JP2004276294A - 高ガスバリア性を有する粘着性フィルム - Google Patents

高ガスバリア性を有する粘着性フィルム Download PDF

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政之 大橋
Shinichiro Tanizaki
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Abstract

【課題】透明性、易廃棄性を有し金属箔並みのガス遮断性を有する高ガスバリア性を有する粘着性フィルムを提供する。
【解決手段】プラスチック材料からなる基材2の少なくとも片面に、厚さ5〜100nmの蒸着薄膜層(A層)3、コーティング剤を塗布し加熱乾燥してなる中間被膜層(B層)4、厚さ5〜300nmの蒸着薄膜層(C層)5、更にB層4と同様の成分から成る被膜層(D層)6を順次積層して積層体1とし、前記コーティング剤は、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/及びその加水分解物または(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤であり、前記積層体1の少なくとも片面に粘着剤を塗布、もしくは粘着剤を塗布した紙またはフィルム等を積層7したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品・日用品やエレクトロニクス関係部品及び医薬品等の包装分野に用いられる包装用の高ガスバリア性を有する粘着性フィルム、または電子機器関連部材などの高水蒸気バリアを必要とする包装分野または電子機器部材分野で利用される高ガスバリア性を有する粘着性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品や日用品及び医薬品等の包装に用いられる包装材料、または電子機器関連部材は、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、その材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これらを遮断するガスバリア性等を備えることが求められている。通常のガスバリアレベルのものについては、高分子の中では比較的にガスバリア性に優れる塩化ビニリデン樹脂のフィルムまたはそれらをコーティングしたフィルム等が良く用いられてきたが、これらは高度なガスバリア性が要求されるものについては使用不可である。そのため上記の様な要求があるものについては、アルミ等の金属からなる金属箔等をガスバリア層として用いた包装材料を用いざるを得なかった。
【0003】
ところが、アルミ等の金属からなる金属箔等を用いた包装材料は、温度・湿度の影響がなく高度なガスバリア性を持つが、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならないこと、材料としての重量が大きくなること、検査の際金属探知器が使用できないなど数多くの欠点を有し問題があった。
【0004】
そこで、これらの欠点を克服した包装材料として、例えば特許文献1、特許文献2等に記載されているような酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物をプラスチックフィルム上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段により蒸着膜を成膜したフィルムが上市されている。これらの蒸着フィルムは透明性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られ、金属箔等では得ることのできない透明性、ガスバリア性を有する包装材料として好適とされている。
しかし、このような包装材料でも金属箔並みのガス遮断性には遠く、また包装材料として有用である粘着性フィルムにこのようなガス遮断性のあるものがなかった。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第3442686号明細書
【特許文献2】
特公昭63−28017号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、このような問題点を解決するもので、透明性、易廃棄性を有し金属箔並みのガス遮断性を有する高ガスバリア性を有する粘着性フィルムを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は係る課題を解決するもので、請求項1の発明は、
プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、厚さ5〜100nmの蒸着薄膜層(A層)、コーティング剤を塗布し加熱乾燥してなる中間被膜層(B層)、厚さ5〜300nmの蒸着薄膜層(C層)、更にB層と同様の成分から成る被膜層(D層)を順次積層して積層体とし、前記コーティング剤は、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/及びその加水分解物または(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤であり、前記積層体の少なくとも片面に粘着剤を塗布、もしくは粘着剤を塗布した紙またはフィルム等を積層したことを特徴とする高ガスバリア性を有する粘着性フィルム。
としたものである。。
【0008】
本発明の請求項2の発明は、前記蒸着薄膜層が、アルミニウム、銅、銀などの金属、もしくはイットリウムタンタルオキサイド、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムなどの無機酸化物或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載の高ガスバリア性を有する粘着性フィルムとしたものである。
【0009】
本発明の請求項3の発明は、前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2記載の高ガスバリア性を有する粘着性フィルムとしたものである。
【0010】
本発明の請求項4の発明は、前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1記載の高ガスバリア性を有する粘着性フィルムとしたものである。
【0011】
<作用>
本発明のの高ガスバリア性を有する粘着性フィルムによれば、プラスチック基材の少なくとも片面に、蒸着薄膜層(A層)/中間被膜層(B層)/蒸着薄膜層(C層)/プライマー層からなるガスバリア層を設けているので、押出ラミネート等の後加工適性を保持しつつこれまで得ることができたかった金属箔並みのガスバリア性を持つ実用性の高い積層体が得られ、さらにこの積層体に粘着剤を塗布することにより、幅広い用途に使用できるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明について、図面を用いて更に詳細に説明する。図1は本発明の高ガスバリア性を有する粘着性フィルムの一例を示した断面図である。
【0013】
まず、図1に一例として示した本発明の高ガスバリア性を有する粘着性フィルム1は、基材2がプラスチック材料からなるフィルム基材であり、その少なくとも片面に蒸着薄膜層(A層)3、ガスバリア性被膜層(B層)4、蒸着薄膜層(C層)5、プライマー層6、粘着剤7が順次積層されている。
【0014】
本発明で用いられる基材は、プラスチック材料であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いることができる。これらは、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、延伸されたものでも未延伸のものでも構わない。通常これらのものを、フィルム状に加工して用いられる。特に耐熱性等の観点から二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムやナイロンフィルムが好ましく用いられる。またこの基材の蒸着層が設けられる面と反対側の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良い。また、この薄膜との密着性を良くするために、前記基材の積層面側を前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などのいずれかの処理を施しても良い。
【0015】
基材の厚さはとくに制限を受けるものではなく、また、材料としての適性を考慮して単体フィルム以外に異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用できる。尚蒸着薄膜層A及びC、中間被膜層B層、被膜層D層等を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
【0016】
また、量産性を考慮すれば、連続的に前記各層を形成できるように長尺の連続フィルムとすることが望ましい。
【0017】
本発明におけるガスバリア層は、高ガスバリア性を持たせるために、後述する構成が必要で、特に積層順序が重要で、中間被膜層(B層)は蒸着薄膜層であるA層とC層で挟まれている必要がある。本発明におけるガスバリア層を形成する各層について更に詳細に説明する。
【0018】
まず、ガスバリア層を形成する第1の層である、蒸着薄膜層(A層)を説明する。
蒸着薄膜層(A層)は、金属、例えばアルミニウム、銅、銀など、もしくは無機酸化物、例えばイットリウムタンタルオキサイド、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物の蒸着膜からなり、酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層であればよい。これらの中では、特にアルミニウム、酸化アルミニウム及び酸化珪素、酸化マグネシウムが好ましい。ただし本発明の蒸着薄膜層Aは、上述した金属および無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
【0019】
蒸着薄膜層(A層)の厚さは、用いられる化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また無機酸化物の場合、膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
【0020】
蒸着薄膜層(A層)をプラスチック基材上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかが好ましい。また蒸着薄膜層と基材の密着性及び蒸着薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込む反応蒸着を行っても一向に構わない。
【0021】
次いで、ガスバリア層を形成する第2の層である中間被膜層(B層)を説明する。中間被膜層(B層)は、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/及び加水分解物又は(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。例えば、水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いはこれに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を調整し溶液とする。この溶液を無機化酸化物からなる蒸着薄膜層(A層)にコーティング後、加熱乾燥し形成される。コーティング剤に含まれる各成分について更に詳細に説明する。
【0022】
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を本発明のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものである。PVAとして例えば、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等を含み、特に限定されない。
【0023】
またコーティング剤に使用される塩化錫は、塩化第一錫(SnCl2 )、塩化第二錫(SnCl4 )、或いはそれらの混合物であってもよい。またこれらの塩化錫は、無水物でも水和物でもあってもよい。
【0024】
更に金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n (M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3 ,C2 H5 等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC2 H5 )4 〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3 H7 )3 〕などがあげられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
【0025】
コーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を必要に応じて加えることができる。
【0026】
例えばコーティング剤に加えられるイソシアネート化合物としては、その分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものが好ましい。例えばトリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が挙げられる。
【0027】
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって異なる。乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な塗膜が得られず十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題がある。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
【0028】
次いでガスバリア層を形成する第3の層である蒸着薄膜層(C層)を説明する。蒸着薄膜層(C層)は、中間被膜層上に蒸着薄膜層(A層)と同様なものから形成される層である。つまり、金属、例えばアルミニウム、銅、銀など、もしくは無機酸化物、例えばイットリウムタンタルオキサイド、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物の蒸着膜からなり、酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層である。これらの中では、特にアルミニウム、酸化アルミニウム及び酸化珪素、酸化マグネシウムが好ましい。ただし本発明の蒸着薄膜層(C層)は、上述したものに限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。蒸着薄膜層(C層)は、蒸着薄膜層(A層)を同じ種類でも、違う種類でも構わなく、要求されるガスバリア性をクリアできれば、その組み合わせに特に限定しない。
【0029】
蒸着薄膜層(C層)の厚さは、用いられる化合物の種類・構成及び蒸着薄膜層Aの内容等により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また無機酸化物の場合、膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
【0030】
蒸着薄膜層(C層)をガスバリア被膜層上に形成する方法としては、上述した蒸着薄膜層(A層)の場合と同様な方法で可能である。つまり、通常の真空蒸着法により形成することが可能である。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかが好ましい。また蒸着薄膜層と基材の密着性及び蒸着薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込む反応蒸着を行っても一向に構わない。
【0031】
次いでガスバリア層を形成する最後の層である被膜層(D層)について説明する。本発明の被膜層(D層)は、蒸着薄膜層(C層)上に積層され、耐熱性に優れ押出ラミネート時の熱ダメージを緩和すること、印刷適性や各層間のラミネート強度UPなどを目的に設けられるものである。
【0032】
適性及び加工しやすさを考慮すれば、前記中間被膜層(B層)と同様の成分が好ましい。すなわち、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/及び加水分解物又は(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。例えば、水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いはこれに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を調整し溶液とする。この溶液を蒸着薄膜層(C層)にコーティング後、加熱乾燥し形成される。
【0033】
コーティング剤に含まれる、水溶性高分子・塩化錫・金属アルコキシドなどは、中間被膜層(B層)と同様に限定される成分ではない。
【0034】
被膜層(D層)の厚さやコーティング剤の塗布方法も中間被膜層(B層)と同様で、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって異なる。乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な塗膜が得られず十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題がある。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
【0035】
上記のようにして得られた積層体のD層の上、もしくは積層体の両面に、粘着剤を塗布して粘着フィルムとする。使用できる粘着剤としては、特に制限されるものではなく、周知のアクリル系、ポリエステル系、酢酸ビニル系、ゴム系,シリコン系などで良い。
【0036】
粘着剤層の厚みとしては、性能を害しない程度であれば制限されるものではないが、5〜100μmの範囲が通常用いられ、好ましくは10〜30μmである。
【0037】
耐熱性・耐候性に優れるアクリル系粘着剤が好ましく使用される。アクリル系粘着剤としては、アクリル酸アルキルエステルとアクリル酸の共重合体を主成分として、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、熱安定剤、紫外線吸収剤などを副成分とした粘着剤が選択される。
【0038】
架橋剤は、粘着層の耐熱性・耐クリープ性などを改善するために使用され、例えば、イソシアネート系、エポキシ系、アジリジン系、有機金属系、キレート系、アミン系などの反応型架橋剤、又は、ジアクリレート系、ジビニル系などの多官能ビニルモノマーによる共重合体型架橋剤などが使用される。粘着付与剤、可塑剤など他の副成分は、適宜、目的に応じて添加される。
【0039】
粘着剤を積層体にコーティングする方法は公知のコーティング法でよく、離型背面処理あるいは離型紙又は離型フィルムと併せても構わない。
【0040】
【実施例】
本発明の高ガスバリア性を有する粘着フィルムを具体的な実施例を挙げて更に説明する。
【0041】
〈実施例1〉
基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、厚さ15nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層(A層)を形成した。次いで下記組成からなるコーティング剤をグラビアコート法により塗布し、その後120℃ 1分間乾燥させ厚さ0.5μmの中間被膜層(B層)を形成した。次いで中間被膜層上に電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、厚さ15nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層(C層)を形成し、更に中間被膜層(B層)と同成分から成るコーティング剤をグラビアコートにより厚さ0.5μmの被膜層(D層)を設けた。B層及びD層となるコーティング剤の組成は、▲1▼液と▲2▼液を配合比(wt%)で60/40に混合したもの。
▲1▼液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2 換算)の加水分解溶液
▲2▼液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)
更に被膜層(D層)の上にアクリル系粘着剤を塗布し、乾燥して厚さ20μmの粘着層を形成して、粘着性フィルムを得た。
【0042】
アクリル系粘着剤の組成は,▲1▼アクリル酸ブチル85モル%、メタクリル酸3モル%、アクリロニトリル12モル%の比率で共重合し、固形分20重量%のアクリル酸ブチル−メタクリル酸−アクリロニトリル共重合体の酢酸エチル溶液を調整した。▲2▼酢酸ビニル70モル%、1−ビニル−2−ピロリドン30モル%の比率で共重合市し、固形分50重量%の酢酸ビニル−1−ビニル−2−ピロリドン共重合体エタノール溶液を調整した。
【0043】
上記▲1▼と▲2▼を、固形分100:3(重量比)で均一に混合し,アクリル系粘着剤を得た。
【0044】
〈実施例2〉
実施例1において、無機酸化物からなる蒸着薄膜層(A層及び/またはC層)が抵抗加熱方式による真空蒸着方式により、厚さ約20nmの酸化珪素を形成した以外は実施例1と同様にして本発明の粘着性フィルムを得た。
【0045】
〈比較例1〉
実施例1において、中間被膜層(B層)、蒸着薄膜層(C層)及び被膜層(D層)を設けなかった以外は実施例1と同様にして粘着性フィルムを得た。
【0046】
〈比較例2〉
実施例1において、蒸着薄膜層(C層)及び被膜層(D層)を設けなかった以外は実施例1と同様にして粘着性フィルムを得た。
【0047】
〈比較例3〉
実施例1において、中間被膜層(B層)及び被膜層(D層)のコーティング剤を塩化ビニリデンにしたこと以外は実施例1と同様にして粘着性フィルムを得た。
【0048】
〈比較例4〉
実施例1において、蒸着薄膜層(A及びC層)のかわりに金属アルミニウム箔を貼りつけて使用したこと以外は実施例1と同様にして粘着性フィルムを得た。
【0049】
〈評価〉
実施例及び比較例の粘着性フィルムについて、ガスバリア性の指標として酸素透過率(ml/m2 ・day・MPa)及び水蒸気透過率(gr/m2 ・day)の測定を行った。測定は、モコン法を用いて測定し、その時の測定条件は、酸素透過率が30℃−70%RHで水蒸気透過率が40℃−90%RHである
また、インキ又は粘着剤の密着適性、粘着性、透明性、廃棄性を比較評価した。その結果を、表1に示す。。
【0050】
【表1】
Figure 2004276294
なお表中、0.1>とあるのは、測定結果の値が0.1以下であったことを意味する。
【0051】
評価結果から、本願の高ガスバリア性を有する粘着性フィルムは、比較例に比べガスバリア性が優れており、透明性、廃棄性、粘着性、密着性も良好である。
【0052】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、金属箔並の高度なガスバリア性を有した粘着性フィルムが得られ、単なる粘着性フィルムではなく、高いバリア性を必要とする電子機器部材分野や粘着テープとして幅広い用途で使用が可能である。
【0053】
そして、粘着剤が塗布されていることにより、高い水蒸気バリア性を付与した形でその他部材品同士の接着が可能となる。また、従来,水蒸気バリア性を付与するためにアルミなどの金属を使用していた部分の代替となりえ、透明性・易廃棄性が新たに付与され、金属探知器及び電子レンジの使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高ガスバリア性を有する粘着性フィルムの例の部分断面図である。
【符号の説明】
1… 積層体
2… プラスチック基材
3… 蒸着薄膜層(A層)
4… 中間被膜層(B層)
5… 蒸着薄膜層(C層)
6… 被膜層(D層)
7… 粘着剤層

Claims (4)

  1. プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、厚さ5〜100nmの蒸着薄膜層(A層)、コーティング剤を塗布し加熱乾燥してなる中間被膜層(B層)、厚さ5〜300nmの蒸着薄膜層(C層)、更にB層と同様の成分から成る被膜層(D層)を順次積層して積層体とし、前記コーティング剤は、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/及びその加水分解物または(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤であり、前記積層体の少なくとも片面に粘着剤を塗布、もしくは粘着剤を塗布した紙またはフィルム等を積層したことを特徴とする高ガスバリア性を有する粘着性フィルム。
  2. 前記蒸着薄膜層が、アルミニウム、銅、銀などの金属、もしくはイットリウムタンタルオキサイド、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムなどの無機酸化物或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載の高ガスバリア性を有する粘着性フィルム。
  3. 前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2記載の高ガスバリア性を有する粘着性フィルム。
  4. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1記載の高ガスバリア性を有する粘着性フィルム。
JP2003067664A 2003-03-13 2003-03-13 高ガスバリア性を有する粘着性フィルム Pending JP2004276294A (ja)

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