JP2005332754A - 透明導電膜形成用塗布液及び透明導電膜 - Google Patents

透明導電膜形成用塗布液及び透明導電膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 導電性・透過性を兼ね備えた透明導電膜を形成可能な透明導電膜形成用塗布液を提供する。
【手段】 透明導電膜形成用塗布液は、導電性酸化物粒子と導電性ポリマーとを含み、全溶剤に対して0を超え90%以下のアルコール類を含むものである。さらには、導電性酸化物粒子に対して0.1〜50重量%の水を含む。アルコール類は、たとえば、エチレングリコールモノアルキルエーテル及び/又はプロピレングリコールモノアルキルエーテル等である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透明導電膜形成用塗布液及びこれを用いた透明導電膜に関する。より詳しくは、帯電防止膜、電磁波シールドなどとして使用可能な透明導電膜形成用塗布液及びこれを用いた導電膜に関する。
導電性組成物としては、有機系及び無機系の多くの化合物が知られている。無機化合物としては、ITO(酸化インジウム-酸化錫,Indium Tin Oxide)などに代表される酸化物導電体があり、これらの材料は、各種手法により、基体表面に膜状に形成され透明導電膜として使用されている(例えば、非特許文献1参照)。また、酸化物導電体微粒子は、樹脂中へ粉体として添加することにより、樹脂の体積抵抗値を低下させるのに有効である。これらの用途では、金属微粒子やカーボンフィラーなども使用されている(例えば、非特許文献2参照)。
一方、有機系の化合物としては、ポリアセチレン(特許文献1、非特許文献3)、ポリアニリン誘導体(特許文献2,非特許文献4)やポリピロール誘導体(特許文献3、特許文献4、特許文献5、非特許文献5)などに代表される一連の導電性ポリマーが知られている。
特公平3−49938号公報 特開2002−275261号公報 特公平3−79371号公報 特開平5−287088号公報 特開平8−157574号公報 榎浩利、「酸化物透明電極材料」まてりあ、第34巻、第3号、p344〜351(2002) インターネット<http://www.m-kagaku.co.jp/business/library/ketjen-bl.htm> 赤城和夫、「導電性ポリマーの開発動向」工業材料、第50巻、第6号、p18〜21(2002) 小長谷重次、「導電性高分子複合PETフィルム・シート」工業材料、第50巻、第6号、p52〜55(2002) 川島英一、西島正敬、「ポリピロール被覆のデバイス容器」工業材料、第50巻、第6号、p56〜59(2002)
しかしながら、上記のITOなどに代表される酸化物導電体は、スパッタリング法などの真空プロセスやゾル-ゲル法などの液相法により基体表面に透明導電膜を形成する。スパッタリング法などの真空プロセスで透明導電膜を形成するには、高価な設備が必要である。一方、液相法では、500℃以上の高温処理が必要である。
安価なプロセスとして、導電性酸化物微粒子の分散液を作成し、基体表面に塗布し乾燥する事も可能であるが、得られる透明導電膜のシート抵抗値は、数1000Ω/□以上と低抵抗化が非常に難しく、その応用範囲が限定されている。
また、上記のようなITO、金属微粒子やカーボンフィラー等を用いた無機膜は、可とう性に劣るため、柔らかなシート面へ形成するとクラックの発生や導電膜の剥離などが進行し、実用的な膜を形成することが難しい。
非特許文献3に示された導電性酸化物微粒子を導電性フィラーとして使用する場合、その添加量が数10重量%必要となる。また、透明性の低下、摩擦による粉の発生などの問題を有する。
一方、導電性ポリマーは、一部の例外を除き不溶性、不融性であるため、加工性に欠ける。従って、表面処理剤のような塗布や練り混みによる複合化が難しい。
この様な導電性ポリマーの問題点を解決するため、非特許文献4では、ポリアニリンをスルホン化することにより、塗布成膜可能な塗布液を得ている。しかし、成膜するためには、高分子バインダーの使用が必須であり、得られた膜のシート抵抗値は、107Ω/□であり、本来ポリアニリンが有する導電特性より大幅に低下している。
特許文献4、特許文献5では、ポリピロールの3位にエステル基を導入することにより、有機溶剤に可溶化することが可能となり、成膜用バインダーを使用せずに膜が形成可能であることが示されている。しかし、有機溶剤への溶解性を向上させるためのエステル基導入により、その抵抗値が、107〜108Ω/□となり、導電率が低下する。
非特許文献5では、ポリピロールを担体表面で重合させることにより、ポリピロールが本来有する導電性を損なわずに、103〜108Ω/□の塗布膜を形成することが可能であることが示されている。しかし、この手法では、汎用的に各種担体上に成膜することが難しく、その適用範囲が大きく限定されるという問題点がある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、導電性、透明性に優れた塗布成膜が形成可能である透明導電膜形成用塗布液を提供することにある。また、その透明導電膜形成用塗布液を用いることにより、透明導電膜を提供することにある。
本願発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した。その結果、導電性酸化物粒子と導電性ポリマーを含む塗布膜に所定の割合でアルコール類を用いることにより、透明性、導電性に優れた塗布成膜が形成可能である事を見出した。また、塗布液中に水が共存することが、透明性、導電性を向上させることに有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1の透明導電膜形成用塗布液は、上記の課題を解決するために、導電性酸化物粒子と導電性ポリマーとを含む透明導電膜形成用塗布液において、全溶剤に対して、0を超え90重量%以下のアルコール類を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、アルコール類が含まれていることで導電性酸化物粒子の分散性が向上する。これにより、分散性に優れた透明導電膜形成用塗布液を提供可能であり、結果として、各導電性酸化物粒子間に導電性ポリマーが架橋することで、導電性酸化物粒子が高分散に存在し、個々の導電性酸化物粒子(導電性粒子)の接触が無くとも(導電性粒子の凝集によるストラクチャの形成が無くとも)導電性ポリマーを導電パスとする事が出来る。このため導電性粒子同士による凝集形態を形成することなく導電性を向上させることができる導電性、可とう性に優れる透明導電膜を提供することができる。
請求項2の透明導電膜形成用塗布液は、上記の課題を解決するために、導電性酸化物粒子と導電性ポリマーとを含む透明導電膜形成用塗布液において、全溶剤に対して30〜90重量%のアルコール類を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、アルコール類が含まれていることで導電性酸化物粒子の分散性が向上する。これにより、分散性に優れた透明導電膜形成用塗布液を提供可能であり、結果として、各導電性酸化物粒子間に導電性ポリマーが架橋することで、導電性酸化物粒子が高分散に存在し、個々の導電性酸化物粒子(導電性粒子)の接触が無くとも(導電性粒子の凝集によるストラクチャの形成が無くとも)導電性ポリマーを導電パスとする事が出来る。このため導電性粒子同士による凝集形態を形成することなく導電性を向上させることができる導電性、可とう性に優れる透明導電膜を提供することができる。
請求項3の透明導電膜形成用塗布液は、上記の課題を解決するために、アルコール類が、エチレングリコールモノアルキルエーテル及び/又はプロピレングリコールモノアルキルエーテルであることを特徴としている。
上記の構成によれば、透明導電膜形成用塗布液中での導電性酸化物粒子の分散性が向上し、さらに優れた導電性、透光性を得ることができる。
請求項4の透明導電膜形成用塗布液は、上記の課題を解決するために、請求項1又は2記載の透明導電膜形成用塗布液において、導電性酸化物粒子に対して0.1〜50重量%の水を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、透明導電膜形成用塗布液中での導電性酸化物粒子の分散性が向上し、さらに優れた導電性、透光性を得ることができる。
請求項5の透明導電膜形成用塗布液は、上記の課題を解決するために、導電性ポリマーが、ポリピロールであることを特徴としている。
上記の構成によれば、ポリピロールを用いることで、ハロゲン含有物質であるドーパントを用いることなく優れた導電性を発現することができる。
請求項6の透明導電膜は、上記の課題を解決するために、 請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電膜形成用塗布液を用いて形成されたことを特徴としている。
上記の構成によれば、透明導電膜が上記透明導電膜形成用塗布液を用いて形成されていることで、導電性に優れ、かつ、透明性を有する導電膜を提供できる。また、ハロンゲン系のドーパントを用いることなく導電膜の成膜がなされるので、環境を害することが少ない。さらには、バインダー成分を用いることなく導電性塗布膜が形成可能であり、バインダー成分の添加による導電性の低下を回避でき、優れた導電性を発現できる。
本発明の透明導電膜形成用塗布液は、以上のように、導電性酸化物粒子と導電性ポリマーとを含む塗布液に所定の割合でアルコールを用いることにより、透明性、導電性に優れた塗布成膜が形成可能である。また、塗布液中に水が共存することが、透明性、導電性を向上させることに有効である。これにより、帯電防止膜、電磁波シールド、ポリマーバッテリー用電極、コンデンサー固体電解質などとして使用可能な、導電性、可とう性に優れると同時に透明性や機械特性、練り込みなどの加工性に優れた透明導電膜形成用塗布液を提供することができる。また、導電性を低下させることなく可とう性、透過性を有する導電性フィルムやシート等の導電膜を提供できる。また、樹脂成分と組み合わせることにより、導電性を付与された樹脂複合材料が提供できる。
本発明の透明導電膜形成用塗布液は、導電性酸化物粒子と導電性ポリマーを含む透明導電膜形成用塗布液において、0を超え90重量%以下、より好ましくは、30〜90重量%のアルコールを含むものである。
導電性酸化物粒子と導電性ポリマーとは各々の欠点を補完し合うために併用される。導電性酸化物粒子単独であれば、導電性を発現するために、凝集による各構成粒子間のネットワークの形成が必須である。しかし、この様な凝集形態を形成することにより、導電性は向上するが透明性や機械特性などの他の特性が低下する。導電性ポリマーを添加した本発明の透明導電膜形成用塗布液の使用は、図1に示したような擬似的な構造を形成し、導電性ポリマーが各導電性酸化物粒子間に架橋することで、導電性酸化物粒子の凝集によるネットワーク形成なしで、導電性の向上に寄与すると考えられる。
本発明の透明導電膜形成用塗布液における導電性酸化物量及び導電性ポリマー量は、形成される導電膜や複合材料の用途に応じて適宜定めればよく特に限定されないが、導電性酸化物粒子量が10重量%未満であると抵抗値が低下するおそれがあるため好ましくない。一方、98重量%を超えると得られた透明導電膜の可とう性が低下するおそれがあるため好ましくない。より好ましくは、導電性酸化物粒子量が、50〜95重量%である。
導電性酸化物粒子の平均粒径が、80nmより大きくなると、可視光の透過性や機械特性が低下するおそれがあるため好ましくない。より好ましくは、50nm以下である。上記平均粒径は、例えば、比表面積径の平均値等として測定される。
導電性酸化物粒子は、粒子に導電性を有するものであれば特に限定されないが、比較的低い比抵抗値を有する酸化インジウムー酸化錫(ITO)、IIIb族元素がドープされた酸化亜鉛、Vb族元素又はフッ素がドープされた酸化錫が、好ましく用いられる。
酸化亜鉛にドープされるIIIb族元素としては、硼素又はアルミニウムが好ましく用いられる。酸化錫にドープされるVb族元素としてはアンチモンが好ましく用いられる。
導電性ポリマーの種類は、特に限定されないが、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリ(3,4−エチレンジエチレンジオキシチオフェン、ポリフルオレン、ポリアニリン、ポリアセンなどが用いられる。
導電性ポリマーは、可溶性であることが好ましい。可溶性導電性ポリマーとしては、下記化学式(1)、(2)、(3)、(4)で示される化合物などが用いられる。
導電性ポリマーは、好ましくは、ポリピロールであり、更には、上記化学式(1)で示される可溶性ポリピロールであることがより好ましい。
導電性ポリマーの導電性発現のためには、ドーパントを添加することが多いが、ポリピロールを用いる本発明の透明導電膜形成用塗布液では、ドーパントの添加を必要としない。特に、上記例示の導電性ポリマーのうち、ポリピロールを用いた場合は、ドーパントを用いることなく優れた導電性を発現できる。
理由は明確ではないが、導電性酸化物粒子とポリピロールとの間に、ドーパントを添加した場合と類似の相互作用が存在すると考えられる。通常導電性ポリマー間の導電性発現のために用いられるドーパントは、ハロゲンを多く含んでおり、ドーパントを含まない本発明の透明導電膜形成用塗布液は、環境に対しても非常に優しい材料となる。
導電性ポリマーは、一般的に溶剤への溶解性が低く、均質溶液を作製することが困難である。上記の可溶性導電性ポリマーも、トルエン、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類などの限定した溶剤にのみ可溶である。一方、導電性粒子の分散性を向上させ、得られる透明導電膜の導電性と、透明性を両立させるためには、導電性粒子の分散性を向上させるための親溶剤を使用する必要がある。
アルコール類は、導電性ポリマーを不溶化するため本来使用できないが、本研究で検討を重ねた結果、透明導電膜形成用塗布液中の全溶剤に対して0を超え90重量%以下の範囲であれば、導電性ポリマーの溶解性と導電性ポリマーの分散性に悪影響を与えることなく、導電性、透明性に優れた透明導電膜を形成可能な透明導電膜形成用塗布液を作成することが可能である。また、用いる溶剤により一様でないが、アルコール類は全溶剤に対して10〜90重量%の範囲内であることがより好ましく、40〜90重量%の範囲内であることがさらに好ましい。
アルコール類の添加量が全溶剤に対する比率として30重量%未満であれば、塗布液中の導電性粒子の分散性向上に与える効果が小さく、一方、90重量%を超えると、導電性ポリマーの溶解性が低下し、均質な透明導電膜形成用塗布液を作製することが出来ない。
導電性酸化物粒子と導電性ポリマーの透明導電膜形成用塗布液中での固形分濃度は、その使用目的、溶剤組成、基板の種類、成膜手法により決定されるものであり、特に限定されないが、好ましくは、固形分濃度0.1〜20重量%である。
アルコール類の種類は、特に限定されないが、成膜性などを向上させるためにエチレングリコールモノアルキルエーテル及び/又はプロピレングリコールモノアルキルエーテルの使用が好ましい。エチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルがより好ましく用いられる。
本発明の透明導電膜形成用塗布液は、導電性酸化物粒子に対して0.1〜50重量%の水を含む事が好ましい。導電性ポリマーは、一般的に水へ不溶であり、水の共存により沈殿などの不溶物が析出する。本研究で検討を重ねた結果、本発明の導電性粒子が共存する透明導電膜形成用塗布液では、水の共存により、導電性ポリマーの溶解性と導電性ポリマーの分散性に悪影響を与えることなく、導電性、透明性に優れた透明導電膜を形成可能な透明導電膜形成用塗布液を作成することが可能である。詳細な理由は不明であるが、共存する水分子が、導電性酸化物粒子表面に吸着、配位することで、導電性粒子の分散性を向上すると伴に、導電性ポリマーへの影響を抑制したものと思われる。
水の添加量が、導電性酸化物粒子に対して0.1%未満であれば、その効果は小さく、50重量%を超えると導電性ポリマーの溶解性が低下し、均質な透明導電膜形成用塗布液を作製することが出来ない。
水含有透明導電膜形成用塗布液の製造方法は、特に限定されないが、導電性ポリマーへの悪影響を抑制するため、導電性酸化物粒子分散液に水を添加した後、導電性ポリマー溶液に撹拌しながら徐々添加することがより好ましい。
本発明の透明導電膜形成用塗布液は、成膜などの成形性を付与するためのバインダー成分の添加が不要である。また、密着性などの各特性を改善するために有機成分を添加し使用することも可能である。
本発明の透明導電膜形成用塗布液は、導電性酸化物粒子の分散液中での導電性ポリマーの重合反応による複合化や導電性酸化物粒子の分散液への可溶性導電性ポリマーの添加により製造される。
導電性酸化物粒子は、分散剤などを併用する事により、導電性ポリマーの重合反応に用いられる、又は、可溶な溶剤中にあらかじめ分散される。この時、分散液中の導電性酸化物粒子の平均粒度分布(平均凝集粒径)が、80nm以下であることが好ましい。また、可溶性導電性ポリマーを用いる場合は、可溶性導電性ポリマーの共存下で導電性酸化物粒子の分散処理を行うことも可能である。
本発明の透明導電膜形成用塗布液を基体に塗布することにより、透明導電膜が形成される。成膜方法は、基体の種類や形状により随時選択され、特に限定されない。例えば、スプレーコート、ディップコート、スピンコート、バーコートなどが用いられる。
透明導電膜の膜厚は、目的とする抵抗値や透過率により随時選定され、特に限定されない。
本発明の透明導電膜形成用塗布液を樹脂材料に添加する事で導電性が付与された樹脂複合材料が得られる。用いられる樹脂成分は、導電性ポリマーと相溶化可能な物であれば特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、 (メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン、チオウレタン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、セルロイド、ポリオキサゾリン、ポリピロリドン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルペンテン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、アルキド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂などが用いられる。
透明導電膜形成用塗布液と樹脂成分の混合方法は、特に限定される物ではなく、樹脂成分の組成、用途や形状により随時選定される。各成分を直接混合する事により、樹脂複合材料が製造される。また、樹脂成分のモノマー原料と導電性成分をあらかじめ混合した後、樹脂成分の重合処理により、樹脂複合材料が製造される。
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。
〔実施例1〜8〕
化学式(5)に示されたポリピロール(日本曹達株式会社製、商品名;SSPY)の10重量%ジメチルアセトアミド溶液に、所定量のプロピレングリコール−α−モノメチルエーテルとITO粒子(平均比表面積径:12nm)を加えた後、0.3mmのジルコニアボールを用い、24時間ボールミル混合し透明導電膜形成用塗布液を得た。ポリピロールとITO粒子を合計した固形分濃度を5重量%とした。得られた分散液をコロナ処理されたPET基板上(全透過率:89.7%、ヘイズ:3.3%)にスピンコート(2000rpmで20秒)した後、80℃で1時間乾燥した。この操作を3回繰り返し、塗布膜を得た。
得られた塗布膜の抵抗値を4端子法により、温度24℃、相対湿度38%の環境下で測定した。また、ヘイズメーターにより、全透過率とヘイズ値を測定した。仕込み比率及び評価結果を表1にまとめる。
ITO量を90重量%とした時、溶剤中のプロピレングリコール−α−モノメチルエーテル比率の増加に伴いシート抵抗値が低下し、90%で7.2x105Ω/□となった。一方、ヘイズは、プロピレングリコール−α−モノメチルエーテル量66.7%で6.5%と最小値となった。プロピレングリコール−α−モノメチルエーテル量66.7%としたとき、ITO添加量が80重量%で、シート抵抗値4.1x105Ω/□、ヘイズ9.8%と最もバランスの良い値となった。
〔比較例1〕
全溶剤に対するプロピレングリコール−α−モノメチルエーテル比率を95重量%とする以外は実施例1と同様の操作を行った。ポリピロールの析出が認められ成膜可能な塗布液を得ることが出来なかった。
〔比較例2〕
プロピレングリコール−α−モノメチルエーテル未添加(0重量%)とする以外は、実施例1と同様の操作を行った。この場合、シート抵抗値5.7x106Ω/□、ヘイズ18.1%と本発明の実施例に比べ導電、光学特性共に悪くなった。
〔比較例3〕
ITO比率を100重量%とする以外は、実施例1と同様の操作を行い比較用の塗布液を得た。ヘイズは5.0%と向上したが、シート抵抗値2.3x107Ω/□と大幅に低下した。
〔実施例9〜11〕
実施例1と同様の方法で、溶剤を2−プロパノールに変更し透明導電膜形成用塗布液を得た。実施例1と同様の方法で成膜した後、シート抵抗値、全透過率、ヘイズを測定した。仕込み比率及び評価結果を表1にまとめる。
プロピレングリコール−α−モノメチルエーテルを使用した場合と同様に、2−プロパノール比率の増加によりシート抵抗値が低下し、50%で7.7x105Ω/□となり、アルコール未添加の比較例2と比べ、2−プロパノール添加の効果が認められた。
〔実施例12〜16〕
実施例1と同様の方法で、導電性酸化物粒子をATO(Sbドープ酸化錫、平均比表面積径:20nm)に変更し透明導電膜形成用塗布液を得た。実施例1と同様の方法で成膜した後、シート抵抗値、全透過率、ヘイズを測定した。仕込み比率及び評価結果を表1にまとめる。
ATO量を60重量%とした時、溶剤中のプロピレングリコール−α−モノメチルエーテル比率の増加に伴いシート抵抗値、ヘイズ共に低下し、80%で1.6x106Ω/□と4.6%と最小値となった。
プロピレングリコール−α−モノメチルエーテル比率66.7%の場合、ATO含有量が80重量%で最小抵抗値(9.4x106Ω/□)となり、ヘイズは9.4%であった。ポリピロール未添加の場合(比較例4、シート抵抗値:2.7x107Ω/□、ヘイズ:12.3%)と比べ、シート抵抗値、ヘイズ共に低下し、膜特性の向上が認められた。
〔実施例17〜18〕
ITO粒子をプロピレングリコール−α−モノメチルエーテルに添加後、ITO粒子に対し1%(実施例17)および10%(実施例18)のイオン交換蒸留水を添加し、0.3mmのジルコニアボールを用い、24時間ボールミル混合した。得られたITO分散液を、撹拌しながらポリピロール10重量%ジメチルアセトアミド溶液に滴下し、透明導電膜形成用塗布液を得た。ポリピロール溶液への水の直接添加により認められたポリピロールの析出は認め得られず、均質な塗布液が得られた。実施例1と同様の方法で成膜した後、シート抵抗値(Ω/□)、全透過率(%)、ヘイズ(%)を測定した。仕込み比率及び評価結果を表1にまとめる。
水の添加によりシート抵抗値は大きく変化しないが、その添加量の増加によりヘイズが低下し、10%添加で7.6%となった。水の添加による膜質改善によるヘイズの向上の効果が確認された。
〔比較例5〕
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の10重量%ジメチルホルムアミド溶液とITO粒子を用い、実施例1と同様の条件で塗布膜の作成を行った。得られた塗布膜のシート抵抗値を測定した。ITO含有量85重量%以下でのシート抵抗値は1011Ω/□を超える値となった。
以上の実施例に示したように、本発明によれば、(1)ハロンゲン系のドーパントを用いることなく導電性組成物の製造が可能となる。また、(2)バインダー成分を用いることなく導電性塗布膜が形成可能である。
本発明の透明導電膜形成用塗布液を用い形成された導電性組成物の概略構成を示した説明図である。
符号の説明
1 導電性組成物
2 導電性ポリマー
3 導電性酸化物粒子

Claims (6)

  1. 導電性酸化物粒子と導電性ポリマーとを含む透明導電膜形成用塗布液において、全溶剤に対して、0を超え90重量%以下のアルコール類を含むことを特徴とする透明導電膜形成用塗布液。
  2. 導電性酸化物粒子と導電性ポリマーとを含む透明導電膜形成用塗布液において、全溶剤に対して、30〜90重量%のアルコール類を含むことを特徴とする請求項1記載の透明導電膜形成用塗布液。
  3. アルコール類が、エチレングリコールモノアルキルエーテル及び/又はプロピレングリコールモノアルキルエーテルであることを特徴とする請求項1又は2記載の透明導電膜形成用塗布液。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の透明導電膜形成用塗布液において、導電性酸化物粒子に対して0.1〜50重量%の水を含むことを特徴とする透明導電膜形成用塗布液。
  5. 導電性ポリマーが、ポリピロールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電膜形成用塗布液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明導電膜形成用塗布液を用いて形成されたことを特徴とする透明導電膜。
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