JPH0681714B2 - 被覆プラスチックフィルム - Google Patents
被覆プラスチックフィルムInfo
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- JPH0681714B2 JPH0681714B2 JP63202367A JP20236788A JPH0681714B2 JP H0681714 B2 JPH0681714 B2 JP H0681714B2 JP 63202367 A JP63202367 A JP 63202367A JP 20236788 A JP20236788 A JP 20236788A JP H0681714 B2 JPH0681714 B2 JP H0681714B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,包装材料,磁気テープ,写真フィルムなど各
種用途に有用なプラスチックフィルム,特に該フィルム
上に形成される印刷層,蒸着層,磁性粉末含有層などと
の接着性が,水の存在下においても極めて優れる被覆プ
ラスチックフィルムに関する。
種用途に有用なプラスチックフィルム,特に該フィルム
上に形成される印刷層,蒸着層,磁性粉末含有層などと
の接着性が,水の存在下においても極めて優れる被覆プ
ラスチックフィルムに関する。
(従来の技術) 各種熱可塑性プラスチックフィルム,特に二軸配向させ
たポリエステル,ポリアミド,ポリオレフィンなどのフ
ィルムは,包装用フィルム,装飾用フィルム,写真用ベ
ースフィルム,磁気テープ用ベースフィルム,製図用フ
ィルムなどの用途,あるいはその他の工業用途に広く利
用されている。これらのフィルムは単体で使用される場
合は少なく,基材となるプラスチックフィルムの表面に
印刷や金属の蒸着がなされたり,磁性材料を含む樹脂層
が形成されたり,あるいは他のフィルムが積層されて使
用されることが多い。しかし,上記基材フィルムとその
表面に積層される層[例えば,印刷層,金属蒸着層,磁
性材料含有樹脂層,ゼラチン層(写真用フィルムの場
合),マット化材層(製図用フィルムの場合)など]と
の接着性(密着性)は必ずしも充分であるとはいえな
い。例えば,金属蒸着されたポリエステル系基材フィル
ム(ポリエチレンテレフタレートフィルムなど)のフィ
ルム表面にポリオレフィン系樹脂でなるヒートシール層
が積層されたヒートシールフィルムは,ガスバリアー
性,水分不透過性,可視光・紫外光遮蔽性に優れるた
め,食品,工業部品などの包装材料として,あるいは保
護被膜として使用されている。しかし,これらの積層フ
ィルムは,一般に基材フィルムと金属蒸着層との界面に
おける接着力,特に水が存在する場合の接着力に劣る。
そのため,例えば,このようなフィルムで食品を包装し
た場合に,殺菌を目的として煮沸処理を行うと,蒸着層
が容易に剥離するという欠点がある。
たポリエステル,ポリアミド,ポリオレフィンなどのフ
ィルムは,包装用フィルム,装飾用フィルム,写真用ベ
ースフィルム,磁気テープ用ベースフィルム,製図用フ
ィルムなどの用途,あるいはその他の工業用途に広く利
用されている。これらのフィルムは単体で使用される場
合は少なく,基材となるプラスチックフィルムの表面に
印刷や金属の蒸着がなされたり,磁性材料を含む樹脂層
が形成されたり,あるいは他のフィルムが積層されて使
用されることが多い。しかし,上記基材フィルムとその
表面に積層される層[例えば,印刷層,金属蒸着層,磁
性材料含有樹脂層,ゼラチン層(写真用フィルムの場
合),マット化材層(製図用フィルムの場合)など]と
の接着性(密着性)は必ずしも充分であるとはいえな
い。例えば,金属蒸着されたポリエステル系基材フィル
ム(ポリエチレンテレフタレートフィルムなど)のフィ
ルム表面にポリオレフィン系樹脂でなるヒートシール層
が積層されたヒートシールフィルムは,ガスバリアー
性,水分不透過性,可視光・紫外光遮蔽性に優れるた
め,食品,工業部品などの包装材料として,あるいは保
護被膜として使用されている。しかし,これらの積層フ
ィルムは,一般に基材フィルムと金属蒸着層との界面に
おける接着力,特に水が存在する場合の接着力に劣る。
そのため,例えば,このようなフィルムで食品を包装し
た場合に,殺菌を目的として煮沸処理を行うと,蒸着層
が容易に剥離するという欠点がある。
ポリエステル基材フィルムと金属蒸着層との接着力を改
善する方法としては,例えば,特公昭55-232号公報およ
び特開昭56-16549号公報に,ポリエステルの他に他の共
重合体組成物を混合して基材フィルムを調製する方法が
開示されている。さらに,特開昭57-87357号公報には,
基材フィルムの表面状態を物理的に変化させる方法が,
そして,特公昭59-51424号公報には,基材フィルム表面
に特定の樹脂組成物溶液を塗布して該樹脂組成物の層を
形成する方法が開示されている。しかし,これらの方法
を採用しても基材フィルムもしくは積層フィルムと金属
蒸着層との接着性は,いまだ充分にあるとはいえず,特
に水(特に熱水)の存在下においてはその接着性が不充
分である。さらに,上記方法のうちで,特公昭59−5142
4号公報に記載の樹脂組成物溶液を塗布する方法におい
ては,有機溶剤が使用されるため引火性や毒性が憂慮さ
れ,作業上の危険を伴う。公害発生,省エネルギーなど
の点からも好ましくない。
善する方法としては,例えば,特公昭55-232号公報およ
び特開昭56-16549号公報に,ポリエステルの他に他の共
重合体組成物を混合して基材フィルムを調製する方法が
開示されている。さらに,特開昭57-87357号公報には,
基材フィルムの表面状態を物理的に変化させる方法が,
そして,特公昭59-51424号公報には,基材フィルム表面
に特定の樹脂組成物溶液を塗布して該樹脂組成物の層を
形成する方法が開示されている。しかし,これらの方法
を採用しても基材フィルムもしくは積層フィルムと金属
蒸着層との接着性は,いまだ充分にあるとはいえず,特
に水(特に熱水)の存在下においてはその接着性が不充
分である。さらに,上記方法のうちで,特公昭59−5142
4号公報に記載の樹脂組成物溶液を塗布する方法におい
ては,有機溶剤が使用されるため引火性や毒性が憂慮さ
れ,作業上の危険を伴う。公害発生,省エネルギーなど
の点からも好ましくない。
ポリエステル基材フィルムと,印刷インキ,写真用乳
剤,マット化剤,磁性塗料またはその他の各種塗料との
接着性を改善することを目的とした各種方法も提案され
ている。例えば,基材フィルムと印刷層との接着性を改
善する方法として,特公昭55-45835号公報および特公昭
55-12870号公報には,基材フィルムに特定の組成のポリ
エステルをブレンドする方法が開示されている。この方
法により接着性が向上し,水が存在する場合にもある程
度の接着性が得られる。しかし,この方法を用いたとき
に,基材フィルムに積層される層が印刷層である場合に
は比較的優れた効果が得られるが,他の層,例えば金属
蒸着層である場合には,水の存在下,特に熱水の存在下
における充分な接着性が得られない。
剤,マット化剤,磁性塗料またはその他の各種塗料との
接着性を改善することを目的とした各種方法も提案され
ている。例えば,基材フィルムと印刷層との接着性を改
善する方法として,特公昭55-45835号公報および特公昭
55-12870号公報には,基材フィルムに特定の組成のポリ
エステルをブレンドする方法が開示されている。この方
法により接着性が向上し,水が存在する場合にもある程
度の接着性が得られる。しかし,この方法を用いたとき
に,基材フィルムに積層される層が印刷層である場合に
は比較的優れた効果が得られるが,他の層,例えば金属
蒸着層である場合には,水の存在下,特に熱水の存在下
における充分な接着性が得られない。
ポリエステル基材とそれに積層される層との接着性を向
上させる下塗り剤として,例えば特開昭48-37480号公報
には,特定のポリエステルポリエーテル系共重合樹脂組
成物が開示されている。これらの樹脂組成物は基材とな
るポリエステルに対する接着性は良好であるが,積層さ
れるべき層の組成によっては該層に対する接着性が不充
分な場合がある。例えば,比較的極性の高い成分を含む
塗料により形成される層や金属蒸着層に対する接着性が
不充分であることが多い。さらに,上記樹脂組成物を基
材に塗布する場合には有機溶剤が使用されるため,上記
特公昭59-51424号公報の場合と同様,引火性や毒性のた
め作業上の危険を伴う。
上させる下塗り剤として,例えば特開昭48-37480号公報
には,特定のポリエステルポリエーテル系共重合樹脂組
成物が開示されている。これらの樹脂組成物は基材とな
るポリエステルに対する接着性は良好であるが,積層さ
れるべき層の組成によっては該層に対する接着性が不充
分な場合がある。例えば,比較的極性の高い成分を含む
塗料により形成される層や金属蒸着層に対する接着性が
不充分であることが多い。さらに,上記樹脂組成物を基
材に塗布する場合には有機溶剤が使用されるため,上記
特公昭59-51424号公報の場合と同様,引火性や毒性のた
め作業上の危険を伴う。
有機溶剤を使用しないで基材フィルム上に下塗り層を形
成する方法としては,特公昭54-16557号公報に,含有成
分を水溶性に変化させた組成物を含む水性溶液を塗布す
る方法が開示されている。しかし,使用される組成物が
本質的に水溶性であるため,例えば得られた印刷フィル
ムや蒸着フィルムは耐水性に乏しいという欠点がある。
製造工程においても水系溶媒は疎水性の基材フィルムに
対して濡れが悪く,均一な塗膜が得られにくいという欠
点もある。
成する方法としては,特公昭54-16557号公報に,含有成
分を水溶性に変化させた組成物を含む水性溶液を塗布す
る方法が開示されている。しかし,使用される組成物が
本質的に水溶性であるため,例えば得られた印刷フィル
ムや蒸着フィルムは耐水性に乏しいという欠点がある。
製造工程においても水系溶媒は疎水性の基材フィルムに
対して濡れが悪く,均一な塗膜が得られにくいという欠
点もある。
このように,印刷層,ヒートシール層,金属蒸着層,磁
性塗料層などプラスチック基材フィルム上に形成される
いずれの層とも接着性,特に水の存在下における接着性
が良好であり,例えば得られた製品をボイル処理するこ
とが可能であるようなプラスチックフィルムは得られて
いないのが現状である。
性塗料層などプラスチック基材フィルム上に形成される
いずれの層とも接着性,特に水の存在下における接着性
が良好であり,例えば得られた製品をボイル処理するこ
とが可能であるようなプラスチックフィルムは得られて
いないのが現状である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の課題を解決するものであり,その目
的とするところは,印刷層,ヒートシール層,金属蒸着
層,磁性塗料層などとの層間接着性,特に水の存在下に
おける接着性に優れたプラスチックフィルムを提供する
ことにある。
的とするところは,印刷層,ヒートシール層,金属蒸着
層,磁性塗料層などとの層間接着性,特に水の存在下に
おける接着性に優れたプラスチックフィルムを提供する
ことにある。
(課題を解決するための手段および作用) 本発明の被覆プラスチックフィルムは,熱可塑性樹脂で
なる基材フィルムの少なくとも片面に,実質的に水不溶
性でかつ水分散性のポリエステル(a)およびポリウレ
タン(b)を主成分とする組成物を塗布して得られる被
覆プラスチックフィルムであって,該実質的に水不溶性
でかつ水分散性のポリエステル(a)が,スルホン酸金
属塩基を有するジカルボン酸類を0.5〜5モル%の割合
で,そして芳香族ジカルボン酸を50モル%以上の割合で
含有するジカルボン酸類,および多価アルコール類から
なり;該ポリエステルのガラス転移温度が100℃以下で
あり;該実質的に水不溶性でかつ水分散性のポリウレタ
ン(b)が,脂肪族ジカルボン酸類を50モル%以上の割
合で含有するジカルボン酸と,グリコール類とからなる
ポリエステル成分;およびジイソシアネート成分から得
られ;そして,該ポリエステル(a)およびポリウレタ
ン(b)が該組成物中に95:5〜30:70の重量比で含有さ
れ,そのことにより上記目的が達成される。
なる基材フィルムの少なくとも片面に,実質的に水不溶
性でかつ水分散性のポリエステル(a)およびポリウレ
タン(b)を主成分とする組成物を塗布して得られる被
覆プラスチックフィルムであって,該実質的に水不溶性
でかつ水分散性のポリエステル(a)が,スルホン酸金
属塩基を有するジカルボン酸類を0.5〜5モル%の割合
で,そして芳香族ジカルボン酸を50モル%以上の割合で
含有するジカルボン酸類,および多価アルコール類から
なり;該ポリエステルのガラス転移温度が100℃以下で
あり;該実質的に水不溶性でかつ水分散性のポリウレタ
ン(b)が,脂肪族ジカルボン酸類を50モル%以上の割
合で含有するジカルボン酸と,グリコール類とからなる
ポリエステル成分;およびジイソシアネート成分から得
られ;そして,該ポリエステル(a)およびポリウレタ
ン(b)が該組成物中に95:5〜30:70の重量比で含有さ
れ,そのことにより上記目的が達成される。
本発明の被覆プラスチックフィルムに用いられる基材フ
ィルムとしては,ポリエステル,ポリアミド,ポリオレ
フィンなどの熱可塑性樹脂でなるフィルムがいずれも使
用可能である。なかでもポリエステル系のフィルム,例
えば,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレ
フタレート,ポリエチレンナフタレートなどのポリエス
テル系フィルムが好適である。特にその成分の80%以上
がポリエチレンテレフタレートに相当する(つまりテレ
フタル酸成分およびエチレングリコール成分が全成分の
80%以上である)共重合ポリエステルフィルム,または
ポリエチレンテレフタレートを80%以上の割合で含有す
るポリエステルブレンドフィルムが好適に用いられる。
このような共重合ポリエステルフィルムまたはポリエス
テルブレンドフィルムの,上記ポリエチレンテレフタレ
ート成分以外のポリエステル成分は,任意のポリエステ
ル成分であり得る。そのようなポリエステルを構成する
ジカルボン酸成分としては,芳香族,脂肪族および脂環
族のジカルボン酸がいずれも使用され得る。芳香族ジカ
ルボン酸としては,イソフタル酸,オルソフタル酸,2,6
−ナフタレンジカルボン酸などが,脂肪族ジカルボン酸
としては,コハク酸,アジピン酸,セバシン酸,シュウ
酸なとが,そして,脂環族ジカルボン酸としては,1,3−
シクロペンタンジカルボン酸,1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸などがある。芳香族ジカルボン酸としては,p−
ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸の一部なども好適に
利用される。上記ポリエステルを構成するグリコール成
分としては,炭素数2〜8個の脂肪族グリコールまたは
炭素数6〜12個の脂環族グリコールが好適である。この
ようなグリコールとしては,エチレングリコール,1,2−
プロパンジオール,1,3−プロパンジオール,1,4−ブタン
ジオール,ネオペンチルグリコール,1,6−ヘキサンジオ
ール,1,2−シクロヘキサンジメタノール,1,3−シクロヘ
キサンジメタノール,1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル,p−キシレングリコール,ジエチレングリコール,ト
リエチレングリコールなどがある。この他,脂肪族グリ
コールとしてポリエーテルグリコールを使用することも
可能であり,それにはポリエチレングリコール,ポリプ
ロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコールな
どがある。
ィルムとしては,ポリエステル,ポリアミド,ポリオレ
フィンなどの熱可塑性樹脂でなるフィルムがいずれも使
用可能である。なかでもポリエステル系のフィルム,例
えば,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレ
フタレート,ポリエチレンナフタレートなどのポリエス
テル系フィルムが好適である。特にその成分の80%以上
がポリエチレンテレフタレートに相当する(つまりテレ
フタル酸成分およびエチレングリコール成分が全成分の
80%以上である)共重合ポリエステルフィルム,または
ポリエチレンテレフタレートを80%以上の割合で含有す
るポリエステルブレンドフィルムが好適に用いられる。
このような共重合ポリエステルフィルムまたはポリエス
テルブレンドフィルムの,上記ポリエチレンテレフタレ
ート成分以外のポリエステル成分は,任意のポリエステ
ル成分であり得る。そのようなポリエステルを構成する
ジカルボン酸成分としては,芳香族,脂肪族および脂環
族のジカルボン酸がいずれも使用され得る。芳香族ジカ
ルボン酸としては,イソフタル酸,オルソフタル酸,2,6
−ナフタレンジカルボン酸などが,脂肪族ジカルボン酸
としては,コハク酸,アジピン酸,セバシン酸,シュウ
酸なとが,そして,脂環族ジカルボン酸としては,1,3−
シクロペンタンジカルボン酸,1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸などがある。芳香族ジカルボン酸としては,p−
ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸の一部なども好適に
利用される。上記ポリエステルを構成するグリコール成
分としては,炭素数2〜8個の脂肪族グリコールまたは
炭素数6〜12個の脂環族グリコールが好適である。この
ようなグリコールとしては,エチレングリコール,1,2−
プロパンジオール,1,3−プロパンジオール,1,4−ブタン
ジオール,ネオペンチルグリコール,1,6−ヘキサンジオ
ール,1,2−シクロヘキサンジメタノール,1,3−シクロヘ
キサンジメタノール,1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル,p−キシレングリコール,ジエチレングリコール,ト
リエチレングリコールなどがある。この他,脂肪族グリ
コールとしてポリエーテルグリコールを使用することも
可能であり,それにはポリエチレングリコール,ポリプ
ロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコールな
どがある。
これらの酸成分とジカルボン酸成分とは,通常の方法に
より重合(あるいは共重合)されてポリエステルが調製
される。このポリエステルは,必要に応じて,適宜混合
され,通常,溶融・押出により,あるいは溶剤に溶解さ
せてキャスティングすることによりフィルム(基材フィ
ルム)が得られる。使用される基材フィルムは,必要に
応じて,一軸もしくは二軸延伸される。
より重合(あるいは共重合)されてポリエステルが調製
される。このポリエステルは,必要に応じて,適宜混合
され,通常,溶融・押出により,あるいは溶剤に溶解さ
せてキャスティングすることによりフィルム(基材フィ
ルム)が得られる。使用される基材フィルムは,必要に
応じて,一軸もしくは二軸延伸される。
上記基材フィルム表面に形成される被覆層に用いられる
組成物中に含有される樹脂のうち,ポリエステル(a)
は実質的に水不溶性でかつ水分散性であり,該ポリエス
テルを構成するジカルボン酸成分は,そのうちの0.5〜
5モル%が,上記のように,スルホン酸金属塩(金属ス
ルホネートを有する)基を持つジカルボン酸であり,そ
して残りのジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸であ
る。ここで「実質的に水不溶性である」とは,試験すべ
き重合体を80℃の熱水に浸漬し攪拌しても,この熱水中
に該重合体が消散しないことをいう。さらに具体的に
は,試験すべき重合体をチップ状とし,これを大過剰の
熱水(80℃)に入れ,24時間攪拌を行なったときに,該
重合体の重量の減少が5重量%以下であることをいう。
このようなポリエステルに含有されるスルホン酸金属塩
基含有ジカルボン酸としては,スルホテレフタル酸,5−
スルホイソフタル酸,4−スルホフタル酸,4−スルホナフ
タレン−2,7−ジカルボン酸,5〔4−スルホフェノキ
シ〕イソフタル酸などの金属塩が挙げられる。特に5−
ナトリウムスルホイソフタル酸,ナトリウムスルホテレ
フタル酸が好適である。このようなジカルボン酸の量が
0.5モル%を下まわると,得られるポリエステルを含む
組成物の水に対する分散性が損なわれ,その結果,均一
の被覆膜が形成されにくくなり,得られる被覆フィルム
と印刷層や金属蒸着層との接着性が低下する。逆に5モ
ル%を上まわると,水の存在下における接着性能,特に
積層する層が金属蒸着層である場合の接着性能が低下す
る。一般に,スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸は,
得られるポリエステルを含む組成物の水に対する分散性
(成分,分散法などによっても異なる)を損なわない範
囲において,少量であることが好ましい。
組成物中に含有される樹脂のうち,ポリエステル(a)
は実質的に水不溶性でかつ水分散性であり,該ポリエス
テルを構成するジカルボン酸成分は,そのうちの0.5〜
5モル%が,上記のように,スルホン酸金属塩(金属ス
ルホネートを有する)基を持つジカルボン酸であり,そ
して残りのジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸であ
る。ここで「実質的に水不溶性である」とは,試験すべ
き重合体を80℃の熱水に浸漬し攪拌しても,この熱水中
に該重合体が消散しないことをいう。さらに具体的に
は,試験すべき重合体をチップ状とし,これを大過剰の
熱水(80℃)に入れ,24時間攪拌を行なったときに,該
重合体の重量の減少が5重量%以下であることをいう。
このようなポリエステルに含有されるスルホン酸金属塩
基含有ジカルボン酸としては,スルホテレフタル酸,5−
スルホイソフタル酸,4−スルホフタル酸,4−スルホナフ
タレン−2,7−ジカルボン酸,5〔4−スルホフェノキ
シ〕イソフタル酸などの金属塩が挙げられる。特に5−
ナトリウムスルホイソフタル酸,ナトリウムスルホテレ
フタル酸が好適である。このようなジカルボン酸の量が
0.5モル%を下まわると,得られるポリエステルを含む
組成物の水に対する分散性が損なわれ,その結果,均一
の被覆膜が形成されにくくなり,得られる被覆フィルム
と印刷層や金属蒸着層との接着性が低下する。逆に5モ
ル%を上まわると,水の存在下における接着性能,特に
積層する層が金属蒸着層である場合の接着性能が低下す
る。一般に,スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸は,
得られるポリエステルを含む組成物の水に対する分散性
(成分,分散法などによっても異なる)を損なわない範
囲において,少量であることが好ましい。
上記スルホン酸金属塩基を有するジカルボン酸以外のジ
カルボン酸としては,芳香族ジカルボン酸が用いられ
る。芳香族ジカルボン酸としては,テレフタル酸,イソ
フタル酸,オルソフタル酸,2,6−ナフタレンジカルボン
酸などがある。芳香族脂肪酸が過少であると,得られる
ポリエステルを含む組成物により形成される被膜の機械
的強度,水存在下(特に熱水存在下)における接着性に
劣る。
カルボン酸としては,芳香族ジカルボン酸が用いられ
る。芳香族ジカルボン酸としては,テレフタル酸,イソ
フタル酸,オルソフタル酸,2,6−ナフタレンジカルボン
酸などがある。芳香族脂肪酸が過少であると,得られる
ポリエステルを含む組成物により形成される被膜の機械
的強度,水存在下(特に熱水存在下)における接着性に
劣る。
ジカルボン酸成分として脂肪族ジカルボン酸を用いるこ
とは、得られるポリエステルを含む組成物の水分散性や
該ポリエステルを塗布して得られる被覆フィルムの接着
性を向上させるのに有効である場合もあるが,過剰であ
ると得られるポリエステルを含む組成物により形成され
る被膜の機械的強度や熱水存在下での接着性を低下させ
る、脂環族ジカルボン酸は,得られる被覆フィルムの水
存在下における接着性能を高める場合もあるが,過剰で
あると得られるポリエステルの水分散性を低下させる。
とは、得られるポリエステルを含む組成物の水分散性や
該ポリエステルを塗布して得られる被覆フィルムの接着
性を向上させるのに有効である場合もあるが,過剰であ
ると得られるポリエステルを含む組成物により形成され
る被膜の機械的強度や熱水存在下での接着性を低下させ
る、脂環族ジカルボン酸は,得られる被覆フィルムの水
存在下における接着性能を高める場合もあるが,過剰で
あると得られるポリエステルの水分散性を低下させる。
被覆層に用いられるポリエステルに含有されるグリコー
ル成分としては、エチレングリコールおよびネオペンチ
ルグリコールを用いる必要がある。
ル成分としては、エチレングリコールおよびネオペンチ
ルグリコールを用いる必要がある。
上記ジカルボン酸成分と多価アルコール成分とを用い,
通常,溶融重縮合法により,ポリエステルが調製され
る。例えば,上記各成分を直接反応させて水を留去しエ
ステル化するとともに,重縮合を行なう直接エステル化
法;あるいは上記ジカルボン酸成分のジアルキルエステ
ルとグリコール成分とを反応させてアルコールを留去し
エステル交換を行わせるとともに重縮合を行なうエステ
ル交換法などにより調製される。溶融重合法の他,溶液
重縮合法,界面重縮合法なども採用され得る。
通常,溶融重縮合法により,ポリエステルが調製され
る。例えば,上記各成分を直接反応させて水を留去しエ
ステル化するとともに,重縮合を行なう直接エステル化
法;あるいは上記ジカルボン酸成分のジアルキルエステ
ルとグリコール成分とを反応させてアルコールを留去し
エステル交換を行わせるとともに重縮合を行なうエステ
ル交換法などにより調製される。溶融重合法の他,溶液
重縮合法,界面重縮合法なども採用され得る。
このようにして得られる水不溶性かつ水分散性のポリエ
ステルは,そのガラス転移温度(Tg)が100℃以下であ
ることが必要である。ガラス転移温度は,好ましくは80
℃以下,さらに好ましくは20〜80℃である。ガラス転移
温度が100℃を越えると,該ポリエステルを含む組成物
を基材フィルムに塗布するときの造膜性が悪いため,得
られる被覆層と基材フィルムとの密着性が不充分とな
り,その結果,得られる被覆フィルムとこれに積層され
る層,例えば金属蒸着層との密着性にも劣る。上記ガラ
ス転移温度の下限値は特に制限されないが,得られる被
覆フィルムのブロッキング性や耐熱水性を考慮すると20
℃以上であることが好ましい。
ステルは,そのガラス転移温度(Tg)が100℃以下であ
ることが必要である。ガラス転移温度は,好ましくは80
℃以下,さらに好ましくは20〜80℃である。ガラス転移
温度が100℃を越えると,該ポリエステルを含む組成物
を基材フィルムに塗布するときの造膜性が悪いため,得
られる被覆層と基材フィルムとの密着性が不充分とな
り,その結果,得られる被覆フィルムとこれに積層され
る層,例えば金属蒸着層との密着性にも劣る。上記ガラ
ス転移温度の下限値は特に制限されないが,得られる被
覆フィルムのブロッキング性や耐熱水性を考慮すると20
℃以上であることが好ましい。
被覆層に用いられる組成物に含有される樹脂のうちポリ
ウレタン(b)もまた,実質的に水不溶性でありかつ水
分散性である。ここでいう実質的に水不溶性であると
は,上記ポリエステル(a)の場合と同様の意義を有す
る。このようなポリウレタン(b)としては,ポリエス
テルポリオールとジイソシアネート類とから得られるポ
リウレタン;または該ポリウレタンをプレポリマーと
し,これにジオールまたはジアミンのような2個以上の
活性水素を有する低分子化合物を作用させて得られるポ
リウレタンが用いられる。
ウレタン(b)もまた,実質的に水不溶性でありかつ水
分散性である。ここでいう実質的に水不溶性であると
は,上記ポリエステル(a)の場合と同様の意義を有す
る。このようなポリウレタン(b)としては,ポリエス
テルポリオールとジイソシアネート類とから得られるポ
リウレタン;または該ポリウレタンをプレポリマーと
し,これにジオールまたはジアミンのような2個以上の
活性水素を有する低分子化合物を作用させて得られるポ
リウレタンが用いられる。
上記ポリエステルポリオールは,ジカルボン酸とグリコ
ールとの反応によって得られる。これらのジカルボン酸
およびグリコールとしては,上記ポリエステル(a)を
構成し得るジカルボン酸およびグリコールと同様の化合
物が用いられ得,ジカルボン酸成分のうち50モル%,好
ましくは70モル%以上が脂肪族のジカルボン酸であるこ
とが必要である。脂肪族ジカルボン酸が過少であると,
得られるポリウレタンを含む組成物を基材フィルムに塗
布したときの膜形成性および基材への密着性に劣る。特
に,未延伸の基材フィルム上に塗布した後に延伸を行う
場合には,被覆層が基材に追随して充分に延伸せず,ク
ラックを生じる。グリコール成分としては,炭素数4以
上のアルキレングリコール類(例えば,ブタンジオー
ル,ヘキサンジオール)と,脂環族グリコール類(例え
ば,シクロヘキサンジメタノール)またはビスフェノー
ル系化合物とを併用することが好ましい。ポリエステル
ポリオールは,上記ジカルボン酸およびグリコールを,
(a)のポリエステルと同様の方法により重縮合させて
調製され得る。
ールとの反応によって得られる。これらのジカルボン酸
およびグリコールとしては,上記ポリエステル(a)を
構成し得るジカルボン酸およびグリコールと同様の化合
物が用いられ得,ジカルボン酸成分のうち50モル%,好
ましくは70モル%以上が脂肪族のジカルボン酸であるこ
とが必要である。脂肪族ジカルボン酸が過少であると,
得られるポリウレタンを含む組成物を基材フィルムに塗
布したときの膜形成性および基材への密着性に劣る。特
に,未延伸の基材フィルム上に塗布した後に延伸を行う
場合には,被覆層が基材に追随して充分に延伸せず,ク
ラックを生じる。グリコール成分としては,炭素数4以
上のアルキレングリコール類(例えば,ブタンジオー
ル,ヘキサンジオール)と,脂環族グリコール類(例え
ば,シクロヘキサンジメタノール)またはビスフェノー
ル系化合物とを併用することが好ましい。ポリエステル
ポリオールは,上記ジカルボン酸およびグリコールを,
(a)のポリエステルと同様の方法により重縮合させて
調製され得る。
このようにして得られるポリエステルポリオールに反応
させるジイソシアネート類としては,芳香族,脂肪族,
および脂環族ジイソシアネートがいずれも使用され得
る。例えば,トルエンジイソシアネートのような芳香族
ジイソシアネートが,好適である。このような芳香族ジ
イソシアネートを用いて得られるポリウレタンを含む組
成物が形成する被覆膜は強度が高く,得られる被覆フィ
ルムの蒸着層などとの水存在下における接着性にも優れ
る。
させるジイソシアネート類としては,芳香族,脂肪族,
および脂環族ジイソシアネートがいずれも使用され得
る。例えば,トルエンジイソシアネートのような芳香族
ジイソシアネートが,好適である。このような芳香族ジ
イソシアネートを用いて得られるポリウレタンを含む組
成物が形成する被覆膜は強度が高く,得られる被覆フィ
ルムの蒸着層などとの水存在下における接着性にも優れ
る。
ポリウレタン(b)は,上記ポリエステルポリオールに
上記ジイソシアネートを通常の方法により反応させて得
られる。さらに,ジオール,ジアミンなどの2個以上の
活性水素を有する低分子化合物を反応させて鎖延長させ
ることも可能である。上記ジオールとしては1,4−ブタ
ンジオール,1,6−ヘキサンジオールなどが,ジアミンと
してはエチレンジアミン,1,6−ヘキサメチレンジアミン
などが用いられ得る。
上記ジイソシアネートを通常の方法により反応させて得
られる。さらに,ジオール,ジアミンなどの2個以上の
活性水素を有する低分子化合物を反応させて鎖延長させ
ることも可能である。上記ジオールとしては1,4−ブタ
ンジオール,1,6−ヘキサンジオールなどが,ジアミンと
してはエチレンジアミン,1,6−ヘキサメチレンジアミン
などが用いられ得る。
上記ポリエステル(a)およびポリウレタン(b)は,
被覆層を形成する組成物中に95:5〜30:7,好ましくは90:
10〜50:50の重量比で含有される。ポリエステル(a)
が過剰であると得られた被覆フィルムの水存在下におけ
る接着性に劣り,ポリウレタン(b)が過剰であると被
覆層の基材への密着性および被膜形成性に劣る。
被覆層を形成する組成物中に95:5〜30:7,好ましくは90:
10〜50:50の重量比で含有される。ポリエステル(a)
が過剰であると得られた被覆フィルムの水存在下におけ
る接着性に劣り,ポリウレタン(b)が過剰であると被
覆層の基材への密着性および被膜形成性に劣る。
被覆層を形成する組成物には,上記水不溶性ポリエステ
ル(a)およびポリウレタン(b)に加えて架橋性を有
する樹脂成分が加えられていてもよい。それには例え
ば,メラミン系,エポキシ系,アジリジン系,ウレタン
系などの樹脂がある。これらを含有させることにより得
られる被覆層のブロッキングを防止したり耐溶剤性を向
上する効果が得られる。しかし,これらを含む組成物の
水系分散液の安定性を低下させたり,得られる被覆フィ
ルムを溶融して再利用するのが難しいという欠点があ
る。さらに,被覆フィルムに金属蒸着を施した場合に
は,これを熱水処理したときに金属光沢が低下したり透
明化しやすいという欠点がある。従って,上記架橋成分
の添加は,目的に応じて適宜行われる。
ル(a)およびポリウレタン(b)に加えて架橋性を有
する樹脂成分が加えられていてもよい。それには例え
ば,メラミン系,エポキシ系,アジリジン系,ウレタン
系などの樹脂がある。これらを含有させることにより得
られる被覆層のブロッキングを防止したり耐溶剤性を向
上する効果が得られる。しかし,これらを含む組成物の
水系分散液の安定性を低下させたり,得られる被覆フィ
ルムを溶融して再利用するのが難しいという欠点があ
る。さらに,被覆フィルムに金属蒸着を施した場合に
は,これを熱水処理したときに金属光沢が低下したり透
明化しやすいという欠点がある。従って,上記架橋成分
の添加は,目的に応じて適宜行われる。
組成物には,さらに他の添加剤が含有されていてもよ
い。それには例えば,その他の各種水分散系樹脂やシリ
カ,炭酸カルシウム,カオリナイト,アルミナ,タル
ク,硫酸バリウムなどの無機不活性粒子;ベンゾグアナ
ミン系樹脂,ポリスチレン系樹脂などの有機不活性粒子
(いずれも粒径0.01〜10μm程度)があり,これらを添
加することにより,滑り性や耐ブロッキング性が改良さ
れ得る。さらに必要に応じて顔料;有機系,無機系の制
電剤;防腐剤;消泡剤;紫外線吸収剤などが用いられ得
る。添加剤の種類および量は,得られるフィルムの水の
存在下における層間接着力を大きく阻害しない限り特に
制限されない。
い。それには例えば,その他の各種水分散系樹脂やシリ
カ,炭酸カルシウム,カオリナイト,アルミナ,タル
ク,硫酸バリウムなどの無機不活性粒子;ベンゾグアナ
ミン系樹脂,ポリスチレン系樹脂などの有機不活性粒子
(いずれも粒径0.01〜10μm程度)があり,これらを添
加することにより,滑り性や耐ブロッキング性が改良さ
れ得る。さらに必要に応じて顔料;有機系,無機系の制
電剤;防腐剤;消泡剤;紫外線吸収剤などが用いられ得
る。添加剤の種類および量は,得られるフィルムの水の
存在下における層間接着力を大きく阻害しない限り特に
制限されない。
基材フィルム上に被覆されるべき上記組成物は,種々の
方法により水性分散液とされる。例えば,上記水不溶性
ポリエステル(a)については,該ポリエステル微粒子
を熱水中に加えて強攪拌下で分散させる方法;上記水不
溶性ポリエステルを水溶性有機化合物とともに水に分散
させる方法などが採用され得る。これらのうち,水溶性
有機化合物(通常,有機溶剤)を用いる方法が特に好適
である。使用される有機化合物は,その沸点が通常,60
〜200℃であり,20℃で1の水に対する溶解量が20g以
上の化合物が用いられる。それには,脂肪族および脂環
族のアルコール,エーテル,エステル,ケトンなどがあ
る。アルコール類としては,メタノール,エタノール,
イソプロパノール,n−ブタノールなどの1価アルコール
類;エチレングリコール,プロピレングリコールなどの
グリコール類;およびメチルセロソルブ,エチルセロソ
ルブ,n−ブチルセロソルブなどのグリコール誘導体があ
る。エーテル類としては,ジオキサン,テトラヒドロフ
ランなどが;エステル類としては,酢酸エチルなどが;
ケトン類としては,メチルエチルケトンなどがある。こ
れらの水溶性有機化合物は,2種以上を併用することもで
きる。上記化合物のうち,水への分散性,およびフィル
ムへの塗布性能からブチルセロソルブおよびエチルセロ
ソルブが好適に用いられ得る。
方法により水性分散液とされる。例えば,上記水不溶性
ポリエステル(a)については,該ポリエステル微粒子
を熱水中に加えて強攪拌下で分散させる方法;上記水不
溶性ポリエステルを水溶性有機化合物とともに水に分散
させる方法などが採用され得る。これらのうち,水溶性
有機化合物(通常,有機溶剤)を用いる方法が特に好適
である。使用される有機化合物は,その沸点が通常,60
〜200℃であり,20℃で1の水に対する溶解量が20g以
上の化合物が用いられる。それには,脂肪族および脂環
族のアルコール,エーテル,エステル,ケトンなどがあ
る。アルコール類としては,メタノール,エタノール,
イソプロパノール,n−ブタノールなどの1価アルコール
類;エチレングリコール,プロピレングリコールなどの
グリコール類;およびメチルセロソルブ,エチルセロソ
ルブ,n−ブチルセロソルブなどのグリコール誘導体があ
る。エーテル類としては,ジオキサン,テトラヒドロフ
ランなどが;エステル類としては,酢酸エチルなどが;
ケトン類としては,メチルエチルケトンなどがある。こ
れらの水溶性有機化合物は,2種以上を併用することもで
きる。上記化合物のうち,水への分散性,およびフィル
ムへの塗布性能からブチルセロソルブおよびエチルセロ
ソルブが好適に用いられ得る。
このような水溶性有機化合物を用いてポリエステル
(a)の水性分散液を調製するには,上記ポリエステル
チップと上記水溶性有機化合物とを50〜200℃で混合
し,これに水を加えて攪拌し,分散させる方法;上記50
〜200℃で混合して得られる混合物を水に加えて攪拌
し,分散させる方法;あるいは,上記ポリエステル,水
溶性有機化合物および水の3者を40〜120℃で攪拌し分
散させる方法が採用される。分散のために乳化剤を使用
することも可能であるが,この場合には得られる被覆膜
の耐水性がやや低下する。
(a)の水性分散液を調製するには,上記ポリエステル
チップと上記水溶性有機化合物とを50〜200℃で混合
し,これに水を加えて攪拌し,分散させる方法;上記50
〜200℃で混合して得られる混合物を水に加えて攪拌
し,分散させる方法;あるいは,上記ポリエステル,水
溶性有機化合物および水の3者を40〜120℃で攪拌し分
散させる方法が採用される。分散のために乳化剤を使用
することも可能であるが,この場合には得られる被覆膜
の耐水性がやや低下する。
上記ポリウレタン(b)については,該ポリウレタン微
粒子と乳化剤とを水中に加え,強攪拌下で分散させる方
法;該ポリウレタンを合成するときに,末端にイソシア
ネート基を有するポリウレタン(プレポリマー),水,
鎖延長剤および乳化剤を水に加え,強攪拌下で反応さ
せ,機械的剪断力による分散化と高分子量化を同時に行
う方法;ポリウレタンの側鎖または末端にアミノ基,カ
ルボキシル基などのイオン性基を導入することにより自
己乳化性を付与して分散させる方法などが用いられる。
得られる被覆の耐水性を考慮すると,乳化剤を使用しな
い方法が望ましい。
粒子と乳化剤とを水中に加え,強攪拌下で分散させる方
法;該ポリウレタンを合成するときに,末端にイソシア
ネート基を有するポリウレタン(プレポリマー),水,
鎖延長剤および乳化剤を水に加え,強攪拌下で反応さ
せ,機械的剪断力による分散化と高分子量化を同時に行
う方法;ポリウレタンの側鎖または末端にアミノ基,カ
ルボキシル基などのイオン性基を導入することにより自
己乳化性を付与して分散させる方法などが用いられる。
得られる被覆の耐水性を考慮すると,乳化剤を使用しな
い方法が望ましい。
上記ポリエステル(a)およびポリウレタン(b)の分
散液を混合し,さらに必要に応じて各種添加物が,加え
られ,あるいは上記分散工程においてこれらの添加剤が
適宜添加されて均一な水系分散液が調製される。
散液を混合し,さらに必要に応じて各種添加物が,加え
られ,あるいは上記分散工程においてこれらの添加剤が
適宜添加されて均一な水系分散液が調製される。
上記水系分散液は,上記基材フィルム上に既知の方法に
より塗工される。例えば,溶融・押出により得られた未
延伸の基材フィルム,該未延伸フィルムを一軸もしくは
二軸延伸した基材フィルム上に上記分散液の塗工が行わ
れ,必要に応じてさらに延伸および後加熱処理が行われ
る。未延伸または,一軸方向に延伸した基材フィルム上
に分散液を塗工し,さらに一軸または二軸延伸し,熱処
理して得られる二軸配向フィルムが,被覆層の密着性,
透明性および経済性などの点から好適である。特に作業
性の面からは,一軸延伸した基材フィルム上に分散液を
塗工し,次に直交する方向に延伸して二軸延伸フィルム
を得る方法が好適である。上記水性分散液の塗工には,
ロールコーティング法(グラビア法,リバース法な
ど),ナイフコーティング法,ロッドコーティング法,
ノズルコーティング法,エアーナイフコーティング法な
ど既知の方法がいずれも採用され得る。塗工量は,目的
に応じて決められるが,通常,二軸延伸などを行い最終
的に得られる被覆フィルムの単位面積(m2)上に存在す
る組成物量は,0.005〜5g,好ましくは0.01〜1gである。
塗工量が0.005g/m2を下まわると所期の効果が得られず,
5g/m2を越えると得られる被覆フィルムのブロッキング
が生じやすい。組成物水分散液を塗工する際には,必要
に応じて,基材フィルム表面にコロナ処理,または物理
的,化学的表面処理が行われてもよい。
より塗工される。例えば,溶融・押出により得られた未
延伸の基材フィルム,該未延伸フィルムを一軸もしくは
二軸延伸した基材フィルム上に上記分散液の塗工が行わ
れ,必要に応じてさらに延伸および後加熱処理が行われ
る。未延伸または,一軸方向に延伸した基材フィルム上
に分散液を塗工し,さらに一軸または二軸延伸し,熱処
理して得られる二軸配向フィルムが,被覆層の密着性,
透明性および経済性などの点から好適である。特に作業
性の面からは,一軸延伸した基材フィルム上に分散液を
塗工し,次に直交する方向に延伸して二軸延伸フィルム
を得る方法が好適である。上記水性分散液の塗工には,
ロールコーティング法(グラビア法,リバース法な
ど),ナイフコーティング法,ロッドコーティング法,
ノズルコーティング法,エアーナイフコーティング法な
ど既知の方法がいずれも採用され得る。塗工量は,目的
に応じて決められるが,通常,二軸延伸などを行い最終
的に得られる被覆フィルムの単位面積(m2)上に存在す
る組成物量は,0.005〜5g,好ましくは0.01〜1gである。
塗工量が0.005g/m2を下まわると所期の効果が得られず,
5g/m2を越えると得られる被覆フィルムのブロッキング
が生じやすい。組成物水分散液を塗工する際には,必要
に応じて,基材フィルム表面にコロナ処理,または物理
的,化学的表面処理が行われてもよい。
このようにして得られる本発明のプラスチック被覆フィ
ルムは,各種用途に使用される。このフィルムの被覆層
表面には,通常の方法により印刷がなされ,あるいは,
ヒートシール層やヒートシール層を貼合わせるための接
着剤層が積層される。あるいは,ガスバリアー層とし
て,アルミニウムなどの金属による蒸着層やアルミ箔層
などが積層される。特に,被覆層上に金属や金属酸化物
を蒸着して得られる蒸着層上に,各種樹脂素材でなるシ
ートもしくはフィルムを積層して食品包装材料などに好
適に利用することが可能であり,このような積層体は熱
水中に浸漬しても剥離が起こらない。上記積層すべきシ
ートやフィルムを構成する樹脂材料としては,ポリエチ
レン,ポリプロピレン,各種アイオノマー,エチレン−
酢酸ビニル共重合体,ポリ塩化ビニリデン共重合体,ポ
リエステル,ポリアミドなどが用いられる。本発明の被
覆フィルムは,このように,基材フィルム上に特定の組
成を有する樹脂組成物が被覆されているため,該被覆フ
ィルム上に形成される上記種々の層を形成する物質との
層間接着性,特に水の存在下における接着性に極めて優
れる。そのため,本発明の被覆フィルムは,熱水殺菌処
理などが行われる食品包装用フィルムとして特に好適に
用いられる。
ルムは,各種用途に使用される。このフィルムの被覆層
表面には,通常の方法により印刷がなされ,あるいは,
ヒートシール層やヒートシール層を貼合わせるための接
着剤層が積層される。あるいは,ガスバリアー層とし
て,アルミニウムなどの金属による蒸着層やアルミ箔層
などが積層される。特に,被覆層上に金属や金属酸化物
を蒸着して得られる蒸着層上に,各種樹脂素材でなるシ
ートもしくはフィルムを積層して食品包装材料などに好
適に利用することが可能であり,このような積層体は熱
水中に浸漬しても剥離が起こらない。上記積層すべきシ
ートやフィルムを構成する樹脂材料としては,ポリエチ
レン,ポリプロピレン,各種アイオノマー,エチレン−
酢酸ビニル共重合体,ポリ塩化ビニリデン共重合体,ポ
リエステル,ポリアミドなどが用いられる。本発明の被
覆フィルムは,このように,基材フィルム上に特定の組
成を有する樹脂組成物が被覆されているため,該被覆フ
ィルム上に形成される上記種々の層を形成する物質との
層間接着性,特に水の存在下における接着性に極めて優
れる。そのため,本発明の被覆フィルムは,熱水殺菌処
理などが行われる食品包装用フィルムとして特に好適に
用いられる。
(実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。
実施例1 (A)ポリマーおよび水系分散液の調製:まず,ポリエ
ステル(a)を次の方法により調製した。ジカルボン酸
成分としてジメチルテレフタレート49モル%(ジカルボ
ン酸成分全体の),ジメチルイソフタレート49モル%お
よび5−スルホイソフタル酸ナトリウム2モル%;そし
てグリコール成分としてエチレングリコール50モル%
(グリコール成分全体の)およびネオペンチルグリコー
ル50モル%)を用い,常法によりエステル交換反応およ
び重縮合反応を行なった。これによりガラス転移点69℃
のポリエステルが得られた。得られたポリエステル300
重量部とn−ブチルセロソルブ150重量部とを加熱攪拌
して粘稠な液体とした。これに攪拌しながら水550重量
部を徐々に加えて,固形分30%の均一な淡白色水系分散
液を得た。
ステル(a)を次の方法により調製した。ジカルボン酸
成分としてジメチルテレフタレート49モル%(ジカルボ
ン酸成分全体の),ジメチルイソフタレート49モル%お
よび5−スルホイソフタル酸ナトリウム2モル%;そし
てグリコール成分としてエチレングリコール50モル%
(グリコール成分全体の)およびネオペンチルグリコー
ル50モル%)を用い,常法によりエステル交換反応およ
び重縮合反応を行なった。これによりガラス転移点69℃
のポリエステルが得られた。得られたポリエステル300
重量部とn−ブチルセロソルブ150重量部とを加熱攪拌
して粘稠な液体とした。これに攪拌しながら水550重量
部を徐々に加えて,固形分30%の均一な淡白色水系分散
液を得た。
次に,ポリウレタン(b)を次の方法により調製した。
ジカルボン酸成分としてアジピン酸を;そしてポリオー
ル成分として1,4−ブタンジオール,およびビスフェノ
ールAのプロピレンオキサイド(1モル)付加物を用い
てポリエステル(ポリエステルポリオール)を得た。こ
のポリエステルにトルエンジイソシアネートを作用させ
てウレタンポリマーを得た。これをプレポリマーとし,
1,6−ヘキサンジオールを作用させて鎖延長すると共に
アミノカルボン酸塩を末端に反応させ,水不溶性でかつ
水分散性のポリウレタン(b)を得た。これを攪拌しな
がら熱水中に分散させ,25%水系分散液を得た。
ジカルボン酸成分としてアジピン酸を;そしてポリオー
ル成分として1,4−ブタンジオール,およびビスフェノ
ールAのプロピレンオキサイド(1モル)付加物を用い
てポリエステル(ポリエステルポリオール)を得た。こ
のポリエステルにトルエンジイソシアネートを作用させ
てウレタンポリマーを得た。これをプレポリマーとし,
1,6−ヘキサンジオールを作用させて鎖延長すると共に
アミノカルボン酸塩を末端に反応させ,水不溶性でかつ
水分散性のポリウレタン(b)を得た。これを攪拌しな
がら熱水中に分散させ,25%水系分散液を得た。
上記ポリエステル(a)の水系分散液およびポリウレタ
ン(b)の水系分散液を,イオン交換水およびイソプロ
ピルアルコールの等量混合液中に加え,それぞれの固形
分が4%および1%となるようにし,樹脂固形分が合計
で5%の均一な分散液を得た。
ン(b)の水系分散液を,イオン交換水およびイソプロ
ピルアルコールの等量混合液中に加え,それぞれの固形
分が4%および1%となるようにし,樹脂固形分が合計
で5%の均一な分散液を得た。
(B)被覆フィルムの調製:ポリエチレンテレフタレー
トを280〜300℃で溶融押出し,15℃の冷却ロールで冷却
して,厚さ約150μmの未延伸フィルムを得た。この未
延伸フィルムを,周速の異なる85℃の一対のロール間で
縦方向に3.5倍延伸した。次いで,上記塗工用分散液を
ロールコーター方式で塗布し,70℃の熱風で乾燥し,次
いでテンターで98℃で横方向に3.5倍延伸し,さらに200
〜210℃で熱固定し,厚さ12μmの二軸延伸コーティン
グポリエステルフィルムを得た。最終的なコート剤(被
覆用組成物)塗布量は約0.04g/m2であった。得られた被
覆フィルムの被覆層を形成する樹脂の性質,配合割合な
どを表1に示す。
トを280〜300℃で溶融押出し,15℃の冷却ロールで冷却
して,厚さ約150μmの未延伸フィルムを得た。この未
延伸フィルムを,周速の異なる85℃の一対のロール間で
縦方向に3.5倍延伸した。次いで,上記塗工用分散液を
ロールコーター方式で塗布し,70℃の熱風で乾燥し,次
いでテンターで98℃で横方向に3.5倍延伸し,さらに200
〜210℃で熱固定し,厚さ12μmの二軸延伸コーティン
グポリエステルフィルムを得た。最終的なコート剤(被
覆用組成物)塗布量は約0.04g/m2であった。得られた被
覆フィルムの被覆層を形成する樹脂の性質,配合割合な
どを表1に示す。
(C)被覆フィルムの性能評価:(B)項で得られた被
覆フィルムの被覆層表面に,アルミニウムを600Åの厚
みに蒸着した。この蒸着層表面に厚さ60μmの未延伸ポ
リプロピレン(PP)シートを通常のドライラミネート法
により積層した後,エージング処理を行った。得られた
積層体を15mm幅の短冊状にカットし,95℃以上の沸騰水
に30分間浸漬した(ボイル処理)。別のサンプルを用い
て120℃の高圧水中で30分間浸漬処理する実験(レトル
ト処理)も行なった。
覆フィルムの被覆層表面に,アルミニウムを600Åの厚
みに蒸着した。この蒸着層表面に厚さ60μmの未延伸ポ
リプロピレン(PP)シートを通常のドライラミネート法
により積層した後,エージング処理を行った。得られた
積層体を15mm幅の短冊状にカットし,95℃以上の沸騰水
に30分間浸漬した(ボイル処理)。別のサンプルを用い
て120℃の高圧水中で30分間浸漬処理する実験(レトル
ト処理)も行なった。
上記未処理,ボイル処理およびレトルト処理後の積層体
の端部のPPフィルムと基材フィルムとを一部剥離し,剥
離した端部をそれぞれ東洋ボールドウィン社製テンシロ
ンのチャックに固定し,200mm/分の速度で長さ方向に引
っ張り,T型剥離を行なった。同様の条件下において剥離
界面に水滴をつけつつ行なう剥離実験を別に行なった。
それぞれの層間接着力(g/15mm)を表2に示す。
の端部のPPフィルムと基材フィルムとを一部剥離し,剥
離した端部をそれぞれ東洋ボールドウィン社製テンシロ
ンのチャックに固定し,200mm/分の速度で長さ方向に引
っ張り,T型剥離を行なった。同様の条件下において剥離
界面に水滴をつけつつ行なう剥離実験を別に行なった。
それぞれの層間接着力(g/15mm)を表2に示す。
実施例2 トルエンジイソシアネートの代わりにイソホロンジイソ
シアネートを用いたこと以外は実施例1と同様である。
シアネートを用いたこと以外は実施例1と同様である。
実施例3 ポリエステル(a)およびポリウレタン(b)の配合割
合を60:40(重量比)としたこと以外は実施例1と同様
である。
合を60:40(重量比)としたこと以外は実施例1と同様
である。
比較例1 ポリエステル(a)を構成するジカルボン酸成分とし
て,ジメチルテレフタレート23モル%,ジメチルイソフ
タレート22モル%,アジピン酸53モル%,そして5−ス
ルホイソフタル酸ナトリウム2モル%を使用し,ガラス
転移温度が5℃のポリエステルを得たこと以外は実施例
1と同様である。
て,ジメチルテレフタレート23モル%,ジメチルイソフ
タレート22モル%,アジピン酸53モル%,そして5−ス
ルホイソフタル酸ナトリウム2モル%を使用し,ガラス
転移温度が5℃のポリエステルを得たこと以外は実施例
1と同様である。
比較例2 ポリエステル(a)を構成するジカルボン酸成分とし
て,ジメチルテレフタレート45モル%,ジメチルイソフ
タレート45モル%,そして5−スルホイソフタル酸ナト
リウム10モル%を使用したこと以外は実施例1と同様で
ある。
て,ジメチルテレフタレート45モル%,ジメチルイソフ
タレート45モル%,そして5−スルホイソフタル酸ナト
リウム10モル%を使用したこと以外は実施例1と同様で
ある。
比較例3 ポリエステル(a)を構成するジカルボン酸成分とし
て,ジメチルテレフタレート50モル%,ジメチルイソフ
タレート40モル%および5−スルホイソフタル酸ナトリ
ウム10モル%を;そして,グリコール成分として,エチ
レングリコール50モル%およびポリエチレングリコール
(分子量4000)50モル%を使用したこと以外は実施例1
と同様である。
て,ジメチルテレフタレート50モル%,ジメチルイソフ
タレート40モル%および5−スルホイソフタル酸ナトリ
ウム10モル%を;そして,グリコール成分として,エチ
レングリコール50モル%およびポリエチレングリコール
(分子量4000)50モル%を使用したこと以外は実施例1
と同様である。
比較例4 ポリエステル(a)を構成するジカルボン酸成分とし
て,ジメチルテレフタレート70モル%,ジメチルイソフ
タレート25モル%および5−スルホイソフタル酸ナトリ
ウム5モル%を;そして,グリコール成分として,エチ
レングリコール30モル%およびビスフェノールAエチレ
ンオキサイド付加物70モル%を使用し,ガラス転移温度
103℃のポリエステルを得たこと以外は実施例1と同様
である。
て,ジメチルテレフタレート70モル%,ジメチルイソフ
タレート25モル%および5−スルホイソフタル酸ナトリ
ウム5モル%を;そして,グリコール成分として,エチ
レングリコール30モル%およびビスフェノールAエチレ
ンオキサイド付加物70モル%を使用し,ガラス転移温度
103℃のポリエステルを得たこと以外は実施例1と同様
である。
比較例5 ポリウレタン(b)の調製に使用するアジピン酸の代わ
りに,テレフタル酸50モル%およびイソフタル酸50モル
%を使用したこと以外は実施例1と同様である。
りに,テレフタル酸50モル%およびイソフタル酸50モル
%を使用したこと以外は実施例1と同様である。
比較例6 ポリエステル(a)およびポリウレタン(b)の配合割
合を96:4(重量比)としたこと以外は実施例1と同様で
ある。
合を96:4(重量比)としたこと以外は実施例1と同様で
ある。
比較例7 ポリエステル(a)およびポリウレタン(b)を含む水
系分散液を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様で
ある。
系分散液を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様で
ある。
比較例8 ポリエステル(a)を構成するグリコール成分として、
エチレングリコール90モル%、ジエチレングリコール10
モル%を使用した以外は実施例1と同様である。得られ
た被覆フィルムの層間接着力(g/15mm)の測定結果は、
処理なし(水なし):480、処理なし(水付加):400、ボ
イル処理(水なし):130、ボイル処理(水付加):70、
レトルト処理(水なし):110、レトルト処理(水付
加):40であり、被覆層均一性は○である。
エチレングリコール90モル%、ジエチレングリコール10
モル%を使用した以外は実施例1と同様である。得られ
た被覆フィルムの層間接着力(g/15mm)の測定結果は、
処理なし(水なし):480、処理なし(水付加):400、ボ
イル処理(水なし):130、ボイル処理(水付加):70、
レトルト処理(水なし):110、レトルト処理(水付
加):40であり、被覆層均一性は○である。
表1および2から,本発明の被覆プラスチックフィルム
は,その表面に形成された蒸着層と熱水存在下において
も優れた接着性を示すことがわかる。これに対して,ポ
リエステル(a)およびポリウレタン(b)を含む組成
物でなる被覆層が形成されていない比較例7のフィルム
はこのような効果が得られない。被覆層を形成する組成
物中のポリエステル(a)またはポリウレタン(b)の
組成が特許請求の範囲から外れる場合には,基材と蒸着
層との充分な接着効果,特に熱水存在下における充分な
接着効果が得られない(比較例1〜3および5)。比較
例4のようにポリエステル(a)のTgが高い場合,およ
び比較例6のようにポリエステル(a)とポリウレタン
(b)との配合比が特許請求の範囲を外れる場合にも充
分な接着効果が得られない。
は,その表面に形成された蒸着層と熱水存在下において
も優れた接着性を示すことがわかる。これに対して,ポ
リエステル(a)およびポリウレタン(b)を含む組成
物でなる被覆層が形成されていない比較例7のフィルム
はこのような効果が得られない。被覆層を形成する組成
物中のポリエステル(a)またはポリウレタン(b)の
組成が特許請求の範囲から外れる場合には,基材と蒸着
層との充分な接着効果,特に熱水存在下における充分な
接着効果が得られない(比較例1〜3および5)。比較
例4のようにポリエステル(a)のTgが高い場合,およ
び比較例6のようにポリエステル(a)とポリウレタン
(b)との配合比が特許請求の範囲を外れる場合にも充
分な接着効果が得られない。
また、ジエチレングリコールがジオール成分に10モル%
共存するだけでも、ボイル処理、レトルト処理後の接着
力が大幅に低下し、本発明の効果が得られない事が比較
例8からわかる。
共存するだけでも、ボイル処理、レトルト処理後の接着
力が大幅に低下し、本発明の効果が得られない事が比較
例8からわかる。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,その表面に積層される印
刷層,金属蒸着層,ヒートシール層,磁性塗料層などの
各種ポリマーや無機物でなる層との接着性に優れた被覆
プラスチックフィルムが得られる。その接着力は水,特
に熱水の存在下においても充分である。このようなプラ
スチックフィルムは食品包装用フィルム,絶縁テープ,
磁気テープ用ベースフィルム,写真フィルム,トレーシ
ングフィルムなどの用途に利用され,特に熱水による加
熱処理が行われる食品包装用フィルムに好適に用いられ
る。
刷層,金属蒸着層,ヒートシール層,磁性塗料層などの
各種ポリマーや無機物でなる層との接着性に優れた被覆
プラスチックフィルムが得られる。その接着力は水,特
に熱水の存在下においても充分である。このようなプラ
スチックフィルムは食品包装用フィルム,絶縁テープ,
磁気テープ用ベースフィルム,写真フィルム,トレーシ
ングフィルムなどの用途に利用され,特に熱水による加
熱処理が行われる食品包装用フィルムに好適に用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−78761(JP,A) 特開 昭62−173253(JP,A) 特開 昭62−227745(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂でなる基材フィルムの少なく
とも片面に、実質的に水不溶性でかつ水分散性のポリエ
ステル(a)およびポリウレタン(b)を主成分とする
組成物を塗布して得られる被覆プラスチックフィルムで
あって、 該実質的に水不溶性でかつ水分散性のポリエステル
(a)が、スルホン酸金属塩基を有するジカルボン酸類
0.5〜5モル%と、芳香族ジカルボン酸とからなるジカ
ルボン酸類;およびエチレングリコールとネオペンチル
グリコールとからなり、 該ポリエステルのガラス転移温度が100℃以下であり、 該実質的に水不溶性でかつ水分散性のポリウレタン
(b)が、脂肪族ジカルボン酸類を50モル%以上の割合
で含有するジカルボン酸と、グリコール類とからなるポ
リエステル成分;およびジイソシアネート成分から得ら
れ、そして、 該ポリエステル(a)およびポリウレタン(b)が該組
成物中に95:5〜30:70の重量比で含有される、 被覆プラスチックフィルム。 - 【請求項2】少なくとも一軸方向に配向された特許請求
の範囲第1項に記載のフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63202367A JPH0681714B2 (ja) | 1988-08-12 | 1988-08-12 | 被覆プラスチックフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63202367A JPH0681714B2 (ja) | 1988-08-12 | 1988-08-12 | 被覆プラスチックフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0250835A JPH0250835A (ja) | 1990-02-20 |
JPH0681714B2 true JPH0681714B2 (ja) | 1994-10-19 |
Family
ID=16456328
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63202367A Expired - Fee Related JPH0681714B2 (ja) | 1988-08-12 | 1988-08-12 | 被覆プラスチックフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0681714B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1128796A (ja) * | 1997-07-10 | 1999-02-02 | Teijin Ltd | 水性インキ印刷を施したガスバリヤ性包装用フィルム |
JPH1128794A (ja) * | 1997-07-10 | 1999-02-02 | Teijin Ltd | 水性インキ印刷に適した包装用フィルム |
JPH1128795A (ja) * | 1997-07-10 | 1999-02-02 | Teijin Ltd | 水性インキ印刷を施した包装用フィルム |
JP4870266B2 (ja) * | 2001-01-29 | 2012-02-08 | 三井化学株式会社 | ラミネート用接着剤 |
EP2979861B1 (en) | 2013-03-29 | 2023-08-16 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Decorative sheet and decorative resin molded article |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5878761A (ja) * | 1981-11-04 | 1983-05-12 | ダイアホイル株式会社 | 易接着性二軸延伸ポリエステルフイルム |
JPS59159871A (ja) * | 1983-03-01 | 1984-09-10 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性接着剤組成物 |
JPS62173253A (ja) * | 1986-01-27 | 1987-07-30 | ダイアホイルヘキスト株式会社 | 配線基板用ポリエステルフイルム |
JPS62227745A (ja) * | 1986-03-31 | 1987-10-06 | ダイアホイルヘキスト株式会社 | 磁気記録媒体 |
-
1988
- 1988-08-12 JP JP63202367A patent/JPH0681714B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0250835A (ja) | 1990-02-20 |
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---|---|---|---|
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