JPH10334729A - 導電性フィルム - Google Patents
導電性フィルムInfo
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- JPH10334729A JPH10334729A JP9140640A JP14064097A JPH10334729A JP H10334729 A JPH10334729 A JP H10334729A JP 9140640 A JP9140640 A JP 9140640A JP 14064097 A JP14064097 A JP 14064097A JP H10334729 A JPH10334729 A JP H10334729A
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Abstract
成体の優れた点を生かしつつ、加熱による分解ガスの発
生が少なく、かつ低湿度下でも充分な帯電防止性を付与
する導電性フィルムを提供することにある。 【解決手段】 支持体と硫黄原子および酸素原子を含む
導電性高分子を含有する導電層を有する導電性フィルム
であって、該フィルムを空気中で260℃で加熱した時
に発生するガス中の硫黄酸化物及び窒素化合物の濃度が
0.05mg/g以下であり、且つ導電層の初期表面抵
抗値が25℃、15%RHで105 〜10 12Ω/□であ
ることを特徴とする導電性フィルム。
Description
関するものであり、さらに詳しくは、低湿度下でも帯電
防止性および導電性に優れ、且つ熱分解によるガスの発
生が少ない導電性フィルムに関するものであり、磁気テ
ープ、OHP、シールド材、LCD、感熱紙、受像紙、
写真フィルム、刷版等の工業用フィルムまたはキャリア
テープ、トレー、マガジン、IC・LSIパッケージ等
の包装用フィルム等に使用するのに適した導電性フィル
ムに関するものである。
熱可塑性フィルムは、耐熱性、寸法安定性、機械的強度
等に優れるため、工業用フィルムや包装用フィルム等と
して多量かつ広い範囲に使われている。また、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等は耐熱性は劣
るが、成形性の良さ、安価である等の理由で包装材料と
して一般的に用いられている。このような合成樹脂は一
般的に疎水性であるため、合成樹脂からなる構造形成体
の表面に静電気が発生しやすく、埃等が表面に付着しや
すくなり、様々な問題が生じる。
電防止剤として、界面活性剤が用いられるが、界面活性
剤では塵、埃等の付着を抑制するのに充分な表面抵抗
(10 10Ω/□以下)が得られないのみならず、帯電防
止能が周囲の湿気や水分の影響を受け変化しやすい。特
に、界面活性剤により低下したフィルムの表面抵抗が、
低湿度下では大幅に増大して所望の帯電防止能が得られ
なくなる等の欠点がある。
表面へ埃の付着が起こり、様々なトラブルの原因とな
る。ハイテク化した今日においては、低湿度環境下での
静電気障害のないフィルムが求められつつあり、そのた
めには低湿度下で1010Ω/□以下の表面抵抗値を有す
るフィルムの出現が望まれている。また、インラインコ
ート法や2次加工等で200℃以上の高温をかけた場
合、導電層中の組成が分解して、導電性が悪くなり、制
電性がなくなる等の問題があった。
に着目して鋭意研究の結果なされたものであり、その目
的は、本来の熱可塑性フィルムのような構造形成体の優
れた点を生かしつつ、低湿度下でも静電気障害を克服す
るに充分な帯電防止能を持ち、且つインラインコート法
や2次加工等で200℃以上の高温をかけた場合でも熱
分解による発生ガスが少なく、帯電防止性および透明性
を失わない安価な導電性フィルムを提供することにあ
る。
有する。 (1)支持体と硫黄原子および窒素原子を含む導電性高
分子を含有する導電層を有する導電性フィルムであっ
て、該フィルムを空気中で260℃で加熱した時に発生
するガス中の硫黄酸化物および窒素化合物の濃度が0.
05mg/g以下であり、且つ導電層の初期表面抵抗値
が25℃、15%RHで105 〜1012Ω/□であるこ
とを特徴とする導電性フィルム。 (2)導電層の光線透過率が、80%以上であることを
特徴とする上記(1)記載の導電性フィルム。 (3)導電性高分子がポリアニリンまたはその誘導体で
あることを特徴とする上記(1)または(2)記載の導
電性フィルム。 (4)ポリアニリンまたはその誘導体が、アルコキシ基
置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とするスルホン
化ポリアニリンであることを特徴とする上記(3)記載
の導電性フィルム。 (5)アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸が、
アミノアニソールスルホン酸であることを特徴とする上
記(4)記載の導電性フィルム。 (6)支持体が、熱可塑性フィルムであることを特徴と
する上記(1)記載の導電性フィルム。 (7)熱可塑性フィルムが、ポリエステルフィルムであ
ることを特徴とする上記(6)記載の導電性フィルム。 (8)ポリエステルフィルムが、ポリエステルと該ポリ
エステルに非相溶な熱可塑性樹脂との混合物からなるフ
ィルムを少なくとも一軸延伸してなる空洞含有ポリエス
テルフィルムであることを特徴とする上記(7)記載の
導電性フィルム。
本発明の導電性フィルムは支持体と硫黄原子および窒素
原子を含む導電性高分子を含有する導電層とを含むもの
であり、該フィルムを空気中で260℃で加熱した時に
発生するガス中の硫黄酸化物および窒素化合物の濃度が
0.05mg/g以下であり、且つ導電層の初期表面抵
抗値が25℃、15%RHで105 〜1012Ω/□の性
能を有するものである。
した時に発生するガス中の硫黄酸化物および窒素化合物
の濃度が0.05mg/gを超えると、導電層中の硫黄
原子および窒素原子を含む導電性高分子が分解してしま
い、高温度下あるいは高温加熱後の導電性がなくなる。
発生ガス中の硫黄酸化物および窒素化合物の濃度は、導
電性フィルムの試料0.1gを空気中にて260℃で加
熱し、発生ガスを補集液(0.05N、NaOH水溶
液)に吸収させて、イオンクロマト法で測定した。
硫黄、一酸化硫黄等であり、窒素化合物とは、二酸化窒
素、一酸化窒素、アンモニア、アミン等である。
層はその初期表面抵抗値が、25℃、15%RHで、1
05 Ω/□未満の場合、透明性が失われたり、導電層が
脆くなる。逆に1012Ω/□を超える場合、導電性が不
充分であるため帯電防止効果が期待できない。導電層の
初期表面抵抗値は三菱油化(株)製表面抵抗測定器 Hir
esta HT−210を用い、印加電圧500V、25℃
にて15%RHの条件下で測定した。
と、フィルムの透明性を損なってしまう傾向にある。光
線透過率は、日本電色工業(株)製1001DPを用い
て、JIS K−7105に準じて測定した。
テル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン等の
熱可塑性樹脂単独または2種以上の混合物を加熱混練
し、ダイから押し出し延伸して得られたフィルム、また
は上記の熱可塑性フィルムと当該熱可塑性フィルムに非
相溶な熱可塑性樹脂との混合物からなるフィルムを少な
くとも一軸延伸してなる空洞含有フィルム等が挙げられ
る。熱可塑性フィルムに非相溶な熱可塑性樹脂として
は、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レン等が挙げられる。
リエステルフィルム、およびポリエステルと該ポリエス
テルに非相溶な熱可塑性樹脂との混合物からなるフィル
ムを少なくとも一軸延伸してなる空洞含有ポリエステル
フィルムであることが好ましく、中でもポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルムが好ましい。支持体の
厚さとしては、通常10〜250m、好ましくは20〜
200mである。
素原子を含む導電性高分子を含有する層である。本発明
で使用される導電性高分子としては、例えば、ポリアニ
リンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体
等が挙げられるが、中でもポリアニリンまたはその誘導
体、特にアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を
主成分とするスルホン化ポリアニリンが、溶媒への溶解
性、安定性の点で好ましい。
酸としては、例えば、2−アミノアニソール−3−スル
ホン酸、2−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−
アミノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソ
ール−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2−ス
ルホン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3
−アミノアニソール−5−スルホン酸、3−アミノアニ
ソール−6−スルホン酸、4−アミノアニソール−2−
スルホン酸、4−アミノアニソール−3−スルホン酸等
のアミノアニソールスルホン酸、これらのアミノアニソ
ールスルホン酸のメトキシ基がエトキシ基、iso−プ
ロポキシ基等のメトキシ基以外のアルコキシ基に置換さ
れた化合物が挙げられる。これらのアミノアニソールス
ルホン酸のメトキシ基がエトキシ基、iso−プロポキ
シ基等のメチル基以外のアルコキシ基に置換された化合
物が挙げられる。これらの中でも、溶媒への溶解性の点
で、アミノアニソールスルホン酸が好ましく、特に2−
アミノアニソール−3−スルホン酸、2−アミノアニソ
ール−4−スルホン酸、2−アミノアニソール−5−ス
ルホン酸、2−アミノアニソール−6−スルホン酸、3
−アミノアニソール−2−スルホン酸、3−アミノアニ
ソール−4−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−
スルホン酸が好ましい。
キシ基置換アミノベンゼンスルホン酸以外の成分を含ん
でいてもよく、例えば、アルコキシ基置換アミノベンゼ
ンカルボン酸等が挙げられる。アルコキシ基置換アミノ
ベンゼンスルホン酸の割合は、スルホン化ポリアニリン
に対して50〜100%、好ましくは80〜100%で
ある。
が芳香族環に対して、好ましくは50モル%以上、より
好ましくは80モル%以上、特に好ましくは100モル
%である。また、スルホン酸基を含む芳香族環と含まな
い芳香族環が混在したり、交互に並んだりしてもかまわ
ない。
有率が50モル%未満である場合、導電層塗布液の調製
時に、スルホン化ポリアニリンの水、アルコールまたは
それらの混合溶媒系等への溶解性または分散性が不充分
になり、結果としてこれを含有する塗布液の支持体への
塗布性および延展性が悪くなり、得られる導電層の導電
性が低下して、帯電防止能が低下する傾向になるので好
ましくない。
は、好ましくは5000〜20000であり、この範囲
内であると上記したような溶媒への溶解性(または分散
性)や、得られる導電層の強度の点で好ましい。
電層の導電性および機械的特性から、導電層中、好まし
くは5〜30重量%、より好ましくは8〜15重量%で
ある。
外に、導電層塗布液の塗布性、延展性や、得られる導電
層の硬度の向上の点から共重合ポリエステル樹脂を含有
することが好ましく、特に支持体への密着性、導電性高
分子との相溶性の点から、スルホン酸基および/または
そのアルカリ金属塩基を有する共重合ポリエステル(以
下、スルホン酸基含有共重合ポリエステルともいう)で
あることが好ましい。
は、ジカルボン酸成分および/またはグリコール成分の
一部として、スルホン酸基および/またはそのアルカリ
金属塩基を有するジカルボン酸成分および/またはグリ
コール成分を使用したポリエステルをいう。中でも、導
電層の表面硬度が高くなるという点で、スルホン酸基お
よび/またはそのアルカリ金属塩基を有する芳香族ジカ
ルボン酸成分を、全酸成分に対して4〜10モル%の割
合で配合して重合した共重合ポリエステルが好ましい。
スルホン酸基および/またはアルカリ金属塩基を有する
芳香族ジカルボン酸成分としては、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸が好適である。
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、p−β−オキシエトキ
シ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−ジカルボキシジフェニル、4,4’−ジカルボキ
シベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エ
タン、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−1,
4−ジカルボン酸等が挙げられる。得られる導電層の表
面硬度の向上の点から、テレフタル酸、イソフタル酸が
好ましい。
ールが主として用いられ、この他に、プロピレングリコ
ール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビス
フェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等が用いられ得る。中でも、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール等を共重合成分としたポリエステルは、スルホン化
ポリアニリンとの相溶性が向上するという点で好まし
い。
結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合
等を有するジカルボン酸成分、グリコール成分を含んで
も良い。また、導電層の表面硬度をさらに向上させるた
めに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の多カ
ルボキシ基含有モノマーを、全ジカルボン酸成分中、5
モル%以下の割合で共重合成分として用いることも可能
である。5モル%を超える場合には、得られるスルホン
酸基含有共重合ポリエステルが熱的に不安定となり、ゲ
ル化しやすく、本発明の導電層の成分として好ましくな
い。
は、例えば、上記ジカルボン酸成分、上記グリコール成
分、および必要に応じて、上記多カルボキシル基含有モ
ノマーを用いて、常法により、エステル交換反応、重縮
合反応等を行うことにより得られる。得られたスルホン
酸基含有共重合ポリエステルは、例えば、n−ブチルセ
ロソルブ等の溶媒とともに加熱攪拌され、さらに攪拌し
ながら徐々に水を加えることにより、水溶液または水分
散液として用いられ得る。
の含有量は、得られる導電性フィルムの導電性および機
械的特性から、導電性高分子100重量部に対して50
〜2000重量部が好ましく、さらに好ましくは100
〜1500重量部、最も好ましくは200〜1000重
量部である。
ず、導電性高分子およびスルホン酸基含有共重合ポリエ
ステルを溶媒に溶解または分散させて塗布液を調製す
る。ここで、導電性高分子の使用量は溶剤100重量部
に対して好ましくは0.01〜10重量部、より好まし
くは0.1〜2重量部である。導電性高分子の使用量が
0.01重量部未満では、溶液の長期保存性が悪くな
り、得られた導電層表面にピンホールが発生しやすくな
って導電性が劣る傾向にあり、逆に、使用量が10重量
部を超えるとスルホン化ポリアニリンの水又は水/有機
溶媒系への溶解性または分散性や、塗布液の塗布性が悪
くなる傾向があり、好ましくない。
ルの使用量は、得られる導電層の導電性および機械的特
性から、導電性高分子100重量部に対して200〜1
500重量部が好ましく、さらに好ましくは500〜1
200重量部、最も好ましくは800〜1000重量部
である。
等の支持体を溶解または膨潤させないならば、いかなる
有機溶媒も使用可能であるが、水または水/アルコール
等の有機溶媒との混合溶媒が、使用環境面で好ましいの
みならず、支持体への塗布性および導電性が向上する場
合もある。有機溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン類、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ等のセロソルブ類、メチルプロピレングリコー
ル、エチルプロピレングリコール等のプロピレングリコ
ール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等のアミド類、N−メチルピロリドン、N−エチルピロ
リドン等のピロリドン類等が好ましく用いられる。これ
らの有機溶媒は、水と任意の割合で混合して用いられ
る。具体的には、水/メタノール、水/エタノール、水
/プロパノール、水/イソプロパノール、水/メチルプ
ロピレングリコール、水/エチルプロピレングリコール
等を挙げることができ、その割合は水/有機溶媒=1/
10〜10/1が好ましい。
常、導電性高分子100重量部に対して、1000〜2
0000重量部である。溶剤の使用量が極端に多い場合
は、得られる導電層の塗布性が悪くなる恐れがある。従
って、導電層にピンホールが発生しやすくなり、導電性
が低下、すなわち帯電防止性が低下する恐れがある。溶
剤の使用量が極端に少ない場合は、この導電性高分子の
上記溶剤への溶解性または分散性が不十分となり、得ら
れる導電層の表面が平坦になりにくくなる恐れがある。
および延展性が優れており、得られる導電層の表面硬度
も良好であるが、上記溶剤に可溶な界面活性剤および/
または高分子化合物をさらに併用することにより、濡れ
性の悪い熱可塑性フィルムへの塗布も可能となる。ま
た、界面活性剤の添加により導電層の耐熱性が改良され
る傾向にある。これは導電層の厚み方向の物理構造が変
化しているものと推定される。
キシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤およびフルオ
ロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン
酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフ
ルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキ
ルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素系界面活性
剤が用いられる。
0重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部
である。含有量が10重量部を超えると導電層中の界面
活性剤が裏移りして、2次加工等で問題を生じることが
ある。
アクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹
脂;水酸基またはカルボン酸基を有する水溶性または水
分散性共重合ポリエステル;ポリアクリル酸、ポリメタ
クリル酸等のアクリル酸樹脂;ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル酸エステル
樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等のエステル樹脂;ポリスチレン、ポリ−α
−メチルスチレン、ポリクロロメチルスチレン、ポリス
チレンスルホン酸、ポリビニルフェノール等のスチレン
樹脂;ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエ
ーテル等のビニルエーテル樹脂;ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等の
ポリビニルアルコール類;ノボラック、レゾール等のフ
ェノール樹脂等が用いられ得る。中でも導電性高分子が
スルホン化ポリアニリンである場合には、これとの相溶
性が良好となる点、およびポリエステル等からなる支持
体との接着性の点から水酸基またはカルボン酸基を有す
る水溶性または水分散性共重合ポリエステル、ポリビニ
ルアルコール類が好ましい。
0重量部に対して、好ましくは0〜1000重量部、よ
り好ましくは0〜500重量部である。高分子化合物の
量が1000重量部を超える場合、導電性高分子による
導電層の導電性が発現されず、本来の帯電防止機能が発
揮されない。
加剤が含まれ得る。このような添加剤としては、TiO
2 、SiO2 、カオリン、CaCO3 、Al2 O3 、B
aSO4 、ZnO、タルク、マイカ、複合粒子等の無機
粒子;ポリスチレン、ポリアクリレート、またはそれら
の架橋体で構成される有機粒子等が挙げられる。導電性
のさらなる向上を目的として、SnO2 、ZnOの粉
末、それらを被覆した無機粒子(TiO2 、BaSO4
等)、カーボンブラック、黒鉛、カーボン繊維等のカー
ボン系導電性フィラー等を添加することも可能である。
上記添加剤の含有量は、導電性高分子100重量部に対
して、4000重量部以下の割合であることが好まし
い。4000重量部を超える場合には、導電層の粘度が
高くなって塗布ムラの原因となるおそれがある。
は、導電層塗布液をグラビアロールコーティング法、リ
バースロールコーティング法、ナイフコータ法、ディッ
プコート法、スピンコート法等により塗布する方法があ
るが、特に制限されない。フィルムへの塗布を製膜工程
内で同時に行うインラインコート法と製膜ロール製造後
独立して行うオフラインコート法があるが、本発明で用
いる導電層は熱分解ガスの発生が少ないため用途に応じ
て好ましい方法を選ぶことが可能で、特に制限はない。
0g/m2 、特に、0.05〜0.3g/m2 となるよ
うに塗布することが好ましい。塗布量が少なすぎると導
電性が不充分となるおそれがあり、逆に多すぎると透明
性が損なわれるおそれがある。
本発明はこれに限定されない。尚、部とあるのは重量部
を意味する。また本発明に用いる評価法を以下に示す。
10を用い印加電圧500V、25℃、15%RHおよ
び60%RHの条件下で測定した。
よび260℃で加熱し、発生したガスを補集液(0.0
5N、NaOH水溶液)に吸収させて、硫黄酸化物およ
び窒素化合物の定量をイオンクロマト法で行った。
さらにその分散液を調製した。まず、ジカルボン酸成分
としてジメチルテレフタレート46モル%、ジメチルイ
ソフタレート47モル%および5−スルホイソフタル酸
ナトリウム7モル%を使用し、グリコール成分としてエ
チレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコ
ール50モル%を用いて、常法によりエステル交換反応
および重縮合反応を行った。得られたスルホン酸基含有
ポリエステルのガラス転移温度は69℃であった。この
スルホン酸基含有ポリエステル300部とn−ブチルセ
ロソルブ150部とを加熱攪拌して、粘稠な溶液とし、
さらに攪拌しつつ水550部を徐々に加えて、固形分3
0重量%の均一な淡白色の水分散液を得た。この分散液
をさらに水とイソプロパノールの等量混合液中に加え、
固形分が8重量%のスルホン酸基含有ポリエステル水分
散液を調製した。
を23℃で4モル/リットルのアンモニア水溶液に攪拌
溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmol
の水溶液を滴下した。滴下終了後23℃で10時間さら
に攪拌した後、反応生成物を濾別洗浄、乾燥し、粉末状
のスルホン化ポリアニリンを13g得た。このスルホン
化ポリアニリンのスルホン酸基の含有量は100%であ
り、また体積固有抵抗値は12.3Ωcmであった。こ
のスルホン化ポリアニリン3部を0.3モル/リットル
の硫酸水溶液100部に室温で攪拌溶解して、スルホン
化ポリアニリン溶解液を調製した。
ppmで分散されたポリエチレンテレフタレートを29
0℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで冷却し
て、厚さ約185μmの未延伸フィルムを得た。この未
延伸フィルムを、85℃に加熱された周速の異なる一対
のロール間で縦方向(フィルムの進行方向)に3.4倍
延伸して、厚さ50μmの基材フィルムとした。
ルホン酸基含有ポリエステル水分散液を、スルホン化ポ
リアニリンとスルホン酸基含有ポリエステルの固形分比
が10/90(重量比)となるように混合し、さらに、
界面活性剤エマルゲン810(花王(株)製)をスルホ
ン化ポリアニリンとの比が7/100(重量比)になる
ように添加し、導電層塗布液を調製した。この導電層塗
布液を上記の基材フィルムの片面上に熱風乾燥機で乾燥
後の塗布量が0.1g/m2 になるように塗布し、16
0℃で1分間乾燥することにより導電層を形成し、導電
性フィルムを得た。
散液のポリエステルのジカルボン酸成分を、ジメチルテ
レフタレート47モル%、ジメチルイソフタレート48
モル%、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル%に
したこと以外は、実施例1と同様にしてスルホン酸基含
有ポリエステル水分散液を調製し、かつスルホン化ポリ
アニリン溶解液の硫酸水溶液の濃度を0.30モル/リ
ットルとしたこと以外は、実施例1と同様にしてスルホ
ン化ポリアニリン溶解液を調製し、次いで実施例1と同
様にして導電層を形成して、導電性フィルムを得た。
びスルホン酸基含有ポリエステル水分散液を、スルホン
化ポリアニリンとスルホン酸基含有ポリエステルの固形
分比が20/80(重量比)となるように混合し、さら
に、界面活性剤エマルゲン810(花王(株)製)をス
ルホン化ポリアニリンとの比が30/100(重量比)
になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にし
て導電層塗布液を調製し、次いで実施例1と同様にして
導電層を形成して、導電性フィルムを得た。
有ポリエステル水分散液で、固形分濃度を1重量%にし
たスルホン酸基含有ポリエステル水分散液とスルホン化
ポリアニリン溶解液を用い、既に4.5倍に2軸延伸さ
れたフィルムに塗布し、160℃で1分間乾燥して、本
発明の導電性フィルムを作製した。
タットSA−9(三洋化成工業(株))を用いた以外
は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
ックスASE−720(第一工業製薬)を用いた以外
は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
タットSA−9(三洋化成工業(株))を用いた以外
は、実施例4と同様にして導電性フィルムを得た。
ックスASE−720(第一工業製薬)を用いた以外
は、実施例4と同様にして導電性フィルムを得た。
た導電性フィルムについて、導電層の表面抵抗値および
該フィルムを220℃、260℃でそれぞれ加熱した時
の熱分解ガスの発生量を測定した。その結果を表1に示
す。
導電性フィルムの何れも、低湿度における導電層の表面
抵抗値は低く、充分な帯電防止性を有し、且つ該フィル
ムが熱分解した時の硫黄酸化物および窒素化合物の発生
量も0.05mg/g以下であった。一方、比較例1、
3は熱分解ガスの発生は少なかったが、低湿度における
導電層の表面抵抗値が大きく、帯電防止性が不十分であ
った。また、比較例2、4は低湿度における導電層の表
面抵抗値がやや大きくなり、帯電防止性が不十分であ
り、且つ該フィルムが熱分解した時の硫黄酸化物の発生
量が0.05mg/g以上あった。
の導電性フィルムは、熱分解によって発生するガスに含
まれる硫黄酸化物および窒素化合物の発生が少なく、且
つ低湿度下でも優れた帯電防止性を発揮する。本発明の
導電性フィルムは、磁気テープ、OHP用フィルム、シ
ールド材、LCD、感熱紙、受像紙、写真フィルム、刷
版等の導電層等の各種工業用フィルムやキャリアテー
プ、トレー、マガジン、LC・LSIパッケージ等の各
種包装用フィルム等に使用するのに好適である。
Claims (8)
- 【請求項1】 支持体と硫黄原子および窒素原子を含む
導電性高分子を含有する導電層を有する導電性フィルム
であって、該フィルムを空気中で260℃で加熱した時
に発生するガス中の硫黄酸化物および窒素化合物の濃度
が0.05mg/g以下であり、且つ導電層の初期表面
抵抗値が25℃、15%RHで105〜1012Ω/□で
あることを特徴とする導電性フィルム。 - 【請求項2】 導電層の光線透過率が、80%以上であ
ることを特徴とする請求項1記載の導電性フィルム。 - 【請求項3】 導電性高分子がポリアニリンまたはその
誘導体であることを特徴とする請求項1または2記載の
導電性フィルム。 - 【請求項4】 ポリアニリンまたはその誘導体が、アル
コキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とする
スルホン化ポリアニリンであることを特徴とする請求項
3記載の導電性フィルム。 - 【請求項5】 アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホ
ン酸が、アミノアニソールスルホン酸であることを特徴
とする請求項4記載の導電性フィルム。 - 【請求項6】 支持体が、熱可塑性フィルムであること
を特徴とする請求項1記載の導電性フィルム。 - 【請求項7】 熱可塑性フィルムが、ポリエステルフィ
ルムであることを特徴とする請求項6記載の導電性フィ
ルム。 - 【請求項8】 ポリエステルフィルムが、ポリエステル
と該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂との混合物か
らなるフィルムを少なくとも一軸延伸してなる空洞含有
ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項7
記載の導電性フィルム。
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---|---|---|---|
JP14064097A JP3726425B2 (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 導電性塗布液及びこれを用いて形成された導電性フィルム |
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JP14064097A JP3726425B2 (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 導電性塗布液及びこれを用いて形成された導電性フィルム |
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JPH10334729A true JPH10334729A (ja) | 1998-12-18 |
JP3726425B2 JP3726425B2 (ja) | 2005-12-14 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3726425B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005019056A (ja) * | 2003-06-24 | 2005-01-20 | Toray Ind Inc | 複合透明導電性基材とそれを用いたディスプレイ |
JP2005332754A (ja) * | 2004-05-21 | 2005-12-02 | Kri Inc | 透明導電膜形成用塗布液及び透明導電膜 |
JP2006282942A (ja) * | 2005-04-04 | 2006-10-19 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 透明導電性コーティング用組成物、これを塗布してなる透明導電性フィルムおよびその製造方法 |
JP2006282941A (ja) * | 2005-04-04 | 2006-10-19 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 帯電防止コーティング用組成物、これを塗布してなる帯電防止フィルムおよびその製造方法 |
-
1997
- 1997-05-29 JP JP14064097A patent/JP3726425B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005332754A (ja) * | 2004-05-21 | 2005-12-02 | Kri Inc | 透明導電膜形成用塗布液及び透明導電膜 |
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JP2006282941A (ja) * | 2005-04-04 | 2006-10-19 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 帯電防止コーティング用組成物、これを塗布してなる帯電防止フィルムおよびその製造方法 |
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JP3726425B2 (ja) | 2005-12-14 |
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