JPH11116802A - 導電性組成物の製造法 - Google Patents

導電性組成物の製造法

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JPH11116802A
JPH11116802A JP28528197A JP28528197A JPH11116802A JP H11116802 A JPH11116802 A JP H11116802A JP 28528197 A JP28528197 A JP 28528197A JP 28528197 A JP28528197 A JP 28528197A JP H11116802 A JPH11116802 A JP H11116802A
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JP
Japan
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water
polyaniline
sulfonic acid
conductive composition
polyester
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Application number
JP28528197A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Abe
和洋 阿部
Juji Konagaya
重次 小長谷
Atsushi Hoshio
淳 星尾
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本来のポリエステルフィルムのような構造形
成体の優れた点を生かしつつ、その欠点である静電気障
害を克服するのに充分な帯電防止性を与える、水または
水/アルコール混合溶媒系に可溶または分散可能な導電
性組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 ポリアニリン及び/またはスルホン化ポ
リアニリン100重量部に対して、スルホン酸基及び/
またはそのアルカリ金属塩基の結合した水溶性または水
分散性共重合ポリエステルを10〜2000重量部、界
面活性剤を0.001〜1000重量部を含んでなる導
電性組成物において、溶媒に該界面活性剤、該共重合ポ
リエステル、前記ポリアニリン及び/またはスルホン化
ポリアニリンの順に添加、混合することを特徴とする導
電性組成物の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性組成物の製
造法に関するものであり、さらに詳しくはフィルム、プ
ラスチック、繊維等の構造形成体、特に、熱可塑性樹脂
フィルム、中でもポリエステルフィルムの表面に塗布、
スプレー、ディップ等を行い、湿度依存性がなく、帯電
防止性及び導電性を付与するのに優れた導電性組成物の
製造法に関するものである。具体的には、キャリアテー
プ、トレー、マガジン、IC・LSIパッケージ、導電
シート、シールド材、LCD、刷版、感熱材、写真用支
持体等の導電層等に使われる。
【0002】
【従来の技術】従来より、ナイロン、ポリエステル等
は、耐熱性、寸法安定性、機械的強度等に優れるため、
繊維、包装用フィルム、工業用フィルムとして、多量か
つ広い範囲に使われている。また、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル等は耐熱性は劣るが、成形
性の良さ、安価である等の理由で包装材料として一般的
に用いられている。合成樹脂は一般的に疎水性であるた
め、合成樹脂からなる構造形成体の表面に静電気が発生
しやすく、ほこり等が表面に付着しやすくなり、様々な
トラブルを引き起こしている。例えば、ポリエステルフ
ィルムから磁気テープを得る場合、磁気テープに静電気
が発生し、テープがまとわりついて作業性が悪くなった
り、磁気テープにほこりが付着して汚れやすくなり、そ
れに伴い信号のドロップアウトの増加等の問題が生じ
る。また、半導体素子等を取り扱う場合、その包装材料
等に帯電防止機能が付与されていないと、静電気により
半導体が破壊されるケースがある。その対策として磁気
テープや半導体素子の包装材料には、帯電防止剤が添加
または塗布されている。その方法としては、ポリエステ
ルフィルム等の絶縁基材に界面活性剤、炭素粉末、金属
粉末等の導電性物質を練り込む方法、粘着剤中に上記の
ような導電性物質を配合する方法、テープの背面に界面
活性剤その他の帯電防止剤をコーティングする方法、基
材と粘着材層との間にイオン導電性高分子からなる帯電
防止層を付与する方法等が一般的に行われている。導電
性物質である炭素粉末や金属粉末を基材に練り込んだ
り、あるいはそれらを配合する方法で充分な帯電防止性
を与えようとすると、基材の透明性が損なわれてしまう
欠点がある。たとえ、透明性を要求されない磁気テープ
の場合でも、炭素粉末を磁性粉と混合使用しなければな
らない結果、帯電防止能を向上させるに従い、磁気特性
の劣化が生じ、磁気密度の高密度化の観点から、炭素粉
末等の混合使用は回避することが好ましい。その他、一
般的にはフィルム、包装材料等の帯電防止剤として界面
活性剤が用いられるが、界面活性剤では塵、ほこり等の
付着を抑制するのに充分な表面抵抗(1010Ω/□以
下)が得られないのみならず、帯電防止能が周囲の湿気
や水分の影響を受け変化しやすい。特に界面活性剤によ
り低下したフィルムの表面抵抗が、低湿度下では大幅に
増大して所望の帯電防止能が得られなくなる欠点があ
る。その結果、フィルム、包装材料表面へのほこりの付
着が起こり、様々なトラブルの原因となる。よりハイテ
ク化した今日、低湿度環境下で静電気障害のないフィル
ムが求められつつあり、そのためには低湿度下で1010
Ω/□以下の表面抵抗値を与える帯電防止剤の出現が望
まれている。このような低表面抵抗値を与える素材とし
て、ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子が知
られているが、いずれも、特定の有機溶剤には可溶であ
るが、水や水/アルコール混合溶媒系には不溶または分
散不可であったため、芳香環にスルホン酸基を結合させ
る方法等が行われ、かつ単独では充分な膜特性が出ない
ため、水溶性または水分散性樹脂を混合する方法が行わ
れてきた。しかしスルホン化したポリアニリンとの相溶
性の悪い樹脂と混合すると膜表面が白濁してしまい、相
溶性の良い樹脂を用いた場合は所定の表面抵抗値が出な
いという問題が生じてしまう。また濡れ性を良くするた
めに界面活性剤を添加しているが、添加量が多いと、基
材の反対面に裏移りして、2次加工性を悪くしてしま
う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目して鋭意研究の結果なされたものであり、その
目的は、本来のポリエステルフィルムのような構造形成
体の優れた点を生かしつつ、低湿度下でも静電気障害を
克服するに充分な帯電防止能を与え、かつ透明性を失わ
ずに、水、または水/アルコール混合溶媒系に可溶また
は分散可能な導電性組成物の製造法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアニリン
及び/またはスルホン化ポリアニリン100重量部に対
して、スルホン酸基及び/またはそのアルカリ金属塩基
の結合した水溶性または水分散性共重合ポリエステルを
10〜2000重量部、界面活性剤を0.001〜10
00重量部を含んでなる導電性組成物において、溶媒に
該界面活性剤、該共重合ポリエステル、該ポリアニリン
及び/またはスルホン化ポリアニリンの順に添加、混合
することを特徴とする導電性組成物の製造法に関するも
のである。
【0005】本発明におけるスルホン化ポリアニリンと
しては、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を
主成分とするアニリン系共重合体スルホン化物が本発明
の導電性組成物の基本素材に好適であり、特にアミノア
ニソールスルホン酸が好適である。さらに、本発明の導
電性組成物の塗布性、延展性、塗布体の硬度の向上の点
において、5−スルホイソフタル酸単位を2モル%以上
10モル%以下含む該共重合ポリエステルの併用はさら
に好適である。ここで、アミノアニソールスルホン酸類
としては、2−アミノアニソール−3−スルホン酸、2
−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミノアニ
ソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソール−6−
スルホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホン酸、
3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3−アミノア
ニソール−5−スルホン酸、3−アミノアニソール−6
−スルホン酸、4−アミノアニソール−2−スルホン
酸、4−アミノアニソール−3−スルホン酸等を挙げる
ことができる。アニソールのメトキシ基がエトキシ基、
iso−プロポキシ基等のアルコシキ基に置換された化
合物を用いることも可能である。しかし、2−アミノア
ニソール−3−スルホン酸2−アミノアニソール−4−
スルホン酸、2−アミノアニソール−5−スルホン酸、
2−アミノアニソール−6−スルホン酸、3−アミノア
ニソール−2−スルホン酸、3−アミノアニソール−4
−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−スルホン酸
が好ましく用いられる。
【0006】前述したように、本発明に用いられるスル
ホン化ポリアニリン共重合体は、スルホン酸基が芳香環
に対して70%以上、好ましくは80%以上、さらに好
ましくは100%である。また、スルホン酸基を含む芳
香環と含まない芳香環が混在したり、交互に並んだりし
ても、本発明の目的には問題はない。該スルホン化ポリ
アニリン共重合体のスルホン酸基含有率が70%未満で
あると該共重合体の水、アルコールまたはそれらの混合
溶媒系等への溶解性または分散性が不充分になり、結果
として基体への塗布性及び延展性が悪くなり、得られる
塗布膜の導電性が著しく低下する傾向になる。また上記
特性を満足させるためにアミン等を添加することもある
が、液の安定性、アミンの揮発等の面で好ましくない。
本発明に用いられるスルホン化ポリアニリン共重合体の
数平均分子量は300〜500000で1000以上が
前記溶媒への溶解性及び塗布膜の強度の点で好ましい。
該スルホン化ポリアニリン共重合体の使用割合は溶剤1
00重量部に対して0.01−10重量部であり、好ま
しくは0.1−2重量部である。該スルホン化ポリアニ
リン共重合体の使用割合が0.01重量部未満では、溶
液の長期保存性が悪くなり、表面のコート層にピンホー
ルが発生しやすくなりコート面の導電性が著しく劣る。
また、使用割合が10重量部を越えると該共重合体の水
又は水/有機溶媒系への溶解性、分散性及びコート層の
塗布性が悪くなる傾向があり、好ましくない。前記溶媒
は、ポリエステルフィルム等の基体を溶解または膨潤さ
せないならば、いかなる有機溶媒も使用可能であるが、
水または水/アルコール等の有機溶媒との混合溶媒を用
いる方が、使用環境面で好ましいのみならず、支持体へ
の塗布性及び導電性が向上する場合もある。有機溶媒は
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピル
アルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、メ
チルプロピレングリコール、エチルプロピレングリコー
ルなどのプロピレングリコール類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、N−メチル
ピロリドン、N−エチルピロリドンなどのピロリドン類
などが好ましく用いられる。これらは、水と任意の割合
で混合して用いられる。この例として、具体的には、水
/メタノール、水/エタノール、水/プロパノール、水
/イソプロパノール、水/メチルプロピレングリコー
ル、水/エチルプロピレングリコールなどを挙げること
ができる。用いられる割合は水/有機溶媒=1/10〜
10/1が好ましい。
【0007】本発明で用いられるスルホン酸基およびそ
のアルカリ金属塩基からなる群より選択される少なくと
も1種の基が結合した共重合ポリエステル(以下、スル
ホン酸基含有共重合ポリエステルという)とは、ジカル
ボン酸成分および/またはグリコール成分の一部にスル
ホン酸基およびそのアルカリ金属塩基からなる群より選
択される少なくとも1種の基が結合したポリエステルを
いい、中でも、スルホン酸基およびそのアルカリ金属塩
基からなる群より選択される少なくとも1種の基を含有
した芳香族ジカルボン酸成分を全酸成分に対して2〜1
0モル%の割合で用いて調整した共重合ポリエステル
が、本発明の導電性組成物を基材に塗布して得られる塗
膜の表面硬度が高いという点で好ましい。このようなジ
カルボン酸の例としては、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸が好適である。
【0008】他のジカルボン酸成分としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、p−β−オキシエトキ
シ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−ジカルボキシジフェニル、4,4’−ジカルボキ
シベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エ
タン、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−1,
4−ジカルボン酸などが挙げられる。本発明の導電性組
成物を基材に塗布して得られる塗膜の表面硬度の向上の
点から、テレフタル酸およびイソフタル酸が好ましい。
【0009】共重合ポリエステルを調整するためのグリ
コール成分としては、エチレングリコールが主として用
いられ、この他に、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ールなどが用いられ得る。中でも、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノールなどを共重合成分として用いると、スル
ホン化ポリアニリンとの相溶性が向上するという点で好
ましい。
【0010】この他、共重合成分として、少量のアミド
結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合
などを含有するジカルボン酸成分、グリコール成分を含
んでも良い。さらに得られる本発明の導電性組成物を基
材に塗布して得られる塗膜の表面硬度を向上させるため
に、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、
無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多カル
ボキシ基含有モノマーを5モル%以下の割合で上記ポリ
エステルの共重合成分として用いることも可能である。
5モル%を越える場合には、得られるスルホン酸基含有
共重合ポリエステルが熱的に不安定となり、ゲル化しや
すく、本発明の導電性組成物の成分として好ましくな
い。
【0011】上記スルホン酸基含有共重合ポリエステル
は、例えば、上記ジカルボン酸成分、上記グリコール成
分、および必要に応じて、上記多カルボキシル基含有モ
ノマーを用いて、常法により、エステル交換反応、重縮
合反応などを行うことにより得られる。得られたスルホ
ン酸基含有共重合ポリエステルは、例えば、n−ブチル
セロソルブのような溶媒とともに加熱撹はんされ、さら
に撹はんしながら徐々に水を加えることにより、水溶液
または水分散液とされて用いられ得る。
【0012】上記スルホン酸基含有共重合ポリエステル
の含有割合は、得られる導電性組成物の導電性および得
られる塗膜の機械的特性から、スルホン化ポリアニリン
100重量部に対して50〜2000重量部が好まし
く、さらに好ましくは100〜1500重量部、最も好
ましくは200〜1000重量部である。
【0013】本発明の導電性組成物は、上記成分のみで
も、塗布性および延展性が優れており、得られる塗膜の
表面硬度も良好であるが、上記溶媒に可溶な界面活性剤
及び/または高分子化合物をさらに併用することによ
り、濡れ性の悪い基体への塗布も可能となる。
【0014】上記界面活性剤としては、例えば、ポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤及びフルオロ
アルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン
酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフ
ルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキ
ルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界面活
性剤が用いられる。
【0015】本発明に用いられる界面活性剤の量は、ポ
リアニリン及び/またはスルホン化ポリアニリン100
重量部に対して、0.001重量部以上10重量部以下
である。
【0016】上記界面活性剤が10重量部を越えると非
コート面にコート層中の界面活性剤が裏移りして、2次
加工等で問題を生じてしまう。
【0017】本発明の導電性組成物の製造法として、そ
の混合順序は水及びアルコ−ルを溶媒として、該界面活
性剤、該水溶性または水分散性共重合ポリエステル、該
ポリアニリン及び/またはスルホン化ポリアニリンの順
に混合撹拌することが好ましい。
【0018】本発明の組成物に含有され得る高分子化合
物としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニル
ピロリドンなどの水溶性樹脂、水酸基またはカルボン酸
基を含んだ水溶性または水分散性共重合ポリエステル、
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などのアクリル酸樹
脂、ポリアクリル酸エステルポリメタクリル酸エステル
などのアクリル酸エステル樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、などのエステル
樹脂、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ
クロロメチルスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
ビニルフェノールなどのスチレン樹脂、ポリビニルメチ
ルエーテル、ポリビニルエチルエーテルなどのビニルエ
ーテル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマ
ール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコー
ル類、ノボラック、レゾールなどのフェノール樹脂など
が用いられ得る。中でも上記スルホン化ポリアニリンと
の相溶性の点から、およびポリエステルなどからなる基
材との接着性の点から水酸基またはカルボン酸基を含ん
だ水溶性または水分散性共重合ポリエステル類が好まし
い。
【0019】上記高分子化合物量は、好ましくは、ポリ
アニリン及び/またはスルホン化ポリアニリン100重
量部に対して、0〜1000重量部、さらに好ましく
は、0〜500重量部である。高分子化合物の量が10
00重量部以上では、ポリアニリン及び/またはスルホ
ン化ポリアニリンの導電性が現れず、本来の帯電防止機
能が発揮されない。
【0020】本発明の導電性組成物には、上記の他に、
種々の添加剤が含まれ得る。このような添加剤として
は、TiO2 、SiO2 、カオリン、CaCO3 、Al
2 3、BaSO4 、ZnO、タルク、マイカ、複合粒
子などの無機粒子;ポリスチレン、ポリアクリレート、
またはそれらの架橋体で構成される有機粒子などが挙げ
られる。導電性のさらなる向上を目的として、Sn
2 、(酸化スズ)、ZnO(酸化亜鉛)の粉末、それ
らを被覆した無機粒子(TiO2 、BaSO4 など)、
カーボンブラック、黒鉛、カーボン繊維などのカーボン
系導電性フィラーなどを添加することも可能である。上
記添加剤の含有量は、スルホン化ポリアニリン100重
量部に対して、4000重量部以下の割合であることが
好ましい。4000を越える場合には、導電性組成物の
粘度アップにより塗布ムラの原因となるおそれがある。
【0021】塗布すべき基材としては、特に制限されな
いが、通常フィルム、繊維などである。特にポリエステ
ル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱
可塑性樹脂からなるフィルム、芳香族ポリアミド、ポリ
アミドイミド、ポリイミドなどの有機溶媒可溶型の樹脂
からなるフィルムなどが好ましい。
【0022】上記基材表面に本発明の導電性組成物を塗
布する方法としては、グラビアロールコーティング法、
リバースロールコーティング法、ナイフコータ法、ディ
ップコート法、スピンコート法などがあるが、導電性組
成物に適したコート法は特に制限はない。フィルムへの
塗布を製膜工程内で同時に行うインラインコート法と製
膜ロール製造後独立して行うオフラインコート法がある
が、用途に応じて好ましい方法を選ぶことが可能で、特
に制限はない。本発明のスルホン化ポリアニリンは25
0℃以上の高温では不安定であるが、200℃で約3分
間も熱安定性が良好であるので、共存する高分子化合物
及び添加剤の種類にもよるが、通常短時間の200℃加
熱ならば導電性に悪影響を与えない。
【0023】
【作用及び効果】本発明の製造法による導電性組成物
を、フィルム、繊維などの基材上に塗布すると、強い表
面強度、透明性を維持しつつ、低湿度下でも帯電防止性
を与えることができる。さらに、基材上に本発明の導電
性組成物を塗布した後、延伸操作を行っても、本発明の
導電性組成物に含まれる水溶性または水分散性のスルホ
ン酸基含有共重合ポリエステルの存在により、塗膜に延
展性が生じるため、塗膜が割れない。得られた塗膜は、
機械的強度および耐水性が充分にある上に、その表面抵
抗は非常に低く、従来にない帯電防止性を得ることがで
きる。
【0024】実施例 次に本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれ
に限定されない。また本発明に用いる評価法を以下に示
す。
【0025】1)塗布性の評価 本発明の導電性組成物を厚さ50μmのポリエステル
(PET)フィルム上に、バーコーターを用いて所定の
厚さで塗布し、コート面のはじきの有無で以下のように
評価した。 ・はじきが全く無く、均一に塗布されている。:○ ・ごく一部に微小なはじきがある。 :△ ・塗布液がはじかれてしまう。 :×
【0026】2)塗布体の延展性の評価 厚さ180μmのPETフィルムを縦1軸に3.5倍で
延伸して得られた厚さ約50μmのPETフィルム上に
固形分濃度4%の本発明の導電性組成物を厚さ約10μ
mで塗布し、さらに横方向に3.5倍に延伸した。得ら
れたフィルム表面を目視で観察し、以下のように評価し
た。 ・コート面に割れが全く見られない。:○ ・コート面に割れが見られる。 :×
【0027】3)コート面の白化の有無 コート面にブロムライトで光を照射し、白化の有無を以
下のように評価した。 ・コート面に白化部が全く無い。 :○ ・コート面の一部が白化している。:×
【0028】4)表面抵抗値 三菱油化社製表面抵抗測定器で印加電圧500V、25
℃、15%RHの条件下で測定した。
【0029】5)フィルムへの密着性の評価 コート面からセロテープを剥し、コート面がフィルムか
ら剥離するかどうかで以下のように評価した。 ・コート面が剥離せず、セロテープに全く付着しない。:○ ・コート面が僅かに剥離し、セロテープに付着する。 :△ ・コート面が完全に剥離し、セロテープに付着する。 :×
【0030】6)耐擦傷性 200gの荷重でコート面をガーゼで10往復擦り、コ
ート面の傷の付き具合いを以下のように評価した。 ・コート面に傷が全く付いていない。 :○ ・コート面に細い傷が数本付いている。 :△ ・コート面に目視ではっきりわかる傷が付いている。:×
【0031】7)裏移り性 コート面と非コート面を重ねあわせ、170kg/m2の荷
重を室温で10分間かけた後、非コート面にコート面の
1部が裏移りしているかどうかを目視及び表面抵抗値で
評価した。
【0032】8)耐水性 水を含ませた市販のティッシュペーパーを用いて、一定
圧でコート面を10回拭き、コート面が全く拭き取られ
ない場合を○、僅かに拭き取られる場合を△、完全に拭
き取られる場合を×とした。
【0033】(合成例1)スルホン酸基含有ポリエステ
ル及び水分散液の調整 まずスルホン酸基含有ポリエステルを次の方法により合
成、さらにその分散液を調整した。ジカルボン酸成分と
してジメチルテレフタレート47モル%、ジメチルイソ
フタレート46モル%及び5−スルホイソフタル酸ナト
リウム7モル%を使用し、グリコール成分としてエチレ
ングリコール50モル%及びネオペンチルグリコール5
0モル%を用いて、常法によりエステル交換反応及び重
縮合反応を行った。得られたスルホン酸基含有ポリエス
テルのガラス転移温度は62℃であった。このスルホン
酸基含有ポリエステル300部とn−ブチルセロソルブ
150部とを加熱撹はんして、粘ちょうな溶液とし、さ
らに撹はんしつつ水550部を徐々に加えて、固形分3
0重量%の均一な淡白色の水分散液を得た。この分散液
をさらに水とイソプロパノールの等量混合液中に加え、
固形分が8重量%のスルホン酸基含有ポリエステル水分
散液を調整した。
【0034】(合成例2)スルホン酸基含有ポリアニリ
ン水溶液の調整 2−アミノアニソール−4−スルホン酸150mmol
を20℃で5モル/リットルのアンモニア水溶液に撹は
ん溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmo
lの水溶液を滴下した。滴下終了後、23℃で12時間
さらに撹はんした後、反応生成物を濾別洗浄、乾燥し、
粉末状の共重合体12gを得た。この重合体の体積固有
抵抗値は11.3Ωcmであった。この共重合体を0.3
モル/リットルの硫酸水溶液100重量部中に加え、所
定の温度で6時間撹はんした。この時のスルホン化ポリ
アニリンのスルホン酸基の含有量は100%であった。
上記スルホン化ポリアニリン10重量部を、水100重
量部に溶解した。
【0035】(導電性組成物塗布液の調整)水とイソプ
ロピルアルコ−ルがそれぞれ50重量部になるように混
合した溶媒に界面活性剤エマルゲン810(花王製)、
上記スルホン酸基含有ポリエステル水分散液、上記スル
ホン酸基含有ポリアニリン水溶液をこの順序に混合撹拌
して、本発明の導電性組成物を製造した。この塗布液は
濃黄色で外観上は不溶物が全く見られなかった。
【0036】(実施例1)上記の導電性組成物塗布液の
調製にしたがって、スルホン化ポリアニリンとスルホン
酸基含有ポリエステルの固形分比が10/90、界面活
性剤エマルゲン810(花王製)をスルホン化ポリアニ
リンとの比が10/100になるように添加し、かつ溶
液の固形分濃度が1%になるように塗布液を調整した。
これをワイヤーバー(No5)で厚さ50μmのポリエス
テル(PET)フィルム上に塗布し160℃で1分間乾
燥し、各特性を評価した。延展性の評価は、溶液の固形
分濃度が4%になるように調整して行った。
【0037】(実施例2)スルホン化ポリアニリンとス
ルホン酸基含有ポリエステルの固形分比を20/80に
し、かつ界面活性剤の添加比を40/100にする以外
は実施例1と同様に行った。
【0038】(実施例3)合成例1でジメチルテレフタ
レートを48モル%、ジメチルイソフタレートを47モ
ル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウムを5モル%
にし、かつ合成例2で硫酸水溶液の濃度を0.2モル/
リットルにする以外は実施例1と同様に行った。
【0039】(実施例4)合成例1でジメチルテレフタ
レートを48モル%、ジメチルイソフタレートを47モ
ル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウムを5モル%
に、合成例2で硫酸水溶液の濃度を0.2モル/リット
ルにし、かつスルホン化ポリアニリンとスルホン酸基含
有ポリエステルの固形分比を20/80にし、さらに界
面活性剤の添加比を70/100にする以外は実施例1
と同様に行った。
【0040】(比較例1)合成例2で硫酸水溶液中で撹
はんを行わなかった以外は実施例1と同様に行った。
【0041】(比較例2)合成例1でジメチルテレフタ
レートを49.5モル%、ジメチルイソフタレートを4
9.5モル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウムを
1モル%にし、かつ界面活性剤の添加比を60/100
にする以外は実施例1と同様に行った。
【0042】(比較例3)スルホン化ポリアニリンとス
ルホン酸基含有ポリエステルの固形分比を100/0に
する以外は実施例1と同様に行った。
【0043】(比較例4)導電性塗布液の調整で水とイ
ソプロピルアルコ−ルの混合溶媒を最後に加える以外は
実施例1と同様に行った。
【0044】以上の結果を表1に示した。表1に示す様
に、実施例1〜4において得られた本発明の製造法によ
る導電性組成物の何れも塗布性が優れており、延展性、
白化性、表面抵抗値、密着性、耐擦傷性、裏移り性、耐
水性もまた優れていた。一方、比較例1及び2は、相溶
性が悪く、塗布膜が白化してしまった。また比較例3は
スルホン化ポリアニリンのみでスルホン酸基含有ポリエ
ステルを含まないため、塗布性及び延展性、密着性、耐
擦傷性、耐水性が不十分であった。さらに比較例4は、
液中で凝集が生じてしまい良好な塗布ができなかった。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明かな様に、本発明の製
造法による導電性組成物は、他の組成物による導電層を
形成したものに比べて、フィルムなどの基材表面に塗布
した場合、透明性に優れ、かつ低湿度下でも優れた帯電
防止性を発揮する。本発明の導電性組成物は、磁気テー
プ、OHP用フィルム、シールド材、導電シート、LC
D、印刷材料等の導電層などの工業用フィルム;キャリ
アテープ、トレー、マガジン、IC・LSIパッケージ
等各種包装用フィルムなどの帯電防止剤として、好適で
ある。
【0046】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアニリン及び/またはスルホン化ポ
    リアニリン100重量部に対して、スルホン酸基及び/
    またはそのアルカリ金属塩基の結合した水溶性または水
    分散性共重合ポリエステルを10〜2000重量部、界
    面活性剤を0.001〜1000重量部を含んでなる導
    電性組成物において、溶媒に該界面活性剤、該共重合ポ
    リエステル、前記ポリアニリン及び/またはスルホン化
    ポリアニリンの順に添加、混合することを特徴とする導
    電性組成物の製造法。
  2. 【請求項2】 前記スルホン化ポリアニリンがアルコキ
    シ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とすること
    を特徴とする請求項1記載の導電性組成物の製造法。
  3. 【請求項3】 前記アルコキシ基置換アミノベンゼンス
    ルホン酸がアミノアニソールスルホン酸であることを特
    徴とする請求項1及び2記載のいずれかの導電性組成物
    の製造法。
  4. 【請求項4】 前記水溶性または水分散性共重合ポリエ
    ステルが5−スルホイソフタル酸単位を2〜10モル%
    含むことを特徴とする請求項1及び2及び3記載のいず
    れかの導電性組成物の製造法。
  5. 【請求項5】 前記溶媒が水及び/またはアルコ−ルで
    あることを特徴とする請求項1及び2及び3及び4記載
    のいずれかの導電性組成物の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013131319A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Konica Minolta Inc 透明導電膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子並びに透明導電膜の製造方法

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