JP6136622B2 - 透明導電膜用水系塗工液及びこれを用いた透明導電膜 - Google Patents
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Description
得られたITO微粒子分散液は、遠心機(コクサン(株)製、(商品名)H−201F)を使用し、遠心分離を繰り返すことにより精製を行った。
ITO微粒子の水分散液を0.5μmフィルタで濾過した後、80℃減圧中で乾固させ、ITO微粒子紛体を得た。
ITO微粒子を水に分散させた、濃度0.01%以下の分散液を用意し、これをコロジオン膜展張したカーボンコーティング銅メッシュに落として水を揮発させ、このサンプルを透過型顕微鏡で観察した。また得られた像から、ITO微粒子の粒子径を読み取り、300個以上のITO微粒子について平均した値をITO微粒子の平均粒子径とした。
上記ITO紛体を用い、熱重量減少測定により分析した。測定には示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、(商品名)EXSTAR TG/DTA6200)を使用した。該ITO微粒子紛体を窒素雰囲気中、80℃で60分保持した後、10℃毎分で500℃まで昇温、その後500℃で180分間保持し、80℃から500℃の範囲における重量の減少値を、加熱分解した配位子の配位量として算出した。
反応液を3mL抜出し、遠心分離を実施してITO微粒子を単離した。沈降性が悪い場合は、反応液と等量のジクロロメタン等のハロゲン系溶媒を添加し、遠心分離を実施した。得られたITO微粒子を重水に分散させ、核磁気共鳴装置(日本電子社製、(商品名)JMN−EC400)を用い、1H NMRもしくは13C NMRを測定した。得られたスペクトルより、交換前の配位子と、交換後の配位子との比率を算出し、比率が8倍以上をもって反応が進行したものと判断した。
水に対して固形分濃度0.1重量%の割合でITO微粒子を分散させた分散液を、厚さ10mmの溶液セルにとり、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、(商品名)NDH−5000)を用い、JIS K 7136に準拠して溶液ヘイズの測定を行った。
抵抗率計((商品名)Loresta−AP、三菱油化(株)製)を用い、4探針法にてシート抵抗の測定を行った。
日本電色工業社製ヘイズメーター((商品名)NDH−5000、日本電色工業(株)製)を用い、厚み10mmの液体用セル中に該分散液を入れ、JIS K 7361−1に準拠して結晶性スズ含有インジウム微粒子分散液の光線透過率を、JIS K 7136に準拠してヘイズの測定を行った。
ヘイズメーター((商品名)NDH−5000、日本電色工業(株)製)を用い、JIS K 7361−1に準拠して透明導電膜の光線透過率を、JIS K 7136に準拠してヘイズの測定を行った。
塗料一般試験方法JIS K 5600に準拠してクロスカット試験を実施し、100個の碁盤目のうち剥離個数が10個以下のものを、密着性良好と判断した。
100mlフラスコ中に酢酸インジウム(III)315mg、2−エチルヘキサン酸スズ(II)39μl、オレイルアミン3.3ml、1−吉草酸380μl、n−ジオクチルエーテル9mlを仕込み、真空中80℃で1時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中150℃で1時間加熱し、次いで窒素雰囲気中270℃で2時間加熱還流し、オレイルアミンの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエタノール、分散溶媒にクロロホルムを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、オレイルアミンの配位したITO微粒子を得た。
100mlフラスコ中に2−エチルヘキサン酸インジウム(III)1176mg、酢酸スズ(II)51mg、ヘキサデシルアミン4.5ml、n−オクタン酸700μl、n−ジオクチルエーテル25mlを仕込み、真空中70℃で3時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中270℃で3時間加熱還流し、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にエタノール、分散溶媒にクロロホルムを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子を得た。
100mlフラスコ中に酢酸インジウム(III)315mg、酢酸スズ(II)36mg、オレイルアルコール2.5ml、1−ペンタン酸300μl、1−オクタデセン10mlを仕込み、真空中70℃で1時間加熱し、その後常圧に戻して窒素雰囲気中170℃で2時間加熱し、次いで窒素雰囲気中280℃で1.5時間加熱還流し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子の粗分散液を得た。該粗分散液を、沈殿溶媒にメタノール、分散溶媒にヘキサンを用いて5回遠心分離精製を繰り返し、オレイルアルコールの配位したITO微粒子を得た。
100mlフラスコ中に製造例1で得られた、オレイルアミンの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=1.2mmol)、シュウ酸0.5g、イソプロパノール30mlを仕込み、窒素雰囲気中80℃7時間加熱攪拌して、シュウ酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
100mlフラスコ中に製造例1で得られた、オレイルアミンの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=1.2mmol)、マロン酸0.5g、イソプロパノール30mlを仕込み、窒素雰囲気中80℃7時間加熱攪拌して、マロン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
100mlフラスコ中に製造例1で得られた、オレイルアミンの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=1.2mmol)、クエン酸1.0g、N,N−ジメチルホルムアミド30mlを仕込み、窒素雰囲気中100℃7時間加熱攪拌して、クエン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
100mlフラスコ中に製造例2で得られた、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=2.4mmol)、シュウ酸1.1g、エタノール80mlを仕込み、窒素雰囲気中70℃12時間加熱攪拌して、シュウ酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
100mlフラスコ中に製造例2で得られた、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=2.4mmol)、マロン酸1.2g、N,N−ジメチルホルムアミド80mlを仕込み、窒素雰囲気中90℃12時間加熱攪拌して、マロン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
100mlフラスコ中に製造例2で得られた、ヘキサデシルアミンの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=2.4mmol)、クエン酸2.3g、エタノール80mlを仕込み、窒素雰囲気中70℃12時間加熱攪拌して、クエン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
100mlフラスコ中に製造例3で得られた、1−ヘキサデカノールの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=2.6mmol)、シュウ酸0.9g、N,N−ジメチルホルムアミド80mlを仕込み、窒素雰囲気中80℃6時間加熱攪拌して、シュウ酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
100mlフラスコ中に製造例3で得られた、1−ヘキサデカノールの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=2.6mmol)、マロン酸1.0g、N,N−ジメチルホルムアミド80mlを仕込み、窒素雰囲気中80℃6時間加熱攪拌して、マロン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
100mlフラスコ中に製造例3で得られた、1−ヘキサデカノールの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=2.6mmol)、クエン酸1.9g、イソプロパノール80mlを仕込み、窒素雰囲気中70℃6時間加熱攪拌して、クエン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
得られたITO微粒子を重水に分散させて1H NMRを測定したところ、交換前の配位子であった1−ヘキサデカノールに比べ、交換後の配位子であるクエン酸が8.1倍含有されており、1−ヘキサデカノールからクエン酸へ、配位子交換が進行していることが確認された。
100mlフラスコ中に製造例4で得られた、オレイルアルコールの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=1.2mmol)、シュウ酸0.6g、メタノール50mlを仕込み、窒素雰囲気中60℃15時間加熱攪拌して、シュウ酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
100mlフラスコ中に製造例4で得られた、オレイルアルコールの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=1.2mmol)、マロン酸0.7g、イソプロパノール50mlを仕込み、窒素雰囲気中70℃12時間加熱攪拌して、マロン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
100mlフラスコ中に製造例4で得られた、オレイルアルコールの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=1.2mmol)、クエン酸1.3g、N,N−ジメチルホルムアミド50mlを仕込み、窒素雰囲気中80℃12時間加熱攪拌して、クエン酸を配位子として有するITO微粒子の粗分散液を得た。
製造例1と同様の手法で、平均粒径13.3nmの、オレイルアミンを配位子として有するITO微粒子を製造した。得られた微粒子の一部を乾固して微粒子紛体とし、熱重量減少を測定したところ、オレイルアミンが4.5重量%配位したものであることが確認された。
100mlフラスコ中に製造例1で得られた、オレイルアミンの配位したITO微粒子(仕込みIn+Sn=1.2mmol)、オレイン酸1.4g、N,N−ジメチルホルムアミド30mlを仕込み、窒素雰囲気中80℃2時間加熱攪拌を実施した。
Claims (6)
- 配位子としてシュウ酸またはマロン酸であるカルボン酸化合物を有し、該カルボン酸化合物が配位子全体の8/9以上(モル比)であるITO微粒子であって、透過型電子顕微鏡により測定される平均粒子径が3〜60nmであるITO微粒子を、0.1〜50重量%含有することを特徴とする、透明導電膜用水系塗工液。
- 配位子として有するカルボン酸化合物が、ITO微粒子全体の0.1〜20重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜用水系塗工液。
- 溶液ヘイズが5%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明導電膜用水系塗工液。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電膜用水系塗工液を基材上に塗工し、180〜200℃の温度で乾燥することにより得られることを特徴とする、透明導電膜。
- シート抵抗が105Ω/□以下であることを特徴とする請求項4に記載の透明導電膜。
- JIS K 7361−1に準拠し測定した光線透過率が80%以上、かつJIS K 7136に準拠し測定したヘイズが5%以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の透明導電膜。
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