JP2012069560A - 有機エレクトロニクス素子、電極、電極の製造方法および有機エレクトロニクス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロニクス素子、電極、電極の製造方法および有機エレクトロニクス素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、生産性が高い生産方法で作製可能であり、導電性に優れる電極、その電極を用いた有機エレクトロニクス素子、ならびにこの電極および有機エレクトロニクス素子の製造方法を提供することにある。
【解決手段】基板上に、第1の電極を有し、該第一の電極上に有機機能層を有し、該有機機能層上に該第一の電極に対向する第二の電極を有する有機エレクトロニクス素子であって、該第一の電極または該第二の電極が、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子をその表面に有する金属粒子を含有することを特徴とする有機エレクトロニクス素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機光電変換素子および有機エレクトロルミネッセンス素子などの有機エレクトロニクス素子に用いられる電極に関する。
近年の化石エネルギーの高騰によって、自然エネルギーから直接電力を発電できるシステムが求められており、単結晶・多結晶・アモルファスのSiを用いた太陽電池、GaAsやCIGSなどの化合物系の太陽電池、あるいは色素増感型光電変換素子(グレッツェルセル)などが提案・実用化されている。
しかしながら、これらの太陽電池で発電するコストは未だ化石燃料を用いて発電・送電される電気の価格よりも高いものとなっており、普及の妨げとなっていた。また、基板に重いガラスを用いなければならないため、設置時に補強工事が必要であり、これらも発電コストが高くなる一因であった。
このような状況に対し、化石燃料による発電コストよりも低コストな発電コストを達成しうる太陽電池として、A.HeegerらがNature Mat.;vol.6(2007),p497においては透明電極と対電極との間に電子供与体層(p型半導体層)と電子受容体層(n型半導体層)とが混合されたバルクヘテロジャンクション層を挟んだバルクヘテロジャンクション型有機光電変換素子が提案され、光電変換効率も5%以上のものが得られている。
これらのバルクヘテロジャンクション型有機光電変換素子においては、透明電極・対電極以外は塗布プロセスで形成されているため、高速かつ安価な製造が可能であると期待され、前述の発電コストの課題を解決できる可能性がある。さらに、上記のSi系太陽電池・化合物半導体系太陽電池・色素増感太陽電池などと異なり、160℃より高温のプロセスがないため、安価かつ軽量なプラスチック基板上への形成も可能であると期待される。
しかしながら、このように安価な太陽電池を提供するためには、全構成要素から生産性の低い真空系プロセスを排除することが必要であるが、前記の塗布型で活性層を製膜可能なバルクヘテロジャンクション型有機光電変換素子においても、多くは電極を真空蒸着によって形成されているため、これらの電極、なかでも対電極形成時の脱真空プロセス化が強く求められていた。
このような課題に対し、貼合プロセスが(例えば、特許文献1参照)、また導電性ポリマーによる形成が(例えば、特許文献2参照)試みられているが、有機層との接合や、導電性の不足といった課題があり、必ずしも高い効率を得られていない。
導電性の高い電極を塗布によって形成するには、導電性微粒子を含有するペーストを塗布する方法が一般に知られているが、凝集しやすい導電性微粒子を塗布可能なように分散させるために有機物からなる分散安定剤が添加されている。
他方、塗布後にこの分散安定剤を除去できないと導電性微粒子膜の導電性は向上しないため、通常180C以上の加熱が必要とされていた。しかしながら、このような高温の印加が必要なプロセスでは、高価な耐熱性プラスチック基板を用いる必要があり、生産性の高い塗布型電極が達成されても安価な太陽電池を提供することができないといった課題を有していた。このような課題から、金属ペースト塗布によって対電極を形成する方法により形成された電共を用いた有機光電変換素子が開示されているが(例えば、非特許文献1、特許文献3参照)、高い効率のものは得られていない。
特開2003−34756号公報 国際公開第04/051756号パンフレット 国際公開第07/149835号パンフレット
Solar Energy Materials & Solar Cells(2008),92(7),715
本発明の目的は、生産性が高い生産方法で作製可能であり、導電性に優れる電極、その電極を用いた有機エレクトロニクス素子、ならびにこの電極および有機エレクトロニクス素子の製造方法を提供することにある。さらに、本発明の目的は、安価なプラスチック基板上にも形成可能であり、生産性が高い生産方法で作製可能であり、導電性および反射性に優れる電極、その電極を用いた有機エレクトロニクス素子、ならびにこの電極および有機エレクトロニクス素子の製造を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の手段により達成することができる。
1.基板上に、第1の電極を有し、該第一の電極上に有機機能層を有し、該有機機能層上に該第一の電極に対向する第二の電極を有する有機エレクトロニクス素子であって、該第一の電極または該第二の電極が、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子をその表面に有する金属粒子を含有することを特徴とする有機エレクトロニクス素子。
2.前記有機半導体配位子が、前記金属と配位可能な置換基を複数有することを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロニクス素子。
3.前記有機半導体配位子が、前記金属と配位可能な置換基を4つ以上有することを特徴とする前記2に記載の有機エレクトロニクス素子。
4.前記有機半導体配位子が、下記一般式(1A)または(1B)で表わされる化合物であることを特徴とする前記2または3に記載の有機エレクトロニクス素子。
Figure 2012069560
(式中、X〜Xは、−N=、または、−CR=、を表す。R〜Rは水素原子、ハロゲン原子または置換基を表す。但し、一般式(1A)または一般式(1B)で表される化合物は、当該置換基として下記一般式(2)で表わされる置換基を2つ以上有する。)
一般式(2)
−L−A
(式中、Lは2価の連結基、Aは−SH、−SCOR101または−NCSを表す。R101は、アルキル基を表す。一般式(1B)中、Mは金属原子を表す。)
5.前記一般式(1A)および一般式(1B)におけるX〜Xが全て前記−CR=であることを特徴とする前記4に記載の有機エレクトロニクス素子。
6.前記一般式(1A)および一般式(1B)のR〜Rが表す置換基が、前記一般式(2)で表される置換基であることを特徴とする前記4または5に記載の有機エレクトロニクス素子。
7.前記一般式(2)で表される置換基が、下記一般式(3)で表される置換基であることを特徴とする前記4から6のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
Figure 2012069560
(式中、Xは、−NR10−、−O−または−S−を表す。R10〜R13は水素原子、ハロゲン原子、置換基、を表す。一般式(3)で表される化合物は、当該置換基として−SH、−SCOR102または−NCSを有する。R102はアルキル基を表す。)
8.前記一般式(1A)および一般式(1B)の、金属と配位可能な置換基が、前記−SCOR101であることを特徴とする前記4から7のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
9.前記金属粒子が、複数の金属を含むことを特徴とする前記1から8のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
10.前記金属粒子が、コアおよび該コアを被覆するシェアを有するコアシェル型金属粒子であることを特徴とする前記9に記載の有機エレクトロニクス素子。
11.前記コアが銀であり、前記シェルが金であることを特徴とする前記10に記載の有機エレクトロニクス素子。
12.前記有機エレクトロニクス素子が、正孔輸送層を有し、前記第1の電極または前記第2の電極が、当該正孔輸送層と接していることを特徴とする前記1から11のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
13.前記有機機能層が、p型有機半導体とn型有機半導体とを含有するバルクヘテロジャンクション層であることを特徴とする前記1から12のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
14.前記有機機能層が、りん光発光ドーパントを含有するりん光発光層であり、前記有機エレクトロニクス素子が有機電界発光素子であることを特徴とする前記1から12のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
15.前記有機エレクトロニクス素子が、前記第一の電極側からの入力光により前記有機機能層が機能する有機エレクトロニクス素子であり、前記第二の電極が、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子をその表面に有する金属粒子を含有することを特徴とする前記1から14のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
16.前記15に記載の有機エレクトロニクス素子の前記第二の電極に用いられる電極であって、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子をその表面に有する金属粒子を含有することを特徴とする電極。
17.前記16に記載の電極を製造する、電極の製造方法であって、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子と金属粒子とを含有する電極用塗布分散液を基材上に塗布し、乾燥して電極を作製する電極作製工程を有することを特徴とする電極の製造方法。
18.基板上に、第1の電極を有し、該第一の電極上に有機機能層を有し、該有機機能層上に該第一の電極に対向する第二の電極を有する有機エレクトロニクス素子の製造方法であって、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子と金属粒子とを含有する電極用塗布分散液を基材上に塗布し、乾燥して該第一の電極または第二の電極を作製する電極作製工程を有することを特徴とする有機エレクトロニクス素子の製造方法。
本発明の上記手段により、安価なプラスチック基板上にも形成可能でありより低いコストで生産可能であり、常圧化の塗布方法により生産可能であることにより、生産性の高い生産方法で作製可能であり、導電性に優れる電極およびその電極を用いた有機エレクトロニクス素子ならびにこの電極および有機エレクトロニクス素子の製造方法が提供できる。
さらに、安価なプラスチック基板上にも形成可能でありより低いコストで生産可能であり、常圧化の塗布方法により生産可能であることにより、生産性の高い生産方法で作製可能であり、導電性、反射性に優れる電極、およびその電極を用いた有機エレクトロニクス素子ならびにこの電極および有機エレクトロニクス素子の製造方法が提供できる。
本発明を更に詳しく説明する。
本発明は、基板上に、第1の電極を有し、該第一の電極上に有機機能層を有し、該有機機能層上に該第一の電極に対向する第二の電極を有する有機エレクトロニクス素子であって、該第一の電極または該第二の電極が、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子をその表面に有する金属粒子を含有することを特徴とする。
本発明では特に、上記の金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子をその表面に有する金属粒子を含有する電極を用いることにより、生産性が高く光電変換効率に優れる有機光電変換素子および生産性が高く発光効率に優れる有機エレクトロルミネッセンス素子が得られる。
(金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子をその表面に有する金属粒子)
(金属粒子)
本発明に係る金属粒子は、金属を含む導電性の粒子であり、金属粒子としては、Ag、Au、Cu、Pd、Sn、In、Co、Bi、Al、Ti、Zn等の金属からなる粒子、およびSnO、In、ITO、FTO、AZO、IZO等の金属酸化物からなる粒子を挙げることができる。
金属粒子としては、融点が低い金属や、耐酸化性の高い金属を用いることが好ましい。低融点の金属としては、例えば、錫の合金であるはんだや、ガリウム合金であるガリンスタン(組成はガリウム68.5%、インジウム21.5%、錫10%)、ビスマス合金であるウッドメタル(組成はビスマス50%、鉛26.7%、錫13.3%、カドミウム10%)等があり、合金の組成比を変化させることで、融点を変化させることが可能である。
また、対酸化性の高い金属としては、仕事関数の大きい金属が好ましく、金、銀、銅、白金、ニッケル、ロジウム、モリブデン、イリジウム、パラジウム等を挙げることができる。これらの中でも、酸素に対して安定な金、銀、銅、白金、パラジウムからなる導電性粒子が好ましい。
また、有機エレクトロニクス素子の中でも有機光電変換素子や有機電界発光素子は光を利用する素子であるため、銀、ロジウム、アルミニウム等の反射率の高い金属であることが好ましい。
さらには、後述する有機半導体配位子との反応性といった観点では、金や白金と言った第5周期の金属元素である方が好ましい。
また、対酸化性、金属の反射率などの面から、金属粒子は、複数の金属を含有する金属粒子であることが好ましい。
複数の金属を含有する場合、単なる合金として混合されていても良いが、有機半導体配位子との結合力や酸素に対する対酸化性などは、主に微粒子表面に関する特性であり、他方で反射率のような光学特性はバルクとしての特性であることから、コアシェル型の粒子である方が、機能を両立しやすく、好ましい。
コアシェル型の粒子の合成は、例えばジャーナルオブフィジカルケミストリーB、第103巻、1999年、3529頁、特開表2005−520125号公報、J.Phys.Chem,B,v101,p5301(1997)等を参考として合成することができる。
本発明に係る金属粒子の粒子径は特に限定されないが、生産性、導電性の均一性などの面から、5nm以上、10μm以下であることが好ましく、さらに10nm以上、1μm以下であることが好ましく、特に20nm以上、200nm以下であることが好ましい。
(有機半導体配位子)
本発明に係る有機半導体配位子は、有機半導体化合物であって、金属と配位可能な置換基を有する化合物である。
金属と配位可能な置換基としては、各種アミン化合物、カルボン酸化合物、リン酸化合物、チオール化合物、イソニトリル化合物等の残基を挙げることができる。即ち、具体的な基として、−SH、−SCOR(R:アルキル基)または−NCSなどが挙げられる。
有機半導体配位子は、これらの置換基が金属粒子の表面に配位して金属粒子の表面に存在する。
有機半導体配位子は、導電性の均一性の面から、金属と配位可能な置換基を複数有することが好ましく、さらに4つ以上有することが好ましい。
また、特に上記置換基が対称形で、置換している有機半導体配位子が好ましい。
金属と配位可能な置換基を複数有することで、金属粒子に平面的に配位し、金属粒子への吸着状態が均一になり、より導電性が均一になる。さらに、金属と配位可能な置換基を4つ以上有することでこの効果はより大きくなる。
なお「平面的に配位する」とは、有機半導体分子の最も広いπ共役平面が、金属粒子の表面と略平行に配位していることを表す。
有機半導体化合物としては、たとえば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン、ベンゾチオフェノベンゾチオフェン、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDTTTF)、オリゴチオフェン、フラーレン、等の有機半導体材料を挙げることができる。
これらの中でも、金属の仕事関数と近いHOMOまたはLUMO準位を有している化合物であることが好ましい。このような関係とすることで、金属粒子と有機半導体間での電荷移動が容易となり、より高い導電性を得ることができる。
金属粒子としては、金、銀、銅、白金、パラジウムなどが好適に用いられるが、これらは仕事関数が−4.5〜−5.5eVにあるため、有機半導体配位子としては、これらに近いHOMO準位を有するp型半導体材料であることが好ましい。
中でも、配位子と金属の結合強度を考慮すると、配位子と反応する金属粒子表面の金属は金であることが好ましく、有機半導体配位子としては、HOMO準位が−4.8eV〜−5.3eVであるp型有機半導体材料であることが好ましい。
中でも、前述の4つ以上の配位子が対称形で置換でき、合成も容易な構造として、ポルフィリン類またはフタロシアニン類が好ましい。すなわち上記一般式(1A)または(1B)で表わされる有機半導体材料である。
一般式(1A)または(1B)中、X〜Xは、−N=、または、−CR=、を表す。R〜Rは水素原子、ハロゲン原子または置換基を表す。但し、一般式(1A)または一般式(1B)で表される化合物は、当該置換基として下記一般式(2)で表わされる置換基を2つ以上有する。
一般式(2)
−L−A
一般式(2)中、Lは2価の連結基、Aは−SH、−SCOR101または−NCSを表す。R101は、アルキル基を表す。
一般式(1B)中、Mは金属原子を表す。上記R〜Rが表す置換基としては、金属粒子との配位力を考慮すると、硫黄系化合物の残基であることが好ましい。すなわちチオール、ジチオール、チオエステル、チオイソシアナートなどの残基である。またより好ましくは、−SCOR101(R101は、アルキル基を表す)である。
Lで表される2価の連結基としては、例えばアルキレン基、アルケニレン基、1,2−アルキンジイル基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基ならびにエステル基、オキシカルボニル基、アミノ基およびアミド基の残基が挙げられる。これらの連結基は、置換基を有してもよい。
Lは、金属粒子表面と有機半導体のπ共役平面の距離をリジッドに固定できることから、芳香族系の連結基であることが好ましい。
芳香族系の連結基としては、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、およびこれらを複合的に含む2価の基が挙げられる。
Mで表される金属原子としてはLi、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Biが挙げられる。
前記金属原子の内で本発明として好ましくは、Mg、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Al、Si、Snであり、より好ましくは、Mg、Ti、Cu、Zn、Al、Siであり、Mg、Zn、が特に好ましい。
これらの中でも、上記一般式(1A)および一般式(1B)において、X〜Xが全て上記−CR=である、ポルフィリン系化合物であることが好ましい。
ポルフィリン系化合物は、溶解性が高いため、極性溶媒中で合成される金属粒子と反応させる際に容易に反応させることができる。その結果、溶媒分散性が向上し、塗布時の粗大凝集が減少し、より均一な塗布型電極を得ることができる。その結果、より高い導電性の電極を得ることができるためと推定される。
さらに、前記Aで表わされる置換基が置換されている位置が、ポルフィリン環のメソ位である化合物、すなわち上記一般式(1A)および一般式(1B)において、R9が全て一般式(2)の置換基である有機半導体材料であることが好ましい。
これは、メソ位を置換すると、ポルフィリン環との立体障害により前記一般式(2)で表わされる置換基がポルフィリン環とねじれ、より高い溶解性が得られ、前述と同様の理由により均一かつ高導電性の電極が得られるようになるものと推定される。
より好ましくは、前記R9が全て上記一般式(3)の置換基である化合物である。
一般式(3)中、Xは−NR10−または−O−、−S−を表す。R10〜R13は水素原子、ハロゲン原子、置換基、を表す。そして、一般式(3)で表される化合物は、当該置換基として−SH、−SCOR102または、−NCSを有する。R102はアルキル基を表す。一般式(3)における置換基およびアルキル基は、一般式(1A)および一般式(1B)における置換基およびアルキル基と同様のものを用いることができる。
このように、メソ位を置換する置換基が5員環の芳香族環であると、ポルフィリン環とのねじれ角が約45°となり、5員環上を置換する金属と配位可能な置換基との距離、すなわち金属粒子表面との距離を最も適切な距離とすることができる。すなわち、最も高い導電性を得ることができる。
なお6員環の芳香族環では、ポルフィリン環とのねじれ角は約60度であり、若干ポルフィリン環と金属粒子表面の距離が遠くなるため、若干導電性が低下する傾向がある。
以下、本発明に係る有機半導体配位子として使用することのできる有機半導体配位子の例(化合物1〜28)を記載する。
Figure 2012069560
Figure 2012069560
Figure 2012069560
Figure 2012069560
Figure 2012069560
これらの化合物は、上記のような公知の有機半導体化合物にAngewandte Chemie International Edition,2008p307等を参考として、上記の置換基を付加して合成することができる。
例えば、下記に化合物20の合成例について説明する。
アルドリッチ社製、硫化ナトリウム・9水和物を120mmolを窒素下でジメチルアセトアミド300mlに80℃で溶解させ、4−ブロモ−2−チオフェンカルボアルデヒド100mモルを添加して1時間反応させたのち放冷し、氷冷下で無水酢酸150mモルを滴下してさらに1時間撹拌を行った。得られた溶液を1M塩化リチウム水溶液/酢酸エチルで分液操作を行ったのち、有機層を抽出し、溶媒を留去して得た粗製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、40%の収率で3−アセチルチオ−2−チオフェンカルボアルデヒドを得た。
得られた3−アセチルチオ−2−チオフェンカルボアルデヒド10mmol、10mmolのピロールと10mmolのトリフルオロ酢酸を窒素下でジクロロメタン100mlに溶解させて1時間室温で溶解させたのち、クロラニルを8mmol添加し、1時間加熱還流を行った。
放冷後、10%炭酸ナトリウム水溶液を50ml添加して30分間撹拌したのち、生成した沈殿をろ取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、7.5%の収率で本発明の化合物20を得た。
Figure 2012069560
このような有機半導体配位子を用いることで、塗布した単に溶媒が揮発するだけで金属粒子上の有機半導体配位子がスタックし、この有機半導体配位子を介して容易に金属粒子同士が導電性を発現することができる。
(有機半導体被覆金属ナノ粒子の製造方法)
本発明の有機半導体で被覆された金属粒子の製造方法は同様に、Angewandte Chemie International Edition,2008p307、ジャーナルオブフィジカルケミストリーB、第103巻、1999年、3529頁、特開表2005−520125号公報、J.Phys.Chem,B,v101,p5301(1997)等を参考として作製することができる。
すなわち、Eur. J. Cell Biol. 1985, 38, p87、J.Am.Chem.Soc.,,vol29(2007),p13939等を参考として、クエン酸等の1次被覆材で被覆された金属ナノ粒子を作製したのち、これらを含有する溶液と置換する本発明の有機半導体配位子の溶解した溶液とを混合し、加熱・撹拌を行うことでより安定な配位子である本発明の有機半導体配位子との配位子交換反応がおこり、本発明の有機半導体で被覆された金属粒子を得ることができる。
さらに次工程で塗布して電極とするためには、溶液を留去したのち貧溶媒と混合して析出させてろ取したのち、塗布時には任意の濃度に再溶解・再分散してから用いればよい。
本発明の金属粒子は安定のため、一度溶媒を除去して固化させた後でも溶媒と混合すれば容易に再溶解・再分散することができる。
なお前記クエン酸等の1次被覆材で被覆された金属ナノ粒子は水系溶媒で合成され、本発明の有機半導体配位子材料はトルエン等の芳香族系溶媒に溶けやすいため、双方が混合できるような第3の溶媒(ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の極性有機溶媒)中で反応させることが好ましい。
(電極の製造方法)
本発明の電極の製造方法は、上記金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子と金属粒子とを含有する、電極用塗布分散液を基材上に塗布し、乾燥して電極を作製する電極作製工程を有する。
電極用塗布分散液を調製することで、有機半導体配位子をその表面に有する金属粒子を作製することができる。
本発明では、電極は電極用塗布分散液を用い、塗布方式により作製されるが、下述する有機機能層上に塗布を行ってもよいし、別の支持体上に塗布して、貼合などにより有機機能層上に配置してもよい。貼合する場合、有機エレクトロニクス素子の構造により、支持体を有機エレクトロニクス素子を構成する層の一部として用いてもよいし、貼合した後剥離してもよい。
従って、電極用塗布分散液を供給する基材は、有機機能層上に直接塗布する場合には、基板上に有機機能層を設けたものであり、電極を作製した後有機機能層上に配置する場合には、他の支持体である。他の支持体としては、下述する有機エレクトロニクス素子の基板と同様のものを用いることができる。
電極用塗布分散液に用いられる、溶媒としては、メタノール、エタノール、ブチルアルコールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶媒、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族系溶媒、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。
電極用塗布分散液中における金属粒子の含有量は、使用する金属粒子の金属の種類にもよるが、概ね分散液に対して1質量%〜90質量%が好ましく、特に5質量%〜70質量%が好ましい。特に比重の重い金を高い割合で含む金属ナノ粒子を利用する場合には、金の比重が高いため、高い濃度(10〜70質量%)で溶解することが好ましい。
また、有機半導体配位子の含有量は、金属粒子の表面に単分子膜が形成できる程度で十分であるため、概ね金属粒子に対して、0.001質量%〜1質量%が好ましく、特に0.01質量%〜0.1質量%が好ましい。
塗布方法としては、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法およびスクイーズ法等が好適に挙げられる。
その中でも、ブレード法、ナイフ法およびエクストルージョン法が好ましい。
本発明に係る乾燥としては、熱風、真空、電子線、赤外線および低湿風などにより行う方法あるいはこれらを組み合わせた乾燥方法により行うことができる。これらの中でも赤外線により行う方法が好ましく適用できる。
(有機エレクトロニクス素子)
本発明の有機エレクトロニクス素子は、基板上に、第1の電極を有し、第一の電極上に有機機能層を有し、有機機能層上に第一の電極に対向する第二の電極を有する。
以下に、有機機能層が光電変換層である有機光電変換素子と、有機機能層が有機発光層である有機電界発光素子とに説明する。
《有機光電変換素子》
有機光電変換素子は、有機機能層として下述する発電層を有する。発電層は、本発明に係る第一電極または第二電極に相当する透明電極と対電極との間に配置される。
発電層が機能するための入力光が入力する側の透明電極を第一の電極、上記対電極を第二の電極として説明する。
本発明の電極は、第一の電極および第二の電極どちらの電極としても適当できるが、特にここでいう対極(第二の電極)として適用する場合に、効果が大きく好ましい。
有機光電変換素子の層構成の好ましい具体例を以下に示す。
(A)透明電極/発電層/対電極
(B)透明電極/正孔輸送層/発電層/対電極
(C)透明電極/正孔輸送層/発電層/電子輸送層/対電極
(D)透明電極/正孔輸送層/p型半導体層/発電層/n型半導体層/電子輸送層/対電極
(E)透明電極/正孔輸送層/第1発電層/電子輸送層/中間電極/正孔輸送層/第2発電層/電子輸送層/対電極
(F)透明電極/電子輸送層/発電層/対電極
(G)透明電極/電子輸送層/発電層/正孔輸送層/対電極
(H)透明電極/電子輸送層/第1発電層/正孔輸送層/中間電極/電子輸送層/第2発電層/正孔輸送層/対電極
(発電層(有機機能層))
発電層は、正孔を輸送できるp型半導体材料と電子を輸送できるn型半導体材料を含有しており、これらは実質2層でヘテロジャンクションを形成していても良いし、1層の内部で混合された状態となっているバルクヘテロジャンクションを形成しても良いが、バルクヘテロジャンクション構成の方が光電変換効率が高いため好ましい。
発電層に用いられるp型半導体材料、n型半導体材料については後述する。
有機EL素子同様、発電層を正孔輸送層、電子輸送層で挟み込むことで、正孔及び電子のアノード・カソードへの取り出し効率を高めることができるため、それらを有する構成((B)、(C))の方が好ましい。
また、発電層自体も正孔と電子の整流性(キャリア取り出しの選択性)を高めるため、(D)のようにp型半導体材料とn型半導体材料単体からなる層で発電層を挟み込むような構成(p−i−n構成ともいう)であっても良い。また、太陽光の利用効率を高めるため、異なる波長の太陽光をそれぞれの発電層で吸収するような、タンデム構成((E)の構成)であっても良い。
(B)〜(E)までは、透明電極から正孔を取りだし、対電極(金属電極)から電子を取りだす標準的な素子構成であるが、(F)〜(H)のように、透明電極と対電極との仕事関数の関係を逆転させることで、正孔と電子を取りだす電極を変更することもできる(逆構成有機光電変換素子)。
本発明においては、好ましい金属粒子が金、銀、銅、ロジウム、パラジウム、白金等の仕事関数が深い電極となることが好ましく、(F)〜(H)のような逆構成有機光電変換素子であることが好ましい。すなわち、金属粒子を含有する本発明の電極が正孔輸送層と接していることが好ましい。
<p型半導体材料>
発電層(有機機能層)(バルクヘテロジャンクション層)に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマーが挙げられる。
縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
また上記の縮合多環を有する誘導体の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物等が挙げられる。
共役系ポリマーとしては、例えば、ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、またはTechnical Digest of the International PVSEC−17, Fukuoka, Japan, 2007, P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェン、Nature Material,(2006)vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、WO2008000664に記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv Mater,2007p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体,Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のPCPDTBT等のようなポリチオフェン共重合体、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー、等のポリマー材料が挙げられる。
また、ポリマー材料ではなくオリゴマー材料としては、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。
また、発電層上に電子輸送層を塗布で製膜する場合、電子輸送層溶液が発電層を溶かしてしまうという課題があるため、溶液プロセスで塗布した後に不溶化できるような材料を用いても良い。
このような材料としては、Technical Digest of the International PVSEC−17, Fukuoka, Japan, 2007, P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェンのような、塗布後に塗布膜を重合架橋して不溶化できる材料、または米国特許出願公開第2003/136964号、および特開2008−16834号等に記載されているような、熱等のエネルギーを加えることによって可溶性置換基が反応して不溶化する(顔料化する)材料などを挙げることができる。
<n型半導体材料>
バルクヘテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料としては、特に限定されないが、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
チオフェン含有縮合環を有する材料をp型半導体材料として用いる場合、効率的な電荷分離を行えるフラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等、およびこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
中でも[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル(略称PCBM)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nブチルエステル(PCBnB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−イソブチルエステル(PCBiB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nヘキシルエステル(PCBH)、Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116等に記載のbis−PCBM、特開2006−199674号公報等のアミノ化フラーレン、特開2008−130889号公報等のメタロセン化フラーレン、米国特許第7329709号明細書等の環状エーテル基を有するフラーレン等のような、置換基を有してより溶解性が向上したフラーレン誘導体を用いることが好ましい。
<正孔輸送層>
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC、酸化ニッケル、酸化モリブデン等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような所謂、p型正孔輸送材料を用いることもできる。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
<電子輸送層>
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対してカソード側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、カソードより注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。
更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなn性の高い電子輸送層を用いることが、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
また、n型の伝導性を有する無機酸化物(酸化チタン、酸化亜鉛等)も用いることができる。
<電極>
光電変換素子では、上記のように透明電極と対電極とを有するが、本発明においては、このどちらかが、本発明に係る電極である。
また、タンデム構成をとる場合には中間電極を用いることでタンデム構成を達成することができる。以下に好ましい透明電極、及び対電極の構成について述べる。
なお透明電極及び対電極は、電極に透光性があるかないかで定義した分類で、透光性がある電極を透明電極と呼び、透明電極でない側の電極を対電極と定義する。他方で、キャリアの流れる種類で電極を呼び分ける場合、ここでは、主に正孔が流れる電極をアノードと呼び、主に電子が流れる電極をカソードと呼ぶ。アノードとして働くかカソードとして働くかは仕事関数の関係で決まる。すなわち2つの電極のうち仕事関数が深い方がアノードとして働き、仕事関数が浅い方がカソードとして働く。
したがって、透明電極はアノードとして働くこともあれば、カソードとして働くこともある。
<透明電極>
透明電極としては、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、金、銀、白金等の金属薄膜、またはナノ粒子・ナノワイヤー層、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性光透過性材料、および導電性ポリマーが挙げられる。
また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で光透過性の導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。アノードとしてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは100〜200nmの範囲で選ばれる。
<対電極>
本発明においては、上記の対電極が本発明に係る第二の電極であり、第二の電極が上記本発明の特定の電極である態様が好ましい。
対電極が本発明に係る電極の場合には、公知の下記のような電極を用いることができる。
例えば、仕事関数の小さい金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。また、対電極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
なお透明電極よりも仕事関数の大きい金属(金、白金、パラジウム等)を用いることもできるが、その場合は電子が透明電極側に取り出される逆構成となるため、透明電極と対電極間の層構成を逆転させることでそのような構成においても効率の良い有機光電変換素子を得ることもできる。
また、本発明に係る電極は、タンデム構成の場合に必要となる中間電極の材料としても用いることができる。
《有機電界発光素子》
有機電界発光素子は、有機機能層として下述する発光層を有する。発光層は、本発明に係る第一電極または第二電極に相当する透明電極と対電極との間に配置される。
発電層が機能するための入力光が入力する側の透明電極を第一の電極、上記対電極を第二の電極として説明する。
本発明の電極は、第一の電極および第二の電極どちらの電極としても適当できるが、特にここでいう対極(第二の電極)として適用する場合に、効果が大きく好ましい。
有機電界発光素子の層構成の好ましい具体例を以下に示す。
(I)透明電極/発光層/電子輸送層/対電極
(J)透明電極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/対電極
(K)透明電極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/対電極
(L)透明電極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/バッファー層/対電極
(M)透明電極/バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/バッファー層/対電極
(N)透明電極/正孔輸送層/第1発光層/電子輸送層/中間電極/正孔輸送層/第2発光層/電子輸送層/対電極
(O)透明電極/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/対電極
(P)透明電極/電子注入層/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/対電極
(Q)透明電極/電子注入層/電子輸送層/正孔素子層/発光層/正孔輸送層/対電極
(R)透明電極/電子輸送層/第1発光層/正孔輸送層/中間電極/電子輸送層/第2発光層/正孔輸送層/対電極
ここで、発光層は、少なくとも発光色の異なる2種以上の発光材料を含有していることが好ましく、単層でも複数の発光層からなる発光層ユニットを形成していてもよい。また、発光スタック自体が複数個積層された、タンデム構成((N)の構成)であっても良い。また、正孔輸送層には正孔注入層、電子阻止層も含まれる。
また、有機光電変換素子と同様に、透明電極と対電極(金属電極)の仕事関数の関係によっては逆構成にする方が発光効率が良好となる。すなわち、(O)〜(R)のような構成の方が好ましい。
上記各層の形成は、公知の方法、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法等により行うことができるが、基板に液状組成物である塗布液を、コータ、インクジェット等の塗布手段により塗布し塗膜の層を形成する塗布法、所謂溶液プロセス法が生産性向上のために好ましい。
下記に記載する発光層以外の層は、有機電界発光素子の発光層に用いられる材料のHOMO・LUMO準位に適合していれば、前述の有機光電変換素子と同様の材料を用いて形成することができる。
<発光層>
発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。前記発光層は、含まれる発光材料が前記要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。
各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
発光層の膜厚の総和は1〜100nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、より低い駆動電圧を得ることができることから30nm以下である。なお、ここでいうところの発光層の膜厚の総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、該中間層も含む膜厚である。
個々の発光層の膜厚としては1〜50nmの範囲に調整することが好ましく、更に好ましくは1〜20nmの範囲に調整することである。青、緑、赤の各発光層の膜厚の関係については、特に制限はない。
発光層の作製には、後述する発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。
各発光層には複数の発光材料を混合してもよく、また、りん光発光材料と蛍光発光材料を同一発光層中に混合して用いてもよい。
発光層の構成として、ホスト化合物、発光材料(発光ドーパント化合物ともいう)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
有機電界発光素子の発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25℃)におけるりん光発光のりん光量子収率が0.1未満の化合物が好ましい。更に好ましくはりん光量子収率が0.01未満である。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での体積比が50%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機電界発光素子を高効率化することができる。また、後述する発光材料を複数種用いることで異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
ホスト化合物としては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもよい。
公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ発光の長波長化を防ぎ、なお且つ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS−K−7121に準拠した方法により求められる値である。
次に、発光材料について説明する。
発光材料としては、蛍光性化合物、りん光発光材料(りん光性化合物、りん光発光性化合物等ともいう)を用いる。
前記りん光発光材料とは励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25℃)にてりん光発光する化合物であり、りん光量子収率が25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいりん光量子収率は0.1以上である。
前記りん光量子収率は第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのりん光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明においてりん光発光材料を用いる場合、任意の溶媒のいずれかにおいて上記りん光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
りん光発光材料は、有機電界発光素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
具体的なイリジウム化合物としては、Organic Letter誌、vol3、No.16、2579〜2581頁(2001)、Inorganic Chemistry,第30巻、第8号、1685〜1687頁(1991年)、J.Am.Chem.Soc.,123巻、4304頁(2001年)、Inorganic Chemistry,第40巻、第7号、1704〜1711頁(2001年)、Inorganic Chemistry,第41巻、第12号、3055〜3066頁(2002年)、New Journal of Chemistry.,第26巻、1171頁(2002年)、European Journal of Organic Chemistry,第4巻、695〜709頁(2004年)などに記載の化合物等を用いることができる。
本発明においては、少なくとも一つの発光層に2種以上の発光材料を含有していてもよく、発光層における発光材料の濃度比が発光層の厚さ方向で変化していてもよい。また、各発光層間に非発光性の中間層(非ドープ領域等ともいう)を設けても良い。
<阻止層:正孔阻止層、電子阻止層>
阻止層は、上記の如く基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機電界発光素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係る正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に係る正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては好ましくは3〜100nmであり、更に好ましくは5〜30nmである。
(基板)
基板は、有機エレクトロニクス素子の光入射方向の側に設けられ第一電極有機機能層、第二電極を担持可能は板状体であり、光透過率が10%以上であることが好ましく、更に好ましくは50%以上であり、特に80%〜100%であることが好ましい。
光透過率とは、JIS K 7361−1(ISO 13468−1に対応)の「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法」に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率をいう。
基板としては、その材料、形状、構造、厚み、硬度等については公知のものの中から適宜選択することができるが、上記のように高い光透過性を有していることが好ましい。
基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができる。これらの樹脂フィルムの他に無機ガラスフィルムを基板として用いてもよい。
可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に特に好ましく適用することができる。
中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度およびコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
これらの基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。
表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。
また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
基板の厚さとしては、1〜1000μmが好ましく、さらに10〜100μmであることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1<導電性と反射率の評価>
<電極1の作製(比較例)>
Langmuir,vol23(2007),p6536に記載の方法でPVP(ポリビニルピロリドン)で被覆された金ナノ粒子を作製した。
すなわち、12.2mM(モル/l)の塩化金酸・二水和物と、東京化成製ポリビニルピロリドン(PVP,K−30、粘度平均分子量40000)をエタノール:水=50:50溶液に溶解し、10分間窒素バブリングを行って溶存酸素を除去した後、石英容器中で500Wの超高圧水銀灯を10時間照射することで、PVPで保護された金ナノ粒子溶液を得た。
得られた溶液を得られた溶液をインクジェットで乾燥膜厚が10μmとなるようにPEN(ポリエチレンナフタレート)基板上に所定のパターンに塗布し、120度で10分間乾燥し、電極1を作製した。得られた電極(塗布膜)について、ロレスタGP(三菱化学アナリテック(株)製)を用い面抵抗の値を測定(4端子法)し、導電性の指標とした。また、450nmにおける反射率(日立製作所製分光測定機U−3300)を測定した。
<電極2の作製(比較例)>
J.Am.Chem.Soc.,,vol29(2007),p13939に記載の方法でクエン酸で被覆された金ナノ粒子を作製した。
すなわち、0.25mMの塩化金酸・二水和物と、0.875mMの東京化成製クエン酸ナトリウムを水に溶解し、10分間窒素バブリングを行って溶存酸素を除去した後、1時間沸騰させて反応することで、クエン酸で保護された金ナノ粒子溶液を得た。
得られた溶液を、コニカミノルタ製インクジェットヘッドKM512を用いたインクジェット印刷法により乾燥膜厚が1μmとなるようにPEN基板上に所定のパターンに塗布し、120度で10分間乾燥し、電極2を作製した。得られた電極(塗布膜)の導電性、と450nmの反射率を測定した。
<電極3〜9の作製(本発明)>
Angewandte Chemie International Edition,2008p307に記載の方法を参考として、例示化合物3で被覆された金ナノ粒子を作製した。
すなわち、前記電極2で作製したクエン酸で保護された金ナノ粒子水溶液を、同じ液量の0.25mMの例示化合物3のクロロベンゼン溶液をジメチルアセトアミドで10倍で希釈した溶液に混合し、120℃で1時間反応させたのち、減圧乾燥で溶媒を留去し、水を添加して生成した金ナノ粒子の沈殿物をろ過した。得られた金ナノ粒子は、水、メタノール、トルエンで、順次洗浄を行った。
洗浄された金ナノ粒子をIPA(イソプロパノール):エチレングリコール=95:5溶液に20質量%で分散した後、得られた溶液をインクジェットで乾燥膜厚が1μmとなるようにPEN基板上に所定のパターンに塗布し、120℃で10分間乾燥し、電極3を作製した。得られた電極(塗布膜)の導電性、と450nmの反射率を上記のようにして測定した。
電極3の作製において、例示化合物3を表1に記載の化合物に変更する他は、電極3の作製と同様にして、電極4〜9(本発明)を作製した。
<電極10(本発明)の作製>
ジャーナル オブ フィジカル ケミストリーB、第103巻、1999年、3529頁を参考として、金−銀合金からなるナノ粒子を作製した。
すなわち、電極3の作製において、例示化合物3で被覆された金ナノ粒子を作製する際、塩化金酸と硝酸銀を0.1mMと0.15mMの濃度で含有する混合溶液を用い、金−銀合金のナノ粒子とした以外は、電極7(被覆する有機半導体材料は例示化合物19)の作製と同様にして、電極10(本発明)を得た。
<電極11(本発明)の作製>
特開表2005−520125号公報実施例4を参考として、白金コア−金シェルからなるナノ粒子を作製した。
まず、KPtClの水素還元により、Ptコアナノ粒子を製造し、次いでAuシェルをPtコア上で成長させてコアシェル型微粒子を作製した。
(1)白金コアの作製
500ml三つ首フラスコ中で、KPtCl(8.3mg)及びポリアクリル酸ナトリウム(20mg)を、200mlのナノピュア水に溶解させた。攪拌しながら、一夜、Hを反応溶液に通気させた。これは、精製及び単離されたPtナノ粒子を生じ、それにより直径約12nmのナノ粒子を得た。
(2)金シェルの作製
100mlの12nmPtナノ粒子溶液(0.25ナノモル、上記手段によって製造されるとおり)を250ml三つ首フラスコに入れた。ナノ粒子溶液に、同時にHAuCl及びNaBHを、滴下で、0℃で加えた(HAuCl・3HO及び4mgのNaBH)後、反応液へのこれらの試薬の添加を停止した。
(3)有機半導体分子(化合物19)による被覆
得られた白金コア−金シェルからなる微粒子を含む水溶液を、0.25m(モル/L)の例示化合物19のクロロベンゼン溶液をジメチルアセトアミドで10倍で希釈した溶液に混合し、120℃で2時間反応させたのち、減圧乾燥で溶媒を留去し、再度水を添加することで金ナノ粒子の沈殿物をろ過した。
洗浄された白金コア−金シェルナノ粒子をIPA:エチレングリコール=95:5溶液に20質量%で分散に溶解した後、得られた溶液をインクジェットで乾燥膜厚が1μmとなるようにPEN基板上に所定のパターンに塗布し、120℃で10分間乾燥し、電極11を作製した。得られた電極(塗布膜)の導電性、と450nmの反射率を測定した。
<電極12(本発明)の作製>
特開表2005−520125号公報実施例1を参考として、銀コア−金シェルからなるナノ粒子を作製した。
まず、AgNOの水素還元により、Agコアナノ粒子を製造し、次いでAuシェルをAgコア上で成長させてコアシェル型微粒子を作製した。
(1)銀コアの作製
AgNO(2.2mg)及びクエン酸ナトリウム2水和物(8.2mg)を、250mlフラスコ中の99mlのナノピュア水に溶解させた。攪拌しながら、そしてAr下で、このフラスコを、15分間、氷浴に入れた。その後、1mlの硼水素化ナトリウム溶液(0.14M)を、溶液に注入した。1時間攪拌した後、溶液を室温まで加温した。銀ナノ粒子(直径:12nm)を得た。
(2)金シェルの作製
約50μl〜600μl/分の間の速度で、銀ナノ粒子懸濁液に、0℃でのHAuCl(0.8mg、2mM)及びNaBH(3.7mg、6mL)溶液を同時に滴下で添加することにより、金シェル(ほぼ1つの単層厚)を、銀ナノ粒子の表面上で成長させた。
溶液の添加を停止後、30μモルのビス(p−スルホナトフェニル)フェニルホスフィン(BSPP)を添加した。その後、銀/金コアシェル型ナノ粒子を、遠心分離により精製し、そしてナノピュア水で分散(直径12.4nm、(δ=18%))させ、96%収率及び約5.5:1の銀対金の比を示した。
(3)有機半導体配位子(化合物19)による被覆
得られた銀コア−金シェルからなる微粒子を含む水溶液を、0.25m(モル/L)の例示化合物19のクロロベンゼン溶液をジメチルアセトアミドで10倍で希釈した溶液に混合し、120℃で2時間反応させたのち、減圧乾燥で溶媒を留去し、再度水を添加することで金ナノ粒子の沈殿物をろ過した。
洗浄された白金コア−金シェルナノ粒子をIPA:エチレングリコール=95:5溶液に20質量%で分散に溶解した後、得られた溶液をインクジェットで乾燥膜厚が1μmとなるようにPEN基板上に所定のパターンに塗布し、120℃で10分間乾燥し、電極12を作製した。得られた電極(塗布膜)の導電性、と450nmの反射率を前述のようにして測定した。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2012069560
表1から、本発明の電極は、導電性が高く、有機エレクトロニクス素子に有用な塗布型電極であることが分かる。
特に微粒子にAgを合金またはコアシェル構造で含む微粒子では反射率も高いために、有機電界発光素子や有機光電変換素子の対電極として有用であることがわかる。
実施例2<有機光電変換素子の作製>
特開2009−146981号公報を参考として、下記のようにして逆層構成の有機光電変換素子を作製した。
<有機光電変換素子21(比較例)の作製>
<透明電極のパターニング>
5cm×5cmのサイズを有するバリア層付きPENフィルム基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を110nm堆積したもの(シート抵抗13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて、中央部に1cm幅のラインを2本パターニングして、透明電極付のフレキシブル透明基板を形成した。
<電子輸送層の製膜>
次いでTiOx前駆体をゾルゲル法で調製した。
先ず、100ml三口フラスコに2−メトキシエタノール12.5mlと、6.25mmolのチタニウムテトライソプロポキシドとを入れ、氷浴中で10分間冷却した。次に、12.5mmolのアセチルアセトンをゆっくり加えて、氷浴中で10分間撹拌した。
次に、混合溶液を80℃で2時間加熱後、1時間還流した。最後に、室温まで冷却し、TiOx前駆体を得た。なお、上記工程は全て窒素雰囲気で行った。
次いで、この150mMのTiOx前駆体溶液をITO電極上にスピンコート(回転速度2000rpm,回転時間60s)した。次に、不要部分を拭き取って除去した後、グローブボックスから空気中に取り出し、室温で30分間放置してTiOx前駆体を加水分解させた。次に、TiOx前駆体を150℃で1時間加熱処理して30nmのTiOx層(アモルファス酸化物半導体層)を得た。
<バルクヘテロジャンクション層の製膜>
次に、酸化物半導体層の上にプレックスコアOS2100(ポリ3−アルキルチオフェン、プレックストロにクス社製)とNanom Spectra E100H(フェニル−C61−酪酸メチル、フロンティアカーボン社製)を質量比5:4で混合した1.8質量%クロロベンゼン溶液をスピンコート(800rpm,60s)し、不要部分を拭き取って除去した後、150度で10分間加熱して、有機半導体層(有機光電変換層)を100nm成膜した。
<正孔輸送層の製膜>
次に、有機半導体層の上にBayer社製、BaytronP4083(PEDOT:PEDOT/PSS、Bayer社製)をスピンコート(4000rpm,60s)し、150℃で10分間加熱して正孔輸送層を40nm成膜した。
<対電極の製膜>
次に、導電性ポリマー層の上にAg電極層として、銀ナノ粒子ペースト分散液(アルバックマテリアル社製L−Ag1T)をスクリーン印刷によって、前記のITOパターンと直交するように1cm巾のラインを二本印刷し、120℃で10分の加熱乾燥を行うことで電極層を形成し、有機光電変換素子21を得た。
得られた有機光電変換素子21は、再び前記グローブボックスに入れた後、封止剤(ナガセケムテックス株式会社製、UV RESIN XNR5570−B1)を用いて厚さ30μmの厚さのアルミニウムホイルと封止を行ったのち、大気中に取り出し、光電変換効率の測定、および銀電極の組成分析を行った。
(光電変換効率の評価)
上記作製した光電変換素子に、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cmの強度の光を照射し、有効面積を4.0mmにしたマスクを受光部に重ね、短絡電流密度Jsc(mA/cm)及び開放電圧Voc(V)、フィルファクターFFを、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定し、平均値を求めた。またJsc、Voc、FFから式1に従って光電変換効率η(%)を求めた。F.F.は形状因子を示す。
式1 Jsc(mA/cm)×Voc(V)×FF=η(%)
<有機光電変換素子22(比較例)、23〜26(本発明)の作製>
上記有機光電変換素子1の作製において、対電極を銀ナノ粒子ペースト分散液(アルバックマテリアル社製 L−Ag1T)から表2に記載の実施例1の金属粒子(電極2に使用した金属粒子が金属粒子2、電極7、10、11、12で使用した粒子が各々金属粒子7、10、11、12である)に変更した以外は、有機光電変換素子21と同様にして有機光電変換素子22〜26を得、これらの有機光電変換素子について光電変換効率を求めた。得られた結果を表2に示す。
Figure 2012069560
表2からわかるように、本発明の電極を用いることで、高い光電変換効率の有機光電変換素子が得られることが分かる。特に導電性と反射率が良好な微粒子を用いることで、より高い光電変換効率の有機光電変換素子が得られることが分かる。
実施例3<有機電界発光素子の作製>
Appl.Phys.Lett.93,(2008)、p123310を参考として、逆層有機電界発光素子を作製した。
<有機電界発光素子31(比較例)の作製>
<透明電極のパターニング>
5cm×5cmのサイズを有するバリア層付きPENフィルム基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を110nm堆積したもの(シート抵抗13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて、中央部に1cm幅のラインを2本パターニングして、透明電極付のフレキシブル透明基板を形成した。
<電子注入層の製膜>
次いで電子注入層としてPEI層を製膜した。洗浄したITO基板上に、polyethylenimine80%ethoxylated aqueous solution(Aldrich社製, Mw 70 000)とをブタノールで100倍に希釈した後、6000rpmでスピンコートを行った後、120℃で10分間加熱を行い、電子注入層とした。
<電子輸送層の製膜>
下記化合物A(WO08/029652の例示化合物1−10)を合成し、トルエンに7.5mg/mlの濃度で溶解させ、1500rpmでスピンコートを行った後、90度のホットプレート上で低圧水銀灯を3分間照射することで電子輸送層を製膜した。
Figure 2012069560
<りん光発光層の製膜>
下記組成の白色発光組成物を1mlとなるように調整し、1500rpmでスピンコートした後、120℃で10分間加熱を行った。
溶媒:トルエン 100質量部
ホスト材料:H−A 1質量部
青色材料:Ir−A 0.10質量部
緑色材料:Ir(ppy) 0.004質量部
赤色材料:Ir(piq) 0.005質量部
Figure 2012069560
<正孔輸送層の製膜>
次に、有機半導体層の上にBayer社製、Baytron P4083(PEDOT:PEDOT/PSS、Bayer社製)をスピンコート(4000rpm,60s)し、150℃で10分間加熱して正孔輸送層を40nm成膜した。
<対電極の製膜>
次に、導電性ポリマー層の上にAg電極層として、銀ナノ粒子ペースト分散液(アルバックマテリアル社製L−Ag1T)をスクリーン印刷によって、前記のITOパターンと直交するように1cm巾のラインを二本印刷し、120℃で10分の加熱乾燥を行うことで電極層を形成し、有機電界発光素子31を得た。
得られた有機電界発光素子31は、再び前記グローブボックスに入れた後、封止剤(ナガセケムテックス株式会社製、UV RESIN XNR5570−B1)を用いて厚さ30μmの厚さのアルミニウムホイルと封止を行ったのち、大気中に取り出し、発光効率を測定した。
<有機電界発光素子32〜35(本発明)の作製>
上記有機光電変換素子1の作製において、対電極を銀ナノ粒子ペースト分散液(アルバックマテリアル社製 L−Ag1T)から表3に記載の実施例1の金属粒子に変更した以外は、有機光電変換素子1と同様にして有機電界発光素子32〜35を得た。
<発光効率の評価>
有機光電変換素子31〜35を、株式会社エーディーシー製、直流電圧・電流源R6243を用いて、素子に50mA(20A/m)の直流定電流を流し、電圧を測定しさらに、コニカミノルタセンシング株式会社製分光放射輝度計CS1000を用いて2度視野角正面輝度を測定し、この輝度と上記電圧から発光効率(lm/W(ルーメン/ワット))を求めた。また上記2度視野角正面輝度から色温度を求めた。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2012069560
表3からわかるように、本発明の塗布型電極を用いることで、大気圧下で製膜可能なプロセスで有機電界発光素子が得られることが分かる。特に導電性と反射率が良好な微粒子を用いることで、高い色温度を有する光が、より高い発光効率で得られることが分かる。

Claims (18)

  1. 基板上に、第1の電極を有し、該第一の電極上に有機機能層を有し、該有機機能層上に該第一の電極に対向する第二の電極を有する有機エレクトロニクス素子であって、該第一の電極または該第二の電極が、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子をその表面に有する金属粒子を含有することを特徴とする有機エレクトロニクス素子。
  2. 前記有機半導体配位子が、前記金属と配位可能な置換基を複数有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロニクス素子。
  3. 前記有機半導体配位子が、前記金属と配位可能な置換基を4つ以上有することを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロニクス素子。
  4. 前記有機半導体配位子が、下記一般式(1A)または(1B)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項2または3に記載の有機エレクトロニクス素子。
    Figure 2012069560
    (式中、X〜Xは、−N=、または、−CR=、を表す。R〜Rは水素原子、ハロゲン原子または置換基を表す。但し、一般式(1A)または一般式(1B)で表される化合物は、当該置換基として下記一般式(2)で表わされる置換基を2つ以上有する。)
    一般式(2)
    −L−A
    (式中、Lは2価の連結基、Aは−SH、−SCOR101または−NCSを表す。R101は、アルキル基を表す。一般式(1B)中、Mは金属原子を表す。)
  5. 前記一般式(1A)および一般式(1B)におけるX〜Xが全て前記−CR=であることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロニクス素子。
  6. 前記一般式(1A)および一般式(1B)のR〜Rが表す置換基が、前記一般式(2)で表される置換基であることを特徴とする請求項4または5に記載の有機エレクトロニクス素子。
  7. 前記一般式(2)で表される置換基が、下記一般式(3)で表される置換基であることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
    Figure 2012069560
    (式中、Xは、−NR10−、−O−または−S−を表す。R10〜R13は水素原子、ハロゲン原子、置換基、を表す。一般式(3)で表される化合物は、当該置換基として−SH、−SCOR102または−NCSを有する。R102はアルキル基を表す。)
  8. 前記一般式(1A)および一般式(1B)の、金属と配位可能な置換基が、前記−SCOR101であることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
  9. 前記金属粒子が、複数の金属を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
  10. 前記金属粒子が、コアおよび該コアを被覆するシェアを有するコアシェル型金属粒子であることを特徴とする請求項9に記載の有機エレクトロニクス素子。
  11. 前記コアが銀であり、前記シェルが金であることを特徴とする請求項10に記載の有機エレクトロニクス素子。
  12. 前記有機エレクトロニクス素子が、正孔輸送層を有し、前記第1の電極または前記第2の電極が、当該正孔輸送層と接していることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
  13. 前記有機機能層が、p型有機半導体とn型有機半導体とを含有するバルクヘテロジャンクション層であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
  14. 前記有機機能層が、りん光発光ドーパントを含有するりん光発光層であり、前記有機エレクトロニクス素子が有機電界発光素子であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
  15. 前記有機エレクトロニクス素子が、前記第一の電極側からの入力光により前記有機機能層が機能する有機エレクトロニクス素子であり、前記第二の電極が、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子をその表面に有する金属粒子を含有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
  16. 請求項15に記載の有機エレクトロニクス素子の前記第二の電極に用いられる電極であって、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子をその表面に有する金属粒子を含有することを特徴とする電極。
  17. 請求項16に記載の電極を製造する、電極の製造方法であって、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子と金属粒子とを含有する電極用塗布分散液を基材上に塗布し、乾燥して電極を作製する電極作製工程を有することを特徴とする電極の製造方法。
  18. 基板上に、第1の電極を有し、該第一の電極上に有機機能層を有し、該有機機能層上に該第一の電極に対向する第二の電極を有する有機エレクトロニクス素子の製造方法であって、金属と配位可能な置換基を有する有機半導体配位子と金属粒子とを含有する電極用塗布分散液を基材上に塗布し、乾燥して該第一の電極または第二の電極を作製する電極作製工程を有することを特徴とする有機エレクトロニクス素子の製造方法。
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