JPH09156024A - 被覆フィルム - Google Patents

被覆フィルム

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JPH09156024A
JPH09156024A JP32024895A JP32024895A JPH09156024A JP H09156024 A JPH09156024 A JP H09156024A JP 32024895 A JP32024895 A JP 32024895A JP 32024895 A JP32024895 A JP 32024895A JP H09156024 A JPH09156024 A JP H09156024A
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JP
Japan
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layer
coating
film
base material
coating layer
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JP32024895A
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Mamoru Sekiguchi
守 関口
Nobuhiko Imai
伸彦 今井
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定して優れたバリアー性が得られ、高温多湿
等の環境が変化しても酸素、水蒸気等のガス遮断性の劣
化の生じない被覆フィルムを提供することが求められて
いた。 【解決手段】基材と金属性被覆層とで構成される被覆フ
ィルムにおいて、上記基材と被覆層との間に、オリゴマ
ー遮断アンカー層とオリゴマー遮断層を設けたものであ
る。これで密着性が向上し、低分子量のオリゴマーを遮
断し平滑に保持でき被膜のピンホールやクラックの発生
を低減できバリアー性の向上を達成できる効果を完全な
ものとすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂フィルムから
成る基材と、この基材の少なくとも片面に蒸着、スパッ
タリング等の気相成長法により成膜された金属若しくは
金属酸化物からなる被覆層とで構成され、産業資材をは
じめ医薬品、食品分野等の包装材料等に広く利用される
被覆フィルムに係り、特に、酸素、水蒸気等のガス遮断
性を極めて向上できる被覆フィルムの改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】アルミ箔に代わるガス遮断性フィルムと
して、近年、合成樹脂フィルムから成る基材上にアルミ
ニウム等の金属薄膜を成膜して構成された被覆フィルム
が包装材料として利用されている。また、最近ではアル
ミニウム等の金属薄膜に代わって酸化珪素や酸化アルミ
ニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物の薄膜を成膜
した被覆フィルムが実用化されている。
【0003】そして、これら金属酸化物の薄膜を成膜し
て被覆フィルムは上記金属薄膜の被覆フィルムにはない
透明性と易焼却性を有しているため、今日の世界的な環
境問題からその開発が注目されている。
【0004】ところで、これらの被覆フィルムは、従
来、真空蒸着やスパッタリング法等の気相成長法により
製造されている。しかし、上記金属若しくは金属酸化物
からなる被覆層を成膜する際、適度な運動エネルギーを
有する金属若しくは金属酸化物粒子が合成樹脂フィルム
からなる基材表面に衝突し、この衝突に起因して基材を
構成する合成樹脂フィルムからフィルム内部に保有され
ている低分子ガスが放出されたり、上記基材表面が高温
にさらされ軟化、溶融して基材内部に含有している合成
時に高分子化しなかったオリゴマー、静電防止剤、ブロ
ッキング防止剤、各種安定剤等の低分子量物が基材表面
に移行に起因してその平滑性が損なわれ易いため、成膜
された被覆層にピンホールやクラック等が生じたり、基
材と被覆層との接着強度を十分に出せない問題があっ
た。特に、被覆層が金属酸化物で構成される場合、金属
に比べて金属酸化物はその融点が高いことから成膜時の
加熱方式に電子ビーム方式が採られるため上記問題は顕
著であった。このため、得られるた被覆フィルムのガス
遮断性にバラツキを生じ、かつ、高湿下でバリアー性が
経時的に低下する等の問題があり、改善の余地を有して
いた。
【0005】また、バリアー性のレベルとして金属箔な
みの超バリアー性のものは得らておらず、このようなニ
ーズに対応して改良検討が続けられている。
【0006】そこで、この様な問題点を解決するため、
ゼラチン、カゼイン、セルロースやセルロース誘導体、
ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル等水
に溶解する水性樹脂あるいはアクリルエマルジョンで代
表される各種エマルジョンを用いて基材上にコーティン
グ層を形成してこのコーティング層の作用により基材表
面の熱的負荷の軽減を図って、ガス遮断性の向上させ
る。(特公昭59−51427号公報、特公昭54−1
6557号公報等参照)等の方法が提案されている。
【0007】また、特開平1−130408号公報に、
ベースフィルム上の透明導電膜を設けるに際して、その
間に水分や有害イオンを通さないことを目的としてセラ
ミックス遮断膜を設ける技術が記載されているが、この
ような膜を設けることにより気相成長法の長所である密
着性が低下するために気相成長法を用いた効果が少なく
なってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記の基材表面に水性
コーティング層を設ける方法においては、確かに成膜時
の熱的負荷が改善されるが、被膜形成時の熱や真空プロ
セスでの水の蒸発等により被膜が均一かつ、緻密に形成
されにくく、ガス遮断性にバラツキを生じ、安定した特
性が得られず、また、高温多湿環境下でコーティング層
に耐水性がないために被覆層の変形に伴いバリアー性が
劣化するなどの問題を残していた。
【0009】また、各種油性タイプの樹脂をコーティン
グした場合においては高温多湿環境下での基材フィルム
と被覆層の接着性を改善することができるが、被覆層が
均一に形成することができず、経時変化によりガス遮断
性にバラツキを生じ問題を残していた。
【0010】本発明は、この様な問題点に着目してなさ
れたもので極めて優れたバリアー性が得られ、かつ、高
温多湿等の環境が変化しても酸素、水蒸気等のガス遮断
性の劣化の生じない被覆フィルムを提供するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、合成
樹脂フィルムからなる基材と、この基材の少なくとも片
面に気相成長法により成膜された金属若しくは金属酸化
物からなる被覆層とで構成される被覆フィルムにおい
て、上記基材、オリゴマー遮断アンカー層、オリゴマー
遮断層、被覆層が順次積層された被覆フィルムである。
【0012】このように、基材と被覆層間にオリゴマー
遮断層を設けることで、被膜形成時の熱や、被覆形成後
の二次加工プロセス、使用環境での熱等により起因して
基材フィルム内部から基材表面にブリードアウトしてく
る低分子量のオリゴマー、添加剤等を遮断でき、被膜を
形成する面を平滑に保持することができるため、該被膜
のピンホールやクラックの発生を低減することができ、
バリアー性の向上を達成できる。
【0013】また、基材、オリゴマー遮断アンカー層、
オリゴマー遮断層、被覆層を順次積層しているので、オ
リゴマー遮断層を基材上に形成しており、かつ、基材と
強固に接着性を有するオリゴマー遮断アンカー層を直接
オリゴマー遮断層の下に形成しているため、オリゴマー
遮断層が基材と充分強固に接着されているため、多湿環
境下においても基材フィルム内部からの低分子量オリゴ
マー類のブリードアウトを遮断できる。結果として、被
膜層とオリゴマー遮断層の界面が平滑に、かつ、被覆層
を緻密に保持できるため被膜層のピンホール、クラック
発生を低減できバリアー性のバラツキを小さくすること
ができ、さらにはバリアー性の向上が可能となる。
【0014】請求項2の発明は、オリゴマー遮断層が、
無機系高分子である請求項1の被覆フィルムである。オ
リゴマー遮断層が無機系高分子であるため、有機系高分
子に比べ緻密な構造であり、熱による分子運動も小さく
耐熱性に優れているので、基材内部からの低分子量のオ
リゴマー等のブリードアウトを極めて低減できる。
【0015】さらに被膜形成時に該オリゴマー遮断層が
変形することなく基材に伝達される熱量を減らすことが
できるので、請求項1に記載した如く被膜層とオリゴマ
ー遮断層の界面に基材からブリードアウトしてきた低分
子量物の蓄積がなく、均一かつ緻密な被覆層が形成で
き、被膜層にピンホールやクラックの発生がない被覆フ
ィルムが得られる。
【0016】請求項3、4の発明は、被覆層がアルミニ
ウム酸化物、珪素酸化物、マグネシウム酸化物のいずれ
か叉は二以上の混合または多層である被覆フィルム。
【0017】更に、被覆層がアルミニウム層である被覆
フィルムである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明における合成樹脂フィルム
としては、寸法安定性、耐熱性並びに機械的強度に優れ
た材料が好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン等のポリオレフィン、エチレン−ビニル
アルコール共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン
6、ナイロン11、芳香族ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド
等から成るフィルム或いは上記ポリマーを構成するモノ
マーを含む共重合体からなるフィルムが挙げられるが、
当然のことながらこれらフィルムに限定されることはな
い。
【0019】好ましくは、二軸延伸されたポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
である。
【0020】更に、これらの合成樹脂フィルムは、強度
寸法安定性耐熱性等の点から縦横方向に延伸されたフィ
ルムの利用が望ましいが、一軸延伸または無延伸材でも
効果はある。
【0021】また、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、滑剤、顔料、染料等の公知の添加剤を配合しても一
向に構わないが、有機系滑剤,帯電防止剤の添加量は少
なくした方がよい。
【0022】また、合成樹脂フィルムの厚みは3〜40
0μmのフィルムが使用できる。尚後述するように気相
成膜加工性、さらには二次加工性としての印刷、ラミネ
ート加工をする際のハンドリングの点から好ましくは6
〜200μmの範囲が望ましい。
【0023】本発明における被覆層を構成する金属とし
ては、珪素、アルミニウム、錫、亜鉛、チタン、マグネ
シウム、ジルコニウム、ニッケル、コバルト、鉄、鉛、
銅、パラジウム、インジウム等が例示され、また、上記
被覆層を構成する金属酸化物としては、これら金属の酸
化物が例示できる。
【0024】更に、上記被覆層については、単一材料か
ら成る皮膜或いは複数の混合材料からなる皮膜でこれを
構成しても良いし、場合によっては金属薄膜と金属酸化
物の皮膜を組み合わせた多層構造としても良い。
【0025】また、上記被覆層の膜厚については、通
常、5nm〜1000nmに設定される。
【0026】尚、被覆フィルムにガス遮断性を十分に付
与するには5nm〜50nmに設定するのが好ましい。
【0027】5nm未満だと被覆層の構造が不均一にな
り、そのガス遮断性が不十分となって、他方50nmを
超えると被覆層を構成する材料の種類によっては皮膜に
クラックが多く発生してしまい基材と被覆層との接着性
が低下してしまうからである。
【0028】本発明におけるオリゴマー遮断層とは、基
材内部から基材構成成分の低分子量のオリゴマー、基材
製膜時に添加するブロッキング防止剤、酸化防止剤、静
電防止剤、スリップ剤等の低分子量物が基材表面にブリ
ードアウトしてくるのを低減する目的で設けるものであ
る。
【0029】ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール、ポリビニルイソブチラール、ポリ
塩化ビニル、ポリビニルメタクリロニトリル、ポリアク
リル酸、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポ
リアクリルクロロアクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリエチルメタクリレート、ポリイソブチルメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリシアノエチルメタクリレート、ポリエチレンナ
フタレート、セルロースアセテート及びこれらの誘導体
から選ばれたガラス転移温度が40℃以上、好ましくは
60℃以上の熱可塑性樹脂である。
【0030】本発明のオリゴマー遮断層を基材もしく
は、後述するオリゴマー遮断アンカー層上への形成方法
しては、特に限定するものでなく従来から適当な溶媒に
溶解した溶液をグラビアコート、ロールコート、エアー
ナイフ、ブレードコート等の塗工方式や、熱溶融させた
上記樹脂を金属のスリットからカーテン状に溶融押出さ
せて基材あるいはオリゴマー遮断アンカー層状にコーテ
ィング形成する方法、或いは基材を製膜する際に同時に
溶融押しだしする共押し出し法等いずれの方法でもよ
い。
【0031】上記以外にも、尿素とホルムアルデヒドの
付加縮合反応物であるユリア樹脂やフェノールとホルム
アルデヒド類の付加縮合反応物であるフェノール樹脂類
の熱硬化型樹脂を単独または上記熱可塑性樹脂に任意の
量を添加したブレンドで用いても一向に構わない。
【0032】更に、ポリシラザン及びその誘導体等の無
機系高分子を適当な溶媒に分散・溶解したものを塗布し
て層を形成してもよい。
【0033】ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、エポキシシクロヘ
キシルエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γグリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシシラン、アミノエチルアミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、クロロプ
ロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤と
テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン等などのアルコキシシランを出発材
料に用いて酸あるいはアルカリ領域で加水分解して調整
されたいわゆるゾルゲル法による有機・無機複合材料で
ある加水分解組成物を用いることも可能である。
【0034】なお、無機系高分子とは、無機高分子、無
機高分子と有機高分子との混合物、有機基と無機基とが
結合して高分子となっているもの等を含む概念である。
【0035】本発明によりオリゴマー遮断層の厚みとし
ては、0.01μm〜5μm程度である。
【0036】0.01μmより薄いと、基材からブリー
ドアウトしてくる低分子量のオリゴマー類の遮断性が不
充分になり、また、5μmより厚くなると該層の上に形
成する被膜層を形成するときに熱の影響で該オリゴマー
遮断層の形状変化が生じてしまい、被膜層が均一に形成
することができなくなる。よってオリゴマー遮断層は、
用いる材料の耐熱性、寸法安定性、あるいは緻密性等の
違いにより最適範囲はことなるが、0.1〜0.5μm
程度である。
【0037】本発明におけるオリゴマー遮断アンカー層
とはオリゴマー遮断層と基材との接着性を強固にする目
的で形成するものであり、本発明の本質的主旨である基
材からの低分子量物のブリードアウトを遮断する機能
は、このオリゴー遮断アンカー層には付与されてなくて
もよく、単に基材と該遮断層との接着層としての機能が
あればよい。
【0038】よって、公知の熱可塑性樹脂を、酢酸エチ
ル、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤等また
は水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等のアルコール等に分散、溶解したもの
をグラビアコート、ロールコート、エアーナイフコート
等の公知の塗布方法で基材上へ塗布することができる。
【0039】また、基材を製膜するプロセス中でインラ
インにより該オリゴマー遮断アンカー層をあらかじめ形
成することもできる。例えば、ポリビニルアルコール、
カゼイン、ゼラチン、セルロース、メチルセメロース、
カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、
ポリプロピレンオキシド、ポリブタジエン、ポリクロロ
プレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、ボリウレタ
ン、ポリエステル等の樹脂及びその変性体や誘導体の分
散、溶解したものを上記の塗布方法により目的の層が形
成できる。
【0040】当然のごとく、上述したインラインコート
法以外に基材あるいはオリゴマー遮断アンカー層上にオ
フラインで塗布することも可能である。厚みとしては、
0.01μm〜0.1μm程度であり、薄ければ薄いほ
どよい。
【0041】また、本発明によるオリゴマー遮断アンカ
ー層の形成方法としては、上記の如く樹脂層を形成する
方法の他に基材表面を火炎処理、薬品処理、プラズマ処
理等の公知の表面改質方法で表面改質することで、目的
を達成することもできる。
【0042】
【実施例】
(物性の評価方法) <低分子量の遮断性評価>サンプルを150℃で3時間
乾熱処理し、処理前後での基材のヘーズ値の増加量を測
定し、この値を基材からブリードアウトしてきた低分子
物量の指標とした。この値が大きいほど、遮断性が小さ
いと判断。
【0043】 <蒸着フィルムのガス遮断性> 酸素透過度 JIS K7126 B法(同圧法) 27℃75%RH雰囲気で測定 装置 MoconOxtran 水蒸気透過度 JIS K7129 装置 MoconPermatran B法(赤外センサー法)
【0044】<接着性評価>被覆層上に二液硬化型ウレ
タン系接着剤を塗布し、かつ、厚さ50μmの未延伸ポ
リプロピレンフィルムをドライラミネート法により積層
し、40℃で3日間エージングさせた後、引っ張り試験
機により被覆層と基材間の接着強度を計測した。そし
て、接着強度の大小により接着性を評価した。
【0045】 評価基準 ランク 1 300g/15mm以上 2 200g/15mm以上300g/15mm未満 3 100g/15mm以上200g/15mm未満 4 50g/15mm以上100g/15mm未満
【0046】<実施例1>プレーンの二軸延伸ポリエス
テルフィルム12μmの片面にオリゴマー遮断アンカー
層としてウレタン樹脂を0.1μmコーティングし、更
に以下に示すトルエン、キシレン混合溶媒からなるポリ
シラザン溶液を塗布して、120℃で熱乾燥して無機高
分子層からなるオリゴマー遮断層を形成した。この無機
高分子層の厚みを測定たところ、0.05μmであっ
た。さらにこの無機高分子層上に被覆層として酸化珪素
を蒸着法により50nm形成した。
【0047】オリゴマー遮断性を評価するために、上述
したように無機高分子層を形成するまえのプレーンな二
軸延伸ポリエステルフィルムと無機高分子層を形成した
後のヘーズ値を測定した。
【0048】さらに、酸化珪素蒸着を施した被覆フィル
ムについて、初期と40℃90%RHで1ヶ月間保存し
た後の酸素透過度及び水蒸気透過度について測定した。
【0049】また、密着性を評価するために上述の方法
で試験した。表1に結果を示す。
【0050】
【表1】
【0051】結果から明らかの様にヘーズ値の増加が
5.0%と小さく基材内部からの低分子量のブリードア
ウトが低減できており、同時にバリアー性の初期値と保
存環境下でのバリアー劣化が認められていない。また、
接着性についても被覆層は充分基材と強固に接着してい
た。
【0052】ポリシラザン溶液(東燃株式会社製) (SiHaNb)n a:1〜3 b:0,1 Mn 800 溶媒 キシレン−トルエン混合溶媒 固形分 5%
【0053】<実施例2>実施例1の基材を用いてオリ
ゴマー遮断層にゾルゲル法により得られた有機・無機複
合材料(日本合成ゴム社製 グラスカ HPC7502
硬化剤 HPC404H)を用いて、0.1μm厚み
になるよう塗布して被覆層にアルミニウムで評価した。
【0054】<実施例3>実施例1の基材を用いて、オ
リゴマー遮断層にポリエステル樹脂にメラミン樹脂が2
0重量%ブレンドした熱硬化型樹脂を0.1μm厚みに
なるように塗布して、被覆層に酸化珪素で評価した。
【0055】<実施例4>実施例1の酸化珪素に代わり
酸化アルミニウムを蒸着法により同様の条件で50nm
形成した。
【0056】<比較例1>ウレタン樹脂をコーティング
されない二軸延伸ポリエステルを用いた以外は実施例1
と同じ基材を用いて、実施例1と同様に試験した。
【0057】<比較例2>オリゴマー遮断層として、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとテトラエ
トキシシランの等モルをpH1で加水分解したイソプロ
ピルアルコールに溶解した組成物を実施例1と同様に基
材の片面に塗布厚みが0.1μmになるようにコーティ
ングした。ついでこのオリゴマー遮断層上にアルミニウ
ムを蒸着法により60nm形成し、以下実施例1と同様
の評価を実施した。
【0058】 「加水分解組成物の処方」 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 153g テトラエトキシトラン 135g 塩化第一錫 0.065g
【0059】上記のイソプロピルアルコール溶液を室温
で撹拌しながら0.1N塩酸を187g添加してpH1
で加水分解し2時間撹拌した後、さらにイソフロピルア
ルコールで固形分が5%になるように調整した。
【0060】<比較例3>比較例1の基材を用いて、オ
リゴマー遮断層にガラス転移温度68℃のポリエステル
樹脂0.1μm厚みになるように塗布して、被覆層に酸
化珪素を用いて評価した。
【0061】<比較例4>ウレタン樹脂をコーティング
されない二軸延伸ポリエステルを用いた以外は実施例4
と同じベースフィルムを用いて、実施例1と同様に試験
した。
【0062】<比較例5、6、7>実施例1の基材を用
いて、オリゴマー遮断層を形成せず、直接被覆層として
酸化珪素、アルミニウム、酸化アルミニウムをそれぞれ
形成した。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば基材上に
オリゴマー遮断層を形成しているので被覆層形成時の熱
や高温環境下で基材にかかる熱により基材内部からブリ
ードアウトしてくる低分子量物質を該遮断層で遮断で
き、該遮断層上に形成する被覆層へ移行しないので移行
物質に起因する被覆層のピンホールやクラックの発生が
低減できるので、結果として優れたバリアー性を発揮で
き、かつ、高温環境下での被覆層の劣化が極めて少ない
ので経時劣化のない実用性の高い被覆フィルムを提供で
きることが、オリゴマー遮断層と基材との接着性を強固
にすることで確実に効果として上げることができる。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1の被覆フィルムの断面図
【図2】従来例の被覆フィルムの断面図
【符号の説明】
1 被覆フィルム 2 基材 3 オリゴマー遮断層 4 被覆層 5 オリゴマー遮断アンカー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/02 C23C 14/02 A 14/08 14/08 A 14/14 14/14 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂フィルムからなる基材と、この基
    材の少なくとも片面に気相成長法により成膜された金属
    若しくは金属酸化物からなる被覆層とで構成される被覆
    フィルムにおいて、上記基材、オリゴマー遮断アンカー
    層、オリゴマー遮断層、被覆層が順次積層されたことを
    特徴とする被覆フィルム。
  2. 【請求項2】オリゴマー遮断層が、無機系高分子である
    ことを特徴とする請求項1の被覆フィルム。
  3. 【請求項3】被覆層がアルミニウム酸化物、珪素酸化
    物、マグネシウム酸化物のいずれか叉は二以上の混合ま
    たは多層であることを特徴とする請求項1、2記載の被
    覆フィルム。
  4. 【請求項4】被覆層がアルミニウムであることを特徴と
    する請求項1、2記載の被覆フィルム。
JP32024895A 1995-12-08 1995-12-08 被覆フィルム Pending JPH09156024A (ja)

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Cited By (8)

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