JPH1128796A - 水性インキ印刷を施したガスバリヤ性包装用フィルム - Google Patents

水性インキ印刷を施したガスバリヤ性包装用フィルム

Info

Publication number
JPH1128796A
JPH1128796A JP9185289A JP18528997A JPH1128796A JP H1128796 A JPH1128796 A JP H1128796A JP 9185289 A JP9185289 A JP 9185289A JP 18528997 A JP18528997 A JP 18528997A JP H1128796 A JPH1128796 A JP H1128796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polyester
packaging
component
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9185289A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsumasa Ono
光正 小野
Shinichiro Okada
真一郎 岡田
Takashi Saigo
孝 西郷
Masayuki Fukuda
雅之 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP9185289A priority Critical patent/JPH1128796A/ja
Publication of JPH1128796A publication Critical patent/JPH1128796A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性インキによる印刷が施され、作業環境、
外部環境の改善に寄与するガスバリヤ性の包装用フィル
ムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルベースフィルムの少なくと
も片面に、ジカルボン酸成分として金属塩基及び/又は
アンモニウム塩基を有するジカルボン酸成分を全ジカル
ボン酸成分に対して5〜20mol%、かつグリコール
成分としてジエチレングリコール成分を全グリコール成
分に対して20〜100mol%共重合した二次転移点
が15〜100℃の共重合ポリエステルを主成分とし、
厚さが0.005〜0.3μmの易接着被膜層が形成さ
れている易接着ポリエステルフィルムの易接着被膜層上
に水性インキ印刷が施されており、さらにその印刷ポリ
エステルフィルムの印刷面上に金属又は金属酸化物薄
膜、ポリエステルフィルム層及びヒートシール層がこの
順で積層されているガスバリヤ性の包装用積層フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリヤ性包装用フ
ィルムに関する。更に詳しくは、水性インキ印刷を施す
ことによって、作業環境、外部環境の改善に寄与するガ
スバリヤ性包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルム、特にポリエチレ
ンテレフタレートフィルムは、その機械強度、熱寸法安
定性等の利点から、多くの軟包装用フィルムの構成体と
して用いられている。一方、多くの軟包装用フィルムに
は、表示、または美観上の目的で印刷が施されているの
が普通であり、一般的には構成体中のポリエステルフィ
ルム上に印刷が施されている。
【0003】この印刷用インキのポリエステルフィルム
に対する接着性を向上させるために、ポリエステルフィ
ルムの表面にコロナ放電処理を施す方法や、表面上の易
接着層として、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などか
らなる高分子被膜を形成させる方法等が従来から知られ
ている。一般的にコロナ放電処理より易接着高分子被膜
層の方がインキ接着性向上効果は高い。
【0004】また、軟包装容器にガスバリヤ性を持たせ
るために、構成体中にAl箔やAl蒸着膜等の金属薄
膜、SiO/AlO蒸着膜等の金属酸化物薄膜を存在さ
せる方法などが従来から知られている。この場合、金属
面又は金属酸化物面と印刷ポリエステルフィルムとを接
着剤を用いて貼合せる場合が多い。
【0005】このラミネート用接着剤のポリエステルフ
ィルムに対する接着性を向上させるために、ポリエステ
ルフィルムの表面にコロナ放電処理を施す方法や、表面
上の易接着層として、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂
などからなる高分子被膜を形成させる方法等が従来から
知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、環境保護の観点
から、印刷工程の作業環境、また排気、排水などの外部
環境に対する影響を改善する目的で、有機溶剤系印刷イ
ンキの代わりに、水性印刷インキを使用する気運が高ま
っている。しかし、従来のインキ易接着高分子被膜層
は、有機溶剤系印刷インキを対象として開発されたもの
であり、水性印刷インキに対する接着性は不足する場合
があった。
【0007】また、いかなる処理においても、製品たる
ポリエステルフィルムには、長期保管性、ハンドリング
性を良好たらしむ優れた耐ブロッキング性が要求され
る。さらに、包装用のポリエステルフィルムには、開封
時に直線状にカットされ、また製袋時にねじれを生じな
いような分子配向の等方性や、フィルムの透明性、さら
に後工程でのハンドリングを容易にするための適度な滑
り性が要求される。
【0008】それ故、本発明の目的は、水性インキに対
して優れた接着性を示す易接着被膜層上に水性インキ印
刷を施し、かつガスバリヤ性を具備した包装用フィルム
を提供することにある。本発明の他の目的は、耐ブロッ
キング性に優れた上記包装用フィルムを提供することに
ある。本発明のさらに他の目的は、直線カット性に優れ
た上記包装用フィルムを提供することにある。本発明の
さらに他の目的及び利点は以下の説明から明らかになろ
う。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的及び利点は、ポリエステルベースフィルムの
少なくとも片面に、ジカルボン酸成分として金属塩基及
び/又はアンモニウム塩基を有するジカルボン酸成分を
全ジカルボン酸成分に対して5〜20mol%、かつグ
リコール成分としてジエチレングリコール成分を全グリ
コール成分に対して20〜100mol%共重合した二
次転移点が15〜100℃の共重合ポリエステルを主成
分とし、厚さが0.005〜0.3μmの易接着被膜層
が形成されている易接着ポリエステルフィルムの易接着
被膜層上に水性インキ印刷が施されており、さらにその
印刷ポリエステルフィルムの印刷面上に金属又は金属酸
化物薄膜、ポリエステルフィルム層及びヒートシール層
がこの順で積層されているガスバリヤ性の包装用積層フ
ィルムによって達成される。本発明の他の目的は、上記
易接着被膜層中にアクリル系高分子成分を5〜50重量
%含有する、上記包装用積層フィルムによって達成され
る。本発明のさらに他の目的は、上記ポリエステルベー
スフィルムの面内方向最大屈折率と最小屈折率との差が
0〜0.05であり、かつ配向主軸とフィルム横方向の
なす角度が−40〜40°である、上記包装用積層フィ
ルムによって達成される。
【0010】本発明においては、後述するポリエステル
ベースフィルムの少なくとも片面に、ジカルボン酸成分
として金属塩基及び/又はアンモニウム塩基を有するジ
カルボン酸成分を全ジカルボン酸成分に対して5〜20
mol%、かつグリコール成分としてジエチレングリコ
ール成分を全グリコール成分に対して20〜100mo
l%共重合した二次転移点が15〜100℃の共重合ポ
リエステルを主成分とする厚さが0.005〜0.3μ
mの易接着被膜層を形成させる。
【0011】この共重合ポリエステルは、ジカルボン酸
成分とグリコール成分からなり、ジカルボン酸成分とし
て金属塩基及び/又はアンモニウム塩基を有するジカル
ボン酸成分を全ジカルボン酸成分に対して5〜20mo
l%、好ましくは7〜15mol%、かつグリコール成
分としてジエチレングリコール成分を全グリコール成分
に対して20〜100mol%、好ましくは30〜10
0mol%を共重合成分として含む線状ポリエステルで
ある。水性印刷インキは、そのバインダー中に、水系溶
剤によく分散させるための親水性基を持っているのが一
般的であり、易接着被膜層としては同様に十分な親水性
基を持つ必要がある。したがって金属塩基及び/又はア
ンモニウム塩基を有するジカルボン酸成分が5mol%
未満、及び/又はグリコール成分としてジエチレングリ
コール成分が20mol%未満の場合には、満足な接着
性が得られない。一方、金属塩基及び/又はアンモニウ
ム塩基を有するジカルボン酸成分が20mol%を越え
る場合は、耐ブロッキング性が劣るため好ましくない。
【0012】また、上記共重合ポリエステルの二次転移
点は15〜100℃であり、好ましくは20〜80℃で
ある。共重合ポリエステルの二次転移点が15℃未満の
場合、易接着被膜層の強度が極端に弱くなり、積層する
ヒートシール層との間のラミネート強度が不十分であっ
たり、印刷工程等において削れなどのトラブルを起こす
可能性がある。一方100℃を越えるとインキやラミネ
ート用接着剤などとの接着性が劣るため好ましくない。
【0013】ここで述べる金属塩基及び/又はアンモニ
ウム塩基を有するジカルボン酸成分としては、残基中に
SO3M基やCOOM基(MはNa、K、Li、NH
4等)等の官能基を導入しているものであり、具体例と
しては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が例示さ
れる。
【0014】共重合ポリエステルの金属塩基及び/又は
アンモニウム塩基を有するジカルボン酸成分以外のジカ
ルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、
オルトフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、
ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,
5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン
酸、4,4’−ジカルボキシルビフェニル、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、クエン
酸等の脂肪族多価カルボン酸、シクロヘキサン−1,4
−ジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸を挙げること
ができ、芳香族ジカルボン酸が好ましい。上記芳香族ジ
カルボン酸成分は全ジカルボン酸成分のうち、95〜6
0mol%であることが好ましく、上記芳香族ジカルボ
ン酸成分が95mol%を越える場合は接着性が劣り、
60mol%未満の場合は耐ブロッキング性に劣るため
好ましくない。
【0015】また、ジエチレングリコール以外のグリコ
ール成分としては、エチレングリコール、プロピレング
リコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン
−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールS、グリセリン、ペン
タエリスリトール等のポリオールを挙げることができ
る。
【0016】さらに、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ク
ロル−p−ヒドロキシ安息香酸、乳酸、ω−ヒドロキシ
カプロン酸等のヒドロキシカルボン酸を共重合成分とし
て含むこともでき、炭酸エステルの形とすることもでき
る。
【0017】本発明においては、また、上記易接着被膜
層中にアクリル系高分子成分を5〜50重量%、好まし
くは5〜25重量%含む易接着被膜層を形成させること
により、耐ブロッキング性に優れたものとすることがで
きる。このアクリル系高分子成分が5重量%未満では耐
ブロッキング性向上効果が見られず、一方50重量%を
越えるとインキとの接着性が悪くなるため好ましくな
い。かかるアクリル系高分子成分は、その共重合組成中
に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロ
ールメタクリルアミド等の自己架橋成分を含むものが耐
ブロッキング性向上効果の面から好ましい。また、かか
るアクリル系高分子成分は、その二次転移点が15〜1
00℃、好ましくは20〜80℃であることが耐ブロッ
キング性向上効果、インキ接着性の面から望ましい。
【0018】易接着被膜層中には、その特性を損なわな
い限りにおいて、上記共重合ポリエステル、アクリル系
高分子成分以外に、他の樹脂、帯電防止剤、着色剤、界
面活性剤、紫外線吸収剤などを適宜添加することができ
る。
【0019】上記の共重合ポリエステルや共重合ポリエ
ステルとアクリル系高分子成分、その他の成分との組成
物は、それを主成分とする水性液として、後述するポリ
エステルベースフィルム上に塗布されることが好まし
い。水性液としては、水溶液、水分散液、あるいは乳化
液などの形であるのが適当である。
【0020】塗布は、未延伸ポリエステルフィルム、一
軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリエステルフ
ィルム等に適用されるが、縦方向に一軸延伸したポリエ
ステルベースフィルムに塗布することが好ましい。塗布
後、横延伸、さらに場合によっては再縦延伸や再横延伸
も行うことができる。塗布量は易接着被膜層の厚さが
0.005〜0.3μm、好ましくは0.01〜0.1
μmの範囲となるような量であるのが望ましい。易接着
被膜層の厚さが0.005μm未満の場合、インキとの
接着性が不足し、一方0.3μmを越えるとブロッキン
グを起こす可能性が高くなり好ましくない。
【0021】本発明においては、ポリエステルベースフ
ィルムの少なくとも片面に易接着被膜層を形成させた易
接着ポリエステルフィルムの易接着被膜層上に水性イン
キ印刷を施す。該水性印刷インキは、特に限定されるも
のではなく、通常市販の水性インキでよい。またインキ
の希釈溶剤についても、そのインキに最適なものを任意
に選んで良いが、本発明の趣旨から、溶剤の40重量%
以上が水であるものが好ましい。印刷方法についても特
に限定されるものではなく、周知の方法を用いることが
できる。具体例としては、グラビア印刷、フレキソ印
刷、オフセット印刷などを挙げることができる。
【0022】本発明においては、また、本発明の包装用
積層フィルムにガスバリヤ性を付与するために、上述の
印刷ポリエステルフィルム上に金属又は金属酸化物薄膜
を積層させる。該金属又は金属酸化物薄膜の厚みは特に
限定されるものではないが、0.01〜30μmのもの
が好ましい。また上記金属又は金属酸化物としては、A
l、Ti、Ni、Zn、AlOX、SiOX及びTiOX
などが挙げられ、Al、AlOX及びSiOXが好まし
く、また、薄膜は蒸着膜であるのが好ましい。金属面又
は金属酸化物面と印刷ポリエステルフィルムとの積層方
法についても特に限定されるものではなく、ドライラミ
ネーション、サンドラミネーション等の任意の方法を用
いて良い。ラミネートの際の接着剤についても特に限定
されるものではなく、通常市販のもの、例としてはイソ
シアネート系、ウレタン系、エポキシ系などの接着剤を
使用することができる。
【0023】上記金属又は金属酸化物薄膜が金属箔の場
合には、ポリエステルフィルム層と積層させることにな
るが、この場合も上記に準じた任意のラミネーションの
方法をとって良い。この場合のポリエステルフィルム層
の表面には、接着力を向上させるためのコロナ放電処
理、易接着性被膜などの表面処理が施されていても良
い。上記金属又は金属酸化物薄膜が蒸着膜の場合には、
該蒸着膜との間のポリエステルフィルム層の表面には、
接着力を向上させるためのコロナ放電処理、易接着性被
膜などの表面処理が施されていても良い。上記ポリエス
テルフィルム層のヒートシール層と積層する表面にも、
同様の接着力を向上させるためのコロナ放電処理、易接
着性被膜などの表面処理が施されていて良い。
【0024】本発明においては、また、本発明の包装用
積層フィルムを加熱融着による密封容器形成を可能にす
るために、ポリエステルフィルム層上にヒートシール層
を積層させる。ヒートシール層は加熱融着による密封容
器形成が可能なものであれば、特に限定されるものでは
ない。例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン
・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン・アクリル酸共重合
樹脂、エチレン・アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレ
ン・アクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン・メタクリ
ル酸共重合樹脂、エチレン・メタクリル酸メチル共重合
樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、アイオ
ノマー樹脂、ポリアクリロニトリル、共重合ポリエステ
ルなどを挙げることができる。ヒートシール層をポリエ
ステルフィルム層上に積層させる方法としては、特に限
定されるものではない。例としてはドライラミネート法
や押出ラミネート法などを挙げることができる。ドライ
ラミネートの際の接着剤についても特に限定されるもの
ではなく、通常市販のもの、例としてはイミン系、イソ
シアネート系、ウレタン系、ブタジエン系、チタネート
系などの接着剤を使用することができる。
【0025】本発明の包装用積層フィルムのポリエステ
ルベースフィルムを形成するポリエステルは、ジカルボ
ン酸成分とグリコール成分からなる飽和線状ポリエステ
ルである。このジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン
酸、4,4’−ジカルボキシルビフェニル等の芳香族ジ
カルボン酸、グリコール成分としては、エチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の脂
肪族又は脂環族グリコールを好ましく挙げることができ
る。上記ポリエステルの具体例としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジ
カルボキシレートなどのホモポリマーを挙げることがで
きる。
【0026】また、上記ポリエステルベースフィルム
は、必要に応じて上記ポリエステルを主成分とする共重
合ポリマーとすることができる。共重合させるモノマー
の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフ
タル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレ
ン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカ
ルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、4,
4’−ジカルボキシルビフェニル、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、クエン酸等の脂
肪族多価カルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカル
ボン酸等の脂環族多価カルボン酸、またプロピレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノール、ジエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノール
S、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリオー
ル、さらにp−ヒドロキシ安息香酸、m−クロル−p−
ヒドロキシ安息香酸、乳酸、ω−ヒドロキシカプロン酸
等のヒドロキシカルボン酸が挙げられ、さらに炭酸エス
テルの形とすることもできる。ここで、上記ポリエステ
ルを主成分とする共重合ポリマーとは、主成分たる成分
が70mol%以上を占めるものであることが好まし
い。
【0027】上記ポリエステルベースフィルムには、本
発明の効果を損なわない範囲で、粗面化剤として、平均
粒径が好ましくは0.05〜2.0μmの微粒子を、好
ましくは0.1〜5.0重量%含有させることができ
る。この微粒子としては内部析出粒子であっても外部添
加粒子であっても良い。外部添加粒子としては、例えば
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫
酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウム、リン
酸マグネシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、
酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、カオリン、タル
ク、カーボンブラック、窒化ケイ素、窒化ホウ素、架橋
ポリマー微粒子(例えば、架橋ポリスチレン、架橋アク
リル樹脂、架橋シリコーン樹脂などの微粒子)等を挙げ
ることができる。これらは単独使用でも良く、また2種
以上の併用でも良い。
【0028】かかる粗面化剤を含有させる方法として
は、ポリエステルなどの製造時にアルカリ(土類)金属
化合物をリン化化合物の添加で微細な粒子として析出さ
せる内部粒子析出法や、ポリマー製造工程からフィルム
製膜工程のいずれかの工程で、ポリマーに不活性な無機
又は有機の微粒子を添加する外部粒子添加法が挙げられ
る。
【0029】さらに、上記ポリエステルベースフィルム
中には着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、触媒、他の樹
脂などを適宜添加することができる。
【0030】本発明のポリエステルベースフィルムは、
一般に包装用フィルムとして使用される厚さを有してい
ればよく、5〜200μm、好ましくは10〜200μ
mの厚さである。
【0031】上記ポリエステルベースフィルムは、従来
から知られている方法で製造することができる。例え
ば、乾燥したポリエステルを周知の押出装置を用いて溶
融し、溶融したポリエステルをシート状に押出し、回転
冷却ドラム上で急冷固化して得られた未延伸シートを二
軸方向に延伸して二軸延伸ポリエステルフィルムとする
方法が挙げられる。この延伸方法としては、逐次二軸延
伸法や同時二軸延伸法を用いることができるが、後述の
塗工工程の作業性から逐次二軸延伸法が好ましい。逐次
二軸延伸法での延伸条件としては、前記未延伸シートを
60〜130℃、好ましくは90〜125℃の温度で2
〜6倍、好ましくは2.5〜4.0倍延伸し、ついで一
段目と直交する方向に60〜130℃、好ましくは90
〜125℃の温度で2〜6倍、好ましくは2.5〜4.
0倍延伸する。なお、一方向の延伸は2段階以上の多段
で行う方法も用いることができる。また二段目延伸後中
間熱処理をしてから、再度一段目と同じ方向及び/又は
二段目と同じ方向に延伸しても良い。かくして得られる
二軸延伸ポリエステルフィルムを、150〜250℃、
好ましくは180〜230℃の温度で1〜10秒間熱処
理する。その際、20%以内の制限収縮若しくは伸長、
又は定長下で行い、また二段以上で行っても良い。
【0032】本発明においては、また、ポリエステルベ
ースフィルムの面内方向最大屈折率と最小屈折率との差
を0〜0.05、かつ配向主軸と該フィルム横方向のな
す角度を−40〜40°とすることにより、製袋時にね
じれ等が生じず、また直線カット性に優れた包装用積層
フィルムとすることができる。この面内方向最大屈折率
と最小屈折率との差及び配向主軸とポリエステルベース
フィルム横方向のなす角度は、面内方向最大屈折率と最
小屈折率との差が0〜0.05であり、かつ配向主軸と
該フィルム横方向のなす角度が−40〜40°となるよ
うに、上述の延伸方法を適用すればよい。面内方向最大
屈折率と最小屈折率との差が0.05を越え、又は配向
主軸と該フィルム横方向のなす角度が−40°未満又は
40°を越える場合は、製袋時に熱収異方性に起因する
ねじれが生じたり、開封時にまっすぐカットできなかっ
たりして好ましくない。
【0033】さらに、本発明においてはポリエステルベ
ースフィルムの曇り度を0〜10%とすることにより、
透明性に優れた包装用積層フィルムとすることができ
る。この曇り度は、上述の粗面化剤の粒径及び含有量を
曇り度が0〜10%の範囲となるように調節すればよ
い。曇り度が10%を越えるものは、内容物視認や美観
上の観点から好ましくない。
【0034】さらに、本発明においてはポリエステルベ
ースフィルムの静摩擦係数を0.25〜0.60とする
ことにより、滑り性に優れた包装用積層フィルムとする
ことができる。この静摩擦係数は、上述の粗面化剤の粒
径及び含有量を静摩擦係数が0.25〜0.60の範囲
となるように調節すればよい。静摩擦係数が0.25未
満である場合は製品ロールの端面ずれや袋の積載が困難
になるなどのトラブルを生じ好ましくなく、0.60を
越える場合は製品ロールにシワを生じたり、ブロッキン
グを促進したりするため好ましくない。
【0035】なお、金属又は金属酸化物薄膜とヒートシ
ール層の間のポリエステルフィルム層を形成するポリエ
ステルフィルムについても、上記のポリエステルベース
フィルムについての説明に準じる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明におけ
る種々の物性値及び特性は以下の如く測定されたもので
あり、また定義される。
【0037】(1)固有粘度([η]) o−クロロフェノールを溶媒として用い、25℃で測定
した値(単位:dl/g)である。
【0038】(2)二次転移点(Tg) 共重合ポリエステルや共重合アクリルの水性液を十分に
乾固させ、その10mgをセイコー電子産業(株)製熱
分析システムSSC/5200、DSC5200にセッ
トし、窒素ガス気流中で20℃/minの昇温速度で加
熱し、該サンプルのガラス転移(二次転移)に伴う吸熱
挙動を一次微分、二次微分で解析し、温度〜吸熱曲線の
ショルダーを示す温度を決定し、これをTgとする(単
位:℃)。
【0039】(3)易接着被膜層厚み(t) 上記水性液の乾燥前塗布量(w、単位:g/m2)、水
性液の濃度(c、単位:重量%)、易接着被膜層の乾燥
後密度(ρ、単位:g/cm3)及びフィルム製膜工程
中の水性液塗工工程〜製膜完了後巻取工程間のフィルム
延伸面積倍率(R)を各々測定し、下記式で計算する
(単位:μm)。 t=(w・c)/(ρ・R)
【0040】(4)ポリエステルベースフィルムの物性 a)面内方向の最大屈折率と最小屈折率との差(Δn) 周知のアッベ型屈折計を用い、沃化メチレンを用いてポ
リエステルベースフィルムの面内方向の屈折率を測定す
る。該フィルムを15°おきに回転させてそれぞれの屈
折率を測定し、その最大値と最小値の差をもってΔnと
する。 b)配向主軸とポリエステルベースフィルム横方向との
なす角度(θ) ポリエステルベースフィルムと偏光板を重ね、透過光に
て観察する。偏光板を回転させ、透過光が最も明るくな
る角度をもってθとする(単位:°、該フィルム横方向
から反時計回りに正の角度とする)。周知の偏光顕微鏡
を用いることが好ましい。 c)曇り度(H) 周知の積分球型ヘーズメーターを用いて測定する(単
位:%)。 d)静摩擦係数(μS) ポリエステルベースフィルムの表と裏を重ね、1kgの
重りを乗せて一方の該フィルムを引張り、動き出した時
の引張荷重をロードセルにて測定し、μSを求める。
【0041】(5)包装用積層フィルムの実用特性 a)接着力評価 印刷ポリエステルフィルムと後述のポリエステルフィル
ム(1)との積層の際、一部接着させない部分を設けて
おき、その部分をつかみ代として、周知の引張試験機を
用いてT型ピール試験(ピール速度:100mm/mi
n)を行う。 A:印刷ポリエステルフィルムが破断する。 B:金属又は金属酸化物蒸着膜が凝集破壊する、又は金
属又は金属酸化物薄膜層〜接着剤が界面剥離する又は接
着剤が凝集破壊する。 C:インキが凝集破壊して剥離する。 D:インキが完全に金属又は金属酸化物薄膜に移行して
剥離する。 ……A〜Bまでが実用性能を満足し、特にAが好まし
い。 b)耐ブロッキング性評価 印刷ポリエステルフィルムの表と裏を重ね6kg/cm
2に加圧し、60℃、80%RHに設定した周知の恒温
恒湿槽中に17時間放置する。取り出した該フィルムに
ついて周知の引張試験機を用いてT型ピール(ピール速
度:100mm/min)を行い、剥離強度を測定す
る。 A:剥離力が2g/cm巾未満 B:剥離力が2g/cm巾以上3g/cm巾未満 C:剥離力が3g/cm巾以上 D:完全にブロッキングし、剥離時に該フィルムが破断
する。 ……A〜Bまでが実用性能を満足し、特にAが好まし
い。 c)直線カット性評価 包装用積層フィルムをヒートシール層を互いに内側に重
ね、一端の端から10mm内側に15mm巾に180
℃、1kg/cm2にて熱圧着する。ヒートシールした
端にヒートシールと垂直に20mmの切込みを入れ、周
知の引張試験機を用いてトラウザー型の引裂試験(引張
速度:200mm/min)を行う。 A:ヒートシールと垂直に裂ける。 B:裂け目と垂直線との角度が20°未満。 C:裂け目と垂直線との角度が20°以上。 ……A〜Bまでが実用性能を満足し、特にAが好まし
い。
【0042】ポリエステルフィルム(1) 十分乾燥した、ポリエチレンテレフタレート([η]=
0.65)樹脂を押出機に供給し、スリット状ダイより
溶融押出し、静電荷印可密着法を用いて表面温度40℃
の回転冷却ドラム上で密着させて急冷固化し、未延伸シ
ートを得た。この未延伸シートを90℃の延伸温度で縦
方向に3.6倍延伸して一軸延伸ポリエステルフィルム
とした。次いでこの一軸延伸ポリエステルフィルムの両
面に、ジカルボン酸成分がテレフタル酸90mol%及
び5−ナトリウムスルホイソフタル酸10mol%、グ
リコール成分がエチレングリコール65mol%及びジ
エチレングリコール35mol%の共重合ポリエステル
80重量%、メタクリル酸2.5mol%、メタクリル
酸メチル45mol%、アクリル酸2.5mol%、ア
クリル酸エチル45mol%、アクリロニトリル1mo
l%及びN−メチロールメタクリルアミド4mol%の
共重合アクリル(Tg=45℃)10重量%、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル10重量%からなる
組成物を固形分濃度として4重量%含む水性液をロール
コーターで塗布し、100℃で乾燥しつつ横方向に4.
0倍延伸し、一旦冷却した後220℃の熱処理を施しな
がら幅方向に3%の弛緩処理を行い、厚さ0.02μm
の易接着性被膜を有する厚さ12μmの二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを得、更に製膜巾の中心線から両端に7
0%ずつの範囲を選択してサンプリングした。この二軸
延伸ポリエステルフィルムの片面にAl金属を100Å
の厚さに真空蒸着してポリエステルフィルム(1)を得
た。
【0043】実施例1 ポリエステルフィルム(1)の方法と同様の方法で得ら
れた一軸延伸ポリエステルベースフィルムの片面に、ジ
カルボン酸成分がテレフタル酸5mol%、イソフタル
酸85mol%及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸
10mol%、グリコール成分がジエチレングリコール
100mol%の共重合ポリエステル([η]=0.3
2、Tg=20℃)80重量%、ポリエステルフィルム
(1)に使用したものと同じ共重合アクリル10重量
%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル10重
量%からなる組成物を固形分濃度として4重量%含む水
性液をロールコーターで塗布し、ポリエステルフィルム
(1)と同様に延伸、熱処理を行い、厚さ0.02μm
の易接着被膜層を有する厚さ12μmの二軸延伸易接着
ポリエステルフィルムを得、更に製膜巾の中心線から両
端に70%ずつの範囲を選択してサンプリングした。上
記共重合ポリエステルの成分割合、固有粘度[η]及び
二次転移点Tgを表1、易接着被膜層の構成成分、易接
着被膜層厚みt及びポリエステルベースフィルムの物性
を表2に表す。ザ・インクテック(株)社製水性インキ
“オーデGFN(212紅)”を水/エタノール/n−
プロパノール=5/3/2(w/w)を溶剤としてイン
キ/溶剤=4/10(w/w)となるよう希釈して、
(株)クラボウテクノシステム社製グラビア印刷機GP
−2を用い、易接着ポリエステルフィルムの易接着被膜
層上にベタ印刷する(グラビア線数:40L、深さ:3
20μm)。120℃で1分間乾燥後、24時間室温放
置したものの印刷面に、大日本インキ化学工業(株)社
製接着剤“ディックドライLX−703A”及び“ディ
ックドライKR−90”の15/1(w/w)混合液を
酢酸エチルを溶剤として接着剤/溶剤=100/27.
5(w/w)となるよう希釈して、周知のバーコーター
(マイヤーバー#4)を用いて塗工する。80℃で1分
間乾燥後、ポリエステルフィルム(1)のAl蒸着面
と、周知のロールラミネーターを用いてラミネートする
(ニップ温度:80℃、ニップ圧力:5kg/cm
巾)。40℃で3日間放置し、中間積層フィルムを得
た。さらにこの中間積層フィルムのポリエステルフィル
ム(1)側に、上記接着剤“ディックドライLX−70
3A”及び“ディックドライKR−90”を上記と同条
件で塗工し、厚さ50μmのタマポリ(株)社製低密度
ポリエチレンフィルム“V−1”と、上記と同条件にて
ラミネートする。40℃で3日間放置し、包装用積層フ
ィルムを得た。この包装用積層フィルムの実用特性を表
3に表す。表3より明らかなように実施例1の包装用積
層フィルムは全ての要求特性を満足するものであった。
【0044】実施例2 易接着被膜層を構成する共重合ポリエステルとして、ジ
カルボン酸成分がテレフタル酸90mol%及び5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸10mol%、グリコール
成分がエチレングリコール65mol%及びジエチレン
グリコール35mol%の共重合ポリエステル([η]
=0.45、Tg=65℃)を使用した以外は、実施例
1と同様にして厚さ0.02μmの易接着被膜層を有す
る厚さ12μmの二軸延伸易接着ポリエステルフィルム
を得た。上記共重合ポリエステルの成分割合、固有粘度
[η]及び二次転移点Tgを表1、易接着被膜層の構成
成分、易接着被膜層厚みt及びポリエステルベースフィ
ルムの物性を表2に表す。さらに実施例1と同様にして
包装用積層フィルムを得た。この包装用積層フィルムの
実用特性を表3に表す。表3より明らかなように実施例
2の包装用積層フィルムもまた全ての要求特性を満足す
るものであった。
【0045】実施例3 易接着被膜層の構成として共重合アクリルを用いず、共
重合ポリエステル90重量%、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル10重量%とした以外は、実施例1
と同様にして厚さ0.02μmの易接着被膜層を有する
厚さ12μmの二軸延伸易接着ポリエステルフィルムを
得た。上記共重合ポリエステルの成分割合、固有粘度
[η]及び二次転移点Tgを表1、易接着被膜層の構成
成分、易接着被膜層厚みt及びポリエステルベースフィ
ルムの物性を表2に表す。さらに実施例1と同様にして
包装用積層フィルムを得た。この包装用積層フィルムの
実用特性を表3に表す。表3より明らかなように実施例
3の包装用積層フィルムは耐ブロッキング性がやや劣る
が要求特性を一応満足するものであった。
【0046】実施例4 易接着ポリエステルフィルムのサンプリング範囲を両端
から全幅の5〜15%とした以外は、実施例1と同様に
して厚さ0.02μmの易接着被膜層を有する厚さ12
μmの二軸延伸易接着ポリエステルフィルムを得た。共
重合ポリエステルの成分割合、固有粘度[η]及び二次
転移点Tgを表1、易接着被膜層の構成成分、易接着被
膜層厚みt及びポリエステルベースフィルムの物性を表
2に表す。さらに実施例1と同様にして包装用積層フィ
ルムを得た。この包装用積層フィルムの実用特性を表3
に表す。表3より明らかなように実施例4の包装用積層
フィルムは直線カット性がやや劣るが要求特性を一応満
足するものであった。
【0047】比較例1 易接着被膜層を構成する共重合ポリエステルとして、ジ
カルボン酸成分がテレフタル酸85mol%、イソフタ
ル酸13mol%及び5−ナトリウムスルホイソフタル
酸2mol%、グリコール成分がテトラエチレングリコ
ール70mol%及びビスフェノールA−エチレングリ
コール付加体30mol%の共重合ポリエステル
([η]=0.62、Tg=25℃)を使用した以外
は、実施例1と同様にして厚さ0.02μmの易接着被
膜層を有する厚さ12μmの二軸延伸易接着ポリエステ
ルフィルムを得た。上記共重合ポリエステルの成分割
合、固有粘度[η]及び二次転移点Tgを表1、易接着
被膜層の構成成分、易接着被膜層厚みt及びポリエステ
ルベースフィルムの物性を表2に表す。さらに実施例1
と同様にして包装用積層フィルムを得た。この包装用積
層フィルムの実用特性を表3に表す。表3より明らかな
ように比較例1の包装用積層フィルムは5−ナトリウム
スルホイソフタル酸及びジエチレングリコールのの共重
合量が本発明の必須要件を満たしていないため接着性に
劣るものであった。
【0048】比較例2 易接着被膜層を構成する共重合ポリエステルとして、ジ
カルボン酸成分がテレフタル酸98mol%及び5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸2mol%、グリコール成
分がテトラエチレングリコール50mol%、ジエチレ
ングリコール20mol%及びビスフェノールA−エチ
レングリコール付加体30mol%の共重合ポリエステ
ル([η]=0.68、Tg=24℃)を使用した以外
は、実施例1と同様にして厚さ0.02μmの易接着被
膜層を有する厚さ12μmの二軸延伸易接着ポリエステ
ルフィルムを得た。上記共重合ポリエステルの成分割
合、固有粘度[η]及び二次転移点Tgを表1、易接着
被膜層の構成成分、易接着被膜層厚みt及びポリエステ
ルベースフィルムの物性を表2に表す。さらに実施例1
と同様にして包装用積層フィルムを得た。この包装用積
層フィルムの実用特性を表3に表す。表3より明らかな
ように比較例2の包装用積層フィルムもまた5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸の共重合量が本発明の必須要件
を満たしていないため接着性に劣るものであった。
【0049】比較例3 易接着被膜層を構成する共重合ポリエステルとして、ジ
カルボン酸成分がテレフタル酸50mol%、イソフタ
ル酸35mol%及び5−ナトリウムスルホイソフタル
酸15mol%、グリコール成分がエチレングリコール
70mol%及びビスフェノールA−エチレングリコー
ル付加体30mol%の共重合ポリエステル([η]=
0.40、Tg=65℃)を使用した以外は、実施例1
と同様にして厚さ0.02μmの易接着被膜層を有する
厚さ12μmの二軸延伸易接着ポリエステルフィルムを
得た。上記共重合ポリエステルの成分割合、固有粘度
[η]及び二次転移点Tgを表1、易接着被膜層の構成
成分、易接着被膜層厚みt及びポリエステルベースフィ
ルムの物性を表2に表す。さらに実施例1と同様にして
包装用積層フィルムを得た。この包装用積層フィルムの
実用特性を表3に表す。表3より明らかなように比較例
3の包装用積層フィルムはジエチレングリコールの共重
合量が本発明の必須要件を満たしていないため接着性に
劣るものであった。
【0050】比較例4 易接着被膜層を構成する共重合ポリエステルとして、ジ
カルボン酸成分がテレフタル酸75mol%及び5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸25mol%、グリコール
成分がエチレングリコール70mol%及びジチレング
リコール30mol%の共重合ポリエステル([η]=
0.43、Tg=45℃)を使用した以外は、実施例1
と同様にして厚さ0.02μmの易接着被膜層を有する
厚さ12μmの二軸延伸易接着ポリエステルフィルムを
得た。上記共重合ポリエステルの成分割合、固有粘度
[η]及び二次転移点Tgを表1、易接着被膜層の構成
成分、易接着被膜層厚みt及びポリエステルベースフィ
ルムの物性を表2に表す。さらに実施例1と同様にして
包装用積層フィルムを得た。この包装用積層フィルムの
実用特性を表3に表す。表3より明らかなように比較例
4の包装用積層フィルムは5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸の共重合量が本発明の必須要件を満たしていない
ため耐ブロッキング性に劣るものであった。
【0051】比較例5 易接着被膜層を形成するための水性液塗工を行わず、一
軸延伸ポリエステルベースフィルムを直接横方向に延伸
した以外は、実施例1と同様にして厚さ12μmの二軸
延伸ポリエステルベースフィルムを得た。このポリエス
テルベースフィルムの物性を表2に表す。さらに実施例
1と同様にして包装用積層フィルムを得た。この包装用
積層フィルムの実用特性を表3に表す。表3より明らか
なように比較例5の包装用積層フィルムは易接着被膜層
をもたず本発明の必須要件を満たしていないため接着性
に劣るものであった。
【0052】比較例6 易接着被膜層の厚みを0.4μmとするべく水性液の塗
工条件を調整した以外は、実施例1と同様にして厚さ1
2μmの二軸延伸易接着ポリエステルフィルムを得た。
共重合ポリエステルの成分割合、固有粘度[η]及び二
次転移点Tgを表1、易接着被膜層の構成成分、易接着
被膜層厚みt及びポリエステルベースフィルムの物性を
表2に表す。さらに実施例1と同様にして包装用積層フ
ィルムを得た。この包装用積層フィルムの実用特性を表
3に表す。表3より明らかなように比較例6の包装用積
層フィルムは易接着被膜層の厚みが本発明の必須要件を
満たしていないため耐ブロッキング性に劣るものであっ
た。
【0053】比較例7 易接着被膜層として、ウレタン樹脂水性液を塗工した以
外は、実施例1と同様にして厚さ12μmの二軸延伸易
接着ポリエステルフィルムを得た。易接着被膜層の構成
成分、易接着被膜層厚みt及びポリエステルベースフィ
ルムの物性を表2に表す。さらに実施例1と同様にして
包装用積層フィルムを得た。この包装用積層フィルムの
実用特性を表3に表す。表3より明らかなように比較例
7の包装用積層フィルムは易接着被膜層の成分が本発明
の必須要件とは異なるため水性インキとの接着性に劣る
ものであった。
【0054】比較例8 易接着被膜層として、ポリビニルアルコール樹脂水性液
を塗工した以外は、実施例1と同様にして厚さ12μm
の二軸延伸易接着ポリエステルフィルムを得た。易接着
被膜層の構成成分、易接着被膜層厚みt及びポリエステ
ルベースフィルムの物性を表2に表す。さらに実施例1
と同様にして包装用積層フィルムを得た。この包装用積
層フィルムの実用特性を表3に表す。表3より明らかな
ように比較例8の包装用積層フィルムは易接着被膜層の
成分が本発明の必須要件とは異なるため、水性インキと
の接着性には優れているもののベースフィルムとの接着
性に劣るため全体としての接着性に劣るものであった。
【0055】実施例5〜8及び比較例9〜16 ポリエステルベースフィルムの原料としてポリエチレン
−2,6−ナレフタレンジカルボキシレート([η]=
0.65)を用い、縦方向の延伸温度を130℃、横方
向の延伸温度を140℃とし、また熱処理の温度を24
0℃として幅方向に3%の弛緩処理した以外は、それぞ
れ実施例1〜4及び比較例1〜8と同様にして厚さ12
μmの二軸延伸易接着ポリエステルフィルム又は二軸延
伸ポリエステルベースフィルムを得た。共重合ポリエス
テルの成分割合、固有粘度[η]及び二次転移点Tg
表1、易接着被膜層の構成成分、易接着被膜層厚みt及
びポリエステルベースフィルムの物性を表2に表す。さ
らに実施例1と同様にして包装用積層フィルムを得た。
この包装用積層フィルムの実用特性を表3に表す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】本発明によって、易接着被膜層と水性イ
ンキとの接着性が高く印刷インキが剥離するのを防止で
き、かつガスバリヤ性を具備した包装用積層フィルムが
提供され、それによって、作業環境、外部環境の改善に
寄与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 雅之 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルベースフィルムの少なくと
    も片面に、ジカルボン酸成分として金属塩基及び/又は
    アンモニウム塩基を有するジカルボン酸成分を全ジカル
    ボン酸成分に対して5〜20mol%、かつグリコール
    成分としてジエチレングリコール成分を全グリコール成
    分に対して20〜100mol%共重合した二次転移点
    が15〜100℃の共重合ポリエステルを主成分とし、
    厚さが0.005〜0.3μmの易接着被膜層が形成さ
    れている易接着ポリエステルフィルムの易接着被膜層上
    に水性インキ印刷が施されており、さらにその印刷ポリ
    エステルフィルムの印刷面上に金属又は金属酸化物薄
    膜、ポリエステルフィルム層及びヒートシール層がこの
    順で積層されているガスバリヤ性の包装用積層フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 上記共重合ポリエステルは、その全ジカ
    ルボン酸成分のうち、金属塩基及び/又はアンモニウム
    塩基を有するジカルボン酸成分が5〜20mol%であ
    り、かつ芳香族ジカルボン酸成分が95〜60mol%
    である、請求項1に記載の包装用積層フィルム。
  3. 【請求項3】 上記易接着被膜層中にアクリル系高分子
    成分を5〜50重量%含有してなる、請求項1又は請求
    項2に記載の包装用積層フィルム。
  4. 【請求項4】 上記ポリエステルベースフィルムの面内
    方向最大屈折率と最小屈折率との差が0〜0.05であ
    り、かつ配向主軸とフィルム横方向のなす角度が−40
    〜40°である、請求項1から請求項3のいずれかに記
    載の包装用積層フィルム。
  5. 【請求項5】 上記ポリエステルベースフィルムの曇り
    度が0〜10%である、請求項1から請求項4のいずれ
    かに記載の包装用積層フィルム。
  6. 【請求項6】 上記ポリエステルベースフィルムの静摩
    擦係数が0.25〜0.60である、請求項1から請求
    項5のいずれかに記載の包装用積層フィルム。
  7. 【請求項7】 上記の金属塩基及び/又はアンモニウム
    塩基がSO3M及び/又はCOOM(ここで、MはN
    a、K、Li及びNH4よりなる群から選ばれる少なく
    とも1種を示す)である、請求項1から請求項6のいず
    れかに記載の包装用積層フィルム。
JP9185289A 1997-07-10 1997-07-10 水性インキ印刷を施したガスバリヤ性包装用フィルム Pending JPH1128796A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9185289A JPH1128796A (ja) 1997-07-10 1997-07-10 水性インキ印刷を施したガスバリヤ性包装用フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9185289A JPH1128796A (ja) 1997-07-10 1997-07-10 水性インキ印刷を施したガスバリヤ性包装用フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1128796A true JPH1128796A (ja) 1999-02-02

Family

ID=16168255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9185289A Pending JPH1128796A (ja) 1997-07-10 1997-07-10 水性インキ印刷を施したガスバリヤ性包装用フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1128796A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102326010B1 (ko) * 2021-01-13 2021-11-11 코오롱인더스트리 주식회사 수분 및 산소 배리어성 적층체

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS565476B2 (ja) * 1977-06-13 1981-02-05
JPS58124651A (ja) * 1982-01-20 1983-07-25 ダイアホイル株式会社 塗布層を有するポリエステルフィルム
JPS59191741A (ja) * 1983-04-13 1984-10-30 Toyobo Co Ltd 積層型の高接着性ポリエステル成形物の製造方法
JPS59224345A (ja) * 1983-06-04 1984-12-17 東洋紡績株式会社 印刷されたポリエステルフイルム
JPS6019522A (ja) * 1983-07-13 1985-01-31 Toyobo Co Ltd コーティングポリエステルフィルムの製造法
JPS6346237A (ja) * 1986-08-12 1988-02-27 ロ−ヌ−プ−ラン・フィルム ポリエステルフィルムの被覆方法及び表面被膜を有する新規のフィルム
JPH0250835A (ja) * 1988-08-12 1990-02-20 Toyobo Co Ltd 被覆プラスチックフィルム
WO1996006722A1 (fr) * 1994-08-30 1996-03-07 Toray Industries, Inc. Film polyester a orientation biaxiale et procede pour le fabriquer
JPH08504379A (ja) * 1992-12-09 1996-05-14 ヘキスト・アクチェンゲゼルシャフト コポリエステル下塗二軸延伸コポリエステルフィルム
JPH08267638A (ja) * 1995-03-31 1996-10-15 Toppan Printing Co Ltd 印刷層を設けたバリア性の優れた包装材料
JPH09109345A (ja) * 1995-10-19 1997-04-28 Toray Ind Inc ジアゾ第二原図用ポリエステルフィルム

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS565476B2 (ja) * 1977-06-13 1981-02-05
JPS58124651A (ja) * 1982-01-20 1983-07-25 ダイアホイル株式会社 塗布層を有するポリエステルフィルム
JPS59191741A (ja) * 1983-04-13 1984-10-30 Toyobo Co Ltd 積層型の高接着性ポリエステル成形物の製造方法
JPS59224345A (ja) * 1983-06-04 1984-12-17 東洋紡績株式会社 印刷されたポリエステルフイルム
JPS6019522A (ja) * 1983-07-13 1985-01-31 Toyobo Co Ltd コーティングポリエステルフィルムの製造法
JPS6346237A (ja) * 1986-08-12 1988-02-27 ロ−ヌ−プ−ラン・フィルム ポリエステルフィルムの被覆方法及び表面被膜を有する新規のフィルム
JPH0250835A (ja) * 1988-08-12 1990-02-20 Toyobo Co Ltd 被覆プラスチックフィルム
JPH08504379A (ja) * 1992-12-09 1996-05-14 ヘキスト・アクチェンゲゼルシャフト コポリエステル下塗二軸延伸コポリエステルフィルム
WO1996006722A1 (fr) * 1994-08-30 1996-03-07 Toray Industries, Inc. Film polyester a orientation biaxiale et procede pour le fabriquer
JPH08267638A (ja) * 1995-03-31 1996-10-15 Toppan Printing Co Ltd 印刷層を設けたバリア性の優れた包装材料
JPH09109345A (ja) * 1995-10-19 1997-04-28 Toray Ind Inc ジアゾ第二原図用ポリエステルフィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102326010B1 (ko) * 2021-01-13 2021-11-11 코오롱인더스트리 주식회사 수분 및 산소 배리어성 적층체

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7396578B2 (en) Adhesion-promoted , heatsealable and peelable polyester film, process for its production and its use
JP4624817B2 (ja) 反射性偏光フィルム
US5453326A (en) Polyester film coating with polyamido-polyethyleneimine
WO2018159157A1 (ja) 積層フィルム
EP1503898B1 (en) Metallized high barrier lap-sealable liner for spiral wounds containers
JPH1128796A (ja) 水性インキ印刷を施したガスバリヤ性包装用フィルム
JPS5819686B2 (ja) 包装用印刷フイルム
EP2726285B1 (en) Dimensionally stable multi-layer polyester films
JPH1128795A (ja) 水性インキ印刷を施した包装用フィルム
JP5266655B2 (ja) 包装用二軸配向ポリエステルフィルム
JPH09156024A (ja) 被覆フィルム
JP2002166487A (ja) ガスバリア性積層フィルムおよびこの積層フィルムを用いた包装材料
JP3316913B2 (ja) ヒートシール性ポリエステルフイルムおよびその製造方法
JPH1128794A (ja) 水性インキ印刷に適した包装用フィルム
JP2004276294A (ja) 高ガスバリア性を有する粘着性フィルム
WO2020080131A1 (ja) 積層フィルム
JP2021109381A (ja) ガスバリアフィルム、これを用いた積層体およびガスバリアフィルムの製造方法
JP4367108B2 (ja) レトルト適性を有する透明ガスバリアフィルム積層体及びその製造方法
JP7238946B2 (ja) 多層積層フィルム、それを用いた輝度向上部材および偏光板
JP3833354B2 (ja) 包装用ポリエステルフィルム
JP2017064969A (ja) 積層ポリエチレンテレフタレートフィルム
JP4228687B2 (ja) ハイバリア透明積層体
JP2007069456A (ja) 加熱処理耐性を有するガスバリア性フィルム積層体
JPH08300589A (ja) 被覆層形成用フィルムと被覆フィルム
JP2004216877A (ja) 積層ポリエステルフィルムおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040402

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070521

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080115