JP2015003942A - 透明導電膜用塗工液及びこれを用いた透明導電膜 - Google Patents
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Abstract
高い微粒子分散性と、塗工に適した粘性を有する透明導電膜用塗工液、及びこれを製膜、乾燥して製造される、膜中の空隙率が低く、高透明、高導電性を発現する透明導電膜を提供する。
【解決手段】
溶媒中に、0.1〜50重量%の(a)成分及び0.001〜5重量%の(b)成分を含有することを特徴とする透明導電膜用塗工液。
(a)透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmであり、かつ粒子表面に、微粒子全体の重量の0.5〜10重量%の有機配位子が配位している、ITO微粒子。
(b)構造単位中に、酸素、窒素、硫黄のいずれか1つ以上を含有する、重量平均分子量が10,000〜200,000の高分子化合物であり、かつ該高分子化合物を膜とした際に、シート抵抗が1×107Ω/□以下である導電性高分子。
【選択図】 なし
Description
(a)透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmであり、かつ粒子表面に、微粒子全体の重量の0.5〜10重量%の有機配位子が配位している、ITO微粒子。
(b)構造単位中に、酸素、窒素、硫黄のいずれか1つ以上を含有する、重量平均分子量が10,000〜200,000の高分子化合物であり、かつ該高分子化合物を膜とした際に、シート抵抗が1×107Ω/□以下である導電性高分子。
(a)透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmであり、かつ粒子表面に、微粒子全体の重量の0.5〜10重量%の有機配位子が配位している、ITO微粒子。
(b)構造単位中に、酸素、窒素、硫黄のいずれか1つ以上を含有する、重量平均分子量が10,000〜200,000の高分子化合物であり、かつ該高分子化合物を膜とした際に、シート抵抗が1×107Ω/□以下である導電性高分子。
得られたITO微粒子分散液は、遠心機(コクサン(株)製、(商品名)H−201F)を使用し、遠心分離を繰り返すことにより精製を行った。
ITO微粒子を適当な分散媒に分散させた、濃度0.01%以下の分散液を用意し、これをコロジオン膜展張したカーボンコーティング銅メッシュに落として分散媒を揮発させ、このサンプルを透過型顕微鏡で観察した。また得られた像から、ITO微粒子の粒子径を読み取り、300個以上のITO微粒子について平均した値を平均粒子径とした。
反応液を3mL抜出し、遠心分離を実施してITO微粒子を単離した。沈降性が悪い場合は、反応液と等量のジクロロメタン等のハロゲン系溶媒を添加し、遠心分離を実施した。得られたITO微粒子を重水に分散させ、核磁気共鳴装置(日本電子(株)製、(商品名)JMN−EC400)を用い、1H NMRもしくは13C NMRを測定した。得られたスペクトルより、交換前の配位子と、交換後の配位子との比率を算出し、比率が8倍以上をもって反応が進行したものと判断した。
ITO微粒子の水分散液を0.5μmフィルタで濾過した後、80℃減圧中で乾固させ、ITO微粒子紛体を得た。
上記ITO微粒子紛体を用い、熱重量減少測定により分析した。測定には示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、(商品名)EXSTAR TG/DTA6200)を使用した。該微粒子紛体を窒素雰囲気中、100℃で60分保持した後、10℃毎分で500℃まで昇温、その後500℃で180分間保持し、100℃から500℃の範囲における重量の減少値を、加熱分解した配位子の配位量として算出した。
溶液キャスト法によって、基材状に膜厚0.3〜30μmの導電性高分子膜を作成し、抵抗率計(三菱油化(株)製、(商品名)Loresta−AP)を用い、4探針法にてシート抵抗の測定を行った。
得られた透明導電膜用塗工液を、厚さ10mmの溶液セルにとり、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、(商品名)NDH−5000)を用い、JIS K 7136に準拠して溶液ヘイズの測定を行った。
得られた透明導電膜用塗工液を2mLサンプル容器に取り、音叉振動式(SV型)粘度計((株)エー・アンド・デイ製、(商品名)SV−10H)を用い、JIS Z 8803に準拠して粘度の測定を行った。
得られた透明導電膜を、抵抗率計(三菱油化(株)製、(商品名)Loresta−AP)を用い、4探針法にてシート抵抗の測定を行った。
ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、(商品名)NDH−5000)を用い、JIS K 7361−1に準拠して透明導電膜の光線透過率を、JIS K 7136に準拠してヘイズの測定を行った。
塗料一般試験方法JIS K 5600に準拠してクロスカット試験を実施し、100個の碁盤目のうち剥離個数が10個以下のものを、密着性良好と判断した。
100mlフラスコ中にトリス(アセチルアセトナト)インジウム(III)445mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)39μl、オレイルアルコール4.7ml、n−ジオクチルエーテル12mlを仕込み、真空中80℃で1時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中150℃で1時間加熱し、次いで窒素雰囲気中270℃で2時間加熱還流し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にイソプロパノール、分散溶媒にクロロホルムを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子を得た。
100mlフラスコ中に酢酸インジウム(III)315mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)39μl、1−ヘキサデカノール3.6ml、n−ジオクチルエーテル10mlを仕込み、真空中70℃で2時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中160℃で0.5時間加熱し、次いで窒素雰囲気中260℃で3時間加熱還流し、1−ヘキサデカノールの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエキネン、分散溶媒にヘキサンを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、1−ヘキサデカノールの配位したITO微粒子を得た。
100mlフラスコ中にトリス(アセチルアセトナト)インジウム(III)396mg、酢酸スズ(II)57mg、ノナデシルアミン2.8g、1−オクタデセン10mlを仕込み、真空中70℃で1時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中170℃で2時間加熱し、次いで窒素雰囲気中270℃で3時間加熱還流し、ノナデシルアミンの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエタノール、分散溶媒にクロロホルムを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、ノナデシルアミンの配位したITO微粒子を得た。
100mlフラスコ中に2−エチルヘキサン酸インジウム(III)523mg、酢酸スズ(II)57mg、ヘキサデシルアミン4.5ml、1−オクタデセン9mlを仕込み、真空中70℃で3時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中250℃で2時間加熱還流し、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にイソプロパノール、分散溶媒にヘキサンを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子を得た。
上記(a)−4と同様の手法で、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子を得た。
100mlフラスコ中に酢酸インジウム(III)245mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)116μl、オクタノール1.6ml、n−ジオクチルエーテル10mlを仕込み、真空中70℃で1時間加熱強攪拌し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中150℃で2時間加熱強攪拌し、次いで窒素雰囲気中270℃で1時間加熱還流し、オクタノールの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエタノール、分散溶媒にヘキサンを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、オクタノールの配位したITO微粒子を得た。
100mlフラスコ中に酢酸インジウム(III)280mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)77μl、オレイルアルコール1.6ml、n−ジオクチルエーテル10mlを仕込み、真空中70℃で1時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中150℃で2時間加熱し、次いで窒素雰囲気中270℃で2時間加熱還流し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエタノール、分散溶媒にクロロホルムを用いて遠心分離精製し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子を得た。
重量平均分子量10,000のポリアニリン/トルエン分散液(化研産業(株)製、(商品名)PANT)を使用した。該分散液を基材である厚さ188μmのPETフイルム上(東レ(株)製、(商品名)ルミラー T−60)に塗工し、減圧下120℃3時間で乾燥して、塗工厚3μmの塗工膜を作成した。該塗工膜の導電性を評価したところ、シート抵抗は5.2×103Ω/□であった。
重量平均分子量10,000のポリアニリン/N−メチルピロリドン(NMP)分散液(化研産業(株)製、(商品名)PANT)を使用した。該分散液を基材である厚さ150μmのガラス板に塗工し、減圧下200℃3時間で乾燥して、塗工厚2μmの塗工膜を作成した。該塗工膜の導電性を評価したところ、シート抵抗は1.6×104Ω/□であった。
重量平均分子量200,000のポリピロール/テトラヒドロフラン(THF)分散液(化研産業(株)製、(商品名)SSPY)を使用した。該分散液を基材である厚さ188μmのPETフイルム上(東レ(株)製、(商品名)ルミラー T−60)に塗工し、窒素中70℃1時間で乾燥して、塗工厚10μmの塗工膜を作成した。該塗工膜の導電性を評価したところ、シート抵抗は5.0×106Ω/□であった。
重量平均分子量30,000のポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール(PGME)系塗工液(出光テクノファイン(株)製、(商品名)エルコート TA2000)を使用した。該塗工液を基材である厚さ188μmのPETフイルム上(東レ(株)製、(商品名)ルミラー T−60)に塗工し、減圧中120℃3時間で乾燥して、塗工厚5μmの塗工膜を作成し、導電性を評価したところ、シート抵抗は3.3×105Ω/□であった。
重量平均分子量30,000のポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール系塗工液(出光テクノファイン(株)製、(商品名)エルコート UVH−500)を使用した。該塗工液を基材である厚さ188μmのPETフイルム上(東レ(株)製、(商品名)ルミラー T−60)に塗工し、減圧中120℃3時間で乾燥した後高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で500mJ/cm2の照射を1時間行って硬化させ、塗工厚5μmの塗工膜を作成した。該塗工膜の導電性を評価したところ、シート抵抗は8.7×106Ω/□であった。
重量平均分子量100,000のポリチオフェン系ポリマー/イソプロパノール(IPA)系溶液(信越ポリマー(株)製、(商品名)セプルジーダ SAS−P)を使用した。塗工液を基材である厚さ188μmのPETフイルム上(東レ(株)製、(商品名)ルミラー T−60)に塗工し、窒素中100℃1時間で乾燥して、塗工厚3μmの塗工膜を作成し、導電性を評価したところ、シート抵抗は1.9×104Ω/□であった。
重量平均分子量6,000のポリチオフェン系オリゴマー、テトラメタクリラート末端キャップ溶液(PC)(アルドリッチ製、(商品名)OLIGOTRON PC)を使用した。該溶液を基材である厚さ150μのガラス板に塗工し、減圧下180℃3時間で乾燥して、塗工厚8μmの塗工膜を作成した。該塗工膜は基材への密着性が低く、また導電性を評価したところ、シート抵抗は7.7×106Ω/□であった。
重量平均分子量30,000のポリチオフェン系オリゴマー、テトラメタクリラート末端キャップ溶液(NPA)(化研産業(株)製、(商品名)エノコート BP−105)を使用した。該溶液を基材である厚さ150μのガラス板に塗工し、減圧下100℃3時間で乾燥して、塗工厚5μmの塗工膜を作成した。該塗工膜の導電性を評価したところ、シート抵抗は108Ω/□以上であった。
オレイルアルコールを配位子に有するITO微粒子((a)−1)にクロロホルムを添加した後、ポリアニリン/トルエン分散液((b)−1)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.0重量%、(b)成分:0.12重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは3.5%であり、また溶液粘度は2.9mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
オレイルアルコールを配位子に有するITO微粒子((a)−1)にクロロホルムを添加した後、ポリアニリン/N−メチルピロリドン分散液((b)−2)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.0重量%、(b)成分:0.06重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは2.8%であり、また溶液粘度は2.4mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
1−ヘキサデカノールを配位子に有するITO微粒子((a)−2)にトルエンを添加した後、ポリアニリン/トルエン分散液((b)−1)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:3.0重量%、(b)成分:0.05重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは2.5%であり、また溶液粘度は2.0mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
1−ヘキサデカノールを配位子に有するITO微粒子((a)−2)にトルエンを添加した後、ポリピロール/テトラヒドロフラン分散液((b)−3)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:3.0重量%、(b)成分:0.03重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは6.9%であり、また溶液粘度は7.2mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
ノナデシルアミンを配位子に有するITO微粒子((a)−3)にクロロホルムを添加した後、ポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール分散液((b)−4)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.5重量%、(b)成分:0.16重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは4.0%であり、また溶液粘度は3.5mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
ノナデシルアミンを配位子に有するITO微粒子((a)−3)にクロロホルムを添加した後、ポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール分散液((b)−5)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.5重量%、(b)成分:0.12重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは3.8%であり、また溶液粘度は3.0mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
ヘキサデシルアミンを配位子に有するITO微粒子((a)−4)に1−メトキシ−2−プロパノールを添加した後、ポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール分散液((b)−4)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:1.5重量%、(b)成分:0.05重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは1.2%であり、また溶液粘度は2.3mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
ヘキサデシルアミンを配位子に有するITO微粒子((a)−4)に1−メトキシ−2−プロパノールを添加した後、ポリチオフェン/1−メトキシ−2−プロパノール分散液((b)−5)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:1.5重量%、(b)成分:0.12重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは4.4%であり、また溶液粘度は3.8mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
クエン酸を配位子に有するITO微粒子((a)−5)に水を添加した後、ポリチオフェン系ポリマー/イソプロパノール分散液((b)−6)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:1.5重量%、(b)成分:0.05重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは2.2%であり、また溶液粘度は2.8mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
クエン酸を配位子に有するITO微粒子((a)−5)に水を添加した後、ポリチオフェン系ポリマー/イソプロパノール分散液((b)−6)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:1.5重量%、(b)成分:0.15重量%)。この塗工液の溶液ヘイズは6.0%であり、また溶液粘度は6.5mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
クエン酸を配位子に有するITO微粒子((a)−5)に水を添加した後、ポリチオフェン系ポリマー/イソプロパノール分散液((b)−6)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:55.0重量%、(b)成分:0.05重量%)。この分散液の溶液粘度は3.2mPa・sであり、透明導電膜用塗工液として適度な粘性を有するものであったが、溶液ヘイズは15.6%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有さないものであった。すなわち本分散液は、含有される(a)成分であるITO微粒子の含量が多すぎたため、粒子同士の凝集が発生し、透明導電膜用塗工液として十分な透明性を発現できなかったものと考えられる。
クエン酸を配位子に有するITO微粒子((a)−5)に水を添加した後、ポリチオフェン系ポリマー/イソプロパノール分散液((b)−6)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:1.5重量%、(b)成分:15.0重量%)。この分散液の溶液粘度は156.4mPa・sであり、透明導電膜用塗工液として適度な粘性を有するものであったが、溶液ヘイズは19.4%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有さないものであった。すなわち本分散液は、含有される(b)成分である導電性高分子の含量が多すぎたため、導電性高分子本来の着色が強く現れ、透明導電膜用塗工液として十分な透明性を発現できなかったものと考えられる。
オクタノールが過剰に配位子したITO微粒子((a)´−1)にクロロホルムを添加した後、ポリアニリン/トルエン分散液((b)−1)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.0重量%、(b)成分:0.12重量%)。この分散液の溶液ヘイズは2.5%であり、また溶液粘度は2.7mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
オレイルアルコールが過剰に配位したITO微粒子((a)´−2)にクロロホルムを添加した後、ポリアニリン/トルエン分散液((b)−1)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.0重量%、(b)成分:0.12重量%)。この分散液の溶液ヘイズは4.2%であり、また溶液粘度は2.8mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
ノナデシルアミンを配位子に有する小粒径ITO微粒子((a)−3)にクロロホルムを添加した後、ポリチオフェン系オリゴマー/炭酸プロピレン溶液((b)´−1)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.5重量%、(b)成分:0.12重量%)。この分散液の溶液ヘイズは3.6%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していたが、溶液粘度は0.8mPa・sであり、透明導電膜用塗工液として適正な粘度を有しているとはいえなかった。
ノナデシルアミンを配位子に有する小粒径ITO微粒子((a)−3)にクロロホルムを添加した後、ポリチオフェン系高シート抵抗ポリマー/ノルマルプロピルアルコール分散液((b)´−2)を添加混合し、透明導電膜用塗工液を得た((a)成分:2.5重量%、(b)成分:0.24重量%)。この分散液の溶液ヘイズは4.1%であり、また溶液粘度は4.2mPa・sであったことから、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性、及び適度な粘性を有しているといえる。
Claims (8)
- 溶媒中に、0.1〜50重量%の(a)成分及び0.001〜5重量%の(b)成分を含有することを特徴とする透明導電膜用塗工液。
(a)透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmであり、かつ粒子表面に、微粒子全体の重量の0.5〜10重量%の有機配位子が配位している、ITO微粒子。
(b)構造単位中に、酸素、窒素、硫黄のいずれか1つ以上を含有する、重量平均分子量が10,000〜200,000の高分子化合物であり、かつ該高分子化合物を膜とした際に、シート抵抗が1×107Ω/□以下である導電性高分子。 - 導電性高分子が、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリチオフェン類のいずれかで表される繰り返し単位を含有することを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜用塗工液。
- 溶媒が、水、クロロホルム、シクロヘキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メトキシ−2−プロパノールより選ばれる、いずれか1つ以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明導電膜用塗工液。
- 溶液ヘイズが10%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電膜用塗工液。
- 25℃における溶液粘度が1〜300mPaであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電膜用塗工液。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電膜用塗工液を基材状に塗工、乾燥することで得られることを特徴とする透明導電膜。
- シート抵抗が10,000Ω/□以下であることを特徴とする請求項6に記載の透明導電膜。
- JIS K 7361−1に準拠し測定した光線透過率が80%以上、かつJIS K 7136に準拠し測定したヘイズが10%以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の透明導電膜。
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