JP2009262444A - ガスバリア性シート及びその製造方法 - Google Patents
ガスバリア性シート及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009262444A JP2009262444A JP2008116086A JP2008116086A JP2009262444A JP 2009262444 A JP2009262444 A JP 2009262444A JP 2008116086 A JP2008116086 A JP 2008116086A JP 2008116086 A JP2008116086 A JP 2008116086A JP 2009262444 A JP2009262444 A JP 2009262444A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas barrier
- layer
- substrate
- additive
- barrier layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Led Devices (AREA)
Abstract
【解決手段】基材2と、添加剤バリア層3と、平坦化層4と、ガスバリア層5と、を有し、添加剤バリア層3が基材2のガラス転移温度より低い温度で形成されるガスバリア性シート1とすることにより、上記課題を解決する。また、ガスバリア性シート1の製造方法は、基材のガラス転移温度より低い温度で行われる基材洗浄工程と、基材のガラス転移温度より低い温度で添加剤バリア層を形成する添加剤バリア層形成工程と、平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、ガスバリア層を形成するガスバリア層形成工程と、を有することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
図1は、ガスバリア性シートの一例を示す模式的な断面図である。ガスバリア性シート1は、基材2と、基材2に接して設けられた添加剤バリア層3と、添加剤バリア層3の上に設けられた平坦化層4と、平坦化層4の上に設けられたガスバリア層5と、を有する。そして、添加剤バリア層3が基材2のガラス転移温度Tgより低い温度で形成されるものである。これにより、基材2が安定な状態で添加剤バリア層3の形成が行われるために新たな添加剤のブリードアウトが抑制されるとともに、基材2に接して設けられる添加剤バリア層3が上記のブリードアウトを抑制することとなる。その結果、ガスバリア性シート1の製造時の添加剤のブリードアウトによる基材2表面の凹凸ひいてはガスバリア層5等の凹凸(表面粗さ)を低減することにより、高いガスバリア性を有するガスバリア性シート1を提供することができる。さらに、ガスバリア性シート1の製造時の添加剤のブリードアウトによる基材2の透明性の低下の抑制、及び製造後の経時的なブリードアウトによる基材2の透明性の低下を抑制することが可能となるガスバリア性シート1を提供することができる。
基材2は、ガラス転移温度Tgを有するものであれば、特に制限なく用いることができる。基材2としては、主にはシート状やフィルム状のものが用いられるが、具体的な用途や目的等に応じて、非フレキシブル基板やフレキシブル基板を用いることができる。例えば、ガラス基板、硬質樹脂基板、ウエハ、プリント基板、様々なカード、樹脂シート等の非フレキシブル基板を用いてもよい。
添加剤バリア層3は、基材2のガラス転移温度Tgより低い温度で形成されるものである。ガラス転移温度Tgより低い温度で形成可能で、基材2に熱的な影響(添加剤のブリードアウト現象)を与えるようなことがなければよく、添加剤バリア層3に用いられる材料は特に制限されない。こうした材料としては代表的には、無機材料、有機材料を挙げることができる。無機材料で形成する場合には、低温での蒸着法やイオンプレーティング法を用いて、必要な材料で形成された添加剤バリア層3を基材2上に形成すればよい。有機材料を用いる場合には、添加剤バリア層3を、基材2のガラス転移温度Tgよりも低い温度で硬化する硬化性樹脂より形成することが好ましい。これにより、基材に与える熱的な影響が少なくなり、その結果、添加剤バリア層3形成後の基材2からの添加剤のブリードアウトをより効果的に抑制することができる。
平坦化層4は、特に制限はないが、基材2のガラス転移温度Tg以上の温度で形成されるものであることが好ましい。これにより、平坦化層4の形成時に基材2がガラス転移温度Tg以上の温度にさらされて基材2からの添加剤のブリードアウトが促進される状態となるが、添加剤バリア層3がこれを抑制することとなり、その結果、製造時の添加剤のブリードアウトによる基材2表面の凹凸ひいてはガスバリア層5等の凹凸(表面粗さ)の低減、製造時の添加剤のブリードアウトによる基材2の透明性の低下の抑制をより有効に行うことができる。
ガスバリア層5に用いる材料は特に制限されない。こうした材料としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の酸化物、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化マグネシウム等の窒化物、炭化珪素等の炭化物、硫化物等を挙げることができる。また、これら材料から選ばれた二種以上の複合体である、酸化窒化物や、さらに炭素を含有してなる酸化炭化物、無機窒化炭化物、無機酸化窒化炭化物等を用いることもできる。
図1には図示していないが、ガスバリア層5の上にさらに透明導電層及び/又は補助電極層を設けることも好ましい。これにより、透明導電層をOLEDの電極として利用するのみならず、放熱機能及び帯電防止機能をガスバリア性シート1に付与することができ、補助電極層をOLEDの電極及びその補助として利用することができるようになり、その結果、ガスバリア性シート1の被封止物がOLEDである場合に、その生産性、発光特性、及び寿命を向上させることができるようになる。また、透明導電層を設けることで、平坦性を具備した透明導電性フィルムとすることもできる。
以上、ガスバリア性シート1について説明したが、本発明のガスバリア性シートは、上記構成に限られるものではない。具体的には、添加剤バリア層と平坦化層との間や、平坦化層とガスバリア層との間には、添加剤バリア層と平坦化層との接着性の確保等、平坦化層とガスバリア層との接着性の確保等の観点から、適宜他の層を挿入してもよい。また、基材において添加剤バリア層が形成されていない方の面に他の層を適宜形成してもよい。さらに、透明導電層や補助電極層以外の層をガスバリア層の上にさらに設けてもよい。こうした他の層としては、例えば、従来公知の、アンカーコート層、ガスバリア層、ハードコート層、反射防止層、防汚層、防眩層、及びカラーフィルタ等を挙げることができる。これらのうち、反射防止層、防汚層、防眩層、カラーフィルタは、光学粘着剤を介してガスバリア性シートと貼り合わせることで、所望の機能を得てもよい。
本発明のガスバリア性シートの製造方法は、基材と、基材に接して設けられた添加剤バリア層と、添加剤バリア層の上に設けられた平坦化層と、平坦化層の上に設けられたガスバリア層と、を有するガスバリア性シートの製造方法であって、基材のガラス転移温度Tgより低い温度で行われる基材洗浄工程と、基材のガラス転移温度Tgより低い温度で添加剤バリア層を形成する添加剤バリア層形成工程と、平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、ガスバリア層を形成するガスバリア層形成工程と、を有する。これにより、基材表面に新たな添加剤のブリードアウトを起こすことなく添加剤を洗い流すことが可能となり、基材表面が洗浄されてクリーンかつ基材が安定な状態で添加剤バリア層の形成が行われるために新たな添加剤のブリードアウトが抑制されるとともに、基材に接して設けられる添加剤バリア層が上記のブリードアウトを抑制することとなる。その結果、基材の製造以後の添加剤のブリードアウトが引き起こす基材表面の凹凸を除去し、ガスバリア性シートの製造時の添加剤のブリードアウトによる基材表面の凹凸ひいてはガスバリア層等の凹凸(表面粗さ)を低減することにより、高いガスバリア性を有するガスバリア性シートの製造方法を提供することができる。さらに、ガスバリア性シートの製造時の添加剤のブリードアウトによる基材の透明性の低下の抑制、及び製造後の経時的なブリードアウトによる基材の透明性の低下を抑制することが可能となるガスバリア性シートの製造方法を提供することができる。以下、各工程について説明する。
基材洗浄工程は、基材のガラス転移温度Tgより低い温度で行われる。基材について詳細はすでに説明したとおりであるので、ここでの説明は省略するが、例えば、基材が樹脂製であることが好ましい。これにより、基材に含まれる添加剤がよりブリードアウトしやすくなり、その結果、添加剤バリア層を設ける意義が大きくなる。
添加剤バリア層形成工程は、基材のガラス転移温度Tgより低い温度で添加剤バリア層を形成することによって行われる。添加剤バリア層形成工程は、上記説明した無機材料や有機材料を用い、基材のガラス転移温度Tgより低い温度で添加剤バリア層を形成すればよく、特に制限はない。
平坦化層形成工程においては、平坦化層が形成される。平坦化層の形成方法については、上記説明した材料を用いて行えばよく特に制限はないが、基材のガラス転移温度Tg以上の温度で平坦化層が形成されることが好ましい。これにより、平坦化層形成時に基材が高温にさらされて添加剤のブリードアウトが促進される状態となった場合においても、基材に接して設けられる添加剤バリア層が上記のブリードアウトを抑制することとなり、その結果、製造時の添加剤のブリードアウトによる基材表面の凹凸ひいてはガスバリア層等の凹凸(表面粗さ)の低減、製造時の添加剤のブリードアウトによる基材の透明性の低下の抑制をより有効に行うことができる。
ガスバリア層形成工程においては、ガスバリア層が形成される。ガスバリア層の形成方法については、上記説明した材料を用いて行えばよく特に制限はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法やプラズマCVD法等を適宜用いればよい。これらの方法は、ガスバリア層の種類、成膜材料の種類、成膜のし易さ、工程効率等を考慮して、適宜選択すればよい。
本発明のガスバリア性シートの製造方法は、ガスバリア層の上に、透明導電層を設ける透明導電層形成工程、及び/又は補助電極層を設ける補助電極層形成工程をさらに有することが好ましい。これにより、透明導電層をOLEDの電極として利用するのみならず、放熱機能及び帯電防止機能をガスバリア性シートに付与することができ、補助電極層をOLEDの電極及びその補助として利用することができるようになり、その結果、ガスバリア性シートの被封止物がOLEDである場合に、その生産性、発光特性、及び寿命を向上させることができるようになる。
上記説明したように、本発明のガスバリア性シートにおける積層形態は、本発明の要旨の範囲内において適宜選択することができる。したがって、積層形態に応じて適宜上記説明した工程以外の工程を行えばよい。例えば、添加剤バリア層と平坦化層との間にガスバリア層やアンカーコート層等を挿入する場合には、これらの層の成膜工程を適宜行えばよい。
本発明のガスバリア性シートは、ガスバリア層の平坦性が高くガスバリア性に優れ、かつ、製造後の経時での透明性も高いので、OLEDを封止するためのフィルムに用いられることが好ましい。
基材として、厚さが188μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製:E−5101、Tg:78℃)を用いた。この基材は、耐光性や耐酸化性等の実使用可能な特性を得るために、酸化防止剤等の所望の添加剤が適量含有されているものであると推測される。
上記の基材をメチルエチルケトンの溶液に浸し、室温で5分間超音波洗浄を行った。その後、50℃/30分間クリーンオーブンにて乾燥を行った。
添加剤バリア層を形成する材料として、大日精化工業株式会社製のアクリル樹脂(主剤:硬化剤:希釈剤=5:1:6)を用いた。このアクリル樹脂は、ウレタンアクリレート系の材料を用いたものである。また、希釈剤としては、低沸点溶剤として酢酸エチル、高沸点溶剤としてトルエンを用い、その混合比を1/1とした。添加剤バリア層は、上記材料を基材の一方の面に2μmの厚さになるようスピンコーターにて塗布し、その後ベイク温度70℃で30分間硬化を行うことにより形成した。
平坦化層を形成する材料として、カルドポリマー(新日鐵化学株式会社製)を用いた。平坦化層は、上記材料を添加剤バリア層の一方の面に1μmの厚さになるようスピンコーターにて塗布し、その後ベイク温度150℃で60分間硬化を行うことにより形成した。
平坦化層の上に、スパッタリング法にて100nmのSiON膜をガスバリア層として形成した。
以上のようにして得られたガスバリア性シートの表面の粗さを測定した。具体的には、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)として、セイコーインスツルメンツ社製のNanopics−1000を用い、JIS B0601−1982に準拠して、20μmの範囲にて最大突起長(Rmax)を測定することにより、表面粗さの評価を行った。その結果、ガスバリア層の最大突起長(Rmax)は8nmであった。
ガスバリア性シートを光学顕微鏡で観察して、基材上に白点がないことを確認した後、ガスバリア性シートを80℃/90%RHの環境下で10日間保持した。その後、ガスバリア性シートの表面を光学顕微鏡で観察した。その結果、基材からの添加剤のブリードアウトによる白点の発生は観察されなかった。
ガスバリア性シートのガスバリア性は、水蒸気透過率をCa法で評価することによって行った。具体的には、40℃、100%RHの条件下にガスバリア性シートを保持して、Caの腐食成長観察をすることにより水蒸気透過率を評価した。その結果、水蒸気透過率は、0.00009g/m2/dayであった。
基材と添加剤バリア層のみを設けたサンプルを別途製造し、添加剤バリア層の接着性を行った。接着性の評価は、クロスカット試験をJIS−K5400の8.5.1の記載に準拠して行った。具体的には、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて、添加剤バリア層を貫通して基材に達する切り傷を縦横につけて、100個のマス目状とし、セロハン粘着テープ(ニチバン社製405番 24mm幅)をマス状の切り傷面に張り付け、消しゴムでこすって完全に付着させた後、垂直に引き剥がした。そして、剥離後の面を目視により観察し、100個のマス目における層残留率(マス目の一部分でも剥がれたものも剥がれた個数として扱う)を接着性の尺度とし、接着性(%)=(1−(剥がれたマス目/100マス))×100を算出して評価した。
基材たるPETフィルムの裏面にも実施例1と同様の添加剤バリア層を形成したこと、以外は実施例1と同様にしてガスバリア性シートを製造した。得られたガスバリア性シートにつき、ガスバリア層の表面粗さ測定と、ガスバリア性シートのガスバリア性評価とを行った。その結果、ガスバリア層の最大突起長(Rmax)は7nmであった。また、水蒸気透過率は、0.00009g/m2/dayであった。
基材たるPETフィルムの裏面にも実施例1と同様のスパッタリング法を用いて、100nmのSiON膜を形成したこと、以外は実施例1と同様にしてガスバリア性シートを製造した。得られたガスバリア性シートにつき、ガスバリア層の表面粗さ測定と、ガスバリア性シートのガスバリア性評価とを行った。その結果、ガスバリア層の最大突起長(Rmax)は、8nmであった。また、水蒸気透過率は、0.00008g/m2/dayであった。
基材として、厚さ100μmのPENフィルム(韓国SKC社製、SKYNEX、Tg:123℃)を用いた。この基材は、耐光性や耐酸化性等の実使用可能な特性を得るために、酸化防止剤等の所望の添加剤が適量含有されているものであると推測される。
乾燥を90℃/15分間クリーンオーブンにて乾燥を行ったこと、以外は実施例1と同様にして基材洗浄工程を行った。
ベイク温度を90℃として、30分間硬化を行うことにより添加剤バリア層を形成したこと、以外は実施例1と同様にして添加剤バリア層を形成した。
ベイク温度を180℃として、60分間硬化を行うことにより平坦化層を形成したこと、以外は実施例1と同様にして平坦化層を形成した。
実施例1と同様にして行った。
以上のようにして得られたガスバリア性シートのガスバリア層の表面粗さを実施例1と同様にして測定したところ、最大突起長(Rmax)は6nmであった。
添加剤バリア層の添加剤バリア性を実施例1と同様にして評価した。その結果、基材からの添加剤のブリードアウトによる白点の発生は観察されなかった。
ガスバリア性シートのガスバリア性を実施例1と同様にして評価した。その結果、水蒸気透過率は、0.00004g/m2/dayであった。
基材と添加剤バリア層のみを設けたサンプルを別途作製し、実施例1と同様にして接着性を評価した。その結果、製造直後の接着性は100%、耐湿熱試験後の接着性は100%であった。
実施例4のガスバリア性シートを用いてOLED素子を製造した。
実施例4のガスバリア性シートを基板フィルムとして、その片面に、厚さ160nmのITO膜を、イオンプレーティング法(Ar:16sccm、酸素:22sccm、放電パワー:4.0kW、成膜圧力:0.1Pa)により形成した。その際、基板フィルムの温度を5℃にした。基板フィルムの温度を制御する理由は、基板フィルムの温度によりITOの膜質(結晶性・配向等)が変わるためであり、ITO膜の導電性、フレキキシブル性、及び耐熱性等を考慮して決めたものである。
以上のようにして得られたOLED素子の陽極電極(ITO電極)と陰極電極との間に、直流電圧を印可することにより、両電極が交差する所望の位置における発光層を発光させた結果、いずれの位置においても、良好な発光が得られた。
(OLED素子の製造)
実施例5において、封止用のガラスの代わりに、実施例1で作製したガスバリア性シートを封止フィルムとして用いたこと、以外は実施例5と同様にしてOLED素子を製造した。
以上のようにして得られたOLED素子の発光特性を、実施例5と同様にして測定した。まず、OLED素子の陽極電極と陰極電極との間に、直流電圧を印可することにより、両電極が交差する所望の位置における発光層を発光させた結果、いずれの位置においても、良好な発光が得られた。また、保存寿命を測定した結果、8ヶ月であった。そして、保存寿命測定から100間後において再度DSの観察を行ったが、DSの成長は観察されなかった。さらに、発光寿命は3万時間であった。
(OLED素子の製造)
実施例6において、基板フィルムに用いたガスバリア性シートの代わりに、ガラスを基板として用いたこと、以外は実施例6と同様にしてOLED素子を製造した。
以上のようにして得られたOLED素子の発光特性を、実施例5と同様にして測定した。まず、OLED素子の陽極電極と陰極電極との間に、直流電圧を印可することにより、両電極が交差する所望の位置における発光層を発光させた結果、いずれの位置においても、良好な発光が得られた。また、保存寿命を測定した結果、12ヶ月であった。そして、保存寿命測定から100間後において再度DSの観察を行ったが、DSの成長は観察されなかった。さらに、発光寿命は4万時間であった。
添加剤バリア層を形成しないこと、以外は実施例1と同様にガスバリア性シートを作製した。得られたガスバリア性シートにつき、ガスバリア層の表面粗さ測定と、ガスバリア性シートのガスバリア性評価とを行った。その結果、ガスバリア層の最大突起長(Rmax)は、215nmであった。また、水蒸気透過率は、0.008g/m2/dayであった。
添加剤バリア層を形成しないこと、以外は実施例4と同様にガスバリア性シートを作製した。得られたガスバリア性シートにつき、ガスバリア層の表面粗さ測定と、ガスバリア性シートのガスバリア性評価とを行った。その結果、ガスバリア層の最大突起長(Rmax)は、35nmであった。また、水蒸気透過率は、0.001g/m2/dayであった。
平坦化層を形成しないこと、以外は実施例4と同様にガスバリア性シートを作製した。得られたガスバリア性シートにつき、ガスバリア層の表面粗さ測定と、ガスバリア性シートのガスバリア性評価とを行った。その結果、ガスバリア層の最大突起長(Rmax)は、24nmであった。また、水蒸気透過率は、0.012g/m2/dayであった。
比較例2で得られたガスバリア性シートを用いたこと、以外は実施例5と同様にしてOLED素子を製造した。そして、発光特性を評価したところ、保存寿命測定から100間後において、DSが多発・拡大し不良となった。
添加剤バリア層形成工程において、下記に示すように、添加剤バリア層の代わりにハードコート層に用いられている材料を用いて所定の方法でハードコート層を形成したこと、以外は実施例1と同様にしてガスバリア性シートを製造した。以下に、実施例1との相違点である、ハードコート層形成工程の内容について説明する。
ハードコート層形成用の塗布液を以下の方法により製造した。まず、日産化学株式会社製のコロイダルシリカであるスノーテックスO−40を300gフラスコに計り取り、冷却撹拌しながらγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを135gとメチルトリメトキシシラン49gを徐々に添加した。そして、添加終了後さらに1時間撹拌した。途中、混合液の昇温がなくなった時点で冷却を止めた。その後、混合液を撹拌しながら、希釈溶媒としてイソプロパノール450gを添加し、次に4−ヒドロキシブチルアクリレートを60g添加した。さらに、日本ユニカー株式会社製のレベリング剤L−7001を0.4g添加し、20分撹拌した。以上の操作を経て、ハードコート層形成用の塗布液を得た。
ガスバリア性シートの表面粗さを実施例1と同様にして測定したところ、最大突起長(Rmax)は149nmであった。
添加剤バリア層の添加剤バリア性の評価以前に、基材のガラス転移温度Tg以上の温度でハードコート層を形成した結果、ガスバリア性シート製造直後の段階で基材からの添加剤のブリードアウトによる白点の発生が多数観察された。
ガスバリア性シートのガスバリア性を実施例1と同様にして評価した。その結果、水蒸気透過率は、0.004g/m2/dayであった。
比較例5で得られたガスバリア性シートを用いたこと、以外は実施例5と同様にしてOLED素子を製造した。そして、発光特性を評価したところ、保存寿命測定から100間後において、DSが多発・拡大し不良となった。
2 基材
3 添加剤バリア層
4 平坦化層
5 ガスバリア層
6 陽極電極
7 有機EL層
8 陰極電極
9 OLED
10 OLED素子
11 接着剤
12 基板フィルム
13 封止フィルム
Claims (20)
- 基材と、該基材に接して設けられた添加剤バリア層と、該添加剤バリア層の上に設けられた平坦化層と、該平坦化層の上に設けられたガスバリア層と、を有するガスバリア性シートであって、
前記添加剤バリア層が前記基材のガラス転移温度より低い温度で形成されるものである、ことを特徴とするガスバリア性シート。 - 前記平坦化層が前記基材のガラス転移温度以上の温度で形成されるものである、請求項1に記載のガスバリア性シート。
- 前記基材が樹脂製である、請求項1又は2に記載のガスバリア性シート。
- 前記添加剤バリア層が、前記基材のガラス転移温度よりも低い温度で硬化する硬化性樹脂より形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア性シート。
- 前記平坦化層が、前記基材のガラス転移温度以上の温度で硬化する硬化性樹脂より形成される、請求項2〜4のいずれか1項に記載のガスバリア性シート。
- 前記添加剤バリア層の厚さが、0.5μm以上、15μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリア性シート。
- 前記ガスバリア層の表面の最大突起長(Rmax)が2nm以上、20nm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスバリア性シート。
- 水蒸気透過率が0.00009g/m2/day以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスバリア性シート。
- 前記ガスバリア層の上にさらに透明導電層及び/又は補助電極層を設ける、請求項1〜8のいずれか1項に記載のガスバリア性シート。
- 有機発光ダイオードの封止フィルムとして用いられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載のガスバリア性シート。
- 有機発光ダイオードの基板フィルムとして用いられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載のガスバリア性シート。
- 全光線透過率が60%以上である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のガスバリア性シート。
- 全光線透過率が60%より小さい、請求項1〜11のいずれか1項に記載のガスバリア性シート。
- 基材と、該基材に接して設けられた添加剤バリア層と、該添加剤バリア層の上に設けられた平坦化層と、該平坦化層の上に設けられたガスバリア層と、を有するガスバリア性シートの製造方法であって、
前記基材のガラス転移温度より低い温度で行われる基材洗浄工程と、
前記基材のガラス転移温度より低い温度で前記添加剤バリア層を形成する添加剤バリア層形成工程と、
前記平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、
前記ガスバリア層を形成するガスバリア層形成工程と、
を有する、ことを特徴とするガスバリア性シートの製造方法。 - 前記平坦化層形成工程が、前記基材のガラス転移温度以上の温度で前記平坦化層を形成するものである、請求項14に記載のガスバリア性シートの製造方法。
- 前記基材洗浄工程において、有機溶剤を用いて前記基材の洗浄を行う、請求項14又は15に記載のガスバリア性シートの製造方法。
- 前記基材が樹脂製である、請求項14〜16のいずれか1項に記載のガスバリア性シートの製造方法。
- 前記添加剤バリア層形成工程において、前記基材のガラス転移温度よりも低い温度で硬化する硬化性樹脂で前記添加剤バリア層を形成する、請求項14〜17のいずれか1項に記載のガスバリア性シートの製造方法。
- 前記平坦化層形成工程において、前記基材のガラス転移温度以上の温度で硬化する硬化性樹脂で前記平坦化層を形成する、請求項15〜18のいずれか1項に記載のガスバリア性シートの製造方法。
- 前記ガスバリア層の上に、透明導電層を設ける透明導電層形成工程、及び/又は補助電極層を設ける補助電極層形成工程をさらに有する、請求項14〜19のいずれか1項に記載のガスバリア性シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008116086A JP5487556B2 (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | ガスバリア性シート及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008116086A JP5487556B2 (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | ガスバリア性シート及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009262444A true JP2009262444A (ja) | 2009-11-12 |
JP5487556B2 JP5487556B2 (ja) | 2014-05-07 |
Family
ID=41388915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008116086A Active JP5487556B2 (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | ガスバリア性シート及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5487556B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012111641A1 (ja) * | 2011-02-16 | 2012-08-23 | 住友化学株式会社 | Led用基板 |
JP2013512797A (ja) * | 2009-12-03 | 2013-04-18 | エルジー・ケム・リミテッド | バリアフィルム及びこれを含む電子装置 |
CN107251649A (zh) * | 2015-02-26 | 2017-10-13 | 富士胶片株式会社 | 有机电致发光装置 |
KR20190034957A (ko) * | 2017-09-25 | 2019-04-03 | 주식회사 엘지화학 | 봉지 필름 |
KR20200143664A (ko) * | 2017-09-25 | 2020-12-24 | 주식회사 엘지화학 | 보강 필름 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0389132U (ja) * | 1989-12-27 | 1991-09-11 | ||
JPH03278946A (ja) * | 1990-03-28 | 1991-12-10 | Oike Ind Co Ltd | レトルト食品用包装材料 |
JPH0464435A (ja) * | 1990-07-04 | 1992-02-28 | Oike Ind Co Ltd | 紫外線遮断用積層体 |
JPH09156024A (ja) * | 1995-12-08 | 1997-06-17 | Toppan Printing Co Ltd | 被覆フィルム |
JP2000141578A (ja) * | 1998-11-09 | 2000-05-23 | Mitsubishi Chemicals Corp | 透明導電性積層シートの製造方法及び透明導電性積層シート |
JP2002120318A (ja) * | 2000-10-13 | 2002-04-23 | Tokyo Magnetic Printing Co Ltd | 防汚フィルム |
JP2004299230A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | Dainippon Printing Co Ltd | ガスバリア性基板 |
JP2006044231A (ja) * | 2004-06-28 | 2006-02-16 | Dainippon Printing Co Ltd | ガスバリア性フィルム、並びにこれを用いたディスプレイ用基板及びディスプレイ |
JP2007131004A (ja) * | 2006-12-11 | 2007-05-31 | Hiraoka & Co Ltd | 遮熱性防汚膜材 |
JP2007268996A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Dainippon Printing Co Ltd | 高分子積層体、位相差フィルム、および、高分子積層体の製造方法 |
-
2008
- 2008-04-25 JP JP2008116086A patent/JP5487556B2/ja active Active
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0389132U (ja) * | 1989-12-27 | 1991-09-11 | ||
JPH03278946A (ja) * | 1990-03-28 | 1991-12-10 | Oike Ind Co Ltd | レトルト食品用包装材料 |
JPH0464435A (ja) * | 1990-07-04 | 1992-02-28 | Oike Ind Co Ltd | 紫外線遮断用積層体 |
JPH09156024A (ja) * | 1995-12-08 | 1997-06-17 | Toppan Printing Co Ltd | 被覆フィルム |
JP2000141578A (ja) * | 1998-11-09 | 2000-05-23 | Mitsubishi Chemicals Corp | 透明導電性積層シートの製造方法及び透明導電性積層シート |
JP2002120318A (ja) * | 2000-10-13 | 2002-04-23 | Tokyo Magnetic Printing Co Ltd | 防汚フィルム |
JP2004299230A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | Dainippon Printing Co Ltd | ガスバリア性基板 |
JP2006044231A (ja) * | 2004-06-28 | 2006-02-16 | Dainippon Printing Co Ltd | ガスバリア性フィルム、並びにこれを用いたディスプレイ用基板及びディスプレイ |
JP2007268996A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Dainippon Printing Co Ltd | 高分子積層体、位相差フィルム、および、高分子積層体の製造方法 |
JP2007131004A (ja) * | 2006-12-11 | 2007-05-31 | Hiraoka & Co Ltd | 遮熱性防汚膜材 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013512797A (ja) * | 2009-12-03 | 2013-04-18 | エルジー・ケム・リミテッド | バリアフィルム及びこれを含む電子装置 |
US11283049B2 (en) | 2009-12-03 | 2022-03-22 | Lg Chem, Ltd. | Barrier film and an electronic device comprising the same |
WO2012111641A1 (ja) * | 2011-02-16 | 2012-08-23 | 住友化学株式会社 | Led用基板 |
CN107251649A (zh) * | 2015-02-26 | 2017-10-13 | 富士胶片株式会社 | 有机电致发光装置 |
KR20190034957A (ko) * | 2017-09-25 | 2019-04-03 | 주식회사 엘지화학 | 봉지 필름 |
KR102108566B1 (ko) * | 2017-09-25 | 2020-05-08 | 주식회사 엘지화학 | 봉지 필름 |
KR20200143664A (ko) * | 2017-09-25 | 2020-12-24 | 주식회사 엘지화학 | 보강 필름 |
KR102284419B1 (ko) | 2017-09-25 | 2021-08-02 | 주식회사 엘지화학 | 보강 필름 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5487556B2 (ja) | 2014-05-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102010736B1 (ko) | 접착제 조성물, 이를 포함하는 접착 필름 및 이를 포함하는 유기전자장치 | |
JP4010394B2 (ja) | エレクトロルミネッセント素子 | |
JP4383077B2 (ja) | ガスバリア性基板 | |
JP2000323273A (ja) | エレクトロルミネッセンス素子 | |
JP5463771B2 (ja) | ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び装置 | |
JP5487556B2 (ja) | ガスバリア性シート及びその製造方法 | |
JP2007141755A (ja) | 導電性基板 | |
JP5835083B2 (ja) | 有機エレクトロニクスデバイス | |
TW201816047A (zh) | 接著劑組成物、密封薄片以及密封體 | |
US20170100926A1 (en) | Method of manufacturing electronic device and composite film | |
JP2013251191A (ja) | 有機エレクトロルミネッセンス素子 | |
JP5741489B2 (ja) | ガスバリア性フィルムおよび電子デバイス | |
JP2005235467A (ja) | 有機el素子 | |
TW202219232A (zh) | 電子裝置密封用組成物、電子裝置密封膜形成方法及電子裝置密封膜 | |
JP5928634B2 (ja) | ガスバリア性フィルムおよび電子デバイス | |
TWI660469B (zh) | 封裝材料、封裝板片、有機裝置之封裝方法及有機el元件 | |
JPH11224771A (ja) | 有機エレクトロルミネッセンス素子 | |
JPWO2016084791A1 (ja) | 封止フィルム、機能素子及び封止フィルムの製造方法 | |
JP2010205548A (ja) | 有機el素子および有機el素子の製造方法 | |
JP2001085155A (ja) | 有機エレクトロルミネッセンス素子及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス装置 | |
CN114555661A (zh) | 组合物、固化物、有机电致发光显示元件用密封材料及有机电致发光显示装置 | |
JP4867317B2 (ja) | 有機elデバイス用の導電性基板の製造方法 | |
JP2021047295A (ja) | 易接着フィルム | |
CN114555653A (zh) | 组合物、固化物、有机电致发光显示元件用密封材料及有机电致发光显示装置 | |
JP2006252837A (ja) | フレキシブル透明電極基板および有機elディスプレイデバイス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110228 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120420 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120501 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130319 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140128 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140210 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5487556 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |