JP5363176B2 - 離型フィルム - Google Patents
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Description
本発明は、上記要求を十分に満足すべく、耐熱性、成形性、離型性を同時に備えた離型フィルムを提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記離型フィルムを用いた成形用シートを包含する。
したがって、本発明の離型フィルムは、成形部材の表面保護用途、成形用途、とりわけ成形同時加飾用途に好適に用いることができる。
<基材フィルム>
本発明における基材フィルムは、融点が210℃以上245℃以下のエチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステル樹脂(I)、および融点が210℃以上225℃以下のブチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステル樹脂(II)を、少なくともその構成成分とする組成物からなる。また、本発明における基材フィルムは、フィルムとした後の融点が210〜245℃であることが好ましく、210〜230℃であることがさらに好ましい。
本発明における基材フィルムは、融点が210℃以上245℃以下のエチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステル樹脂(I)を構成成分として含有する組成物からなる。ここで「エチレンテレフタレート単位を主体とする」とは、テレフタル酸成分を全ジカルボン酸成分の75モル%以上含有すること、好ましくは85モル%以上含有すること、かつエチレングリコール成分を全ジオール成分の75モル%以上含有すること、好ましくは85モル%以上含有することを示す。
本発明における基材フィルムは、融点が210℃以上225℃以下のブチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステル樹脂(II)を構成成分として含有する組成物からなる。ここで「ブチレンテレフタレート単位を主体とする」とは、テレフタル酸成分を全ジカルボン酸成分の75モル%以上含有すること、好ましくは85モル%以上含有すること、かつテトラメチレングリコール成分を全ジオール成分の75モル%以上含有すること、好ましくは85モル%以上含有することを示す。
本発明における基材フィルムが、後述するヘーズや表面粗さ(SRz)を有するものであるためには、フィルム内部に粒子などの他成分や不純物を含有しないことが最も好ましいが、フィルム同士のブロッキングを防止し、ハンドリング性を優れたものとするためにフィルム中に滑剤粒子を含有させることができる。その場合には、滑剤粒子の平均粒径を2.5μm未満とすることが好ましく、2.0μm未満とすることがより好ましく、添加量を1質量%未満とすることが好ましく、0.1質量%未満とすることがより好ましい。滑剤粒子の種類は特に限定されないが、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリンなどの無機微粒子、触媒残渣の析出微粒子および/またはシリコーン、ポリスチレン架橋体、アクリル系架橋体などの有機微粒子などを好ましいのもとして挙げることができる。各種加工工程へのシリコーンのブリードアウトを考慮すると、例示した中でもシリコーンを含まない無機系の滑剤粒子がより好ましい。また、フィルム内部に滑剤粒子を含有させない場合には、アンチブロッキング効果を奏する物質を内部に含有する表面易滑処理層を基材フィルム表面に塗設することが好ましい。
平均粒径(D)=測定粒子の面積円相当径の総和/測定粒子の数
本発明における基材フィルムは、100℃における100%伸長時の応力が、いかなる方向においても10MPa以上150MPa以下であることが好ましい。ここで、「いかなる方向においても」とは、フィルムの「縦方向(0°方向)、15°方向、30°方向、45°方向、60°方向、75°方向、横方向(90°方向)、105°方向、120°方向、135°方向、150°方向、165°方向において」の意味を示す。100℃における100%伸長時の応力は、成形加工工程における成形性の尺度となり、上記数値範囲にあると成形性に優れる。かかる応力が150MPaを越える場合は、基材フィルムが剛直すぎる傾向にあり、成形性に劣る傾向にある。他方、10MPa未満の場合は、変形時に適度な応力が掛かりにくくなる傾向にあり、均等に成形することが困難となる傾向にある。このような観点から、100%伸長時の応力は、いかなる方向においても20MPa以上110MPa以下であることがより好ましく、いかなる方向においても30MPa以上60MPa以下であることが特に好ましい。なお、本発明においては、離型層はかかる100%伸長時の応力にほとんど影響を与えず、そのため基材フィルムの100%伸長時の応力と離型フィルムの100%伸長時の応力とは同じになる。
本発明における基材フィルムは、フィルムの面配向係数が0.10以上0.16以下である。これにより成形性に優れる。また、上記のような応力特性を得やすくなる。また、本発明における離型層との密着性に特に優れる。ここで面配向係数とは、アッベ法にて測定されたフィルムの各方向成分の屈折率から、次の計算式(A)によって計算されたものである。計算式(A)中のPは面配向係数、nMDはフィルムのMD方向の屈折率、nTDはフィルムのTD方向の屈折率、nZはフィルム面に垂直な厚み方向の屈折率を示す。なお、「MD方向」とはフィルムの面に平行で且つフィルム製膜方向と平行な方向(縦方向、長手方向と呼称する場合がある)を、「TD方向」とはフィルムの面に平行で且つ製膜方向に垂直な方向(横方向、幅方向と呼称する場合がある)である。
P=[(nMD+nTD)/2]−nZ ・・・(A)
上記のような応力特性や面配向係数を具備する基材フィルムは、従来公知のフィルムの製造方法を適宜調整することで製造できる。製造方法としては、フィルムの縦方向および横方向のそれぞれで、配向状態や伸長応力などのフィルム特性を容易に調整することができる二軸延伸法が好ましい。具体的には、本発明で使用するポリエステル樹脂のペレットを乾燥後溶融し、ダイから冷却ドラム上に押出して冷却し、未延伸フィルムを得る。そして該未延伸フィルムを、4〜15倍の面積延伸倍率となるように、逐次または同時2軸延伸し、(フィルム融点−10)℃以下の温度にて熱固定すればよい。
本発明における離型層は、離型性を有する成分と帯電防止性を有する成分とを構成成分として含有するものである。
離型性を有する成分(離型剤)としては、長いアルキル側鎖をもつポリマーが好ましく、炭素数12以上、特に16〜20のアルキル鎖をもつアルキルアクリレートとアクリル酸とのコポリマーがさらに好ましい。アルキルアクリレートのアルキル鎖の炭素数が12未満では十分な剥離性が得られないことがある。
本発明においては、離型剤としてフッ素系離型剤も用いることができる。
帯電防止性を有する成分(帯電防止剤)としては、界面活性剤や導電性樹脂等任意の帯電防止能を持つ化合物を包含する。
本発明においては、離型層の強度および成形性、基材フィルムへの密着性、耐水性、耐溶剤性、耐ブロッキング性などの特性を向上するために、離型層がバインダーを含有することが好ましい。
本発明における離型層の厚みは、好ましくは0.01μm以上1μm以下、さらに好ましくは0.02μm以上0.3μm以下である。厚みが0.01μm未満であると十分な帯電防止効果や離型性が得られないことがあり、他方1μmを超える離型層は、過剰品質であり不経済である。
本発明の離型フィルムは、上述した基材フィルムの少なくとも片方の面に、上述した離型層を有するものである。
本発明の離型フィルムは、少なくとも片方の表面における表面粗さ(SRz)が、好ましくは1500nm以下、さらに好ましくは1300nm以下、特に好ましくは1200nm以下である。表面粗さ(SRz)が上記数値範囲にあると、平滑性に優れ、フィルムの表面凹凸形状が成形歩合表面へ転写したとしても、その影響を小さくすることができ、外観の良好な成形部材を得ることができる。表面粗さ(SRz)が上記数値範囲を超えると、離型フィルム表面の凹凸形状が成形部材表面に転写し、成形部材の外観に劣る傾向にある。表面粗さ(SRz)の下限は特に規定されるものではないが、500nm程度である。又、巻き特性(取り扱い性)を考慮すると800nm以上であることが好ましい。このような表面粗さ(SRz)とするには、基材フィルムが含有する滑剤粒子の態様を適宜調整すればよく、例えば上述したような本発明における好ましい滑剤粒子の態様とすればよい。
本発明の離型フィルムは、離型層表面における剥離力が、好ましくは20g/25mm以上400g/25mm以下、さらに好ましくは30g/25mm以上150g/25mm以下、特に好ましくは30g/25mm以上50g/25mm以下である。尚、ここで剥離力は、ポリエステル粘着テープ(日東電工株式会社製、品番:31B)を測定面に貼り付け、300mm/分の速度で180度の角度で剥離するときの剥離力を表す。剥離力が上記数値範囲にあると、金型との離型性に優れ、成形加工工程においてフィルムが金型へ貼り付いてしまうのを抑制することができ、成形部材の生産性をより向上することができる。また、離型フィルムを巻き取った際の耐ブロッキング性に優れる。それにより、離型層を有しない側の表面における離型剤成分等による汚染を抑制することができ、成形部材の外観をより良くすることができる。
本発明の離型フィルムは、離型層表面における表面固有抵抗が、好ましくは107Ω/□以上1013Ω/□以下、さらに好ましくは107Ω/□以上1010Ω/□以下である。表面固有抵抗が上記数値範囲にあると、離型フィルムにゴミ等の異物が付着しにくくなり、それにより成形加工工程における成形不良やフィルム破断を抑制できる。また、外観のより良好な成形部材を得ることができる。また、金型からの剥離性に優れる。
本発明の離型フィルムは、ヘーズが10%以下であることが好ましい。ヘーズが上記数値範囲にあると、成形同時加飾用途において、フィルムが成形部材に残存する用途では、意匠が見やすくなる、光沢感に優れる等の効果が得られ、結果として外観の優れた成形部材を得ることができる。また、フィルムが成形部材に残存しない用途においても、フィルムに意匠を印刷後、成形加工前に意匠の欠点を確認することが容易となり、結果として外観に優れた成形部材を得ることが容易となる。このような観点から、ヘーズは8%以下であることがさらに好ましい。ヘーズの下限は低ければよく、特に限定されないが、実質的な下限は0.1%以上である。このようなヘーズとするには、基材フィルムが含有する滑剤粒子の態様を適宜調整すればよく、例えば上述のような本発明における好ましい粒子の態様とすればよい。
本発明の離型フィルムは、上記離型剤、帯電防止剤、任意に配合してもよいバインダー等、離型層を構成する各構成成分を含有する塗液を調製して、かかる塗液を基材フィルムに塗布し、得られた塗膜を乾燥することにより形成することができる。かかる塗液の調製に用いられる媒体としては、各構成成分の溶解性の観点から、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの有機溶剤を例示することができる。これらは単独で用いることもできるし、もしくは溶解性をさらに高めて、それにより離型層の外観をさらに良くするという観点から、複数を組み合わせた混合溶剤を用いることができ、好ましい。また、かかる媒体としては、上記のような有機溶剤が好ましいが、水性塗液(水を媒体とするもの)を用いることも可能である。
樹脂サンプルの場合は10mg、フィルムサンプル(離型フィルム)の場合は20mgサンプリングし、アルミニウムパンに充填したものを示差走査熱量測定装置(DuPont Instrument910 DSC)にセットし、20℃/分の速度で室温から290℃まで昇温した。空のアルミニウムパンを対照として熱量変化を記録し、最も高温部の吸熱のピークに相当する温度を基材フィルムの融点(単位:℃)とした。なお、本発明においては、上記測定において離型層に由来するピークがあったとしても、離型層と基材フィルムとの質量の差が十分に大きいため、基材フィルムに由来する融解ピークを明確に判断することができる。
得られた離型フィルムについて、縦方向、横方向および厚み方向の各方向の屈折率をアッベ法にて測定し、得られた屈折率を基材フィルムの屈折率とした。また、面配向係数は前述の計算式によって計算し、基材フィルムの面配向係数とした。
基材フィルムの両面に離型層を有する場合は任意の離型層表面について、基材フィルムの一方の表面に離型層を有する場合は離型層を有しない側の表面について測定した。三次元粗さ測定機(小坂研究所製SE―3CK)を用いて、針径2μmR、針圧30mg、測定長1mm、サンプリングピッチ2μm、カットオフ0.25mm、縦方向拡大率2万倍、横方向拡大率200倍、走査本数100本の条件にてフィルム表面の三次元表面プロファイルを得た。得られたプロファイルから、10点平均表面粗さを求め、表面粗さ(SRz)(単位:nm)とした。
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用して離型フィルムのヘーズ(単位:%)を測定した。
離型フィルムの離型層表面に、ポリエステル粘着テープ(日東電工株式会社製、型番:31B、25mm幅)を、2kgのローラーを用いて均一な力で貼り合わせてサンプルを作成した。作成したサンプルから、引っ張り試験機機にて、ポリエステル粘着テープを速度300mm/分、角度180度で剥離した時の剥離力を測定した。かかる測定を任意の5箇所について実施し、それらの平均値を剥離力(単位:g/25mm)とした。
離型層表面について、タケダ理研社製の固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度65%RHの雰囲気で、印加電圧100Vで1分後の表面固有抵抗を測定した。かかる測定を任意の5箇所について実施し、それらの平均値を表面固有抵抗(単位:Ω/□)とした。
金型に、得られた離型フィルムを、離型層側が金型側、反対側が射出側となるように設置し、10cm角の大きさで、立ち上がり20mm、コーナー部のRが2mmのトレー状成形品を射出成形した。この時、成形用の樹脂には、ポリカーボネート/ABS樹脂アロイを用い、樹脂温度260℃、金型温度50℃、樹脂圧力約350MPaとした。離型フィルムが被覆された状態で成形化工品の外観観察してから、フィルムを剥離し、成形部品を得た。
[成形状況評価基準]
本工程における成形状況を、以下の指標により評価した。
○:フィルムが破れず、シワも無い。
×:フィルムが破れた、もしくは大量のシワが発生した。
××:フィルムとトレー状成形品および/または金型と離型フィルムが融着した。
[剥離前外観評価基準]
離型フィルムが被覆された状態で成形加工品の外観を、以下の指標により評価した。
○:フィルムに曇りが見られず、成形品表面を明瞭に観察できる。
×:フィルムに曇りが見られ、成形品表面を観察しにくい。
[剥離後外観評価基準]
得られたトレー状成形品の外観を、以下の指標により評価した。
○:成形品表面に凹凸形状の転写が見られない。
×:成形品表面に凹凸形状の転写が見られる。
測定装置として、チャック部を加熱チャンバーで覆った引張試験機(東洋ボールドウィン社製の商品名「テンシロン」)を用いて測定した。得られた離型フィルムから、縦方向(0°方向)、15°方向、30°方向、45°方向、60°方向、75°方向、横方向(90°方向)、105°方向、120°方向、135°方向、150°方向、165°方向について、それぞれの方向を長辺とする100mm×10mmの長方形のサンプルを採取し、あらかじめ100℃に加熱した前記装置のチャンバー内で間隔を50mmにセットしたチャックに挟んで固定した後、50mm/分の速度で引張り、試験機に装着されたロードセルで荷重を測定した。そして、チャック間距離が50mm伸長した時点の荷重を読取り、引張前のサンプル断面積で割って応力(MPa)を計算した。得られた12方向、計12点のデータ中の最大値、最小値のいずれもが、本発明の範囲内に入っているかを評価した。
(基材フィルム)
固有粘度0.65dl/g(35℃のo−クロロフェノール中で測定、以下同じ)のポリエチレン(テレフタレート−イソフタレート)共重合体(テレフタル酸成分/イソフタル酸成分モル比=88/12、融点223℃、ポリエステル樹脂(I)、PET/IA12と表記する場合がある)のペレット(滑剤粒子として平均粒径1.5μmの多孔質シリカ粒子0.01質量%を含有する)[*1]と、固有粘度0.9のポリブチレンテレフタレート(融点218℃、ポリエステル樹脂(II)、PBTと表記する場合がある)のペレット[*2]とを、[*1]/[*2]=55/45(質量比)となるように混合した組成物を、乾燥後、押出機に供給し、20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出して、厚み480μmの未延伸フィルムを製膜した。
次に40℃で余熱し、115℃で製膜方向(縦方向)に3.0倍延伸し、さらに70℃で余熱し、90℃で製膜方向に垂直な方向(横方向)に3.2倍延伸し、さらに横方向に固定したまま全幅の3%の弛緩を与えながら190℃で2秒間熱固定処理し、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
帯電防止性を有する成分として第四級アンモニウム塩型カチオン性高分子化合物(綜研科学株式会社製、エレコンドPQ−50B)、離型性を有する成分としてポリエチレンイミンオクタデシルカルバメート(日本触媒株式会社製、RP−20)、バインダーとしてポリエステル樹脂(日立化成工業株式会社製、エスペル1510)、及び架橋剤としてメラミン系化合物(三和ケミカル株式会社製、ニカラックNS−11)を、20/20/40/20(固形分質量比)の比率で混合し、酢酸エチルとトルエンとの50:50体積%混合溶剤で、塗液の固形分濃度が1質量%となるように希釈し、塗液を調製した。
調製した塗液を、上記で得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの片面にグラビアコーターを用いて5g/m2のウェット塗布量となるように塗布し、100℃で2分間乾燥、硬化させ、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表1および表2に示す。なお、離型フィルムにおける離型層の厚みは5μmとなる。
PET/IA12のペレット(滑剤粒子として平均粒径1.5μmの多孔質シリカ粒子0.01重量%を含有する)[*1]と、PBTのペレット[*2]との質量比を45/55とした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表1および表2に示す。
実施例1および2で得られた離型フィルムは、成形性に優れるものであった。また、金型からの剥離が非常に容易であった。また、基材フィルムと離型層との密着性に優れ、金型の汚染がなかった。
ポリエチレンテレフタレートホモポリマー(固有粘度0.65dl/g、融点256℃)のペレット(滑剤粒子として平均粒径1.5μmの多孔質シリカ粒子0.005質量%を含有する)のみを用いて、ホモポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルムとした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表1および表2に示す。
比較例1で得られた離型フィルムは、基材フィルムが不適であり、成形加工できなかった。また、基材フィルムと離型層との密着性に若干劣り、僅かに金型の汚染が見られた。
離型層において、離型性を有する成分としてのポリエチレンイミンオクタデシルカルバメートを用いない以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表1および表2に示す。
比較例2で得られた離型フィルムは、離型層が不適であり、金型からの剥離が困難であった。
PET/IA12のペレットに添加した滑剤粒子を、平均粒径2.7μmの凝集シリカ粒子0.3質量%とした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表1および表2に示す。
Claims (6)
- 基材フィルムの少なくとも片方の面に離型層を有する離型フィルムであって、基材フィルムが、融点が210℃以上245℃以下のエチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステル樹脂(I)、および融点が210℃以上225℃以下のブチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステル樹脂(II)を、少なくともその構成成分とする組成物からなり、面配向係数が0.10以上0.16以下であり、離型層が帯電防止性を有する成分と離型性を有する成分とを構成成分として含有し、該離型層表面における剥離力が400g/25mm以下である、離型フィルム。
- 離型性を有する成分が、ポリビニルアルコール又はポリエチレンイミンを塩素化アルキロイル又はアルキルイソシアネートで長鎖アルキル化した共重合体であり、帯電防止性を有する成分が、第4級アンモニウム塩型カチオン性化合物である請求項1に記載の離型フィルム。
- 離型層がバインダーを含有する請求項1または2に記載の離型フィルム。
- 100℃における100%伸長時の応力がいかなる方向においても10MPa以上150MPa以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の離型フィルム。
- 少なくとも片方の表面における表面粗さ(SRz)が1500nm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の離型フィルム。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の離型フィルムを用いた成形用シート。
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