JP7096419B1 - 粉体材料および導電性ペースト - Google Patents

粉体材料および導電性ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】材料コストの大幅な増大を抑制しつつ、ペースト焼成時の有機成分の急激な燃焼を抑制できる粉体材料および導電性ペーストを提供する。【解決手段】ここで開示される粉体材料は、Ptを含むコアシェル粒子を主体としている。このコアシェル粒子は、Ptを主成分とするPtコア粒子と、Ptコア粒子の表面に付着し、Auを主成分とするAuシェルとを備えており、Ptコア粒子の表面に対するAuシェルの被覆率が20%以上である。そして、この粉体材料では、PtとAuの合計重量を100wt%としたときのAuの重量が0.5wt%以上5wt%以下である。上記粉体材料は、AuシェルでPtコア粒子の表面が十分に被覆されたコアシェル粒子を主成分としており、かつ、Au含有量が少量である。これによって、材料コストの大幅な増大を抑制しつつ、ペースト焼成時の有機成分の急激な燃焼を抑制できる。【選択図】なし

Description

本発明は、粉体材料および導電性ペーストに関する。具体的には、白金(Pt)を含むコアシェル粒子を含有する粉体材料と、当該粉体材料を含む導電性ペーストに関する。
電子部品の電極は、例えば、導電性粒子を含む粉体材料が分散されたペースト(以下「導電性ペースト」という。)を焼成することによって形成される。この種の導電性ペーストには、様々な導電性粒子が用いられている(特許文献1、2参照)。例えば、特許文献1では、白金粒子(Pt粒子)が導電性ペーストに添加されている。このPt粒子は、導電性と耐熱性に優れるため、高温環境に晒される電極(例えば、自動車のOセンサー、NOxセンサー、排気センサー等)を形成する際に好適である。また、特許文献1に記載の通り、この種の導電性ペーストには、粘度調整用の樹脂材料が添加されることがある。この樹脂材料は、通常、導電性ペーストを焼成する際に焼失する。
特許第5357347号 特許第5938133号
上述の通り、Pt粒子は、導電性と耐熱性に優れるため、高温環境用の電極の材料として好適である。しかしながら、Pt粒子は、触媒活性が極めて高いため、ペースト焼成における有機成分(樹脂材料等)の燃焼を過剰に促進する可能性がある。これによって、焼成中に有機成分が急激に焼失すると、焼成後の電極にボイドやクラックなどの構造的欠陥が生じるおそれがある。
また、導電性と耐熱性に優れる導電性粒子の他の例として、金粒子(Au粒子)が挙げられる(特許文献2等参照)。このAu粒子は、上述したPt粒子よりも触媒活性が低いため、ペースト焼成時の有機成分の急激な燃焼を抑制できる。しかしながら、Auは、非常に高価な材料であるため、電子部品の材料コストが大幅に増大する原因となる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、材料コストの大幅な増大を抑制しつつ、ペースト焼成時の有機成分の急激な燃焼を抑制できる粉体材料および導電性ペーストを提供することを目的とする。
上述した目的を実現するべく、ここで開示される粉体材料が提供される。
ここで開示される粉体材料は、Ptを含むコアシェル粒子を主体としている。このコアシェル粒子は、Ptを主成分とするPtコア粒子と、Ptコア粒子の表面に付着し、Auを主成分とするAuシェルとを備え、かつ、Ptコア粒子の表面に対するAuシェルの被覆率が20%以上である。そして、ここに開示される粉体材料では、PtとAuの合計重量を100wt%としたときのAuの重量が0.5wt%以上5wt%以下である。
まず、ここに開示される粉体材料では、触媒活性が低いAuシェルがPtコア粒子の表面に付着したコアシェル粒子を主体としている。これによって、Ptコア粒子が有する過剰な触媒活性を低減し、ペースト焼成時の有機成分の急激な燃焼を抑制できる。ここで、ここに開示される粉体材料は、Ptコア粒子の表面に対するAuシェルの被覆率が20%以上のコアシェル粒子を主体としている。これによって、上述したAuシェルによる燃焼抑制効果が十分に発揮されるため、ボイドやクラックなどの構造的欠陥が電極に生じることを適切に防止できる。さらに、ここに開示される粉体材料は、PtとAuの合計重量に対するAuの重量が0.5wt%以上5wt%以下である。これによって、Au粒子を主体とする粉体材料と比べてAuの使用量を大きく低減できるため、材料コストの大幅な増大を抑制できる。以上の通り、ここに開示される粉体材料は、少量のAuシェルでPtコア粒子の表面が十分に被覆されたコアシェル粒子を主体としている。このため、材料コストの大幅な増大を抑制しつつ、ペースト焼成時の有機成分の急激な燃焼を抑制できる。
また、ここに開示される粉体材料の好適な一態様では、PtとAuの合計重量を100wt%としたときのAuの重量が2wt%以上である。これによって、上述した燃焼抑制効果が顕著に向上することが実験で確認されている。
また、ここに開示される粉体材料の好適な一態様では、コアシェル粒子の含有率が80%以上である。このようにコアシェル粒子の純度が高い粉体材料を使用することによって、ここに開示される技術の効果をさらに好適に発揮できる。
また、ここに開示される粉体材料の好適な一態様では、コアシェル粒子の平均粒子径が0.1μm以上5μm以下である。コアシェル粒子の平均粒子径が大きくなるにつれて均質な導電性ペーストの調製が容易になる傾向がある。一方、コアシェル粒子の平均粒子径が小さくなるにつれて微細な電極の形成が容易になる傾向がある。
また、ここに開示される技術の他の側面として、導電性ペーストが提供される。ここで開示される導電性ペーストは、上述した各態様の粉体材料と、粉体材料を分散させる分散媒体と、分散媒体に溶解し、ペースト粘度を上昇させる樹脂材料とを含んでいる。かかる導電性ペーストによると、焼成時の有機成分(分散媒体、樹脂材料等)の急激な燃焼を抑制できるため、構造的欠陥の発生が抑制された高品質な電極を低コストで形成できる。
サンプル1のSEM写真(100000倍)である。 サンプル2のSEM写真(100000倍)である。 サンプル3のSEM写真(100000倍)である。 サンプル4のSEM写真(100000倍)である。 サンプル5のSEM写真(100000倍)である。 サンプル6のSEM写真(100000倍)である。 サンプル7のSEM写真(100000倍)である。 サンプル3のコアシェル粒子のHAADF-STEM画像(250000倍)である。 図8に示すHAADF-STEM画像のPt元素の元素マップである。 図8に示すHAADF-STEM画像のAu元素の元素マップである。 サンプル4のコアシェル粒子のHAADF-STEM画像(250000倍)である。 図11に示すHAADF-STEM画像のPt元素の元素マップである。 図11に示すHAADF-STEM画像のAu元素の元素マップである。 サンプル3を含む導電性ペーストのTG-DTAチャートである。 サンプル4を含む導電性ペーストのTG-DTAチャートである。
以下、ここに開示される技術の一実施形態について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、ここに開示される技術の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここに開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において数値範囲を「A~B」と示す場合、「A以上B以下」を意味するものとする。
1.粉体材料
ここに開示される粉体材料は、Ptを含むコアシェル粒子を主体として含んでいる。以下、この粉体材料の成分について説明する。
(1)コアシェル粒子
ここに開示される粉体材料は、白金(Pt)を主成分とするPtコア粒子と、該Ptコア粒子の表面に付着し、金(Au)を主成分とするAuシェルとを備えたコアシェル粒子(以下「Pt-Auコアシェル粒子」ともいう。)を主体としている。
Ptコア粒子は、主成分として白金(Pt)を含む金属粒子である。このPtコア粒子は、導電性と耐熱性に優れているため、高温環境用の電極の導電材料として好適である。なお、Ptコア粒子は、ここに開示される技術の効果を著しく阻害しない限りにおいて、Pt以外の金属元素を含んでいてもよい。例えば、Ptコア粒子に含まれる全ての金属元素の物質量を100mol%とした場合、Ptコア粒子におけるPt元素の物質量は、80mol%以上であればよい。これによって、十分な導電性と耐熱性を有するPt-Auコアシェル粒子を得ることができる。また、より好適な導電性と耐熱性を有するPt-Auコアシェル粒子を得るという観点では、Ptコア粒子におけるPt元素の物質量は、85mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましく、95mol%以上がさらに好ましく、99mol%以上が特に好ましい。なお、本明細書における「金属元素の物質量」は、TEM-EDS解析に基づいて測定されたものである。なお、Ptコア粒子に含まれ得るPt以外の金属元素としては、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、金(Au)、銀(Ag)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、タングステン(W)などが挙げられる。これらの金属元素は、酸化物や硫化物などの化合物の状態でPtコア粒子内に含まれていてもよいし、Ptコア粒子中のPtと合金を形成していてもよい。また、Ptコア粒子の形状は、特に限定されず、略球形、平板状、針状、不定形状等の各種の形状であってよい。なお、ペーストの均質性や焼成後の電極の表面平滑性などを考慮すると、Ptコア粒子の形状は、略球形が好ましい。
一方、Auシェルは、金(Au)を主成分とする金属被膜であり、Ptコア粒子の表面に付着している。ここで、Auは、導電性と耐熱性に優れるだけでなく、Ptよりも触媒活性が低いという特徴を有している。このため、Ptコア粒子の表面にAuシェルを付着させることによって、Ptコア粒子の触媒活性を低減させることができる。なお、Auシェルは、ここに開示される技術の効果を著しく阻害しない限りにおいて、Au以外の金属元素を含有していてもよい。例えば、Auシェルに含まれる全ての金属元素の物質量を100mol%とした場合、AuシェルにおけるAu元素の物質量は、80mol%以上であればよい。なお、導電性と耐熱性に優れ、かつ、触媒活性が低いAuシェルを適切に形成するという観点から、AuシェルにおけるAu元素の物質量は、85mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましく、95mol%以上がさらに好ましく、99mol%以上が特に好ましい。なお、Auシェルに含まれ得るAu以外の金属元素としては、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、イリジウム(Ir)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、タングステン(W)などが挙げられる。これらの金属元素は、酸化物や硫化物などの化合物の状態でAuシェルに含まれていてもよいし、Auシェル中のAuと合金を形成していてもよい。また、白金族元素(Pt、Pd、Ru等)は、触媒活性が高いため、製造工程や材料に由来する不純物の混入を除いて、Auシェルに含まれていないことが好ましい。典型的には、Auシェルにおける白金族元素の物質量は、1mol%以下が好ましく、0.5mol%以下が好ましく、0.1mol%以下が好ましく、0.05mol%以下が好ましい。なお、Auシェルの形状は、特に限定されず、種々の形状を採り得る。例えば、Auシェルは、微細粒子が集合することによって形成されていてもよいし、薄膜の状態で形成されていてもよい。
次に、ここに開示される粉体材料のPt-Auコアシェル粒子は、Ptコア粒子の表面に対するAuシェルの被覆率が20%以上であるという特徴を有する。これによって、Ptコア粒子の触媒活性を十分に低減できるため、ペースト焼成時の有機成分の急激な燃焼を抑制し、焼成後の電極の欠陥(ボイド、クラック等)の発生を防止できる。なお、Auシェルの被覆率は、25%以上でもよく、28%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、35%以上がさらに好ましく、50%以上が特に好ましい。これによって、有機成分の急激な燃焼をより好適に抑制できる。一方、Auシェルの被覆率の上限値は、特に限定されず、100%以下でもよく、99%以下でもよく、98%以下でもよく、97%以下でもよく、96%以下でもよい。なお、本明細書における「Auシェルの被覆率」は、以下の手順に基づいて測定することができる。まず、TEM-EDS法に基づいて、測定対象の粒子の断面におけるPt元素とAu元素の各々の元素マップを取得する(図9及び図10参照)。次に、画像解析ソフト(例えば、Image-J)を使用して各々の元素マップを8-bit画像に変換する。そして、8-bit変換後のPt元素の元素マップをピクセル値40~80で二値化し、Skeletonize処理する。そして、かかる画像処理を行ったPt元素の元素マップのピクセル値255のドット数を「Ptコア粒子の外周長LPt」として計測する。次に、8-bit変換後のAu元素マップをピクセル値40~255で二値化し、Skeletonize処理する。そして、かかる画像処理を行ったAu元素の元素マップのピクセル値255のドット数を「Auシェルの被覆長LAu」として計測する。次に、計測したLPtとLAuを下記の式(1)に代入することによって、一個のコアシェル粒子におけるAuシェルの被覆率Cを算出する。そして、本明細書における「Auシェルの被覆率」は、複数の粒子の中から平均粒子径に近い任意の10個のコアシェル粒子のAuシェルの被覆率Cの平均値である。
=(LAu/LPt)×100 (1)
さらに、ここに開示される粉体材料は、PtとAuの合計重量を100wt%としたときのAuの重量が0.5wt%以上5wt%以下であるという特徴も有している。上述の通り、Auは、導電性と耐熱性に優れ、かつ、触媒活性が低いため、高品質な電極を形成するという観点では好適な金属材料である一方で、非常に高価なため、電子部品の材料コストが大幅に増大する原因になる。これに対して、ここに開示される粉体材料は、5wt%以下という少量のAuしか含有していないにもかかわらず、Ptコア粒子の表面の20%以上がAuシェルで被覆されたPt-Auコアシェル粒子を主体としている。これによって、材料コストの大幅な増大を抑制しつつ、ペースト焼成時の有機成分の急激な燃焼を抑制できる。なお、このような粉体材料を実現する具体的な手段は後述する。また、粉体材料におけるAuの重量は、4.5wt%以下が好ましく、4wt%以下がより好ましく、3.5wt%以下がさらに好ましく、3wt%以下が特に好ましい。これによって、材料コストの低減にさらに貢献できる。一方で、Auの重量を減少させすぎると、AuシェルでPtコア粒子の表面の20%以上を被覆することが困難になるおそれがある。このため、ここに開示される技術では、粉体材料におけるAuの重量の下限値を0.5wt%以上に設定している。なお、Auの重量を増加させるにつれて、Auシェルの被覆率や厚みが増加し、有機成分の急激な燃焼が抑制されやすくなる傾向がある。かかる観点から、コアシェル粒子におけるAuの重量は、1wt%以上が好ましく、1.5wt%以上がより好ましく、2wt%以上が特に好ましい。特に、粉体材料におけるAuの重量を2wt%以上とした場合、Auシェルによる燃焼抑制効果が顕著に向上することが実験で確認されている。なお、本明細書における「Pt重量」および「Au重量」は、誘導結合プラズマ(ICP:Inductivity coupled plasma)発光分光法を用いて、粉体材料に対して各元素の定量分析を行うことによって測定したものである。
なお、ここに開示される粉体材料は、上記構成のPt-Auコアシェル粒子を主体としている。ここで、本明細書における「Pt-Auコアシェル粒子を主体とする」とは、粉体材料におけるPt-Auコアシェル粒子の含有率が50%以上であることをいうものとする。これによって、材料コストの大幅な増大を抑制しつつ、ペースト焼成時の有機成分の急激な燃焼を抑制するという効果を適切に発揮することができる。なお、粉体材料におけるPt-Auコアシェル粒子の含有率は、60%以上でもよく、70%以上でもよい。また、上記Pt-Auコアシェル粒子の含有率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。粉体材料におけるPt-Auコアシェル粒子の含有量が増加するに従って、ここに開示される技術による効果がさらに増大する傾向がある。一方、Pt-Auコアシェル粒子の含有率の上限値は、特に限定されず、100%以下でもよく、99%以下でもよく、98%以下でもよく、97%以下でもよく、96%以下でもよく、95%以下でもよい。なお、「粉体材料におけるPt-Auコアシェル粒子の含有率」は、以下の手順に基づいて測定することができる。まず、粉体材料に含まれる粒子のうち、100個の粒子を任意に選択し、各々の粒子におけるAuシェルの被覆率を測定する。ここでの「Auシェルの被覆率」は、上述したTEM-EDS法を利用したAuシェルの被覆率の測定手順を使用できる。そして、測定したAuシェルの被覆率が20%以上であった粒子を「Pt-Auコアシェル粒子」とみなし、上記100個の粒子に対するPt-Auコアシェル粒子の存在比率を「粉体材料におけるPt-Auコアシェル粒子の含有率」とする。
なお、粉体材料に含まれるPt-Auコアシェル粒子の平均粒子径は、0.05μm以上でもよく、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらに好ましく、0.8μm以上が特に好ましい。Pt-Auコアシェル粒子の平均粒子径が大きくなるにつれて、均質な導電性ペーストの調製が容易になる傾向がある。一方、Pt-Auコアシェル粒子の平均粒子径は、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、2μm以下がさらに好ましく、1μm以下が特に好ましい。Pt-Auコアシェル粒子の平均粒子径が小さくなるにつれて微細な電極の形成が容易になる傾向がある。なお、本明細書における「平均粒子径」は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて取得した個数基準の粒度分布において、粒径の小さい方から累積50%に相当する粒径のことを指すものとする。
一方、粉体材料におけるAuシェルの平均厚みは、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上がさらに好ましく、40nm以上が特に好ましい。一定以上の厚みのAuシェルを形成することによって、有機成分の急激な燃焼をさらに好適に抑制できる。一方、Auシェルの平均厚みの上限値は、250nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、150nm以下がさらに好ましく、100nm以下が特に好ましい。これによって、材料コストの増大を好適に抑制できる。なお、本明細書における「Auシェルの厚み」は、Au元素の元素マップ(図10参照)において任意に設定した複数箇所(例えば10箇所)におけるAuシェルの厚みの平均値である。そして、「粉体材料におけるAuシェルの平均厚み」とは、複数の粒子の中から平均粒子径に近い任意の10個のコアシェル粒子におけるAuシェルの厚みの平均値である。なお、上記Pt-Auコアシェル粒子の平均粒子径とAuシェルの平均厚みとの差分を算出することによって、Ptコア粒子の平均粒子径を求めることもできる。
(2)他の粒子
上述した通り、ここに開示される粉体材料は、上記構成のPt-Auコアシェル粒子を主体としている。但し、粉体材料は、ここに開示される技術の効果を著しく阻害しない限りにおいて、Pt-Auコアシェル粒子以外の粒子(他の粒子)を含有していてもよい。
上記他の粒子の一例として、Pt粒子やAu粒子などが挙げられる。これらのPt粒子やAu粒子は、Pt-Auコアシェル粒子を生成する過程で生じ得るものであり、不純物として粉体材料に混入する可能性がある。これらの不純物について、粉体材料の総重量に対するPt粒子の含有量は、40wt%以下が好ましく、30wt%以下がより好ましく、20wt%以下がさらに好ましく、10wt%以下が特に好ましい。粉体材料中のPt粒子の含有量が低減するに従って、ペースト焼成時の有機成分の急激な燃焼が抑制されやすくなる傾向がある。一方、粉体材料の総重量に対するAu粒子の含有量は、10wt%以下が好ましく、5wt%以下がより好ましく、4wt%以下がさらに好ましく、3wt%以下が特に好ましい。粉体材料中のAu粒子の含有量が低減するに従って材料コストの低減に貢献できる。なお、詳しくは後述するが、このような不純物の含有量が少ない粉体材料は、Ptコア粒子の表面にAuシェルを付着させる際のAuの析出速度を適切な範囲に制御することによって容易に製造できる。
また、ここに開示される粉体材料は、Pt、Au以外の金属元素を主成分とする金属粒子を含有していてもよい。かかる金属粒子としては、一定の耐熱性を有し、かつ、有機成分の燃焼を促進する触媒活性が低い金属元素を主体とすることが好ましい。このような金属元素としては、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、タングステン(W)などが挙げられる。また、ここに開示される粉体材料は、Pt-Auコアシェル粒子以外のコアシェル粒子を含有していてもよい。このようなコアシェル粒子の一例として、上述した金属粒子の表面にAuシェルが付着したコアシェル粒子が挙げられる。このようなコアシェル粒子は、後述する粉体材料の製造において、Ptコア粒子以外の金属粒子をPt分散液に追加することによって生成できる。なお、ここに開示される粉体材料は、上記構成のPt-Auコアシェル粒子の含有率が50%以上であれば、他の金属粒子を含有していても、ここに開示される効果を十分に発揮できる。
また、ここに開示される粉体材料は、金属酸化物を主成分とする粒子(無機フィラー)を含有していてもよい。かかる無機フィラーの主成分となる金属酸化物としては、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、イットリア(Y)、カルシア(CaO)、セリア(CeO)、マグネシア(MgO)などが挙げられる。また、無機フィラーは、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、カルシア安定化ジルコニア(CSZ)などであってもよい。これらの無機フィラーを粉体材料に添加することによって、焼成時のペーストの熱収縮率を調節できるため、焼成中の急激な熱収縮によるクラックの発生などを抑制できる。なお、無機フィラーの効果を適切に発揮させるという観点から、粉体材料の総重量に対する無機フィラーの含有量は、2wt%以上が好ましく、5wt%以上がより好ましく、10wt%以上がさらに好ましく、15wt%以上が特に好ましい。一方で、無機フィラーの含有量を多くし過ぎると、焼成後の電極の導電性が低下するおそれがある。かかる観点から、粉体材料の総重量に対する無機フィラーの含有量は、50wt%以下が好ましく、40wt%以下がより好ましく、30wt%以下がさらに好ましく、25wt%以下が特に好ましい。
2.導電性ペースト
ここに開示される技術の他の側面として導電性ペーストが提供される。この種の導電性ペーストは、通常、粉体材料と、分散媒体と、樹脂材料とを含有する。この導電性ペーストは、基材の表面に塗布した後に焼成される。この焼成処理における焼成温度は、900℃~1600℃が好ましく、1000℃~1500℃がより好ましい。なお、ここでの焼成温度は、焼成処理における最高到達温度である。そして、焼成温度に至るまでの昇温速度は、30℃/hr~300℃/hrが好ましく、50℃/hr~150℃/hrが好ましい。これによって、有機成分(分散媒体や樹脂材料)が焼失すると共に粉体材料が焼結して電子部品の電極が形成される。このとき、有機成分が急激に燃焼すると、焼成後の電極にボイドやクラック等の構造的欠陥が生じるおそれがある。しかし、ここに開示される導電性ペーストには、上記構成のコアシェル粒子を主体とする粉体材料が含まれている。これによって、Ptコア粒子の触媒作用による有機成分の急激な燃焼を抑制できるため、構造的欠陥の発生が抑制された高品質の電極を形成できる。
なお、粉体材料以外の材料は、ここに開示される技術の効果を著しく阻害しない限り、特に限定されない。例えば、分散媒体は、粉体材料を分散させると共に、樹脂材料を溶解できるものであれば、従来公知の分散媒体を特に制限なく使用できる。分散媒の一好適例として、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、テキサノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール系溶剤;ジプロピレングリコールメチルエーテル、メチルセロソルブ(エチレングリコールモノメチルエーテル)、セロソルブ(エチレングリコールモノエチルエーテル)、エチレングリコールモノブチルエーテル、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)等のエーテル系溶剤;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ブチルグリコールアセテート、ブチルジグリコールアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート)、イソボルニルアセテート等のエステル系溶剤;トルエン、キシレン、ナフサ、石油系炭化水素等の炭化水素系溶剤;ミネラルスピリット;等の有機溶剤が挙げられる。なお、上述したような分散媒としては、市販されているものを特に制限なく使用することができる。また、分散媒体は、これらの有機溶剤を複数種類混合した混合溶剤であってもよい。また、樹脂材料は、上述した分散媒体に溶解して導電性ペーストの粘度を調節し得る有機化合物を特に制限なく使用できる。この種の樹脂材料の一例として、エチルセルロース等のセルロース系樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂材料は、ペースト粘度の調節が容易であり、かつ、焼成工程において適切に焼失するため好ましい。
なお、ここに開示される技術は、樹脂材料を多く含む導電性ペーストにおいて特に好適に使用できる。このようなペーストにおいて樹脂材料の急激な燃焼が生じると、焼成後の電極に構造的欠陥が生じる可能性が非常に高くなる。これに対して、ここに開示される粉体材料によると、樹脂材料の急激な燃焼を抑制できるため、樹脂材料を多く含む導電性ペーストを使用した場合の構造的欠陥の発生を好適に防止できる。具体的には、白金元素の総重量を100wt%としたときの樹脂材料の含有量は、1wt%以上でもよく、2wt%以上でもよく、5wt%以上でもよい。ここに開示される技術によると、このような多量の樹脂材料を含む導電性ペーストを使用した場合でも、焼成後の電極に構造的欠陥が生じることを適切に防止できる。
また、ここに開示される導電性ペーストは、ここに開示される技術の効果を著しく阻害しない限りにおいて、粉体材料と分散媒体と樹脂材料以外の成分を含有していてもよい。例えば、上記「1.粉体材料」の「(2)他の粒子」の項目において説明した他の粒子は、粉体材料に混入させずに、導電性ペーストを調製する際に別途添加してもよい。なお、Pt-Auコアシェル粒子以外の他の粒子については、説明が重複するため記載を省略する。また、上記他の粒子以外の添加材としては、例えば、ガラスフリット、界面活性剤、消泡剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、分散剤、重合禁止剤などが挙げられる。
3.粉体材料の製造方法
次に、ここに開示される粉体材料を製造する方法の一例を説明する。この製造方法は、(1)Pt分散液調製工程と、(2)Au析出工程とを備えている。以下、各工程について説明する。なお、以下の説明は、ここに開示される粉体材料を実現する手段の一例を示すことを意図したものであり、ここに開示される粉体材料を以下の製造方法で製造されたものに限定することを意図したものではない。
(1)混合液調製工程
本工程では、還元剤と分散剤とPtコア粒子を水系溶媒に添加して混合する。これによって、還元剤と分散剤が水系溶媒に溶解すると共に、当該水系溶媒にPtコア粒子が分散したPt分散液が調製される。以下、Pt分散液の具体的な成分について説明する。
まず、Ptコア粒子は、主成分として白金(Pt)を含む金属粒子である。Ptコア粒子の構成は、既に説明したため、重複する説明を省略する。なお、Pt分散液の総重量を100wt%としたときのPtコア粒子の含有量は、0.5wt%以上でもよく、1wt%以上でもよく、1.5wt%以上でもよく、2wt%以上でもよく、3wt%以上でもよく、4wt%以上でもよく、5wt%以上でもよい。Pt分散液中のPtコア粒子の含有量を増加させることによって、Pt-Auコアシェル粒子の生成効率が向上する傾向がある。一方で、Ptコア粒子の含有量の上限値は、50wt%以下でもよく、40wt%以下でもよく、30wt%以下でもよく、20wt%以下でもよく、10wt%でもよい。Ptコア粒子の含有量を多くし過ぎると、各々のPtコア粒子に均一にAuシェルを付着させることが難しくなり、製造後の粉体材料におけるPt-Auコアシェル粒子の含有率が低下する傾向がある。
次に、還元剤は、後述するAu析出工程においてAu液を還元することができればよく、従来公知の還元剤を特に制限なく使用できる。この還元剤の一例として、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、アルデヒド亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸塩;ギ酸、シュウ酸、アスコルビン酸等の有機酸;メチルヒドロキノン、ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、t-ブチルヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、クロロヒドロキノン等のヒドロキノン系還元剤;などが挙げられる。なお、Pt分散液における還元剤の含有量(還元剤濃度)は、後述するAu液のAuイオン濃度との関係を考慮して調節されていることが好ましい。例えば、Au液中のAuイオン濃度CAuに対するPt分散液中の還元剤濃度Cの倍率(C/CAu)は、0.5倍以上が好ましく、1倍以上がより好ましく、1.5倍以上がさらに好ましく、1.75倍以上が特に好ましい。これによって、Auイオンに対して十分な還元剤をPt分散液に存在させることができるため、適切な速度でのAuの析出に貢献できる。一方、上記C/CAuの上限は、5倍以下が好ましく、4倍以下がより好ましく、3倍以下がさらに好ましく、2倍以下が特に好ましい。Auイオン濃度CAuに対して還元剤濃度Cが大きくなりすぎると、Auの析出が却って阻害される可能性がある。
また、分散剤は、Ptコア粒子の沈殿を抑制し、Pt分散液中でPtコア粒子を滞留させやすくする機能を有している。これによって、特定のPtコア粒子にAuシェルが集中的に付着することを抑制できる。かかる分散剤としては、ゼラチン、アガロース、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。また、ここに開示される技術を限定するものではないが、Pt分散液の総量を100wt%としたときの分散剤の添加量は、0.01wt%~2wt%程度が好適である。
また、水系溶媒としては、例えば、水を使用することができる。Pt分散液の調製に好適な水としては、イオン交換水(脱イオン水)、蒸留水、純水等が挙げられる。また、水系溶媒は、水を主成分とする混合溶媒であってもよい。この場合には、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール等)を水に添加することが好ましい。なお、この種の混合溶媒では、水系溶媒の80体積%以上(より好ましくは90体積%以上、さらに好ましくは95体積%以上)が水であることが好ましい。
(2)Au析出工程
本工程では、上述したPt分散液に、Au元素が酸に溶解した溶液(Au液)を滴下する。このAu液の一例として、王水(濃塩酸:濃硝酸=3:1(体積比))に金を溶解させた塩化金酸(HAuCl)が挙げられる。この種のAu液をPt分散液に滴下すると、還元剤によってAu液が還元されてAuが析出する。このとき、Auは、析出位置の付近に滞留しているPtコア粒子の表面に付着する。これによって、Ptコア粒子の表面にAuシェルが付着したPt-Auコアシェル粒子が生成される。
ここで、Auの重量が5wt%以下であるにも関わらず、Ptコア粒子の表面の20%以上がAuシェルで被覆されたPt-Auコアシェル粒子を主成分とする粉体材料を製造するには、本工程におけるAuの析出速度が重要となる。具体的には、Auの析出速度が早くなりすぎると、Auの析出位置(Au液の滴下位置)の近傍で滞留しているPtコア粒子にのみAuシェルが付着し、Auシェルの被覆率が低いPtコア粒子が多量に生じる可能性がある。一方で、Auの析出速度が遅くなりすぎると、既に析出したAuシェルを起点としたAuの析出(成長)が生じ、Ptコア粒子の一部のみに巨大なAuシェルが付着したPt-Auコアシェル粒子が生成される可能性がある。このようなPt-Auコアシェル粒子が生成された場合も、少量のAuで高い被覆率を確保することが難しい。すなわち、ここに開示される粉体材料を実現するには、Au析出工程におけるAuの析出速度を適度な範囲に制御することが求められる。
なお、本工程におけるAuの析出速度は、Au液の滴下速度、Au液のAuイオン濃度、Pt分散液の還元剤濃度、Au析出工程における反応温度、Pt分散液のPtコア粒子濃度などの様々な条件によって変動し得る。このため、ここに開示される粉体材料を適切に製造するには、上述した各条件を個別に調節しながらAuの析出速度を調べる予備試験を実施することが好ましい。
例えば、Au液の滴下速度は、0.5Au%/min以上が好ましく、0.55Au%/min以上がより好ましく、0.6Au%/min以上がさらに好ましく、0.67Au%/min以上が特に好ましい。これによって、Auの析出速度が遅くなりすぎることによる巨大なAuシェルの生成を抑制できる。一方で、Au液の滴下速度は、2Au%/min以下が好ましく、1.5Au%/min以下がより好ましく、1Au%/min以下が特に好ましい。これによって、Auの析出速度が早くなりすぎてAu液の滴下位置の近傍を滞留するPtコア粒子のみにAuシェルが付着することを抑制できる。なお、本明細書における「Au液の滴下速度(Au%/min)」は、Pt分散液中のPt元素とAu元素の合計重量を100wt%としたときのAu元素の重量比率(Au%)を1分間でどの程度増加させるかを示すものである。なお、製造後の粉体材料におけるAuの重量は、Au液の滴下速度と、Au液の滴下時間を制御することによって調節できる。例えば、Au重量が5wt%の粉体材料を製造する場合には、Au液の滴下速度を0.5Au%/minとし、滴下時間を10分間に設定するとよい。これによって、Pt元素とAu元素の合計重量に対して5wt%のAu元素がPt分散液に添加されるため、このAu元素の全量を析出させることによって、Au重量が5wt%の粉体材料を製造できる。
また、Au液中のAuイオン濃度は、0.1wt%以上でもよく、0.5wt%以上でもよく、1wt%以上でもよく、3wt%以上でもよく、5wt%以上でもよい。Auイオン濃度を増加させるにつれて、Auの析出速度の過剰な低下を防止できる傾向がある。一方で、Au液のAuイオン濃度は、30wt%以下でもよく、25wt%以下でもよく、20wt%以下でもよく、15wt%以下でもよく、10wt%以下でもよい。Auイオン濃度を減少させるにつれて、Auの析出速度の過剰な増加を防止できる傾向がある。かかる観点から、なお、ここでの「Auイオン濃度」は、Au液の総量を100wt%としたときのAu元素の含有量である。
次に、反応温度(Au滴下中のPt分散液の温度)が低くなりすぎると、反応速度が遅くなり、既に析出したAuシェルを起点とした析出が増えるため、Ptコア粒子の表面をAuシェルで均一に被覆することが困難になる可能性がある。このため、Au析出工程における反応温度は、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましく、65℃以上が特に好ましい。一方、反応温度が高くなりすぎると、反応速度が速くなり、Ptコア粒子表面のAuシェルの出来栄えがばらつくという問題が生じる可能性がある。かかる観点から、反応温度は、100℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましく、90℃以下がさらに好ましく、85℃以下が特に好ましい。
[試験例]
以下、ここに開示される技術に関する試験例を説明するが、かかる試験例は、ここに開示される技術を限定することを意図したものではない。
本試験では、7種類の粉体材料(サンプル1~7)を作製し、各サンプルの有機成分の燃焼抑制効果を調べた。
1.サンプルの準備
(1)サンプル1
まず、純水30mlに対して、30wt%の白金粉末(株式会社ノリタケカンパニーリミテド製、型式:PT-2081、平均粒子径:0.8μm)と、0.04wt%の分散剤(ゼラチン)と、1.1wt%の還元剤(亜硫酸ナトリウム)とを混合し、Pt分散液を準備した。次に、滴下完了後、純水に対してAuイオン濃度が0.6wt%となるようなAu液(塩化金酸)を準備し、当該Au液をPt分散液に滴下した。なお、本サンプルでは、Pt重量に対してAu重量が2wt%の粉体材料を製造することを目的としているため、Au液の滴下速度を0.5Au%/minに設定し、滴下時間を4分間に設定した。また、Au液を滴下している間のPt分散液は、マグネチックスターラーで撹拌しながら65℃に保温した。そして、本試験ではAu液を全量添加した後に、反応温度を維持しながら30分間撹拌を維持した後に、静置して上澄み液を除去した。その後、沈殿物を純水で洗浄することによってサンプル1の粉体材料を得た。
(2)サンプル2
サンプル2では、Au液滴下中のPt分散液の温度(反応温度)を30℃に低下させた点を除いて、サンプル1と同様の条件で粉体材料を作製した。
(3)サンプル3、4
サンプル3、4では、Pt分散液中の還元剤濃度と、滴下完了後のAuイオン濃度をサンプル1、2から変化させた。具体的には、サンプル3、4では、Pt分散液における還元剤濃度を2.7wt%に増加させた点を除いて、サンプル1、2と同様のPt分散液を調製した。そして、Pt重量に対してAu重量が5wt%の粉体材料を製造することを目的とし、滴下完了後に純水に対してAuイオン濃度が1.4wt%となるようなAu液(塩化金酸)を準備し、Au液の滴下速度を0.5Au%/minとし、滴下時間を10分間に設定した。なお、サンプル3では、Au析出時の反応温度を65℃とし、サンプル4では30℃とした。
(4)サンプル5、6
サンプル5、6では、Pt分散液中の還元剤濃度と、滴下完了後のAuイオン濃度を更に異ならせた。サンプル5では、Pt分散液における還元剤濃度を0.27wt%に減少させた点を除いて、サンプル1、2と同様のPt分散液を調製した。また、サンプル6では、Pt分散液における還元剤濃度を5.4wt%に増加させた点を除いて、サンプル1、2と同様のPt分散液を調製した。そして、サンプル5では、Pt重量に対してAu重量が0.5wt%の粉体材料を製造することを目的とし、滴下完了後に純水に対してAuイオン濃度が0.14wt%となるようなAu液(塩化金酸)を準備し、Au液の滴下速度を0.5Au%/minとし、滴下時間を1分間に設定した。一方、サンプル6では、Pt重量に対してAu重量が10wt%の粉体材料を製造することを目的とし、滴下完了後に純水に対してAuイオン濃度が2.8wt%となるようなAu液(塩化金酸)を準備し、Au液の滴下速度を1Au%/minとし、滴下時間を10分間に設定した。なお、サンプル5、6の反応温度は、65℃に設定した。
(5)サンプル7
サンプル7では、サンプル1~6のPtコア粒子と同じ白金粉末を準備し、当該白金粉末にAuシェルを付着させる処理を行わなかった。
なお、各サンプルの製造条件は、後述の表1にまとめて記載する。
2.評価試験
(1)SEM観察
本評価では、まず、電界放出型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて各サンプルの粉体材料を観察した。サンプル1~7のSEM写真(倍率:100000倍)を図1~図7に示す。
(2)Auシェルの被覆率の測定
本評価では、上述した手順に従って各サンプルにおけるAuシェルの被覆率を測定した。具体的には、各サンプルの粉体材料から任意の一個の粒子を選択し、HAADF-STEM(High Angle Annular Dark-Field Scanning Transmission Electron Microscopy)画像(倍率250000倍)を取得した。測定結果の例として、サンプル3のHAADF-STEM画像を図8に示し、サンプル4のHAADF-STEM画像を図11に示す。次に、各々のHAADF-STEM画像に対してEDS解析を実施し、Pt元素マップとAu元素マップを取得した。測定結果の例として、サンプル3のPt元素マップを図9に示し、Au元素マップを図10に示す。また、サンプル4のPt元素マップを図12に示し、Au元素マップを図13に示す。そして、上述した通り、各々の元素マップに対して所定の画像処理を行い、Ptコア粒子の外周長LPtとAuシェルの被覆長LAuを測定した後に、これらに基づいてAuシェルの被覆率を算出した。算出結果を表1に示す。なお、表1に示すAuシェルの被覆率は、複数の粒子の中から平均粒子径に近い任意の10個のコアシェル粒子の被覆率の平均値である。
(3)Au重量の測定
各サンプルの粉体材料を0.1g採集し、誘導結合プラズマ発光分光法を用いて、Pt元素とAu元素の定量分析を行い、コアシェル粒子中のAu重量(wt%)を算出した。算出結果を表1に示す。
(4)燃焼抑制効果の評価
本評価では、まず、各サンプルの粉体材料を用いて導電性ペーストを調製した。なお、ペースト調製用の分散媒体としてテキサノールを使用し、樹脂材料としてエチルセルロース(STD45とSTD100を混合)を使用した。そして、粉体材料と分散媒体と樹脂材料との混合比は、80:18:2に設定した。
次に、各々の導電性ペーストを25mg採集し、示差熱・熱重量同時測定(TG-DTA:Thermogravimetry-Differential Thermal Analysis)を実施して燃焼抑制効果を評価した。具体的には、リガク社製の示差熱天秤装置(Thermo plus TG8120)を用い、10℃/minの昇温速度で室温から600℃まで加熱し、TG-DTAチャートを取得した。測定結果の一例として、サンプル3のTG-DTAチャートを図14に示し、サンプル4のTG-DTAチャートを図15に示す。このTG-DTAチャートでは、低温側のピーク(一次ピーク)が「分散媒体の蒸発」に起因し、高温側のピーク(二次ピーク)が「樹脂材料の燃焼」に起因すると解される。このことから、各々のピークが生じた温度が高温になるほど、Ptコア粒子による触媒作用(燃焼促進作用)が抑制されていると解釈できる。そして、本評価では、サンプル5の二次ピークが確認された温度を基準温度(X℃)とし、他のサンプルのTG-DTAチャートにおいて上記基準温度(X℃)よりも高温側で確認されたピークを当該サンプルの燃焼温度(Y℃)をみなす。そして、基準温度(X℃)から燃焼温度(Y℃)を引いた値を燃焼抑制効果(X-Y℃)として算出した。結果を表1に示す。
Figure 0007096419000001
先ず、表1に示すように、サンプル1~6の何れにおいても、Pt分散液に添加したAuイオンの全てが析出していることが確認された。そして、これらのサンプルでは、Ptコア粒子の表面にAuシェルが付着したPt-Auコアシェル粒子が生成されていた(図1~図6参照)。このため、Pt分散液中でAuを析出させるという処理を行うことによって、Pt-Auコアシェル粒子を含む粉体材料を製造できることが分かった。そして、Pt-Auコアシェル粒子を含む粉体材料(サンプル1~6)は、Pt粒子のみを含む粉体材料(サンプル7)と比較すると、ペースト焼成時の有機成分の急激な燃焼を抑制できることが確認された。
次に、サンプル1とサンプル2を比較すると、Auの析出量が同程度であるにもかかわらず、サンプル1の方が有機成分の燃焼抑制効果が好適に発揮されていた。そして、このサンプル1では、Auシェルの被覆率が非常に高いことが確認された。同様に、サンプル3とサンプル4を比較した場合においても、サンプル3の方がAuシェルの被覆率が高く、高い燃焼抑制効果を発揮していた。以上の点から、Au析出時の反応温度を高温にすることによって、少量のAuシェルでPtコア粒子の表面を十分に被覆したPt-Auコアシェル粒子を生成できるため、有機成分の急激な燃焼を低コストで抑制できることが分かった。次に、サンプル4とサンプル5を比較すると、サンプル5は、Auの析出量がサンプル4の10分の1程度であるにも関わらず、サンプル4と同程度の燃焼抑制効果を発揮できることが分かった。このことから、0.5wt%という微小なAu析出量でも、Auシェルの被覆率を20%以上確保できれば、有機成分の急激な燃焼を十分に抑制できることが分かった。一方、サンプル3とサンプル6を比較すると、Au析出量が5wt%に達した時点で燃焼抑制効果が飽和することが分かった。このことから、Auの使用による材料コストの増大を抑制するという観点では、粉体材料中のAu重量を5wt%以下とした方がよいことが分かった。また、サンプル1、3、5の粉体材料におけるPt-Auコアシェル粒子の含有量を調べた結果、何れのサンプルにおいても、Pt-Auコアシェル粒子(Auシェルの被覆率が20%以上となった粒子)が粉体材料の50%以上を占めていた。
以上、ここに開示される技術の具体例を試験例に基づいて詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (5)

  1. Ptを含むコアシェル粒子を主体とする粉体材料であって、
    前記コアシェル粒子は、
    前記Ptを主成分とするPtコア粒子と、
    前記Ptコア粒子の表面に付着し、Auを主成分とするAuシェルと
    を備え、かつ、
    前記Ptコア粒子の表面に対する前記Auシェルの被覆率が20%以上であり、
    前記Ptと前記Auの合計重量を100wt%としたときの前記Auの重量が0.5wt%以上5wt%以下であり、
    TEM-EDS法で前記粉体材料を観察した際の前記コアシェル粒子の存在比率が50%以上であり、
    前記Ptコア粒子に含まれる全ての金属元素の物質量を100mol%としたとき、前記Ptコア粒子に含まれる前記Ptの物質量が80mol%以上であり、
    前記Auシェルに含まれる全ての金属元素の物質量を100mol%としたとき、前記Auシェルに含まれる前記Auの物質量が80mol%以上である、粉体材料。
  2. 前記Ptと前記Auの合計重量を100wt%としたときの前記Auの重量が2wt%以上である、請求項1に記載の粉体材料。
  3. 前記コアシェル粒子の含有率が80%以上である、請求項1または2に記載の粉体材料。
  4. 前記コアシェル粒子の平均粒子径が0.1μm以上5μm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の粉体材料。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の粉体材料と、
    前記粉体材料を分散させる分散媒体と、
    前記分散媒体に溶解し、ペースト粘度を上昇させる樹脂材料と
    を含む導電性ペースト。
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