合物を含有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに、酸発生剤を含有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を熱及び電離放射線の少なくともいずれかの手段で硬化させて得られる硬化膜。
- X線光電子分光法により測定した、硬化膜表面のシリコン原子(Si)とフッ素原子(F)のピーク強度比(Si/F)が0.03〜1であることを特徴とする請求項10記載の硬化膜。
- 請求項10または11記載の硬化膜を有することを特徴とする反射防止フィルム。
- 透明支持体の片面に直接または他の層を介して下記(i)のモノマーに相当する繰り返
し単位及び下記(ii)のモノマーに相当する繰り返し単位を含むフルオロ脂肪族基含有共重合体を含有する塗布組成物からなるハードコート層の表面に反射防止層が積層され、かつ該反射防止層が請求項10または11記載の硬化膜により形成されたものであることを特徴とする反射防止フィルム。
(i)下記一般式[1]で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマー
(ii)下記一般式[2]で表されるモノマー
一般式[1]
(一般式[1]において、R0は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、Lは2
価の連結基を表し、nは1以上18以下の整数を表す。)
一般式[2]
(一般式[2]において、R1は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、L1は2価の連結基を表し、Yは環状化合物を有する置換基を表す。) - ハードコート層の表面が凸凹形状となっており光防眩性を有することを特徴とする請求項13記載の反射防止フィルム。
- 前記反射防止フィルムの表面を水に15分間接触させた後に拭き取った部分の、D65標準光源下で測定したCIE1976L*a*b*色空間における色度変化△Eが0.45以下であることを特徴とする請求項13または14に記載の反射防止フィルム。
- 請求項13〜15のいずれかに記載の反射防止フィルムを、偏光膜の保護フィルムの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
- 請求項13〜15のいずれかに記載の反射防止フィルムを、偏光膜の保護フィルムの一方に、光学異方性のある光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムのもう一方に用いたことを特徴とする偏光板。
- 請求項13〜15のいずれかに記載の反射防止フィルム、あるいは請求項16または請求項17に記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
- 画像表示装置が、TN、STN、IPS、VA及びOCBの何れかのモードの透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置であることを特徴とする請求項18に記載の画像表示装置。
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