JPH11115131A - 導電性積層フィルムの製造法 - Google Patents

導電性積層フィルムの製造法

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JPH11115131A
JPH11115131A JP28078897A JP28078897A JPH11115131A JP H11115131 A JPH11115131 A JP H11115131A JP 28078897 A JP28078897 A JP 28078897A JP 28078897 A JP28078897 A JP 28078897A JP H11115131 A JPH11115131 A JP H11115131A
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water
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sulfonic acid
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laminated film
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JP28078897A
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Kazuhiro Abe
和洋 阿部
Juji Konagaya
重次 小長谷
Atsushi Hoshio
淳 星尾
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本来のポリエステルフィルムのような構造形
成体の優れた点を生かしつつ、その欠点である静電気障
害を克服するのに充分な帯電防止性を与えることを目的
とする。 【解決手段】 熱可塑性フィルムの少なくとも片面に、
ポリアニリン及び/またはスルホン化ポリアニリン10
0重量部、スルホン酸基及び/またはそのアルカリ金属
塩基の結合した水溶性または水分散性共重合ポリエステ
ルを10〜2000重量部、界面活性剤を0.001〜
1000重量部を含んでなる導電層を積層した後、50
℃以上で乾燥することを特徴とする導電性積層フィルム
の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性積層フィル
ムの製造法に関するものであり、さらに詳しくは、低湿
度下でも帯電防止性および導電性の優れた熱可塑性樹脂
フィルム、中でもポリエステルフィルムに関するもので
あり、具体的には磁気テープ、OHP、シールド材、L
CD、刷版、感熱材、写真用支持体等の導電層等の工業
用フィルム;キャリアテープ、トレー、マガジン、IC
・LSIパッケージ等の包装用フィルムが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル、ナイロン等の
熱可塑性フィルムは、耐熱性、寸法安定性、機械的強度
等に優れるため、包装用フィルム、工業用フィルムとし
て、多量かつ広い範囲に使われている。また、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等は耐熱性は劣
るが、成形性の良さ、安価である等の理由で包装材料と
して一般的に用いられている。合成樹脂は一般的に疎水
性であるため、合成樹脂からなる構造形成体の表面に静
電気が発生しやすく、ほこり等が表面に付着しやすくな
り、様々なトラブルを引き起こしている。一般的にはフ
ィルム、包装材料等の帯電防止剤として界面活性剤が用
いられるが、界面活性剤では塵、ほこり等の付着を抑制
するのに充分な表面抵抗(1010Ω/□以下)が得られ
ないのみならず、帯電防止能が周囲の湿気や水分の影響
を受け変化しやすい。特に界面活性剤により低下したフ
ィルムの表面抵抗が、低湿度下では大幅に増大して所望
の帯電防止能が得られなくなる欠点がある。その結果、
フィルム、包装材料表面へのほこりの付着が起こり、様
々なトラブルの原因となる。よりハイテク化した今日、
低湿度環境下で静電気障害のないフィルムが求められつ
つあり、そのためには低湿度下で1010Ω/□以下の表
面抵抗値を与える帯電防止剤の出現が望まれている。こ
のような低表面抵抗値を与える素材として、ポリアニリ
ン、ポリピロール等の導電性高分子が知られているが、
いずれも、特定の有機溶剤には可溶であるが、水や水/
アルコール混合溶媒系には不溶または分散不可であった
ため、芳香環にスルホン酸基を結合させる方法等が行わ
れ、かつ単独では充分な膜特性が出ないため、水溶性ま
たは水分散性樹脂を混合する方法が行われてきた。しか
しスルホン化したポリアニリンとの相溶性の良い樹脂を
用いた場合は所定の表面抵抗値が出ず、反対に所定の表
面抵抗値が出る場合は、表面が白濁してフィルム本来の
透明性を損なうという問題が生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目して鋭意研究の結果なされたものであり、その
目的は、本来の熱可塑性フィルムのような構造形成体の
優れた点を生かしつつ、低湿度下でも静電気障害を克服
するに充分な帯電防止能を持ち、かつ透明性を失わない
安価な熱可塑性フィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性フィ
ルムの少なくとも片面に、ポリアニリン及び/またはス
ルホン化ポリアニリン100重量部、スルホン酸基及び
/またはそのアルカリ金属塩基の結合した水溶性または
水分散性共重合ポリエステルを10〜2000重量部、
界面活性剤を0.001〜1000重量部を含んでなる
導電層を積層した後、50℃以上で乾燥することを特徴
とする導電性積層フィルムの製造法に関するものであ
る。
【0005】本発明における熱可塑性フィルムとして
は、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリスチレン等の単一ポリマーによるもの、あ
るいはそれらを混合したもの、積層したものでも構わな
い。また、前記熱可塑性フィルムに非相溶な熱可塑性樹
脂を混合して得られたシート状物を少なくとも一軸に延
伸することにより得られる空洞含有フィルムでも構わな
い。
【0006】本発明におけるスルホン化ポリアニリンと
しては、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を
主成分とするアニリン系共重合体スルホン化物が本発明
の導電性組成物の基本素材に好適であり、特にアミノア
ニソールスルホン酸が好適である。さらに、本発明の導
電性組成物の塗布性、延展性、塗布体の硬度の向上の点
において、5−スルホイソフタル酸単位を4モル%以上
10モル%以下含む該共重合ポリエステルの併用はさら
に好適である。
【0007】ここで、アミノアニソールスルホン酸類の
具体例として、2−アミノアニソール−3−スルホン
酸、2−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミ
ノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソール
−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホ
ン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3−ア
ミノアニソール−5−スルホン酸、3−アミノアニソー
ル−6−スルホン酸、4−アミノアニソール−2−スル
ホン酸、4−アミノアニソール−3−スルホン酸等を挙
げることができる。アニソールのメトキシ基がエトキシ
基、iso−プロポキシ基等のアルコシキ基に置換され
た化合物を用いることも可能である。しかし、2−アミ
ノアニソール−3−スルホン酸2−アミノアニソール−
4−スルホン酸、2−アミノアニソール−5−スルホン
酸、2−アミノアニソール−6−スルホン酸、3−アミ
ノアニソール−2−スルホン酸、3−アミノアニソール
−4−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−スルホ
ン酸が好ましく用いられる。
【0008】アミノアニソールスルホン酸を主成分とす
るスルホン化ポリアニリン共重合体が本発明の積層フィ
ルムの1成分に用いられる。前述したように、本発明に
用いられるスルホン化ポリアニリン共重合体は、スルホ
ン酸基が芳香環に対して70%以上、好ましくは80%
以上、さらに好ましくは100%である。また、スルホ
ン酸基を含む芳香環と含まない芳香環が混在したり、交
互に並んだりしても、本発明の目的には問題はない。該
スルホン化ポリアニリン共重合体のスルホン酸基含有率
が70%未満であると該共重合体の水、アルコールまた
はそれらの混合溶媒系等への溶解性または分散性が不充
分になり、結果として基体への塗布性及び延展性が悪く
なり、得られる塗布膜の導電性が著しく低下する傾向に
なる。本発明に用いられるスルホン化ポリアニリン共重
合体の数平均分子量は300〜500000で1000
以上が前記溶媒への溶解性及び塗布膜の強度の点で好ま
しい。該スルホン化ポリアニリン共重合体の使用割合は
溶剤100重量部に対して0.01−10重量部であ
り、好ましくは0.1−2重量部である。
【0009】前記スルホン化ポリアニリン共重合体の使
用割合が0.01重量部未満では、溶液の長期保存性が
悪くなり、表面のコート層にピンホールが発生しやすく
なりコート面の導電性が著しく劣る。また、使用割合が
10重量部を越えると該共重合体の水又は水/有機溶媒
系への溶解性、分散性及びコート層の塗布性が悪くなる
傾向があり、好ましくない。前記溶媒は、ポリエステル
フィルム等の基体を溶解または膨潤させないならば、い
かなる有機溶媒も使用可能であるが、水または水/アル
コール等の有機溶媒との混合溶媒を用いる方が、使用環
境面で好ましいのみならず、支持体への塗布性及び導電
性が向上する場合もある。有機溶媒はメタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルプロピレング
リコール、エチルプロピレングリコールなどのプロピレ
ングリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミドなどのアミド類、N−メチルピロリドン、N−
エチルピロリドンなどのピロリドン類などが好ましく用
いられる。これらは、水と任意の割合で混合して用いら
れる。この例として、具体的には、水/メタノール、水
/エタノール、水/プロパノール、水/イソプロパノー
ル、水/メチルプロピレングリコール、水/エチルプロ
ピレングリコールなどを挙げることができる。用いられ
る割合は水/有機溶媒=1/10〜10/1が好まし
い。
【0010】本発明で用いられるスルホン酸基およびそ
のアルカリ金属塩基からなる群より選択される少なくと
も1種の基が結合した共重合ポリエステル(以下、スル
ホン酸基含有共重合ポリエステルという)とは、ジカル
ボン酸成分および/またはグリコール成分の一部にスル
ホン酸基およびそのアルカリ金属塩基からなる群より選
択される少なくとも1種の基が結合したポリエステルを
いい、中でも、スルホン酸基およびそのアルカリ金属塩
基からなる群より選択される少なくとも1種の基を含有
した芳香族ジカルボン酸成分を全酸成分に対して4〜1
0モル%の割合で用いて調整した共重合ポリエステル
が、本発明の導電性積層フィルムの表面硬度が高いとい
う点で好ましい。このようなジカルボン酸の例として
は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好適である。
【0011】他のジカルボン酸成分としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、p−β−オキシエトキ
シ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−ジカルボキシジフェニル、4,4’−ジカルボキ
シベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エ
タン、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−1,
4−ジカルボン酸などが挙げられる。本発明の導電性積
層フィルムの表面硬度の向上の点から、テレフタル酸お
よびイソフタル酸が好ましい。
【0012】共重合ポリエステルを調整するためのグリ
コール成分としては、エチレングリコールが主として用
いられ、この他に、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ールなどが用いられ得る。中でも、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノールなどを共重合成分として用いると、スル
ホン化ポリアニリンとの相溶性が向上するという点で好
ましい。
【0013】この他、共重合成分として、少量のアミド
結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合
などを含有するジカルボン酸成分、グリコール成分を含
んでも良い。さらに得られる本発明の導電層を基材に塗
布して得られる塗膜の表面硬度を向上させるために、ト
リメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水ト
リメリット酸、無水ピロメリット酸などの多カルボキシ
基含有モノマーを5モル%以下の割合で上記ポリエステ
ルの共重合成分として用いることも可能である。5モル
%を越える場合には、得られるスルホン酸基含有共重合
ポリエステルが熱的に不安定となり、ゲル化しやすく、
本発明の導電層の成分として好ましくない。
【0014】上記スルホン酸基含有共重合ポリエステル
は、例えば、上記ジカルボン酸成分、上記グリコール成
分、および必要に応じて、上記多カルボキシル基含有モ
ノマーを用いて、常法により、エステル交換反応、重縮
合反応などを行うことにより得られる。得られたスルホ
ン酸基含有共重合ポリエステルは、例えば、n−ブチル
セロソルブのような溶媒とともに加熱撹はんされ、さら
に撹はんしながら徐々に水を加えることにより、水溶液
または水分散液とされて用いられ得る。
【0015】上記スルホン酸基含有共重合ポリエステル
の含有割合は、得られる導電性積層フィルムの導電性お
よび機械的特性から、ポリアニリン及び/またはスルホ
ン化ポリアニリン100重量部に対して50〜2000
重量部が好ましく、さらに好ましくは100〜1500
重量部、最も好ましくは200〜1000重量部であ
る。
【0016】本発明の導電層は、通常溶剤に溶解または
分散させて、所望の基体表面に塗布される。ここで用い
られる溶剤は、基材(例えば、ポリエステルフィルム
等)を溶解または膨潤させないならば、いかなる有機溶
媒も使用可能である。水、または水と有機溶媒との混合
溶媒を用いることにより、使用環境面で好ましいだけで
なく、得られる本発明の導電性積層フィルムの帯電防止
性が向上する場合もある。
【0017】上記有機溶媒しては、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、などのアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブなどのセロソルブ類、メチルプロピレングリ
コール、エチルプロピレングリコールなどのプロピレン
グリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミドなどのアミド類、N−メチルピロリドン、N−エ
チルピロリドンなどのピロリドン類などが好ましく用い
られる。これらの有機溶媒は、水と任意の割合で混合し
て用いられ得る。混合の例としては、水/メタノール、
水/エタノール、水/プロパノール、水/イソプロパノ
ール、水/メチルプロピレングリコール、水/エチルプ
ロピレングリコールなどが挙げられる。その混合割合
は、水/有機溶媒=1/10〜10/1が好ましい。
【0018】溶剤の使用割合は特に制限されないが、通
常ポリアニリン及び/またはスルホン化ポリアニリン1
00重量部に対して、1000〜20000重量部であ
る。溶剤の使用量が極端に多い場合は、得られる本発明
の導電性積層フィルムの塗布性が悪くなる恐れがある。
従って、導電層にピンホールが発生しやすくなり、この
導電性積層フィルムの導電性が著しく低下、すなわち帯
電防止性が低下する恐れがある。溶剤の使用量が極端に
少ない場合は、このポリアニリン及び/またはスルホン
化ポリアニリンの上記溶剤への溶解性または分散性が不
十分となり、得られる導電層の表面が平坦になりにくく
なる恐れがある。
【0019】本発明の導電層は、上記成分のみでも、塗
布性および延展性が優れており、得られる導電層の表面
硬度も良好であるが、上記溶剤に可溶な界面活性剤及び
/または高分子化合物をさらに併用することにより、濡
れ性の悪い熱可塑性フィルムへの塗布も可能となる。
【0020】上記界面活性剤としては、例えば、ポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤及びフルオ
ロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン
酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフ
ルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキ
ルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界面活
性剤が用いられる。
【0021】本発明に用いられる界面活性剤の量は、ポ
リアニリン及び/またはスルホン化ポリアニリン100
重量部に対して、0.001重量部以上10重量部以下
である。
【0022】上記界面活性剤が10重量部を越えると非
コート面にコート層中の界面活性剤が裏移りして、2次
加工等で問題を生じてしまう。
【0023】本発明の導電性積層フィルムの導電層に含
有され得る高分子化合物としては、例えば、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂、水
酸基またはカルボン酸基を含んだ水溶性または水分散性
共重合ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸などのアクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エステルポリ
メタクリル酸エステルなどのアクリル酸エステル樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、などのエステル樹脂、ポリスチレン、ポリーαー
メチルスチレン、ポリクロロメチルスチレン、ポリスチ
レンスルホン酸、ポリビニルフェノールなどのスチレン
樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエ
ーテルなどのビニルエーテル樹脂、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなど
のポリビニルアルコール類、ノボラック、レゾールなど
のフェノール樹脂などが用いられ得る。中でも上記スル
ホン化ポリアニリンとの相溶性の点から、およびポリエ
ステルなどからなる基材との接着性の点から水酸基また
はカルボン酸基を含んだ水溶性または水分散性共重合ポ
リエステル類が好ましい。
【0024】上記高分子化合物量は、好ましくは、ポリ
アニリン及び/またはスルホン化ポリアニリン100重
量部に対して、0〜1000重量部、さらに好ましく
は、0〜500重量部である。高分子化合物の量が10
00重量部以上では、ポリアニリン及び/またはスルホ
ン化ポリアニリンの導電性が現れず、本来の帯電防止機
能が発揮されない。
【0025】本発明の導電性積層フィルムの導電層に
は、上記の他に、種々の添加剤が含まれ得る。このよう
な添加剤としては、TiO2 、SiO2 、カオリン、C
aCO 3 、Al2 3 、BaSO4 、ZnO、タルク、
マイカ、複合粒子などの無機粒子;ポリスチレン、ポリ
アクリレート、またはそれらの架橋体で構成される有機
粒子などが挙げられる。導電性のさらなる向上を目的と
して、SnO2 、(酸化スズ)、ZnO(酸化亜鉛)の
粉末、それらを被覆した無機粒子(TiO2 、BaSO
4 など)、カーボンブラック、黒鉛、カーボン繊維など
のカーボン系導電性フィラーなどを添加することも可能
である。上記添加剤の含有量は、スルホン化ポリアニリ
ン100重量部に対して、4000重量部以下の割合で
あることが好ましい。4000を越える場合には、導電
層の粘度アップにより塗布ムラの原因となるおそれがあ
る。
【0026】熱可塑性フィルム表面に導電層を積層する
方法としては、グラビアロールコーティング法、リバー
スロールコーティング法、ナイフコータ法、ディップコ
ート法、スピンコート法などがあるが、導電性組成物に
適したコート法は50℃以上の乾燥を行う以外特に制限
はない。50℃以下では帯電防止性及び導電層の強度が
充分でない。さらにフィルムへの塗布を製膜工程内で同
時に行うインラインコート法と製膜ロール製造後独立し
て行うオフラインコート法があるが、用途に応じて好ま
しい方法を選ぶことが可能で、特に制限はない。本発明
で用いるポリアニリン及び/またはスルホン化ポリアニ
リンは250℃以上の高温では不安定であるが、200
℃で約3分間も熱安定性が良好であるので、共存する高
分子化合物及び添加剤の種類にもよるが、通常短時間の
200℃加熱ならば導電性に悪影響を与えない。
【0027】
【作用及び効果】本発明の製造法による導電性積層フィ
ルムを、工業用、包装用フィルムとして用いると、強い
表面強度、透明性を維持しつつ、低湿度下でも帯電防止
性を与えることができる。
【0028】実施例 次に本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれ
に限定されない。また本発明に用いる評価法を以下に示
す。
【0029】1)導電層の白化の有無 導電層表面にブロムライトで光を照射し、白化の有無を
以下のように評価した。 ・導電層表面に白化部が全く無い。 :○ ・導電層表面の一部が白化している。:×
【0030】2)表面抵抗値 三菱油化社製表面抵抗測定器で印加電圧500V、25
℃、15%RHの条件下で測定した。
【0031】3)導電層の熱可塑性フィルムへの密着性
の評価 導電層表面からセロテープを剥し、導電層が熱可塑性フ
ィルムから剥離するかどうかで以下のように評価した。 ・導電層が剥離せず、セロテープに全く付着しない。:○ ・導電層が僅かに剥離し、セロテープに付着する。 :△ ・導電層が完全に剥離し、セロテープに付着する。 :×
【0032】4)耐擦傷性 200gの荷重で導電層表面をガーゼで10往復擦り、
導電層表面の傷の付き具合いを以下のように評価した。 ・導電層表面に傷が全く付いていない。 :○ ・導電層表面に細い傷が数本付いている。 :△ ・導電層表面に目視ではっきりわかる傷が付いている。:×
【0033】5)裏移り性 導電層表面と熱可塑性フィルムの反対面を重ねあわせ、
170kg/m2の荷重を室温で10分間かけた後、反対面
に導電層の1部が裏移りしているかどうかを目視及び表
面抵抗値で評価した。
【0034】6)耐水性 水を含ませた市販のティッシュペーパーを用いて、一定
圧で導電層表面を10回拭き、導電層が全く拭き取られ
ない場合を○、僅かに拭き取られる場合を△、完全に拭
き取られる場合を×とした。
【0035】(合成例1)スルホン酸基含有ポリエステ
ル及び水分散液の調整 まずスルホン酸基含有ポリエステルを次の方法により合
成、さらにその分散液を調整した。ジカルボン酸成分と
してジメチルテレフタレート46モル%、ジメチルイソ
フタレート47モル%及び5−スルホイソフタル酸ナト
リウム7モル%を使用し、グリコール成分としてエチレ
ングリコール50モル%及びネオペンチルグリコール5
0モル%を用いて、常法によりエステル交換反応及び重
縮合反応を行った。得られたスルホン酸基含有ポリエス
テルのガラス転移温度は69℃であった。このスルホン
酸基含有ポリエステル300部とn−ブチルセロソルブ
150部とを加熱撹はんして、粘ちょうな溶液とし、さ
らに撹はんしつつ水550部を徐々に加えて、固形分3
0重量%の均一な淡白色の水分散液を得た。この分散液
をさらに水とイソプロパノールの等量混合液中に加え、
固形分が8重量%のスルホン酸基含有ポリエステル水分
散液を調整した。
【0036】(合成例2)スルホン酸基含有ポリアニリ
ン水溶液の調整 2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmol
を23℃で4モル/リットルのアンモニア水溶液に撹は
ん溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmo
lの水溶液を滴下した。滴下終了後23℃で10時間さ
らに撹拌した後、反応生成物を濾別洗浄、乾燥し、粉末
状の共重合体を14gを得た。この共重合体の体積固有
抵抗値は13.1Ωcmであった。上記重合体3重量部を
0.3モル/リットルの硫酸水溶液100重量部に室温
で撹はん溶解し導電性組成物を調整した。この時のスル
ホン化ポリアニリンのスルホン酸基の含有量は100%
であった。上記スルホン化ポリアニリン10重量部を、
水100重量部に溶解した。
【0037】(塗布液の調整)水とイソプロピルアルコ
−ルがそれぞれ50重量部になるように混合した溶媒
に、界面活性剤エマルゲン810(花王製)、上記スル
ホン酸基含有ポリエステル水分散液、上記スルホン酸基
含有ポリアニリン水溶液をこの順序に混合撹拌して、塗
布液を作製した。
【0038】(基材フィルムの作製)平均粒径0.5μ
mの炭酸カルシウム微粒子が4000ppmので分散さ
れたポリエチレンテレフタレートを290℃で溶融押し
出しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ約180
μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、
85℃に加熱された周速の異なる一対のロール間で縦方
向に3.5倍延伸して基材フィルムとした。
【0039】(積層フィルムの作製)得られた厚さ約5
0μmの基材(PET)フィルム上に固形分濃度4%の
塗布液を厚さ約10μmで塗布し、60℃で乾燥し、さ
らに横方向に3.5倍に延伸した後、220℃で熱セッ
トを行い本発明の導電性積層フィルムを作製した。
【0040】(実施例1)塗布液をスルホン化ポリアニ
リンとスルホン酸基含有ポリエステルの固形分比が10
/90、さらに、界面活性剤エマルゲン810(花王
製)をスルホン化ポリアニリンとの比が7/100にな
るように添加した。
【0041】(実施例2)合成例1でジメチルテレフタ
レートを47モル%、ジメチルイソフタレートを47モ
ル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウムを5モル%
にし、かつ合成例2で硫酸水溶液の濃度を0.3モル/
リットルにする以外は実施例1と同様に行った。
【0042】(実施例3)スルホン化ポリアニリンとス
ルホン酸基含有ポリエステルの固形分比を20/80に
し、かつ界面活性剤の添加比を30/100にする以外
は実施例1と同様に行った。
【0043】(実施例4)合成例1でジメチルテレフタ
レートを48モル%、ジメチルイソフタレートを47モ
ル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウムを5%に、
合成例2で硫酸水溶液の濃度を0.2モル/リットルに
し、かつスルホン化ポリアニリンとスルホン酸基含有ポ
リエステルの固形分比を20/80にし、さらに界面活
性剤の添加比を60/100にする以外は実施例1と同
様に行った。
【0044】(比較例1)合成例1でジメチルテレフタ
レートを49モル%、ジメチルイソフタレートを49モ
ル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウムを1.5%
に、かつ界面活性剤の添加比を30/100にする以外
は実施例1と同様に行った。
【0045】(比較例2)合成例2で硫酸水溶液中での
撹はんを行わない以外は実施例1と同様に行った。
【0046】(比較例3)合成例2で硫酸水溶液の濃度
を0.12モル/リットルにし、かつ界面活性剤の添加
比を500/10にする以外は実施例1と同様に行っ
た。
【0047】(比較例4)導電層の乾燥を25℃で行っ
た以外は実施例1と同様に行った。
【0048】以上の結果を表1に示した。表1に示す様
に、実施例の何れも、白化性、表面抵抗値、密着性、耐
擦傷性、裏移り性、耐水性が優れていた。一方、比較例
1、2は白化部があり、透明性が損なわれていた。比較
例3は界面活性剤の添加量が多いため裏移りが生じてし
まった。さらに比較例4は乾燥が不十分なため、密着
性、耐擦傷性、耐水性が不十分であった。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明かな様に、本発明の導
電性積層フィルムは、透明性に優れ、かつ低湿度下でも
優れた帯電防止性を発揮する。本発明の導電性積層フィ
ルムは、磁気テープ、OHP用フィルム、シールド材、
LCD、刷版、感熱材、写真用支持体の導電層などの各
種工業用フィルム;キャリアテープ、トレー、マガジ
ン、IC・LSIパッケージ等の各種包装用フィルムな
どに好適である。
【0050】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性フィルムの少なくとも片面に、
    水及び/または有機溶剤を1000〜1000000重
    量部、ポリアニリン及び/またはスルホン化ポリアニリ
    ン100重量部、スルホン酸基及び/またはそのアルカ
    リ金属塩基の結合した水溶性または水分散性共重合ポリ
    エステルを10〜2000重量部、界面活性剤を0.0
    01〜1000重量部を含んでなる組成物を積層した
    後、50℃以上で乾燥することを特徴とする導電性積層
    フィルムの製造法。
  2. 【請求項2】 前記スルホン化ポリアニリンがアルコキ
    シ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とすること
    を特徴とする請求項1記載の導電性積層フィルムの製造
    法。
  3. 【請求項3】 前記アルコキシ基置換アミノベンゼンス
    ルホン酸がアミノアニソールスルホン酸であることを特
    徴とする請求項1乃至2記載のいずれかの導電性積層フ
    ィルムの製造法。
  4. 【請求項4】 前記水溶性または水分散性共重合ポリエ
    ステルが5−スルホイソフタル酸単位を2〜10モル%
    含むことを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれかの
    導電性積層フィルム製造法。
  5. 【請求項5】 前記導電層の表面抵抗値が、25℃、1
    5%RHで106 〜1012Ω/□であることを特徴とす
    る請求項1乃至4記載のいずれかの導電性積層フィルム
    の製造法。
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