JP5957790B2 - 透明ガスバリア積層体の製造方法 - Google Patents

透明ガスバリア積層体の製造方法 Download PDF

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本発明は、ガスバリア性を付与するためにフィルム基材上に蒸着膜を設けた透明ガスバリア積層体に関する。
従来より、食品、日用品及び医薬品の包装分野では内容物の変質を防止することが求められてきた。これら内容物の変質は、酸素や水蒸気などのガスが包装材料を透過して内容物と反応しておきる。よって、酸素や水蒸気などのガスを透過させない性質(ガスバリア性)を備えていることが求められており、温度及び湿度などに影響されないアルミニウムなどの金属箔やアルミニウム蒸着フィルムが用いられてきた。
ところが、アルミニウムなどの金属箔やアルミニウムの蒸着フィルムを用いた包装材料は、ガスバリア性に優れるが、包装材料を透視して内容物を確認することができないだけではなく、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならない。また包装後の内容物などの検査の際に金属探知器が使用できない点などの欠点を有していた。また、包装用途ではなくとも酸素や水蒸気の進入で耐久性が劣化するようなエレクトロニクス部材等にもガスバリア性が必要とされ、同時に透明性が求められるときは、金属箔やアルミニウム蒸着フィルムでは対応しきれない問題があった。
そこで、これらの欠点を克服した包装用材料として、最近では酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム及び酸化珪素などの無機酸化物を透明な基材フィルムの上に蒸着したフィルムが提案されている。これらの蒸着フィルムは、透明性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られ、金属箔などでは得ることができない透明性、ガスバリア性の両方を有する包装材料として好適とされている。
近年、食品包装用途だけではなく、エレクトロニクス分野でも透明性、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性の要求が高まってきている。ここで言うエレクトロニクス分野とは、エレクトロニクス部材の包装用途のみならず、有機EL素子や液晶部材、太陽電池部材の構成材料として使用されるなど幅広い分野を示す。エレクトロニクス用途では食品包装用途よりも過酷な条件での使用が想定され、かつガスバリア性の要求も高くなっており、従来技術の透明蒸着フィルムの性能の向上の試みが行われている。
特許文献1では、ガスバリア性を付与した二軸延伸プラスチックフィルムを用いて、二軸延伸プラスチックフィルム/接着樹脂層/フレキシブルフィルムの構成に積層したラミネートフィルムを、ガラス転移点以上、融点以下の温度で加熱して、高いバリア性を得ている。しかし、ラミネートをしたフィルムでは熱収縮率が異なり、ラミネートフィルム自体のカールが発生するため、ガスバリア性部材としての加工性が悪くなる。
また、特許文献2では、非吸湿性樹脂にガスバリア性を付与した面同士を、接着剤層を介して貼り合せた後に、55℃〜140℃未満の乾熱雰囲気で10時間以上熱処理して高いガスバリア性を得ているが、10時間以上の長時間の加熱時間が必要であり、加熱炉のスペースに制約が生じることから、必ずしも生産性が高いとは言い切れない。
特開平8−300549号公報 特許第4261680号公報
本発明の目的は、上記の問題点を鑑みて加工性が高く、かつガスバリア性が高い透明ガスバリア積層体を提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明は、第一基材の少なくとも一方の面に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層と、
水溶性高分子並びに、1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物、または塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主成分としてなるガスバリア被覆層とが、積層された透明バリアフィルムに、
前記ガスバリア被覆層上に、接着層を介して第二基材を積層し、その後第一基材及び第二基材の融点以下の温度で加熱処理を行い、透明ガスバリア積層体を形成し、
前記透明ガスバリア積層体の水蒸気透過度が0.017〜0.021{g/m・day}の範囲であることを特徴とする透明ガスバリア積層体である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記加熱処理が、200℃以上、第一基材及び第二基材の融点以下の温度であることを特徴とする請求項1記載の透明ガスバリア積層体である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記第二基材が予め200℃以上、融点以下の温度で加熱処理をされていることを特徴とする請求項1または2記載の透明ガスバリア積層体である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記蒸着薄膜層が、酸化アルミニウムもしくは酸化珪素であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の透明ガスバリア積層体である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記第一基材、前記第二基材がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の透明ガスバリア積層体である。
請求項1の発明によれば、第一基材/蒸着薄膜層/ガスバリア被覆層/接着剤層/第二基材に積層した透明ガスバリア積層体を、その後、第一基材及び第二基材の融点以下の温度で加熱処理を行うことで水蒸気バリア(以下、ガスバリア性能と記す)を向上させることができる。これは第一基材上に積層された蒸着膜とガスバリア被膜層が、完全なガスバリア性能ではなく、微小なナノレベルの欠陥が存在している。この欠陥は第一基材、第二基材が収縮することによって欠陥も追随して小さく、また少なくなるので向上する。透明ガスバリア積層体の水蒸気透過度を0.017〜0.021{g/m・day}の範囲にすることができる。また加熱処理は、第一基材、第二基材の融点を超えると変形、カールして加工性が悪くなる。
さらに請求項の発明によれば、加熱処理が、200℃以上、第一基材及び第二基材の融点以下の温度であることを特徴とする。加熱処理が200℃以下であると、変形、カールは良いが、ガスバリア性は向上しない(比較例で記す)。よって加熱処理が、200℃以上、第一基材及び第二基材の融点以下の温度であることが、ガスバリア性は向上させ、カールも良い状態になる。
請求項の発明によれば、前記第二基材が予め200℃以上、融点以下の温度で加熱処理をされていることを特徴とする。第一基材、第二基材を貼り合わせた透明ガスバリア積層体を加熱すると、第一基材、第二基材とも収縮するが、熱収縮率の差が小さいと、カールも小さくて加工性がよい。逆に熱収縮率の差が大きいとカールが大きく、加工性が悪くなる。よって変形、カールを小さくする為に、第一基材、第二基材の熱収縮率の差が小さいフィルムを使用する必要がある。第一基材では、蒸着薄膜層、ガスバリア被覆層の加工で熱を受けて収縮が始まっているため(熱履歴が掛かっている)、第二基材にも予め加熱処理を施す(熱履歴を掛ける)ことにより、第一基材、第二基材の熱収縮率の差を小さくする。これら基材を貼り合わせ、その後加熱処理しても熱収縮率の差を大きくならず、小さい状態を保つことができる。よって変形、カールも小さくできる。
請求項の発明によれば、蒸着薄膜層が、酸化アルミニウムもしくは酸化珪素である。これは、ガスバリア性能、透明性、材料コスト、及び加工性から良い。
請求項の発明によれば、前記第一基材、第二基材がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする。コスト面、耐熱性、透明性、加工性などからポリエチレンテレフタレートフィルムがよい。特に第一基材、第二基材が積層された積層体を加熱処理する時は、同じ熱収縮率を持ったフィルムを使用することにより、カール、変形が生じ難くすることができる。
本発明の透明ガスバリア積層体の一例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面をもって説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る透明ガスバリア積層体6は、第一基材1の上に蒸着薄膜層2とガスバリア性被覆層3を逐次積層し、接着剤層4を介して第二基材5を貼り合わせた積層体である。
本発明に用いる第一基材1、第二基材5としては、特に限定されるものではなく加熱温度200℃以上でも形態を保つものならば公知のものを使用することができる。例えば、ポリエステル系フィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド系フィルム(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリスチレン系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエーテルスルホン系フィルム、アクリル系フィルム、セルロース系フィルム(トリアセチルセルロース又はジアセチルセルロース等)などが挙げられる。特に限定されないが、熱収縮率が低いフィルムが好ましい。
実際的には、用途や要求物性により適宜選定をすることが望ましく、医療用品、薬品、食品等の包装には、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどを用いることができる。また、電子部材、光学部材等の極端に水分を嫌う内容物を保護する包装に用いられる場合には、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド類、ポリエーテルスルホンなどのそれ自体も高いガスバリア性を有する材料が望ましい。またフィルムの厚さは、特に限定されない。用途に応じて6μmから200μm程度のものが使用することができる。
またフィルムには、この積層面にバリア性能を損なわない範囲でコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの各種前処理、易接着層やアンカーコート層などの各種コート層を設けても構わない。
本発明の蒸着薄膜層2は、バリア性の高い材料として酸化アルミニウム(AlOx)、酸化珪素(SiOx)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化マグネシウム(MgO)又はインジウム−スズ酸化物(ITO)などを用いることができる。材料コスト、バリア性能、透明性から無機酸化物である酸化アルミニウムもしくは酸化珪素が好ましい。
蒸着薄膜層の厚みは、10nm以下では薄膜の連続性に問題があり、また300nmを越えるとカールやクラックが発生しやすく、バリア性能に悪影響を与え、かつ可撓性が低下するため、好ましくは20nm〜200nmである。使用用途によって適宜厚みを設定すればよい。
蒸着薄膜層の成膜は、真空成膜手段によって作成できる。バリア性能や膜均一性の観点から好ましい。成膜手段には、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)などの公知の方法があるが、成膜速度が速く生産性が高いことから真空蒸着法が好ましい。また真空蒸着法の中でも、特に電子ビーム加熱による成膜手段は、成膜速度を照射面積や電子ビーム電流などで制御し易いことや蒸着材料への昇温降温が短時間で行えることから有効である。
ガスバリア被覆層3は、蒸着薄膜層を保護するとともに、蒸着薄膜層との相乗効果により高いガスバリア性を発現させることができる。例えば、水溶性高分子と、1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物、または塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするガスバリア被覆液を、蒸着薄膜層上に塗布し、加熱乾燥して形成することができる。
以下に、上記組成のガスバリア被覆液の各構成成分について更に詳しく説明する。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等を挙げることができる。この中では、特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)は、得られるガスバリア被覆層のガスバリア性が最も優れたものとなるので好ましい。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化して得られるものであり、例えば、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分鹸化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等を用いることができる。
金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH,C等のアルキル基)で表される化合物であり、テトラエトキシシラン{Si(OC}、トリイソプロポキシアルミニウム{Al(O−2´−C}等が具体例として挙げられる。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムは加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定で好ましい
このような構成材料からなるガスバリア被覆液には、ガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、あるいは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤等の公知の添加剤を必要に応じて適宜加えることも可能である。
また、上記ガスバリア被覆液の塗布方法としては、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法等の従来公知の方法を用いることが可能である。
ガスバリア被膜層の厚さは、特に限定されるものではない。使用用途により適宜決めればよい。乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な塗膜が得られ難く、十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合は、塗膜にクラックが生じ易くなるため問題となる場合がある。好ましくは0.01〜
50μmの範囲にあればよい。
次に、接着剤層4は、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂もしくはこれらの樹脂の共重合体樹脂からなる任意の接着剤を用いることができる。いわゆる周知のドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法などの公知の方法によって貼り合わせることが可能であり、接着強度が十分あれば特に限定するものではない。
作成された透明ガスバリア積層体を加熱することでガスバリア性能を向上させることができる。これは、第一基材上に積層された蒸着薄膜層とガスバリア被膜層が、まだ完全なガスバリア性能ではなく、微小なナノレベルの欠陥が存在していると考えられる。この欠陥は、第一基材及び第二基材が加熱により収縮することによって、欠陥も追随して小さく、かつ少なくなりガスバリア性が向上する。
加熱温度は、高い温度の方がバリア性向上効果は高いが、第一基材、第二基材のフィルムの融点を越えてしまうと変形して加工性が悪くなる。また、バリア性の低下がみられるので加熱温度は200℃以上、フィルムの融点以下が好ましい。
第一基材と第二基材が貼り合わされた透明ガスバリア積層体を加熱することで、第一基材、第二基材とも収縮するが、熱収縮率の差が小さいと、カールも小さくて加工性がよい。出来るだけ熱収縮率が近いフィルムを用いるとよい。第一基材は、蒸着薄膜層およびガスバリア被膜層の加工で熱履歴を受けているので、第二基材を予め加熱処理を施したフィルムにすれば、その後の加熱でも熱収縮率の差を小さくでき、変形、カールなども小さくできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
第一基材に用いるフィルムは、ポリエチレンテレフタレート、厚さ12μm(PET、東レ社製P60)を用いた。酸化珪素材料(大阪チタニウム社製)からなる蒸着材料を電子ビーム加熱法で加熱し、成膜圧力は1.1×10−2Paとして膜厚が20nmとなるように蒸着薄膜層を形成した。
次に、上記透明蒸着薄膜層の上に、グラビアコーティング法によって、下記に示すようにして調整されたガスバリア被覆液を塗布し、加熱乾燥させて、厚さ0.5μmのガスバリア被覆層を積層し、透明ガスバリアフィルムを得た。
次に、ガスバリア被覆層面上に、ドライラミネーション法により、塗布量3.0g/m(dry)にてポリウレタン系接着剤(三井化学社製 A525)を塗布した後、その上に200℃の予め加熱処理を5分間行った第二基材のポリエチレンテレフタレート、厚さ12μm(東レ社製P60)を貼り合わせ、さらに40℃にて5日間エージングを行って透明ガスバリア積層体を得た。
さらに、この透明ガスバリア積層体を200℃の乾燥雰囲気で5分間加熱処理をし、実施例1に係る透明ガスバリア積層体を得た。
<ガスバリア被覆液の調整>
テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌して加水分解させた固形分3wt%(SiO 換算)の加水分解溶液と、ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液{水:イソプロピルアルコール=90
:10(重量比)}を混合してガスバリア被覆液を得た。
実施例1の蒸着薄膜層が酸化アルミニウムとなるように、アルミニウム材料からなる蒸着材料を電子ビーム加熱法で加熱し、酸素ガスを蒸着雰囲気中に導入して酸化アルミニウム膜厚が15nmとなるように蒸着薄膜層を形成した以外は実施例1と同様な透明ガスバリア積層体を得た。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
第二基材を予め加熱処理を行わずに、実施例1の透明ガスバリアフィルムとドライラミネーション法によって積層したこと以外は、実施例1と同様な透明ガスバリア積層体を得た。
<比較例2>
第二基材を予め事前加熱処理を行わずに、実施例2の透明ガスバリアフィルムとドライラミネーション法によって積層したこと以外は、実施例1と同様な透明ガスバリア積層体を得た。
<比較例3>
実施例1での第一基材、第二基材を貼り合わせ、エージング後の加熱温度を160℃とした以外は、実施例1と同様の透明ガスバリア積層体を得た。
<比較例4>
実施例1での第一基材、第二基材を貼り合わせ、エージング後の加熱温度を280℃とした以外は、実施例1と同様の透明ガスバリア積層体を得た。
<比較評価>
以上の透明ガスバリア積層体に関して、カール性と水蒸気透過率の比較評価を行った。 (カール性):100mm角四方にカットし、円筒形に丸くなる状態において、その円筒の直径が50mm以下になるとカールが大きく、後加工などの加工性に問題が生じる恐れがあるために、×とした。また円筒形にならないで平面状を維持しているときは、問題ないレベルであり、○とした。
(水蒸気透過率):モダンコントロール社製MOCON PERMATRAN W3/33を用いて、40℃−90%RH雰囲気下で測定した。
(外観):ガスバリア積層体の外観について定性評価を行った。
表1に実施例、比較例の評価結果を示す。
Figure 0005957790
実施例1,2では、水蒸気透過度が0.017〜0.021{g/m・day}と良好で高い水蒸気バリア性が得られた。またカールの発生は少なく加工性は問題なかった。また、比較例1,2の水蒸気透過度は、0.020〜0.022{g/m・day}と良好であるがカールが強く発生し加工性は悪かった。比較例3では、水蒸気透過度は、0.082{g/m・day}となり実施例1、2より劣りカールも強く発生している。比較例4ではフィルムの変形があり加工性が悪く水蒸気透過度が大幅に悪くなっている。この比較例4では蒸着薄膜層およびガスバリア被膜層にクラックが生じており水蒸気透過度が大幅に悪くなった。よって200℃以上で、基材の融点以下の温度で加熱処理することにより、水蒸気バリア性が向上し、かつ第二基材に予め200℃以上で、基材の融点以下の温度で加熱処理したものを使用することで、カールも問題なく、加工性を有していた。
本発明の実施の形態において、加工性が高く、酸素バリア性、水蒸気バリア性が高い透明ガスバリア積層体が得られる。
本発明の実施の形態に係る透明ガスバリア積層体は、食品、日用品、医薬品等の包装分野に用いられ、またエレクトロニクス分野で酸素および水蒸気バリア性を必要とする部材分野にも用いることができる。
1 第一基材
2 蒸着薄膜層
3 ガスバリア性被覆層
4 接着剤
5 第二基材
6 透明ガスバリア積層体

Claims (4)

  1. 第一基材の少なくとも一方の面に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層と、水溶性高分子並びに、1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物、または塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主成分としてなるガスバリア被覆層とが積層され、前記第一基材に熱履歴が掛けられている透明バリアフィルムに、
    前記ガスバリア被覆層上に、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂もしくはこれらの樹脂の共重合体樹脂からなる接着層を介して熱履歴を掛けられた第二基材を積層し、その後200℃以上、第一基材及び第二基材の融点以下の温度で加熱処理を行い、水蒸気透過度が0.017〜0.021{g・m ・day}の透明ガスバリア積層体を形成する透明ガスバリア積層体の製造方法。
  2. 前記第二基材が予め200℃以上、融点以下の温度で加熱処理をされていることを特徴とする請求項1記載の透明ガスバリア積層体の製造方法。
  3. 前記蒸着薄膜層が、酸化アルミニウムもしくは酸化珪素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明ガスバリア積層体の製造方法。
  4. 前記第一基材、前記第二基材がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の透明ガスバリア積層体の製造方法。
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