JP2015003942A - 透明導電膜用塗工液及びこれを用いた透明導電膜 - Google Patents

透明導電膜用塗工液及びこれを用いた透明導電膜 Download PDF

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Abstract

【課題】
高い微粒子分散性と、塗工に適した粘性を有する透明導電膜用塗工液、及びこれを製膜、乾燥して製造される、膜中の空隙率が低く、高透明、高導電性を発現する透明導電膜を提供する。
【解決手段】
溶媒中に、0.1〜50重量%の(a)成分及び0.001〜5重量%の(b)成分を含有することを特徴とする透明導電膜用塗工液。
(a)透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmであり、かつ粒子表面に、微粒子全体の重量の0.5〜10重量%の有機配位子が配位している、ITO微粒子。
(b)構造単位中に、酸素、窒素、硫黄のいずれか1つ以上を含有する、重量平均分子量が10,000〜200,000の高分子化合物であり、かつ該高分子化合物を膜とした際に、シート抵抗が1×10Ω/□以下である導電性高分子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明導電膜用の塗工液及びこれを用いた透明導電膜に関するものであり、より詳しくは、溶媒、ITO微粒子、導電性高分子を含んでなる塗工液と、これを製膜することで得られる、透明導電膜に関するものである。
パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、OA機器、医療機器又はカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段を兼ね備える、タッチパネルが広く用いられている。
このようなタッチパネルに用いられる透明導電膜としては、液晶ディスプレイ等の透明電極に用いられているスズを含有する酸化インジウム(以下、ITOと略すこともある)が、優れた透明性と電気導電性とを持ち合わせることからこれまで広く使用されている。
しかし、一般的にこれらスズを含有する酸化インジウムは、スパッタリング方式で蒸着されることから、工程が複雑であること、材料の使用効率が低いこと、また高価な真空製膜装置が必要であること、などの課題が指摘されている。
これに対し、真空工程を必要とせず、大面積や複雑形状の製膜が可能である塗工型の材料が注目されており、これまでに貴金属又は金属酸化物の微粒子分散液を塗工して得られる透明導電膜が報告されている。
そして、貴金属微粒子を用いるものは、具体的には表示装置の表示面上に金、銀、銅等の貴金属微粒子を液中に均一に分散させた塗布液を塗布し乾燥することで、導電性の透明貴金属薄膜を形成し、この透明貴金属薄膜の上層及び/又は下層に、これとは屈折率が異なる透明層を積層して電磁波遮蔽、帯電防止、反射防止等を図るものである。例えば、平均粒子径2〜200nmの範囲内の少なくとも銀を含む貴金属微粒子による導電層と、これと屈折率が異なる透明層とからなる電磁波遮蔽効果と反射防止効果に優れた透明導電膜(例えば特許文献1参照。)、が提案されている。
しかし、特許文献1に提案の方法においては、電磁波遮蔽効果は期待できるものの、銀の光透過スペクトルに依存して400〜500nmの透過光に吸収が生じ、導電膜が黄色に着色し、透過画像の色相が不自然に変化する、膜の光線透過率が低いため膜厚分布に起因した透過色のムラが目立ち易く生産性を悪化させる、塩霧環境では導電膜の表面抵抗率が上昇し電磁波遮蔽効果が低下するため、海岸等塩霧の影響を受け易い場所では耐久性が低下する、等の課題を有するものであった。
また、金属酸化物微粒子を用いるものでは、スズ含有酸化インジウムの微粒子を有機溶媒に溶解または分散した塗布液を基材上に塗布し、乾燥・焼成することにより透明導電膜を作製する方法が提案されている。例えば、インジウム・スズ複合酸化物の粒子を含有するゾル組成物を塗布液として用い、この塗布液を基材上に塗布し、乾燥・焼成することにより、導電性酸化インジウム粒子からなる被膜を形成する方法(例えば特許文献2参照。)、が提案されている。
しかし、通常、塗布液に含まれるインジウム化合物は、無機または有機のインジウム塩など、いわゆる酸化インジウムの前駆体であり、このような分散液を基材上に塗工した後に乾燥しただけでは高い導電性、透明性を示す結晶性酸化インジウムの塗工膜は得られず、基材上に塗工した後の塗工膜を400℃以上の高温で焼成し、インジウム塩を熱分解するとともに得られた酸化インジウムを結晶化することにより、はじめて高導電性の酸化インジウム被膜が形成されるものである。そして、特許文献2に提案されている方法においても、インジウム・スズ複合酸化物ゾル中の複合酸化物微粒子は、非晶質の酸化物であり、該非晶質の酸化物は、高温で焼成することにより結晶化させることを必要としており、実施例でも、500℃で焼成する工程を経て導電性被膜が形成されている。しかしながら、塗工膜を高温、500℃程度の温度で加熱すると、基材がプラスチック基材である場合には基材が損傷してしまう、また基材がガラス基材である場合には基材に歪み、割れなどが生じるという、課題を発生する場合があった。
そこで、高温での焼成工程を必要とせず、塗工及びプラスチック基材に適応可能な200℃以下の低温乾燥のみで高い導電性を発現させるために、結晶性の金属酸化物微粒子を塗工膜として用いることが期待される。
そして、400℃以上での高温による焼結を必要とせず、結晶性の金属酸化物微粒子を得る方法(例えば特許文献3、4参照。)、350℃以下の加熱により、常圧で結晶性のITO微粒子を得る方法(例えば特許文献5、6、7参照。)、さらにオレイルアミンの配位したスズ含有酸化インジウム微粒子合成(例えば非特許文献1参照。)等が提案されている。
特開平08−077832号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開昭59−223229号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2004−123418号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2006−096636号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2007−269617号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2009−084122号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2011−126746号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
J.Am.Chem.Soc.2009,131,17736−17737
しかし、特許文献3、4に提案の方法においては、加圧条件下での処理工程を必須とするものであり、大量生産プロセスに適したものとは言い難い上に、導電性の点においても課題を有するものであった。
また、許文献5、6、7や非特許文献1に提案されるITO微粒子は、高沸点の有機物で表面を保護することで高い分散性を付与したものであるが、これらの分散液を塗工するのみでは、塗工膜中のITO微粒子間に空隙が発生してしまい、透明導電膜として十分な導電性を発現することができないものであった。空隙を埋めるために、高分子バインダー等の添加剤を添加することは有効な手段であると考えられるが、これらの添加剤の多くが非導電性の化合物であることから、ITO微粒子本来の導電性を阻害してしまい、得られる透明導電膜の導電性を阻害してしまうという問題があった。
さらに、通常塗工に適した特性を有する塗工液を得るためには、金属酸化物微粒子と溶媒の他に、高分子バインダーや増粘剤、消泡剤、沈降防止剤、分散剤、レべリング剤等の添加物を添加する必要があるが、これら添加剤もやはり、その種類によらず多くが非導電性の化合物であることから、金属酸化物微粒子の有する導電性を阻害する要因となってしまうという問題があった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、溶媒と特定のITO微粒子と導電性高分子とを含有する塗工液が、高い微粒子分散性を有し、製膜性の優れた透明導電膜塗工液となること、更にこの塗工液を用いた透明導電膜が、優れた透明性と導電性を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、上記事実を鑑みてなされた、分散性が高く、塗工性に優れた透明導電膜用塗工液、及びこれより製造される透明導電膜に関するものであり、より詳しくは、溶媒中に、0.1〜50重量%の(a)成分及び0.001〜5重量%の(b)成分を含有することを特徴とする、透明導電膜用塗工液。
(a)透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmであり、かつ粒子表面に、微粒子全体の重量の0.5〜10重量%の有機配位子が配位している、ITO微粒子。
(b)構造単位中に、酸素、窒素、硫黄のいずれか1つ以上を含有する、重量平均分子量が10,000〜200,000の高分子化合物であり、かつ該高分子化合物を膜とした際に、シート抵抗が1×10Ω/□以下である導電性高分子。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、透明導電膜用塗工液、及びこれを用いた透明導電膜に関するものである。より詳しくは、溶媒中に、0.1〜50重量%の(a)成分及び0.001〜5重量%の(b)成分を含有することを特徴とする透明導電膜用塗工液。
(a)透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmであり、かつ粒子表面に、微粒子全体の重量の0.5〜10重量%の有機配位子が配位している、ITO微粒子。
(b)構造単位中に、酸素、窒素、硫黄のいずれか1つ以上を含有する、重量平均分子量が10,000〜200,000の高分子化合物であり、かつ該高分子化合物を膜とした際に、シート抵抗が1×10Ω/□以下である導電性高分子。
すなわち、(a)成分である導電性のITO微粒子と、(b)成分である導電性高分子を含有する塗工液とすることで、(b)成分の導電性高分子によって、該塗工液に適度な粘性を付与できるだけでなく、さらに塗工膜中に生じる、(a)成分であるITO微粒子間の空隙を、(b)成分である導電性高分子が埋める効果が得られ、前記空隙による導電性の低下を抑制することが可能となる。
本発明の透明導電膜用塗工液に用いる溶媒としては、上記(a)成分及び(b)成分を、それぞれ所定量、分散または溶解しうるものであれば特に制限はなく、2種類以上を混合して使用することもでき、例えば、水;メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、1−プロピレン−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、テルピネオール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル等のエステル類;メトキシエタノール、エトキシエタノール等のエーテルアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、トリメチルペンタン等の長鎖アルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環状アルカン類等の常温で液体の溶媒を適宜選択して使用すればよい。これらの中でも、上記(a)成分であるITO微粒子の分散性に優れることから、水、クロロホルム、シクロヘキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メトキシ−2−プロパノールより選ばれる、いずれか1つ以上を用いることが好ましい。
本発明の透明導電膜用塗工液の(a)成分であるITO微粒子は、透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmであり、好ましくは4〜50nm、さらに好ましくは5〜40nmである。平均粒子径が3nm未満の場合、得られる塗工膜は、導電性を発現するITOの体積割合の低いものとなり、透明導電膜として十分な導電性を発現できない恐れがある。一方、平均粒子径が60nmを越える場合、有機配位子の分散力が不足し、微粒子の凝集が進行しやすくなるため、塗工液及び透明導電膜の透明性低下が懸念される。
ITO微粒子の平均粒子径については、該ITO微粒子を適当な分散溶媒に分散させた、濃度0.01重量%以下の低濃度分散液を用意し、これをコロジオン膜展張したカーボンコーティング銅メッシュに滴下して分散溶媒を揮発させ、透過型顕微鏡で観察する方法により測定を行う。そして、ITO微粒子の平均粒子径の測定には、倍率20万倍で観察された像の写真を撮影し、300個以上のITO微粒子の粒子径を測定し、平均化することで、平均粒子径を求める。
本発明の透明導電膜用塗工液中の(a)成分であるITO微粒子は、微粒子表面に有機配位子が配位した構造をとるものであり、この有機配位子が分散溶媒と溶媒和するために、特殊な分散剤または特殊な操作を必要とすることなく、単に分散溶媒中に該ITO微粒子を添加するのみで、単分散性に優れる分散液を得ることができる。
ここでいう有機配位子とは、ITO微粒子の表面に配位することで、該ITO微粒子に分散性を付与することが可能な低分子化合物でありITO微粒子に配位可能な構造であれば、特に制限はなく、構造中に酸素、窒素、硫黄、リンのいずれか1つ以上の元素を含むものであることが好ましい。また該有機配位子は、分子量1,000以下の化合物であることが好ましく、さらに好ましくは500以下、特に好ましくは300以下の化合物である。
有機配位子としては、ITO微粒子への配位が可能な、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基、カルボニル基、アシル基、アセチル基、エーテル基、エポキシ基、ホスフィノ基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基、アミノ基、ピリジル基、ビピリジル基、アミド基、シアノ基、ハロゲン基を有する化合物を挙げることができ、中でもITO微粒子を安定的に分散させうることから、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基のいずれかを配位基として有していることが好ましい。なおこれらは、ITO微粒子に対し、多座配位、単座配位のいずれの形態を有するものでもよい。
具体的な有機配位子として、例えばヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ヘキサデカノール、オレイルアルコール、テトラコサノール等のアルコール類;ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、ステアリルアミン、ノナデシルアミン、オレイルアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミン類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、コハク酸、イタコン酸、グルタル酸、アジピン酸、α−ケトグルタル酸、リンゴ酸、オキサロ酢酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、イソクエン酸、オキサロコハク酸、アコニット酸、エチレンテトラカルボン酸、メソーブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸等のカルボン酸類;メタンチオール、エタンチオール、1−プロパチオール、2−プロパチオール、1−ブタチオール、1−ペンタンチオール、ベンジルチオール、1,2−エタンジチオール、1,4−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1−フェニルエタンチオール、1,4−ベンゼンジチオール、トルエン−3,4−ジチオール等のチオール類を挙げることができ、好ましくはヘキサデカノール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアミン、ノナデシルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン、シュウ酸、マロン酸、コハク酸である。
そして、これらの有機配位子は、ITO微粒子全体の重量の0.5〜10重量%、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは2〜10重量%ITO微粒子に配位しているものである。有機配位子の配位量が0.5重量%未満である場合、ITO微粒子同士が凝集を起こしやすく、得られる透明導電膜用塗工液は分散安定性に劣るものとなる。一方、有機配位子の配位量が10重量%を越える場合、ITO微粒子に占める絶縁性である有機物の割合が高くなることから、得られる透明導電の導電性低下が懸念される。
該ITO微粒子中の有機配位子の配位量の測定方法は、ITO微粒子分散液を0.5μmフィルタで濾過した後、80℃、減圧下で乾固することでITO微粒子紛体を調製し、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)(エスアイアイ・ナノテクノロジー社(株)製、(商品名)TG/DTA6200等)により、窒素雰囲気中、100℃で60分保持した後、10℃毎分で500℃まで昇温、その後500℃で180分間保持し、100℃から500℃の範囲における重量の減少値を有機配位子の配位量とする。
そして、本発明の透明導電膜用塗工液は、(a)成分であるITO微粒子を0.1〜50重量%含有するものであり、特に該ITO微粒子の分散性に優れ、透明導電膜の製膜性にも優れたものになることから、該ITO微粒子の含量が0.5〜30重量%が好ましく、さらには1〜20重量%が好ましい。ここで、(a)成分であるITO微粒子の含量が0.1重量%未満である場合、塗工膜中の同微粒子間の距離が遠くなることから、十分な導電性を有する導電膜を得ることが困難となる。一方、(a)成分であるITO微粒子の含量が50重量%を超える場合、分散液中での同微粒子が凝集を起こしやすく、分散安定性に劣る塗工液となる。
以下に、本発明の透明導電膜作製用塗工液中の(a)成分である有機配位子が配位しているITO微粒子の製造方法の好ましい例示を示す。
本発明の透明導電膜用塗工液中の(a)成分であるITO微粒子は、透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmであり、かつITO微粒子表面に、ITO微粒子全体の重量の0.5〜10重量%の有機配位子が配位子した構造を有するものであり、上記の特性を満足するものであれば、如何なる方法により得られたものでもよい。簡便な製造手法の一例としては、例えば前述の非特許文献1にある、1工程での合成手法を挙げることができ、本発明におけるITO微粒子としては、この手法に限らず、公知の手法に基づいて製造することができる。
有機配位子としてアルコール類が配位しているITO微粒子を得る方法としては、例えばインジウムカルボキシレート、スズカルボキシレート及び分子量1,000以下のアルコール類の混合物を、220℃以上に加熱することにより得ることが可能である。また、インジウムカルボキシレートの代りに、硫酸インジウム、硝酸インジウム等に代表される無機酸インジウムを用いることも可能である。
該インジウムカルボキシレートとしては、ITO微粒子を形成するための酸素を含有しているものである。インジウムカルボキシレートにおけるインジウムに付加したカルボキシレートは、炭素数3〜20のカルボキシレートであることが好ましく、特に、飽和脂肪族カルボキシレート、不飽和カルボキシレート、芳香族カルボキシレートが好ましい。該インジウムカルボキシレートの具体的な例としては、例えばギ酸インジウム、酢酸インジウム、プロピオン酸インジウム、酪酸インジウム、吉草酸インジウム、カプロン酸インジウム、エナント酸インジウム、カプリル酸インジウム、ペラルゴン酸インジウム、カプリン酸インジウム、ラウリン酸インジウム、ミリスチン酸インジウム、パルミチン酸インジウム、マルガリン酸インジウム、ステアリン酸インジウム、オレイン酸インジウム、2−エチルヘキサン酸インジウムなどの飽和脂肪族インジウムカルボキシレート;オレイン酸インジウム、リノール酸インジウムなどの不飽和インジウムカルボキシレート;トリ安息香酸インジウム、フタル酸インジウムなどの芳香族カルボン酸インジウム;などを挙げることができる。
該スズカルボキシレートも、前述のインジウムカルボキシレートと同様に、ITO微粒子を形成するための酸素を含有しているものである。スズカルボキシレートにおけるスズに付加したカルボキシレートは、炭素数1〜20のカルボキシレートが好ましく、特に、飽和脂肪族カルボキシレート、不飽和カルボキシレート、芳香族カルボキシレートが好ましい。該スズカルボキシレートの具体的な例として、例えばギ酸スズ、酢酸スズ、プロピオン酸スズ、酪酸スズ、吉草酸スズ、カプロン酸スズ、エナント酸スズ、カプリル酸スズ、ペラルゴン酸スズ、カプリン酸スズ、ラウリン酸スズ、ミリスチン酸スズ、パルミチン酸スズ、マルガリン酸スズ、ステアリン酸スズ、オレイン酸スズ、2−エチルヘキサン酸スズなどの飽和脂肪族スズカルボキシレート;オレイン酸スズ、リノール酸スズなどの不飽和インジウムカルボキシレート;安息香酸スズ、フタル酸スズなどの芳香族カルボン酸スズ;などを挙げることができる。
該アルコール類としては、上記したものと同様のものを用いることができる。
該ITO微粒子を製造する際のインジウムカルボキシレートとスズカルボキシレートの割合は任意であり、その中でも特に導電性に優れるITO微粒子となることから、インジウムカルボキシレート/スズカルボキシレート(モル比)=95/5〜60/40として反応を行うことが好ましい。
また、アルコール類の使用量は、インジウムカルボキシレートとスズカルボキシレート中のカルボキシレートを置換できる量を用いれば十分であり、反応を効率よく進めるためには、インジウムカルボキシレートとスズカルボキシレートのモル数の和よりも過剰量のアルコール配位子を用いることが好ましく、反応時に用いるインジウムカルボキシレートとスズカルボキシレートのモル数の和に対して、アルコール類のモル数が、3倍以上、さらには5倍以上、特に8倍以上が好ましい。
そして、インジウムカルボキシレート、スズカルボキシレート、アルコール類を反応する温度は、該ITO微粒子を製造することが可能であればよく、220℃以上が好ましく、さらに好ましくは220〜280℃、特に好ましくは220〜250℃である。また反応雰囲気は無酸素条件下であることが好ましく、窒素気流中、減圧中であることが好ましい。
加熱の際には、溶媒を用いることも可能であり、該溶媒としては、220℃以上の沸点を有するものであることが好ましく、例えば1−オクタデセン、安息香酸ブチル、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジ−n−オクチルエーテル、ジフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等を具体的例示として挙げることができる。
また、該有機配位子を有するITO微粒子を製造する際に、反応速度を制御する目的で有機酸を添加してもよく、該有機酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、イソ吉草酸、ピバル酸、3−メチルブタン酸、ヘプタン酸、2−メチルペンタン酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,3−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、ヘキサン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、ペンタデシル酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イコサン酸等を使用することができ、またその使用量についても、その目的に応じて任意に設定することができる。
上記手法により得られた、分子量1,000以下のアルコール類を配位子に有するITO微粒子と他の有機配位子と配位子交換することにより、他の有機配位子を有するITO微粒子を得ることができる。
そして、分子量1,000以下のアルコール類を配位子に有するITO微粒子から、分子量1,000以下のカルボン酸化合物を配位子に有するITO微粒子に配位子交換する方法としては、例えば、反応前駆体となるアルコール類を配位子に有するITO微粒子と、ITO微粒子中間体において有機配位子とするカルボン酸化合物とを、溶媒中にて好ましくは温度60℃以上、特に好ましくは70℃以上、好ましくは時間5時間以上、特に好ましくは7時間以上加熱攪拌することで、配位子交換を行うことができる。速やかに配位子交換反応を進行させるため、アルコール類を配位子として有するITO微粒子に対し、大過剰のカルボン酸化合物を用いることが好ましい。ここでいう大過剰とは、アルコール類を配位子として有するITO微粒子中の、インジウムとスズの合計モル数に対し、3倍以上のモル数のカルボン酸化合物を使用することをいう。
なお、反応の際の雰囲気は無酸素条件下であることが好ましく、窒素気流中であることが好ましい。
なお、カルボン酸化合物としては、上記のものを用いることができる。
該配位子交換反応において、使用する溶媒としては、配位子交換によって新たに有機配位子とする化合物を溶解するものであれば特に制限はなく、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル等のエステル類;メトキシエタノール、エトキシエタノール等のエーテルアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、トリメチルペンタン等の長鎖アルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環状アルカン類等の常温で液体の溶媒を適宜選択して使用すればよい。
このようにして得られた有機配位子が配位しているITO微粒子を精製、例えば遠沈精製することにより、特に優れた透明性と導電性を発現する透明導電膜を与えうる、透明導電膜用塗工液を得ることができる。その際の遠沈精製とは、遠心分離装置を用いて、得られた反応液又は分散液をITO微粒子と上澄み液に分離し、上澄み液を除去後、分散溶媒を添加、遠心分離を繰り返して、ITO微粒子の洗浄を行う方法を示す。そして、遠沈精製の際、ITO微粒子と上澄みの分離が可能な条件であれば、遠心分離装置の条件に特に制約はない。また、使用する分散溶媒についても、微粒子が十分に分散、沈降する分散媒であれば、特に制限はない。
該沈殿溶媒としては、ITO微粒子を凝集沈降させる溶媒であれば特に制限はなく、中でもアルコール系溶媒であることが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−エチル−1−ブタノール、3,3’−ジメチル−1−ブタノール、3,3’−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ベンジルアルコール、クロチルアルコール等が挙げられ、ITO微粒子の沈殿特性と実用性から、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールを使用することが好ましく、中でもメタノール、エタノール、2−プロパノールが特に好ましい。
該分散溶媒としては、ITO微粒子を分散させる溶媒であれば特に制限はなく例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル等のエステル類;メトキシエタノール、エトキシエタノール等のエーテルアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、トリメチルペンタン等の長鎖アルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環状アルカン類等の常温で液体の溶媒が挙げられる。
精製、遠沈精製を繰り返すことにより、反応溶媒、沈殿溶媒を分散溶媒へと置換することが可能となり、本発明の透明導電膜用塗工液とすることが可能となる。
そして、遠沈精製により、ITO微粒子と、未反応原料、反応副生成物等とを分離することが可能となり、特に優れた透明性と導電性とを発現する透明導電膜を与えうる、透明導電膜用塗工液を得ることができる。その中でも特に、導電性に優れる透明導電膜を与えうる透明導電膜用塗工液となることから、未反応の有機配位子を分離精製することが好ましく、該ITO微粒子の重量に対し10000ppm以下とすることが好ましい。
その際の遠沈精製条件としては、例えば遠心分離を3回以上、好ましくは4回以上繰り返して実施することが好ましく、特に高い遊離有機配位子の分離を実現できることから、ITO微粒子を沈殿させるための沈殿溶媒と上記した分散溶媒とを組み合わせて使用することが好ましい。
また、本発明の透明導電膜用塗工液に含まれることもある、遊離アミン配位子量は、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーなどに代表される、クロマトグラフィー法により測定することが可能である。
本発明の透明導電膜用塗工液の(b)成分である導電性高分子は、構造中に酸素、窒素、硫黄のいずれか1つ以上を含有する、GPCのポリエチレングリコール換算重量平均分子量が10,000〜200,000の高分子化合物であり、かつ該高分子化合物を膜とした際に、シート抵抗が1×10Ω/□以下である。(a)成分であるITO微粒子との相溶性、及び塗工液に使用する溶媒への溶解性、または分散性を有するものであり、上記の重量平均分子量及び導電特性を満足するものであれば、いかなるものも使用することができ、構造の一例としては、例えばポリピロール類、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリエチレンジオキシチオフェン類、ポリチオフェンビニレン類、ポリエチレンビニレン類、ポリ−p−フェニレンスルフィド類、ポリフラン類、ポリフェニレン類、ポリナフチレンビニレン類、ポリアセン類、及びこれらの繰り返し単位が構造中に含まれる高分子化合物等を挙げることができる。上記の導電性高分子は、複素環又は芳香環は、その水素原子が、アルキレンジオキシ基、アルコキシ基、アルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、フェニル基、およびシアノ基等からなる群より選ばれる基、若しくはハロゲン元素で置換されていてもよい。
これらの中でも特に、透明導電膜にした際に優れた透明性と導電性を発現できることから、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリチオフェン類が好ましい。
ポリピロール類としては、例えばポリピロール、アルコキシ基置換ポリピロール類〔ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)等〕、アルキル基置換ポリピロール類〔ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)等〕、カルボキシル基置換ポリピロール類〔ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)等〕、ヒドロキシ基置換ポリピロール類〔ポリ(3−ヒドロキシピロール)等〕などが挙げられる。
ポリアニリン類としては、例えばポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)などが挙げられる。
ポリチオフェン類としては、例えばポリチオフェン、アルキレンジオキシ基置換ポリチオフェン類〔ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)等〕、アルコキシ基置換ポリチオフェン類〔ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)等〕、アルキル基置換ポリ(チオフェン)類〔ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)等〕、カルボキシル基置換ポリチオフェン類〔ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)等〕、ヒドロキシ基置換ポリチオフェン類〔ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)等〕、フェニル基置換ポリチオフェン類〔ポリ(3−フェニルチオフェン)等〕、シアノ基置換ポリチオフェン類〔ポリ(3−シアノチオフェン)等〕、ハロゲン置換ポリチオフェン類〔ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)等〕などが挙げられる。
これらの中でも特に、入手が容易な点、及び貯蔵安定性に優れる点から、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)のいずれかで表される繰り返し単位を含有する導電性高分子が好ましい。これらの導電性高分子を使用することで、得られる透明導電膜用塗工液が高い分散安定性を有するものとなり、かつ導電性高分子自身が優れた透明性と導電性を有する導電性高分子であることから、製造される透明導電膜が、優れた導電性を発現するものとなる。
本発明の透明導電膜用塗工液中の(b)成分である導電性高分子は、該導電性高分子の導電性を向上させる目的や、溶解性を向上させる目的において、各種公知のカチオン性化合物(電子供与性ドーパント)や、アニオン性化合物(電子受容性ドーパント)を含有するものであってもよい。
該カチオン性化合物としては、例えば各種ルイス酸(PF、AsF、SbF等)、プロトン酸(HF、HCl、HSO等)、各種アルカリ金属(Li、Na、K、Rb等)、アルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba、Mg等)などが挙げられる。
該アニオン性化合物としては、非ポリマータイプのものと、ポリマータイプ(アニオン性ポリマー)のものとに分けられる。該非ポリマータイプのアニオン性化合物としては、例えば各種電解質アニオン(Cl、Br、スルホアニオン等)が挙げられる。
また、該アニオン性ポリマーとしては、分子内に、スルホ基、一置換スルホエステル基、リン酸基、一置換リン酸エステル基およびカルボキシル基に由来するアニオン性官能基を有するものが好ましい。なお、「一置換スルホエステル基」、「一置換リン酸エステル基」とは、スルホエステル基またはリン酸エステル基における水酸基上の水素をアルキル基又はアラルキル基(いずれも炭素数1〜20程度)で置換したものをいう。
これらの中でも、ドーピング率および、ドーピング状態における安定性の観点より、アニオン性ポリマーが、特にスルホ基に由来するアニオン性官能基(スルホアニオン基)を有するアニオン性ポリマーが好ましい。
アニオン性ポリマーは、アニオン性官能基を有する重合性モノマーと、アニオン性官能基を有さない重合性モノマーとを、各種公知の重合法(水溶液重合、有機溶液重合、塊状重合等)により共重合させることにより得られる。アニオン性官能基を有する重合性モノマーとしては、例えば、スルホン酸系重合性モノマー〔ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、およびそれらの塩類等;スチレンスルホン酸系重合性モノマー〔スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、およびそれらの塩類等〕、ブタジエンスルホン酸系重合性モノマー〔1,3−ブタジエン−1−スルホン酸、1−メチル−1,3−ブタジエン−2−スルホン酸、1−メチル−1,3−ブタジエン−4−スルホン酸、イソプレンスルホン酸、およびそれらの塩類等〕、(メタ)アクリレートスルホン酸系重合性モノマー〔(メタ)アクリル酸エチルスルホン酸(CH=C(CH3)−COO−(CH22−SO3H)、(メタ)アクリル酸プロピルスルホン酸(CH=C(CH3)−COO−(CH23−SO3H)、(メタ)アクリル酸−t−ブチルスルホン酸(CH=C(CH3)−COO−C(CH32CH−SO3H)、(メタ)アクリル酸−n−ブチルスルホン酸(CH=C(CH3)−COO−(CH2−SO3H)、(メタ)アクリル酸フェニレンスルホン酸(CH=C(CH3)−COO−C64−SO3H)、(メタ)アクリル酸ナフタレンスルホン酸(CH=C(CH3)−COO−C108−SO3H)、およびそれらの塩類等〕、アリルスルホン酸系重合性モノマー〔アリル酸エチルスルホン酸(CH=CHCH−COO−(CH22−SO3H)、アリル酸−t−ブチルスルホン酸(CH=CHCH−COO−C(CH32CH−SO3H)、およびそれらの塩類等〕、ペンテン酸スルホン酸系重合性モノマー〔4−ペンテン酸エチルスルホン酸(CH=CH(CH22−COO−(CH22−SO3H)、4−ペンテン酸プロピルスルホン酸(CH=CH(CH22−COO−(CH23−SO3H)、4−ペンテン酸−n−ブチルスルホン酸(CH=CH(CH22−COO−(CH2−SO3H)、4−ペンテン酸−t−ブチルスルホン酸(CH=CH(CH22−COO−C(CH32CH−SO3H)、4−ペンテン酸フェニレンスルホン酸(CH=CH(CH22−COO−C64−SO3H)、4−ペンテン酸ナフタレンスルホン酸(CH=CH(CH22−COO−C108−SO3H)、およびそれらの塩類〕、アクリルアミドスルホン酸系重合性モノマー〔アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびそれらの塩類等〕、シクロビニレンスルホン酸系重合性モノマー〔シクロブテン−3−スルホン酸、およびそれらの塩類〕、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート〔アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フタル酸等〕などが挙げられる。
該アニオン性官能基を有する重合性モノマーの塩類をなす塩基性化合物(中和剤)としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素マグネシウム、アンモニアなどが挙げられるアニオン性官能基を有しない重合性モノマーとしては、例えば、アルキルエステル基含有(メタ)アクリレート〔(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニルブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトール、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル等〕、芳香族系モノマー〔スチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−ブチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、p−メトキシスチレン、α−メチルスチレン、ビニルフェノール、2−ビニルナフタレン、6−メチル−2−ビニルナフタレン等〕、非脂環式ジエン〔1,3−ブタジエン、1−メチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,4−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,2−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1−オクチル−1,3−ブタジエン、2−オクチル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン等〕、非脂環式モノエン〔2−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン、エチレン、プロぺン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン等〕、脂環式モノエン〔シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、2−メチルシクロヘキセン等〕、イミダゾール系モノマー〔1−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルイミダゾ−ル等〕、アクリルアミド類〔(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、Nビニルホルムアミド、3−アクリルアミドフェニルボロン酸等〕、アミン系モノマー〔アクリロイルモルホリン、ビニルアミン、N,N−ジメチルビニルアミン、N,N−ジエチルビニルアミン、N,N−ジブチルビニルアミン、N,N−ジ−t−ブチルビニルアミン、N,N−ジフェニルビニルアミン、N−ビニルカルバゾール等〕、その他のモノマー〔ビニルアセテート、アクロレイン、メタクロレイン、アクリロニトリル、ビニルアルコール、塩化ビニル、フッ化ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等〕などが挙げられる。
アニオン性ポリマーの具体例としては、例えばポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸、ならびにそれらの塩類などが挙げられる。これらの中でも、ドーピング状態において安定であることを考慮して、ポリスチレンスルホン酸およびその塩が好ましく、特にポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩が好ましい。
上記のドーパント成分を、導電性高分子にドープする方法は特に限定はなく、例えば、導電性高分子に適当なドーパント成分を外添する方法や、導電性高分子の製造(重合)時に、反応系にドーパント成分を存在させておく方法などが挙げられる。導電性高分子とドーパント成分の組み合わせは、導電性高分子/ドーパント成分の化学的な安定性や、導電性、またこれらを塗工膜にした際の透明性及び導電性の観点より、適宜決定されるものである。
本発明の透明導電膜用塗工液中の(b)成分である導電性高分子は、GPCのポリエチレングリコール換算重量平均分子量が10,000〜200,000であり、好ましくは10,000〜150,000、さらに好ましくは10,000〜100,000である。重量平均分子量10,000未満では、高分子の重量平均分子量が低いことから、得られる透明導電膜にひび割れ等が発生しやすく、強度や基材への密着性に劣るものとなる。一方、重量平均分子量200,000を越える場合では、得られる塗工液の粘度が高く、塗工性に劣るものとなる恐れがある。上記の範囲の重量平均分子量を有することで、別途バインダー高分子や増粘剤等の添加剤を付与することなく、透明導電膜用塗工液に適度な粘性を付与することが可能となる。
また、本発明の透明導電膜用塗工液中の(b)成分である導電性高分子は、膜とした際に、シート抵抗1×10Ω/□以下である。この際の導電性高分子の膜形成方法については特に制限はなく、膜厚0.3〜30μmで、導電性評価が可能な膜が得られるものであれば、どのような手法を用いることもできる。そして、膜厚0.3〜30μmの膜の導電性を測定した際に、シート抵抗が1×10Ω/□以下であるものを、十分な導電性を有する導電性高分子とすることができる。
該導電性高分子は、自身が導電性を有しているため、膜とした際に、(a)成分であるITO微粒子が発現する導電性を大きく阻害することなく、該ITO微粒子間に生じる空隙を埋めることができる。このため、絶縁性である一般的な高分子等の添加剤を添加した際よりも、導電性の低下を抑制することができ、高い導電性を発現する透明導電膜を製造することができる。
そして、本発明の透明導電膜用塗工液は、(b)成分である導電性高分子の含量は、0.001〜5重量%である。得られる透明導電膜用塗工液に適度な粘性を付与し、かつ優れた導電性を発現する透明導電膜を得ることができることから、該導電性高分子の含量が好ましくは0.005〜3重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%である。該導電性高分子の含量が0.001重量%未満である場合、得られる透明導電膜用塗工液の粘度は低く、十分な粘性を付与することができない。一方、該導電性高分子の含量が5重量%を越える場合、得られる透明導電膜用塗工液、及び透明導電膜は、導電性高分子由来の着色の強いものとなり、透明導電膜として十分な透明性を発現することができない恐れがある。
そして、(a)成分であるITO微粒子及び(b)成分である導電性高分子を溶媒中に添加し、攪拌することで、本発明の透明導電膜用塗工液を得ることができる。その際には任意の添加剤を含有していても良く、添加剤としては、高分子分散剤(バインダー樹脂);その他分散助剤、増粘剤、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、乳化剤等のドープ成分として、任意の元素の単体・化合物等を、該塗工液の透明性及び得られる透明導電膜の特性を著しく阻害しない範囲で、適量を含有していてもよい。
上記ドープ成分の中でも、ITO微粒子同士を結合して、透明導電膜の導電性と強度を高めると共に、基材と透明導電膜の密着性を高めるものが、特に効果的である。このような効果を有するドープ成分としては、有機及び/又は無機成分を用いることが好ましく、上記役割を満たすように、透明導電膜用塗工液を適用する分散媒や基材、塗膜形成条件等を考慮して、適宜選定することができる。
有機成分としては、高分子分散剤(バインダー樹脂)を用いることが好ましく、高分子分散剤(バインダー樹脂)としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等から適宜選択することができる。
熱可塑性樹脂は、その種類、構造によって種々のガラス転移点(Tg)をもつため、基材の耐熱性に合わせて適宜選択することが好ましい。熱可塑性樹脂としては、一般に知られた熱可塑性樹脂を用いることができ、硬化のための加熱処理温度から室温まで冷却する過程で、バインダー樹脂の体積収縮をそのまま導電性酸化物微粒子同士の接合力に転化できるため、透明導電膜の導電性を向上させる効果を有することから、高いガラス転移点(Tg)を有するものが好ましく、例えばメタクリル樹脂等のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、常温硬化性樹脂としては、例えば2液性のエポキシ樹脂や各種ウレタン樹脂等が挙げられ、紫外線硬化性樹脂としては、例えば各種オリゴマー、モノマー、光開始剤を含有する樹脂等が挙げられ、電子線硬化性樹脂としては、例えば各種オリゴマー、モノマーを含有する樹脂等を挙げることができる。
透明導電膜に耐溶剤性を付与する目的に置いては、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂等の架橋可能な樹脂が好ましい。
無機成分としては、例えばシリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、チタニアゾル等を主成分とする添加剤を挙げることができる。例えば、上記シリカゾルとしては、テトラアルキルシリケートに水や酸触媒を加えて加水分解し、脱水縮重合を進ませた重合物、あるいはテトラアルキルシリケートを既に4〜5量体まで重合を進ませた市販のアルキルシリケート溶液を、更に加水分解と脱水縮重合を進行させた重合物等を利用することができる。
なお、ドープ成分として、有機−無機のハイブリッドバインダーを用いることもできる。例えば、前述のシリカゾルを一部有機官能基で修飾したバインダーや、シリコンカップリング剤等の各種カップリング剤を主成分とするバインダーが挙げられる。上記無機バインダーや有機−無機のハイブリッドバインダーは、優れた耐溶剤性を有しており、基材との密着力や、透明導電膜の柔軟性等を考慮し、適宜選定する必要がある。
本発明の透明導電膜用塗工液は、(a)成分であるITO微粒子が優れた分散性を発現するため、透明性が高く、該分散液の溶液ヘイズは10%以下が好ましく、さらに好ましくは8%以下、特に好ましくは6%以下である。この際の溶液ヘイズは、日本電色工業社製ヘイズメーター(商品名NDH−5000)により、厚み10mmの液体用セルを用いて、JIS K 7136を準拠し測定する。
本発明の透明導電膜用塗工液は、(b)成分である導電性高分子を適量含有することで、塗工に適した粘性を有するものであり、その溶液粘度は25℃において1〜300mPa・sが好ましく、さらに好ましくは1〜200mPa・s、特に好ましくは1〜100mPa・sである。なお透明導電膜用塗工液の粘性は、塗工法によって好ましい範囲が異なるため、採用する塗工法に合せて、上記範囲内で適宜調整すればよい。
本発明の透明導電膜用塗工液は、例えば基材上に塗工し、200℃以下で乾燥することにより、透明性、導電性に優れる透明導電膜を製造することができる。その際の塗工方法としては、例えばスピンコート法、ドロップコート法、ロールコート法、スプレー法、バーコート法、ディップ法、メニスカスコート法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、Tダイ法、リップコーター法、ロールコート法等の公知の方法がいずれも使用可能である。
使用する基材についても特に制限はなく、例えば、ガラス系などの無機基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルホンなどのポリマーフイルム基材等を使用することができる。これらの基材は、耐溶剤性透明導電膜との密着性を優れたものとするために表面処理剤を用いて表面処理を行ってもよく、表面処理剤としては、例えばシランカップリング剤、有機金属等があげられる。該シランカップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等があげられ、有機金属としては、例えば有機チタン、有機アルミニウム、有機ジルコニウム等があげられる。
塗工後の乾燥条件は、溶媒が除去可能な温度範囲であれば特に制限はなく、透明導電膜用塗工液中の分散溶媒の特性に応じて、適宜設定することができ、乾燥中に塗工液中のITO微粒子や導電性高分子が凝集し、透明導電膜の透明性が低下することを防ぐために、40〜400℃が好ましく、さらに60〜300℃、特に80℃〜200℃が好ましい。なお、乾燥雰囲気は空気中、窒素雰囲気中、減圧下など、特に制限されない。
本発明の透明導電膜の厚みとしては、本発明の目的を損なわないかぎりにおいて任意であり、その中でも特に透明性と導電性のバランスに優れる導電膜となることから0.001〜10μmが好ましく、さらに0.01〜5μmが好ましく、特に0.05〜3μmが好ましい。
本発明の透明導電膜用塗工液は、塗工液中の(a)成分であるITO微粒子を含むものであり、これより製造される膜は、膜の主成分となるITO微粒子が、積層してなるものである。そして、単にITO微粒子が積層してなる膜では、ITO微粒子間に微小な空隙が生じてしまい、導電性が低下してしまうのに対し、本発明の透明導電膜用塗工液には、(b)成分である導電性高分子が含有されているために、このような導電性低下を抑制することが可能である。得られた透明導電膜のシート抵抗としては、10,000Ω/□以下が好ましく、さらに5,000Ω/□以下が好ましく、特に1,000Ω/□以下が好ましい。
本発明の透明導電膜は、基材に対して十分に高い密着性を有するものである。基材への密着性は、例えばJIS K 5600のクロスカット法によって評価可能であり、100個の碁盤目中、剥離個数は10個以下が好ましく、特に好ましくは5個以下である。また透明導電膜として十分な透明性を有することからJIS K 7361−1に準拠し測定した光線透過率が80%以上が好ましく、特に85%以上が好ましい。また、JIS K 7136に準拠し測定したヘイズが10%以下が好ましく、特に5%以下が好ましい。
本発明の透明導電膜用塗工液は、溶媒中に、(a)成分である導電性のITO微粒子と、(b)成分である導電性高分子とを含有する塗工液であり、(b)成分の導電性高分子によって、該塗工液に適度な粘性を付与できるだけでなく、さらに膜中に生じる、(a)成分であるITO微粒子間の空隙を、(b)成分である導電性高分子が埋める効果が得られることから、該空隙による導電性の低下を抑制することが可能となるものであり、優れた透明性と導電性を発現する透明導電膜が製造可能となる。
以下に本発明を実施例により、詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。
<ITO微粒子の精製>
得られたITO微粒子分散液は、遠心機(コクサン(株)製、(商品名)H−201F)を使用し、遠心分離を繰り返すことにより精製を行った。
<ITO微粒子の平均粒子径の算出>
ITO微粒子を適当な分散媒に分散させた、濃度0.01%以下の分散液を用意し、これをコロジオン膜展張したカーボンコーティング銅メッシュに落として分散媒を揮発させ、このサンプルを透過型顕微鏡で観察した。また得られた像から、ITO微粒子の粒子径を読み取り、300個以上のITO微粒子について平均した値を平均粒子径とした。
<ITO微粒子の配位子交換反応進行確認>
反応液を3mL抜出し、遠心分離を実施してITO微粒子を単離した。沈降性が悪い場合は、反応液と等量のジクロロメタン等のハロゲン系溶媒を添加し、遠心分離を実施した。得られたITO微粒子を重水に分散させ、核磁気共鳴装置(日本電子(株)製、(商品名)JMN−EC400)を用い、1H NMRもしくは13C NMRを測定した。得られたスペクトルより、交換前の配位子と、交換後の配位子との比率を算出し、比率が8倍以上をもって反応が進行したものと判断した。
<ITO微粒子の紛体作製>
ITO微粒子の水分散液を0.5μmフィルタで濾過した後、80℃減圧中で乾固させ、ITO微粒子紛体を得た。
<ITO微粒子中の有機配位子の配位量分析>
上記ITO微粒子紛体を用い、熱重量減少測定により分析した。測定には示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、(商品名)EXSTAR TG/DTA6200)を使用した。該微粒子紛体を窒素雰囲気中、100℃で60分保持した後、10℃毎分で500℃まで昇温、その後500℃で180分間保持し、100℃から500℃の範囲における重量の減少値を、加熱分解した配位子の配位量として算出した。
<導電性高分子の導電性の評価>
溶液キャスト法によって、基材状に膜厚0.3〜30μmの導電性高分子膜を作成し、抵抗率計(三菱油化(株)製、(商品名)Loresta−AP)を用い、4探針法にてシート抵抗の測定を行った。
<透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズ>
得られた透明導電膜用塗工液を、厚さ10mmの溶液セルにとり、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、(商品名)NDH−5000)を用い、JIS K 7136に準拠して溶液ヘイズの測定を行った。
<透明導電膜用塗工液の粘度の測定>
得られた透明導電膜用塗工液を2mLサンプル容器に取り、音叉振動式(SV型)粘度計((株)エー・アンド・デイ製、(商品名)SV−10H)を用い、JIS Z 8803に準拠して粘度の測定を行った。
<透明導電膜の導電性の測定>
得られた透明導電膜を、抵抗率計(三菱油化(株)製、(商品名)Loresta−AP)を用い、4探針法にてシート抵抗の測定を行った。
<透明導電膜の光線透過率及びヘイズの測定>
ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、(商品名)NDH−5000)を用い、JIS K 7361−1に準拠して透明導電膜の光線透過率を、JIS K 7136に準拠してヘイズの測定を行った。
<透明導電膜の基材への密着性の評価>
塗料一般試験方法JIS K 5600に準拠してクロスカット試験を実施し、100個の碁盤目のうち剥離個数が10個以下のものを、密着性良好と判断した。
<(a)−1 (オレイルアルコールを配位子に有するITO微粒子)>
100mlフラスコ中にトリス(アセチルアセトナト)インジウム(III)445mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)39μl、オレイルアルコール4.7ml、n−ジオクチルエーテル12mlを仕込み、真空中80℃で1時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中150℃で1時間加熱し、次いで窒素雰囲気中270℃で2時間加熱還流し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にイソプロパノール、分散溶媒にクロロホルムを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子を得た。
得られたITO微粒子の一部を乾固させて微粒子紛体とし、熱重量減少を測定したところ、該ITO微粒子はオレイルアルコールが6.5重量%配位したものであることが確認された。
次いで、得られたITO微粒子の一部をクロロホルムに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、オレイルアルコールの配位したITO微粒子の平均粒子径は7.2nmであった。
<(a)−2 (1−ヘキサデカノールを配位子に有するITO微粒子)>
100mlフラスコ中に酢酸インジウム(III)315mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)39μl、1−ヘキサデカノール3.6ml、n−ジオクチルエーテル10mlを仕込み、真空中70℃で2時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中160℃で0.5時間加熱し、次いで窒素雰囲気中260℃で3時間加熱還流し、1−ヘキサデカノールの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエキネン、分散溶媒にヘキサンを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、1−ヘキサデカノールの配位したITO微粒子を得た。
得られたITO微粒子の一部を乾固させて微粒子紛体とし、熱重量減少を測定したところ、該ITO微粒子は1−ヘキサデカノールが8.2重量%配位したものであることが確認された。
次いで、得られたITO微粒子の一部をヘキサンに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、1−ヘキサデカノールの配位したITO微粒子の平均粒子径は6.4nmであった。
<(a)−3 (ノナデシルアミンを配位子に有するITO微粒子)>
100mlフラスコ中にトリス(アセチルアセトナト)インジウム(III)396mg、酢酸スズ(II)57mg、ノナデシルアミン2.8g、1−オクタデセン10mlを仕込み、真空中70℃で1時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中170℃で2時間加熱し、次いで窒素雰囲気中270℃で3時間加熱還流し、ノナデシルアミンの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエタノール、分散溶媒にクロロホルムを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、ノナデシルアミンの配位したITO微粒子を得た。
得られたITO微粒子の一部を乾固させて微粒子紛体とし、熱重量減少を測定したところ、該ITO微粒子はノナデシルアミンが3.3重量%配位したものであることが確認された。
次いで、得られたITO微粒子の一部をクロロホルムに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、ノナデシルアミンの配位したITO微粒子の平均粒子径は14.0nmであった。
<(a)−4 (ヘキサデシルアミンを配位子に有するITO微粒子)>
100mlフラスコ中に2−エチルヘキサン酸インジウム(III)523mg、酢酸スズ(II)57mg、ヘキサデシルアミン4.5ml、1−オクタデセン9mlを仕込み、真空中70℃で3時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中250℃で2時間加熱還流し、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にイソプロパノール、分散溶媒にヘキサンを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子を得た。
得られたITO微粒子の一部を乾固させて微粒子紛体とし、熱重量減少を測定したところ、該ITO微粒子はヘキサデシルアミンが3.9重量%配位したものであることが確認された。
次いで、得られたITO微粒子の一部をヘキサンに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子の平均粒子径は9.6nmであった。
<(a)−5 (クエン酸を配位子に有するITO微粒子)>
上記(a)−4と同様の手法で、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子を得た。
次いで、得られたヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子全量と、クエン酸1.9g、N,N−ジメチルホルムアミド30mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中100℃10時間加熱攪拌して配位子交換を行い、クエン酸を有機配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、N,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、クエン酸を有機配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。得られたITO微粒子を重水に分散させて1H NMRを測定したところ、交換前の配位子であったヘキサデシルアミンに比べ、交換後の配位子であるクエン酸が8.8倍含有されており、ヘキサデシルアミンからクエン酸へ、配位子交換が進行していることが確認された。
得られたITO微粒子の一部を乾固させて微粒子紛体とし、熱重量減少を測定したところ、該ITO微粒子はクエン酸が6.4重量%配位したものであることが確認された。
次いで、得られたITO微粒子の一部をヘキサンに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、クエン酸の配位したITO微粒子の平均粒子径は9.6nmであった。
<(a)´−1 (オクタノールを配位子に有する小粒径ITO微粒子)>
100mlフラスコ中に酢酸インジウム(III)245mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)116μl、オクタノール1.6ml、n−ジオクチルエーテル10mlを仕込み、真空中70℃で1時間加熱強攪拌し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中150℃で2時間加熱強攪拌し、次いで窒素雰囲気中270℃で1時間加熱還流し、オクタノールの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエタノール、分散溶媒にヘキサンを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、オクタノールの配位したITO微粒子を得た。
得られたITO微粒子の一部を乾固させて微粒子紛体とし、熱重量減少を測定したところ、該ITO微粒子はオクタノールが9.5重量%配位したものであることが確認された。
次いで、得られたITO微粒子の一部をヘキサンに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、オクタノールの配位したITO微粒子の平均粒子径は2.7nmであった。
<(a)´−2 (オレイルアルコールが過剰に配位したITO微粒子)>
100mlフラスコ中に酢酸インジウム(III)280mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)77μl、オレイルアルコール1.6ml、n−ジオクチルエーテル10mlを仕込み、真空中70℃で1時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中150℃で2時間加熱し、次いで窒素雰囲気中270℃で2時間加熱還流し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエタノール、分散溶媒にクロロホルムを用いて遠心分離精製し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子を得た。
得られたITO微粒子の一部を乾固させて微粒子紛体とし、熱重量減少を測定したところ、該ITO微粒子はオレイルアルコールが12.0重量%と過剰に配位したものであることが確認された。
次いで、得られたITO微粒子の一部をクロロホルムに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、オレイルアルコールが過剰に配位したITO微粒子の平均粒子径は4.1nmであった。
Figure 2015003942
<(b)−1 (ポリアニリン/トルエン分散液>)
重量平均分子量10,000のポリアニリン/トルエン分散液(化研産業(株)製、(商品名)PANT)を使用した。該分散液を基材である厚さ188μmのPETフイルム上(東レ(株)製、(商品名)ルミラー T−60)に塗工し、減圧下120℃3時間で乾燥して、塗工厚3μmの塗工膜を作成した。該塗工膜の導電性を評価したところ、シート抵抗は5.2×10Ω/□であった。
<(b)−2 (ポリアニリン/NMP分散液>)
重量平均分子量10,000のポリアニリン/N−メチルピロリドン(NMP)分散液(化研産業(株)製、(商品名)PANT)を使用した。該分散液を基材である厚さ150μmのガラス板に塗工し、減圧下200℃3時間で乾燥して、塗工厚2μmの塗工膜を作成した。該塗工膜の導電性を評価したところ、シート抵抗は1.6×10Ω/□であった。
<(b)−3 (ポリピロール/THF分散液>)
重量平均分子量200,000のポリピロール/テトラヒドロフラン(THF)分散液(化研産業(株)製、(商品名)SSPY)を使用した。該分散液を基材である厚さ188μmのPETフイルム上(東レ(株)製、(商品名)ルミラー T−60)に塗工し、窒素中70℃1時間で乾燥して、塗工厚10μmの塗工膜を作成した。該塗工膜の導電性を評価したところ、シート抵抗は5.0×10Ω/□であった。
<(b)−4 (ポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール系塗工液>)
重量平均分子量30,000のポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール(PGME)系塗工液(出光テクノファイン(株)製、(商品名)エルコート TA2000)を使用した。該塗工液を基材である厚さ188μmのPETフイルム上(東レ(株)製、(商品名)ルミラー T−60)に塗工し、減圧中120℃3時間で乾燥して、塗工厚5μmの塗工膜を作成し、導電性を評価したところ、シート抵抗は3.3×10Ω/□であった。
<(b)−5 (ポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール系塗工液>)
重量平均分子量30,000のポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール系塗工液(出光テクノファイン(株)製、(商品名)エルコート UVH−500)を使用した。該塗工液を基材である厚さ188μmのPETフイルム上(東レ(株)製、(商品名)ルミラー T−60)に塗工し、減圧中120℃3時間で乾燥した後高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で500mJ/cmの照射を1時間行って硬化させ、塗工厚5μmの塗工膜を作成した。該塗工膜の導電性を評価したところ、シート抵抗は8.7×10Ω/□であった。
<(b)−6 (ポリチオフェン系ポリマー/イソプロパノール分散液>)
重量平均分子量100,000のポリチオフェン系ポリマー/イソプロパノール(IPA)系溶液(信越ポリマー(株)製、(商品名)セプルジーダ SAS−P)を使用した。塗工液を基材である厚さ188μmのPETフイルム上(東レ(株)製、(商品名)ルミラー T−60)に塗工し、窒素中100℃1時間で乾燥して、塗工厚3μmの塗工膜を作成し、導電性を評価したところ、シート抵抗は1.9×10Ω/□であった。
<(b)´−1 (ポリチオフェン系オリゴマー/炭酸プロピレン溶液)>
重量平均分子量6,000のポリチオフェン系オリゴマー、テトラメタクリラート末端キャップ溶液(PC)(アルドリッチ製、(商品名)OLIGOTRON PC)を使用した。該溶液を基材である厚さ150μのガラス板に塗工し、減圧下180℃3時間で乾燥して、塗工厚8μmの塗工膜を作成した。該塗工膜は基材への密着性が低く、また導電性を評価したところ、シート抵抗は7.7×10Ω/□であった。
<(b)´−2 (ポリチオフェン系高シート抵抗ポリマー/ノルマルプロピルアルコール分散液)>
重量平均分子量30,000のポリチオフェン系オリゴマー、テトラメタクリラート末端キャップ溶液(NPA)(化研産業(株)製、(商品名)エノコート BP−105)を使用した。該溶液を基材である厚さ150μのガラス板に塗工し、減圧下100℃3時間で乾燥して、塗工厚5μmの塗工膜を作成した。該塗工膜の導電性を評価したところ、シート抵抗は10Ω/□以上であった。
Figure 2015003942
実施例1
オレイルアルコールを配位子に有するITO微粒子((a)−1)にクロロホルムを添加した後、ポリアニリン/トルエン分散液((b)−1)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.0重量%、(b)成分:0.12重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは3.5%であり、また溶液粘度は2.9mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該透明導電膜用塗工液を基材である厚さ125μmのPENフイルム(帝人デュポンフィルム(株)製、(商品名)テオネックスQ65FA)に塗工し、窒素雰囲気中120℃で2時間乾燥して、塗工厚400nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗工膜の基材への密着性も高く、光線透過率91.4%、ヘイズ2.0%、シート抵抗1,800Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有するものであった。
実施例2
オレイルアルコールを配位子に有するITO微粒子((a)−1)にクロロホルムを添加した後、ポリアニリン/N−メチルピロリドン分散液((b)−2)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.0重量%、(b)成分:0.06重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは2.8%であり、また溶液粘度は2.4mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該透明導電膜用塗工液を基材である厚さ150μmのガラス板に塗工し、減圧下180℃で2時間乾燥して、塗工厚300nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗工膜の基材への密着性も高く、光線透過率91.8%、ヘイズ1.6%、シート抵抗2,600Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有するものであった。
実施例3
1−ヘキサデカノールを配位子に有するITO微粒子((a)−2)にトルエンを添加した後、ポリアニリン/トルエン分散液((b)−1)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:3.0重量%、(b)成分:0.05重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは2.5%であり、また溶液粘度は2.0mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該透明導電膜用塗工液を基材である厚さ188μmのPETフイルム(東レ(株)社製、商品名「ルミラー T−60」)に塗工し、減圧下110℃で1時間乾燥して、塗工厚450nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗工膜の基材への密着性も高く、光線透過率87.6%、ヘイズ2.2%、シート抵抗880Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有するものであった。
実施例4
1−ヘキサデカノールを配位子に有するITO微粒子((a)−2)にトルエンを添加した後、ポリピロール/テトラヒドロフラン分散液((b)−3)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:3.0重量%、(b)成分:0.03重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは6.9%であり、また溶液粘度は7.2mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該透明導電膜用塗工液を基材である厚さ188μmのPETフイルム(東レ(株)社製、商品名「ルミラー T−60」)に塗工し、窒素雰囲気中120℃で3時間乾燥して、塗工厚500nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗工膜の基材への密着性も高く、光線透過率85.2%、ヘイズ4.6%、シート抵抗1,5000Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有するものであった。
実施例5
ノナデシルアミンを配位子に有するITO微粒子((a)−3)にクロロホルムを添加した後、ポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール分散液((b)−4)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.5重量%、(b)成分:0.16重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは4.0%であり、また溶液粘度は3.5mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該透明導電膜用塗工液を基材である厚さ150μmのガラス板に塗工し、窒素雰囲気中150℃で1時間乾燥して、塗工厚500nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗工膜の基材への密着性も高く、光線透過率87.0%、ヘイズ3.4%、シート抵抗520Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有するものであった。
実施例6
ノナデシルアミンを配位子に有するITO微粒子((a)−3)にクロロホルムを添加した後、ポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール分散液((b)−5)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.5重量%、(b)成分:0.12重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは3.8%であり、また溶液粘度は3.0mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該透明導電膜用塗工液を基材である厚さ125μmのPENフイルム(帝人デュポンフィルム(株)製、(商品名)テオネックスQ65FA)に塗工し、窒素雰囲気中130℃で1時間乾燥した後、高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で500mJ/cmの照射を1時間行って硬化させ、塗工厚300nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗工膜の基材への密着性も高く、光線透過率88.6%、ヘイズ2.7%、シート抵抗780Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有するものであった。
実施例7
ヘキサデシルアミンを配位子に有するITO微粒子((a)−4)に1−メトキシ−2−プロパノールを添加した後、ポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール分散液((b)−4)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:1.5重量%、(b)成分:0.05重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは1.2%であり、また溶液粘度は2.3mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該透明導電膜用塗工液を基材である厚さ150μmのガラス板に塗工し、減圧下120℃で5時間乾燥して、塗工厚300nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗工膜の基材への密着性も高く、光線透過率89.2%、ヘイズ1.1%、シート抵抗3,500Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有するものであった。
実施例8
ヘキサデシルアミンを配位子に有するITO微粒子((a)−4)に1−メトキシ−2−プロパノールを添加した後、ポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール分散液((b)−5)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:1.5重量%、(b)成分:0.12重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは4.4%であり、また溶液粘度は3.8mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該透明導電膜用塗工液を基材である厚さ150μmのガラス板に塗工し、減圧下120℃で5時間乾燥した後、高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で500mJ/cmの照射を1時間行って硬化させ、塗工厚250nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗工膜の基材への密着性も高く、光線透過率90.5%、ヘイズ1.8%、シート抵抗2,600Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有するものであった。
実施例9
クエン酸を配位子に有するITO微粒子((a)−5)に水を添加した後、ポリチオフェン系ポリマー/イソプロパノール分散液((b)−6)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:1.5重量%、(b)成分:0.05重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは2.2%であり、また溶液粘度は2.8mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該透明導電膜用塗工液を基材である厚さ50μmのポリカーボネートフイルム(帝人化成(株)製、商品名「ピュアエースWR」)に塗工し、減圧下180℃で2時間乾燥して、塗工厚250nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗工膜の基材への密着性も高く、光線透過率88.5%、ヘイズ3.5%、シート抵抗750Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有するものであった。
実施例10
クエン酸を配位子に有するITO微粒子((a)−5)に水を添加した後、ポリチオフェン系ポリマー/イソプロパノール分散液((b)−6)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:1.5重量%、(b)成分:0.15重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは6.0%であり、また溶液粘度は6.5mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該透明導電膜用塗工液を基材である厚さ50μmのポリカーボネートフイルム(帝人化成(株)製、商品名「ピュアエースWR」)に塗工し、減圧下180℃で2時間乾燥して、塗工厚300nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗工膜の基材への密着性も高く、光線透過率86.0%、ヘイズ4.9%、シート抵抗670Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有するものであった。
比較例1
クエン酸を配位子に有するITO微粒子((a)−5)に水を添加した後、ポリチオフェン系ポリマー/イソプロパノール分散液((b)−6)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:55.0重量%、(b)成分:0.05重量%)。この分散液の溶液粘度は3.2mPa・sであり、透明導電膜用塗工液として適度な粘性を有するものであったが、溶液ヘイズは15.6%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有さないものであった。すなわち本分散液は、含有される(a)成分であるITO微粒子の含量が多すぎたため、粒子同士の凝集が発生し、透明導電膜用塗工液として十分な透明性を発現できなかったものと考えられる。
比較例2
クエン酸を配位子に有するITO微粒子((a)−5)に水を添加した後、ポリチオフェン系ポリマー/イソプロパノール分散液((b)−6)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:1.5重量%、(b)成分:15.0重量%)。この分散液の溶液粘度は156.4mPa・sであり、透明導電膜用塗工液として適度な粘性を有するものであったが、溶液ヘイズは19.4%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有さないものであった。すなわち本分散液は、含有される(b)成分である導電性高分子の含量が多すぎたため、導電性高分子本来の着色が強く現れ、透明導電膜用塗工液として十分な透明性を発現できなかったものと考えられる。
比較例3
オクタノールが過剰に配位子したITO微粒子((a)´−1)にクロロホルムを添加した後、ポリアニリン/トルエン分散液((b)−1)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.0重量%、(b)成分:0.12重量%)。この分散液の溶液ヘイズは2.5%であり、また溶液粘度は2.7mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該分散液を基材である厚さ125μmのPENフイルム(帝人デュポンフィルム(株)製、(商品名)テオネックスQ65FA)に塗工し、窒素雰囲気中120℃で2時間乾燥して、塗工厚250nmの塗工膜を得た。この塗工膜は、基材への密着性も高く、光線透過率92.5%、ヘイズ1.0%、と高い光学特性を有していたものの、シート抵抗は6.1×10Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い導電性を有していないことが確認された。すなわち本分散液は、含有されるITO微粒子の平均粒子径が非常に小さかったため、塗工膜中に占める導電性のITOの体積割合が低い塗工膜となり、十分な導電性を発現できなかったものと考えられる。
比較例4
オレイルアルコールが過剰に配位したITO微粒子((a)´−2)にクロロホルムを添加した後、ポリアニリン/トルエン分散液((b)−1)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.0重量%、(b)成分:0.12重量%)。この分散液の溶液ヘイズは4.2%であり、また溶液粘度は2.8mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該分散液を基材である厚さ125μmのPENフイルム(帝人デュポンフィルム(株)製、(商品名)テオネックスQ65FA)に塗工し、窒素雰囲気中120℃で2時間乾燥して、塗工厚250nmの塗工膜を得た。この塗工膜は、基材への密着性も高く、光線透過率90.5%、ヘイズ2.4%、と高い光学特性を有していたものの、シート抵抗は3.5×10Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い導電性を有していないことが確認された。すなわち本分散液は、含有されるITO微粒子に配位子している有機配位子の量が過剰であったことから、絶縁性の有機物の含量が多い塗工膜となり、十分な導電性を発現できなかったものと考えられる。
比較例5
ノナデシルアミンを配位子に有する小粒径ITO微粒子((a)−3)にクロロホルムを添加した後、ポリチオフェン系オリゴマー/炭酸プロピレン溶液((b)´−1)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.5重量%、(b)成分:0.12重量%)。この分散液の溶液ヘイズは3.6%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していたが、溶液粘度は0.8mPa・sであり、透明導電膜用塗工液として適正な粘度を有しているとはいえなかった。
次いで、該分散液を基材である厚さ50μmのポリカーボネートフイルム(帝人化成(株)製、商品名「ピュアエースWR」)に塗工し、窒素雰囲気中130℃で1時間乾燥して、塗工厚400nmの塗工膜を得た。この塗工膜は、基材への密着性が低く、ひび割れが発生したものであった。すなわち、本分散液は、含有される(b)成分である導電性高分子の分子量が低すぎたために、分散液の粘性が低く、また得られた塗工膜は、強度及び基材への密着性の低いものとなったと考えられる。
比較例6
ノナデシルアミンを配位子に有する小粒径ITO微粒子((a)−3)にクロロホルムを添加した後、ポリチオフェン系高シート抵抗ポリマー/ノルマルプロピルアルコール分散液((b)´−2)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.5重量%、(b)成分:0.24重量%)。この分散液の溶液ヘイズは4.1%であり、また溶液粘度は4.2mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
次いで、該分散液を基材である厚さ50μmのポリカーボネートフイルム(帝人化成(株)製、商品名「ピュアエースWR」)に塗工し、窒素雰囲気中130℃で1時間乾燥して、塗工厚300nmの塗工膜を得た。この塗工膜は、基材への密着性も高く、光線透過率86.8%、ヘイズ6.3%、と高い光学特性を有していたものの、シート抵抗は4.1×10Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い導電性を有していないことが確認された。すなわち本分散液は、含有される(b)成分である導電性高分子の導電性が低すぎたために、透明導電膜として十分な導電性を発現できなかったものと考えられる。
Figure 2015003942
本発明の透明導電膜用塗工液は、(a)成分である導電性のITO微粒子と、(b)成分である導電性高分子を含有する塗工液であり、(b)成分の導電性高分子によって、該塗工液に適度な粘性を付与できるだけでなく、さらに塗工膜中に生じる、(a)成分であるITO微粒子間の空隙を、(b)成分である導電性高分子が埋める効果が得られることから、導電性の低下を抑制することが可能となるものであり、優れた透明性と導電性を発現する透明導電膜が製造可能となることから、産業に大きく貢献するものと考えられる。

Claims (8)

  1. 溶媒中に、0.1〜50重量%の(a)成分及び0.001〜5重量%の(b)成分を含有することを特徴とする透明導電膜用塗工液。
    (a)透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmであり、かつ粒子表面に、微粒子全体の重量の0.5〜10重量%の有機配位子が配位している、ITO微粒子。
    (b)構造単位中に、酸素、窒素、硫黄のいずれか1つ以上を含有する、重量平均分子量が10,000〜200,000の高分子化合物であり、かつ該高分子化合物を膜とした際に、シート抵抗が1×10Ω/□以下である導電性高分子。
  2. 導電性高分子が、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリチオフェン類のいずれかで表される繰り返し単位を含有することを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜用塗工液。
  3. 溶媒が、水、クロロホルム、シクロヘキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メトキシ−2−プロパノールより選ばれる、いずれか1つ以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明導電膜用塗工液。
  4. 溶液ヘイズが10%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電膜用塗工液。
  5. 25℃における溶液粘度が1〜300mPaであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電膜用塗工液。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電膜用塗工液を基材状に塗工、乾燥することで得られることを特徴とする透明導電膜。
  7. シート抵抗が10,000Ω/□以下であることを特徴とする請求項6に記載の透明導電膜。
  8. JIS K 7361−1に準拠し測定した光線透過率が80%以上、かつJIS K 7136に準拠し測定したヘイズが10%以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の透明導電膜。
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