JP2010260275A - インモールド転写箔用積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 浅絞り〜中絞り用途において、良好な印刷性と成形品の光沢感に優れ、かつ成形加工では低応力で容易に伸びる易成形性を有するインモールド転写箔用ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 ポリエステルからなるB層の一方の面にポリエステルからなるA1層が、もう一方の面にポリエステルからなるA2層が積層されたフィルムであって、A1層およびA2層の総厚さが全フィルム厚さの1〜30%の範囲であり、下記式(1)〜(4)を同時に満足することを特徴とするインモールド転写箔用積層ポリエステルフィルム。
0.58dl/g≦フィルムの極限粘度≦0.70dl/g …(1)
0.130≦ΔP≦0.160 …(2)
△n≦0.035…(3)
SRa≦0.050 …(4)
(上記式中、△P、ΔnおよびSRaは、明細書中に定義したとおりである)
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリエステルからなるB層の一方の面にポリエステルからなるA1層が、もう一方の面にポリエステルからなるA2層が積層されたフィルムであって、A1層およびA2層の総厚さが全フィルム厚さの1〜30%の範囲であり、下記式(1)〜(4)を同時に満足することを特徴とするインモールド転写箔用積層ポリエステルフィルム。
0.58dl/g≦フィルムの極限粘度≦0.70dl/g …(1)
0.130≦ΔP≦0.160 …(2)
△n≦0.035…(3)
SRa≦0.050 …(4)
(上記式中、△P、ΔnおよびSRaは、明細書中に定義したとおりである)
【選択図】 なし
Description
本発明は、浅絞り〜中絞り用途において、良好な印刷性(印刷ズレ)と成形品の光沢感に優れ、かつ成形加工では低応力で容易に伸びる易成形性を有するインモールド転写箔用ポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表される二軸配向ポリエステルフィルムは、良好な光学的特性、機械的特性、熱的特性、およびその他多くの優れた特性を有することから工業材料全般にわたり幅広い分野に使用されている。
この分野の中でもインモールド転写箔用のベースフィルムは、基材ポリエステルフィルムとして有用である。この転写箔の加工には片面に順次、離型層、図柄印刷層および接着層などの転写層を積層して構成され、目的に応じて転写層にハードコート層や金属蒸着層を積層されている。さらには、これら離型層や転写層に帯電防止剤や抗菌剤等の機能性剤を加え、転写箔としての機能が付与されている。
これら転写箔の転写方法には転写箔を射出成形用の金型内にセットし、樹脂成形品を成形するのと同時にその表面に転写箔シートを一体化して接着し、樹脂成形品に図柄を転写して装飾を施す。いわゆるインモールド転写法(成形同時転写法)が広く一般的に知られている。
このような転写方式は、ポリエステル基材の表面上に接着層を含む複数の積層構成された転写箔を用い、接着層を介して被転写物に転写する方法であり、携帯電話機、電気製品、自動車部品、化粧容器、玩具類など多岐にわたる樹脂成形品の表面に装飾や表面保護等の表面加工を施す目的で広範囲の用途に使用されている。
印刷および成形加工して用いる転写箔の基材フィルムには、従来、ポリエステル二軸配向フィルムが用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、極限粘度と密度が特定範囲内にあるポリエステル2軸延伸フィルムをスクラッチ加工して艶消し転写箔用フィルムとして用いることが提案されている(特許文献3参照)。
また、深絞り成形用フィルムとしては、成形応力が特定範囲内のポリエステルフィルムを用いること、すなわち、二軸配向ポリエチレンテレフタレートに比べて成形応力の低い共重合ポリエステルのフィルムを用いることが提案されている(特許文献4参照)。
また、成形等の工程用フィルムとして、ブタンジオール等から選択される2種以上のグリコール成分を含有するモノマー組成から重合されたポリエステルのフィルムを用いることが提案されている.
一方、成形用途においては、携帯電話や電気製品など、三次元曲面を成形する絞りの浅いものから自動車用などの絞りが深いものまで各種用途により成形加工の絞りが大きく異なる。この成形加工における成形絞りは、浅絞り、中絞り、深絞りに大別され、目的の用途に応じて好適な基材フィルムを選び用いられている。
一方、成形用途においては、携帯電話や電気製品など、三次元曲面を成形する絞りの浅いものから自動車用などの絞りが深いものまで各種用途により成形加工の絞りが大きく異なる。この成形加工における成形絞りは、浅絞り、中絞り、深絞りに大別され、目的の用途に応じて好適な基材フィルムを選び用いられている。
基材フィルムの重要な要件には離型層、図柄印刷および接着層など、コート加工や印刷加工で乾燥温度と張力の影響を受けて基材フィルムに伸び変形や幅収縮による熱寸法変化が生じて印刷ズレや有害な平面性悪化が発生する問題があるため、基材フィルムの特性は、或る一定の熱寸法安定性と機械的特性が求められる。しかしながら、この基材フィルムを用いて積層加工された転写箔は機械的強度も保持されているためインモールト成形時において変形応力が高いため金型との追随性が悪く、印刷の鮮明さに欠ける現象や成形破れが発生しやすい問題がある。
この深絞り用の基材フィルムにおいては基材そのものがフィルム設計上、柔らかい特性を有するため、この点を考慮して伸び変形に支障のない80〜100℃などの低温で加工されている。また絵付けする図柄が例えば同一色や木目調など、1工程の全面印刷である場合が多く、多少の熱寸法変化や伸び変形が生じても絵柄の品質上に支障をきたさない用途の転写箔用に使用されている。
一方、浅絞り〜中絞りの多くの用途においては、絵付けする図柄が3色〜7色など、多色印刷される場合が多く、かかる加工条件下において乾燥温度と加工張力の影響を受け、伸び変形や幅縮みが生じて印刷ズレや平面性(熱しわ等)悪化により、転写箔の品質上、致命的欠陥となる。
このため、浅絞り〜中絞り用の基材フィルムは、コート加工や印刷加工において縦方向に伸び変形を抑えるよう機械的強度が与えられている。しかしながら、このような基材フィルムを用いて得られた転写箔は機械的強度も保持されているためインモールト成形時において変形応力も高く、金型との追随性の悪化により印刷の鮮明さに欠ける現象や成形破れが発生しやすい問題がある。
近年、携帯電話機やパソコンなど、浅絞り〜中絞りの用途拡大に伴い、印刷性、成形性、光沢性において高度な性能要求が求められるようになってきた。その要求内容は、機械的伸び変形や熱寸法安定性にも優れ、かつインモールド成形加工では低応力で容易に伸びる特性が求められる。本発明の解決課題は、上記特性を有する基材フィルムを達成すべく、転写箔への積層加工領域における変形応力は機械強度を保持し、かつ熱寸法安定性が良好であること、さらにインモールド成形時の変形領域では低応力で変形し、かつ成形品の光沢感に優れた基材フィルムであって、この相矛盾する機械的強度の両特性を満たす浅絞り〜中絞り用に好適なインモールド転写箔用積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用することにより、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルからなるB層の一方の面にポリエステルからなるA1層が積層され、もう一方の面にポリエステルからなるA2層が積層された二軸配向積層ポリエステルフィルムであって、A1層およびA2層の総厚さが全フィルム厚さの1〜30%の範囲であり、下記式(1)〜(4)を同時に満足することを特徴とするインモールド転写箔用積層ポリエステルフィルムに存する。
0.58dl/g≦フィルムの極限粘度≦0.70dl/g …(1)
0.130≦ΔP≦0.160 …(2)
△n≦0.035…(3)
SRa≦0.050 …(4)
(上記式中、△Pは、A1層およびA2層のそれぞれについて、幅方向の屈折率(nX)、長手方向の屈折率(nY)、厚さ方向の屈折率(nZ)より下記式(5)から算出される面配向度であり、
△P=(nX+nY)/2−nZ …(5)
Δnは、A1層およびA2層それぞれについて、屈折率の差の絶対値(|nX−nY|)であり、SRaはA1層およびA2層のフィルム表面の中心面平均粗さである)
0.130≦ΔP≦0.160 …(2)
△n≦0.035…(3)
SRa≦0.050 …(4)
(上記式中、△Pは、A1層およびA2層のそれぞれについて、幅方向の屈折率(nX)、長手方向の屈折率(nY)、厚さ方向の屈折率(nZ)より下記式(5)から算出される面配向度であり、
△P=(nX+nY)/2−nZ …(5)
Δnは、A1層およびA2層それぞれについて、屈折率の差の絶対値(|nX−nY|)であり、SRaはA1層およびA2層のフィルム表面の中心面平均粗さである)
本発明によれば、浅絞り〜中絞りの用途において、印刷性、成形性および成形品の光沢感が良好となる優れたインモールト転写箔用に好適な積層ポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は非常に大きい。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のポリエステルフィルム(以下、「フィルム」と略称することがある)で使用するポリエステル樹脂について説明する。
まず、本発明のポリエステルフィルム(以下、「フィルム」と略称することがある)で使用するポリエステル樹脂について説明する。
本発明に用いられるポリエステルフィルムとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコ−ルとを主たる出発原料として得られるポリエステルであり、繰り返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレ−ト単位またはエチレン−2,6−ナフタレ−ト単位を有するポリエステルを指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件下に他の第三成分を含有していてもよい。芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等を用いることができる。グリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル以外に、例えば、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコール、ブタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の一種または二種以上を用いることができる。
重合触媒としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物やゲルマニウム化合物やチタン化合物が挙げられる。チタン化合物では、例えばテトラアルキルチタネート、テトラアリールチタネート、シュウ酸チタニル塩類、シュウ酸チタニル、チタンを含むキレート化合物、チタンのテトラカルボキシレート等であり、具体的にはテトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、シュウ酸チタニルアンモニウム、シュウ酸チタニルカリウム、チタントリアセチルアセトネート等が挙げられる。
また、本発明のポリエステル系フィルムは無機粒子、有機塩粒子や架橋高分子粒子を添加することができる。
無機粒子としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化リチウム、非晶質シリカ等が挙げられる。
有機塩粒子としては、蓚酸カルシウムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等が挙げられる。
架橋高分子粒子としては、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体が挙げられる。その他ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機粒子を用いてもよい。
本発明のポリエステルフィルムは延伸工程中および、またはその後のフィルムに接着性、帯電防止性、滑り性、離型性等の機能を付与するために、フィルムの片面または両面に塗布層を形成する方法やコロナ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明のポリエステルフィルムは表面オリゴマーを抑止する方法として、オリゴマー含有量の少ないポリエステル原料を用いることができる。このような原料は、通常の溶融重縮合反応で得たポリエステルのチップを減圧下あるいは不活性ガスの流通下で180℃から240℃にて 1時間から20時間程度保つという固相重合によって得ることができる。この原料のみまたはこの原料と通常の原料を混合して単層のポリエステルフィルムを製膜してもよく、また2層以上の多層構成とし、転写層と反対側の表面層にのみこの原料を用いてもよい。多層構成の場合、内層には通常のポリエチレンテレフタレートを用いてもよく、また成型同時転写用では、成形性を向上する目的で、イソフタル酸、テレフタル酸を共重合成分とした共重合ポリエステルやポリブチレンテレフタレートを用いてもよい。
本発明の転写箔用ポリエステルフィルムの総厚みは、本発明の転写箔用ポリエステルフィルムが使用される用途に応じ適宜選択されるため特に限定されないが、機械的強度、ハンドリング性、生産性、および経済性などの観点から、通常25〜125μm、好ましくは38〜75μmである。
本発明において、ポリエステルA1層およびA2層の総厚さが全フィルム厚さの1〜30%の範囲である。全フィルム厚さに1%未満では、粒子サイズや厚さ精度を考慮し好ましくなく、30%を超えると成形性が劣り好ましくない。
本発明の積層フィルムは、内層(B層)と外層(A1層およびA2層)で構成し、原料コスト面において、外層にコストの高い粒子を含有し、内層には無粒子原料やリサイクル原料を配合することで製造コスト削減を図ることができる。
本発明において、フィルムの極限粘度は上記フィルム製造時の製膜安定性と転写箔加工時の熱寸法安定性および成形性を鑑み、0.58〜0.70dl/gの範囲であることが必要である。本発明において、フィルム極限粘度は、好ましくは0.60〜0.70の範囲である。極限粘度が0.58dl/g未満では、耐熱性不足により印刷ズレや熱しわが起きやすく好ましくない。極限粘度が0.70dl/gを超えると、フィルムが硬くなり、金型追随性が低下し、成形破れが発生しやすくなり好ましくない。
本発明において、フィルムの面配向度(ΔP)は、0.130〜0.160の範囲であることが必要であり、好ましくは0.130〜0.150の範囲である。面配向度が0.130未満であると、熱寸法安定性が劣るため、熱加工工程で熱しわや印刷工程で印刷ズレ等が発生し、0.16を超えると成形性が劣り好ましくない。
また、本発明において、フィルムの複屈折率(Δn)は、0.035以下であり、好ましくは0.025以下、さらに好ましくは0.020以下である。Δnが0.035を超えると、フィルムの幅方向における伸び特性の差が大きくなり、印刷歪みや成形破れが発生しやすくなるため好ましくない。
本発明である転写箔用ポリエステルフィルムの表面粗度は用途に応じ適宜選択されるが、転写後の表面光沢感および積層加工時での巻き取り性やスリット性を考慮し、中心面平均粗さ(SRa)の値が0.050μm以下であり、好ましくは0.040μm以下、さらに好ましくは0.030以下である。
本発明において、耐熱性、成形加工性、寸法安定性の観点から、示差走査熱量計で測定される融解ピーク温度Tmが220〜260℃であることが好ましく、好ましくは230〜255℃である。Tmが220℃未満である場合は、耐熱性、寸法安定性に劣るため、印刷工程でシワが発生したり、成形加工後のフィルム表面が膨れ上がったりするため、絵柄模様の意匠性が損ねられる等の問題が発生することがある。一方、Tmが260℃を超える場合は、成形性、生産性が悪くなる傾向がある。
また、本発明において、示差走査熱量計より得られる二次転移温度Tgは、好ましくは50℃〜90℃、さらに好ましくは60℃〜80℃である。Tgが50℃以下では耐熱性が劣り、90℃を超えると、成形性に劣る傾向がある。
本発明のフィルムは、帯電防止能とブロキング防止能を併せ持つ帯電防止層を有する基材フィルムとして用いることが好ましい。
以下、帯電防止剤の詳細について説明する。
帯電防止剤は低分子量のアニオン系帯電防止剤を用いると、ポリエステルフィルムをロール状に巻いた状態で、帯電防止剤が転写層の離型層をコートする面に転移し、離型層のコートに悪影響を及ぼしたり、転写層を加工後に巻き上げた際に帯電防止剤が接着剤層に転移したりして、接着剤が所望した性能を発揮できないということが起こる。このような帯電防止剤の転移を防止するには、高分子量アニオン性化合物を用いるのが良い。また、カチオン系帯電防止剤の場合も、高分子量カチオン性化合物を用いることが望ましい。
帯電防止層の表面固有抵抗は、通常1×1013Ω以下、好ましくは1×1012Ω以下、さらに好ましくは1×1011Ω以下である。表面固有抵抗が1×1013Ωを超えると、帯電防止性能が劣り、工程での帯電起因による不具合を改善できないことがある。
帯電防止層は、上記のように帯電防止剤の転移が少ないか、ないことが特徴であるが、同時に転写層の接着剤とのブロキングを生じてはいけない。ブロッキングの生じない目安として、粘着テープ(セロテープ(登録商標))の粘着層との剥離力が2.4N/cm以下であることが好ましく、さらに好ましくは2.0N/cm以下、特に好ましくは1.7N/cm以下である。この値が2.4N/cmを超えると、ブロキング性改良効果は出ないことがある。
このような特性を満たす帯電防止剤としては、例えば、4級アンモニウム塩基を有する化合物がある。これは、分子中の主鎖や側鎖に、4級アンモニウム塩基を含む構成要素を持つ化合物を指す。そのような構成要素としては、例えば、ピロリジウム環、アルキルアミンの4級化物、さらにこれらをアクリル酸やメタクリル酸と共重合したもの、N−アルキルアミノアクリルアミドの4級化物、ビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩、2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等を挙げることができる。さらに、これらを組み合わせて、あるいは他の樹脂と共重合させても構わない。また、これらの4級アンモニウム塩の対イオンとなるアニオンとしては例えば、ハロゲン、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、硝酸等のイオンが挙げられる。
本発明においては、4級アンモニウム塩基を有する化合物は高分子化合物であることが望ましい。分子量が低すぎる場合は、帯電防止層から接着剤層へ静防剤が転移し、所望の接着効果が出なかったり、転写時に加熱ロールや金型に付着したりする。このような不具合を生じないためには、4級アンモニウム塩基を有する化合物の数平均分子量が、通常は1000以上、さらには2000以上、特に5000以上であることが望ましい。また一方で、かかる化合物は分子量が高すぎる場合は、塗布液の粘度が高くなりすぎる等の不具合を生じる場合がある。そのような不具合を生じないためには、数平均分子量が500000以下であることが好ましい。
粘着テープの粘着剤との剥離力を2.4N/cm以下とするには、帯電防止剤の選択が重要なだけではなく、剥離力をより小さくするには、ポリオレフィン系樹脂および/またはフッ素系樹脂を積極的に配合することが有効である。ポリオレフィン系樹脂やフッ素系樹脂としては、帯電防止剤と同様に転移の少ないもの、好ましくは転移のないものを配合することが好ましい。
本発明における塗布層は、インラインコーティングにより設けられるのが好ましい。インラインコーティングは、ポリステルフイルム製造の工程内で塗布を行う方法であり、具体的には、ポリエステルを溶融押出ししてから二軸延伸後熱固定して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法である。通常は、溶融・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸シート、その後に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルム、熱固定前の二軸延伸フィルムの何れかに塗布する。これらの中では、一軸延伸フィルムに塗布した後に横方向に延伸する方法が優れている。斯かる方法によれば、製膜と塗布乾燥を同時に行うことができるために製造コスト上のメリットがあり、塗布後に延伸を行うために薄膜塗布が容易であり、塗布後に施される熱処理が他の方法では達成されない高温であるために塗膜とポリエステルフィルムが強固に密着する。
塗布層の厚さは、乾燥後の厚さとして、通常0.001〜10μm、好ましくは0.010〜5μm、さらに好ましくは0.015〜2μmである。塗布層の厚さが0.001μm未満の場合は、帯電防止効果が十分に改良されない場合がある。塗布層の厚さが10μmを超える場合は、塗布層が粘着剤のような作用してロールに巻き上げたフィルム同士が相互に接着する、いわゆる謂ブロッキングを生じることがある。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(1)フィルム層の厚み
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)を用いて断面の顕微鏡写真を撮影し、表層の厚みを測定した。ただし、加速電圧は300KV、倍率は表層厚みに応じ、1万倍〜10万倍の範囲で設定した。厚み測定は50点行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を削除して30点を平均して測定値とした。
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)を用いて断面の顕微鏡写真を撮影し、表層の厚みを測定した。ただし、加速電圧は300KV、倍率は表層厚みに応じ、1万倍〜10万倍の範囲で設定した。厚み測定は50点行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を削除して30点を平均して測定値とした。
(2)極限粘度[η]
測定試料をフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量部)の溶媒に溶解させて濃度c=0.01g/cm3の溶液を調製し、30℃にて溶媒との相対粘度ηrを測定し、下記式より極限粘度[η]を求めた。
(ηr−1)/c=[η]+[η]2k’c
(ただし、上記式中、k’は0.33とした)
測定試料をフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量部)の溶媒に溶解させて濃度c=0.01g/cm3の溶液を調製し、30℃にて溶媒との相対粘度ηrを測定し、下記式より極限粘度[η]を求めた。
(ηr−1)/c=[η]+[η]2k’c
(ただし、上記式中、k’は0.33とした)
(3)面配向度(ΔP)、複屈折率(Δn)
アタゴ製アッベ式屈折計を使用した。ヨウ化メチレンをマウントして、試料フィルムを測定面が下になるようにプリズムに密着させ、単色光ナトリウムD線(589nm)を光源として長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(それぞれNx、Ny、Nz)を測定した。得られた値から下記式により各層の面配向度ΔPおよび複屈折率Δnを求めた。なお、測定試料は製品マスターロールの中央部分より採取した。
ΔP=(nX+nY)/2―nZ
Δn=|nX−nY|
アタゴ製アッベ式屈折計を使用した。ヨウ化メチレンをマウントして、試料フィルムを測定面が下になるようにプリズムに密着させ、単色光ナトリウムD線(589nm)を光源として長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(それぞれNx、Ny、Nz)を測定した。得られた値から下記式により各層の面配向度ΔPおよび複屈折率Δnを求めた。なお、測定試料は製品マスターロールの中央部分より採取した。
ΔP=(nX+nY)/2―nZ
Δn=|nX−nY|
(4)融解ピーク温度(Tm)
ティーエーイインスツルメント社製の示差走査熱良計「MDSC2920型」を使用し、ポリエステル樹脂約5mgを0℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温させた際に得られる融解に伴う吸熱ピークの温度をTmとした。
ティーエーイインスツルメント社製の示差走査熱良計「MDSC2920型」を使用し、ポリエステル樹脂約5mgを0℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温させた際に得られる融解に伴う吸熱ピークの温度をTmとした。
(5)二次転移温度(Tg)
ティーエーイインスツルメント社製の示差走査熱良計「MDSC2920型」を使用し、ポリエステル樹脂約5mgを0℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温させ、300℃で5分間溶融保持した後に0℃以下まで急冷し、次いで0〜300℃まで20℃/分で300℃まで昇温させた際に観測されるガラス転移に伴う転移点をTgとした。
ティーエーイインスツルメント社製の示差走査熱良計「MDSC2920型」を使用し、ポリエステル樹脂約5mgを0℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温させ、300℃で5分間溶融保持した後に0℃以下まで急冷し、次いで0〜300℃まで20℃/分で300℃まで昇温させた際に観測されるガラス転移に伴う転移点をTgとした。
(6)表面固有抵抗(Ω)
横河・ヒューレット・パッカード社の内側電極50mm径、外側電極70mm径の同心円型電極である16008A(商品名)を23℃、50%RHの雰囲気下で試料に設置し、100Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計である4329A(商品名)で試料の表面固有抵抗を測定した。
横河・ヒューレット・パッカード社の内側電極50mm径、外側電極70mm径の同心円型電極である16008A(商品名)を23℃、50%RHの雰囲気下で試料に設置し、100Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計である4329A(商品名)で試料の表面固有抵抗を測定した。
(7)中心面平均粗さ(SRa)
測定波長が554nmの光干渉法によるマイクロマップ社製512の非接触式3次元粗さ計を用い、232μm×177μmの測定領域におけるフィルム表面の中心面平均粗さSRa値を10点平均して求めた。
測定波長が554nmの光干渉法によるマイクロマップ社製512の非接触式3次元粗さ計を用い、232μm×177μmの測定領域におけるフィルム表面の中心面平均粗さSRa値を10点平均して求めた。
(8)印刷性
ロール状のフィルムサンプルを8MPaのテンションで巻出し、4色のグラビア印刷を施したあと、180℃にて30秒間乾燥することにより、絵柄印刷のフィルムを作成した。得られた絵柄印刷フィルムの印刷ズレを目視観察し、以下の基準にて判定した。
◎:印刷ズレ(フィルムの伸びと縮み)の発生が観察されない
○:僅かに印刷ズレが観察されるが実用上使用可能なレベルである
×:印刷ズレが観察され実用上使用不可のレベルにある(不合格)
ロール状のフィルムサンプルを8MPaのテンションで巻出し、4色のグラビア印刷を施したあと、180℃にて30秒間乾燥することにより、絵柄印刷のフィルムを作成した。得られた絵柄印刷フィルムの印刷ズレを目視観察し、以下の基準にて判定した。
◎:印刷ズレ(フィルムの伸びと縮み)の発生が観察されない
○:僅かに印刷ズレが観察されるが実用上使用可能なレベルである
×:印刷ズレが観察され実用上使用不可のレベルにある(不合格)
(9)成形性
上記(8)にて作成した絵柄印刷フィルムを、オスメス金型を用いて、底面直径50mm、深さ5mmの円筒状に100個/分の速度で連続成形した。得られたサンプルの状態を目視観察し、以下の基準にて判定した。
◎:100個中95個以上がフィルム破れの発生がなく、均一に成形されている
○:100個中80個以上がフィルム破れの発生がなく、均一に成形されている
×:100個中21個以上にフィルム破れが発生し、不良個所が多く観察される(不合格)
上記(8)にて作成した絵柄印刷フィルムを、オスメス金型を用いて、底面直径50mm、深さ5mmの円筒状に100個/分の速度で連続成形した。得られたサンプルの状態を目視観察し、以下の基準にて判定した。
◎:100個中95個以上がフィルム破れの発生がなく、均一に成形されている
○:100個中80個以上がフィルム破れの発生がなく、均一に成形されている
×:100個中21個以上にフィルム破れが発生し、不良個所が多く観察される(不合格)
(10)光沢感
上記(9)にて得た成形品表面の光沢感(外観品位)は目視観察し、以下の基準で判定した。
◎:十分な光沢感があり、加工品の表面には凹凸等の欠陥が観察されなかったもの
○:光沢感はやや劣るが実用上問題ないレベルのもの
×:光沢感が不十分で加工品の表面に凹凸等の欠陥が見られた(不合格)
上記(9)にて得た成形品表面の光沢感(外観品位)は目視観察し、以下の基準で判定した。
◎:十分な光沢感があり、加工品の表面には凹凸等の欠陥が観察されなかったもの
○:光沢感はやや劣るが実用上問題ないレベルのもの
×:光沢感が不十分で加工品の表面に凹凸等の欠陥が見られた(不合格)
次に実施例に使用するポリエステル原料について説明する。
<ポリエステル1>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとする滑剤粒径を含有しないポリエステルチップを製造した。
<ポリエステル1>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとする滑剤粒径を含有しないポリエステルチップを製造した。
<ポリエステル2>
溶融重縮合反応で得た上記ポリエステル1のチップを減圧下で180℃から240℃にて1時間から20時間程度保ち固相重合により、極限粘度が0.84dl/gに高めた滑剤粒径を含有しないポリエステルチップを製造した。
<ポリエステル3>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとし、平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.60部含有してポリエステルチップを製造した。
溶融重縮合反応で得た上記ポリエステル1のチップを減圧下で180℃から240℃にて1時間から20時間程度保ち固相重合により、極限粘度が0.84dl/gに高めた滑剤粒径を含有しないポリエステルチップを製造した。
<ポリエステル3>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとし、平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.60部含有してポリエステルチップを製造した。
比較例1:
A層(外層)、B(内層)の原料配合率は表1に示すとおり配合した後、押出機にて溶融させて、積層ダイに供給し、フィルム状に押出して35℃の冷却ドラム上にキャストして急冷固化し未延伸フィルムを作製した。次いで80℃の加熱ロールで予熱した後、赤外線加熱ヒーターと加熱ロールを併用して85℃のロール間で縦方向に3.2倍延伸した後、フィルム片面にグラビアコーターで5μm厚みとなるよう帯電防止コートを行い、次いでフィルム端部をクリップで把持してテンター内に導き、100℃の温度で加熱しつつ横方向に3.8倍延伸し、235℃で4秒間の熱処理を施した後、185℃で幅方向に3%弛緩し、厚み50μmの積層フィルムからなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。この時のA層の厚さが全厚さの15%になるよう調整して得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、印刷性、成形品の光沢感は良好だが極限粘度[η]が0.80と高いためフィルムが硬く成形性に劣る。
A層(外層)、B(内層)の原料配合率は表1に示すとおり配合した後、押出機にて溶融させて、積層ダイに供給し、フィルム状に押出して35℃の冷却ドラム上にキャストして急冷固化し未延伸フィルムを作製した。次いで80℃の加熱ロールで予熱した後、赤外線加熱ヒーターと加熱ロールを併用して85℃のロール間で縦方向に3.2倍延伸した後、フィルム片面にグラビアコーターで5μm厚みとなるよう帯電防止コートを行い、次いでフィルム端部をクリップで把持してテンター内に導き、100℃の温度で加熱しつつ横方向に3.8倍延伸し、235℃で4秒間の熱処理を施した後、185℃で幅方向に3%弛緩し、厚み50μmの積層フィルムからなる二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。この時のA層の厚さが全厚さの15%になるよう調整して得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、印刷性、成形品の光沢感は良好だが極限粘度[η]が0.80と高いためフィルムが硬く成形性に劣る。
比較例2および3:
A層、B層の原料配合率は表1のとおりで、A層の厚さ比率は全厚さの15%とし、製造条件は上記比較例1を適用して厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、比較例2は極限粘度[η]が0.74であり、硬く成形性に劣る。比較例3は極限粘度[η]が0.56と低いため成形性は良好だが印刷性に劣る。また、表面粗さ(SRa)が高いため成形品の光沢感に劣る。
A層、B層の原料配合率は表1のとおりで、A層の厚さ比率は全厚さの15%とし、製造条件は上記比較例1を適用して厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、比較例2は極限粘度[η]が0.74であり、硬く成形性に劣る。比較例3は極限粘度[η]が0.56と低いため成形性は良好だが印刷性に劣る。また、表面粗さ(SRa)が高いため成形品の光沢感に劣る。
比較例4:
A層、B層の原料配合率は表1のとおりで、A層の厚さ比率を15%から32%に変更し、製造条件は上記比較例1を適用し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、A層の極限粘度[η]が0.74の厚さ比率が高いため成形性に劣る。
A層、B層の原料配合率は表1のとおりで、A層の厚さ比率を15%から32%に変更し、製造条件は上記比較例1を適用し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、A層の極限粘度[η]が0.74の厚さ比率が高いため成形性に劣る。
比較例5:
A層、B層の原料配合率は表1のとおりで、A層の厚さ比率は全厚さの15%とし、製造条件は上記比較例1を適用し、縦倍率を3.2倍から2.8倍に、横倍率を3.8倍から3.5倍に低倍率化に変更し、且つ、熱処理温度を235℃から240℃に変更して厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、フィルムの面配向度(△P)が低いため成形性は良好だが印刷性に劣る。
A層、B層の原料配合率は表1のとおりで、A層の厚さ比率は全厚さの15%とし、製造条件は上記比較例1を適用し、縦倍率を3.2倍から2.8倍に、横倍率を3.8倍から3.5倍に低倍率化に変更し、且つ、熱処理温度を235℃から240℃に変更して厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、フィルムの面配向度(△P)が低いため成形性は良好だが印刷性に劣る。
比較例6:
A層、B層の原料配合率は表1のとおりで、A層の厚さ比率は全厚さの15%とし、製造条件は上記比較例1を適用し、縦倍率を3.2倍から3.6倍に、横倍率を3.8倍から4.2倍へ高倍率化に変更して、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、フィルムの面配向度(△P)が高いため印刷性は良好だが成形性に劣る。
A層、B層の原料配合率は表1のとおりで、A層の厚さ比率は全厚さの15%とし、製造条件は上記比較例1を適用し、縦倍率を3.2倍から3.6倍に、横倍率を3.8倍から4.2倍へ高倍率化に変更して、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、フィルムの面配向度(△P)が高いため印刷性は良好だが成形性に劣る。
実施例1:
A層、B層の原料配合率は比較例6と同じで、A層の厚さ比率を15%から10%とし、製造条件は上記比較例1を適用し、横倍率を3.8倍から4.1倍に変更し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は下記表2に示すとおりであった。この結果より、成形性、成形品の光沢感、共に良好で、印刷性も使用上に実害ない範囲で良化した。
A層、B層の原料配合率は比較例6と同じで、A層の厚さ比率を15%から10%とし、製造条件は上記比較例1を適用し、横倍率を3.8倍から4.1倍に変更し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は下記表2に示すとおりであった。この結果より、成形性、成形品の光沢感、共に良好で、印刷性も使用上に実害ない範囲で良化した。
実施例2:
A層、B層の原料配合率およびA層の厚さ比率を比較例6と同じで、実施例1を適用し、横倍率を4.2倍から3.8倍に変更し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表2に示すとおりであった。この結果より、印刷性、成形性、成形品の光沢感、共に良好であった。
A層、B層の原料配合率およびA層の厚さ比率を比較例6と同じで、実施例1を適用し、横倍率を4.2倍から3.8倍に変更し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表2に示すとおりであった。この結果より、印刷性、成形性、成形品の光沢感、共に良好であった。
本発明のフィルムは、例えば、インモールド転写箔用として好適に利用することができる。
Claims (1)
- ポリエステルからなるB層の一方の面にポリエステルからなるA1層が積層され、もう一方の面にポリエステルからなるA2層が積層された二軸配向積層ポリエステルフィルムであって、A1層およびA2層の総厚さが全フィルム厚さの1〜30%の範囲であり、下記式(1)〜(4)を同時に満足することを特徴とするインモールド転写箔用積層ポリエステルフィルム。
0.58dl/g≦フィルムの極限粘度≦0.70dl/g …(1)
0.130≦ΔP≦0.160 …(2)
△n≦0.035…(3)
SRa≦0.050 …(4)
(上記式中、△Pは、A1層およびA2層のそれぞれについて、幅方向の屈折率(nX)、長手方向の屈折率(nY)、厚さ方向の屈折率(nZ)より下記式(5)から算出される面配向度であり、
△P=(nX+nY)/2−nZ …(5)
Δnは、A1層およびA2層それぞれについて、屈折率の差の絶対値(|nX−nY|)であり、SRaはA1層およびA2層のフィルム表面の中心面平均粗さである)
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- 2009-05-08 JP JP2009113198A patent/JP2010260275A/ja active Pending
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