JP4247847B2 - 透明蒸着用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素および水蒸気の遮断性に優れた透明蒸着用フィルムを得るに好適なポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品や薬品を長期間保存するためには、腐敗や変質を促進する外気からの酸素や水蒸気の浸入を遮断する効果を持った、いわゆるガスバリア性に優れた包装を行う必要がある。この目的に使用されるガスバリア性に優れたフィルム包装に、近年特に内容物の状態を確認できる透明性が要求される傾向が強くなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
透明なガスバリア性フィルムとしてポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合体を積層したものが知られている。また、金属酸化物を高分子フィルム上に形成したものがガスバリア性と透明性が良好であることが、従来よりよく知られている。
【0004】
しかし従来の透明ガスバリア性フィルムは以下のような課題を有していた。ポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール積層フィルムは酸素、水蒸気のガスバリア性が十分ではなく、特に高温での殺菌処理においてその低下が著しい。さらにポリ塩化ビニリデンは焼却時の塩素ガスの発生があり地球環境への影響が懸念されている。
【0005】
一方、蒸着により酸素珪素膜や酸化アルミニウム膜を形成したポリエステルフィルムは良好なバリア性を示すが、近年、食生活が豊かとなり、様々な食品や菓子類が市場に登場するに従い、バリア性など特性向上や、品質の長期保存性がより一層重視されるようになってきた。特にスナック菓子や食品等の包装においては、内容物の酸化や湿りを防止し、できたての品質をより長期間確保するため、これまで以上のガスバリア性が要求されはじめた。
【0006】
本発明は、かかる要求に対応して、透明蒸着用ポリエステルフィルムの酸素および水蒸気のガスバリア性に対する格段の向上を目的とし、優れたガスバリア性を発現させる蒸着用ポリエステルフィルムを提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明は、融点が250〜280℃のポリエステルを主成分とする二軸延伸ポリエステルフィルムであって、フィルムの融解サブピーク(Ts)が230〜238℃、面配向係数が0.166〜0.18、フィルムの複屈折(Δn)が−0.04〜−0.005、少なくとも片面の中心線平均粗さ(Ra)が0.005〜0.03μmであることを特徴とする透明蒸着ポリエステルフィルムを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明でいうポリエステルフィルムのポリエステルとはエステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であるが、耐熱性、製膜性等の点からエチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレート単位を主構成成分とするものが好ましく、耐熱性、製膜性の点から、ポリエステルの融点が250℃以上280℃以下であることが必要である。
【0009】
本発明のポリエステルには特性を損ねない範囲で他の共重合成分を含有してもよく、ジカルボン酸成分としては、例えば、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、エイコ酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマ−酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能酸等を用いることができる。一方、グリコ−ル成分としては例えばプロパンジオ−ル、ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール等が用いられる。さらにポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルを共重合してもよい。
【0010】
なお、これらのジカルボン酸成分、グリコ−ル成分は2種以上を併用してもよく、2種以上のポリエステルをブレンドして使用してもよい。さらに2層以上に共押出し積層フィルムとして使用してもよい。
【0011】
本発明における積層ポリエステルとしてはエチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレート単位を主構成成分とすることが好ましく、また蒸着層との接着性向上や耐熱性の点から、融点が210〜260℃であることが好ましい。融点が210℃未満であると加工時の熱負荷に対する耐久性が低下するばかりでなく、表面に低分子物が析出しバリア性を悪化させる原因ともなる。
【0012】
上述したポリエステルフィルムの極限粘度(25℃オルソクロロフェノール中で測定)は0.4〜1.2dl/g、好ましくは0.5〜0.85dl/gの範囲にあるものが本発明の内容に適したものである。
【0013】
さらに蒸着層との接着性を向上させる点から、基材となるポリエステルフィルムのカルボキシル末端基量が30当量/トン以上が好ましく、さらに好ましくは35当量/トン以上であることが望ましい。
【0014】
またポリエステル中に本発明の効果を阻害しない範囲で各種の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、核剤などを配合してもよい。
【0015】
さらに本発明のフィルムは各種コーティングを施してもよく、特に限定するものではないが、製造面、環境面を考慮すると水系または水分散系塗剤をフィルム製膜中に塗布したものが好ましい。
【0016】
本発明のポリエステルフィルムは2軸配向されたものが必要である。2軸配向ポリエスエルフィルムとは、無延伸状態のPETシートまたはフィルムを長手方向および幅方向に各々2.5〜6倍程度延伸されて作られるものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
【0017】
本発明のポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用途に応じて任意に選べばよいが、0.1〜1000μm、好ましくは0.5〜500μmであり、更に好ましくは5〜30μmである。
【0018】
フィルム構成としては、上述の様に単層、A/Bの2層、B/A/BあるいはA/B/Cの3層、さらには3層より多層の積層構成であってもよく、積層厚み比も任意に設定してよい。さらに、これら以外の層を積層してもよく、具体的には、帯電防止層、マット層、ハードコート層、易滑コート層、易接着層、粘着層などが例示される。
【0019】
本発明のポリエステルフィルムにおいて、フィルムの融解サブピーク(Ts)が230〜238℃であることが必要である。Tsが210℃未満であると熱寸法安定性、特に高温(170℃〜230℃)での熱寸法安定性が悪化するので好ましくない。また、Tsが245℃を超えるとフィルムが脆化するので好ましくない。
【0020】
本発明のポリエステルフィルムにおいては、面配向係数が0.166〜0.18であることが必要であ。面配向係数が0.155未満であるとフィルムの配向性が低下するため強度低下や外力に対して伸びやすくなり加工適性が低下するため好ましくない。また面配向係数が0.18を超えるとフィルムの巾方向の物性斑や白化等が生じるため好ましくない。
【0021】
本発明のポリエステルフィルムのフィルムの複屈折(Δn)が−0.04〜−0.005であることが必要で、好ましくは−0.03〜−0.01である。ここで複屈折(Δn)は、Δn=Nx(縦方向の屈折率)−Ny(横方向の屈折率)により求められる。Δnがマイナス(−)であることはフィルム巾方向の配向が長手方向より強いことを示している。複屈折が−0.005より大きくなると蒸着加工時やラミネート時の巾方向の抗張性が低下するため好ましくない。また−0.04未満であると巾方向の配向が長手方向の配向より強くなりすぎる結果、長手方向と巾方向の配向のバランスが崩れすぎて裂けやすくなることや厚み斑等の平面性が悪化するため好ましくない。
【0022】
本発明のポリエステルフィルムにおいては、フィルム厚み方向の屈折率が1.49〜1.505であることが好ましく、更に好ましくは1.491〜1.5である。厚み方向の屈折率が1.49未満であるとフィルムの劈開等による加工時のトラブルが生じるため好ましくない。また1.505を超えると加工特性や印刷性が悪化し好ましくない。
【0023】
本発明のポリエステルフィルムにおいて、少なくとも片面の中心線平均粗さ(Ra)が0.005〜0.03μmであることが必要であり、好ましくは0.008〜0.025、更に好ましくは、0.01〜0.02である。中心線平均粗さ(Ra)が0.03を超えると蒸着時にピンホールが生じやすくなったり、滑り性が高すぎてかえってハンドリング性が低下するなどの蒸着特性が悪化する。また0.005未満であるとフィルムの滑り性が低下し、巻き特性や加工適性が低下し好ましくない。
【0024】
本発明においてはバリア性と加工性、ハンドリング性を両立させるために、少なくとも2層以上から構成される複合ポリエステルフィルムとし、蒸着面の中心線平均粗さ(RaVM)が0.005〜0.03μm、非蒸着面の中心線平均粗さ(RaNVM )との差(ΔRa=RaNVM −RaVM)を0.003μm以上とすることが好ましい。さらに好ましくは蒸着面の中心線平均粗さ(RaVM)が0.005〜0.025μm、非蒸着面の中心線平均粗さ(RaNVM )との差(ΔRa=RaNVM −RaVM)が0.005μm以上である。蒸着面の中心線平均粗さ(RaVM)が0.005〜0.03μmであることにより優れたバリア性を、ΔRaが0.003μm以上であることにより良好なフィルムのハンドリング性(滑り性)、更には優れた加工性を得ることができる。また非蒸着面の中心線平均粗さ(RaNVM )は0.008〜0.05μm、さらに好ましくは0.001〜0.03であることが好ましい。非蒸着面の中心線平均粗さ(RaNVM )が0.05を超えると滑り性が高すぎてかえってハンドリング性が低下するなどの蒸着特性、加工性が悪化する。
【0025】
本発明のポリエステル中に含有される粒子は、ポリエステルに不活性なものであれば特に限定されないが、内部粒子や無機粒子および/または有機粒子などの外部粒子の中から任意に選定される粒子が好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.02〜1重量%含有されていることが好ましい。含有される粒子の平均粒子径は好ましくは0.001〜10μmであり、更に好ましくは0.01〜2μmである。平均粒子径が10μmを超える粒子を使用するとフィルムの欠陥が生じ易くなるので好ましくない。無機粒子および/または有機粒子としては、例えば湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレ−等の無機粒子およびスチレン、シリコ−ン、アクリル酸類等を構成成分とする有機粒子等を用いることができる。なかでも湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機粒子が好ましい。これらの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子は二種以上を併用してもよい。
【0026】
本発明において150℃、30分の熱収縮率がフィルム長手方向で0.5〜2.0%、巾方向で−1.2〜0.5%であることが好ましく、更に好ましくはフィルム長手方向で1〜2%、巾方向に−1〜0%である。熱収縮率がフィルム長手方向で2%、巾方向に0.5%を超える場合や巾方向に−1.2%未満であると蒸着時やラミネート、印刷工程等の外力が負荷される加工時に寸法変化が大きくなってしまし好ましくない。ここで熱収縮率のマイナス(−)の値は伸びを示すものである。
【0027】
本発明ではフィルム長手方向及び巾方向の破断強度が200〜350MPa であることが好ましく、更に好ましくは230〜330MPaである。破断強度が200MPa 未満であるとフィルム強度が低下し、加工性や製袋後の強度が劣るため好ましくない。また破断強度が350MPaを超えると加工時のフィルムの屈曲性が低下するため好ましくない。
【0028】
また本発明においてはフィルム巾方向の破断伸度が50〜120%で、(長手方向の破断伸度/巾方向の破断伸度)が1.2〜2であることが蒸着時に巾方向に適切な抗張性を発現させ蒸着性を向上させる点から好ましいが特に限定されるものではない。
【0029】
本発明のフィルム表面には蒸着に先立ち蒸着面に各種の表面処理、すなわち低温プラズマ処理やコロナ放電処理等が行われてもよい。
【0030】
次に本発明の製造方法について説明するが必ずしもこれに限定されるものではない。
【0031】
無機粒子(例えば平均粒子径1.2μmの湿式法シリカ粒子)を0.05wt%含有する極限粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を常法に従って乾燥後、溶融押出し、押出されたシート状溶融体を冷却ドラム上で冷却固化せしめて無配向PETフィルムを作成する。このフィルムを80℃〜130℃に加熱しつつ長手方向に2.0〜5.0倍に延伸して1軸配向PETフィルムを得る。さらにこのフィルムをクリップで把持しつ90℃〜140℃に加熱されたテンター内に導き、幅方向に2.5〜6.0倍に延伸し、連続的に160℃〜250℃の熱処理ゾーン中で1〜10秒間の熱処理を施す。この熱処理中に必要に応じて0〜12%の弛緩処理を施してもよい。
【0032】
得られたフィルムに連続式真空蒸着機により蒸着を行い、酸化アルミニウムまたは酸化珪素蒸着層が形成された透明蒸着用ポリエステルフィルム得た。
【0033】
【物性の測定方法および効果の評価方法】
本発明における物性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
【0034】
(1)融点、フィルムの融解サブピーク
フィルムを示差走査熱量計(パ−キン・エルマ−社製DSC−2型)により、10℃/minの昇温速度で測定し、融解ピーク温度(融点)を求めた。また、この測定の際に発生する、擬結晶の変態により発生するサブピーク温度をTsとした。Tsは製膜工程中の熱処理温度の履歴として出現する。単位は共に℃である。
【0035】
(2)屈折率、複屈折、面配向係数
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて測定した。長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(Nx、Ny、Nz)から得られる面配向係数fn=(Nx+Ny)/2−Nzを計算して求めた。複屈折(Δn)はΔn=Nx−Nyを計算して求めた。測定は蒸着面を測定した。
【0036】
(3)中心線平均粗さ(Ra)
小坂研究所(株)製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて測定した。測定条件は下記のとおりであり、20回の測定の平均値をもって値とした。
【0037】
・触針先端半径:0.5μm
・触針荷重 :5mg
・測定長 :1mm
・カットオフ :0.08mm
なお、詳細なパラメータの定義の詳細は、たとえば、奈良治朗著「表面粗さの測定法・評価法」(総合技術センター、1983)に示されている。
【0038】
(4)熱収縮率
フィルムサンプル標線間を200mmにとり、フィルムを10mmに切断し、フィルムサンプルを長さ方向に吊るし、1gの荷重を長さ方向に加えて、150℃の熱風を用い30分間加熱した後、標線間の長さを測定し、フィルムの収縮量を原寸法に対する割合として百分率で表した。
【0039】
(5)破断強度、伸度
“テンシロン”(引っ張り試験機)を用いて、引っ張り速度300mm/min、幅10mm、試料長100mmとして破断強度、破断伸度を測定した。
【0040】
(6)酸素透過率
ASTM−D3985に準じて、モダンコントロール社製酸素透過率測定装置“OX−TRAN”100を用いて、20℃、0%RHの条件にて測定した。
【0041】
(7)水蒸気透過率
モダンコントロール社製水蒸気透過率計“PERMATRAN”−W1Aを用いて、40℃、90%RHの条件で測定した。
【0042】
(8)ハンドリング性
蒸着及び加工時のフィルムの取り扱い性(滑り性など)を○×で判定した。良好で問題なければ○である。
【0043】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づいて説明するが必ずしもこれに限定されるものではない。
【0044】
実施例1
粒子径1.2μmの湿式法シリカ粒子を0.01重量%含有するポリエチレンテレフタレート(融点256℃)ペレット(極限粘度0.64dl/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給して280℃で溶融押出し、これを表面温度25℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この間のシートと冷却ドラム表面との密着性を向上させるため、シート側にワイヤ電極を配置して6000Vの直流電圧を引加した。かくして得られた未延伸PETフィルム(カルボキシル末端基:32当量/トン)を105℃に加熱して長手方向に3.1倍延伸し、1軸延伸フィルムとした。該PETフィルムをフリップを把持して100℃に加熱されたテンター内に導き、連続的に110℃に加熱されたゾーンで幅方向に4.0倍延伸し、更に238℃の雰囲気下で5秒間の熱処理を施し、フィルム厚み12μmのポリエステルフィルムを得た。さらに該フィルムに蒸着を施し、酸化珪素膜(膜厚45nm)が積層された透明蒸着フィルムを得た。表1、2に示す通り優れたバリア性を示すことが分かる。
【0045】
実施例2、5、比較例5−8
表1に示すポリエステルと粒子添加により実施例1の製膜条件を各々変更し表1、2の特性を示す厚み12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。実施例1と同様に蒸着を施し、酸化珪素膜(膜厚44nm)が形成された透過蒸着したフィルムを得たところ、表2に示すとおり優れた特性を示した。
【0046】
実施例8
押出機I(主層)と押出機II(副層)より別々のポリエステルを溶融して、口金直前で主層/副層(積層比:8/1)に積層し、実施例1の延伸条件を変更し表1の特性を示す積層二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。該フィルムに蒸着を施し、酸化アルミニウム膜(膜厚45nm)が形成された透明蒸着したフィルムを得たところ、表1、2に示すとおり優れた特性を示した。
【0047】
比較例1〜4
実施例1の製膜条件を変更し、表1に示すフィルムを実施例1と同様に得た。さらに該フィルムに蒸着を施し、酸化珪素膜(45nm)が積層された透明蒸着フィルムを得た。表1、2に示す通りガスバリア性は劣るものであった。
比較例5〜8
表1に示すポリエステルと粒子添加により実施例1の製膜条件を各々変更し表1、2の特性を示す厚み12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。実施例1と同様に蒸着を施し、酸化珪素膜(膜厚44nm)が形成された透過蒸着したフィルムを得たところ、表2に示すとおりガスバリア性は劣るものであった。
【0048】
【表1】
Figure 0004247847
【表2】
Figure 0004247847
【0049】
【発明の効果】
本発明は、透明蒸着用ポリエステルフィルムの優れた酸素および水蒸気のガスバリア性を発現する蒸着用ポリエステルフィルムを得るに好適であり、食品包装として広く用いることができる。

Claims (8)

  1. 融点250〜280℃のポリエステルを主成分とする二軸延伸ポリエステルフィルムであって、フィルムの融解サブピーク(Ts)が230〜238℃、面配向係数が0.166〜0.18、フィルムの複屈折(Δn)が−0.04〜−0.005、少なくとも片面の中心線平均粗さ(Ra)が0.005〜0.03μmであることを特徴とする透明蒸着用ポリエステルフィルム。
  2. 150℃、30分の熱収縮率がフィルム長手方向で0.5〜2.0%、巾方向で−1.2〜0.5%であることを特徴とする請求項1に記載の透明蒸着用ポリエステルフィルム。
  3. フィルム厚み方向の屈折率が1.490〜1.505であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明蒸着用ポリエステルフィルム。
  4. フィルム長手方向及び巾方向の破断強度が200〜350MPaであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透明蒸着用ポリエステルフィルム。
  5. フィルムの複屈折(Δn)が−0.03〜−0.01、片面の中心線平均粗さ(Ra)が0.01〜0.025μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透明蒸着用ポリエステルフィルム。
  6. 面配向係数が0.16〜0.175であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透明蒸着用ポリエステルフィルム。
  7. 少なくとも2層以上から構成される複合ポリエステルフィルムであって、蒸着面の中心線平均粗さ(RaVM)が0.005〜0.03μm、非蒸着面の中心線平均粗さ(RaNVM )との差(ΔRa=RaNVM −RaVM)が0.003μm以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透明蒸着用ポリエステルフィルム。
  8. 少なくとも片面に融点210〜260℃のポリエステルを積層してなる請求項に記載の透明蒸着用ポリエステルフィルム。
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