JP3726425B2 - 導電性塗布液及びこれを用いて形成された導電性フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性フィルムに関するものであり、さらに詳しくは、低湿度下でも帯電防止性および導電性に優れ、且つ熱分解によるガスの発生が少ない導電性フィルムに関するものであり、磁気テープ、OHP、シールド材、LCD、感熱紙、受像紙、写真フィルム、刷版等の工業用フィルムまたはキャリアテープ、トレー、マガジン、IC・LSIパッケージ等の包装用フィルム等に使用するのに適した導電性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性フィルムは、耐熱性、寸法安定性、機械的強度等に優れるため、工業用フィルムや包装用フィルム等として多量かつ広い範囲に使われている。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等は耐熱性は劣るが、成形性の良さ、安価である等の理由で包装材料として一般的に用いられている。このような合成樹脂は一般的に疎水性であるため、合成樹脂からなる構造形成体の表面に静電気が発生しやすく、埃等が表面に付着しやすくなり、様々な問題が生じる。
【0003】
一般的に工業用フィルムや包装材料等の帯電防止剤として、界面活性剤が用いられるが、界面活性剤では塵、埃等の付着を抑制するのに充分な表面抵抗(1010Ω/□以下)が得られないのみならず、帯電防止能が周囲の湿気や水分の影響を受け変化しやすい。特に、界面活性剤により低下したフィルムの表面抵抗が、低湿度下では大幅に増大して所望の帯電防止能が得られなくなる等の欠点がある。
【0004】
その結果、工業用フィルムや包装材料等の表面へ埃の付着が起こり、様々なトラブルの原因となる。ハイテク化した今日においては、低湿度環境下での静電気障害のないフィルムが求められつつあり、そのためには低湿度下で1010Ω/□以下の表面抵抗値を有するフィルムの出現が望まれている。
また、インラインコート法や2次加工等で200℃以上の高温をかけた場合、導電層中の組成が分解して、導電性が悪くなり、制電性がなくなる等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に着目して鋭意研究の結果なされたものであり、その目的は、本来の熱可塑性フィルムのような構造形成体の優れた点を生かしつつ、低湿度下でも静電気障害を克服するに充分な帯電防止能を持ち、且つインラインコート法や2次加工等で200℃以上の高温をかけた場合でも熱分解による発生ガスが少なく、帯電防止性および透明性を失わない安価な導電性フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の特徴を有する。
(1)アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とし、かつスルホン酸基を芳香族環に対して50モル%以上有するスルホン化ポリアニリンを導電性高分子として含有する導電性塗布液。
(2)スルホン化ポリアニリン100重量部に対して50〜2000重量部のスルホン酸基含有共重合ポリエステルを更に含有することを特徴とする上記(1)記載の導電性塗布液。
(3)スルホン化ポリアニリン100重量部に対して0.001〜10重量部の界面活性剤を更に含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載の導電性塗布液。
(4)アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸が、アミノアニソールスルホン酸であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の導電性塗布液。
(5)支持体と硫黄原子および窒素原子を含む導電性高分子を含有する導電層を有する導電性フィルムであって、導電層が上記(1)〜(4)のいずれかに記載の導電性塗布液を用いて形成されたものであり、該フィルムを空気中で260℃で加熱した時に発生するガス中の硫黄酸化物および窒素化合物の濃度が0.05mg/g以下であり、且つ導電層の初期表面抵抗値が25℃、15%RHで105〜1012Ω/□であることを特徴とする導電性フィルム。
(6)導電層の光線透過率が、80%以上であることを特徴とする上記(5)記載の導電性フィルム。
(7)支持体が、熱可塑性フィルムであることを特徴とする上記(5)記載の導電性フィルム。
(8)熱可塑性フィルムが、ポリエステルフィルムであることを特徴とする上記(7)記載の導電性フィルム。
(9)ポリエステルフィルムが、ポリエステルと該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂との混合物からなるフィルムを少なくとも一軸延伸してなる空洞含有ポリエステルフィルムであることを特徴とする上記(8)記載の導電性フィルム。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の導電性フィルムは支持体と硫黄原子および窒素原子を含む導電性高分子を含有する導電層とを含むものであり、該フィルムを空気中で260℃で加熱した時に発生するガス中の硫黄酸化物および窒素化合物の濃度が0.05mg/g以下であり、且つ導電層の初期表面抵抗値が25℃、15%RHで105 〜1012Ω/□の性能を有するものである。
【0008】
導電性フィルムを空気中で260℃で加熱した時に発生するガス中の硫黄酸化物および窒素化合物の濃度が0.05mg/gを超えると、導電層中の硫黄原子および窒素原子を含む導電性高分子が分解してしまい、高温度下あるいは高温加熱後の導電性がなくなる。
発生ガス中の硫黄酸化物および窒素化合物の濃度は、導電性フィルムの試料0.1gを空気中にて260℃で加熱し、発生ガスを補集液(0.05N、NaOH水溶液)に吸収させて、イオンクロマト法で測定した。
【0009】
発生するガス中の硫黄酸化物とは、二酸化硫黄、一酸化硫黄等であり、窒素化合物とは、二酸化窒素、一酸化窒素、アンモニア、アミン等である。
【0010】
本発明の導電性フィルムにおいては、導電層はその初期表面抵抗値が、25℃、15%RHで、105 Ω/□未満の場合、透明性が失われたり、導電層が脆くなる。逆に1012Ω/□を超える場合、導電性が不充分であるため帯電防止効果が期待できない。
導電層の初期表面抵抗値は三菱油化(株)製表面抵抗測定器 Hiresta HT−210を用い、印加電圧500V、25℃にて15%RHの条件下で測定した。
【0011】
導電層の光線透過率が80%未満であると、フィルムの透明性を損なってしまう傾向にある。
光線透過率は、日本電色工業(株)製1001DPを用いて、JIS K−7105に準じて測定した。
【0012】
本発明における支持体としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂単独または2種以上の混合物を加熱混練し、ダイから押し出し延伸して得られたフィルム、または上記の熱可塑性フィルムと当該熱可塑性フィルムに非相溶な熱可塑性樹脂との混合物からなるフィルムを少なくとも一軸延伸してなる空洞含有フィルム等が挙げられる。
熱可塑性フィルムに非相溶な熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。
【0013】
支持体としては、フィルムの強度の点でポリエステルフィルム、およびポリエステルと該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂との混合物からなるフィルムを少なくとも一軸延伸してなる空洞含有ポリエステルフィルムであることが好ましく、中でもポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。
支持体の厚さとしては、通常10〜250m、好ましくは20〜200mである。
【0014】
本発明における導電層は硫黄原子または窒素原子を含む導電性高分子を含有する層である。本発明で使用される導電性高分子としては、例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体等が挙げられるが、中でもポリアニリンまたはその誘導体、特にアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とするスルホン化ポリアニリンが、溶媒への溶解性、安定性の点で好ましい。
【0015】
アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸としては、例えば、2−アミノアニソール−3−スルホン酸、2−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソール−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3−アミノアニソール−5−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−スルホン酸、4−アミノアニソール−2−スルホン酸、4−アミノアニソール−3−スルホン酸等のアミノアニソールスルホン酸、これらのアミノアニソールスルホン酸のメトキシ基がエトキシ基、iso−プロポキシ基等のメトキシ基以外のアルコキシ基に置換された化合物が挙げられる。これらのアミノアニソールスルホン酸のメトキシ基がエトキシ基、iso−プロポキシ基等のメチル基以外のアルコキシ基に置換された化合物が挙げられる。これらの中でも、溶媒への溶解性の点で、アミノアニソールスルホン酸が好ましく、特に2−アミノアニソール−3−スルホン酸、2−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソール−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−スルホン酸が好ましい。
【0016】
スルホン化ポリアニリンは、上記のアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸以外の成分を含んでいてもよく、例えば、アルコキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸等が挙げられる。アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸の割合は、スルホン化ポリアニリンに対して50〜100%、好ましくは80〜100%である。
【0017】
スルホン化ポリアニリンは、スルホン酸基が芳香族環に対して、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、特に好ましくは100モル%である。また、スルホン酸基を含む芳香族環と含まない芳香族環が混在したり、交互に並んだりしてもかまわない。
【0018】
スルホン化ポリアニリンのスルホン酸基含有率が50モル%未満である場合、導電層塗布液の調製時に、スルホン化ポリアニリンの水、アルコールまたはそれらの混合溶媒系等への溶解性または分散性が不充分になり、結果としてこれを含有する塗布液の支持体への塗布性および延展性が悪くなり、得られる導電層の導電性が低下して、帯電防止能が低下する傾向になるので好ましくない。
【0019】
スルホン化ポリアニリンの数平均分子量は、好ましくは5000〜20000であり、この範囲内であると上記したような溶媒への溶解性(または分散性)や、得られる導電層の強度の点で好ましい。
【0020】
上記導電性高分子の含有量は、得られる導電層の導電性および機械的特性から、導電層中、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは8〜15重量%である。
【0021】
本発明の導電層は、上述の導電性高分子以外に、導電層塗布液の塗布性、延展性や、得られる導電層の硬度の向上の点から共重合ポリエステル樹脂を含有することが好ましく、特に支持体への密着性、導電性高分子との相溶性の点から、スルホン酸基および/またはそのアルカリ金属塩基を有する共重合ポリエステル(以下、スルホン酸基含有共重合ポリエステルともいう)であることが好ましい。
【0022】
スルホン酸基含有共重合ポリエステルとは、ジカルボン酸成分および/またはグリコール成分の一部として、スルホン酸基および/またはそのアルカリ金属塩基を有するジカルボン酸成分および/またはグリコール成分を使用したポリエステルをいう。中でも、導電層の表面硬度が高くなるという点で、スルホン酸基および/またはそのアルカリ金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分を、全酸成分に対して4〜10モル%の割合で配合して重合した共重合ポリエステルが好ましい。スルホン酸基および/またはアルカリ金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好適である。
【0023】
他のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニル、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸等が挙げられる。得られる導電層の表面硬度の向上の点から、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
【0024】
グリコール成分としては、エチレングリコールが主として用いられ、この他に、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が用いられ得る。中でも、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等を共重合成分としたポリエステルは、スルホン化ポリアニリンとの相溶性が向上するという点で好ましい。
【0025】
この他、共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を有するジカルボン酸成分、グリコール成分を含んでも良い。また、導電層の表面硬度をさらに向上させるために、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の多カルボキシ基含有モノマーを、全ジカルボン酸成分中、5モル%以下の割合で共重合成分として用いることも可能である。5モル%を超える場合には、得られるスルホン酸基含有共重合ポリエステルが熱的に不安定となり、ゲル化しやすく、本発明の導電層の成分として好ましくない。
【0026】
上記スルホン酸基含有共重合ポリエステルは、例えば、上記ジカルボン酸成分、上記グリコール成分、および必要に応じて、上記多カルボキシル基含有モノマーを用いて、常法により、エステル交換反応、重縮合反応等を行うことにより得られる。得られたスルホン酸基含有共重合ポリエステルは、例えば、n−ブチルセロソルブ等の溶媒とともに加熱攪拌され、さらに攪拌しながら徐々に水を加えることにより、水溶液または水分散液として用いられ得る。
【0027】
上記スルホン酸基含有共重合ポリエステルの含有量は、得られる導電性フィルムの導電性および機械的特性から、導電性高分子100重量部に対して50〜2000重量部が好ましく、さらに好ましくは100〜1500重量部、最も好ましくは200〜1000重量部である。
【0028】
導電層は例えば次のように形成される。まず、導電性高分子およびスルホン酸基含有共重合ポリエステルを溶媒に溶解または分散させて塗布液を調製する。ここで、導電性高分子の使用量は溶剤100重量部に対して好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜2重量部である。導電性高分子の使用量が0.01重量部未満では、溶液の長期保存性が悪くなり、得られた導電層表面にピンホールが発生しやすくなって導電性が劣る傾向にあり、逆に、使用量が10重量部を超えるとスルホン化ポリアニリンの水又は水/有機溶媒系への溶解性または分散性や、塗布液の塗布性が悪くなる傾向があり、好ましくない。
【0029】
また、スルホン酸基含有共重合ポリエステルの使用量は、得られる導電層の導電性および機械的特性から、導電性高分子100重量部に対して200〜1500重量部が好ましく、さらに好ましくは500〜1200重量部、最も好ましくは800〜1000重量部である。
【0030】
使用される溶媒は、ポリエステルフィルム等の支持体を溶解または膨潤させないならば、いかなる有機溶媒も使用可能であるが、水または水/アルコール等の有機溶媒との混合溶媒が、使用環境面で好ましいのみならず、支持体への塗布性および導電性が向上する場合もある。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルプロピレングリコール、エチルプロピレングリコール等のプロピレングリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類等が好ましく用いられる。これらの有機溶媒は、水と任意の割合で混合して用いられる。具体的には、水/メタノール、水/エタノール、水/プロパノール、水/イソプロパノール、水/メチルプロピレングリコール、水/エチルプロピレングリコール等を挙げることができ、その割合は水/有機溶媒=1/10〜10/1が好ましい。
【0031】
溶剤の使用量は特に制限されないが、通常、導電性高分子100重量部に対して、1000〜20000重量部である。溶剤の使用量が極端に多い場合は、得られる導電層の塗布性が悪くなる恐れがある。従って、導電層にピンホールが発生しやすくなり、導電性が低下、すなわち帯電防止性が低下する恐れがある。溶剤の使用量が極端に少ない場合は、この導電性高分子の上記溶剤への溶解性または分散性が不十分となり、得られる導電層の表面が平坦になりにくくなる恐れがある。
【0032】
導電層塗布液は、上記成分のみでも塗布性および延展性が優れており、得られる導電層の表面硬度も良好であるが、上記溶剤に可溶な界面活性剤および/または高分子化合物をさらに併用することにより、濡れ性の悪い熱可塑性フィルムへの塗布も可能となる。また、界面活性剤の添加により導電層の耐熱性が改良される傾向にある。これは導電層の厚み方向の物理構造が変化しているものと推定される。
【0033】
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤およびフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素系界面活性剤が用いられる。
【0034】
界面活性剤の含有量は、導電性高分子100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部である。含有量が10重量部を超えると導電層中の界面活性剤が裏移りして、2次加工等で問題を生じることがある。
【0035】
上記高分子化合物としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂;水酸基またはカルボン酸基を有する水溶性または水分散性共重合ポリエステル;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のアクリル酸樹脂;ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル酸エステル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のエステル樹脂;ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリクロロメチルスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルフェノール等のスチレン樹脂;ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル等のビニルエーテル樹脂;ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール類;ノボラック、レゾール等のフェノール樹脂等が用いられ得る。中でも導電性高分子がスルホン化ポリアニリンである場合には、これとの相溶性が良好となる点、およびポリエステル等からなる支持体との接着性の点から水酸基またはカルボン酸基を有する水溶性または水分散性共重合ポリエステル、ポリビニルアルコール類が好ましい。
【0036】
上記高分子化合物量は、導電性高分子100重量部に対して、好ましくは0〜1000重量部、より好ましくは0〜500重量部である。高分子化合物の量が1000重量部を超える場合、導電性高分子による導電層の導電性が発現されず、本来の帯電防止機能が発揮されない。
【0037】
導電層塗布液には、上記の他に、種々の添加剤が含まれ得る。このような添加剤としては、TiO2 、SiO2 、カオリン、CaCO3 、Al2 O3 、BaSO4 、ZnO、タルク、マイカ、複合粒子等の無機粒子;ポリスチレン、ポリアクリレート、またはそれらの架橋体で構成される有機粒子等が挙げられる。導電性のさらなる向上を目的として、SnO2 、ZnOの粉末、それらを被覆した無機粒子(TiO2 、BaSO4 等)、カーボンブラック、黒鉛、カーボン繊維等のカーボン系導電性フィラー等を添加することも可能である。上記添加剤の含有量は、導電性高分子100重量部に対して、4000重量部以下の割合であることが好ましい。4000重量部を超える場合には、導電層の粘度が高くなって塗布ムラの原因となるおそれがある。
【0038】
支持体表面に導電層を形成する方法としては、導電層塗布液をグラビアロールコーティング法、リバースロールコーティング法、ナイフコータ法、ディップコート法、スピンコート法等により塗布する方法があるが、特に制限されない。フィルムへの塗布を製膜工程内で同時に行うインラインコート法と製膜ロール製造後独立して行うオフラインコート法があるが、本発明で用いる導電層は熱分解ガスの発生が少ないため用途に応じて好ましい方法を選ぶことが可能で、特に制限はない。
【0039】
導電層塗布液は、乾燥後、0.03〜1.0g/m2 、特に、0.05〜0.3g/m2 となるように塗布することが好ましい。塗布量が少なすぎると導電性が不充分となるおそれがあり、逆に多すぎると透明性が損なわれるおそれがある。
【0040】
【実施例】
次に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれに限定されない。尚、部とあるのは重量部を意味する。また本発明に用いる評価法を以下に示す。
【0041】
1)導電層の表面抵抗値
三菱油化(株)社製表面抵抗測定器 Hiresta HT−210を用い印加電圧500V、25℃、15%RHおよび60%RHの条件下で測定した。
【0042】
2)熱分解ガスの濃度
導電性フィルムの試料0.1gを空気中で、220℃および260℃で加熱し、発生したガスを補集液(0.05N、NaOH水溶液)に吸収させて、硫黄酸化物および窒素化合物の定量をイオンクロマト法で行った。
【0043】
実施例1
▲1▼スルホン酸基含有ポリエステル水分散液の調製
スルホン酸基含有ポリエステルを次の方法により合成、さらにその分散液を調製した。まず、ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレート46モル%、ジメチルイソフタレート47モル%および5−スルホイソフタル酸ナトリウム7モル%を使用し、グリコール成分としてエチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%を用いて、常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行った。得られたスルホン酸基含有ポリエステルのガラス転移温度は69℃であった。このスルホン酸基含有ポリエステル300部とn−ブチルセロソルブ150部とを加熱攪拌して、粘稠な溶液とし、さらに攪拌しつつ水550部を徐々に加えて、固形分30重量%の均一な淡白色の水分散液を得た。この分散液をさらに水とイソプロパノールの等量混合液中に加え、固形分が8重量%のスルホン酸基含有ポリエステル水分散液を調製した。
【0044】
▲2▼スルホン化ポリアニリン溶解液の調製
2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmolを23℃で4モル/リットルのアンモニア水溶液に攪拌溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後23℃で10時間さらに攪拌した後、反応生成物を濾別洗浄、乾燥し、粉末状のスルホン化ポリアニリンを13g得た。このスルホン化ポリアニリンのスルホン酸基の含有量は100%であり、また体積固有抵抗値は12.3Ωcmであった。このスルホン化ポリアニリン3部を0.3モル/リットルの硫酸水溶液100部に室温で攪拌溶解して、スルホン化ポリアニリン溶解液を調製した。
【0045】
▲3▼基材フィルムの作製
平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム微粒子が4000ppmで分散されたポリエチレンテレフタレートを290℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ約185μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、85℃に加熱された周速の異なる一対のロール間で縦方向(フィルムの進行方向)に3.4倍延伸して、厚さ50μmの基材フィルムとした。
【0046】
▲4▼導電層の形成
上記で調製したスルホン化ポリアニリン溶解液およびスルホン酸基含有ポリエステル水分散液を、スルホン化ポリアニリンとスルホン酸基含有ポリエステルの固形分比が10/90(重量比)となるように混合し、さらに、界面活性剤エマルゲン810(花王(株)製)をスルホン化ポリアニリンとの比が7/100(重量比)になるように添加し、導電層塗布液を調製した。この導電層塗布液を上記の基材フィルムの片面上に熱風乾燥機で乾燥後の塗布量が0.1g/m2 になるように塗布し、160℃で1分間乾燥することにより導電層を形成し、導電性フィルムを得た。
【0047】
実施例2
実施例1において、スルホン酸基含有ポリエステル水分散液のポリエステルのジカルボン酸成分を、ジメチルテレフタレート47モル%、ジメチルイソフタレート48モル%、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル%にしたこと以外は、実施例1と同様にしてスルホン酸基含有ポリエステル水分散液を調製し、かつスルホン化ポリアニリン溶解液の硫酸水溶液の濃度を0.30モル/リットルとしたこと以外は、実施例1と同様にしてスルホン化ポリアニリン溶解液を調製し、次いで実施例1と同様にして導電層を形成して、導電性フィルムを得た。
【0048】
実施例3
実施例1において、スルホン化ポリアニリン溶解液およびスルホン酸基含有ポリエステル水分散液を、スルホン化ポリアニリンとスルホン酸基含有ポリエステルの固形分比が20/80(重量比)となるように混合し、さらに、界面活性剤エマルゲン810(花王(株)製)をスルホン化ポリアニリンとの比が30/100(重量比)になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして導電層塗布液を調製し、次いで実施例1と同様にして導電層を形成して、導電性フィルムを得た。
【0049】
実施例4
導電層塗布液として、実施例1と同様のスルホン酸基含有ポリエステル水分散液で、固形分濃度を1重量%にしたスルホン酸基含有ポリエステル水分散液とスルホン化ポリアニリン溶解液を用い、既に4.5倍に2軸延伸されたフィルムに塗布し、160℃で1分間乾燥して、本発明の導電性フィルムを作製した。
【0050】
比較例1
導電層塗布液としてアニオン系帯電防止剤であるケミスタットSA−9(三洋化成工業(株))を用いた以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
【0051】
比較例2
導電層塗布液としてカチオン系帯電防止剤であるレオレックスASE−720(第一工業製薬)を用いた以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
【0052】
比較例3
導電層塗布液としてアニオン系帯電防止剤であるケミスタットSA−9(三洋化成工業(株))を用いた以外は、実施例4と同様にして導電性フィルムを得た。
【0053】
比較例4
導電層塗布液としてカチオン系帯電防止剤であるレオレックスASE−720(第一工業製薬)を用いた以外は、実施例4と同様にして導電性フィルムを得た。
【0054】
実施例1〜4および比較例1〜4で得られた導電性フィルムについて、導電層の表面抵抗値および該フィルムを220℃、260℃でそれぞれ加熱した時の熱分解ガスの発生量を測定した。その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
表1に示す様に、実施例1〜4で得られた導電性フィルムの何れも、低湿度における導電層の表面抵抗値は低く、充分な帯電防止性を有し、且つ該フィルムが熱分解した時の硫黄酸化物および窒素化合物の発生量も0.05mg/g以下であった。一方、比較例1、3は熱分解ガスの発生は少なかったが、低湿度における導電層の表面抵抗値が大きく、帯電防止性が不十分であった。また、比較例2、4は低湿度における導電層の表面抵抗値がやや大きくなり、帯電防止性が不十分であり、且つ該フィルムが熱分解した時の硫黄酸化物の発生量が0.05mg/g以上あった。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の導電性フィルムは、熱分解によって発生するガスに含まれる硫黄酸化物および窒素化合物の発生が少なく、且つ低湿度下でも優れた帯電防止性を発揮する。本発明の導電性フィルムは、磁気テープ、OHP用フィルム、シールド材、LCD、感熱紙、受像紙、写真フィルム、刷版等の導電層等の各種工業用フィルムやキャリアテープ、トレー、マガジン、LC・LSIパッケージ等の各種包装用フィルム等に使用するのに好適である。
Claims (9)
- アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とし、かつスルホン酸基を芳香族環に対して50モル%以上有するスルホン化ポリアニリンを導電性高分子として含有する導電性塗布液。
- スルホン化ポリアニリン100重量部に対して50〜2000重量部のスルホン酸基含有共重合ポリエステルを更に含有することを特徴とする請求項1記載の導電性塗布液。
- スルホン化ポリアニリン100重量部に対して0.001〜10重量部の界面活性剤を更に含有することを特徴とする請求項1または2記載の導電性塗布液。
- アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸が、アミノアニソールスルホン酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性塗布液。
- 支持体と硫黄原子および窒素原子を含む導電性高分子を含有する導電層を有する導電性フィルムであって、
導電層が請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性塗布液を用いて形成されたものであり、
該フィルムを空気中で260℃で加熱した時に発生するガス中の硫黄酸化物および窒素化合物の濃度が0.05mg/g以下であり、且つ導電層の初期表面抵抗値が25℃、15%RHで105〜1012Ω/□であることを特徴とする導電性フィルム。 - 導電層の光線透過率が、80%以上であることを特徴とする請求項5記載の導電性フィルム。
- 支持体が、熱可塑性フィルムであることを特徴とする請求項5記載の導電性フィルム。
- 熱可塑性フィルムが、ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項7記載の導電性フィルム。
- ポリエステルフィルムが、ポリエステルと該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂との混合物からなるフィルムを少なくとも一軸延伸してなる空洞含有ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項8記載の導電性フィルム。
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