JP6136623B2 - 透明導電膜用塗工液及びこれを用いた透明導電膜 - Google Patents

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Description

本発明は、透明導電膜用の塗工液及びこれよりなる透明導電膜に関するものであり、より詳しくは、大環状π共役化合物が平面方向で配位しているITO微粒子を含む透明導電膜用塗工液、及びこれを製膜することで得られる、透明導電膜に関するものである。
パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、OA機器、医療機器又はカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段を兼ね備える、タッチパネルが広く用いられている。
このようなタッチパネルに用いられる透明導電膜としては、液晶ディスプレイ等の透明電極に用いられているスズを含有する酸化インジウム(以下、ITOと略すこともある)が、優れた透明性と電気導電性とを持ち合わせることからこれまで広く使用されている。
しかし、一般的にこれらスズを含有する酸化インジウムは、スパッタリング方式で蒸着されることから、工程が複雑であること、材料の使用効率が低いこと、また高価な真空製膜装置が必要であること、などの課題が指摘されている。
これに対し、真空工程を必要とせず、大面積や複雑形状の製膜が可能である塗工型の材料が注目されており、これまでに貴金属又は金属酸化物の微粒子分散液を塗工して得られる透明導電膜が報告されている。
そして、貴金属微粒子を用いるものは、具体的には表示装置の表示面上に金、銀、銅等の貴金属微粒子を液中に均一に分散させた塗布液を塗布し乾燥することで、導電性の透明貴金属薄膜を形成し、この透明貴金属薄膜の上層及び/又は下層に、これとは屈折率が異なる透明層を積層して電磁波遮蔽、帯電防止、反射防止等を図るものである。例えば、平均粒子径2〜200nmの範囲内の少なくとも銀を含む貴金属微粒子による導電層と、これと屈折率が異なる透明層とからなる電磁波遮蔽効果と反射防止効果に優れた透明導電膜(例えば特許文献1参照。)、が提案されている。
しかし、特許文献1に提案の方法においては、電磁波遮蔽効果は期待できるものの、銀の光透過スペクトルに依存して400〜500nmの透過光に吸収が生じ、導電膜が黄色に着色し、透過画像の色相が不自然に変化する、膜の光線透過率が低いため膜厚分布に起因した透過色のムラが目立ち易く生産性を悪化させる、塩霧環境では導電膜の表面抵抗率が上昇し電磁波遮蔽効果が低下するため、海岸等塩霧の影響を受け易い場所では耐久性が低下する、等の課題を有するものであった。
また、金属酸化物微粒子を用いるものでは、スズ含有酸化インジウムの微粒子を有機溶媒に溶解または分散した塗布液を基材上に塗布し、乾燥・焼成することにより透明導電膜を作製する方法が提案されている。例えば、インジウム・スズ複合酸化物の粒子を含有するゾル組成物を塗布液として用い、この塗布液を基材上に塗布し、乾燥・焼成することにより、導電性酸化インジウム粒子からなる被膜を形成する方法(例えば特許文献2参照。)、が提案されている。
しかし、通常、塗布液に含まれるインジウム化合物は、無機または有機のインジウム塩など、いわゆる酸化インジウムの前駆体であり、このような分散液を基材上に塗工した後に乾燥しただけでは高い導電性、透明性を示す結晶性酸化インジウムの塗工膜は得られず、基材上に塗工した後の塗膜を400℃以上の高温で焼成し、インジウム塩を熱分解するとともに得られた酸化インジウムを結晶化することにより、はじめて高導電性の酸化インジウム被膜が形成されるものである。そして、特許文献2に提案されている方法においても、インジウム・スズ複合酸化物ゾル中の複合酸化物微粒子は、非晶質の酸化物であり、該非晶質の酸化物は、高温で焼成することにより結晶化させることを必要としており、実施例でも、500℃で焼成する工程を経て導電性被膜が形成されている。しかしながら、塗膜を高温、500℃程度の温度で加熱すると、基材がプラスチック基材である場合には基材が損傷してしまう、また基材がガラス基材である場合には基材に歪み、割れなどが生じるという、課題を発生する場合があった。
そこで、高温での焼成工程を必要とせず、塗工及びプラスチック基材に適応可能な200℃以下の低温乾燥のみで高い導電性を発現させるために、結晶性の金属酸化物微粒子を塗工膜として用いることが期待される。
そして、400℃以上での高温による焼結を必要とせず、結晶性の金属酸化物微粒子を得る方法(例えば特許文献3、4参照。)、350℃以下の加熱により、常圧で結晶性のITO微粒子を得る方法(例えば特許文献5,6,7参照。)、さらにオレイルアミンの配位したスズ含有酸化インジウム微粒子合成(例えば非特許文献1参照。)、等が提案されている。
特開平08−077832号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開昭59−223229号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2004−123418号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2006−096636号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2007−269617号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2009−084122号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2011−126746号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
J.Am.Chem.Soc.2009,131,17736−17737
しかし、特許文献3,4に提案の方法においては、加圧条件下での処理工程を必須とするものであり、大量生産プロセスに適したものとは言い難い上に、導電性の点においても課題を有するものであった。
また粒子径の小さなITO微粒子は、一旦凝集すると再分散させることが難しく、単分散状態を長時間保持することが難しい。分散性を向上するために低分子分散剤や高分子分散剤(バインダー)等を添加して、微粒子表面を保護することで分散性は向上させる手法が知られているものの、これらの添加剤は絶縁性の有機物であるため、得られる透明導電膜の導電性を低下させてしまうという課題がある。これらの有機物は高温で加熱することで除去可能であるが、特にプラスチックフイルム基材に塗工した透明導電膜の場合、200℃以上の高温で乾燥することは難しく、実用的な手法とはいえない。例えば許文献5、6、7や非特許文献1に提案されるITO微粒子は、高沸点の有機物で表面を保護することで高い分散性を付与したものであり、塗工及び分散媒の除去のみで得られた塗工膜は、有機物が多く残留するために、透明導電膜として十分な導電性を発現することができない。すなわち、高い分散性を有し、かつ有機物を加熱除去せずに高い導電性を発現する透明導電膜が得られる塗工液については、これまでに報告されていない。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、大環状π共役化合物が、微粒子に対して平面方向で配位したITO微粒子を含有する透明導電膜用塗工液が、高い分散性を有し、かつ製膜、分散溶媒除去のみで、配位子である大環状π共役化合物を除去することなく、高い導電性を発現する透明導電膜が製造可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、上記事実を鑑みてなされた、分散性が高く、かつ製膜後に配位子を高温で除去する必要のない、透明導電膜用塗工液、及びこれより製造される透明導電膜に関するものである。より詳しくは、配位子である大環状π共役化合物が、粒子表面に対して平面方向で配位しており、透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmの範囲であるITO微粒子を、0.1〜50重量%含有することを特徴とする、透明導電膜用塗工液、及びこれを製膜、200℃以下で乾燥して得られる透明導電膜に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、透明導電膜用塗工液、及びこれより製造される透明導電膜に関するものである。より詳しくは、配位子である大環状π共役化合物が、粒子表面に対して平面方向で配位しており、透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmの範囲であるITO微粒子を、0.1〜50重量%含有することを特徴とするものである。
大環状π共役化合物を配位子に有するITO微粒子は、透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmの範囲内であり、好ましくは4〜50nm、さらに好ましくは5〜40nmである。平均粒子径が3nm未満の場合、微粒子の比表面積が大きくなるために、粒子表面に配位する大環状π共役化合物の割合が増加し、製膜した際に、透明導電膜として十分な導電性を発現できない恐れがある。一方、平均粒子径が60nmを越える場合、配位子である大環状π共役化合物の分散力が不足し、微粒子の凝集が進行しやすくなるため、塗工液及び透明導電膜の透明性低下が懸念される。
大環状π共役化合物を配位子に有するITO微粒子の平均粒子径については、該ITO微粒子を適当な分散溶媒に分散させた、濃度0.01重量%以下の低濃度分散液を用意し、これをコロジオン膜展張したカーボンコーティング銅メッシュに滴下して分散溶媒を揮発させ、透過型顕微鏡で観察する方法により測定を行う。そして、ITO微粒子の平均粒子径の測定には、倍率20万倍で観察された像の写真を撮影し、300個以上のITO微粒子の粒子径を測定し、平均化することで、ITO微粒子の平均粒子径を求めることができる。
本発明の透明導電膜用塗工液中のITO微粒子は、配位子として大環状π共役化合物を有するものであり、この大環状π共役化合物が分散溶媒と溶媒和するために、特殊な分散剤または特殊な操作を必要とすることなく、単に分散溶媒中に該ITO微粒子を添加するのみで、単分散性に優れる分散液を得ることができる。
一般的に、微粒子の配位子として用いる有機物には、高分子や鎖長の長い低分子を使用することで、分散性を向上させるものが知られているが、本発明の透明導電膜用塗工液中のITO微粒子においては、大環状π共役化合物がITO微粒子の平面を覆う形で配位することで、長鎖長の付与や高分子化を行わずとも、優れた分散性を発現するITO微粒子を製造することが可能である。すなわち該ITO微粒子は、配位子である大環状π共役化合物が、平面方向でITO微粒子に配位していることを特徴とするものである。ここでいう平面方向での配位とは、図1中の(A)のような状態であり、(B)及び(C)のような状態とは区別するものとする。
大環状π共役化合物とは、例えばポルフィリンやフタロシアニンのように、同一平面内に4つ以上の環状構造物を含む化合物、及びその誘導体のことをいい、1種類の化合物だけでなく、2種類以上の大環状π共役化合物を組み合わせて使用することもできる。これらの大環状π共役化合物は、大きな平面を有する化合物であり、この平面上でπ電子が共役することが知られている。このπ共役により、平面同士がπ−π相互作用によって積層しやすいだけでなく、ITO微粒子に平面配位することで、π共役軌道がITO微粒子の金属軌道と混成し、新たな軌道を形成することができる。すなわち、ITO微粒子の表面に平面配位することで、大環状π共役化合物のπ軌道とITO微粒子の金属軌道との間に軌道の相互作用が発生し、ITO微粒子、特に配位子層に特異的な電気特性を付与することが可能となる。この効果により、本発明におけるITO微粒子は、配位子である大環状π共役化合物にも導電性が生じるため、塗工及び分散溶媒の除去のみで、配位子を加熱除去することなく、高い導電性を発現する透明導電膜を形成することが可能となる。
大環状π共役化合物の一例としては、例えば以下の一般式(1)〜(4)が挙げられる。
Figure 0006136623
(式中、R〜R48はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基;末端にアミノ基、カルボキシル基、チオール基、ヒドロキシル基より選ばれるいずれかの官能基を有する炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキル基;炭素鎖中に、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基、イミノ基を含有する炭素数1〜10の直鎖または分岐または環状のアルキル基を表す。)
一般式(1)〜(4)で表される化合物の具体例としては、特に限定はなく例えば、以下の例示化合物を挙げることができ、
Figure 0006136623
Figure 0006136623
Figure 0006136623
Figure 0006136623
その中でもITO微粒子に安定して配位可能であることから、例示化合物1−4、例示化合物1−7、例示化合物1−11、例示化合物1−14、例示化合物2−3、例示化合物2−5、例示化合物2−9、例示化合物2−12、例示化合物3−3、例示化合物3−4、例示化合物3−5、例示化合物3−9、例示化合物3−11、例示化合物3−12、例示化合物4−4、例示化合物4−5、例示化合物4−8、例示化合物4−10を用いることが特に好ましい。
本発明の透明導電膜用塗工液におけるITO微粒子の製造方法としては、例えば、炭素数6〜24の、直鎖又は分岐のアルコール類またはアミン類を配位子として有するITO微粒子を反応前駆体(ITO微粒子前駆体)とし、配位子交換によって中間体である、炭素数20以下のカルボン酸化合物を配位子とするITO微粒子(ITO微粒子中間体)を製造し、さらに配位子交換によって、目的物である、大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子(大環状化合物配位ITO微粒子)を製造することができる。
ITO微粒子前駆体の製造方法としては、例えば前出の炭素数6〜24の、直鎖又は分岐のアルコール類またはアミン類を用いる非特許文献1にある、1工程での合成手法を挙げることができる。
用いる炭素数6〜24の、直鎖又は分岐のアルコール類またはアミン類としては、ITO微粒子に対し単座配位、多座配位のいずれの形態を有するものでもよく、例えばヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ヘキサデカノール、オレイルアルコール、テトラコサノール、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、ステアリルアミン、ノナデシルアミン、オレイルアミン、ヘキサメチレンジアミン等を挙げることができる。
ITO微粒子中間体は、ITO微粒子前駆体を、配位子交換することにより製造することができる。なお、ここでいうカルボン酸化合物とは、カルボキシル基を少なくとも1つ以上有する、構造中の炭素数が20以下である低分子化合物のことである。すなわち、モノカルボン酸だけでなく、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸、その他カルボン酸誘導体を含むものである。また、1種類だけでなく、2種類以上のカルボン酸化合物を組み合わせて使用することもできる。カルボン酸化合物としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸などの飽和モノカルボン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸などの不飽和モノカルボン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸などの芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、コハク酸、イタコン酸、グルタル酸、アジピン酸、α−ケトグルタル酸、リンゴ酸、オキサロ酢酸、フマル酸、マレイン酸などのジカルボン酸、クエン酸、イソクエン酸、オキサロコハク酸、アコニット酸などのトリカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸、メソーブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸などのテトラカルボン酸などが挙げられる。また、上記のカルボン酸化合物の中でも特にシュウ酸、マロン酸、コハク酸より選ばれるカルボン酸化合物1種類以上を配位子とすることで、特に高い分散性を有するITO微粒子中間体を得ることができる。これは、シュウ酸、マロン酸、コハク酸がいずれもITOへの配位が容易な構造であり、かつ水等の汎用溶媒に対し、高い溶解性を示す化合物であるためである。
ITO微粒子中間体を製造する配位子交換反応においては、溶媒を用いることが好ましく、使用する溶媒としては、配位子とするカルボン酸化合物を溶解するものであれば特に制限はなく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、及びテルピネオール等のアルコール類、エチレングリコール、及びプロピレングリコール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン、及びジエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、及び酢酸ベンジル等のエステル類、メトキシエタノール、及びエトキシエタノール等のエーテルアルコール類、ジオキサン、及びテトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の酸アミド、アミン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、及びドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、及びトリメチルペンタン等の長鎖アルカン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、および、シクロオクタン等の環状アルカン等の常温で液体の溶媒を適宜選択して使用すればよい。
カルボン酸化合物の量は、速やかに配位子交換反応を進行させるため、ITO微粒子前駆体に対し、大過剰のカルボン酸化合物を用いることが好ましい。ここでいう大過剰とは、ITO微粒子前駆体中の、インジウムとスズの合計モル数に対し、3倍以上のモル数のカルボン酸化合物を使用することをいう。
ITO微粒子中間体を得る際の温度は、使用する溶媒の特性によって設定することができ、より配位子交換反応を迅速に進行させるために、60℃以上、更には70℃以上が好ましい。また反応時間については、反応温度に応じて適宜設定することができ、5時間以上が好ましく、交換反応の進行具合を確認しながら決定することできる。反応の進行具合の確認方法としては、例えば反応液を遠心分離してITO微粒子を単離し、このITO微粒子の1H NMRスペクトルもしくは13C NMRスペクトルから、交換前の配位子であるアルコール類もしくはアミン類と、交換後の配位子であるカルボン酸化合物との比率を算出することにより、ITO微粒子前駆体からITO微粒子中間体への交換比率を算出することが可能である。この際の、交換後の配位子であるカルボン酸化合物の割合が、交換前の配位子であるアルコール類もしくはアミン類の8倍以上となったとことで、配位子交換反応が進行したものと判断した。
なお、反応の際の雰囲気は無酸素条件下であることが好ましく、窒素気流中であることが特に好ましい。
そして、得られたITO微粒子中間体を精製、例えば遠沈精製することにより、より不純物濃度の低い、ITO微粒子中間体を得ることができる。この際の遠沈精製とは、遠心分離装置を用いて、得られた反応液又は分散液をITO微粒子と上澄み液に分離し、上澄み液を除去後、沈降したITO微粒子沈殿物に分散溶媒を添加して再分散させ、更に必要に応じてITO微粒子中間体が沈降する沈殿溶媒を添加し、遠心分離を繰り返すことで、ITO微粒子中間体の洗浄を行う方法である。
使用する分散溶媒については、ITO微粒子中間体が十分に分散、沈降する分散溶媒であれば、特に制限はなく、例えば、水;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、エキネン、及びテルピネオール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、及び酢酸ベンジル等のエステル類;メトキシエタノール、及びエトキシエタノール等のエーテルアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の酸アミド、アミン類などが挙げられ、中でも分散性の高さと実用性から、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミドを使用することが好ましい。
また、該沈殿溶媒としては、特に制限はなく、例えばトルエン、キシレン、メシチレン、ベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、デカヒドロナフタレンなどの脂肪族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドンなどのケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの塩化脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどの酢酸エステル類などが挙げられ、中でも沈降性の高さと実用性から、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトンを使用することが好ましい。
また、遠心分離精製の際、ITO微粒子と上澄みの分離が可能な条件であれば、遠心分離装置の条件にも、特に制約はなく、例えば回転半径10.1cmのアングルロータを取り付けた遠心機(コクサン(株)製、(商品名)H−201F)を使用し、該分散液を10,000rpm、30分間の遠心分離することで、分離することが可能である。
得られたITO微粒子中間体を配位子交換し、目的物である、大環状化合物配位ITO微粒子を製造することができる。より詳細には、ITO微粒子中間体と、目的物とする大環状π共役化合物とを、溶媒中にて、温度60℃以上、更に70℃以上で、時間10時間以上加熱攪拌することが好ましく、交換反応の進行具合を確認しながら決定することができる。
反応の進行具合の確認方法としては、レーザーラマン分光法による確認する。反応液を遠心分離してITO微粒子を単離し、これを適当な分散溶媒に分散させた分散液に励起波長785nmのレーザー光を照射し、近赤外〜可視域の光の散乱を測定することで、大環状π共役化合物特有のピークを確認することができる。なお、中間体の配位子であるカルボン酸化合物は同領域に特有のピークを示さないため、ピークの有無によって、反応の進行を確認する。ピーク形状に変化が見られなくなった時点で、配位子交換反応が十分に進行したものと判断した。
速やかに配位子交換反応を進行させるために、ITO微粒子中間体に対し、大過剰の大環状π共役化合物を用いることが好ましい。ここでいう大過剰とはITO微粒子中間体中の、インジウムとスズの合計モル数に対し、50分の1倍以上のモル数の大環状π共役化合物を使用することをいう。
大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子を製造する配位子交換反応において使用する溶媒としては、配位子とする大環状π共役化合物を溶解するものであれば特に制限はなく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、及びテルピネオール等のアルコール類、エチレングリコール、及びプロピレングリコール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン、及びジエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、及び酢酸ベンジル等のエステル類、メトキシエタノール、及びエトキシエタノール等のエーテルアルコール類、ジオキサン、及びテトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の酸アミド、アミン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、及びドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、及びトリメチルペンタン等の長鎖アルカン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、および、シクロオクタン等の環状アルカン等の常温で液体の溶媒を適宜選択して使用すればよい。
配位子交換によって得られた、目的物である大環状化合物配位ITO微粒子は、配位子交換前のITO微粒子中間体から、配位子部分のみが交換されたものであり、微粒子自身の形状はほとんど変化しない。ITO微粒子の外観については、TEM像を観察することで確認することができ、配位子交換後の大環状化合物配位ITO微粒子の平均粒子径は、配位子交換前のITO微粒子中間体と比較して、±10%以内である。
そして、得られた大環状化合物配位ITO微粒子を精製、例えば遠沈精製することにより、より不純物濃度の低い、ITO微粒子を得ることができる。この際の遠沈精製とは、遠心分離装置を用いて、得られた反応液又は分散液を微粒子と上澄み液に分離し、上澄み液を除去後、沈降したITO微粒子沈殿物に分散溶媒を添加して再分散させ、更に必要に応じてITO微粒子が沈降する沈殿溶媒を添加し、遠心分離を繰り返すことで、ITO微粒子の洗浄を行う方法である。
使用する分散溶媒については、大環状化合物配位ITO微粒子が十分に分散、沈降する分散溶媒であれば、特に制限はなく、く、例えば、水;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、エキネン、及びテルピネオール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、及び酢酸ベンジル等のエステル類;メトキシエタノール、及びエトキシエタノール等のエーテルアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の酸アミド、アミン類などが挙げられ、中でも分散性の高さと実用性から、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミドを使用することが好ましい。
また、該沈殿溶媒としては、特に制限はなく、例えばトルエン、キシレン、メシチレン、ベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、デカヒドロナフタレンなどの脂肪族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドンなどのケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの塩化脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどの酢酸エステル類などが挙げられ、中でも沈降性の高さと実用性から、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトンを使用することが好ましい。
また、遠心分離精製の際、ITO微粒子と上澄みの分離が可能な条件であれば、遠心分離装置の条件にも、特に制約はない。例えば回転半径10.1cmのアングルロータを取り付けた遠心機(コクサン(株)製、(商品名)H−201F)を使用し、該分散液を10,000rpm、30分間の遠心分離することで、分離することが可能である。
そして、該大環状化合物配位子ITO微粒子に、分散溶媒を添加することで、本発明の透明導電膜用塗工液を得ることができる。
本発明の透明導電膜用塗工液は、大環状化合物配位ITO微粒子を0.1〜50重量%含有する塗工液であり、特に該大環状化合物配位ITO微粒子の分散安定性に優れ、透明導電膜の製膜性にも優れるものとなることから、大環状化合物配位ITO微粒子0.1〜30重量%、さらには0.1〜20重量%を含有することが好ましい。ここで、大環状化合物配位ITO微粒子が0.1重量%未満である場合、塗工膜中の同微粒子間の距離が遠くなることから、十分な導電性を有する導電膜を得ることが困難となる。一方、大環状化合物配位ITO微粒子が50重量%を超える場合、塗工液中での同ITO微粒子が不安定となり、分散安定性に劣るものとなる。
本発明の透明導電膜用塗工液に使用する分散溶媒としては、該大環状化合物配位ITO微粒子が分散可能なものであれば特に制限はなく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、及びテルピネオール等のアルコール類、エチレングリコール、及びプロピレングリコール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン、及びジエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、及び酢酸ベンジル等のエステル類、メトキシエタノール、及びエトキシエタノール等のエーテルアルコール類、ジオキサン、及びテトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の酸アミド、アミン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、及びドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、及びトリメチルペンタン等の長鎖アルカン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、および、シクロオクタン等の環状アルカン等の常温で液体の溶媒を適宜選択して使用すればよい。
本発明の透明導電膜用塗工液は、大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子が優れた分散性を発現するため、透明性が高く、該分散液の溶液ヘイズは10%以下が好ましく、さらに好ましくは8%以下、特に好ましくは6%以下である。この際の溶液ヘイズは、日本電色工業社製ヘイズメーター(商品名NDH−5000)により、厚み10mmの液体用セルを用いて、JIS K 7136を準拠し測定する。
なお、本発明の透明導電膜用塗工液は、高分子分散剤(バインダー樹脂);その他分散助剤、増粘剤、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、乳化剤等のドープ成分として、任意の元素の単体・化合物等を、該塗工液の透明性及び得られる透明導電膜の特性を著しく阻害しない範囲で、適量を含有していてもよい。
上記ドープ成分の中でも、ITO微粒子同士を結合して、透明導電膜の導電性と強度を高めると共に、基材と透明導電膜の密着性を高めるものが、特に効果的である。このような効果を有するドープ成分としては、有機及び/又は無機成分を用いることが好ましく、上記役割を満たすように、透明導電膜用塗工液を適用する分散媒や基材、塗膜形成条件等を考慮して、適宜選定することができる。
有機成分としては、高分子分散剤(バインダー樹脂)を用いることが好ましく、高分子分散剤(バインダー樹脂)としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等から適宜選択することができる。
熱可塑性樹脂は、その種類、構造によって種々のガラス転移点(Tg)をもつため、基材の耐熱性に合わせて適宜選択することが好ましい。熱可塑性樹脂としては、一般に知られた熱可塑性樹脂を用いることができ、硬化のための加熱処理温度から室温まで冷却する過程で、バインダー樹脂の体積収縮をそのまま導電性酸化物微粒子同士の接合力に転化できるため、透明導電膜の導電性を向上させる効果を有することから、高いガラス転移点(Tg)を有するものが好ましく、例えばメタクリル樹脂等のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、常温硬化性樹脂としては、例えば2液性のエポキシ樹脂や各種ウレタン樹脂等が挙げられ、紫外線硬化性樹脂としては、例えば各種オリゴマー、モノマー、光開始剤を含有する樹脂等が挙げられ、電子線硬化性樹脂としては、例えば各種オリゴマー、モノマーを含有する樹脂等を挙げることができる。
透明導電膜に耐溶剤性を付与する目的に置いては、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂等の架橋可能な樹脂が好ましい。
無機成分としては、例えばシリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、チタニアゾル等を主成分とする添加剤を挙げることができる。例えば、上記シリカゾルとしては、テトラアルキルシリケートに水や酸触媒を加えて加水分解し、脱水縮重合を進ませた重合物、あるいはテトラアルキルシリケートを既に4〜5量体まで重合を進ませた市販のアルキルシリケート溶液を、更に加水分解と脱水縮重合を進行させた重合物等を利用することができる。
なお、ドープ成分として、有機−無機のハイブリッドバインダーを用いることもできる。例えば、前述のシリカゾルを一部有機官能基で修飾したバインダーや、シリコンカップリング剤等の各種カップリング剤を主成分とするバインダーが挙げられる。上記無機バインダーや有機−無機のハイブリッドバインダーは、優れた耐溶剤性を有しており、基材との密着力や、透明導電膜の柔軟性等を考慮し、適宜選定する必要がある。
本発明の透明導電膜用塗工液中の、ITO微粒子の配位子である大環状π共役化合物は、π電子が共役することで大きな平面を有する化合物となる。このπ共役により、平面同士がπ−π相互作用によって積層しやすいだけでなく、ITO微粒子に平面配位することで、π共役軌道がITO微粒子の金属軌道と混成し、新たな軌道を形成することができる。すなわち、ITO微粒子の表面に平面配位することで、大環状π共役化合物のπ軌道とITO微粒子の金属軌道との間に軌道の相互作用が発生し、ITO微粒子、特に配位子層に特異的な電気特性を付与することが可能となる。この効果により、本ITO微粒子を用いることにより、配位子である大環状π共役化合物にも導電性が生じるため、配位子を加熱除去することなく、高い導電性を発現する透明導電膜を形成することが可能となる。すなわち、本発明のITO微粒子を用いることにより、透明導電膜とする際に、製膜後に200℃以上の高温で熱処理して、配位子を除去する工程は不要である。
本発明の透明導電膜用塗工液は、基材上に塗工し、200℃以下で乾燥することにより、透明性、導電性に優れる透明導電膜を製造することができる。その際の塗工方法としては、例えばスピンコート法、ドロップコート法、ロールコート法、スプレー法、バーコート法、ディップ法、メニスカスコート法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、Tダイ法、リップコーター法、ロールコート法等の公知の方法がいずれも使用可能である。
使用する基材についても特に制限はなく、例えば、ガラス系などの無機基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルホンなどのポリマーフイルム基材等を使用することができる。これらの基材は、透明導電膜との密着性を優れたものとするために表面処理剤を用いて表面処理を行ってもよく、該表面処理剤としては、例えばシランカップリング剤、有機金属等があげられる。該シランカップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等があげられ、有機金属としては、例えば有機チタン、有機アルミニウム、有機ジルコニウム等があげられる。
塗工後の乾燥温度は、200℃以下が好ましく、塗工液中の微粒子が凝集し、透明導電膜の透明性が低下することを防ぐために、さらに40〜180℃が好ましく、特に60〜160℃が好ましい。なお、乾燥雰囲気は空気中、窒素雰囲気中、減圧下など、特に制限されない。
本発明の透明導電膜の厚みとしては、本発明の目的を損なわないかぎりにおいて任意であり、その中でも特に透明性と導電性のバランスに優れる透明導電膜となることから0.001〜5μmであることが好ましく、さらに0.01〜2μmであることが好ましく、特に0.05〜1μmであることが好ましい。
本発明の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子を含む導電膜用塗工液を用いることにより、該大環状π共役化合物がITO微粒子に対して平面方向で配位することで、大環状π共役化合物のπ軌道とITO微粒子の金属軌道との間に相互作用が発生するため、大環状π共役化合物に導電性が生じ、高い導電性が発現する透明導電膜を得ることが可能となる。得られた透明導電膜のシート抵抗としては、10,000Ω/□以下が好ましく、さらに5,000Ω/□以下であることが好ましく、特に1,000Ω/□以下であることが好ましい。
本発明の透明導電膜は、基材に対して十分に高い密着性を有するものである。基材への密着性は、例えばJIS K 5600のクロスカット法によって評価可能であり、100個の碁盤目中、剥離個数は10個以下が好ましく、特に好ましくは5個以下である。また透明導電膜として十分な透明性を有することからJIS K 7361−1に準拠し測定した光線透過率が80%以上が好ましく、特に85%以上であることが好ましい。また、JIS K 7136に準拠し測定したヘイズが5%以下が好ましく、特に3%以下であることが好ましい。
本発明の透明導電膜用塗工液は、特定のITO微粒子を含有するものであり、該ITO微粒子の配位子に平面方向で配位可能な大環状π共役化合物を使用することで、該ITO微粒子に特異な電気特性を付与し、塗工後に高温で加熱して有機物を除去することなく、優れた透明性と導電性を発現する透明導電膜が得られるものである。すなわち、プラスチックフイルム等種々の基材への応用が可能となることから、産業に大きく貢献するものと考えられる。
平面方向での配位に係る説明図。図中(A)は大環状π共役化合物が、ITO微粒子表面に対し平面方向で配位したもの。図中(B)及び(C)はそうでないものを表す。
以下に本発明を実施例により、詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。
<ITO微粒子の精製>
得られたITO微粒子分散液は、遠心機(コクサン(株)製、(商品名)H−201F)を使用し、遠心分離を繰り返すことにより精製を行った。
<ITO微粒子の平均粒子径の算出>
ITO微粒子を分散媒に分散させた、濃度0.01%以下の分散液を用意し、これをコロジオン膜展張したカーボンコーティング銅メッシュに落として分散溶媒を揮発させ、このサンプルを透過型顕微鏡で観察した。また得られた像から、ITO微粒子の粒子径を読み取り、300個以上のITO微粒子について平均した値を平均粒子径とした。
<ITO微粒子前駆体からITO微粒子中間体への配位子交換反応進行確認>
反応液を3mL抜出し、遠心分離を実施してITO微粒子を単離した。沈降性が悪い場合は、反応液と等量のジクロロメタン等のハロゲン系溶媒を添加し、遠心分離を実施した。得られたITO微粒子を重水に分散させ、核磁気共鳴装置(日本電子社製、(商品名)JMN−EC400)を用い、1H NMRもしくは13C NMRを測定した。得られたスペクトルより、交換前の配位子と、交換後の配位子との比率を算出し、比率が8倍以上をもって反応が進行したものと判断した。
<ITO微粒子中間体から大環状化合物配位ITO微粒子への配位子交換反応進行確認>
反応液を1mL抜出し、遠心分離を実施してITO微粒子を単離した。沈降性が悪い場合は、反応液と等量のジクロロメタン等のハロゲン系溶媒を添加し、遠心分離を実施した。得られたITO微粒子を水、アルコール等の適当な溶媒に分散させ、得られた分散液のレーザーラマンスペクトルを測定した。大環状π共役化合物特有のピークが発現すること、及びピーク形状に変化が生じなったことで、配位子交換反応の進行を確認した。
<大環状π共役化合物の平面配位確認>
溶媒に、大環状化合物配位ITO微粒子を0.001重量%分散させた分散液を光路長10mmの溶液セルにとり、分光光度計((株)日立ハイテクノロジー製、(商品名)U−4100)を用いて、波長領域300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルのSoret帯のブロード化、及びQ帯の減少により、大環状π共役化合物の共役π軌道とITO微粒子の金属軌道が混成、すなわち大環状π共役化合物が微粒子に平面配位したことを確認した。
<透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズ>
得られた透明導電膜用塗工液を、厚さ10mmの溶液セルにとり、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、(商品名)NDH−5000)を用い、JIS K 7136に準拠して溶液ヘイズの測定を行った。
<透明導電膜の導電性の測定>
抵抗率計((商品名)Loresta−AP、三菱油化(株)製)を用い、4探針法にてシート抵抗の測定を行った。
<透明導電膜の光線透過率及びヘイズの測定>
ヘイズメーター((商品名)NDH−5000、日本電色工業(株)製)を用い、JIS K 7361−1に準拠して透明導電膜の光線透過率を、JIS K 7136に準拠してヘイズの測定を行った。
<透明導電膜の基材への密着性の評価>
塗料一般試験方法JIS K 5600に準拠してクロスカット試験を実施し、100個の碁盤目のうち剥離個数が10個以下のものを、密着性良好と判断した。
<ITO微粒子前駆体の製造例1(例示化合物3−3の配位したITO微粒子)>
100mlフラスコ中に酢酸インジウム(III)292mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)64μl、ステアリルアミン2.7g、2−エチルヘキサン酸390μl、n−ジオクチルエーテル10mlを仕込み、真空中70℃で1時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中150℃で2時間加熱し、次いで窒素雰囲気中270℃で2時間加熱還流し、ステアリルアミンの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエタノール、分散溶媒にヘキサンを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、ステアリルアミンの配位したITO微粒子を得た。得られたITO微粒子の一部をヘキサンに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、ステアリルルアミンの配位したITO微粒子の平均粒子径は11.8nmであった。
次いで、得られたステアリルアミンの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=1.2mmol)と、クエン酸1.0g、N,N−ジメチルホルムアミド40mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中100℃8時間加熱攪拌して、クエン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、N,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、クエン酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。得られたITO微粒子を重水に分散させて1H NMRを測定したところ、交換前の配位子であったステアリルアミンに比べ、交換後の配位子であるクエン酸が9.5倍含有されており、ステアリルアミンからクエン酸へ、配位子交換が進行していることが確認された。
次いで、得られたクエン酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物3−3の大環状π共役化合物67mg、N,N−ジメチルホルムアミド40mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中100℃70時間加熱攪拌して、例示化合物3−3の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物3−3配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物を水に分散させ、TEM観察したところ、例示化合物3−3配位ITO微粒子の平均粒子径は11.7nmであり、反応前駆体であるステアリルアミン配位ITO微粒子の11.8nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物3−3と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物3−3を配位配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物3−3のスペクトルにおいて、400〜450nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ500〜600nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物3−3が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
<ITO微粒子前駆体の製造例2(例示化合物1−14の配位したITO微粒子)>
製造例1と同様の手法で、中間体であるクエン酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。
得られたクエン酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物1−14の大環状π共役化合物43mg、N,N−ジメチルホルムアミド40mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中100℃50時間加熱攪拌して、例示化合物1−14の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物1−14配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物を水に分散させ、TEM観察したところ、例示化合物1−14配位ITO微粒子の平均粒子径は11.7nmであり、反応前駆体であるステアリルアミン配位ITO微粒子の11.8nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物1−14と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物1−14を配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物1−14のスペクトルにおいて、400〜500nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ500〜600nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物1−14が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
<ITO微粒子前駆体の製造例3(例示化合物2−3の配位したITO微粒子)>
製造例1と同様の手法で、中間体であるクエン酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。
得られたクエン酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物2−3の大環状π共役化合物65mg、イソプロパノール40mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中80℃100時間加熱攪拌して、例示化合物2−3の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にイソプロパノールを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物2−3配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物をN,N−ジメチルホルムアミドに分散させ、TEM観察したところ、例示化合物2−3配位ITO微粒子の平均粒子径は11.8nmであり、反応前駆体であるステアリルアミン配位ITO微粒子の11.8nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物2−3と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物2−3を配位配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物2−3のスペクトルにおいて、400〜450nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ500〜600nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物2−3が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
<ITO微粒子前駆体の製造例4(例示化合物4−4の配位したITO微粒子)>
100mlフラスコ中に2−エチルヘキサン酸インジウム(III)588mg、酢酸スズ(II)38mg、ヘキサデシルアミン4.5ml、n−オクタン酸390μl、n−ジオクチルエーテル10mlを仕込み、真空中70℃で3時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中270℃で3時間加熱還流し、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にメタノール、分散溶媒にクロロホルムを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子を得た。得られたITO微粒子の一部をクロロホルムに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子の平均粒子径は9.8nmであった。
次いで、得られたヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=1.2mmol)と、マロン酸0.7g、イソプロパノール30mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中80℃10時間加熱攪拌して、マロン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にイソプロパノールを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、マロン酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。得られたITO微粒子を重水に分散させて1H NMRを測定したところ、交換前の配位子であったヘキサデシルアミンに比べ、交換後の配位子であるマロン酸が8.8倍含有されており、ヘキサデシルアミンからマロン酸へ、配位子交換が進行していることが確認された。
次いで、得られたマロン酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物4−4の大環状π共役化合物69mg、エタノール30mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中75℃80時間加熱攪拌して、例示化合物4−4の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にエタノールを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物4−4配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物をエタノールに分散させ、TEM観察したところ、例示化合物4−4配位ITO微粒子の平均粒子径は9.9nmであり、反応前駆体であるヘキサデシルアミン配位ITO微粒子の9.8nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物4−4と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物4−4を配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物4−4のスペクトルにおいて、300〜400nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ600〜700nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物4−4が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
<ITO微粒子前駆体の製造例5(例示化合物2−5の配位したITO微粒子)>
製造例4と同様の手法で、中間体であるマロン酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。
得られたマロン酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物2−5の大環状π共役化合物52mg、エタノール30mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中75℃80時間加熱攪拌して、例示化合物2−5の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にエタノールを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物2−5配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物を水に分散させ、TEM観察したところ、例示化合物2−5配位ITO微粒子の平均粒子径9.8nmであり、反応前駆体であるヘキサデシルアミン配位ITO微粒子の9.8nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物2−5と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物2−5を配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物2−5のスペクトルにおいて、400〜500nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ500〜600nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物2−5が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
<ITO微粒子前駆体の製造例6(例示化合物3−5の配位したITO微粒子)>
製造例4と同様の手法で、中間体であるマロン酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。
得られたマロン酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物3−5の大環状π共役化合物95mg、メタノール30mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中60℃150時間加熱攪拌して、例示化合物3−5の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にメタノールを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物3−5配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物をメタノールに分散させ、TEM観察したところ、例示化合物3−5配位ITO微粒子の平均粒子径9.9nmであり、反応前駆体であるヘキサデシルアミン配位ITO微粒子の9.8nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物3−5と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物3−5を配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物3−5のスペクトルにおいて、400〜450nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ500〜600nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物3−5が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
<ITO微粒子前駆体の製造例7(例示化合物3−3の配位したITO微粒子)>
100mlフラスコ中に2−エチルヘキサン酸インジウム(III)1176mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)69μl、1−オクタデカノール5.4g、n−オクタン酸700μl、1−オクタデセン20mlを仕込み、真空中80℃で1時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中150℃で1時間加熱し、次いで窒素雰囲気中250℃で4時間加熱還流し、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエキネン、分散溶媒にヘキサンを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、1−オクタデカノールの配位したITO微粒子を得た。得られたITO微粒子の一部をヘキサンに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、1−オクタデカノールの配位したITO微粒子の平均粒子径は8.0nmであった。
次いで、得られた1−オクタデカノールの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=2.4mmol)と、シュウ酸0.9g、エタノール80mlを200mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中75℃10時間加熱攪拌して、シュウ酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にイソプロパノールを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、シュウ酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。得られたITO微粒子を重水に分散させて13C NMRを測定したところ、交換前の配位子であった1−オクタデカノールに比べ、交換後の配位子であるシュウ酸が8.4倍含有されており、1−オクタデカノールからシュウ酸へ、配位子交換が進行していることが確認された。
次いで、得られたシュウ酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物3−3の大環状π共役化合物101mg、N,N−ジメチルホルムアミド80mlを200mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中100℃120時間加熱攪拌して、例示化合物3−3の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、N,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物3−3配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物をN,N−ジメチルホルムアミドに分散させ、TEM観察したところ、例示化合物3−3配位ITO微粒子の平均粒子径は7.9nmであり、反応前駆体である1−オクタデカノール配位ITO微粒子の8.0nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物3−3と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物3−3を配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物3−3のスペクトルにおいて、400〜450nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ500〜600nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物3−3が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
<ITO微粒子前駆体の製造例8(例示化合物4−4の配位したITO微粒子)>
製造例7と同様の手法で、中間体であるシュウ酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。
得られたシュウ酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物4−4の大環状π共役化合物86mg、メタノール80mlを200mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中60℃150時間加熱攪拌して、例示化合物4−4の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にメタノールを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物4−4配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物をメタノールに分散させ、TEM観察したところ、例示化合物4−4配位ITO微粒子の平均粒子径8.1nmであり、反応前駆体である1−オクタデカノール配位ITO微粒子の8.0nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物4−4と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物4−4を配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物4−4のスペクトルにおいて、300〜400nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ600〜700nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物4−4が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
<ITO微粒子前駆体の製造例9(例示化合物2−12の配位したITO微粒子)>
製造例7と同様の手法で、中間体であるシュウ酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。
得られたシュウ酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物2−12の大環状π共役化合物115mg、エタノール80mlを200mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中70℃120時間加熱攪拌して、例示化合物2−12の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にエタノールを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物2−12配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物をエタノールに分散させ、TEM観察したところ、例示化合物2−12配位ITO微粒子の平均粒子径8.2nmであり、反応前駆体である1−オクタデカノール配位ITO微粒子の8.0nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物2−12と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物2−12を配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物2−12のスペクトルにおいて、400〜500nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ500〜600nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物2−12が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
<ITO微粒子前駆体の製造例10(例示化合物3−3の配位したITO微粒子)>
100mlフラスコ中に酢酸インジウム(III)315mg、酢酸スズ(II)35mg、オレイルアルコール2.5ml、1−オクタデセン9mlを仕込み、真空中70℃で1時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中170℃で2時間加熱し、次いで窒素雰囲気中270℃で1.5時間加熱還流し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にメタノール、分散溶媒にクロロホルムを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子を得た。 得られたITO微粒子の一部をクロロホルムに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、オレイルアルコールの配位したITO微粒子の平均粒子径は6.5nmであった。
次いで、得られたオレイルアルコールの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=1.2mmol)と、クエン酸1.2g、N,N−ジメチルホルムアミド30mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中100℃8時間加熱攪拌して、クエン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、クエン酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。得られたITO微粒子を重水に分散させて1H NMRを測定したところ、交換前の配位子であったオレイルアルコールに比べ、交換後の配位子であるクエン酸が9.2倍含有されており、オレイルアルコールからクエン酸へ、配位子交換が進行していることが確認された。
次いで、得られたクエン酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物3−9の大環状π共役化合物111mg、イソプロパノール30mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中80℃100時間加熱攪拌して、例示化合物3−9の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物3−9配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物を水に分散させ、TEM観察したところ、例示化合物3−9配位ITO微粒子の平均粒子径は6.7nmであり、反応前駆体であるオレイルアルコール配位ITO微粒子の6.5nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物3−9と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物3−9を配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物3−9のスペクトルにおいて、400〜450nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ500〜600nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物3−9が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
<ITO微粒子前駆体の製造例11(例示化合物1−14の配位したITO微粒子)> 製造例10と同様の手法で、中間体であるクエン酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。
得られたクエン酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物1−14の大環状π共役化合物65mg、イソプロパノール30mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中80℃110時間加熱攪拌して、例示化合物1−14の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にイソプロパノールを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物1−14配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物をイソプロパノールに分散させ、TEM観察したところ、例示化合物1−14配位ITO微粒子の平均粒子径6.6nmであり、反応前駆体であるオレイルアルコール配位ITO微粒子の6.5nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物1−14と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物1−14を配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物1−14のスペクトルにおいて、400〜500nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ500〜600nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物1−14が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
<ITO微粒子前駆体の製造例12(例示化合物3−3の配位したITO微粒子)>
製造例10と同様の手法で、中間体であるクエン酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。
得られたクエン酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物3−3の大環状π共役化合物101mg、N,N−ジメチルホルムアミド30mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中120℃80時間加熱攪拌して、例示化合物3−3の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物3−3配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物をN,N−ジメチルホルムアミドに分散させ、TEM観察したところ、例示化合物3−3配位ITO微粒子の平均粒子径6.5nmであり、反応前駆体であるオレイルアルコール配位ITO微粒子の6.5nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物3−3と同等のピークが観察され、本ITO微粒子が例示化合物3−3を配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物3−3のスペクトルにおいて、400〜450nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ500〜600nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物3−3が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
実施例1
製造例1で得られた、例示化合物3−3を配位子に有するITO微粒子に水を添加し、例示化合物3−3の配位したITO微粒子1.5重量%を含む、透明導電膜用塗工液を得た。この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、1.2%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ50μmのポリカーボネートフイルム(帝人化成(株)製、商品名「ピュアエースWR」)に塗工し、窒素雰囲気中90℃で5時間乾燥して、塗工厚350nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率90.4%、ヘイズ1.2%、シート抵抗460Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
実施例2
製造例2で得られた、例示化合物1−14を配位子に有するITO微粒子にN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、例示化合物1−14の配位したITO微粒子0.5重量%を含む、透明導電膜用塗工液を得た。この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、3.5%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ150μmのガラス板に塗工し、減圧下160℃で5時間乾燥して、塗工厚300nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率86.5%、ヘイズ3.4%、シート抵抗890Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
実施例3
製造例3で得られた、例示化合物2−3を配位子に有するITO微粒子にN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、例示化合物2−3の配位したITO微粒子0.5重量%を含む、透明導電膜用塗工液を得た。この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、3.0%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ125μmのPENフイルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名「テオネックスQ65FA」)に塗工し、減圧下160℃で5時間乾燥して、塗工厚300nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率88.1%、ヘイズ2.8%、シート抵抗770Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
実施例4
製造例4で得られた、例示化合物4‐4を配位子に有するITO微粒子に水を添加し、例示化合物4−4の配位したITO微粒子2.5重量%を含む、透明導電膜用塗工液を得た。この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、1.9%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ150μmのガラス板に塗工し、窒素雰囲気中90℃で3時間乾燥して、塗工厚350nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率89.2%、ヘイズ1.6%、シート抵抗1,500Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
実施例5
製造例5で得られた、例示化合物2−5を配位子に有するITO微粒子にメタノールを添加し、例示化合物2−5の配位したITO微粒子1.5重量%を含む、透明導電膜用塗工液を得た。この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、3.6%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ150μmのガラス板に塗工し、窒素雰囲気中60℃で2時間乾燥して、塗工厚250nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率85.8%、ヘイズ2.2%、シート抵抗2,800Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
実施例6
製造例6で得られた、例示化合物3−5を配位子に有するITO微粒子にメタノールを添加し、例示化合物2−5の配位したITO微粒子1.5重量%を含む、透明導電膜用塗工液を得た。この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、3.8%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ50μmのポリカーボネートフイルム(帝人化成(株)製、商品名「ピュアエースWR」)に塗工し、窒素雰囲気中60℃で2時間乾燥して、塗工厚250nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率85.9%、ヘイズ3.1%、シート抵抗3,200Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
実施例7
製造例7で得られた、例示化合物3−3を配位子に有するITO微粒子にN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、例示化合物3−3の配位したITO微粒子2.0重量%を含む分散液を得た。該分散液に、ITO微粒子重量の10重量%のウレタン変性ポリエステル樹脂(東洋紡(株)社製、製品名「バイロンUR−8200」)、ITO微粒子重量の0.3重量部のブロック型ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成(株)社製、製品名「デュラネートMF−K60B」)を添加混合し、透明導電膜用塗工液(ITO微粒子2.0重量%)を得た。
この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、1.9%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ50μmのポリカーボネートフイルム(帝人化成(株)製、商品名「ピュアエースWR」)に塗工し、窒素雰囲気中150℃で10時間乾燥して、塗工厚350nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率89.7%、ヘイズ2.1%、シート抵抗1,900Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
実施例8
製造例8で得られた、例示化合物4−4を配位子に有するITO微粒子にN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、例示化合物4−4の配位したITO微粒子2.0重量%を含む、分散液を得た。該分散液に、ITO微粒子重量の5重量%のポリエーテルサルホン樹脂(ソルベイアドバンスドポリマーズ(株)社製、製品名「RADEL A 300A)を添加混合し、透明導電膜用塗工液(ITO微粒子2.0重量%)を得た。
この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、2.8%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ125μmのPENフイルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名「テオネックスQ65FA」)に塗工し、減圧下150℃で3時間乾燥して、塗工厚250nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率88.3%、ヘイズ2.6%、シート抵抗3,300Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
実施例9
製造例9で得られた、例示化合物2−12を配位子に有するITO微粒子に水を添加し、例示化合物2−12の配位したITO微粒子3.0重量%を含む分散液を得た。該分散液に、ITO微粒子重量の10重量%のアクリル樹脂(東亜合成(株)社製、商品名「ジュリマー AC−10S」)を添加混合し、透明導電膜用塗工液(ITO微粒子3.0重量%)を得た。
この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、1.5%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ188μmのPETフイルム(東レ(株)社製、商品名「ルミラー T−60」)に塗工し、減圧下80℃で3時間乾燥して、塗工厚250nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率90.1%、ヘイズ1.8%、シート抵抗2,100Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
実施例10
製造例10で得られた、例示化合物3−9を配位子に有するITO微粒子に水を添加し、例示化合物3−9の配位したITO微粒子3.0重量%を含む分散液を得た。該分散液に、ITO微粒子重量の10重量%のフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート樹脂(東亜合成(株)社製、商品名「アロニックス M−101」)、ITO微粒子重量の0.3重量%の2−メチル −1−[4―(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、商品名「IRGACURE907」を添加混合し、透明導電膜用塗工液(ITO微粒子3.0重量%)を得た。
この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、2.2%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ188μmのPETフイルム(東レ(株)社製、商品名「ルミラー T−60」)に塗工し、減圧下80℃で3時間乾燥した後、高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で1000mJ/cmの照射を行って硬化させ、塗工厚250nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率86.8%、ヘイズ4.0%、シート抵抗4,800Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
実施例11
製造例11で得られた、例示化合物1−14を配位子に有するITO微粒子にエタノールを添加し、例示化合物1−14の配位したITO微粒子1.0重量%を含む分散液を得た。該分散液に、ITO微粒子重量の5重量%のフェノキシ樹脂(InChem社製、「PKHW−34」)、ITO微粒子重量の0.15重量%のブロック型ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成(株)社製、製品名「デュラネートMF−K60B」)を添加混合し、透明導電膜用塗工液(ITO微粒子1.0重量%)を得た。
この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、4.8%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ150μmのガラス板に塗工し、窒素雰囲気下80℃で1時間乾燥させた後、さらに窒素雰囲気下120℃で1時間乾燥させて、塗工厚150nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率85.0%、ヘイズ4.9%、シート抵抗5,500Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
実施例12
製造例12で得られた、例示化合物3−3を配位子に有するITO微粒子に水を添加し、例示化合物3−3の配位したITO微粒子2.5重量%を含む分散液を得た。該分散液に、ITO微粒子重量の5重量%のフェノキシ樹脂(In Chem社製、「PKHW−34」)、ITO微粒子重量の1重量%のアクリル樹脂(東亜合成(株)社製、商品名「ジュリマー AC−10S」)、ITO微粒子重量の0.15重量%のブロック型ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成(株)社製、製品名「デュラネートMF−K60B」)を添加混合し、透明導電膜用塗工液(ITO微粒子2.5重量%)を得た。
この透明導電膜用塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、1.0%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該塗工液を、基材である厚さ150μmのガラス板に塗工し、窒素雰囲気下90℃で1時間乾燥させた後、さらに窒素雰囲気下120℃で1時間乾燥させて、塗工厚300nmの透明導電膜を得た。この透明導電膜は、塗膜の基材への密着性も高く、光線透過率90.9%、ヘイズ0.9%、シート抵抗2,300Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い光学特性と導電特性を有していることを確認した。
比較例1
100mlフラスコ中に酢酸インジウム(III)248mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)109μl、オクタノール1.6ml、n−ジオクチルエーテル10mlを仕込み、真空中70℃で1時間加熱強攪拌し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中150℃で2時間加熱強攪拌し、次いで窒素雰囲気中270℃で1時間加熱還流し、オクタノールの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエタノール、分散溶媒にヘキサンを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、オクタノールの配位したITO微粒子を得た。得られたITO微粒子の一部をヘキサンに分散させた希薄分散液を作成し、TEM観察したところ、ステアリルルアミンの配位したITO微粒子の平均粒子径は3nm未満の2.7nmであった。
次いで、得られたオクタノールの配位したITO微粒子(In+Sn=1.2mmol)と、クエン酸1.0g、N,N−ジメチルホルムアミド40mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中100℃8時間加熱攪拌して、クエン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、N,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、クエン酸を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。得られたITO微粒子を重水に分散させて1H NMRを測定したところ、交換前の配位子であったオクタノールに比べ、交換後の配位子であるクエン酸が9.5倍含有されており、オクタノールからクエン酸へ、配位子交換が進行していることが確認された。
次いで、得られたクエン酸を配位子として有するITO微粒子と、例示化合物3−3の大環状π共役化合物67mg、N,N−ジメチルホルムアミド40mlを100mlフラスコ中に仕込み、窒素雰囲気中100℃70時間加熱攪拌して、例示化合物3−3の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にジクロロメタン、分散溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回遠心分離精製を繰り返し、例示化合物3−3配位ITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物を水に分散させ、TEM観察したところ、例示化合物3−3配位ITO微粒子の平均粒子径は2.8nmであり、反応前駆体であるオクタノール配位ITO微粒子の2.7nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物3−3と同等のピークが観察され、本微粒子が例示化合物3−3を配位子として有するものであることが確認された。さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物3−3のスペクトルにおいて、400〜450nmに見られたSoret帯がブロード化し、かつ500〜600nmに見られたQ帯がほぼ確認されなくなったことから、該ITO微粒子が、大環状π共役化合物である例示化合物3−3が、ITO微粒子表面に平面配位したものであることが確認された。
得られた、例示化合物3−3を配位子に有するITO微粒子に水を添加し、例示化合物3−3の配位したITO微粒子1.5重量%を含む、分散液を得た。この分散液の溶液ヘイズを測定したところ、4.2%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していることが確認された。
次いで該分散液を、基材である厚さ50μmのポリカーボネートフイルム(帝人化成(株)製、商品名「ピュアエースWR」)に塗工し、窒素雰囲気中90℃で5時間乾燥して、塗工厚約350nmの塗工膜を得た。この塗工膜の塗膜の基材への密着性は高く、光線透過率85.4%、ヘイズ4.2%と高い光学特性を有していたものの、シート抵抗は7.8×10Ω/□であり、透明導電膜として十分に高い導電性を有していないことが確認された。すなわち本微粒子は、平均粒子径が3nm未満と非常に小さかったため、微粒子に占める配位子の割合が高く、十分な導電性を発現できなかったものと考えられる。
比較例2
配位子である大環状π共役化合物を、一般式3−16
Figure 0006136623
に変更した以外は、製造例1と同様の手法で、例示化合物3−16の大環状π共役化合物を配位子として有するITO微粒子の沈殿物を得た。
次いで、得られたITO微粒子沈殿物を水に分散させ、TEM観察したところ、例示化合物3−16配位ITO微粒子の平均粒子径は11.9nmであり、反応前駆体であるステアリルアミン配位ITO微粒子の11.8nmからほとんど変化しておらず、配位子のみが交換されたものと考えられる。
また同分散液を用いてレーザーラマンスペクトルを測定したところ、例示化合物3−16と同等のピークが観察され、本微粒子が例示化合物3−16を配位子として有するものであることが確認された。
さらに同分散液の300〜800nmにおける吸収スペクトルを測定したところ、例示化合物3−16のスペクトルにおいて、400〜500nmに見られたSoret帯と500〜600nmに見られたQ帯はほとんど変化しておらず、本微粒子は、大環状π共役化合物である例示化合物3−16が平面配位しておらず、リンカー部のアミノ基で配位した構造であることが確認された。すなわち、図1中の(C)のような構造であると考えられる。
得られた、例示化合物3−16を配位子に有するITO微粒子に水を添加し、例示化合物3−16の配位したITO微粒子1.5重量%を含む、分散液を得た。この分散液の溶液ヘイズを測定したところ、4.2%であり、高い透明性を有していることが確認された。
次いで該分散液を、基材である厚さ50μmのポリカーボネートフイルム(帝人化成(株)製、商品名「ピュアエースWR」)に塗工し、窒素雰囲気中90℃で5時間乾燥して、塗工厚350nmの塗工膜を得た。この塗工膜は、塗膜の基材への密着性は高く、光線透過率85.1%、ヘイズ4.5%と高い光学特性を有していたものの、シート抵抗は10Ω/□以上であり、透明導電膜として十分に高い導電特性を有していないことが確認された。すなわち、大環状π共役化合物である例示化合物3−16が、ITO微粒子に対して平面方向で配位しなかったため、大環状π共役化合物とITOとの間に軌道の相互作用が生じず、配位子である大環状π共役化合物が導電性を発現できなかった、さらにITO微粒子間の距離が離れすぎてしまったために、導電性を発現することができなかったものと考えられる。
比較例3
製造例4で得られた、例示化合物4‐4を配位子に有するITO微粒子に水を添加し、例示化合物4−4の配位したITO微粒子55.0重量%を含む、透明導電膜用塗工液を得た。この塗工液の溶液ヘイズを測定したところ、21.9%であり、透明導電膜用塗工液として十分に高い透明性を有していないことが確認された。すなわち本分散液は、大環状π共役化合物を配位子に有するITO微粒子の含量が高いために、微粒子同士の凝集が発生し、透明導電膜用塗工液として十分な透明性を有するものではなかった。
Figure 0006136623
本発明の透明導電膜用塗工液は、特定のITO微粒子が分散媒に含有されたものであり、該ITO微粒子の配位子に平面方向で配位可能な大環状π共役化合物を使用することで、該ITO微粒子に特異な電気特性を付与し、塗工後に高温で加熱して有機物を除去することなく、優れた透明性と導電性を発現する透明導電膜が得られるものである。すなわち、プラスチックフイルム等種々の基材への応用が可能となることから、産業に大きく貢献するものと考えられる。

Claims (5)

  1. 配位子である大環状π共役化合物が、粒子表面に対して平面方向で配位しており、透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmの範囲であるITO微粒子を、0.1〜50重量%含有する透明導電膜用塗工液であって、該大環状π共役化合物が、下記例示化合物1−14、例示化合物2−3、及び例示化合物3−3から選択される大環状π共役化合物であることを特徴とする透明導電膜用塗工液
    Figure 0006136623
    Figure 0006136623
    Figure 0006136623
  2. 溶液ヘイズが10%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜用塗工液。
  3. 請求項1または2に記載の透明導電膜用塗工液を基材状に塗工し、200℃以下で乾燥することにより得られることを特徴とする、透明導電膜。
  4. シート抵抗が1,000Ω/□以下であることを特徴とする請求項に記載の透明導電膜。
  5. JIS K 7361−1に準拠し測定した光線透過率が80%以上、かつJIS K 7136に準拠し測定したヘイズが5%以下であることを特徴とする請求項またはに記載の透明導電膜。
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