JP6507847B2 - バリアフィルム及び波長変換シート、並びに、それらの製造方法 - Google Patents

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本発明はバリアフィルム及び波長変換シートに関する。
食品又は電子部品等にはしばしば、空気中の酸素又は水等による劣化から保護するために、バリアフィルムが用いられる。バリアフィルムは、例えば、基材層とバリア層との積層構造を備えており、バリア層に優れたガスバリア性を付与するためには加熱工程が必要となる場合が多い(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−301793号
ところで、最近、青色発光ダイオード(LED)を用いて得られる青色光を、波長変換層に通すことで白色光に変換する、液晶ディスプレイ用バックライトユニットが注目を集めている。波長変換層には空気中の水等により劣化し得る量子ドットが用いられることから、上記波長変換層の両面にも、上述のバリアフィルムが積層される。しかし、上記バリアフィルムを上記バックライトユニットに用いたとき、ディスプレイ上に縞模様が発生することがあった。
そこで、本発明者らが検討したところ、ディスプレイ上の縞模様の発生は、バリアフィルムのシワに伴う、波長変換層の厚さの変化(塗布ムラ)に原因があることを発見した。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、シワの存在が低減されたバリアフィルム、及びこれを用いて得られる波長変換シートを提供することを目的とする。
本発明は、150℃30分の加熱前後におけるTD方向の収縮率が−3.0%以上0%未満であるポリエステルフィルムと、該ポリエステルフィルム上に形成された多層被膜と、を150℃以上で加熱することによって得られる、バリアフィルムを提供する。
本発明のバリアフィルムでは、ディスプレイ上に発生する縞模様の原因となるようなシワの存在を十分に低減することができる。バリアフィルムを工業的に生産する場合、ロール状のフィルムからフィルムが巻き出され、搬送されたフィルム上にバリア層が形成され、バリアフィルムとして巻き取られる。搬送中のフィルムは、バリア層形成のために加熱され、且つ、フィルム搬送装置により搬送方向(MD方向)にテンションがかけられている。したがって、バリアフィルムには、製造工程において、熱的及び機械的な外力が加わることになる。本発明では、縞模様の原因となるような方向性を有するシワが、ポリエステルフィルムのMD方向に発生していたことに鑑み、MD方向への機械的な外力を考慮しつつ、ポリエステルフィルムの熱収縮を制御することにより、得られるバリアフィルムのシワを低減することを実現している。
上記ポリエステルフィルムは、150℃30分の加熱前後におけるMD方向の収縮率が0%以上3.0%以下であるものであることが好ましい。MD方向の収縮率が上記範囲内にあることにより、機械的な物性を低下させることなく、シワの発生をさらに低減することができる。
上記ポリエステルフィルムの厚さは15〜35μmであってもよい。ポリエステルフィルムが薄ければ、シワの発生の問題が顕在化する傾向があるが、本発明によればこのような薄いポリエステルフィルムを用いた場合にも、十分にシワの存在を低減することができる。
上記多層被膜は、少なくとも密着層、蒸着層、及び有機コーティング層がこの順に積層されてなり、上記蒸着層は無機化合物を含み、上記有機コーティング層は、水酸基含有高分子化合物と、金属アルコキシド、シランカップリング剤及びこれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含むことが好ましい。
バリア層を上記のように積層された多層被膜から得る場合、150℃以上の加熱によって優れたガスバリア性を有するバリア層を得ることができる傾向がある。
上記バリアフィルムは、加熱後の上記多層被膜上にさらにポリマーフィルムが接着層を介して張り合わされることによって得られてもよい。
本発明はまた、波長変換層と、当該波長変換層の両面上に形成された一対のバリアフィルムとを備え、上記バリアフィルムの少なくとも一方が本発明で提供されるバリアフィルムである、波長変換シートを提供する。
本発明によれば、シワの存在が十分に低減されたバリアフィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るバリアフィルムの概略断面図である。 本発明の別の実施形態に係るバリアフィルムの概略断面図である。 本発明の一実施形態の係る波長変換シートの概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一又は同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
[バリアフィルム]
図1は本発明の一実施形態に係るバリアフィルムの概略断面図である。図1において、バリアフィルム1はポリエステルフィルム2上にバリア層3が形成されたフィルムであり、より具体的には、ポリエステルフィルム2とアンカーコート層4と無機バリア層5と有機バリア層6とがこの順に積層された積層フィルムである。アンカーコート層4の厚さは、例えば、0.01〜10μmであり、無機バリア層5の厚さは、例えば、10〜500nmであり、有機バリア層6の厚さは、例えば、0.01〜1μmである。
バリアフィルム1はポリエステルフィルムと該ポリエステルフィルム上に形成された多層被膜とを150℃以上で加熱すること(以下、単に「加熱工程」ということがある)によって得られる。上記多層被膜は、例えば、少なくとも密着層、蒸着層、及び有機コーティング層がこの順に積層されてなり、加熱後に上記密着層、蒸着層、及び有機コーティング層が、それぞれアンカーコート層4、無機バリア層5、及び有機バリア層6となる。また、上記多層被膜は、150℃以上で加熱されることにより、ガスバリア性を有するバリア層3となる。
本実施形態において、上記ポリエステルフィルムは、150℃30分の加熱前後におけるTD方向の収縮率が−3.0%以上0%未満であるものである。すなわち、上記ポリエステルフィルムは、150℃30分間加熱することにより、TD方向に、0%超3.0%以下の割合で膨張する。TD方向の収縮率が−3.0%以上0%未満であることにより、加熱工程において機械的及び熱的な外力が加わったとしても、得られるバリアフィルム1のシワを十分低減することができる。同様の観点から、上記TD方向の収縮率は−2.5%以上−0.2%以下であることが好ましく、−2.0%以上−0.3%以下であることがより好ましい。
また、上記ポリエステルフィルムは、150℃30分の加熱前後におけるMD方向の収縮率が0%以上3.0%以下であるものであることが好ましい。MD方向の収縮率が0%以上であることにより、ポリエステルフィルムが脆化し、引張強度等の機械的物性が低下することを抑制しやすくなる。一方、MD方向の収縮率が3.0%以下であることにより、加熱工程においてシワ発生の原因となる歪みが、ポリエステルフィルムに生じることを抑制しやすくなる。同様の観点から、上記TD方向の収縮率は0.5%以上2.5%以下であることが好ましく、1.0%以上2.0%以下であることがより好ましい。
ポリエステルフィルムの厚さは特に限定されず、例えば、5〜100μm程度であってもよい。ただし、ポリエステルフィルムが薄い場合、上記加熱工程におけるシワの発生が顕著となる傾向がある。本発明に係るバリアフィルムは、仮に、ポリエステルフィルムが薄かったとしても、シワの発生を十分に低減することができる。このような観点から、ポリエステルフィルムの厚さは、10〜50μmであってもよく、15〜35μmであってもよく、15〜25μmであってもよい。
上記ポリエステルフィルムの収縮率の調整は、例えば、延伸によりフィルム内の分子鎖を配向させ、さらに延伸フィルムを加熱することにより行われる。延伸フィルムを加熱する際には、ポリエステルのガラス転移温度及び融点等を考慮して加熱温度が設定される。延伸フィルムを適切な温度で加熱することにより、延伸で得られた分子鎖配向を促進若しくは緩和させる、又は、結晶構造を固定する等、様々な方法で結晶構造を制御することが可能となる。その結果、ポリエステルフィルムのTD方向及びMD方向における収縮率を調整することができる。
上記ポリエステルフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム及びポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等が挙げられる。
本実施形態では、ロール状のフィルムから上記ポリエステルフィルム2が巻き出され、搬送されたフィルム上にバリア層が形成され、バリアフィルム1として巻き取られる。バリア層3は、フィルム搬送装置により、搬送方向(MD方向)へのテンションがかけられた状態のポリエステルフィルム2上に形成される。
バリア層3の形成では、まず、密着層が上記ポリエステルフィルム2上に形成される。密着層は、例えば、ポリオール樹脂及びポリカルボン酸を含む組成物、ポリオール樹脂及びポリイソシアネートを含む組成物等を塗布・乾燥することにより形成される。蒸着層が密着層を介してポリエステルフィルム上に積層されることにより、蒸着層とポリエステルフィルムとの密着性をより向上させることができる。密着層の厚さは、例えば、0.01〜10μm程度である。
次に、蒸着層が上記密着層上に蒸着によって形成される。蒸着層は無機化合物を含むことが好ましく、金属酸化物を含むことがより好ましい。上記金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、イットリウム、タンタル、ケイ素、及びマグネシウム等の酸化物が挙げられる。金属酸化物は、安価でバリア性能に優れることから、酸化ケイ素(SiOx、xは1.0〜2.0)であることが好ましい。xが1.0以上であると、良好なバリア性が得られやすい傾向がある。蒸着層の厚さは、例えば、10〜500nmである。
次に、有機コーティング層が上記蒸着層上に形成される。有機コーティング層は、例えば、水酸基含有高分子化合物と、金属アルコキシド、シランカップリング剤及びこれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む組成物を塗布することにより形成される。有機コーティング層が例えば上記組成物から形成される場合、優れたガスバリア性を得るために150℃以上の加熱が必要になる場合がある。ポリエステルフィルムと多層被膜とを150℃以上の高温で加熱する場合、ポリエステルフィルムが変形するおそれがあり、このような変形がシワ発生の原因ともなり得る。しかし、本発明のバリアフィルムによれば、高温で加熱してもシワの発生を低減することができる。その結果、優れたガスバリア性とシワの低減とを両立することができる。
上記バリアフィルム1は、加熱後の上記多層被膜上にさらに別のポリマーフィルムが接着層を介して張り合わされていてもよい。図2は本発明の別の実施形態に係るバリアフィルムの概略断面図である。図2において、バリアフィルム1は、以下のように製造することができる。まず、上記と同様にして、ポリエステルフィルムと該ポリエステルフィルム上に形成された多層被膜とを150℃以上で加熱することにより、ポリエステルフィルム2とアンカーコート層4aと無機バリア層5aと有機バリア層6aとがこの順に積層された第1の積層フィルムが得られる。次に、上記と同様にして、ポリマーフィルムと該ポリエステルフィルム上に形成された多層被膜とを150℃以上で加熱することにより、ポリマーフィルム7とアンカーコート層4bと無機バリア層5bと有機バリア層6bとがこの順に積層された第2の積層フィルムが得られる。そして、第1の積層フィルムの有機バリア層6a側の面と、第2の積層フィルムの有機バリア層6b側の面とを、接着層8を介して貼り合わせることにより、バリアフィルム1を得ることができる。本実施形態のバリアフィルム1において、アンカーコート層4aと無機バリア層5aと有機バリア層6aとは併せてバリア層3aと呼ぶことができ、アンカーコート層4bと無機バリア層5bと有機バリア層6bとは併せてバリア層3bと呼ぶことができる。
アンカーコート層4a,4bは図1におけるアンカーコート層4と同様に形成することができ、無機バリア層5a,5bは図1における無機バリア層5と同様に形成することができ、有機バリア層6a,6bは図1における有機バリア層6と同様に形成することができる。ポリマーフィルム7としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、セルロース系、ポリアミド系、アクリル系、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、並びにエチレンビニルアルコール等の有機高分子からなるフィルムを用いることができる。ポリマーフィルム7は、ポリエステルフィルム2と同様の構成を備えることが好ましい。接着層8は接着剤又は粘着剤から形成される。上記接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等が挙げられる。また、上記粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。接着層8の厚さは、例えば、1〜50μmである。
[波長変換シート]
図3は本発明の一実施形態に係る波長変換シートの概略断面図である。図3に示すように、本実施形態の波長変換シート10は、波長変換層9と、当該波長変換層9の両面上に形成された一対のバリアフィルムとを備える。上記バリアフィルムの少なくとも一方には本発明のバリアフィルム1が用いられる。
波長変換層9は樹脂及び蛍光体を含む。波長変換層9の厚さは数十〜数百μmである。上記樹脂としては、例えば、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができる。上記蛍光体は量子ドットからなる2種類の蛍光体であることが好ましい。2種類の蛍光体には、励起波長が同一のものが選択される。励起波長は、光源が照射する光の波長に基づいて選択される。2種類の蛍光体の蛍光色は相互に異なる。各蛍光色は、赤色及び緑色である。
次に、蛍光体の粒子構造を説明する。蛍光体としては、特に発光効率の良いコア・シェル型量子ドットが好適に用いられる。コア・シェル型量子ドットは、発光部としての半導体結晶コアが保護膜としてのシェルにより被覆されたものである。例えば、コアにはセレン化カドミウム(CdSe)、シェルには硫化亜鉛(ZnS)が使用可能である。CdSeの粒子の表面欠陥がバンドギャップの大きいZnSにより被覆されることで量子収率が向上する。また、蛍光体は、コアが第1シェル及び第2シェルにより二重に被覆されたものであってもよい。この場合、コアにはCdSe、第1シェルにはセレン化亜鉛(ZnSe)、第2シェルにはZnSが使用可能である。
波長変換層9は、光源からの青色光を赤色光又は緑色光等に変換する蛍光体をすべて単一の層に分散させた単層構成を有していてもよく、各蛍光体を複数の層に別々に分散させ、これらを積層する多層構成を有していてもよい。
上記樹脂中に上記蛍光体を分散させ、調製した蛍光体分散液をバリアフィルム1のポリエステルフィルム2側の面上に塗布した後、塗布面に別のバリアフィルムを貼り合わせ、波長変換層9を硬化することにより、波長変換シート10を製造することができる。
本実施形態の波長変換シート10は、水蒸気バリア性に優れ、シワの発生が低減されたものであることから、蛍光体の劣化が少なく、ディスプレイ上に縞模様の発生がないバックライトユニットの製造に有用である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[バリアフィルムの作製]
(実施例1)
アクリルポリオールとトルエンジイソシアネートとを、水酸基とNCO基とが当量となるように混合した。全固形分が5質量%となるように、得られた混合物を酢酸エチル中に溶解し、密着組成物を得た。
次に、テトラエトキシシラン10.4gと塩酸(濃度:0.1N)89.6gとを、30分間混合・攪拌して、加水分解溶液を得た。上記加水分解溶液とポリビニルアルコールの3質量%水溶液とを等質量ずつ混合して、有機コーティング組成物を得た。
ロール状のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム(1))(厚さ:25μm、幅:1m)を準備した。上記PETフィルム(1)を150℃で30分間加熱したときの搬送方向(MD方向)と該搬送方向と垂直な方向(TD方向)方向における収縮率を測定したところ、MD方向の収縮率が1.1%であり、TD方向の収縮率が−0.3%であった。なお、収縮率はJIS K7133(1999)に従い、下記式から算出した。
ΔM=[(M−M)/M]×100
ΔT=[(T−T)/M]×100
式中、ΔMはMD方向の収縮率を示し、ΔTはTD方向の収縮率を示し、Mは加熱後のポリエステルフィルムのMD方向の長さを示し、Tは加熱後のポリエステルフィルムのTD方向の長さを示し、Mは加熱前のポリエステルフィルムのMD方向の長さを示し、Tは加熱前のポリエステルフィルムのTD方向の長さを示す。なお、ΔM又はΔTが正の値である場合、収縮していることを示し、負の値である場合、膨張していることを示す。
上記ロール状のPETフィルムを巻き出し装置、搬送装置、及び巻き取り装置に装着した。搬送装置におけるPETフィルムの搬送(MD)方向における張力を測定したところ、70N/mであった。
搬送中のPETフィルム(1)に上記密着組成物を塗布・乾燥し、0.1μmの厚さを有する密着層を形成した。次に、密着層上に蒸着により、30nmの厚さを有する第1のシリカ蒸着層を形成した。第1のシリカ蒸着層上に上記有機コーティング組成物を塗布し(有機コーティング層を形成し)、180℃で40秒間加熱して、1μmの厚さを有する第1の有機バリア層を形成した。さらに、第1の有機バリア層上に蒸着により、30nmの厚さを有する第2のシリカ蒸着層を形成した。第2のシリカ蒸着層上に上記有機コーティング組成物を塗布し(有機コーティング層を形成し)、180℃で40秒間加熱して、1μmの厚さを有する第2の有機バリア層を形成した。以上のようにして、PETフィルム、アンカーコート層、第1の無機バリア層、第1の有機バリア層、第2の無機バリア層、及び第2の有機バリア層がこの順に積層された、実施例1のバリアフィルムを作製した。有機バリア層形成の加熱条件、及びPETフィルム(1)の収縮率を表1に示す。
(比較例1)
PETフィルム(1)に代えて、150℃で30分間加熱したときのMD方向の収縮率が2.3%であり、TD方向の収縮率が0.2%である、PETフィルム(2)(厚さ:25μm、幅:1m)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のバリアフィルムを作製した。有機バリア層形成の加熱条件、及びPETフィルム(2)の収縮率を表1に示す。
(比較例2)
第1及び第2の有機バリア層を180℃で40秒間加熱して形成したことに代えて、120℃で120秒間加熱して形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2のバリアフィルムを作製した。有機バリア層形成の加熱条件、及びPETフィルム(1)の収縮率を表1に示す。
(比較例3)
PETフィルム(1)に代えて、150℃で30分間加熱したときのMD方向の収縮率が1.0%であり、TD方向の収縮率が−4.0%である、PETフィルム(3)(厚さ:25μm、幅:1m)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3のバリアフィルムを作製した。有機バリア層形成の加熱条件、及びPETフィルム(3)の収縮率を表1に示す。
[評価方法]
(水蒸気バリア性)
実施例及び比較例で得られたバリアフィルムの水蒸気バリア性を、同定法(JIS K 7129B)に準ずる方法で水蒸気透過度を測定することにより評価した。水蒸気透過度の測定には水蒸気透過度測定装置(商品名:AQUATRAN、Modern Control社製)を用いた。透過セルの温度は40℃とし、高湿度チャンバの相対湿度は90%RHとし、低湿度チャンバの相対湿度を0%RHとした。水蒸気透過度の測定結果を表1に示す。
(シワの有無)
実施例及び比較例で得られたバリアフィルムの外観を目視にて観察し、PETフィルムのMD方向におけるシワの有無を確認した。シワの有無の確認結果を表1に示す。
(塗布ムラの有無)
実施例及び比較例で得られたバリアフィルムのバリア層側の面と、アンチグレア層付きPETフィルム(25μm)のPET側の面とを、粘着剤で貼り合わせ、各実施例及び比較例につき、量子ドット封止フィルムを2ロール分作製した。第1給紙より作製した1枚目の量子ドット封止フィルムを供給し、バリアフィルム側に、ダイコーターにより量子ドットを分散させた紫外線硬化性のエポキシ樹脂を200μmの厚さに塗布した。塗膜に紫外線照射後、第2給紙より作製した2枚目の量子ドット封止フィルムを供給して、塗膜を封止した。封止後の積層フィルムをロール状に巻き取り、ロール状のまま50℃で2日間加熱して、エポキシ樹脂を硬化させた。封止後の積層フィルムの、PETフィルムのTD方向における総膜厚の変化を、接触式厚み計測装置(商品名:ピーコック、尾崎製作所製)を用いて測定し、総膜厚の変化が1%以上ある場合、塗布ムラがあると判断した。また、総膜厚の変化が1%未満である場合、塗布ムラがないと判断した。
Figure 0006507847
表1に示されるように、実施例1で得られるバリアフィルムでは、優れた水蒸気バリア性が得られるとともに、シワ及び塗布ムラの発生がないことが確認された。一方、比較例1で得られるバリアフィルムでは、優れた水蒸気バリア性が得られたものの、シワ及び塗布ムラが発生していることが確認された。ポリエステルフィルムがTD方向に収縮していたことが原因であると考えられる。また、比較例2で得られるバリアフィルムでは、シワ及び塗布ムラの発生は確認されなかったものの、優れた水蒸気バリア性が得られなかった。有機バリア層の形成における加熱温度が低く、シワ又は塗布ムラの発生には至らなかったものの、水蒸気バリア性を得るには加熱が十分でなかったことが原因であると考えられる。また、比較例3で得られるバリアフィルムでは、シワ及び塗布ムラが発生していることが確認された。ポリエステルフィルムがTD方向に膨張していたことが原因であると考えられる。
1…バリアフィルム、2…ポリエステルフィルム、3,3a,3b…バリア層、4,4a,4b…アンカーコート層、5,5a,5b…無機バリア層、6,6a,6b…有機バリア層、7…ポリマーフィルム、9…波長変換層、10…波長変換シート。

Claims (6)

  1. 150℃30分の加熱前後におけるTD方向の収縮率が−3.0%以上0%未満であり、150℃30分の加熱前後におけるMD方向の収縮率が0%以上1.1%以下であるポリエステルフィルムと、
    該ポリエステルフィルム上に形成されたバリア層と、
    備え、
    前記バリア層は、少なくともアンカーコート層、無機バリア層、及び有機バリア層がこの順に積層されてなり、
    前記無機バリア層は無機化合物を含み、
    前記有機バリア層は、水酸基含有高分子化合物と、金属アルコキシド、シランカップリング剤及びこれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む組成物を用いて形成された層であり、
    水蒸気透過度が5mg/m ・day未満である、バリアフィルム。
  2. 前記ポリエステルフィルムの厚さが15〜35μmである、請求項1に記載のバリアフィルム。
  3. バリア層上にさらにポリマーフィルムが接着層を介して張り合わされている、請求項1又は2に記載のバリアフィルム。
  4. 波長変換層と、当該波長変換層の両面上に形成された一対のバリアフィルムとを備え、
    前記バリアフィルムの少なくとも一方が請求項1〜のいずれか一項に記載のバリアフィルムである、波長変換シート。
  5. 150℃30分の加熱前後におけるTD方向の収縮率が−3.0%以上0%未満であり、150℃30分の加熱前後におけるMD方向の収縮率が0%以上1.1%以下であるポリエステルフィルムと、
    該ポリエステルフィルム上に形成された多層被膜と、
    を150℃以上で加熱する加熱工程を有し、
    前記多層被膜は、少なくとも密着層、蒸着層、及び有機コーティング層がこの順に積層されてなり、
    前記蒸着層は無機化合物を含み、
    前記有機コーティング層は、水酸基含有高分子化合物と、金属アルコキシド、シランカップリング剤及びこれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む、バリアフィルムの製造方法
  6. 波長変換層と、当該波長変換層の両面上に形成された一対のバリアフィルムとを備える波長変換シートの製造方法であって、
    前記バリアフィルムの少なくとも一方を、請求項に記載のバリアフィルムの製造方法により製造する工程を有する、波長変換シートの製造方法。
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