JP3521022B2 - 導電性組成物 - Google Patents

導電性組成物

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JP3521022B2
JP3521022B2 JP13831695A JP13831695A JP3521022B2 JP 3521022 B2 JP3521022 B2 JP 3521022B2 JP 13831695 A JP13831695 A JP 13831695A JP 13831695 A JP13831695 A JP 13831695A JP 3521022 B2 JP3521022 B2 JP 3521022B2
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地加男 森重
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルム、繊維などの
構造成形体、特に、熱可塑性樹脂フィルム、中でもポリ
エステルフィルムの表面に、塗布、スプレー、ディップ
などの簡便な方法で、帯電防止性を付与するために好適
な導電性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン、ポリエステルなどは、耐熱
性、寸法安定性、機械的強度などにすぐれるため、繊
維、包装用フィルム、工業用フィルムなどとして、多量
かつ広い範囲で用いられている。ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニルなどはまた、耐熱性は劣る
が、成形性が良い、安価であるなどの理由から包装材料
として一般的に用いられている。合成樹脂は、一般的に
疎水性であるため、合成樹脂からなる構造成形体の表面
に静電気が発生しやすく、埃などが表面に付着しやすく
なり、様々なトラブルを引き起こしている。
【0003】例えば、ポリエステルフィルムから磁気テ
ープを得る場合、磁気テープに静電気が発生し、テープ
がまとわりついて作業性が悪くなったり、磁気テープに
埃が付着して汚れやすくなり、それに伴い信号のドロッ
プアウトの増加などの問題が生じる。半導体素子などを
取り扱う場合にはまた、その包装材料などに帯電防止機
能が付与されないと、静電気により半導体が破壊される
ケースがある。その対策として、磁気テープや半導体素
子の包装材料には帯電防止剤が添加または塗布されてい
る。その方法としては、一般的に、ポリエステルフィル
ムのような絶縁基材に、界面活性剤、炭素粉末、金属粉
末などの導電性物質を練り込む方法、粘着剤中に上記の
ような導電性物質を配合する方法、テープの背面に界面
活性剤その他の帯電防止剤をコーティングする方法、基
材と粘着剤層との間にイオン導電性高分子からなる帯電
防止層を付与する方法などが挙げられる。
【0004】導電性物質である炭素粉末や金属粉末を基
材に練り込んだり、あるいはそれらを配合する方法で十
分な帯電防止性を与えようとすると、基材の透明性が損
なわれてしまうという欠点がある。たとえ、透明性を要
求されない磁気テープの場合でも、炭素粉末を磁性粉と
混合使用しなければならないため、帯電防止性を向上さ
せる目的で炭素粉末の含有量を増加させると、磁性粉の
相対的な含有量が減少し、その結果、磁気特性の劣化が
生じる。磁気密度の高密度の観点からは、炭素粉末など
の混合使用は回避することが好ましい。
【0005】その他、一般的には、フィルム、包装材料
などの帯電防止剤として、界面活性剤が用いられるが、
界面活性剤では、チリ、埃などの付着を抑制するために
十分な表面抵抗1010オーム/cm2以下が得られない
のみでなく、帯電防止性が周囲の湿気や水分の影響を受
け、変化しやすい。特に界面活性剤により低下したフィ
ルム表面抵抗が、低湿度環境下では、大幅に増大して、
所望の帯電防止性が得られなくなるという欠点がある。
その結果、フィルム、包装材料表面への埃の付着が起こ
り、様々なトラブルの原因となる。よりハイテク化した
今日では、低湿度環境下で、静電気障害のないフィルム
が求められつつあり、そのためには、低湿度環境下で、
1010オーム/cm2以下の表面抵抗値を与える帯電防
止剤の出現が望まれている。このような低表面抵抗値を
与える素材として、ポリアニリン、ポリピロールなどの
導電性高分子が知られているが、いずれの素材も有機溶
媒には可溶であるが、水や水/アルコール混合溶媒系に
不溶または分散不可であるため、生産現場での使用には
環境上好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記につい
て鋭意研究の結果到達したものであり、その目的は、本
来のポリエステルフィルムのような構造成形体の優れた
点を生かしつつ、その欠点である静電気障害を克服する
ために十分な帯電防止性を与える、水または水/アルコ
ール混合溶媒系に可溶または分散可能な導電性組成物を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性組成物
は、芳香環に結合したスルホン酸基を有するスルホン化
ポリアニリンであって、該スルホン酸基の含有量が上記
芳香環に対して10%以上の割合であるスルホン化ポリ
アニリンを100重量部;アミン類および4級アンモニ
ウム塩類からなる群より選択される少なくとも1種を1
〜150重量部;およびスルホン酸基およびそのアルカ
リ金属塩基からなる群より選択される少なくとも1種の
基を有する水溶性または水分散性共重合ポリエステルを
50〜2000重量部の割合で含有する。
【0008】好適な実施態様では、上記導電性組成物は
界面活性剤を含有し、この界面活性剤は、上記スルホン
化ポリアニリン100重量部に対して、0.01〜10
重量部の割合で含有され、該界面活性剤と共重合ポリエ
ステルとの合計量は、50〜2000重量部である。
【0009】好適な実施態様においては、上記スルホン
化ポリアニリンは、アニリン、アニリン誘導体、および
フェニレンジアミン類からなる群より選択される少なく
とも1種の化合物と、アミノベンゼンスルホン酸化合物
とから主としてなる共重合体をスルホン化することによ
って得られる、アニリン系共重合体スルホン化物(以
下、第1のスルホン化ポリアニリンという)である。
【0010】好適な実施態様においてはまた、上記スル
ホン化ポリアニリンは、アニリン、アニリン誘導体、お
よびフェニレンジアミン類からなる群より選択される少
なくとも1種の化合物と、アルコキシ基置換アミノベン
ゼンスルホン酸化合物とを共重合することによって得ら
れるアニリン系共重合体スルホン化物(以下、第2のス
ルホン化ポリアニリンという)である。
【0011】好適な実施態様においては、上記共重合ポ
リエステルは、5−スルホイソフタル酸単位を1モル%
以上20モル%以下の割合で含有する。
【0012】好適な実施態様においては、本発明の導電
性組成物は、上記スルホン化ポリアニリン100重量部
に対して、さらに高分子化合物を1000重量部以下の
割合で含有する。
【0013】本発明に用いられるスルホン化ポリアニリ
ンとしては、アニリン、アニリン誘導体、およびフェニ
レンジアミン類からなる群より選択される少なくとも1
種の化合物(以下、アニリン類とする)と、アミノベン
ゼンスルホン酸化合物との共重合体をさらにスルホン化
剤によりスルホン化して得られるアニリン系共重合体ス
ルホン化物(第1のスルホン化ポリアニリン)が挙げら
れる。
【0014】上記アニリン誘導体とは、アニリンのアミ
ノ基またはベンゼン環上の水素を、アルキル基、アリー
ル基、アルキルエーテル基、スルホン酸基などで置換し
た化合物である。その例としては、N−メチルアニリ
ン、N−エチルアニリン、N−n−プロピルアニリン、
N−iso−プロピルアニリン、N−n−ブチルアニリ
ン、N−ter−ブチルアニリンなどのN−アルキルア
ニリン類、アミノアニソール類などが挙げられる。
【0015】上記フェニレンジアミン類としては、フェ
ニレンジアミン、N−フェニルフェニレンジアミン、
N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン、N−アミノ
フェニル−N’−フェニレンジアミンなどが挙げられ
る。
【0016】アニリン、上記アニリン誘導体、および上
記フェニレンジアミン類は、各々単独で用いられるか、
または任意の割合で2種類以上が混合して用いられる。
【0017】上記アミノベンゼンスルホン酸化合物と
は、アミノベンゼンスルホン酸またはその誘導体であ
り、アミノベンゼンスルホン酸としては、オルト−(o
−)体、メタ−(m−)体、またはパラ−(p−)体の
いずれを用いることも可能であり、それらを適宜混合し
て用いることも可能である。
【0018】上記第1のスルホン化ポリアニリンは、例
えば、以下に記載するような典型的な合成法によって、
得られ得る。
【0019】まず、酸性溶媒中、上記アニリン類および
アミノベンゼンスルホン酸化合物を、酸化剤(後述)で
酸化重合することにより、重合体が得られ得る。この酸
化重合に使用される溶媒としては、水、メタノール、エ
タノールなどのアルコール類、アセトニトリル、メチル
エチルケトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルム
アミドなどが好ましい。この溶媒を酸性とするための酸
としては、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸など、
またはそれらの混合物が、通常、0.1〜5モル/リッ
トル(反応液1リットルに対して酸0.1〜5モル)の
濃度範囲で用いられる。酸化剤としては、過硫酸アンモ
ニウム、過酸化水素などが、モノマー1モルに対して、
0.1〜10モルの割合で用いられる。反応温度は、−
20℃〜50℃の範囲が好ましい。
【0020】得られた共重合体は、次に、無溶媒中また
は溶媒中でスルホン化剤によりスルホン化される。この
共重合体にはすでにスルホン酸基が存在するため、溶媒
およびスルホン化剤に対する溶解性が高い。そのため、
反応が容易に進行し、共重合体へのスルホン酸基の導入
割合が高くなる。スルホン化剤としては、濃硫酸、発煙
硫酸、三酸化イオウなどが、共重合体1gに対して20
〜100gの割合で用いられる。上記スルホン化の際に
用いられる溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル
ピロリドン、ピリジンなどがあり、これらは、共重合体
1gに対して20〜200gの割合で用いられる。スル
ホン化の反応温度は、0℃〜100℃が好ましい。
【0021】このようにして得られた第1のスルホン化
ポリアニリンのスルホン酸基の含有量は、芳香環に対し
て通常40〜80%となる。ここで、スルホン化ポリア
ニリンのスルホン酸基の含有量とは、該スルホン化ポリ
アニリンの芳香環の個数に対するスルホン酸基数の割合
を表す。例えば、スルホン酸基含有量が100%のスル
ホン化ポリアニリンとは、スルホン酸基が上記ポリアニ
リンの芳香環と同一個数で存在することを表す。
【0022】この第1のスルホン化ポリアニリンの分子
量は、300〜500,000であり、アミン類、アン
モニア、アンモニウム塩などを含む水、あるいはメタノ
ール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール
類、またはそれらの混合物に可溶である。
【0023】本発明に用いられるスルホン化ポリアニリ
ンとしてはまた、アニリン、上記アニリン誘導体、およ
び上記フェニレンジアミン類からなる群より選択される
少なくとも1種の化合アニリン類と、アルコキシ基置換
アミノベンゼンスルホン酸化合物とを共重合することに
より得られるアニリン系共重合体スルホン化物(第2の
スルホン化ポリアニリン)が挙げられる。
【0024】上記アルコキシ基置換アミノベンゼンスル
ホン酸化合物としては、アミノアニソールスルホン酸類
があり、その例としては、2−アミノアニソール−3−
スルホン酸、2−アミノアニソール−4−スルホン酸、
2−アミノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノア
ニソール−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2
−スルホン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン
酸、3−アミノアニソール−5−スルホン酸、3−アミ
ノアニソール−6−スルホン酸、4−アミノアニソール
−2−スルホン酸、4−アミノアニソール−3−スルホ
ン酸などが挙げられる。アニソールのメトキシ基が、エ
トキシ基、iso−プロポキシ基などのアルコキシ基に
置換された化合物を用いることも可能である。上記のう
ち、特に、2−アミノアニソール−3−スルホン酸、2
−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミノアニ
ソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソール−6−
スルホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホン酸、
3−アミノアニソール−4−スルホン酸、および3−ア
ミノアニソール−6−スルホン酸が好ましく用いられ得
る。
【0025】上記第2のスルホン化ポリアニリンは、中
性または酸性溶媒中で、酸化剤の存在下でアニリン類お
よび/またはアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン
酸化合物を酸化重合することにより得られ得る。この酸
化重合に使用される溶媒としては、水、メタノール、エ
タノールなどのアルコール類、アセトニトリル、メチル
エチルケトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルム
アミドなどが好ましい。この溶媒を酸性とするための酸
としては、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸など、
またはそれらの混合物が、通常、0.1〜3モル/リッ
トル(溶媒1リットルに対して酸0.1〜3モル)の濃
度範囲で用いられる。酸化剤としては、過硫酸アンモニ
ウム、過酸化水素などが、モノマー1モルに対して、
0.1〜5モルの割合で用いられる。反応温度は、0℃
〜60℃の範囲が好ましい。このとき、触媒として、
鉄、銅などの繊維金属触媒を添加することも可能であ
る。
【0026】このようにして得られた第2のスルホン化
ポリアニリンのスルホン酸基の含有量は、芳香環に対し
て通常25〜50%となる。このように、第2のスルホ
ン化ポリアニリンにおいては、さらにスルホン化を行わ
なくても比較的高濃度のスルホン酸基を共重合体に導入
することができる。この第2のスルホン化ポリアニリン
の分子量は、300〜500,000であり、アミン
類、アンモニウム、アンモニウム塩などを含む水、ある
いはメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの
アルコール類、またはそれらの混合物に可溶である。
【0027】上記本発明に用いられる第1および第2の
スルホン化ポリアニリンは、スルホン酸基含有量が、芳
香環に対して10%以上、好ましくは20%以上、さら
に好ましくは40%以上含まれ、スルホン酸基を含む芳
香環と含まない芳香環との配列順序は、本発明の目的に
は影響されない。上記スルホン化ポリアニリンのスルホ
ン酸基含有率が10%未満である場合には、このスルホ
ン化ポリアニリンの、溶剤への溶解性または分散性が不
十分となる。その結果、本発明の導電性組成物が塗布さ
れ得る構造成形体(以下、基材という)への塗布性およ
び延展性が悪くなり、得られる塗布膜の導電性、すなわ
ち帯電防止性が著しく低下する。上記スルホン化ポリア
ニリンの分子量は、300〜500,000の範囲が好
ましく、1000以上が上記溶媒への溶解性および得ら
れる塗布膜の強度の点でさらに好ましい。
【0028】本発明の組成物に含有されるアミン類は、
下式(I)で表される。
【0029】
【化1】
【0030】ここで、R1、R2、およびR3は、それぞ
れ独立して、水素、炭素数1〜4(C1〜C4)のアルキ
ル、CH2OH、CH2CH2OH、CONH2、またはN
2である。
【0031】本発明に用いられる4級アンモニウム塩類
は、下式(II)で表される。
【0032】
【化2】
【0033】ここで、R4、R5、R6、およびR7は、そ
れぞれ独立して、水素、炭素数1〜4(C1〜C4)のアル
キル、CH2OH、CH2CH2OH、CONH2、または
NH2である。
【0034】本発明の導電性組成物は、上記アミン類お
よび上記4級アンモニウム塩類からなる群より選択され
る少なくとも1種を含み、中性または弱アルカリ性とし
て用いられ得る。そのことにより、本発明の導電性組成
物は、水溶性または水分散性、共重合ポリエステルへの
相溶性が増し、導電性が向上する。好ましくは、上記ア
ミン類および上記4級アンモニウム塩類は、単独で用い
ることが一般的であるが、それらを混合して用いること
も可能である。その混合比は、アミン類/4級アンモニ
ウム塩類=1/10〜10/1が好ましい。
【0035】上記アミン類および上記4級アンモニウム
塩類からなる群より選択される少なくとも1種の含有割
合は、上記スルホン化ポリアニリン100重量部に対し
て1〜150重量部であり、好ましくは3〜50重量部
である。1重量部未満の場合には、スルホン化ポリアニ
リンの溶解性が不十分となり、150重量部を越える場
合には、得られる導電性組成物は強塩基性を示し、導電
性が低下する。
【0036】本発明の導電性組成物のpHは、上記アミ
ン類および4級アンモニウム塩類からなる群より選択さ
れる少なくとも1種の濃度、種類、およびアミン類と4
級アンモニウム塩類との混合比率を変更することによ
り、任意に調節することができる。本発明の導電性組成
物のpHは、通常pH5〜12の範囲で用いられること
が好ましい。
【0037】本発明で用いられるスルホン酸基およびそ
のアルカリ金属塩基からなる群より選択される少なくと
も1種の基が結合した共重合ポリエステル(以下、スル
ホン酸基含有共重合ポリエステルという)とは、ジカル
ボン酸成分および/またはグリコール成分の一部にスル
ホン酸基およびそのアルカリ金属塩基からなる群より選
択される少なくとも1種の基が結合したポリエステルを
いい、中でも、スルホン酸基およびそのアルカリ金属塩
基からなる群より選択される少なくとも1種の基を含有
した芳香族ジカルボン酸成分を全酸成分に対して0.1
〜20モル%の割合で用いて調製した共重合ポリエステ
ルが、本発明の導電性組成物を基材に塗布して得られる
塗膜の表面硬度が高いという点で好ましい。このような
ジカルボン酸の例としては、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸が好適である。
【0038】他のジカルボン酸成分としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、p−β−オキシエトキ
シ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−ジカルボキシジフェニル、4,4’−ジカルボキ
シベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エ
タン、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−1,
4−ジカルボン酸などが挙げられる。本発明の導電性組
成物を基材に塗布して得られる塗膜の表面硬度の向上の
点から、テレフタル酸およびイソフタル酸が好ましい。
【0039】共重合ポリエステルを調製するためのグリ
コール成分としては、エチレングリコールが主として用
いられ、この他に、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ールなどが用いられ得る。中でも、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノールなどを共重合成分として用いると、スル
ホン化ポリアニリンとの相溶性が向上するという点で好
ましい。
【0040】このほか、共重合成分として、少量のアミ
ド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結
合などを含有するジカルボン酸成分、グリコール成分を
含んでも良い。さらに、得られる本発明の導電性組成物
を基材に塗布して得られる塗膜の表面硬度を向上させる
ために、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多
カルボキシル基含有モノマーを5モル%以下の割合で上
記ポリエステルの共重合成分として用いることも可能で
ある。5モル%を越える場合には、得られるスルホン酸
基含有共重合ポリエステルが熱的に不安定となり、ゲル
化しやすく、本発明の導電性組成物の成分として好まし
くない。
【0041】上記スルホン酸基含有共重合ポリエステル
は、例えば、上記ジカルボン酸成分、上記グリコール成
分、および必要に応じて、上記多カルボキシル基含有モ
ノマーを用いて、常法により、エステル交換反応、重縮
合反応などを行うことにより得られ得る。得られたスル
ホン酸基含有共重合ポリエステルは、例えば、n−ブチ
ルセロソルブのような溶媒とともに加熱攪拌され、さら
に攪拌しながら徐々に水を加えることにより、水溶液ま
たは水分散液とされて用いられ得る。
【0042】上記スルホン酸基含有共重合ポリエステル
の含有割合は、得られる導電性組成物の導電性および得
られる塗膜の機械的特性から、スルホン化ポリアニリン
100重量部に対して50〜2000重量部が好まし
く、さらに好ましくは100〜1000重量部、最も好
ましくは100〜500重量部である。
【0043】本発明の導電性組成物は、通常溶剤に溶解
または分散させて、所望の機体表面に付与される。ここ
で、用いられる溶剤は、基材(例えば、ポリエステルフ
ィルムなど)を溶解または膨潤させないならば、いかな
る有機溶媒も使用可能である。水、または水と有機溶媒
との混合溶媒を用いることにより、使用環境面で好まし
いだけでなく、得られる本発明の導電性組成物の帯電防
止性およびこの導電性組成物の基材への塗布性が向上す
る場合もある。
【0044】上記有機溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブなどのセロソルブ類、メチルプロピレングリ
コール、エチルプロピレングリコールなどのプロピレン
グリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミドなどのアミド類、N−メチルピロリドン、N−エ
チルピロリドンなどのピロリドン類などが好ましく用い
られる。これらの有機溶媒は、水と任意の割合で混合し
て用いられ得る。混合の例としては、水/メタノール、
水/エタノール、水/プロパノール、水/イソプロパノ
ール、水/メチルプロピレングリコール、水/エチルプ
ロピレングリコールなどが挙げられる。その混合割合
は、水/有機溶媒=1/10〜10/1が好ましい。
【0045】溶剤の使用割合は、特に制限されないが、
通常、スルホン化ポリアニリン100重量部に対して、
1000〜20000重量部である。溶剤の使用量が極
端に多い場合は、得られる本発明の導電性組成物の長期
保存安定性、および基材表面への濡れ性および塗布性が
悪くなる恐れがある。従って、表面の塗布膜にピンホー
ルが発生しやすくなり、この塗布膜の導電性が著しく低
下、すなわち、帯電防止性が低下する恐れがある。溶剤
の使用量が極端に少ない場合は、このスルホン化ポリア
ニリンの、上記溶剤への溶解性または分散性が不十分と
なり、得られる塗布膜の表面が平坦になりにくくなる恐
れがある。
【0046】本発明の導電性組成物は、上記成分のみで
も、塗布性および延展性が優れており、得られる塗膜の
表面硬度も良好であるが、上記溶剤に可溶な界面活性剤
および/または高分子化合物をさらに併用することによ
り、濡れ性の悪い基材への塗布も可能となる。
【0047】上記界面活性剤としては、例えば、アルキ
ルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル
カルボン酸などの陰イオン界面活性剤、アルキルアミ
ン、アルキル4級アミンなどの陽イオン界面活性剤、カ
ルボキシベンダイン、アミノカルボン酸などの両性界面
活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン
界面活性剤、およびフルオロアルキルカルボン酸、パー
フルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベ
ンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキル4級アンモニ
ウム、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノ
ールなどのフッ素系界面活性剤が用いられ、ポリエステ
ル系の基材への濡れ性の向上については、フッ素系界面
活性剤が好ましい。
【0048】本発明に用いられる界面活性剤の量は、ス
ルホン化ポリアニリン100重量部に対して、0.01
重量部以上10重量部以下である。その量は、界面活性
剤の種類により、フッ素系の界面活性剤では、0.01
〜1重量部が好ましく、その他の炭化水素系の界面活性
剤では、0.1〜10重量部が好ましい。
【0049】上記界面活性剤が含有される場合には、該
界面活性剤と、上記共重合ポリエステルとの合計量が、
上記スルホン化ポリアニリン100重量部に対して50
〜2000重量部であることが好ましく、さらに好まし
くは100〜500重量部である。2000重量部を越
える場合には、得られる導電性組成物の塗布性は優れて
いるが、得られる塗膜の平坦性に劣り、あるいは、平坦
性は良好であるが導電性に劣るなどの不都合が生じるお
それがある。
【0050】本発明の組成物に含有され得る高分子化合
物としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニル
ピロリドンなどの水溶性樹脂、水酸基またはカルボン酸
基を含んだ水溶性または水分散性共重合ポリエステル、
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などのアクリル酸樹
脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ルなどのアクリル酸エステル樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートなどのエステル
樹脂、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ
クロロメチルスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
ビニルフェノールなどのビニルエーテル樹脂、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチ
ラールなどのポリビニルアルコール類、ノボラック、レ
ゾールなどのフェノール樹脂などが用いられ得る。中で
も、上記スルホン化ポリアニリンとの相溶性の点から、
およびポリエステルなどからなる基材との接着性の点か
ら、ポリビニルアルコール類および水酸基またはカルボ
ン酸基を含んだ水溶性または水分散性共重合体ポリエス
テルが好ましい。
【0051】上記高分子化合物量は、好ましくは、スル
ホン化ポリアニリン100重量部に対して、0〜100
0重量部、さらに好ましくは、0〜500重量部であ
る。高分子化合物の量が極端に多いと、1000重量部
以上では、スルホン化ポリアニリンの導電性が現れず、
本来の帯電防止機能が発揮されない。
【0052】本発明の導電性組成物には、上記の他に、
種々の添加剤が含まれ得る。このような添加剤として
は、TiO2、SiO2、カオリン、CaCO3、Al2
3、BaSO4、ZnO、タルク、マイカ、複合粒子など
の無機粒子;ポリスチレン、ポリアクリレート、または
それらの架橋体で構成される有機粒子などが挙げられ
る。導電性のさらなる向上を目的として、SnO2(酸化
スズ)、ZnO(酸化亜鉛)の粉末、それらを被覆した無
機粒子(TiO2、BaSO4など)、カーボンブラック、
黒鉛、カーボン繊維などのカーボン系導電性フィラーな
どを添加することも可能である。上記添加剤の含有量
は、スルホン化ポリアニリン100重量部に対して、4
000重量部以下の割合であることが好ましい。400
0を越える場合には、導電性組成物の粘度アップにより
塗布ムラの原因となるおそれがある。
【0053】本発明の導電性組成物は、上記スルホン化
ポリアニリン;上記アミン類および4級アンモニウム塩
類からなる群より選択される少なくとも1種;上記スル
ホン酸基含有共重合ポリエステル;および必要に応じ
て、上記界面活性剤、上記高分子化合物、上記添加剤な
どを、上記溶剤中に、常法により溶解または分散させて
塗布液とされる。これが所望の基材表面に塗布される。
この塗布液は、高温下では不安定であるので、5℃以下
の低温で保存することが好ましい。
【0054】塗布すべき基材としては、特に制限されな
いが、通常、フィルム、繊維などである。特に、ポリエ
ステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンなど
の熱可塑性樹脂からなるフィルム、芳香族ポリアミド、
ポリアミドイミド、ポリイミドなどの有機溶媒可溶型の
樹脂からなるフィルムなどが好ましい。
【0055】上記基材表面に本発明の導電性組成物を塗
布する方法としては、グラビアロールコーティング法、
リバースロールコーティング法、ナイフコータ法、ディ
ップコータ法、スピンコート法などが挙げられ、特に限
定されない。基材表面上への塗布を製膜工程内で同時に
行うインラインコート法、および製膜ロール製造後独立
して行うオフラインコート法があるが、用途に応じて好
ましい方法を選ぶことが可能であり、特に制限はない。
形成された塗膜を乾燥することにより、基材表面に導電
性の塗膜が形成される。乾燥温度は約200℃以下で、
10〜300秒程度であれば良く、塗布面の帯電防止性
の向上のためには、塗膜を乾燥する際に、もしくは乾燥
後、200℃付近の温度で30秒以内の時間で加熱する
ことが好ましい。本発明の導電性組成物に含まれるスル
ホン化ポリアニリンは、250℃以上の高温では不安定
であるが、200℃程度の温度では、約3分間程度は熱
に安定であり、共存する高分子化合物および添加剤の種
類にもよるが、通常、上記短時間の200℃程度の加熱
であれば、帯電防止性をはじめとする物性に影響を与え
ない。
【0056】
【作用】本発明の導電性組成物を、フィルム、繊維など
の基材上に塗布すると、強い表面硬度を維持しつつ、低
湿度下でも帯電防止性を与える。
【0057】さらに、基材上に本発明の導電性組成物を
塗布した後、延伸操作を行っても、本発明の導電性組成
物に含まれる水溶性または水分散性のスルホン酸基含有
共重合ポリエステルの存在により、塗膜に延展性が生じ
るため、塗膜が割れない。得られた塗膜は、機械的強度
および耐溶剤性が十分にある上に、その表面抵抗は非常
に低く、従来にない帯電防止性を得ることができる。
【0058】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されない。以下、単に「部」とあるのは、「重
量部」を示す。
【0059】本実施例および比較例で用いた種々の評価
方法および測定法を以下に示す。
【0060】(1)塗布性の評価 得られた組成物を、厚み100μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルム上に、厚み約10μmで
塗布し、塗膜表面に観察される不溶物の有無により、塗
布性を以下のように評価した: 不溶物はなかった : ○ 不要物が少しあった : △ 不要物が多かった : ×。
【0061】(2)組成物を塗布された基材の延展性の
評価 厚み約180μmのPETフィルムを縦1軸に3.5倍
に延伸して得られた厚み約50μmのPETフィルム上
に、得られた組成物を固形分濃度約5%(固形物質/溶
剤)に調整した塗布液を厚み約10μmで塗布し、さら
に横方向に3.5倍に延伸した。得られたフィルムの表
面を目視で観察し、以下のように評価した: 割れが全く見られなかった : ○ 1箇所以上割れが見られた : ×。
【0062】(3)表面硬度の評価 (A)基材フィルムの調製 平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム微粒子が4000
ppmの濃度で分散されたポリエチレンテレフタレート
を290℃で溶融押出しし、30℃の冷却ロールで冷却
して、厚み約180μmの未延伸フィルムを得た。この
未延伸フィルムを、85℃に加熱された周速の異なる一
対のロール間で縦方向に3.5倍延伸して基材フィルム
とした。
【0063】(B)積層ポリエステルフィルムの調製 調製された塗布用組成物を孔径1.0μmのフィルター
に通し、得られた塗布液を、上記(A)で得られた基材フ
ィルムの表面にバーコーター法によって塗布し、70℃
で熱風乾燥した。次いで、テンターにより、130℃で
横方向に3.5倍延伸した後、200〜210℃で熱固
定し、厚み14.5μmの2軸延伸積層ポリエステルフ
ィルムを得た。
【0064】(C)鉛筆硬度による表面硬度の測定 JIS-K-5401に記載の鉛筆硬度の試験方法により、鉛筆引
き掻き試験を用い、荷重200gでの上記(B)の方法で
得られた積層ポリエステルフィルムの塗膜表面の傷の有
無を試験し、以下のように評価した: 2H硬度以上の場合 : ○ それ未満の場合 : ×。
【0065】(4)耐水性および耐アルコール性の評価 水またはイソプロパノールをそれぞれ含ませた市販のテ
ィッシュペーパーを用いて、上記表面硬度の評価の方法
と同様にして得られた積層ポリエステルフィルムの塗膜
表面を一定圧で拭き、それぞれについて、以下のように
評価した: 傷が全く発生していなかった : ○ 傷が発生した : ×。
【0066】(5)耐ブロッキング性の評価 2枚の上記表面硬度の評価の方法と同様にして得られた
積層ポリエステルフィルム(3cm×3cm)の塗布面
を重ね合わせ、これを6cm×6cmのシリコンラバー
(厚み:2mm)および同寸法で厚み7mmのガラス板
で両側から挟んだ。これに2kgの荷重をかけ、50℃
で85%RHの雰囲気下で48時間放置した後、フィル
ムを剥離したときの粘着状態を観察し、以下のように評
価した: 粘着が全く見られなかった : ○ フィルムの所々に粘着が起こっていた : △ フィルムの全面で粘着が起こっていた : ×。
【0067】(6)帯電防止性の評価 上記表面硬度の評価の方法と同様にして得られた積層ポ
リエステルフィルムの塗布面の表面抵抗を、タケダ理研
社製の固有抵抗測定器で印加電圧500V、23℃、1
5%RHの条件下で測定し、帯電防止性の指標とした。
【0068】(7)スルホン化率の測定 得られたスルホン化ポリアニリンを、燃焼フラスコ内で
分解後、イオンクロマト法により、イオウ含有率を求
め、スルホン化率(芳香環に対するスルホン酸基のモル
%)を算出した。
【0069】(a)スルホン酸基含有共重合ポリエステ
ル水分散液Aの調製 ジカルボン酸成分として、ジメチルテレフタレート49
モル%、ジメチルイソフタレート49モル%、および5
−スルホイソフタル酸ナトリウム2モル%を用い、そし
て、グリコール成分として、エチレングリコール50モ
ル%、およびネオペンチルグリコール50モル%を用い
て、常法により、エステル交換反応および重縮合反応を
行った。得られたスルホン酸基含有共重合ポリエステル
のガラス転移温度は69℃であった。このスルホン酸基
含有共重合ポリエステル300部とn−ブチルセロソル
ブ150部とを加熱攪拌して粘稠な溶液とし、さらに攪
拌しながら水550部を徐々に加えて、固形分30重量
%の均一な淡白色の水分散液を得た。この分散液をさら
に水とイソプロパノールとの等量混合液中に加え、固形
分が8重量%のスルホン酸基含有共重合ポリエステル水
分散液A(以下、分散液Aという)とした。
【0070】(b)スルホン酸基含有共重合ポリエステ
ル水分散液Bの調製 ジカルボン酸成分として、ジメチルイソフタレート95
モル%、および5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モ
ル%を用い、そして、グリコール成分として、ジエチレ
ングリコール100モル%を用いたこと以外は、共重合
ポリエステル水分散液Aの場合と同様にして、固形分が
8重量%のスルホン酸基含有共重合ポリエステル水分散
液B(以下、分散液Bという)を得た。
【0071】(実施例1)N−フェニルフェニレンジア
ミン10部とp−アミノベンゼンスルホン酸19部と
を、塩酸酸性条件下で硫酸アンモニウムの塩酸溶液を0
℃下で滴下した。滴下終了後、さらに12時間攪拌後、
反応生成物を濾別し、洗浄し、そして乾燥して、粉末状
の共重合体を得た。この共重合体を濃硫酸1000重量
部に加え、5℃で6時間攪拌し、スルホン化した。反応
混合物をエタノール中に滴下し、得られた沈殿物を濾別
し、洗浄し、そして乾燥して、スルホン化ポリアニリン
を得た。このスルホン化ポリアニリンは、IRスペクト
ルにおいて、1100cm-1付近にスルホン酸基の吸収
が認められた。このスルホン化ポリアニリンのスルホン
化率は、50%であった。
【0072】上記スルホン化ポリアニリン2.0部およ
びトリメチルアミン1.2部を、水50部およびイソプ
ロパノール50部の混合溶剤に溶解した。この液を上記
分散液A100部と混合して、塗布用組成物を得た。
【0073】この組成物は濃緑色で外観上は不溶物が全
く見られなかった。この組成物を用いて、上記方法によ
り、塗布性、延展性、表面硬度、耐水性、耐アルコール
性、耐ブロッキング性、および帯電防止性を評価した。
得られた結果を以下の表1に示す。後述の実施例2〜4
ならびに比較例1および2の結果もあわせて表1に示
す。
【0074】(実施例2)分散液Aの代わりに、分散液
Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして塗布用組
成物を得、同様にして塗布性、延展性、表面硬度、耐水
性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、および帯電防
止性を評価した。
【0075】(実施例3)スルホン化ポリアニリンの合
成において、N−フェニルフェニレンジアミン10部の
代わりにアニリン10部を用い、そしてp−アミノベン
ゼンスルホン酸19部の代わりにm−アミノベンゼンス
ルホン酸18部を用いたこと以外は、実施例1と同様に
してスルホン化ポリアニリンを得た。このスルホン化ポ
リアニリンのスルホン化率は、48%であった。このス
ルホン化ポリアニリンを用いたこと以外は、実施例1と
同様にして組成物を得た。得られた組成物は、濃緑色
で、不溶物は見られなかった。この組成物を用いて、実
施例1と同様にして塗布性、延展性、表面硬度、耐水
性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、および帯電防
止性を評価した。
【0076】(実施例4)分散液Aの代わりに、分散液
Bを用いたこと以外は、実施例3と同様にして組成物を
得た。得られた組成物は、濃緑色で不溶物は見られなか
った。この組成物を用いて、実施例1と同様にして塗布
性、延展性、表面硬度、耐水性、耐アルコール性、耐ブ
ロッキング性、および帯電防止性を評価した。
【0077】(比較例1)分散液A100部の代わり
に、分散液A中のスルホン酸基含有共重合ポリエステル
を除いた液92部を用いたこと以外は、実施例1と同様
にして組成物を得、同様にして塗布性、延展性、表面硬
度、耐水性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、およ
び帯電防止性を評価した。
【0078】(比較例2)分散液A100部の代わり
に、分散液A中のスルホン酸基含有共重合ポリエステル
を除いた液92部を用いたこと以外は、実施例3と同様
にして組成物を得、同様にして塗布性、延展性、表面硬
度、耐水性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、およ
び帯電防止性を評価した。
【0079】
【表1】
【0080】(実施例5)スルホン化ポリアニリンの合
成において、N−フェニルフェニレンジアミン10部の
代わりに、N−フェニルフェニレンジアミン10部およ
びN−メチルアニリン1.3部を用い、そして水50部
およびイソプロパノール50部の混合溶剤の代わりに、
水100部およびパーフルオロアルキルベンゼンスルホ
ン酸アンモニウム0.01部の混合溶剤を用いたこと以
外は、実施例1と同様にしてスルホン化ポリアニリンを
得た。このスルホン化ポリアニリンのスルホン化率は、
42%であった。このスルホン化ポリアニリンを用いた
こと以外は、実施例1と同様にして組成物を得た。得ら
れた組成物は、濃緑色で、不溶物は見られなかった。こ
の組成物を用いて、実施例1と同様にして塗布性、延展
性、表面硬度、耐水性、耐アルコール性、耐ブロッキン
グ性、および帯電防止性を評価した。得られた結果を表
2に示す。後述の実施例6の結果もあわせて表2に示
す。
【0081】(実施例6)スルホン化ポリアニリンの合
成において、N−フェニルフェニレンジアミン10部の
代わりに、アニリン10部およびN−メチルアニリン
1.3部を用い、p−アミノベンゼンスルホン酸19部
の代わりにm−アミノベンゼンスルホン酸20部を用
い、そして水50部およびイソプロパノール50部の混
合溶剤の代わりに、水100部およびドデシルスルホン
酸0.2部の混合溶剤を用いたたこと以外は、実施例1
と同様にしてスルホン化ポリアニリンを得た。このスル
ホン化ポリアニリンのスルホン化率は、38%であっ
た。このスルホン化ポリアニリンを用いたこと以外は、
実施例2と同様にして組成物を得た。得られた組成物
は、濃緑色で、不溶物は見られなかった。この組成物を
用いて、実施例1と同様にして塗布性、延展性、表面硬
度、耐水性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、およ
び帯電防止性を評価した。
【0082】
【表2】
【0083】(実施例7)N−フェニルフェニレンジア
ミン20mmolと2−アミノアニソール−4−スルホ
ン酸40mmolとを、1M硫酸水溶液100ml中に
入れ、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの塩酸溶液を滴下
した。滴下終了後、さらに12時間攪拌後、反応生成物
を濾別し、洗浄し、そして乾燥して、粉末状の共重合体
を得た。この共重合体を濃硫酸1000重量部に加え、
5℃で6時間攪拌し、スルホン化した。反応混合物をエ
タノール中に滴下し、得られた沈殿物を濾別し、洗浄
し、そして乾燥して、スルホン化ポリアニリンを得た。
このスルホン化ポリアニリンは、IRスペクトルにおい
て、1100cm-1付近にスルホン酸基の吸収が認めら
れた。このスルホン化ポリアニリンのスルホン化率は、
45%であった。
【0084】上記スルホン化ポリアニリン2.0部およ
び0.1Nアンモニア水100部を、水50部およびイ
ソプロパノール50部の混合溶剤に溶解した。この液を
上記分散液A100部と混合して、組成物を得た。
【0085】この組成物を用いて、上記方法により、塗
布性、延展性、表面硬度、耐水性、耐アルコール性、耐
ブロッキング性、および帯電防止性を評価した。得られ
た結果を以下の表3に示す。実施例8〜10ならびに比
較例3および4の結果もあわせて表3に示す。
【0086】(比較例3)分散液A100部の代わり
に、分散液A中のスルホン酸基含有共重合ポリエステル
を除いた液92部を用いたこと以外は、実施例7と同様
にして組成物を得、同様にして塗布性、延展性、表面硬
度、耐水性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、およ
び帯電防止性を評価した。
【0087】(実施例8)分散液Aの代わりに、分散液
Bを用いたこと以外は、実施例7と同様にして組成物を
得た。この組成物を用いて、実施例1と同様にして塗布
性、延展性、表面硬度、耐水性、耐アルコール性、耐ブ
ロッキング性、および帯電防止性を評価した。
【0088】(実施例9)スルホン化ポリアニリンの合
成において、N−フェニルフェニレンジアミンの代わり
に、アニリンを用いたこと以外は、実施例7と同様にし
てスルホン化ポリアニリンを得た。このスルホン化ポリ
アニリンのスルホン化率は、36%であった。このスル
ホン化ポリアニリンを用いたこと以外は、実施例1と同
様にして組成物を得た。この組成物を用いて、実施例1
と同様にして塗布性、延展性、表面硬度、耐水性、耐ア
ルコール性、耐ブロッキング性、および帯電防止性を評
価した。
【0089】(実施例10)スルホン化ポリアニリンの
合成において、N−フェニルフェニレンジアミンの代わ
りにアニリンを用い、分散液Aの代わりに分散液Bを用
いたこと以外は、実施例7と同様にして組成物を得た。
この組成物を用いて、実施例1と同様にして塗布性、延
展性、表面硬度、耐水性、耐アルコール性、耐ブロッキ
ング性、および帯電防止性を評価した。
【0090】(比較例4)スルホン化ポリアニリンの合
成において、N−フェニルフェニレンジアミンの代わり
にアニリンを用い、分散液A100部の代わりに分散液
A中のスルホン酸基含有共重合ポリエステルを除いた液
92部を用いたこと以外は、実施例7と同様にして組成
物を得、同様にして塗布性、延展性、表面硬度、耐水
性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、および帯電防
止性を評価した。
【0091】(実施例11)スルホン化ポリアニリンの
合成において、N−フェニルフェニレンジアミンの代わ
りにアニリンを用い、分散液B100部の代わりに分散
液B50部を用い、そして水50部およびイソプロパノ
ール50部の混合溶剤の代わりに、水100部およびポ
リビニルアルコール4部の混合溶剤を用いたこと以外
は、実施例7と同様にして組成物を得た。この組成物を
用いて、実施例1と同様にして塗布性、延展性、表面硬
度、耐水性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、およ
び帯電防止性を評価した。
【0092】(実施例12)スルホン化ポリアニリンの
合成において、N−フェニルフェニレンジアミンの代わ
りにアニリンを用い、分散液B100部の代わりに分散
液B50部を用い、水100部およびポリビニルアルコ
ール4部に加えてパーフルオロアルキルベンゼンスルホ
ン酸アンモニウム0.01部の混合溶剤を用いたこと以
外は、実施例7と同様にして組成物を得た。この組成物
を用いて、実施例1と同様にして塗布性、延展性、表面
硬度、耐水性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、お
よび帯電防止性を評価した。
【0093】
【表3】
【0094】上記表1〜3より、実施例1〜12におい
て得られた本発明の導電性組成物は、塗布性が優れてお
り、この組成物から得られる塗膜の延展性、表面硬度、
耐水性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、および帯
電防止性もまた優れていた。比較例1〜4において得ら
れた、スルホン酸基含有共重合ポリエステル水分散液を
含有しない組成物から得られる塗膜は、延展性、表面硬
度、耐水性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、およ
び帯電防止性が不十分であった。
【0095】
【発明の効果】本発明の導電性組成物は、フィルムなど
の基材表面に塗布した場合、低湿度下で優れた帯電防止
性を発揮する。本発明の導電性組成物は、磁気テープ、
OHP用フィルムなどの工業用フィルム;各種包装用フ
ィルムなどの帯電防止剤として、好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 和洋 滋賀県大津市堅田2−1−1 東洋紡績 株式会社 総合研究所内 フィルム研究 所 (56)参考文献 特開 平8−143662(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 79/00 - 79/08 C08K 3/00 - 13/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香環に結合したスルホン酸基を有する
    スルホン化ポリアニリンであって、該スルホン酸基の含
    有量が該芳香環に対して10%以上の割合であるスルホ
    ン化ポリアニリンを100重量部、アミン類および4級
    アンモニウム塩類からなる群より選択される少なくとも
    1種を1〜150重量部、およびスルホン酸基およびそ
    のアルカリ金属塩基からなる群より選択される少なくと
    も1種の基を有する水溶性または水分散性共重合ポリエ
    ステルを50〜2000重量部の割合で含有し、かつ前
    記共重合ポリエステルが5−スルホイソフタル酸単位を
    1〜20モル%の割合で含有する、導電性組成物。
  2. 【請求項2】 さらに界面活性剤を含有する請求項1に
    記載の導電性組成物であって、該界面活性剤が、前記ス
    ルホン化ポリアニリン100重量部に対して0.01〜
    10重量部の割合で含有され、該界面活性剤と前記共重
    合ポリエステルとの合計量が、50〜2000重量部で
    ある、導電性組成物。
  3. 【請求項3】 前記スルホン化ポリアニリンが、アニリ
    ン、アニリン誘導体、およびフェニレンジアミン類から
    なる群より選択される少なくとも1種の化合物と、アミ
    ノベンゼンスルホン酸化合物とから主としてなる共重合
    体を、スルホン化することによって得られるアニリン系
    共重合体スルホン化物である、請求項1または2に記載
    の導電性組成物。
  4. 【請求項4】 前記スルホン化ポリアニリンが、アニリ
    ン、アニリン誘導体、およびフェニレンジアミン類から
    なる群より選択される少なくとも1種の化合物と、アル
    コキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸化合物とを、共
    重合することによって得られるアニリン系共重合体スル
    ホン化物である、請求項1または2に記載の導電性組成
    物。
  5. 【請求項5】 さらに、高分子化合物を含有し、該高分
    子化合物が前記スルホン化ポリアニリン100重量部に
    対して1000重量部以下の割合で含有される、請求項
    1から4のいずれかに記載の導電性組成物。
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