JP2009158443A - 分散液、導電性塗料、導電膜及び積層体 - Google Patents

分散液、導電性塗料、導電膜及び積層体 Download PDF

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雅敏 柴田
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Abstract

【課題】インジウム含有量が少なくても良好な導電性を有する酸化物導電性材料微粒子を含む分散液、導電性塗料、導電膜及び積層体を提供する。
【解決手段】金属サイトにInとSnとZnとが存在するコランダム構造の酸化物を含む酸化物導電性材料微粒子を溶媒に分散させた分散液であって、前記酸化物導電性材料微粒子における酸素を除く組成が20mol%≦In≦70mol%、5mol%≦Sn≦60mol%、5mol%≦Zn≦60mol%であることを特徴とする分散液。
【選択図】図1

Description

本発明は、インジウム含有量が少なくても良好な導電性を有する酸化物導電性材料微粒子を含む分散液、導電性塗料、導電膜及び積層体に関する。
インジウム−錫酸化物(ITO)を主とする導電性酸化物粉末の透明導電膜への利用が盛んに行われている。導電性酸化物粉末から透明導電膜を作製する方法として、例えば、一次粒子径が約100nm以下の導電性酸化物粉末を、バインダ樹脂を含む溶液中に分散させて導電性塗料を作製し、この導電性塗料をガラス、プラスチック等の基材に塗布、印刷、浸漬、スピンコート又は噴霧等の手段で塗工し、乾燥する方法がある。
透明導電膜は、ガラス、プラスチック等の帯電防止やほこりの付着防止機能があり、帯電防止やほこりの付着防止のため、ディスプレイ、計測器の窓ガラス、ICパッケージ回路、クリーンルーム内装材、各種ガラス、フィルム等に用いられる。
また、透明導電膜は、塗布型透明電極、赤外線遮蔽材料等としても用いられる。
このように、透明導電膜は、今後の需要の伸びが期待され、利用分野の拡大に伴って、導電性に優れかつ透明性にも優れた導電性塗料や導電膜の需要が高まっている。
しかし、透明導電膜に用いられるインジウムは資源量が限られ、しかも液晶ディスプレイの透明電極としてITOが用いられるようになったので、価格が急激に上昇するとともに、供給制限等の不安があり、インジウムの使用量の少ない酸化物導電性材料の開発が急務である。
特許文献1には、コランダム型結晶相を含むITO膜を形成する方法が記載されているが、インジウム含量の低い酸化物導電性材料についての記載はない。
特許文献2には、不活性ガス密閉加圧雰囲気下、350〜1000℃で熱処理して得られる粒子径50nm以下のITO粉末や導電性塗料が開示されているが、この文献においてもインジウム含量の低い酸化物導電性材料についての記載はない。
特開2004−75427号公報 特開平7−21831号公報
本発明の目的は、インジウム含有量が少なくても良好な導電性を有する酸化物導電性材料微粒子を溶媒に分散させた分散液、導電性塗料、導電膜及び積層体を提供することである。
本発明によれば、以下の分散液等を提供できる。
1.金属サイトにInとSnとZnとが存在するコランダム構造の酸化物を含む酸化物導電性材料微粒子を溶媒に分散させた分散液であって、
前記酸化物導電性材料微粒子における酸素を除く組成が20mol%≦In≦70mol%、5mol%≦Sn≦60mol%、5mol%≦Zn≦60mol%であることを特徴とする分散液。
2.前記酸素を除く組成が30mol%≦In≦60mol%、15mol%≦Sn≦60mol%、5mol%≦Zn≦50mol%であることを特徴とする1に記載の分散液。
3.1又は2に記載の分散液を含むことを特徴とする導電性塗料。
4.金属サイトにInとSnとZnとが存在するコランダム構造の酸化物を含む酸化物導電性材料微粒子を含み、
前記酸化物導電性材料微粒子における酸素を除く組成が20mol%≦In≦70mol%、5mol%≦Sn≦60mol%、5mol%≦Zn≦60mol%であること
を特徴とすることを特徴とする導電膜。
5.前記酸素を除く組成が30mol%≦In≦60mol%、15mol%≦Sn≦60mol%、5mol%≦Zn≦50mol%であることを特徴とする4に記載の導電膜。
6.基板と、
この基板の上面に直接又は中間膜を介して形成された4又は5に記載の導電膜と、
を含むことを特徴とする積層体。
本発明によれば、インジウム含有量が少なくても良好な導電性を有する酸化物導電性材料微粒子を用いた分散液、導電性塗料、導電膜及び積層体を提供することができる。
発明を実施するための最良の形態は、本発明の一実施形態に過ぎず、発明を実施するための最良の形態により、本発明の技術的範囲が限定されることはない。
<酸化物導電性材料微粒子>
本実施形態に用いる酸化物導電性材料微粒子は、金属サイトにInとSnとZnとが存在するコランダム構造を有する酸化物を含む。
なお、本実施形態に用いる酸化物導電性材料微粒子は、金属サイトにInとSnとZnとが存在するコランダム構造を有する酸化物のみから構成されていてもよい。
ここで、Inの高温相として、コランダム構造の結晶相が知られている(例えば、Inorganic Chemistry,(1969),8,1985−1993を参照)。
上記酸化物導電性材料微粒子における酸素を除く全原子に占めるInとSnとZnとの割合は、20mol%≦In≦70mol%、5mol%≦Sn≦60mol%、5mol%≦Zn≦60mol%である。
Inが20mol%未満の場合、導電性が非常に低くなるおそれがある。また、Inが70mol%を超える場合、高価なInが多くなりコストが高くなる上、Inの入手困難性への対処が難しくなる。
Sn及び/又はZnが5mol%未満の場合には、導電性が低くなるおそれがある。Sn及び/又はZnが60mol%を超える場合には、導電性が低くなるおそれがある。
上記酸化物導電性材料微粒子における酸素を除く全原子に占めるIn、Sn及びZnの割合は、30mol%≦In≦60mol%、15mol%≦Sn≦60mol%、5mol%≦Zn≦50mol%であることが好ましい。この範囲において、さらに導電性を向上させることができる。
酸化物導電性材料微粒子は、上記コランダム構造のIn、Sn及びZnの酸化物の他に、Mg,Ca,Ti,Zr,Al,Ga,Si,Geから選択される1又は2以上の金属元素を含む酸化物及び/又は希土類元素の酸化物を含むことも可能である。これらの酸化物を含有させることにより、高価なInの含有量を減少させても、高い導電性を維持できる。また、これらの酸化物を含有することにより、導電性が向上する。
上記コランダム構造のIn、Sn及びZnの酸化物の他に含んでいてもよい酸化物のうち、導電性向上の点から、Mg,Al,Ga、Siから選択される1又は2以上の金属元素を含む酸化物を含むことがより好ましい。
また、酸化物導電性材料微粒子における酸素を除く全原子に占めるMg,Ca,Ti,Zr,Al,Ga,Si,Geから選択される1又は2以上の金属元素の割合は、0.1mol%〜20mol%であることが好ましい。さらに好ましくは、0.2mol%〜10mol%である。
酸化物導電性材料微粒子は、良好な導電性を有し、100kg/cmの加圧下での電気伝導度が0.001S/cm以上であることが好ましく、0.01S/cm以上であることがより好ましい。
上記導電性が0.001S/cm以上の場合には、帯電防止やほこりの付着防止に有効な成形品や膜が得られる。
ここで、酸化物導電性材料微粒子は、信頼性の高い電気伝導度測定値を得るため、100kg/cmの加圧下で測定する。
酸化物導電性材料微粒子の大きさは、溶媒中に分散する大きさであれば特に制限されないが、好ましくは平均粒径が200nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。平均粒径が200nm以下であると、透明導電性が要求される製品(例えば、ディスプレイ)にも利用することができる。
また、酸化物導電性材料微粒子の平均粒径の下限も溶媒中に分散する大きさであれば、特に制限されないが、例えば、下限として、1nmを挙げることができる。
酸化物導電性材料微粒子は、In、Sn及びZnの金属塩溶液から沈殿法によってIn、Sn及びZnの含有物を調製し、この含有物を酸素濃度が0.1体積%以下の不活性ガス又は還元性ガス下で熱処理することにより得られる。
また、酸化物導電性材料微粒子は、In、Sn及びZnの化合物を含む懸濁液を調製し、この懸濁液を熱プラズマ中に供給して気化混合物とし、前記混合物を冷却することによって得られる。さらに酸素濃度が0.1体積%以下の不活性ガス又は還元性ガス下で熱処理してもよい。
ここで、沈殿法を用いるのは、均一な材質の酸化物導電性材料微粒子を得ることができるからである。
酸化物導電性材料微粒子の製造方法に用いる金属塩溶液には、In、Sn及びZnの他に、Mg,Ca,Ti,Zr,Al,Ga,Si,Geから選択される1又は2以上の金属元素及び/又は希土類元素の金属塩が含まれることが好ましい。
金属塩としては、硝酸塩、塩化物塩、酢酸塩、アルコキシド等が挙げられる。アルコキシドとしては、例えば、メトキシド、エトキシドが挙げられる。
上記金属塩を、水、アルコール、含酸素化合物等の有機溶媒に溶解させる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノールが挙げられる。また、含酸素化合物としては、例えば、酢酸エチル等のエステル、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸が挙げられる。
金属塩溶液の濃度は、0.001mol/l〜10mol/lの範囲であることが好ましい。0.001mol/l未満の濃度では、生産性が悪く、10mol/lを超えるような高濃度では沈殿液の撹拌が困難となる場合がある。
沈殿法に用いる沈殿剤は、例えば、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ溶液、シュウ酸、蟻酸、シュウ酸アンモニウム等の有機酸や有機酸塩、さらには加熱時に分解してアンモニアを発生する尿素を挙げることができる。均一な沈殿が形成され易い点で、好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、シュウ酸、シュウ酸アンモニウム、尿素である。
沈殿剤の使用量は、通常、上記の各金属塩が水酸化物やシュウ酸塩等の化合物となるのに必要な化学当量の50%以上であり、好ましくはアルカリイオン等の残留による洗浄時間の短縮の観点から、化学当量の80%〜2000%である。
沈殿剤の使用量が、化学当量の50%未満の場合、沈殿物の組成が溶液組成と異なるものになるおそれがある。
沈殿の形成温度は、通常、溶媒の凝固点から溶媒の沸点までが好ましい。溶媒の凝固点+5℃から溶媒の沸点までがより好ましい。
沈殿形成後に、沈殿形成時と同じ温度から、常圧では溶媒の沸点までの温度、又は加圧下で300℃まで昇温して、数分から100時間程度の熟成を行ってもよい。熟成を行うことにより、沈殿物のろ過が容易となり、より完全な水酸化物やシュウ酸塩等の化合物を得ることができる。
得られた化合物(沈殿)は、ろ過、遠心分離、デカンテーション等の手段により溶液から分離し、その後、水洗や溶媒洗浄等を行って、不要なイオン等を除去することが好ましい。溶媒洗浄で使用する溶媒としては、例えば、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類、THF等のエーテル類が挙げられる。
不要なイオン等が除去されたことは、洗浄に使用した溶媒の電気伝導度が0.5mS以下となることを目安とすることができる。
洗浄後に、水や溶媒を50〜400℃、30分〜100時間の乾燥によって除去する。上記乾燥後、例えば、さらに熱処理することにより、得られた化合物を酸化物としてもよい。この熱処理は、後述する熱処理と同一の工程であってもよいが、より完全に水や溶媒を除去するための予備的な熱処理であってもよい。予備的な熱処理の場合、通常、200〜800℃程度で行う。この場合、不活性ガス下で熱処理する必要はない。
沈殿法で得られた化合物は熱処理して酸化物にする。熱処理することにより、化合物の結晶性が向上し、導電性が向上する。
高温で熱処理する場合、粒成長が激しいため、好ましくは短時間で行う。一方、低温で熱処理する場合は粒成長が抑えられるが、反応の進行が遅い。このため、低温で熱処理する場合、より長時間の熱処理をしたほうが導電性は向上する。
熱処理温度、熱処理時間等の熱処理条件は、酸化物導電性材料微粒子に求められる粒子の大きさと求められる導電性の程度を勘案して決定すればよい。例えば、熱処理温度は、1300℃以下が好ましい。熱処理温度が1300℃を超える場合、粒成長が特に激しく微粒子の製造が難しくなるおそれがある。
熱処理時間は、通常、高温であれば数時間程度の短い時間で足り、低温であっても数十時間程度以下で十分である。例えば、熱処理温度が1000℃以上である場合、好ましくは10分以下である。熱処理温度が500〜1000℃である場合、好ましくは5時間以下である。熱処理温度が500℃以下である場合、好ましくは数十時間程度以下である。高い温度であれば粒成長が激しいことから、短時間での熱処理が好ましく、低温であれば粒成長が抑えられるが固相反応が遅いため、導電性向上のため、より長時間の熱処理をしたほうが好ましい。
熱処理温度は、上述した予備的な熱処理の場合と同様に通常、200℃以上で行う。好ましくは、300℃以上である。
上記熱処理は、通常不活性ガス又は還元ガス下で行う。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等が使用でき、入手容易性の点で窒素やアルゴンが好ましい。還元ガスとしては、水素、一酸化炭素、アルコール等の有機物等であり、前記の不活性ガスで希釈してもよい。
また、上記不活性ガスや還元性ガスの酸素濃度は、通常0.1体積%以下であり、好ましくは、0.05体積%以下である。0.1体積%を超える濃度では、導電性が低下するおそれがある。還元性ガスと不活性ガスの比率は、好ましくは体積比で0.001以上であり、還元が進みすぎて金属が析出することから10以下がより好ましい。
不活性ガス又は還元性ガス下での熱処理の実施は、ガスを充填又は流通でき、炉内をガス雰囲気に維持できる条件が確保されれば特に限定されず、例えば電気炉やロータリーキルン等を用いて実施できる。
熱処理した後、熱処理化合物を解砕することにより酸化物粒子を得られる。解砕は、遊星ボールミルやジェットミル等の機械的粉砕方法を用いて乾式で粉砕することで、より粒径の小さい酸化物微粒子を得ることができる。
<分散液>
本実施形態に係る分散液は、酸化物導電性材料微粒子を媒体に分散させたものである。
なお、酸化物導電性材料微粒子は、各種の表面処理、例えば親水性化処理、非親水性化処理が施されたものであってもよく、この表面の処理状況に応じて、以下に詳述するように、分散液で用いる溶媒の組み合わせを適宜選択する必要がある。
溶媒は、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−エトキシ−1−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、2−メトキシ−1−プロピルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、テトラヒドロフルフリルアルコール、炭酸プロピレン、N,N―ジメチルホルムアミド、N―メチルホルムアミド、N―メチルピロリドン、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソホロン、シクロヘキサノン、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等を例示することができる。
なお、分散液を導電性塗料に使用する場合には、導電性塗料に用いるバインダを容易に溶解する溶媒を用いることが好ましい。
また、その他必要に応じて、消泡剤、チクソトロピック剤、界面活性剤、顔料湿潤剤、分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、その他(熱)安定剤、防腐剤、防かび剤、防藻剤、防食・防錆剤、染料、顔料等の添加剤を添加することができる。分散方法は、媒体中に均一に分散される方法であれば特に限定されず、例えばビーズミル、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。
<導電性塗料>
本実施形態に係る導電性塗料は、前記の分散液を含んでなる。通常、分散液にバインダを添加したものである。
前記の溶媒に可溶のバインダとしては、耐久性に優れた被膜を形成し得るものであれば特に制限されるものではなく、例えば、メタクリル樹脂等のアクリル系樹脂、ポリアセチレン系樹脂、メラミン樹脂等のアミノ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アルキッド樹脂等のポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリアミンスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリピロール系樹脂、ポリチオフェン系樹脂、ポリアニリン系樹脂、ポリアセチレン系樹脂、紫外線硬化樹脂、ジアセチルセルロース及びトリアセチルセルロース等のセルロース誘導体等を例示することができ、これらのバインダを1種又は2種以上用いることができる。
また、無機バインダとして、珪素、ジルコニウム、チタン、もしくはアルミニウムの金属アルコキシドやこれらの部分加水分解縮重合物又はオルガノシラザンが利用できる。
導電性塗料中における各成分の配合割合も、特に制限されるものでなく、例えば、導電性酸化物材料微粒子が1〜80重量%、バインダが1〜25重量%、溶媒が残部となる配合割合を例示できる。この配合割合で、表面抵抗値1×1010Ω/□以下、全光線透過率80%以上、ヘーズ値15%以下の透明導電性膜を容易に得ることができる。
その他必要に応じて、架橋剤等の硬化剤;硬化助剤等の硬化触媒;可塑剤;消泡剤・レベリング剤;チクソトロピック剤;艶消し剤;界面活性剤;難燃剤;顔料湿潤剤・分散剤;滑剤;紫外線吸収剤;光安定剤;酸化防止剤;その他(熱)安定剤;防腐剤;防かび剤;防藻剤;防食・防錆剤;染料;顔料等の添加剤を添加することができる。
製造方法は、塗布液中に均一に分散される方法であれば特に限定されず、例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、超音波ホモジナイザー、三本ロール等が挙げられる。また、前記の分散液作製時に同時にバインダやその他添加剤を添加して、一度に導電性塗料を製造することもできる。
<導電膜及び積層体>
本実施形態に係る導電膜は、上記の酸化物導電性材料微粒子を含んでなる。
また、本実施形態に係る積層体は、基板と本実施形態に係る導電膜を含んでなる。導電膜は、基板の上に直接積層されていてもよく、基板上にある他の層の上に積層されていてもよい。
本実施形態に係る導電膜(又は積層体)は、前記の導電塗料を、ガラス及びプラスチック等の基材表面に塗布し、乾燥し、硬化させて、基材表面に皮膜を形成することにより得ることができる。基材の表面に導電性塗料を塗布するには、公知の方法が使用でき、例えばスピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、フローコーティング、バーコーティング、グラビアコーティング等が挙げられる。乾燥温度は特に制限されず、用いる溶媒が揮発する温度であればよい。
なお、基板上に他の膜(中間膜)を形成し、その膜表面に導電塗料を塗布することにより導電膜(又は積層体)を形成してもよい。他の膜は1層でもよく、多層でもよい。
本実施形態で用いられるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリカボーネートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリアリレートフィルム及びポリエーテルスルホンフィルム等が挙げられ、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)フィルムが好適に使用される。
プラスチックフィルムは、透明であることが好ましい。また、その厚みは、25μm以上250μm以下であることが好ましい。より好ましくは50μm以上200μm以下である。厚みが25μm未満ではフィルム剛性が低下し、取り扱いが難しくなり、一方、250μmを超えると逆にフィルム剛性が高くなり、取り扱いが難しくなると同時に経済的に不利になることがある。
プラスチックフィルムとして、特に芳香族ポリエステルフィルムを使用する場合、塗工層との密着性を向上させることを目的に、アンカーコート処理し易接着層を設けた芳香族ポリエステルフィルムが好適に使用される。アンカーコート剤としては、脂肪族ポリエステル、脂環族ポリエステル、アクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリエチレンイミン、シランカップリング剤、及びこれらの混合物や共重合体等を挙げることができる。アンカーコート層の厚みは、0.05〜1.0μmが好ましい。厚みが0.05μmより薄いと十分な接着性が得られ難く、また、1.0μmより厚いと接着性の効果は飽和する。該易接着層は、透明プラスチックフィルム基材を製造した後成膜してもよいし、透明プラスチックフィルム基材の製造時にインラインで成膜してもよい。
積層プラスチックフィルムの塗工層面の表面抵抗値は、帯電防止性を発揮するためには、1010Ω/□以下であることが好ましい。
導電層(乾燥後)の厚さは、好ましくは0.03μm以上50μm以下であり、より好ましくは0.05μm以上50μm以下、さらに好ましくは、0.07μm以上8μm以下である。厚さが0.03μm未満では、導電性が必ずしも十分ではなく、一方、厚さが50μmを超えるとフィルムがカールしやすくなる。
導電層の上面にさらなる層を形成しない場合には、導電層の厚さを酸化物微粒子の粒径よりも厚くすれば、フラットな表面を得ることができる。
また、導電層の上面に積層される各層の厚さの合計が、酸化物微粒子の粒径よりも大きければ、フラットな表面を得ることができる。
導電層の上に、さらに珪素、ジルコニウム、チタン、もしくはアルミニウムの金属アルコキシド、又はこれらの部分加水分解縮重合物からなる皮膜を形成することで、導電層の基材へ結着力や導電層の硬度、耐候性を一層向上させることができる。
また、バインダを含まない導電性塗料から得られる導電層は、基材上に導電性微粒子のみが堆積した膜構造になる。このままでも導電性を示すが、この膜上にさらに、珪素、ジルコニウム、チタン、もしくはアルミニウムの金属アルコキシドやこれらの部分加水分解縮重合物と、無機バインダ又は樹脂バインダを含む塗布液を塗布して皮膜を形成して多層膜とするとよい。このようにすることにより、塗布液成分が下層である導電層の導電性微粒子の堆積した間隙を埋めて成膜されるため、導電層のヘイズが低減して可視光透過率が向上し、また微粒子の基材への結着性が向上する。
無機バインダを用いた場合、金属アルコキシド又はその加水分解重合物を含む塗布液の塗布後における基材の加熱温度は、100℃未満では塗膜中に含まれるアルコキシド又はその加水分解重合物の重合反応が未完結で残る場合が多く、また水や有機溶媒が膜中に残留して加熱後における膜の可視光透過率の低下の原因となるので、100℃以上が好ましく、さらに好ましくは塗布液中の溶媒の沸点以上で加熱を行う。
樹脂バインダを使用した場合は、それぞれの硬化方法に従って硬化させればよい。例えば、紫外線硬化樹脂であれば紫外線を適宜照射すればよい。また常温硬化樹脂であれば塗布後そのまま放置しておけばよい。このため、既存の窓ガラス等への現場での塗布が可能である。
<酸化物導電性材料微粒子>
[製造例1]
In、Zn、Snのモル比がIn:Zn:Sn=60:20:20となるように、硝酸インジウム(3水和物)(関東化学(株)製)170g、塩化第二錫(5水和物)(関東化学(株)製)56g、硝酸亜鉛(6水和物)(関東化学(株)製)47.5gを2.5Lのイオン交換水に溶解した(A溶液という)。また、炭酸アンモニウム(和光純薬(株)製)132.2gを0.9Lのイオン交換水に溶解した(B溶液という)。
A溶液を撹拌しながら、25℃に保ち、30分かけてB溶液を滴下した。その後、溶液の温度を80℃まで加温し、30分間熟成を行い、沈殿物を得た。次に、デカンテーションにて一回につき2Lのイオン交換水で沈殿物の洗浄を行った。導電率計Combo2(ハンナインスツルメンツ製)により溶液の電気伝導度を測定し、溶液の電気伝導度が0.5mS以下になるまで洗浄を繰り返し行った。その後、沈殿物を300℃で乾燥した。
得られた化合物をロータリーキルンにて、窒素(酸素濃度;10ppm)を2L/分の流量で流しながら、約60分間で800℃まで昇温し、10分間その温度に保持した後、室温まで急冷した。
得られた酸化物粒子の平均粒径は約37nmであった。なお、平均粒径は窒素吸着によるBET比表面積測定法により比表面積を測定し、下記式から算出した値である。
平均粒径(μm)=6/(密度×比表面積)
上記密度はX線回折測定結果から格子定数を計算し、それから計算される格子体積と格子内に存在する原子の重量から計算した。
また、X線回折測定を行ったところ、図1に示すようにコランダム構造の酸化物と他の相(ビックスバイト構造の酸化物)が生成していた。コランダム構造の酸化物については、X線回折のデータから、リートベルト解析を行い、InサイトにランダムにSnとZnが置換していると判断した。
なお、X線回折測定(XRD)の測定条件は以下の通りであった。
装置:(株)リガク製Ultima−III
X線:Cu−Kα線(波長1.5406Å、グラファイトモノクロメータにて単色化)
2θ−θ反射法、連続スキャン(1.0°/分)
サンプリング間隔:0.02°
スリット DS、SS:2/3°、RS:0.6mm
この粒子を加圧しながら二端子法で電気伝導度を測定した。具体的には、アクリル樹脂製の円筒容器(直径12mm)に測定対象の粒子を入れ、上下から銅製の円筒状電極で挟んだ。電気抵抗測定器を用いて電極間の電気抵抗を測定しながら、油圧ジャッキで試料に圧力をかけた。圧力が100kg/cmに到達した時の電気抵抗と試料の厚さを測定し、下記式から電気伝導度を算出した。
電気伝導度=(抵抗の逆数×試料厚み)/試料面積
その結果、100kg/cmの加重をかけたときの電気伝導度は5.7×10−1S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。
[製造例2]
In、Zn、Snのモル比がIn:Zn:Sn=40:30:30となるように、硝酸インジウム量を170g、塩化第二錫量を126g、硝酸亜鉛量を106.9g、炭酸アンモニウム量を198.5gにした以外は製造例1と同じように沈殿物の乾燥までを行なった。
得られた化合物をロータリーキルンにて、2体積%水素/窒素希釈ガス(酸素濃度;15ppm)を3L/分の流量で流しながら、約30分間で400℃まで昇温し、10分間その温度に保持した後、ガスを窒素(酸素濃度;10ppm)に切り替え、約30分間で700℃まで昇温し、10分間その温度に保持した後、室温まで冷却した。
得られた酸化物粒子の平均粒径は約13nmであった。X線回折測定を行ったところ、図2に示すようにコランダム構造の酸化物が生成していた。また、リートベルト解析を行い、InサイトにランダムにSnとZnが置換していると判断した。
この粒子を加圧しながら二端子法で電気伝導度を測定した。100kg/cmの加重をかけた時の電気伝導度は4.0S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。
[製造例3]
In、Zn、Snのモル比がIn:Zn:Sn=30:20:50となるように、硝酸インジウム量を80.0g、塩化第二錫量を131.7g、硝酸亜鉛量を44.7g、炭酸アンモニウム量を137gにした以外は製造例1と同じように調製した。
得られた酸化物粒子の平均粒径は約45nmであった。X線回折測定を行ったところ、図3に示すようにコランダム構造の酸化物が生成していた。
この粒子を加圧しながら二端子法で電気伝導度を測定した。100kg/cmの加重をかけた時の電気伝導度は4.9×10−1S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。
[製造例4]
In、Zn、Sn、Mgのモル比がIn:Zn:Sn:Mg=35:30:30:5となるように、硝酸インジウム量を160g、塩化第二錫量を135.5g、硝酸亜鉛量を115g、硝酸マグネシウム6水和物16.5g、炭酸アンモニウム量を198.5gにした以外は製造例1と同じように調製した。
得られた酸化物粒子の平均粒径は約47nmであった。X線回折測定を行ったところコランダム構造の酸化物が生成しInサイトにランダムにSnとZnが置換していたことが確認できた。
この粒子を加圧しながら二端子法で電気伝導度を測定した。100kg/cmの加重をかけた時の電気伝導度は4.8×10−1S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。
[製造例5]
In、Zn、Snのモル比がIn:Zn:Sn=40:30:30となるように、塩化インジウム(4水和物)(新興化学工業(株)製)を120g、塩化第二錫(5水和物)量(和光純薬(株)製)を107.6g、塩化亜鉛量(和光純薬(株)製)を41.8gを、3.4Lのイオン交換水に溶解した(A’溶液という)。また、尿素(和光純薬(株)製)1843gを6.1Lのイオン交換水に溶解した(B’溶液という)。
A’溶液とB’溶液を混合し、溶液の温度を93℃まで加温し、180分間熟成を行い、沈殿物を得た。次に、デカンテーションにて一回につき5Lのイオン交換水で沈殿物の洗浄を行った。導電率計Combo2(ハンナインスツルメンツ製)により溶液の電気伝導度を測定し、溶液の電気伝導度が0.5mS以下になるまで洗浄を繰り返し行った。その後、沈殿物を300℃で乾燥した。
これ以降の窒素中での焼成は、焼成温度を700℃とした以外は製造例1と同じようにして実施した。
得られた酸化物粒子の平均粒径は約23nmであった。X線回折測定を行ったところコランダム構造の酸化物が生成しInサイトにランダムにSnとZnが置換していた。
この粒子を製造例1と同じように加圧しながら二端子法で電気伝導度を測定した。100kg/cmの加重をかけたときの電気伝導度は2.2S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。
[製造例6]
In、Zn、Snのモル比がIn:Zn:Sn=30:50:20となるように、硝酸インジウム量を150g、塩化第二錫量を98.8g、硝酸亜鉛量を209.6g、炭酸アンモニウム量を210.1gにした以外は製造例1と同じ方法により酸化物粒子を得た。
得られた酸化物粒子の平均粒径は約21nmであった。X線回折測定を行ったところ、InサイトにランダムにSnとZnが置換したコランダム構造の酸化物とZnSnOが生成していた。
この粒子を加圧しながら二端子法で電気伝導度を測定した。100kg/cmの加重をかけた時の電気伝導度は7.3×10−3S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。
[製造例7]
In、Zn、Snのモル比がIn:Zn:Sn=20:40:40となるように、硝酸インジウム量を80.0g、塩化第二錫量を158.1g、硝酸亜鉛量を134.1g、炭酸アンモニウム量を187gにした以外は製造例1と同じ方法により酸化物粒子を得た。
得られた酸化物粒子の平均粒径は約51nmであった。X線回折測定を行ったところ、InサイトにランダムにSnとZnが置換したコランダム構造の酸化物とZnSnOが生成していた。
この粒子を加圧しながら二端子法で電気伝導度を測定した。100kg/cmの加重をかけた時の電気伝導度は9.4×10−2S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。
[比較製造例1]
In、Zn、Snのモル比がIn:Zn:Sn=15:55:30となるように、硝酸インジウム量を40g、塩化第二錫量を79g、硝酸亜鉛量を129.9g、炭酸アンモニウム量を114.2gにした以外は製造例1と同じように沈殿物を得て、乾燥した。
これを0.5体積%酸素/窒素雰囲気ガスを2L/分の流量で流しながら、約60分間で800℃まで昇温し、1分間その温度に保持した後、室温まで急冷した。
得られた酸化物粒子の平均粒径は約58nmであった。X線回折測定を行ったところ、図4に示すようにコランダム構造の酸化物ではなく、酸化スズとZnSnOが生成していた。
製造例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、この粒子の電気伝導度は2.3×10−4S/cmと低いものであった。
<分散液>
[実施例1]
製造例2の粉末4.0重量部、Disperbyk−180(ビックケミー社製)0.4重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル35.6重量部をジルコニア製ビーズミルにて、3時間解砕した。解砕後、ビーズを取り除き、プロピレングリコールモノメチルエーテルのITO分散液を得た。
この分散液の平均粒径は、Malvern社製Zetasizer Nano ZSを用いて、動的光散乱法により測定した。平均粒径は、93nmであった。
[実施例2]
製造例1の粉末4.0重量部、Disperbyk−180 0.4重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート35.6重量部をジルコニア製ビーズミルにて、3時間解砕した。解砕後、ビーズを取り除き、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのITO分散液を得た。
この分散液の平均粒径は、Malvern社製Zetasizer Nano ZSを用いて、動的光散乱法により測定した。平均粒径は、128nmであった。
[実施例3]
製造例2の粉末4.0重量部、Disperbyk−2090(ビックケミー社製)0.6重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート35.4重量部をジルコニア製ビーズミルにて、3時間解砕した。解砕後、ビーズを取り除き、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのITO分散液を得た。
この分散液の平均粒径は、Malvern社製Zetasizer Nano ZSを用いて、動的光散乱法により測定した。平均粒径は、118nmであった。
[実施例4]
製造例3の粉末4.0重量部、Disperbyk−2091(ビックケミー社製)0.6重量部、2−プロパノール35.4重量部をジルコニア製ビーズミルにて、3時間解砕した。解砕後、ビーズを取り除き、2−プロパノールのITO分散液を得た。
この分散液の平均粒径は、Malvern社製Zetasizer Nano ZSを用いて、動的光散乱法により測定した。平均粒径は、135nmであった。
[実施例5]
製造例2の粉末4.0重量部、Disperbyk−2091 0.6重量部、エチレングリコールモノブチルエーテル35.4重量部をジルコニア製ビーズミルにて、3時間解砕した。解砕後、ビーズを取り除き、エチレングリコールモノブチルエーテルのITO分散液を得た。
この分散液の平均粒径は、Malvern社製Zetasizer Nano ZSを用いて、動的光散乱法により測定した。平均粒径は、95nmであった。
[実施例6]
製造例5の粉末4.0重量部、Disperbyk−2091 0.6重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル35.4重量部をジルコニア製ビーズミルにて、3時間解砕した。解砕後、ビーズを取り除き、プロピレングリコールモノメチルエーテルのITO分散液を得た。
この分散液の平均粒径は、Malvern社製Zetasizer Nano ZSを用いて、動的光散乱法により測定した。平均粒径は、105nmであった。
[実施例7]
製造例1の粉末4.0重量部、Disperbyk−2091 0.6重量部、トルエン35.4重量部をジルコニア製ビーズミルにて、3時間解砕した。解砕後、ビーズを取り除き、トルエンのITO分散液を得た。
この分散液の平均粒径は、Malvern社製Zetasizer Nano ZSを用いて、動的光散乱法により測定した。平均粒径は、104nmであった。
[実施例8]
製造例4の粉末4.0重量部、PVP K−15(ISP社製)0.6重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル35.4重量部をジルコニア製ビーズミルにて、3時間解砕した。解砕後、ビーズを取り除き、プロピレングリコールモノメチルエーテルのITO分散液を得た。
この分散液の平均粒径は、Malvern社製Zetasizer Nano ZSを用いて、動的光散乱法により測定した。平均粒径は、105nmであった。
[実施例9]
製造例6の粉末4.0重量部、Disperbyk−2091 0.6重量部、エチレングリコールモノブチルエーテル35.4重量部をジルコニア製ビーズミルにて、3時間解砕した。解砕後、ビーズを取り除き、プロピレングリコールモノメチルエーテルの分散液を得た。
この分散液の平均粒径は、Malvern社製Zetasizer Nano ZSを用いて、動的光散乱法により測定した。平均粒径は、115nmであった。
[実施例10]
製造例7の粉末4.0重量部、Disperbyk−2091 0.6重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル35.4重量部をジルコニア製ビーズミルにて、3時間解砕した。解砕後、ビーズを取り除き、プロピレングリコールモノメチルエーテルの分散液を得た。
この分散液の平均粒径は、Malvern社製Zetasizer Nano ZSを用いて、動的光散乱法により測定した。平均粒径は、117nmであった。
[比較例1]
比較製造例1の粉末4.0重量部、Disperbyk−2091 0.6重量部、エチレングリコールモノブチルエーテル35.4重量部をジルコニア製ビーズミルにて、3時間解砕した。解砕後、ビーズを取り除き、エチレングリコールモノブチルエーテルのITO分散液を得た。
この分散液の平均粒径は、Malvern社製Zetasizer Nano ZSを用いて、動的光散乱法により測定した。平均粒径は、112nmであった。
Figure 2009158443
<導電性塗料、導電膜、積層体>
[実施例11]
実施例5で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、NKポリマーMK−100IC(新中村化学工業社製、特殊アクリル樹脂)0.25重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、200℃の温度下、35分加熱処理し、透明導電膜を得た。
透明導電膜の全光線透過率、ヘイズ値、表面抵抗値を、以下の装置により測定した。
全光線透過率:スガ試験機株式会社製、直読ヘーズコンピューター HGM−2DP
ヘイズ値:同上
表面抵抗値:三菱化学株式会社製、Hiresta−UP MCP−450
結果を以下に示す。
全光線透過率:89.7%
ヘイズ値:3.9%
表面抵抗値:8.2×10Ω/□
[実施例12]
実施例7で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、NKポリマーNWS−2710(新中村化学工業社製、特殊アクリル樹脂)0.48重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、200℃の温度下、35分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:90.4%
ヘイズ値:2.7%
表面抵抗値:7.7×10Ω/□
[実施例13]
実施例5で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、アクリディック BZ−1160(DIC社製、特殊アクリル樹脂)0.22重量部、硬化剤として、アクリディック BZ−1163(DIC社製)0.06重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、厚さ120μmのPET基板上に、室温にて塗布し、150℃の温度下、15分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:86.2%
ヘイズ値:6.6%
表面抵抗値:9.1×10Ω/□
[実施例14]
実施例4で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、アクリディック BZ−1161(DIC社製、特殊アクリル樹脂)0.22重量部、硬化剤として、アクリディック BZ−1163(DIC社製)0.05重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、200℃の温度下、35分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:88.7%
ヘイズ値:0.3%
表面抵抗値:9.1×10Ω/□
[実施例15]
実施例5で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、オリコックス KC−1700(共栄社化学社製、アクリル樹脂)0.10重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、130℃の温度下、30分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:93.1%
ヘイズ値:5.7%
表面抵抗値:2.3×10Ω/□
[実施例16]
実施例5で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、オリコックス KC−7000(共栄社化学社製、アクリル樹脂)0.10重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、130℃の温度下、30分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:89.8%
ヘイズ値:8.3%
表面抵抗値:5.2×10Ω/□
[実施例17]
実施例6で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、オリコックス KC−500(共栄社化学社製、アクリル樹脂)0.22重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、130℃の温度下、30分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:88.0%
ヘイズ値:1.1%
表面抵抗値:4.5×10Ω/□
[実施例18]
実施例8で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、オリコックス KC−800(共栄社化学社製、アクリル樹脂)0.25重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、130℃の温度下、30分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:91.8%
ヘイズ値:2.8%
表面抵抗値:1.1×10Ω/□
[実施例19]
実施例5で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、オリコックス KC−916(共栄社化学社製、アクリル樹脂)0.20重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、130℃の温度下、30分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:90.4%
ヘイズ値:4.1%
表面抵抗値:7.3×10Ω/□
[実施例20]
実施例5で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、オリコックス KC−181(共栄社化学社製、アクリル樹脂)0.50重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、200℃の温度下、35分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:88.1%
ヘイズ値:0.8%
表面抵抗値:1.8×10Ω/□
[実施例21]
実施例9で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、アクリディック BZ−1161(DIC社製、特殊アクリル樹脂)0.22重量部、硬化剤として、アクリディック BZ−1163(DIC社製)0.05重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、200℃の温度下、35分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:87.5%
ヘイズ値:1.3%
表面抵抗値:7.4×10Ω/□
[実施例22]
実施例10で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、アクリディック BZ−1161(DIC社製、特殊アクリル樹脂)0.22重量部、硬化剤として、アクリディック BZ−1163(DIC社製)0.05重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、200℃の温度下、35分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:89.1%
ヘイズ値:1.7%
表面抵抗値:5.1×10Ω/□
[比較例2]
比較例1で得た分散液10重量部に、バインダ樹脂として、オリコックス KC−1700(共栄社化学社製、アクリル樹脂)0.10重量部を加え、30分攪拌して、透明導電性塗料を得た。この透明導電性塗料をバーコーター(#3)により、ガラス基板上に、室温にて塗布し、130℃の温度下、30分加熱処理し、透明導電膜を得た。
全光線透過率:82.7%
ヘイズ値:8.3%
表面抵抗値:5.2×1012Ω/□
実施例及び比較例が示すように、実施例の導電膜は表面抵抗が低く、導電性が優れるが、比較例の導電膜は表面抵抗が高く、導電性が低い。
本発明の導電膜及び積層体は、ガラス、プラスチック等の帯電防止やほこりの付着防止に有効である。また、ディスプレイ装置の表示面、その表面カバー材料、窓ガラス、ショーウィンドガラス、計器のカバー材料、クリーンルームの床材・壁材、及び半導体の包装材料等のように、静電気帯電防止効果や電磁波遮蔽効果を必要とする部材に利用できる。加えて、タッチパネル、液晶、EL等の透明電極等にも応用できる。
製造例1で得られた酸化物粒子のX線回折を示す図である。 製造例2で得られた酸化物粒子のX線回折を示す図である。 製造例3で得られた酸化物粒子のX線回折を示す図である。 比較製造例1で得られた酸化物粒子のX線回折を示す図である。

Claims (6)

  1. 金属サイトにInとSnとZnとが存在するコランダム構造の酸化物を含む酸化物導電性材料微粒子を溶媒に分散させた分散液であって、
    前記酸化物導電性材料微粒子における酸素を除く組成が20mol%≦In≦70mol%、5mol%≦Sn≦60mol%、5mol%≦Zn≦60mol%であることを特徴とする分散液。
  2. 前記酸素を除く組成が30mol%≦In≦60mol%、15mol%≦Sn≦60mol%、5mol%≦Zn≦50mol%であることを特徴とする請求項1に記載の分散液。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の分散液を含むことを特徴とする導電性塗料。
  4. 金属サイトにInとSnとZnとが存在するコランダム構造の酸化物を含む酸化物導電性材料微粒子を含み、
    前記酸化物導電性材料微粒子における酸素を除く組成が20mol%≦In≦70mol%、5mol%≦Sn≦60mol%、5mol%≦Zn≦60mol%であること
    を特徴とすることを特徴とする導電膜。
  5. 前記酸素を除く組成が30mol%≦In≦60mol%、15mol%≦Sn≦60mol%、5mol%≦Zn≦50mol%であることを特徴とする請求項4に記載の導電膜。
  6. 基板と、
    この基板の上面に直接又は中間膜を介して形成された請求項4又は請求項5に記載の導電膜と、
    を含むことを特徴とする積層体。
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