JP4232004B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、脂肪族ポリエステルでありながら、耐熱性が良好で、しかも、透明性および接着性に優れ、特に光学用途に好適な二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表される二軸配向ポリエステルフィルムは、その機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐候性、透明性、電気絶縁性などの特性とコストのバランスに優れ、多岐に亘る分野で使用されている。
【0003】
ところで、一般に二軸配向ポリエステルフィルム用途に使用されるポリエステルの殆どは、その分子構造内にテレフタル酸(及びイソフタル酸)、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を含む芳香族ポリエステルである。その最大の理由は、芳香族ジカルボン酸がモノマーユニットに存在することにより、ポリエステル分子に剛直性が増してポリエステルフィルムの機械的強度・耐熱性が向上する点にあると考えられる。
【0004】
一方、ポリエステルの分子構造中に芳香族環を有するモノマーユニットが存在しない、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとの重縮合で生成する、いわゆる脂肪族ポリエステルの一群が存在する。この脂肪族ポリエステルは、剛直な芳香族環を有しないため、芳香族ポリエステルの様な機械的強度や耐熱性を有することが少なく、しかも、二軸配向フィルムとしての形態で得られない場合も多い。
【0005】
しかしながら、限られた一部の脂肪族ポリエステルでは二軸延伸フィルムの例が知られている。具体的には、ポリブチレンサクシネート・アジペート(例えば特許文献1参照)、ポリ乳酸系の脂肪族ポリエステル(例えば特許文献2〜6参照)等の数種類に限られる。
【0006】
芳香族ポリエステルと比べて耐熱性や機械的強度で劣ることが多い脂肪族ポリエステルではあるが、用途や目的によっては脂肪族ポリエステルの特性が重要である。例えば、透明性に関して言えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネート等の芳香族環を分子内に有するプラスチックは、全光線透過率では90%に達しない。これに対して、芳香族環を有しない透明プラスチックで代表的なPMMAは、全光線透過率は92〜93%に達する。特に、光学用途として透明性を重視するため、耐熱性と透明性とを両立した二軸配向ポリエステルフィルムは余り知られていない。
【0007】
更に、光学用途に供されるポリエステルフィルムは、単体で使用されることもあり得るが、多くの場合、後加工を行って何らかの機能を有する層を積層して使用される。その際に、基材フィルムとなる脂肪族ポリエステルフィルムと後加工で積層された機能層との間の優れた接着性が望まれる。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−295068号公報
【特許文献2】
特開平7−207041号公報
【特許文献3】
特開平7−300520号公報
【特許文献4】
特開2000−238122号公報
【特許文献5】
特開2000−238123号公報
【特許文献6】
特開2000−238125〜8号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、特に、脂肪族ポリエステルでありながら耐熱性に優れており、しかも、脂肪族ポリエステルの持つ良好な透明性を有しており、光学用途に好適なポリエステルフィルムを提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の組成および物性を有する脂肪族ポリエステルによれば、耐熱性に優れる二軸配向ポリエステルフィルムが得られることを見出し、本発明の完成に至った。
【0011】
すなわち、本発明の要旨は、繰り返し単位として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールとを主成分とし、融点が200℃以上であるポリエステルから成る二軸配向ポリエステルフィルムであって、130℃における長手方向および幅方向の熱収縮率が共に5%以下、全光線透過率が90%以上であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の二軸配向フィルムに使用されるポリエステルは、繰り返し単位として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールとを主成分とする重縮合体である。ここで言う主成分とは、ジカルボン酸成分中の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の割合が通常95モル%以上、好ましくは98モル%以上であり、ジオール成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの割合が通常95モル%以上、好ましくは98モル%以上であることを意味する。
【0013】
また、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のトランス体の割合は、通常80モル%以上、好ましくは85モル%以上であり、1,4−シクロヘキサンジメタノール中のトランス体の割合は、通常60モル%以上、好ましくは70モル%以上である。
【0014】
ジカルボン酸成分およびジオール成分の構成比率が上記範囲を満たさない場合には、得られるポリエステルの融点が低くなり、本発明で規定する後述の範囲を満足しないことが多い。
【0015】
上記のジカルボン酸成分およびジオール成分の構成比率範囲内で、使用することの出来る他のジカルボン酸成分としては、シス体1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などが挙げられる。また、他のジオール成分としては、シス体1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
【0016】
本発明で使用するポリエステルは、その融点が200℃以上であることが必要であり、好ましい融点は210℃以上であり、その上限は通常245℃である。融点が200℃未満である場合は、ポリエステルの耐熱性が不足し、二軸延伸した後の熱固定温度を高く設定することが出来なくなり、結果的に二軸配向フィルムの収縮率が大きくなるため好ましくない。
【0017】
また、ポリエステルの重合度に関しては、フェノール−テトラクロロエタン(重量比1:1)の混合溶媒で、30℃で測定した固有粘度として、通常0.55以上、好ましく0.80以上である。斯かる条件を満足することにより、製膜時の連続性および製膜したフィルムの機械的強度が高められる。固有粘度の上限は通常1.50である。
【0018】
本発明で使用するポリエステルには、延伸によってフィルム表面に微細な突起を形成させてフィルムに滑り性を付与する目的で微粒子を添加することが出来る。この微粒子は、ポリエステルフィルムの透明性をできるだけ悪化させないものを選択するのが好ましい。好適に微粒子としては、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル樹脂などの有機ポリマーから成る粒子、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等の無機粒子などが挙げられる。これらの微粒子は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用することも出来る。
【0019】
上記の微粒子の平均粒径は、通常0.05〜6μm、好ましくは0.1〜4μmであり。フィルムへの添加量は、通常0.005〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。また、微粒子は、初めから所定量が脂肪族ポリエステルに添加されていてもよいし、高濃度のマスターバッチを調製し、これに微粒子を含有しないポリエステルを添加して希釈する形で所定の粒子量とする方法を採用してもよい。
【0020】
本発明のポリエステルフィルムは、上記の微粒子の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で公知の添加剤を加えることが出来る。斯かる添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、潤滑剤、難燃剤などが挙げられ、その添加方法は、微粒子の場合と同様に、直接添加してもよいし、高濃度マスターバッチを利用する方法を採用してもよい。
【0021】
本発明のポリエステルフィルムは、未延伸フィルムや一軸方向のみに延伸されたフィルムではなく、長手方向および幅方向に二軸延伸され且つその後に熱固定された二軸配向ポリエステルフィルムである。
【0022】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、130℃における長手方向および幅方向の熱収縮率が共に5%以下であることが必要であり、好ましい熱収縮率は4%以下である。熱収縮率が5%を超える場合は、ハードコート加工などの後加工時に加わる熱によってフィルムの収縮が著しくなり、フィルムに歪みやシワが入る等の不具合を生じる。
【0023】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、その全光線透過率が90%以上あることが必要であり、好ましい全光線透過率は91%以上である。全光線透過率が90%未満の場合は、脂肪族ポリエステルとしての優位な透明性を逸しており好ましくない。
【0024】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚さは、特に限定されないが、通常15〜300μmである。
【0025】
本発明の好ましい態様においては、二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面の塗れ指数は、通常48mN/m以上、好ましくは50mN/m以上とされる。塗れ指数が48mN/m未満の場合には、例えばフィルム表面上にハードコート加工などを施した場合、加工して形成した層とポリエステルフィルム表面との密着力が不足して簡単に剥離してしまう等の不都合を生じる。フィルム表面の塗れ指数を48mN/m以上とするための手段としては、コロナ処理、プラズマ処理などが挙げられる。これらの処理は、フィルムの片面だけでなく両表面に対して行うことも可能である。
【0026】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムにおいては、上述の塗れ指数が48mN/m以上であるフィルム表面上の少なくとも1つにハードコート層を設けることが出来る。このハードコート層には、ポリアクリル酸誘導体成分またはポリメタアクリル酸誘導体成分を含み、加熱処理、紫外線、電子線などによる活性線照射処理で架橋反応が進行して硬化する公知の樹脂組成物を使用することが出来る。ハードコート層の厚さや硬さは、特に限定されないが、通常0.1μm〜5μmの厚さとされ、鉛筆硬度としてHB〜5H程度とされる。
【0027】
次に、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について説明する。
【0028】
先ず、押出機により前述の脂肪族ポリエステル原料を溶融押出ししてシート状に成形し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法を採用することが好ましい。また、この溶融押出しには、予め、ポリエステル原料を加温し、結晶化させて充分に水分を除去した後、押出機に投入して溶融押出ししてもよいし、ベント付き二軸押出機を使用、未乾燥のポリエステル原料を直接押出機に投入してベント口より水分を除去しながら溶融押出しすることも出来る。押出し時の樹脂温度は、使用するポリエステル原料の融点(Tm)+20℃〜Tm+50℃の範囲から選択するのがよい。
【0029】
次いで、得られた未延伸フィルムを二軸方向に延伸して二軸配向させる。すなわち、先ず、ロール延伸機により前記の未延伸シートを縦方向に延伸する。延伸温度は、通常、ポリエステル原料のガラス転移点温度(Tg)〜Tg+30℃の範囲であり、延伸倍率は、通常2〜6倍、好ましくは2.5〜5倍の範囲である。次いで、横方向に延伸を行う。横延伸の温度および倍率の範囲は、縦延伸と同じ範囲の中から選択できる。そして、引き続き、Tm−15℃〜Tm−60℃の温度範囲で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸フィルムを得る。
【0030】
上記の延伸においては、1回の延伸操作で所定倍率まで延伸する方法の他、延伸を2段階以上に分けて所定の延伸倍率とする方法を採用することも出来る。その場合にも、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となる様に行うのが好ましい。また、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になる様に縦横同時二軸延伸を行うことも可能である。更に、必要に応じ、熱処理を行う前または後に、再度、縦および/または横方向に延伸してもよい。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、以下の諸例で使用した測定法は次の通りである。
【0032】
1.ポリエステルの融点(Tm):
熱示差分析装置(TAInstuments社製 DSC-2920)を使用し、昇温速度20℃/分で測定し、結晶融解に伴う吸熱ピークの頂点の温度を融点とした。
【0033】
2.130℃におけるフィルムの熱収縮率:
フィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)に、標点間約50mmを正確に計り(L1)、無張力状態で130℃で10分間オーブン中で加熱処理を加えた。この後、フィルムを冷却し、標点間を再度正確に測定し(L2)、熱処理前後での標点間の変化を次式で計算し、130℃の熱収縮率とした。
【0034】
【数1】
熱収縮率={(L1―L2)/L1}×100(%)
【0035】
3.全光線透過率:
JIS K 7136(2000)(ISO 14782 1999と同等)に準拠させた積分球式濁度計(日本電色社製 NDH2000)を使用し、フィルムの全光線透過率(%)を求めた。
【0036】
4.塗れ指数:
JIS K 6768(1995)(ISO 8296 1987と同等)に準拠し、フィルム表面の塗れ指数を測定した。塗れ指数の標準液は、ナカライテスク社製のものを使用した。
【0037】
5.粒子の平均粒径:
光散乱法によって求められる全粒子の50重量%点にある粒子の等価球形直径をもって平均粒径とした。
【0038】
6.ハードコート密着接着性:
先ず、トルエン:メチルエチルケトン1:1(重量比)の溶媒で日本化薬社製「KAYANOVA FOP−1700」を希釈し、乾燥・硬化後の厚さで2μmとなる様にバーコート方式で塗布した。次いで、110℃で1分間乾燥して溶剤を除去した後、高圧水銀灯により、出力120w/cm、照射距離15cm、移動速度10m/分の条件下で紫外線硬化させ、ハードコート層を形成した。このハードコート層に1インチ幅で碁盤目が100個になる様にクロスカットを入れ、その上にセロテープ(ニチバン社製の商品名)を貼り合わせ、90度引き出し法でピールテストを行い(引張り速度:2インチ/分)、以下の表1に示す基準で接着性を評価した。
【0039】
【表1】
○:碁盤目の剥離数≦10個
△:10個<碁盤目の剥離数≦50個
×:50個<碁盤目の剥離数
【0040】
以下の諸例で使用したポリエステル原料の製造方法は次の通りである。
【0041】
<ポリエステルA>
撹拌機、留出管および減圧装置を装備した反応器に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体98%)184部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス体67%)158部、Ti(OC4H9)4の6重量%ブタノール溶液0.9部を仕込み、窒素流通下で150℃まで加熱した後、200℃まで1時間をかけて昇温した。その後、200℃で1時間保持してエステル化反応を行った後、200℃から250℃へ45分間で昇温しつつ徐々に反応器内を減圧にしながら重縮合反応を行った。反応器内圧力0.1kPa、反応温度250℃で2時間15分重合後、得られたポリマーをストランド状に水中に抜き出した後、ペレット状にした。得られたペレットの固有粘度(IV)は0.97dl/gであった。このポリエステルの融点は220℃であった。
【0042】
<ポリエステルB>
ポリエステルAに平均粒径2.4μmの非晶質シリカを0.1重量%となる様にブレンドし、ベント付き二軸押出機に投入して、1kPaの真空度で水分を除去しながら溶融混合してストランド状に押出し、水中で冷却して粒子のマスターバッチを調製した。このポリマーの固有粘度は0.85dl/gであった。また融点は220℃であった。
【0043】
<ポリエステルC>
ポリエステルAの製造で使用したのと同じ反応器を使用し、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル(トランス体98%)160部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス体100%)118部、NaHTi(OC4H9)6の14重量%ブタノール溶液1.8部を仕込み、窒素流通下で150℃まで加熱した後、210℃まで1時間をかけて昇温した。その後、210℃で1時間保持しエステル交換反応を行った後、210℃から270℃へ45分間で昇温して、徐々に反応器内を減圧にしながら重縮合反応を行った。反応器内圧力0.1kPa、反応温度270℃で1時間後、得られたポリマーをストランド状に水中に抜き出した後、ペレット状にした。得られたペレットの固有粘度(IV)は0.55dl/gであった。更に、このポリマーを窒素流通下220℃で3時間固相重合を行なった。得られたポリエステルの固有粘度は0.95dl/gであった。また、このポリエステルの融点は、一旦溶融させたポリマーを急冷した試料で測定したところ242℃であった。
【0044】
<ポリエステルD>
ポリエステルCに平均粒径2.4μmの非晶質シリカを0.1重量%となる様にブレンドし、ベント付き二軸押出機に投入し、1kPaの真空度で水分を除去しながら溶融混合してストランド状に押出し、水中で冷却して粒子のマスターバッチを調製した。このポリマーの固有粘度は0.84dl/gであった。また融点は242℃であった。
【0045】
<ポリエステルE>
ポリエステルAの製造において、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体98%)の代わりに、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体77%)を使用する以外は、ポリエステルAの製造と全く同様に重合を行ってポリエステルペレットを得た。得られたペレットの固有粘度(IV)は0.97dl/gであった。また、このポリエステルの融点は192℃であった。
【0046】
<ポリエステルF>
ポリエステルEに平均粒径2.4μmの非晶質シリカを0.1重量%となる様にブレンドし、ベント付き二軸押出機に投入し、1kPaの真空度で水分を除去しながら溶融混合してストランド状に押出し、水中で冷却して粒子のマスターバッチを調製した。このポリマーの固有粘度は0.85dl/gであった。また、融点は192℃であった。
【0047】
実施例1
ポリエステルAとポリエステルBを4:1の重量比で混合し、ベント付き同方向二軸押出機に投入し、メルトライン温度を250℃に設定し、ベント口を真空ラインに接続し、1kPaの真空度で水分を除去しつつ溶融押出しを行い、Tダイからシート状に押出した溶融樹脂を20℃の冷却ドラム上にキャスティングした。この際、静電印加密着法を適用した。こうして作成した未延伸シートを縦延伸工程に導いた。縦延伸にはロール延伸法を使用した。そして、複数本のセラミックロールで70℃に予熱し、更に、IRヒーターも併用し、3.0倍の延伸倍率で長手方向に延伸した。次いで、この一軸延伸フィルムをテンターに導き、90℃で予熱した後、延伸倍率4.0倍で幅方向に延伸した。その後、同じテンター内で緊張下180℃の温度で熱固定した後、150℃の温度で3%幅方向に弛緩処理を行い、厚さ50μmの二軸配向配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルム特性を表2に示す。
【0048】
実施例2
ポリエステルCとポリエステルDを4:1の重量比で混合し、実施例1と同じ押出機に投入して、メルトライン温度を270℃の設定にする他は、実施例1と同様に溶融押出しを行って未延伸シートを作成した。この未延伸シートを縦延伸工程に導いた。縦延伸にはロール延伸法を使用した。そして、複数本のセラミックロールで75℃に予熱し、更に、IRヒーターも併用し、3.0倍の延伸倍率で長手方向に延伸した。次いで、この一軸延伸フィルムをテンターに導き、95℃で予熱した後、延伸倍率4.0倍で幅方向に延伸した。その後、同じテンター内で緊張下210℃の温度で熱固定した後、150℃の温度で3%幅方向に弛緩処理を行い、厚さ50μmの二軸配向配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルム特性を表2に示す。
【0049】
実施例3
実施例1で作成したフィルムを使用し、片面にコロナ処理を行った後、フィルムの両面にハードコート処理を行った。コロナ処理を行わないフィルム表面の塗れ指数は39mN/mであったのに対し、コロナ処理を行ったフィルム表面の塗れ指数は52mN/mであった。ハードコート層の密着性接着性を評価したところ、コロナ処理を行った面のハードコート層では、碁盤目は数個剥離しただけでランクは○であったのに対し、コロナ処理を行わない面のハードコート層では半数以上の碁盤目が剥離しランクは×であった。
【0050】
比較例1
平均粒径2.4μmの非晶質シリカを0.02重量%含むポリエチレンテレフタレート樹脂を使用し、溶融押出し時のメルトラインの温度設定を280℃、縦延伸温度を83℃とする以外は、実施例2と同様に、溶融押出し・未延伸シート化・縦延伸・横延伸・熱固定を行い、厚さ50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルム特性を表3に示す。
【0051】
比較例2
実施例1において、熱固定温度を150℃とし、その後、130℃で幅方向に3%の弛緩処理を行った以外は全く、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの特性を表3に示す。
【0052】
比較例3
ポリエステルEとポリエステルFを4:1の重量比で混合し、実施例1と同様に溶融押出しを行って未延伸シートを作成した。この未延伸シートを縦延伸工程に導いた。縦延伸にはロール延伸法を使用した、そして、複数本のセラミックロールで55℃に予熱し、更にIRヒーターも併用し、3.0倍の延伸倍率で長手方向に延伸した。次いで、この一軸延伸フィルムをテンターに導き、70℃で予熱した後、延伸倍率4.0倍で幅方向に延伸した。その後、同じテンター内で緊張下150℃の温度で熱固定した後、130℃の温度で3%幅方向に弛緩処理を行い、厚さ50μmの二軸配向配向ポリエステルフィルムを得た。このフィルム特性を表3に示す。
【0053】
【表2】
Figure 0004232004
【0054】
【表3】
Figure 0004232004
【0055】
【発明の効果】
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、脂肪族ポリエステルでありながら耐熱性に優れており、しかも、脂肪族ポリエステルの持つ良好な透明を有しており、更に、本発明の好ましい態様に従えばハードコートとの接着性も高められるため、特に、透明性を重視されるタッチパネル用フィルム、各種ディスプレー用フィルム等の光学用途に極めて有用であり、その工業的価値は高い。

Claims (3)

  1. 繰り返し単位として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールとを主成分とし、融点が200℃以上であるポリエステルから成る二軸配向ポリエステルフィルムであって、130℃における長手方向および幅方向の熱収縮率が共に5%以下、全光線透過率が90%以上であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 少なくとも片面の塗れ指数が48mN/m以上である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 塗れ指数が48mN/m以上である表面の少なくとも1つに、ハードコート層が付与されている請求項2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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