JP2005105255A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】脂肪族ポリエステルでありながら、耐熱性が良好であり、しかも、静電気の発生が少ない二軸配向ポリエステルフィルム二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】繰り返し単位として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の単位と1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の単位とを主成分とし、その融点が200℃以上であるポリエステルから成る二軸配向ポリエステルフィルムであって、その少なくとも片面に塗布層を有し、当該塗布層の表面固有抵抗値が1×1013Ω以下であり、130℃における長手方向および幅方向の熱収縮率が共に5%以下である。
【選択図】 なし
【解決手段】繰り返し単位として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の単位と1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の単位とを主成分とし、その融点が200℃以上であるポリエステルから成る二軸配向ポリエステルフィルムであって、その少なくとも片面に塗布層を有し、当該塗布層の表面固有抵抗値が1×1013Ω以下であり、130℃における長手方向および幅方向の熱収縮率が共に5%以下である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、脂肪族ポリエステルでありながら、耐熱性が良好であり、しかも、静電気の発生が少ない二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートに代表される芳香族ポリエステルを使用した二軸配向フィルムは、その機械的強度、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性とコストのバランスに優れ、多岐に亘る分野で使用されている。
ところで、芳香族ポリエステルは、芳香族環が分子鎖にあることで剛直性が保たれ、耐熱性・機械的強度が向上すると考えられるが、他方で、分子鎖の芳香族環が光の透過性を阻害する要因となり、更に、二軸配向フィルムではこの芳香族環がフィルム平面に平行に配向するため、光の透過性がより悪化する欠点を有している。これに対し、分子内に芳香族環を有しない脂肪族ポリエステルは、概して透明性には優れているが、耐熱性に劣ることが多く、二軸延伸フィルムを得られるものは少数に限られている(例えば特許文献1〜5参照)。
また、一般に、ポリエステルフィルムは、単体で使用されることもあり得るが、多くの場合、後加工を行って何らかの機能を有する層を積層して使用される。しかも、その機能層は極めて多岐に亘る。ところで、この後加工の際に、ポリエステルフィルムが帯電し易い場合には、フィルムに発生した静電気が塵や埃を吸着することにより、フィルム表面が汚染され、異物欠陥の原因となることがしばしば問題となっている。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、脂肪族ポリエステルでありながら、耐熱性が良好であり、しかも、静電気の発生が少ない二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、特定の組成および物性を有する脂肪族ポリエステルから成るフィルムの少なくとも片面に、特定の表面固有抵抗値を持つ塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムによれば、フィルムの耐熱性および帯電防止性を両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、繰り返し単位として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の単位と1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の単位とを主成分とし、その融点が200℃以上であるポリエステルから成る二軸配向ポリエステルフィルムであって、その少なくとも片面に塗布層を有し、当該塗布層の表面固有抵抗値が1×1013Ω以下であり、130℃における長手方向および幅方向の熱収縮率が共に5%以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、脂肪族ポリエステルでありながら耐熱性に優れており、かつ、帯電防止性能を持つ塗布層を有している。このため静電気によって塵や埃でフィルム表面が汚染される程度を低く抑えることが可能となる。また、この塗布層はハードコートとの接着性および塗布層を含めたフィルムの透明性も良好であるため、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、各種光学用途に有用であり、その工業的価値は高い。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、未延伸フィルムや一軸方向のみに延伸されたフィルムではなく、長手方向および幅方向に逐次に又は同時に二軸延伸され、その後、熱固定された二軸配向ポリエステルフィルムであることが必要である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、繰り返し単位として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の単位と1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の単位とを主成分とする重縮合体である。ここで言う主成分とは、ジカルボン酸成分中の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の割合が通常95モル%以上、好ましくは98モル%以上であり、ジオール成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの割合が通常95モル%以上、好ましくは98モル%以上であることを意味する。
また、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の単位中のトランス体の割合は、通常80モル%以上、好ましくは85モル%以上であり、1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の単位中のトランス体の割合は、通常60モル%以上、好ましくは65モル%以上である。
ジカルボン酸成分由来の単位およびジオール成分由来の単位の構成比率が上記範囲を満たさない場合には、得られるポリエステルの融点が低くなり、本発明で規定する後述の範囲を満足しないことが多い。
上記のジカルボン酸成分由来の単位およびジオール成分由来の単位の構成比率範囲内で、使用することの出来る他のジカルボン酸成分としては、シス体1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。また、他のジオール成分としては、シス体1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオールが挙げられる。
本発明で使用するポリエステルは、その融点が200℃以上であることが必要であり、好ましい融点は210℃以上であり、その上限は通常245℃である。融点が200℃未満である場合には、ポリエステルの耐熱性が不足し、二軸配向した後の熱固定温度を高く設定することが出来なくなり、結果的に二軸配向ポリエステルフィルムの収縮率が大きくなるため好ましくない。
また、ポリエステルの重合度に関しては、フェノール−テトラクロロエタン(重量比1:1)の混合溶媒で、30℃で測定した固有粘度として、通常0.55dl/g以上、好ましくは0.65dl/g以上である。斯かる条件を満足することにより、製膜時の連続性および製膜したフィルムの機械的強度の低下を防ぐことが出来る。固有粘度の上限は通常1.5dl/gである。
本発明で使用するポリエステルには、フィルムに滑り性を付与してハンドリング性を改良するための一つの方法として、ポリエステルに対して実質的に不活性な微粒子を添加することが出来る。斯かる微粒子としては、具体的には、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル樹脂などの有機ポリマーから成る粒子、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの無機粒子などから選択することが出来る。これらの中でも特に透明性を要求される用途に対しては、一次粒子の凝集体である非晶質シリカがフィルムの滑り性を維持しつつ透明性も兼ね備えることが出来る粒子として好適に使用される。これらの微粒子は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用することも出来る。
上記の微粒子の平均粒径は、通常0.05〜4μm、好ましくは0.1〜3μmである。ポリエステル中への添加量は、通常0.005〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。また、微粒子は、初めから所定量がポリエステルに添加されていてもよいし、高濃度のマスターバッチを調製し、これに微粒子を含有しないポリエステルを添加して希釈する形で所定の粒子量とする方法を使用してもよい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、厚さ方向の層構成が単層でもよいが、少なくとも2層、好ましくは3層以上を溶融押出時に積層して成る共押出フィルムであってもよい。特に、積層構成が3層以上の場合には、2つの表層と中間層と有するが、表層のみに前述の微粒子を添加して中間層には微粒子を添加しないことにより、透明性を悪化させずに滑り性を改善することが出来るので好ましい。ただし、これらの積層フィルムを構成する各層のポリエステルは、全て前述した融点範囲を満たす必要がある。
本発明においては、フィルムに滑り性を付与してハンドリングを改良するための他の方法として、フィルム中には実質的に微粒子を含有させず、後述する様に塗布層中に微細な粒子を添加する方法を使用することも出来る。
本発明で使用するポリエステルには、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で公知の添加剤を添加することが出来る。斯かる添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、潤滑剤、難燃剤などが挙げられ、その添加方法は、微粒子の場合と同様に、マスターバッチを作成して添加する方法を使用することも出来る。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、その少なくとも片面に塗布層を有し、当該塗布層の表面固有抵抗値が1×1013Ω以下であることが必要である。塗布層の表面固有抵抗値が1×1013Ωを超える場合には、帯電防止効果が不足し、本発明の目的を達成することが出来ない。塗布層の表面固有抵抗値は好ましくは1×1012Ω以下であり、その下限は通常1×107Ωである。
上記の塗布層は、二軸配向した後に熱固定を加えて結晶配向化が完了したフィルムに対して塗設した塗布層でもよいが、ポリエステルフィルムを製造する製膜工程内において、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムの片面または両面に、主として水を媒体とした塗布液をコートした後、少なくとも1方向に延伸し、更に、熱固定を施す、所謂インラインコート法で塗設した塗布層の方が、生産性および塗布層とポリエステルフィルムとの強固な密着性が得られる点で好適である。
上記塗布層には、前述した表面固有抵抗値を達成するために以下の様な帯電防止剤を添加する必要がある。
例えば、アニオン系帯電防止剤としては、アルキルスルホン酸の金属塩または4級アミン塩、アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩または4級アミン塩、燐酸エステルの金属塩または4級アミン塩、アルキル燐酸エステルの金属塩または4級アミン塩、ポリスチレンスルホン酸の金属塩または4級アミン塩、スチレンスルホン酸とラジカル重合が可能な二重結合を有するモノマー(エチレン、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルエーテル等)との共重合体ポリマー若しくはオリゴマーの金属塩または4級アミン塩などが挙げられる。
また、カチオン系帯電防止剤として、アルキルアンモニウムクロライド、アルキルベンゼンアンモニウムクロライド、主鎖にイオン化された窒素またはピロリジウム環の何れかを含有するポリマー等が挙げられる。
主鎖にイオン化された窒素原子を含有するポリマーとしてはアイオネンポリマーが挙げられ、その具体的な化合物の例としては、特公昭53−23377号公報、特公昭54−10039号公報、特開昭47−34581号公報、特開昭56−76451号公報、特開昭58−93710号公報、特開昭61−18750号公報、特開昭63−68687号公報などに記載されている化合物が挙げられる。
一方、主鎖にピロリジウム環を含有するポリマーの具体的な化合物の例としては、特開平1−146931号公報、特開平1−166326号公報、特開平1−171940号公報、特開平1−171985号公報、特開平1−174538号公報、特開平1−174539号公報などに記載されている化合物が挙げられる。
本発明においては、特にカチオン系の高分子化合物が帯電防止性能の点で好適に使用される。
また、上記の帯電防止剤の他に、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレングリコールポリマーであり、分子量が通常100〜2000、好ましくは500〜1000のものを併用することが出来る。これらのアルキレングリコールポリマーは、表面固有抵抗値を下げる又は帯電防止性能の湿度依存性を緩和する目的で添加される。
塗布層には上記の帯電防止剤の他に有機高分子バインダーを添加するのが好ましい。これにより、塗布層の耐久性および塗布層の上に後加工で付与される各種機能層(例えばハードコート層、離型層あるいは接着剤層など)との接着性が向上する。
上記の有機高分子バインダーとしては、各種機能層との接着性との観点から、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリビニル樹脂、それらの変性体や混合物などが好ましい。有機高分子バインダーは、フィルムの製膜工程内で塗工を行うインラインコーティングで使用する場合、水を主たる溶媒とした塗布液を調製するため、水に対して溶解するか又は微分散する様に、アニオン、カチオン又は両性の親水性成分を分子内に共重合するか、または、水分散剤を添加する必要がある。
塗布層中における帯電防止剤と有機高分子バインダーの含有比率は、通常1:9〜8:2(重量比)とされる。帯電防止剤が10重量%未満の場合には帯電防止性が不十分な場合があり、一方、80重量%を超える場合には、塗膜耐久性が不十分となる場合があり、更に、塗布層上に各種機能層を設ける場合には接着性が不十分となる場合がある。
また、塗布層には架橋剤を併用してもよい。架橋剤の具体例としては、メチロール化またはアルキロール化した尿素系化合物、メラミン系化合物、グアナミン系化合物、アクリルアミド系化合物、ポリアミド系化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコーアルミネートカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋成分はバインダーポリマーと予め結合していてもよい。
更に、塗布層には、固着性防止や滑り性改良を目的として、架橋ポリスチレン粒子などの有機粒子、シリカ粒子などの無機粒子などの微粒子を添加することが出来る。微粒子の平均粒径は、通常0.005〜0.5μm、好ましくは0.01〜0.1μmであり、塗布層中の含量は通常1〜10重量%である。
塗布層の厚さは、乾燥・延伸後の塗布量として、通常0.01〜0.5g/m2、好ましくは0.02〜0.2g/m2である。塗布量が0.01g/m2未満の場合は、塗布厚さが不均一となったり、有効な帯電防止効果が得られない、後加工での各種機能層との接着性が不十分となる等の問題があり、一方、0.5g/m2を超える場合は、フィルムが相互にブロッキングし易くなったり、滑り性が低下する等の不具合が生じる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、130℃における長手方向および幅方向の熱収縮率が共に5%以下であることが必要である。熱収縮率が5%を超える場合は、例えばハードコート加工などの後加工時に加わる熱によってフィルムの収縮が著しくなり、フィルムに歪みやシワが入る等の不具合を生じる。熱収縮率は、好ましくは4%以下、更に好ましくは3%以下である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、その片面または両面に設けられた塗布層を含めたフィルムヘーズが10%以下であることが好ましく、特に透明性の重視される光学用途に供される場合には通常5%以下、好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚さは、特に限定されないが、通常15〜300μmである。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、塗布層表面の少なくとも1つにハードコート層を設けることが出来る。このハードコート層には、ポリアクリル酸誘導体成分またはポリメタアクリル酸誘導体成分を含み、加熱処理、紫外線、電子線などによる活性線処理で架橋反応が進行して硬化する公知のものを使用することが出来る。ハードコート層の厚さや硬さは、特に限定されないが、乾燥・硬化後の塗布量として0.1〜5g/m2の範囲で、鉛筆硬度としてHB〜5Hの範囲がよく使用される。更に、ハードコート層の表面に微細な凹凸を付けて光を乱反射させる防眩(Anti-Glare)処理をすることも可能である。この処理にはハードコート表面に直接凹凸を付ける方法、ハードコート層中に微細粒子を分散させる方法などを使用することが出来る。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、塗布層表面の少なくとも1つにシリコーン樹脂を含む離型層を設けることが出来る。このシリコーン樹脂としては硬化反応性のものが好ましく、その種類としては、例えば、付加反応型、縮合反応型、紫外線または電子線硬化型のものが挙げられる。離型層の厚さは、特に限定されないが、塗布量として通常0.05〜1g/m2の範囲から選択される。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に設けられた前記の塗布層は、上記のハードコート層や離型層だけでなく、極めて広範囲な用途(機能層)に対しても良好な帯電防止性を発揮する。斯かる機能層の具体例としては、インクジェットインキ受容層、印刷インキ層、UVインキ層、無機物または金属酸化物の真空蒸着層の他、電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、プラズマ重合、CVD等で得られる各種の薄膜層、および、その薄膜層で屈折率の高い層と低い層を交互に積層して作成した反射防止(Anti-Reflection)層、塗布型の反射防止層、近赤外線遮断層、各種有機バリアー層、粘着剤層などが挙げられる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの塗布層が有する帯電防止性能は、上述した各種機能層表面に対しても発現されることが好ましい。その理由は、例えばハードコート層や離型層を例に挙げて説明すると次の通りである。
すなわち、上記の機能層に帯電防止性能を付与する場合には、その機能層中に帯電防止機能を有する化合物を添加する方法も使用される。ところが、一般に、これらの化合物をハードコート層や離型層に添加することにより、本来必要なハードコート層の硬さや離型層の離型性が低下することが問題となることがある。これを防ぐために、帯電防止性能は基材フィルムの塗布層(下引き層)で担い、ハードコート層や離型層などの機能層はその機能を引き出すことに特化した組成で構成されることが好ましい。この際、これらの機能層表面の表面固有抵抗値は、通常1×1014Ω以下、好ましくは1×1013Ω以下とされる。
次に、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について説明する。
先ず、押出機により前述の脂肪族ポリエステル原料を溶融押出ししてシート状に成形し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法を採用することが好ましい。また、押出機のメルトラインには、異物や粗大凝集粒子を除去する目的でフィルターを設置すること、押出し量の定量性を向上させるためにギアーポンプを設置することが出来る。
上記の溶融押出しには、予め、ポリエステルレジンを加熱して結晶化させて充分に水分を除去した後、押出機に投入して溶融押出ししてもよいし、ベント付き二軸押出機を使用し、未乾燥のポリエステル原料を直接押出機に投入してベント口より水分を除去しながら溶融押出しすることも出来る。押出し時の樹脂温度は、使用するポリマーの融点(Tm)+15℃〜Tm+50℃の範囲から選択するのがよい。
上記の溶融押出しは、1台の押出機を使用して単層シートを作成することも出来るが、複数台の押出機および複数層のマルチマニホールドダイ又はフィ−ドブロックを使用し、それぞれの溶融ポリエステルを合流積層させ、Tダイから複数層のシートを押出して冷却ロールで固化し、多層構造の未延伸シートを得ることも出来る。
次いで、得られた未延伸フィルムを二軸方向に延伸して二軸配向させる。例えば、縦横逐次二軸延伸を行う場合を例に挙げると次の通りである。すなわち、先ず、ロール延伸機により前記の未延伸シートを縦方向に延伸する。延伸温度は、通常、ポリエステル原料のガラス転移点温度(Tg)〜Tg+40℃の範囲であり、延伸倍率は、通常2.0〜6.0倍、好ましくは2.5〜5.0倍の範囲である。インラインコート法を使用する場合は、通常、この段階でフィルムに塗布液を塗布する。この際に縦方向に延伸が終了したフィルムをコロナ放電処理してから塗布液を塗布することも出来る。次いで、横方向に延伸を行う。横延伸の温度および倍率の範囲は、縦延伸と同じ範囲の中から選択できる。そして、引き続き、Tm−15℃〜Tm−60℃の温度範囲で緊張下または30%以内の弛緩条件下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。
上記の延伸においては、1回の延伸操作で所定倍率まで延伸する方法の他、延伸を2段階以上に分けて所定の延伸倍率とする方法を使用することも出来る。その場合にも、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となる様に行うのが好ましい。更に、必要に応じ、熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
また、縦横同時二軸延伸を行う場合を例に挙げると次の通りである。すなわち、インラインコート法を使用する場合には、先ず、前記の未延伸シートに塗布液を塗布する。この際、未延伸シートにコロナ放電処理してから塗布液を塗布することも出来る。次に、テンター方式の同時二軸延伸機を使用し、面積倍率が通常6〜30倍になる様に縦横に同時に未延伸シートを延伸する。この際の延伸温度は、逐次二軸延伸の場合と同じく、通常、使用するポリマーのガラス転移点温度(Tg)〜Tg+50℃の範囲で選択できる。特に、この同時二軸延伸機には、リニアモーター方式でクリップを駆動する延伸機を使用することが、延伸倍率の設定や熱固定時における弛緩率設定の自由度が高い点などで好ましい。同時二軸延伸で製膜したフィルムは、逐次二軸延伸の場合と同様に熱処理を行うが、更に、必要に応じ、縦方向および/または横方向に弛緩処理することも出来る。
なお、本発明における塗布層は、インラインコート法を使用せず、配向結晶化が終了した二軸配向フィルムに塗布液を塗布した後に、乾燥・固化して設けることも出来る。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明で使用した測定法は次のと通りである。
1.ポリエステルの融点(Tm):
示差走査熱量分析装置(TAInstruments社製 DSC-2920)を使用し、昇温速度20℃/分で測定
し、結晶融解に伴う吸熱ピークの頂点の温度を融点とした。
示差走査熱量分析装置(TAInstruments社製 DSC-2920)を使用し、昇温速度20℃/分で測定
し、結晶融解に伴う吸熱ピークの頂点の温度を融点とした。
2.表面固有抵抗値:
内側電極径50mm、外側電極径70mmの同心円電極である日本ヒューレット・パッカード社製の「16008B」(商品名)を使用した。23℃、50%RHの雰囲気下で試料に同心円電極を設置し、100Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計である「4339B」(商品名)で試料の表面固有抵抗値を測定した。
内側電極径50mm、外側電極径70mmの同心円電極である日本ヒューレット・パッカード社製の「16008B」(商品名)を使用した。23℃、50%RHの雰囲気下で試料に同心円電極を設置し、100Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計である「4339B」(商品名)で試料の表面固有抵抗値を測定した。
3.130℃における熱収縮率:
フィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)に、標点間約50mmを正確に計り(L1)、無張力状態で130℃で10分間オーブン中で加熱処理を行った。その後。フィルムを冷却し、標点間を再度正確に測定し(L2)、熱処理前後での標点間の変化を次式を使用して計算し、130℃の熱収縮率とした。
フィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)に、標点間約50mmを正確に計り(L1)、無張力状態で130℃で10分間オーブン中で加熱処理を行った。その後。フィルムを冷却し、標点間を再度正確に測定し(L2)、熱処理前後での標点間の変化を次式を使用して計算し、130℃の熱収縮率とした。
4.微粒子の平均粒子径:
光散乱法によって求められる全粒子の50重量%点にある粒子の等価球形直径をもって平均粒子径とした。
光散乱法によって求められる全粒子の50重量%点にある粒子の等価球形直径をもって平均粒子径とした。
5.フィルムヘーズ値:
積分球式濁度計(日本電色社製「NDH2000」)を使用し、JIS K 7136(2000)(ISO 14782 1999と同等)に準じてヘーズ値(%)を求めた。
積分球式濁度計(日本電色社製「NDH2000」)を使用し、JIS K 7136(2000)(ISO 14782 1999と同等)に準じてヘーズ値(%)を求めた。
6.フィルム表面(塗布層表面または非塗布層表面)の汚れ易さ:
乾燥した木綿布を使用し、殆ど力を加えずに一定の速さで10往復フィルム表面を擦り、たばこの灰の粉砕粉に近づけ、フィルムが灰を引き寄せる状況を以下の表1に示す基準で評価し、ランクを付けた。
乾燥した木綿布を使用し、殆ど力を加えずに一定の速さで10往復フィルム表面を擦り、たばこの灰の粉砕粉に近づけ、フィルムが灰を引き寄せる状況を以下の表1に示す基準で評価し、ランクを付けた。
7.ハードコート接着性:
先ず、トルエン:メチルエチルケトン1:1(重量比)の溶媒で日本化薬社製「KAYANOVA FOP−1700」を希釈し、乾燥・硬化後の塗布量で2g/m2となる様に、ポリエステルフィルムの塗布層表面に、バーコート方式で塗布した。次いで、110℃で1分間乾燥して溶剤を除去した後、高圧水銀灯により、出力120w/cm、照射距離15cm、移動速度10m/分の条件下で紫外線硬化させ、ハードコート層を形成した。なお、塗布層の無いフィルムには、任意の面(片面)に同様のハードコート層を形成した。このハードコート層に1インチ幅で碁盤目が100個になる様にクロスカットを入れ、その上にセロテープ(登録商標)(ニチバン社製)を貼り合わせ、90度引き出し法でピールテストを行い(引張り速度:2インチ/分)、以下の表2に示す基準で接着性を評価した。
先ず、トルエン:メチルエチルケトン1:1(重量比)の溶媒で日本化薬社製「KAYANOVA FOP−1700」を希釈し、乾燥・硬化後の塗布量で2g/m2となる様に、ポリエステルフィルムの塗布層表面に、バーコート方式で塗布した。次いで、110℃で1分間乾燥して溶剤を除去した後、高圧水銀灯により、出力120w/cm、照射距離15cm、移動速度10m/分の条件下で紫外線硬化させ、ハードコート層を形成した。なお、塗布層の無いフィルムには、任意の面(片面)に同様のハードコート層を形成した。このハードコート層に1インチ幅で碁盤目が100個になる様にクロスカットを入れ、その上にセロテープ(登録商標)(ニチバン社製)を貼り合わせ、90度引き出し法でピールテストを行い(引張り速度:2インチ/分)、以下の表2に示す基準で接着性を評価した。
以下の諸例で使用したポリエステル原料の製造方法は次の通りである。
<ポリエステルA>
撹拌機、留出管および減圧装置を装備した反応器に1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(1,4-CHDA)(トランス体98%)184重量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4-CHDM)(トランス体67%)158重量部、及びTi(OC4H9)4の6重量%ブタノール溶液0.9重量部を仕込み、窒素フロー下で150℃まで加熱した後、200℃まで1時間をかけて昇温した。その後、200℃で1時間保持しエステル化反応を行った後、200℃から250℃へ45分間で昇温しつつ徐々に反応器内を減圧にしながら重縮合反応を行った。反応器内圧力0.1kPa、反応温度250℃で2時間重合後、得られたポリマーをストランド状に水中に抜き出した後ペレット状にした。得られたペレットの固有粘度(IV)は0.85dl/gであった。このポリエステルの融点は220℃であった。
撹拌機、留出管および減圧装置を装備した反応器に1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(1,4-CHDA)(トランス体98%)184重量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4-CHDM)(トランス体67%)158重量部、及びTi(OC4H9)4の6重量%ブタノール溶液0.9重量部を仕込み、窒素フロー下で150℃まで加熱した後、200℃まで1時間をかけて昇温した。その後、200℃で1時間保持しエステル化反応を行った後、200℃から250℃へ45分間で昇温しつつ徐々に反応器内を減圧にしながら重縮合反応を行った。反応器内圧力0.1kPa、反応温度250℃で2時間重合後、得られたポリマーをストランド状に水中に抜き出した後ペレット状にした。得られたペレットの固有粘度(IV)は0.85dl/gであった。このポリエステルの融点は220℃であった。
<ポリエステルB>
ポリエステルAに、平均粒径2.4μmの非晶質シリカを0.1重量%となる様にドライブレンドし、ベント付き二軸押出機に投入して、1kPaの真空度で水分を除去しながら溶融混合してストランド状に押出して、水中で冷却して粒子のマスターバッチを作成した。このポリマーの固有粘度は0.76dl/gであった。また、融点は220℃であった。
ポリエステルAに、平均粒径2.4μmの非晶質シリカを0.1重量%となる様にドライブレンドし、ベント付き二軸押出機に投入して、1kPaの真空度で水分を除去しながら溶融混合してストランド状に押出して、水中で冷却して粒子のマスターバッチを作成した。このポリマーの固有粘度は0.76dl/gであった。また、融点は220℃であった。
<ポリエステルC>
ポリエステルAに、平均粒径1.1μmのジビニルベンゼン架橋ポリスチレン粒子を0.1重量%となる様にドライブレンドし、ベント付き二軸押出機に投入して、1kPaの真空度で水分を除去しながら溶融混合してストランド状に押出して、水中で冷却して粒子のマスターバッチを作成した。このポリマーの固有粘度は0.82dl/gであった。また、融点は220℃であった。
ポリエステルAに、平均粒径1.1μmのジビニルベンゼン架橋ポリスチレン粒子を0.1重量%となる様にドライブレンドし、ベント付き二軸押出機に投入して、1kPaの真空度で水分を除去しながら溶融混合してストランド状に押出して、水中で冷却して粒子のマスターバッチを作成した。このポリマーの固有粘度は0.82dl/gであった。また、融点は220℃であった。
<ポリエステルD>
ポリエステルAの製造において、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体98%)の代わりに1、4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体77%)を使用する以外は、ポリエステルAの製造と全く同様に重合を行ってポリエステルペレットを得た。得られたペレットの固有粘度は0.84dl/gであった。またこのポリエステルの融点は192℃であった。
ポリエステルAの製造において、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体98%)の代わりに1、4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体77%)を使用する以外は、ポリエステルAの製造と全く同様に重合を行ってポリエステルペレットを得た。得られたペレットの固有粘度は0.84dl/gであった。またこのポリエステルの融点は192℃であった。
<ポリエステルE>
ポリエステルDに、平均粒径2.4μmの非晶質シリカを0.1重量%となる様にドライブレンドし、ベント付き二軸押出機に投入して、1kPaの真空度で水分を除去しながら溶融混合してストランド状に押出して、水中で冷却して粒子のマスターバッチを作成した。このポリマーの固有粘度は0.76dl/gであった。また、融点は192℃であった。
ポリエステルDに、平均粒径2.4μmの非晶質シリカを0.1重量%となる様にドライブレンドし、ベント付き二軸押出機に投入して、1kPaの真空度で水分を除去しながら溶融混合してストランド状に押出して、水中で冷却して粒子のマスターバッチを作成した。このポリマーの固有粘度は0.76dl/gであった。また、融点は192℃であった。
実施例1:
ポリエステルAとポリエステルBを4:1の重量比で混合し、表層用の押出機に投入した。これとは別に中間層用の押出機にポリエステルAを100%の割合で投入した。それぞれの押出機は何れもベント付きの二軸押出機であり、レジンは乾燥すること無しに、ベント口から1kPaの真空度で水分を除去しつつ250℃の溶融温度で押出しを行った。各押出機には、ギアーポンプ、フィルターが設置されており、溶融ポリマーにこれらを経由させた後、フィードブロック内で合流積層してTダイより溶融押出しを行って、両表層が同一原料の3層構造の未延伸シートを作成した。この際、両表層の厚さは同じとして、両表層の厚さの合計が全体厚さの10%となる様に設定した。また、この際、静電印加密着法を適用して20℃の冷却ドラム上にキャスティングした。こうして作成した未延伸シートを縦延伸工程に導いた。
ポリエステルAとポリエステルBを4:1の重量比で混合し、表層用の押出機に投入した。これとは別に中間層用の押出機にポリエステルAを100%の割合で投入した。それぞれの押出機は何れもベント付きの二軸押出機であり、レジンは乾燥すること無しに、ベント口から1kPaの真空度で水分を除去しつつ250℃の溶融温度で押出しを行った。各押出機には、ギアーポンプ、フィルターが設置されており、溶融ポリマーにこれらを経由させた後、フィードブロック内で合流積層してTダイより溶融押出しを行って、両表層が同一原料の3層構造の未延伸シートを作成した。この際、両表層の厚さは同じとして、両表層の厚さの合計が全体厚さの10%となる様に設定した。また、この際、静電印加密着法を適用して20℃の冷却ドラム上にキャスティングした。こうして作成した未延伸シートを縦延伸工程に導いた。
先ず、縦延伸にはロール延伸法を使用して、複数本のロールで70℃に予熱して、更に、IRヒーターも併用して3.0倍の延伸倍率で長手方向に延伸した。この一軸延伸フィルムの両面にコロナ放電処理を行った後、下記の塗布層組成1に示す塗布液をフィルムの両面に、最終的な二軸配向フィルムの塗工量で各々0.1g/m2となる様にバーコート方式で塗布した。次いで、この一軸延伸フィルムをテンターに導き、95℃で乾燥・予熱した後、延伸倍率3.8倍で幅方向に延伸した。その後、同じテンター内で緊張下185℃の温度で熱固定した後、150℃の温度で3%幅方向に弛緩処理を行い、総厚さ100μmの二軸配向配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの特性を後記の表6に示す。
実施例2:
ポリエステルAを100%使用し、レジンは乾燥すること無しに、ベント付き二軸押出機に投入して、メルトライン温度250℃の設定で溶融押出しを行った。この際、ベント口は真空ラインに接続して、1kPaの真空度で水分を除去しつつ溶融押出を行い、ギアーポンプ、フィルターを経由して、Tダイからシート状に溶融樹脂を押し出し、静電印加密着法を適用して20℃の冷却ドラム上にキャスティングした(単層)。こうして作成した未延伸シートを縦延伸工程に導いた。
ポリエステルAを100%使用し、レジンは乾燥すること無しに、ベント付き二軸押出機に投入して、メルトライン温度250℃の設定で溶融押出しを行った。この際、ベント口は真空ラインに接続して、1kPaの真空度で水分を除去しつつ溶融押出を行い、ギアーポンプ、フィルターを経由して、Tダイからシート状に溶融樹脂を押し出し、静電印加密着法を適用して20℃の冷却ドラム上にキャスティングした(単層)。こうして作成した未延伸シートを縦延伸工程に導いた。
先ず、縦延伸にはロール延伸法を使用し、複数本のロールで70℃に予熱して、更に、IRヒーターも併用して3.0倍の延伸倍率で長手方向に延伸した。この一軸延伸フィルムの両面にコロナ放電処理を行った後、下記の塗布層組成2に示す塗布液をフィルムの両面に、最終的な二軸配向フィルムの塗工量で各々0.1g/m2となる様にバーコート方式で塗布した。次いで、この一軸延伸フィルムをテンターに導き、95℃で乾燥・予熱した後、延伸倍率3.8倍で幅方向に延伸した。その後、同じテンター内で緊張下185℃の温度で熱固定した後、150℃の温度で3%幅方向に弛緩処理を行い、総厚さ100μmの二軸配向配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの特性を後記の表6に示す。
実施例3:
ポリエステルAとポリエステルCを1:1の重量比で混合し、表層用原料として使用した。これとは別に中間層用の押出機にポリエステルAを100%の割合で使用した。その他の条件は全て実施例1と同様にして3層構成の未延伸シートを得た。こうして作成した
未延伸シートに、実施例1と同様の、縦延伸・塗布液の両面塗工・横延伸・熱固定を行い、総厚さ100μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
ポリエステルAとポリエステルCを1:1の重量比で混合し、表層用原料として使用した。これとは別に中間層用の押出機にポリエステルAを100%の割合で使用した。その他の条件は全て実施例1と同様にして3層構成の未延伸シートを得た。こうして作成した
未延伸シートに、実施例1と同様の、縦延伸・塗布液の両面塗工・横延伸・熱固定を行い、総厚さ100μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
比較例1:
ポリエステルDとポリエステルEを1:1の重量比で混合し、表層用の押出機に投入した。これとは別に中間層用の押出機にポリエステルDを100%の割合で投入した。その他の条件は全て実施例1と同様にして溶融押出しして積層の未延伸シートを得た。こうして作成した未延伸シートに、実施例1と全く同様の縦延伸・塗布液の両面塗工・横延伸を行った。その後、同じテンター内で緊張下150℃の温度で熱固定した後、130℃の温度で3%幅方向に弛緩処理を行い、総厚さ100μmの二軸配向配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルム特性を後記の表7に示す。
ポリエステルDとポリエステルEを1:1の重量比で混合し、表層用の押出機に投入した。これとは別に中間層用の押出機にポリエステルDを100%の割合で投入した。その他の条件は全て実施例1と同様にして溶融押出しして積層の未延伸シートを得た。こうして作成した未延伸シートに、実施例1と全く同様の縦延伸・塗布液の両面塗工・横延伸を行った。その後、同じテンター内で緊張下150℃の温度で熱固定した後、130℃の温度で3%幅方向に弛緩処理を行い、総厚さ100μmの二軸配向配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルム特性を後記の表7に示す。
比較例2:
実施例2と同様に未延伸シートの作成および縦延伸の作成を行って一軸延伸フィルムを得た。この一軸延伸フィルムの両面にコロナ放電処理を行った後、下記の塗布層組成3に示す塗布液をフィルムの両面に、最終的な二軸配向フィルムの塗工量で各々0.1g/m2となる様にバーコート方式で塗布した。その後、実施例2と同様に、横延伸・熱固定を行い、総厚さ100μmの二軸配向配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルム特性を後記の表7に示す。
実施例2と同様に未延伸シートの作成および縦延伸の作成を行って一軸延伸フィルムを得た。この一軸延伸フィルムの両面にコロナ放電処理を行った後、下記の塗布層組成3に示す塗布液をフィルムの両面に、最終的な二軸配向フィルムの塗工量で各々0.1g/m2となる様にバーコート方式で塗布した。その後、実施例2と同様に、横延伸・熱固定を行い、総厚さ100μmの二軸配向配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルム特性を後記の表7に示す。
比較例3:
実施例1において、熱固定温度を150℃に、弛緩処理温度を130℃に変更した以外は、実施例1と同様にして総厚さ100μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルム特性を後記の表7に示す。
実施例1において、熱固定温度を150℃に、弛緩処理温度を130℃に変更した以外は、実施例1と同様にして総厚さ100μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルム特性を後記の表7に示す。
Claims (1)
- 繰り返し単位として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の単位と1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の単位とを主成分とし、その融点が200℃以上であるポリエステルから成る二軸配向ポリエステルフィルムであって、その少なくとも片面に塗布層を有し、当該塗布層の表面固有抵抗値が1×1013Ω以下であり、130℃における長手方向および幅方向の熱収縮率が共に5%以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
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---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-08-10 JP JP2004233252A patent/JP2005105255A/ja not_active Withdrawn
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