JP3615324B2 - ポリエステル水分散体及びこれを塗布したポリエステルフイルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステル水分散体及びこれを塗布した易接着性ポリエステルフイルムに関し、更に詳しくは耐熱性、耐水性、耐ブロッキング性に優れた易接着性塗膜(易接着層)を形成し得るポリエステル水分散体及びこれを塗布した、包装材料、磁気カード、磁気テープ、磁気ディスク、印刷材料等に有用な易接着性ポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートもしくはその共重合体、ポリエチレンナフタレートもしくはその共重合体、あるいはこれらと少量の他の樹脂とのブレンド物等を溶融押出し、二軸延伸後、熱固定したポリエステルフイルムは、機械強度、耐熱性、耐薬品性等に優れ、産業上種々の分野で利用されている。しかし、その表面は高度に結晶配向されているので、例えば塗料、接着剤、インキ等の受容性に乏しいという問題がある。
【0003】
ポリエステルフイルム表面の受容性を高める方法として、予めフイルム表面に合成樹脂によるプライマー層(下塗り層)を設け、ベースフイルムとは異質の表面層を薄く形成する方法があり、かつ実用されている。このプライマー層の形成は、合成樹脂の有機溶媒溶液または水性液(水溶液、水分散体)を用い、これをフイルム表面に塗設することにより実施される。
【0004】
このプライマー層形成のための樹脂水性液として、例えばポリエステル系ポリマーの水性液、アクリル系ポリマーの水性液などがあげられる。特に、ポリエステル系ポリマーの水性液については、例えば特公昭56−5476号、特開昭60−248232号など多くの提案がなされている。
【0005】
しかし、従来のポリエステル系ポリマーの水性液より形成されたプライマー層は、耐熱性、耐水性の点で不満足なものであり、このため製膜工程上および製品フイルムの取扱上問題となり、特に高温度、高湿度下でのフイルムの貼り付き(ブロッキング)が問題となる。一方、ブロッキングを抑制するにはプライマー層の塗布量を少なく制限することが有効であるが、塗布量を少なく制限すると、接着性能が発現できなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、従来技術の欠点を解消し、耐熱性、耐水性、耐ブロッキング性および易接着性に優れたプライマー層を開発すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
本発明の目的は、耐熱性、耐水性、耐ブロッキング性の優れた易接着性塗膜(プライマー層:易接着層)を形成し得るポリエステル水分散体及びこれを塗布した易接着性ポリエステルフイルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、本発明によれば、
1.共重合ポリエステルの微粒子を水媒体に均一に分散させたポリエステル水分散体であって、該共重合ポリエステルが、40〜99モル%の2,6−ナフタレンジカルボン酸、0.1〜5モル%のスルホン酸塩の基を有する芳香族ジカルボン酸および0〜60モル%の他の芳香族ジカルボンからなるジカルボン酸成分と、30〜80モル%のエチレングルコール、20〜60モル%の下記式
【0008】
【化2】
【0009】
で示されるビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンおよび0〜50%の他のグリコールからなるグリコール成分とから構成される共重合ポリエステルであることを特徴とするポリエステル水分散体、並びに、
2.ポリエステルフイルムの少なくとも一方の表面に上記1のポリエステル水分散体を用いた易接着層を形成させた易接着性ポリエステルフイルム
によって達成される。
【0010】
本発明における共重合ポリエステルは、ポリマーを構成するジカルボン酸成分の40〜99モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸、0.1〜5モル%がスルホン酸塩の基を有する芳香族ジカルボン酸および0〜60モル%が他の芳香族ジカルボン酸からなり、かつグリコール成分の30〜80モル%がエチレングリコール、20〜60モル%がビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンおよび0〜50モル%が他のグリコールよりなる共重合ポリエステルである。
【0011】
前記共重合ポリエステルの酸成分において、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分の割合が40モル%未満になると、フイルムの耐ブロッキング性が低下するので好ましくない。一方95モル%を超えると、共重合ポリエステルの、水分散化で使用する親水性有機溶媒への溶解が困難となり、このため水分散化が難しくなるが、この場合後述するグリコール成分を共重合させて非晶性を向上させることが有効でかつ好ましい。しかし、2,6−ナフタレンジカルボン酸の割合が99モル%を超えると、非晶性向上のグリコール成分を共重合してももはや親水性有機溶媒に溶解しなくなり、水分散化が難しくなるため好ましくない。さらに、スルホン酸塩の基を有する芳香族ジカルボン酸の割合が0.1モル%未満になると、該共重合ポリエステルの親水性が低下し、水分散化が難しくなるので好ましくない。一方、5モル%を超えると、フイルムの親水性が大きくなり耐ブロッキング性が低下するので好ましくない。この点において好ましい上限は3モル%である。
【0012】
このスルホン酸塩の基を有する芳香族ジカルボン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、5−ホスホニウムスルホイソフタル酸等が好ましく例示されるが、水分散性良化には、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸がより好ましく、なかでも5−ナトリウムスルホイソフタル酸が最も好ましい。
【0013】
前記共重合ポリエステルの酸成分は、上述した割合の2,6−ナフタレンジカルボン酸およびスルホン酸塩の基を有する芳香族ジカルボン酸を有するが、これらといっしょに他の芳香族ジカルボン酸を使用することができる。この他の芳香族ジカルボン酸としては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、ビフェニルジカルボン酸等を挙げることができる。これらのなかでイソフタル酸が特に好ましい。
【0014】
また、前記共重合ポリエステルのグリコール成分において、エチレングリコールの割合が30モル%未満になると、フイルムの耐ブロッキング性が低下するので好ましくない。
【0015】
本発明においてエチレングリコールと併用するビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンは、下記構造式
【0016】
【化3】
【0017】
で示される化合物である。この化合物の併用効果のひとつは水分散性の向上である。この点において、この化合物の割合が20モル%未満になると、非晶性が不十分なため水分散化が難しくなる。もうひとつの効果はカラス転移点(Tg)の上昇によるフイルムの耐ブロッキング性の向上である。共重合量が多いほどこの効果が大きくなり好ましいが、60モル%を超えると非晶性が大きくなりすぎ、フイルムの耐ブロッキング性が低下するだけでなく、共重合ポリエステルの製造における重合速度が低下するため実用的でない。
【0018】
前記共重合ポリエステルのグリコール成分は、上述した割合のエチレングリコールおよびビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを有するが、これらと一緒に他の脂肪族または脂環族グリコールを使用することができる。この他の脂肪族または脂環族グリコールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を好ましく挙げることができる。
【0019】
本発明における共重合ポリエステルの固有粘度は0.2〜0.8が好ましい。ここで固有粘度とはオルトクロロフェノールを用いて35℃において測定した値である。
【0020】
本発明における共重合ポリエステルは、従来からのポリエステルの製造技術によって製造することができる。例えば2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、イソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体および5−ナトリウムスルホイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体をエチレングリコールおよびビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンと反応せしめてモノマーもしくはオリゴマーを形成し、その後真空下で重縮合せしめることによって所定の固有粘度の共重合ポリエステルとする方法で製造できる。その際、反応を促進する触媒、例えばエステル化もしくはエステル交換触媒、重縮合触媒を用いることができ、また種々の添加剤、例えば安定剤等を添加することもできる。
【0021】
本発明においてポリエステル水分散体は、以下の方法で製造するのが好ましい。
共重合ポリエステルは、まず、20℃で1リットルの水に対する溶解度が20g以上でかつ沸点が100℃以下、または100℃以下で水と共沸する親水性の有機溶媒に溶解する。この有機溶媒としてはジオキサン、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等を例示することができる。かかる溶液にさらに小量の界面活性剤を添加することもできる。
【0022】
共重合ポリエステルを溶解した有機溶媒には、次いで、攪拌下好ましくは加温高速攪拌下で水を添加し、青白色から乳白色の分散体とする。また攪拌下の水に前記有機溶液を添加する方法によっても青白色から乳白色の分散体とすることもできる。
【0023】
得られた分散体から有機溶媒を分離、除去する、例えば常圧または減圧下で親水性の有機溶媒を蒸去すると、目的のポリエステル水分散体が得られる。また共重合ポリエステルを水と共沸する親水性の有機溶媒に溶解した場合には、該有機溶媒を蒸去する時に水が共沸するので水の減量分を考慮し、前もって多めの水に分散しておくことが望ましい。加えて、有機溶媒を除いた後の固形分濃度が40重量%を超えると、水に分散する共重合ポリエステル微粒子の再凝集が起こり易くなり、水分散体の安定性が低下するため、水分散体の固形分濃度は40重量%以下とすることが好ましい。一方、固形分濃度の下限は、濃度が小さすぎると乾燥に要する時間が長くなるため、0.1重量%以上とするのが好ましい。前記共重合ポリエステルの微粒子の平均粒径は通常1μm以下であり、好ましくは0.8μm以下である。この平均粒径は下限を限定する特別の理由はないが、通常0.001μm以上、さらには0.01μm以上が好ましい。
【0024】
かくして得られるポリエステル水分散体は、後述するポリエステルフイルムの片面または両面に塗布し、乾燥することによって該フイルムに易接着性を付与することができる。
【0025】
ポリエステル水分散体は、塗布に際してアニオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活性剤を必要量添加して用いることができる。有効な界面活性剤としては、ポリエステルの表面張力を40dyne/cm以下に降下でき、ポリエステルフイルムへの濡れを促進するものであり、公知の多くの界面活性剤を使用することができる。その一例としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アンモニウムクロリド、アルキルアミン塩酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ塩等を挙げることができる。
【0026】
ポリエステル水分散体には、必要に応じて帯電防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等を添加してもよい。
【0027】
本発明においてポリエステルフイルムの好ましい例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、またはこれらに他の共重合成分を共重合させたコポリマーからなるフイルムが挙げられる。ポリエステルフイルムは未延伸フイルム、一軸延伸フイルム、二軸延伸フイルムのいずれでもよいが、延伸フイルムが好適であり、特に二軸延伸フイルムが好ましい。
【0028】
本発明のポリエステルフイルムを製造するには従来から知られている方法を適用できる。例えば、ポリエステルを溶融し、シート状に押出し、冷却ドラムで冷却して未延伸フイルムを得ることができ、また該未延伸フイルムを二軸方向に延伸し、熱固定し、必要であれば熱弛緩処理することによって二軸延伸フイルムを得ることができる。その際、フイルムの表面特性、密度、熱収縮率の性質は延伸条件その他の製造条件により変わるので、フイルムの使用目的に応じて、適宜条件を選択することが好ましい。例えば、上記方法においてポリエチレンテレフタレートを、Tm+10℃ないしTm+30℃(ただし、Tmはポリエチレンテレフタレートの融点)の温度で溶融し、押出して未延伸フイルムを得、該未延伸フイルムを一軸方向(縦方向または横方向)にTg−10℃ないしTg+50℃の温度(ただし、Tgはポリエチレンテレフタレートのガラス転移温度)で2〜5倍の倍率で延伸することで二軸延伸フイルムとするのが好ましい。この場合、面積延伸倍率は9〜22倍、さらに12〜22倍にするのが好ましい。その後さらに、得られたフイルムを(Tg+60)〜Tmの温度で熱固定することが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートフイルムについては200〜240℃の範囲内の温度で、1〜60秒の時間熱固定処理するのが好ましい。
【0029】
ポリエステル水分散体をポリエステルフイルムに塗布する工程は任意に選定しうるが、未延伸フイルムまたは一軸延伸フイルムにポリエステル水分散体を塗布した後、加熱乾燥してからさらに延伸して二軸延伸フイルムとするか、二軸延伸フイルムに塗布し乾燥するのが好ましい。これらのうち、一軸延伸フイルムに塗布し、次いで加熱乾燥、延伸して二軸延伸フイルムとするのが好ましい。
【0030】
塗布は、例えばキスコート、リバースコート、グラビアコート、ダイコート等を用いて塗布することができる。塗布量は、最終的層厚で0.01〜5μm(dry)が好ましく、さらに好ましくは0.01〜2μm(dry)、最も好ましくは0.01〜0.3μm(dry)である。
【0031】
かくして得られる易接着性ポリエステルフイルムは、接着力が高く、耐熱性、耐水性、耐ブロッキング性に優れるため、例えば磁気カード、磁気テープ、磁気ディスク、印刷材料、グラフィック材料、感光材料等に有用である。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は重量部を意味する。また、各特性値は下記の方法によって測定した。
【0033】
(1)接着性
(プライマー被覆処理した)ポリエステルフイルムに下記の磁気塗料を所定の条件においてコーティングし、スコッチテープNo.600(3M社製)巾19.4mm、長さ8cmを気泡の入らないように貼着し、この上をJIS.C2701(1975)記載の手動式荷重ロールでならし、貼着積層部5cm間を東洋ボールドウィン社製テンシロンUM−11を使用してヘッド速度300mm/分で、この試料をT字剥離し、この際の剥離強さを求め、これをテープ巾で除してg/cmとして求める。なお、T字剥離において積層体はテープ側を下にして引き取り、チャック間を5cmとする。
【0034】
[ 評価用磁気塗料の調製 ]
塗料用ラッカーシンナーにニトロセルロースRS1/2(イソプロパノール25%含有フレークス:ダイセル(株)製)を溶解して40wt%溶液を調製し、該液を43.9部、続いてポリエステル樹脂(デスモフェン#1700:バイエル社製)32.5部、二酸化クロム磁性粉末26.0部、分散剤・潤滑剤として大豆油脂肪酸(レシオンP:理研ビタミン(株)製)カチオン系活性剤(カチオンAB:日本油脂(株)製)およびスクワレン(鮫肝油)をそれぞれ1部、0.5部、0.8部ボールミルに投入する。メチルエチルケトン/シクロヘキサノン/トルエン=3/4/3(重量比)からなる混合溶液282部をさらに追加混合し、十分微粉化して母液塗料を調製する。この母液50部に対して、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアナートとの付加反応物(コロネートL:日本ポリウレタン(株)製)48部と酢酸ブチル6.25部を加え、最終的に42.7wt%の評価用磁気塗料を得る。
【0035】
(2)耐ブロッキング性
2枚のフイルムの処理面と非処理面とを重ねあわせ、これに6kg/cm2の圧力を60℃×80%RHの雰囲気下17時間かけた後剥離し、その剥離力で評価する(5cmあたりのg数)。
【0036】
[実施例1]
<共重合ポリエステルの製造>
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100部、イソフタル酸ジメチル5.3部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル5.4部、エチレングリコール48部および下記構造式
【0037】
【化4】
【0038】
で示されるビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン75.3部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.1部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。
【0039】
次いで、この反応系に、イルガノックス1010(チバガイギー社製)0.5部を添加した後、温度を徐々に255℃まで上昇させ、系内を1mmHgまで減圧して重縮合反応を行ない、固有粘度0.48の共重合ポリエステルを得た。この共重合ポリエステルの組成を表1に示す。
【0040】
<ポリエステル水分散体の調製>
この共重合ポリエステル20部をテトラヒドロフラン80部に溶解し、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下で水180部を滴下して青みがかった乳白色の分散体を得た。次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去した。かくして固形分濃度10wt%のポリエステル水分散体を得た。この水分散体中のポリエステル微粒子の平均粒径を、島津製作所SA−CP4Lを用いて測定したところ0.12μmであった。
【0041】
さらに、該ポリエステル水分散体180部にノニオン系界面活性剤:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=12.8)2部を加え、さらに水618部を加えて塗布液を調製した。
【0042】
<易接着性ポリエステルフイルムの製造>
35℃のオルトクロロフェノール中で測定した固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを溶融押出し急冷して厚み158μmの未延伸フイルムを得、次いでこれを機械軸方向に3.5倍延伸した後、前記で調製した塗布液を一軸延伸フイルムの片面に塗布した。その後、105℃で3.9倍に横方向に延伸し、200℃で4.2秒間熱処理を施し、平均塗布量20mg/m2で厚さ12.2μmの二軸延伸プライマー被覆ポリエステルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性を測定した。その結果を表1に示す。
【0043】
[実施例2〜9 および 比較例1〜5]
共重合成分の種類およびその割合を変える以外は実施例1と同様に行なって、表1に示す割合の共重合ポリエステルを得た。次いで、これら共重合ポリエステルを用いる以外は、実施例1と同様に行なってポリエステル水分散体、さらには塗布液を調製した。
【0044】
さらにこれらの塗布液を用いる以外は実施例1と同様に行なって、二軸延伸プライマー被覆ポリエステルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性および耐ブロッキングを測定した。その結果をまとめて表1に示す。
【0045】
[比較例6]
実施例1においてコーティングをせずに得た二軸配向ポリエステルフイルムの特性を表1に示す。接着力が低く実用的に不満足であった。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、耐水性、耐ブロッキング性に優れた易接着性塗膜(プライマー層)を形成しうるポリエステル水分散体、およびこれを塗布した易接着性ポリエステルフイルムを提供することができる。
Claims (2)
- ポリエステルフイルムの少なくとも一方の表面に請求項1記載のポリエステル水分散体を用いた易接着層を形成させてなる易接着性ポリエステルフイルム。
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