JP3097251B2 - 易接着性ポリエステルフイルム - Google Patents
易接着性ポリエステルフイルムInfo
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Description
フイルムに関し、さらに詳しくは接着性、耐ブロッキン
グ性などに優れ、磁気記録材料、各種写真材料、包装材
料、電気絶縁材料、一般工業材料などに使用される基材
フイルムとして好適な易接着性ポリエステルフイルム、
特に磁気記録材料に使用される基材フイルムとして好適
な易接着性ポリエステルフイルムに関する。
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレートあるいはポリ−1,4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレート及びこれらを主体とするポリエ
ステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、繊
維、フイルムあるいはシートさらにはその成型品として
広く使用されている。特に、ポリエステルフイルムは耐
熱性、耐薬品性、機械的特性において優れた性質を有す
るために、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電
気絶縁材料、一般工業材料等多くの用途に用いられてい
る。
不活性で接着性に乏しいため、フイルム表面に種々の被
覆物、例えば磁性体塗料、ケミカルマット塗料、ジアゾ
感光塗料、ゼラチン組成物、ヒートシール付与組成物、
インキなどを塗布あるいは印刷する際には、該被覆物と
の接着性を良好とするためにフイルム表面にコロナ放電
あるいはプラズマ等の物理的な処理やアルカリあるいは
アミン類の化学薬品を使用した化学的な処理をする方
法、さらには易接着性物質をコーティングする方法など
が知られている。しかし、物理的あるいは化学的な表面
処理方法は工程が煩雑となり、コストアップとなるばか
りでなく、十分な接着性が得られない。
法はポリエステルフイルムの製造工程内で実施でき、コ
スト面で有利であり、かつ、種々の被覆物に対応できる
接着性物質を選択することが可能である。さらに、ポリ
エステルフイルムの取り扱い性、フイルム製造時の作業
性の点から、種々の水分散あるいは水溶性共重合ポリエ
ステルおよび該共重合ポリエステルをポリエステルフイ
ルムに積層あるいは塗布することが提案されて来た。例
えば、特公昭47−40873号公報、特開昭50−1
21336号公報にはポリエステルにポリエチレングリ
コール及びエステル形成スルホン酸金属塩化合物を共重
合したもの、特開昭50−83497号公報、特開昭5
4−3848号公報、特開昭56−144150号公
報、特開昭57−70153号公報、特開昭57−70
177号公報および特開昭59−215318号公報に
はエステル形成スルホン酸金属塩化合物および脂肪族ジ
カルボン酸成分を共重合したものあるいはポリエステル
フイルムに積層あるいは塗布したものなどが開示されて
いる。
た従来技術においては次のような問題点がある。すなわ
ち従来の水分散あるいは水溶性共重合ポリエステルおよ
び該共重合ポリエステルをポリエステルフイルムに積層
あるいは塗布したものは、水分散あるいは水溶性を向上
させる目的で、エステル形成スルホン酸金属塩化合物と
ポリエチレングリコールあるいは脂肪族ジカルボン酸成
分等を併用したものがあるが、水分散あるいは水溶性は
十分でなく、さらには、ポリエチレングリコールあるい
は脂肪族ジカルボン酸成分を2種以上共重合するため
に、ポリエステルのガラス転移温度が著しく低下するな
どして、積層あるいは塗布したポリエステルフイルムに
接着性は発現するものの、著しく耐ブロッキング性に劣
り、作業性が低下するなどの欠点がある。
着性、耐ブロッキング性などに優れ、磁気記録材料等に
使用される基材フイルムとして好適な易接着性ポリエス
テルフイルムを提供することを目的とする。
易接着性ポリエステルフイルムは、ポリエステルフイル
ムの少なくとも片面に、50モル%以上が芳香族ジカル
ボン酸成分、5〜50モル%がエステル形成性スルホン
酸アルカリ金属塩化合物とグリコール成分からなるポリ
エステルであり、かつ全グリコール成分に対してビスフ
ェノール誘導体を5〜90モル%共重合せしめた水溶性
共重合ポリエステルを易接着層として積層したものから
なる。
成するポリエステルとは、ジカルボン酸もしくはそのエ
ステル形成性誘導体とグリコールとのエステル化もしく
はエステル交換ならびに重縮合反応によって製造され
る。ポリエステルの種類についてはフイルムに形成しう
るものであれば特に限定されない。フイルムに形成しう
る好適なポリエステルとして、ジカルボン酸成分として
芳香族ジカルボン酸を使用したものがよく、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシ
ベンゾエート、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロ
ロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレー
ト、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン
−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートあるい
は、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタ
レート等が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレー
トが品質、経済性などを総合的に勘案すると最も好まし
い。そのため以後ポリエチレンテレフタレート(以後P
ETと略称する)をポリエステルの代表例として記述を
進める。もちろんこれらのポリエステルはホモポリエス
テルであっても、コポリエステルであってもよく、共重
合する成分としては、各種芳香族ジカルボン酸成分、脂
肪族ジカルボン酸、オキシカルボン酸さらには各種グリ
コールを挙げることができる。また、ポリエステルフイ
ルムを構成するポリエステルには公知の添加剤、例え
ば、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、脂
肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤あるいはポリシ
ロキサンなどの消泡剤、また滑り性などを付与する目的
でクレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオ
リン、湿式および乾式シリカ、さらにコロイド状シリ
カ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナなどの
無機粒子、さらにはアクリル、スチレン、シリコンなど
を構成成分とする有機粒子等を配合してもよい。
易接着層が積層された状態において機械的、熱的特性の
点から二軸配向されているものが好ましい。例えば、ポ
リエステルを乾燥後、溶融押出しして未延伸シートと
し、続いて二軸延伸、熱処理してフイルムを製造する。
二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは二軸同時延伸のいず
れでもよく、延伸倍率は特に限定されるのではないが通
常は縦、横それぞれ2.0〜5.0倍が適当である。あ
るいは、縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸
してもよい。また、ポリエステルの厚みは特に限定され
るものではないが、2〜500μmが好ましく用いられ
る。
る水溶性共重合ポリエステルは、50モル%以上を芳香
族ジカルボン酸成分とする必要がある。芳香族ジカルボ
ン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタ
レンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタンP,P’−ジ
カルボン酸等芳香族ジカルボン酸およびそれらのエステ
ル形成性誘導体を挙げることができる。中でもテレフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸の使用が接着性、耐ブロ
ッキング性の点で優れ好ましい。また、これらの芳香族
ジカルボン酸成分は単独で使用することが好ましい。芳
香族ジカルボン酸成分は50モル%以上とする必要があ
るが、好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは7
0モル%である。芳香族ジカルボン酸成分が50モル%
未満の場合には接着性は良好なものの耐ブロッキング性
が低下し好ましくない。
化合物としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソ
フタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフ
タル酸、4−スルホナフタレン−2,6−ジカルボン酸
等のアルカリ金属塩およびこれらのエステル形成性誘導
体を挙げることができるが、中でも5−スルホイソフタ
ル酸、スルホテレフタル酸のナトリウム、カリウム塩が
より好ましく用いられる。
は全ジカルボン酸成分に対して、5〜50モル%とする
必要があり、好ましくは8〜45モル%、さらに好まし
くは10〜30モル%である。エステル形成性スルホン
酸金属塩化合物量が全ジカルボン酸成分に対して5モル
%未満であると、十分な水溶性および接着性が得られな
いため好ましくない。一方、50モル%を越えると接着
性は飽和に達し、逆に耐ブロッキング性が低下して好ま
しくない。
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキ
サンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等のグリコールを挙げることができる。中でもエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールが好ましく、特にエチレングリ
コールが好ましい。これらのグリコール成分は単独で用
いることが好ましい。
ルは、全グリコール成分に対してビスフェノール誘導体
を5〜90モル%共重合させる必要がある。好ましいビ
スフェノール誘導体としては、例えば、ビスフェノール
AあるいはビスフェノールSのエチレンオキサイド付加
物、プロピレンオキサイド付加物等を挙げることができ
るが、中でもビスフェノールAあるいはビスフェノール
Sのエチレンオキサイド付加物が好ましい。これらのビ
スフェノールAあるいはビスフェノールSのエチレンオ
キサイド付加物は単独でもよく、また2種以上併用して
もよい。
は、10〜80モル%、さらに好ましくは15〜70モ
ル%、特に好ましくは20〜60モル%である。ビスフ
ェノール誘導体の共重合量が5モル%未満の場合には十
分な接着性、耐ブロッキング性が得られないため好まし
くない。一方、90モル%を越えると接着性は飽和に達
し、逆に水溶性が劣るようになるので好ましくない、ビ
スフェノール誘導体を5〜90モル%共重合させること
により、接着性、耐ブロッキング性の両方に優れた水溶
性共重合ポリエステルが得られる。
エステルに架橋結合剤を添加することが好ましい。本発
明でいう架橋結合剤とは、水溶性共重合ポリエステルに
存在する官能基、例えばカルボキシル基、ヒドロキシル
基などと架橋反応し、最終的には三次元網状構造とする
ための架橋剤であれば特に限定されないが、代表例とし
てはメチロール化、あるいはアルキロール化した尿素
系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹
脂、およびエポキシ化合物、イソシアネート化合物、ア
ジリジン化合物、オキサゾリン基含有化合物(以下オキ
サゾリンと略称する)などを挙げることができる。その
中でも密着性、耐ブロッキング性などの点でオキサゾリ
ンが好ましい。オキサゾリンの添加量は特に限定される
ものではないが、好ましくは水溶性共重合ポリエステル
の固形分に対して、オキサゾリン0.1〜10重量%、
好ましくは0.3〜5重量%、より好ましくは0.5〜
2重量%添加したものである。0.1重量%以下ではブ
ロッキング改良効果が乏しく、10重量%以上では塗布
面が粗れると共に密着性が低下するので好ましくない。
キサゾリン未添加でも耐ブロッキング性は良好である
が、オキサゾリンを添加することによりブロッキング改
良効果がより一層顕著なものとなる。架橋剤であるオキ
サゾリンのブロッキング改良効果は、ポリエステルのカ
ルボキシル末端基とオキサゾリン環の反応によりエステ
ル−アミド結合(一種の架橋)を形成するためと思われ
る。オキサゾリンのガラス転移点(以下、Tgと略称す
ることがある)などは特に限定されるものではないが、
反応性において2−オキサゾリン環を持ったものが好ま
しく、主モノマーとしてはアクリルニトリル−スチレン
共重合体が好ましく、常温以下のTgをもったものがそ
の反応性において好ましく用いられる。
上に塗布された水溶性共重合ポリエステルの塗膜の厚み
は、0.01〜1μm、好ましくは0.03〜0.5μ
m、さらに好ましくは0.05〜0.3μmである。該
塗膜の厚みが0.01μm未満では接着性に劣り、逆
に、該塗膜が1μm以上では塗膜自体が劈開し易くなる
と共に耐湿性、耐ブロッキング性、耐溶剤性などが悪化
するので好ましくない。該塗膜の中心線平均粗さ(R
a)は、0.001〜0.1μm、好ましくは0.00
1〜0.05μm、より好ましくは0.001〜0.0
1μmの範囲である。塗膜の中心線平均粗さ(Ra)が
1.0μm以上であると表面が粗れ過ぎているために密
着性に劣るようになり、磁気材料として用いた場合に磁
気特性が劣ったものとなるので好ましくない。
が、例えば積層フイルムの断面を電子顕微鏡で測定した
り、該塗膜が溶剤その他で除去できる場合は、除去した
部分と除去していない部分の段差からも求めることがで
きる。水溶性共重合ポリエステルの極限粘度(25℃の
オルソクロロフェノール中で測定)は0.40〜1.2
0dl/g、好ましくは0.60〜0.90dl/gの
範囲にあるものが本発明の内容に適したものである。
は本発明の効果を損なわない範囲で帯電防止剤、界面活
性剤等の各種添加剤を添加してもなんら差し支えない。
添加の方法はポリエステルフイルムの製造工程中に塗布
し、基材と共に延伸する方法が最も好ましい。例えば溶
融押し出しされた結晶配向前のポリエステルフイルムを
長手方向に2.5〜5倍程度延伸し、連続的に塗布する
面にコロナ放電処理を施し、その処理面に塗布液を塗布
する。塗布されたフイルムは段階的に加熱されたゾーン
を通過しつつ乾燥され、幅方向に2.5〜5倍程度延伸
される。さらに連続的に150〜250℃の加熱ゾーン
に導かれ結晶配向を完了させる方法によって得られる。
この場合に用いる塗布液は、環境汚染や防爆性の点で水
系が好ましい。基材フイルム上への塗布の方法は、公知
の塗布方法、例えばリバースコート法、グラビアコート
法、ロッドコート法、ダイコート法、ワイヤーバー法な
どを用いることができる。上記塗布層(易接着層)中に
は、本発明の効果を阻害しない範囲内で公知の添加剤、
例えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐侯安定剤、紫外線
吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の
微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などを配合しても良
い。
ムの製造方法について説明するが、これに限定されるも
のではない。PETを常法に従って乾燥後、溶融押出
し、押出しされたシート状溶融体を冷却固化せしめて未
延伸PETフイルムを作る。このフイルムを80〜12
0℃に加熱して長手方向に2.0〜5.0倍延伸して一
軸配向フイルムとする。このフイルムの片面にコロナ放
電処理を施し、この処理面に所定の濃度に水で希釈した
本発明の範囲の水性塗剤を塗布する。次いで、この塗布
されたフイルムを90〜140℃に加熱しつつ幅方向に
2.5〜5.0倍延伸し、引き続いて160〜240℃
の熱処理ゾーン中に導き、1〜10秒間熱処理を行う。
この熱処理中に必要に応じて幅方向に3〜12%の弛緩
処理を施しても良い。かくして得られた易接着性ポリエ
ステルフイルムの塗布層側に用途に応じた塗剤を塗布す
ることにより、各種用途、例えば磁気記録材料、セロフ
ァン用インク、オフセット用インク、紫外線硬化インキ
などの各種インク印刷用、電子写真トナー易接着用、ケ
ミカルマット塗料易接着用、ジアゾ塗料易接着用、蒸着
用などの無機質被覆用などの基材フイルムとして好適に
使用されるものである。
明における特性の測定方法および効果の評価方法は次の
とおりである。 (1)密着性 下記の塗料をフイルム上に(塗布層を積層したものは該
塗布層上)に塗布して被覆層を設け、その被覆層の上に
セロハン粘着テープ(ニチバン(株)製)を貼付け、線
圧50kg/cm2 のニップロールを通過させた後、1
80度方向に急速に剥離する。その時のセロハン粘着テ
ープに付着した被覆層の面積を下記の基準で判定した。
なお下記基準において(○)以上を接着性良好とした。 ◎ : 10%未満 ○ : 10%以上20%未満 △ : 20%以上40%未満 × : 40%以上 (塗料) ・ダイフェラコートVD1654(大日精化工業(株)製) 100重量部 ・スミジュールN75(住友バイエル(株)製) 1重量部 上記比率で混合した塗料を乾燥後で6μmになるように
バーコーターで塗布し、100℃で5分間乾燥した。
℃90%RH雰囲気下に1週間放置した後、上記(1)
と同様の接着性の評価を行なった。
せたもの(A)および易接着層面と2軸配向PETフイ
ルムを重ね合わせたもの(B)(重ね面積:3cm×4
cm)に500g/12cm2 の荷重をかけて50℃8
5%RH雰囲気中で24時間放置した後、重ね合わせ部
のせん断応力をテンシロン引張り試験機を用い引張り速
度20cm/分で測定し、下記基準で判定した。 ○ : 0kg/cm2 〜1kg/cm2 以下 △ : 1kg/cm2 〜3kg/cm2 以下 × : 3kg/cm2 以上
m2 )、クロスカット面にセロハンテープ(ニチバン
(株)製)を貼付け、線圧50kg/cm2 のニップロ
ールで圧着した後、セロハンテープを180度方向に急
速に剥離して易接着層がセロハンテープに移行した程度
で密着性の評価を行った。剥離面積が5%未満を
(○)、5%以上10%未満を(△)、10%以上を
(×)とした。
層フイルムの超薄切片断面を観察し、厚みを求めた。
触針型表面粗さ計BE−3Eを用い、カットオフ0.0
25mm、測定長4mmで平均表面粗さRa(μm)測
定した。
は、ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、特定量
の芳香族ジカルボン酸成分、エステル形成性スルホン酸
アルカリ金属塩化合物とグリコール成分からなるポリエ
ステルであって、かつ全グリコール成分に対してビスフ
ェノール誘導体を5〜90モル%共重合せしめた水溶性
共重合ポリエステルを易接着層として積層したものであ
り、水溶性に優れ、かつ優れた接着性、耐ブロッキング
性を有し、磁気記録材料等に使用される基材フイルム等
に好ましく用いることができる。さらに架橋剤を添加す
ることにより、耐ブロッキング性を飛躍的に改良するこ
とができる。したがって、 (イ)各種被覆層との接着性に優れ、高温高湿下におい
ても接着性の低下が極めて小さい。 (ロ)また耐ブロッキング性に優れ高温高湿下での保管
性が良好なため、各種用途、特に表面平滑性を要求され
る磁気材料などの易接着フイルムなどに好適に使用する
ことができる。
%および平均粒径0.8μmの炭酸カルシウムを0.0
3重量%含有するPETペレット(極限粘度0.62d
l/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給して2
80℃で溶融押出し、10μmカットの金属焼結フィル
ターで濾過した後、T型口金よりシート状に押出し、こ
れを30℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せしめ
た。この間のシートと冷却ドラム表面との密着性を向上
させるため、シート側にワイヤー電極を配置して600
0Vの直流電圧を印加した。かくして得られた未延伸P
ETフイルムを95℃に加熱して長手方向に3.5倍延
伸し、一軸延伸フイルムとした。このフイルムの一方の
面に空気雰囲気中でコロナ放電処理を施し、その処理面
に下記の易接着層形成水性塗料をグラビアコート方式で
塗布した。塗布厚みは二軸延伸後において易接着層が
0.15μmとなるようにした。
リエステルのジカルボン酸成分として、テレフタル酸ジ
メチル85モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
ジメチル15モル%、一方グリコール成分としてはエチ
レングリコール80モル%、ビスフェノールAエチレン
オキサイド付加物20モル%の組成比で酸成分に対して
0.09重量%の酢酸カルシウムを触媒として用いてオ
ートクレーブ中で攪拌下で加熱することによりエステル
交換し、次いで着色防止剤としてリン酸トリメチル0.
04重量%を加えて重縮合して本発明の水溶性共重合ポ
リエステルを得た。得られた水溶性共重合ポリエステル
は極限粘度0.70dl/gであった。このポリマーを
4.5重量%の水性塗料としたものは透明性に優れ、不
溶解分も極めて少なかった。該水性塗料が塗布された一
軸延伸フイルムを95℃に加熱された予熱ゾーンに導
き、水分を乾燥させた後、連続的に100℃の加熱ゾー
ンでクリップに把持して幅方向に3.5倍延伸し、続い
て225℃の加熱ゾーンで幅方向に5%の弛緩処理をし
つつ10秒間熱処理を施し、厚み0.15μmの易接着
層を設けた厚み75μmの易接着性ポリエステルフイル
ムを得た。この易接着性ポリエステルフイルムの評価結
果を表1及び表2に示す。このフイルムの易接着層側に
設けた各種被覆層の接着性は極めて良好であり、高温高
湿下においても接着性の低下がなく、かつ耐ブロッキン
グ性も良好であった。
0.06μmのコロイダルシリカの水ゾルを水溶性共重
合ポリエステルに対してコロイダルシリカが5.0重量
%となるように配合し、フイルムに易接着層を形成させ
るための水溶性共重合ポリエステル配合液を得た。実施
例1と同様にして厚み0.15μmの易接着層を設けた
厚み75μmの易接着性ポリエステルフイルムを得た。
この易接着性ポリエステルフイルムの評価結果を表1及
び表2に示したが、フイルムの易接着層側に設けた各種
被覆層の接着性は極めて良好であり、高温高湿下におい
ても接着性の低下がなく、かつ耐ブロッキング性も良好
であった。
レフタル酸ジメチル87.5モル%、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸ジメチル12.5モル%、一方グリコ
ール成分としてはエチレングリコール70モル%、ビス
フェノールSエチレンオキサイド付加物30モル%の共
重合組成比で重合し、本発明の水溶性共重合ポリエステ
ルを得た。得られた水溶性共重合ポリエステルは極限粘
度0.73dl/gであった。このポリマーを4.5重
量%の水性塗料としたものは透明性に優れ、不溶解分も
極めて少なかった。実施例1と同様にして厚み0.15
μmの易接着層を設けた厚み75μmの易接着性ポリエ
ステルフイルムを得た。結果は表1及び表2に示すとお
り、密着性、耐ブロッキング性共に優れたものであっ
た。
形分100重量%に対して架橋剤としてオキサゾリン
(日本触媒(株)製、K−1010E)を1重量%添加
した塗液を調製した。実施例1と同様にして厚み0.1
5μmの易接着層を設けた厚み75μmの易接着性ポリ
エステルフイルムを得た。結果は表1及び表2に示すと
おり、優れた密着性は維持したまま、耐ブロッキング性
がさらに改良された易接着性ポリエステルフイルムが得
られた。
レフタル酸ジメチル80モル%、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸ジメチル20モル%、一方グリコール成分
としてはエチレングリコール60モル%、ビスフェノー
ルSエチレンオキサイド付加物40モル%の共重合組成
比で重合し、本発明の水溶性共重合ポリエステルを得
た。得られた水性共重合ポリエステルは極限粘度0.7
8dl/gであった。このポリマーを4.5重量%の水
性塗料としたものは透明性に優れ、不溶解分も少なかっ
た。実施例1と同様にして厚み0.15μmの易接着層
を設けた厚み75μmの易接着性ポリエステルフイルム
を得た。結果は表1及び表2に示すとおり、密着性、耐
ブロッキング性共に優れたものであった。
レフタル酸ジメチル85モル%、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸ジメチル15モル%、一方グリコール成分
としてはエチレングリコール100モル%の共重合組成
比で重合して水溶性共重合ポリエステルを得た。得られ
た水溶性共重合ポリエステルは極限粘度0.65dl/
gであった。このポリマーを4.5重量%の水性塗料と
したものは不溶解分が多かった。実施例1と同様にして
厚み0.15μmの易接着層を設けた厚み75μmの易
接着性ポリエステルフイルムを得た。結果は表1及び表
2に示すとおり、耐ブロッキング性に劣るものであっ
た。
レフタル酸ジメチル85モル%、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸ジメチル15モル%、一方グリコール成分
としてはエチレングリコール90モル%、ポリエチレン
グリコール(平均分子量600)10モル%の共重合組
成比で重合して水溶性共重合ポリエステルを得た。この
ポリマーを4.5重量%に調製し、実施例1と同様にし
て厚み0.15μmの易接着層を設けた厚み75μmの
易接着性ポリエステルフイルムを得た。結果は表1及び
表2に示すとおり、耐ブロッキング性に劣るものであっ
た。
レフタル酸ジメチル97モル%、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸ジメチル3モル%、一方グリコール成分と
してはエチレングリコール100モル%、の共重合組成
比で重合して水溶性共重合ポリエステルを得た。このポ
リマーは非常に溶解しにくく、未溶解分が多かった。こ
の塗液を4.5重量%に調製し、実施例1と同様にして
厚み0.15μmの易接着層を設けた厚み75μmの易
接着性ポリエステルフイルムを得たが、未溶解分が原因
と思われる面荒れがひどく、さらに接着性に劣るもので
あった。結果を表1及び表2に示す。
ホイソフタル酸ジメチル10モル%、アジピン酸ジメチ
ル10モル%、一方グリコール成分としてはエチレング
リコール100モル%、の共重合組成比で重合して水溶
性共重合ポリエステルを得た。この塗液を4.5重量%
に調製し、実施例1と同様にして厚み0.15μmの易
接着層を設けた厚み75μmの易接着性ポリエステルフ
イルムを得た。結果を表1及び表2に示すが、密着性は
良好なものの耐ブロッキング性に劣るものであった。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
に、50モル%以上が芳香族ジカルボン酸成分、5〜5
0モル%がエステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化
合物とグリコール成分からなるポリエステルであり、か
つ全グリコール成分に対してビスフェノール誘導体を5
〜90モル%共重合せしめた水溶性共重合ポリエステル
を易接着層として積層したことを特徴とする易接着性ポ
リエステルフイルム。 - 【請求項2】 前記水溶性共重合ポリエステルのグリコ
ール成分であるビスフェノール誘導体が、ビスフェノー
ルAあるいはビスフェノールSのエチレンオキサイドま
たはプロピレンオキサイド付加物からなる請求項1の易
接着性ポリエステルフイルム。 - 【請求項3】 前記水溶性共重合ポリエステルに、架橋
結合剤を添加した請求項1又は2の易接着性ポリエステ
ルフイルム。 - 【請求項4】 前記ポリエステルフイルムの基板上にて
塗布乾燥された前記水溶性共重合ポリエステルの塗膜の
厚みが0.01〜1μm、中心平均粗さ(Ra)が0.
001〜1μmである請求項1ないし3のいずれかに記
載の易接着性ポリエステルフイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03337881A JP3097251B2 (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 易接着性ポリエステルフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03337881A JP3097251B2 (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 易接着性ポリエステルフイルム |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05147180A JPH05147180A (ja) | 1993-06-15 |
JP3097251B2 true JP3097251B2 (ja) | 2000-10-10 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3097251B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5377830B2 (ja) * | 2007-02-28 | 2013-12-25 | 竹本油脂株式会社 | ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂水性液、易接着性ポリエステルフィルムの製造方法及び易接着性ポリエステルフィルム |
KR102202905B1 (ko) * | 2013-03-26 | 2021-01-14 | 도레이 카부시키가이샤 | 적층 폴리에스테르 필름 |
-
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- 1991-11-28 JP JP03337881A patent/JP3097251B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05147180A (ja) | 1993-06-15 |
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