JP2017013387A - 基材レス両面粘着シート用離型フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 粘着層に平滑性を与えると同時に、ハードコート層と重ね合された場合でも、滑り性が改良されブロッキングの発生がなく、自動検査機による欠点検出が容易である、飛散防止のための保護tとして好適な基材レス両面粘着シートに好適な離型フィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも2層からなる構造を有し、配向角主軸の傾き(配向角)が12度以下である、厚さ50〜150μmポリエステルフィルムの片面に離型層を有し、表裏の表面粗度が異なり、離型層のフィルム表面の算術平均粗さ(Sa)が3〜15nmの範囲であり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8の範囲であり、反離型層表面の表面粗度Saが25〜45nmの範囲であることを特徴とする基材レス両面粘着シート用離型フィルム。
【選択図】 図1
【解決手段】 少なくとも2層からなる構造を有し、配向角主軸の傾き(配向角)が12度以下である、厚さ50〜150μmポリエステルフィルムの片面に離型層を有し、表裏の表面粗度が異なり、離型層のフィルム表面の算術平均粗さ(Sa)が3〜15nmの範囲であり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8の範囲であり、反離型層表面の表面粗度Saが25〜45nmの範囲であることを特徴とする基材レス両面粘着シート用離型フィルム。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基材レス両面粘着シートに用いられる離型フィルムに関し、特に携帯電話やタッチパネルなどの携帯情報端末のガラス飛散防止用保護フィルムをタッチパネルの基材に貼り合せるための基材レス両面粘着シートに好適な離型フィルムに関するものである。
タッチパネルや携帯電話などの携帯端末機器は、携帯性の要望より薄膜化傾向にあり、ガラス製のパネルが使用される場合は、飛散防止のための保護フィルムが使用されている。飛散防止用に使用される保護フィルムは、表面の傷を防止するためのハードコート層が設けられているため、ロール状態や枚葉で重ね合された状態では、平坦なハードコート層により、滑り性が悪く、各工程での取扱い性に問題がある。
滑り性を改良するためには、ハードコート層が重ね合される面を、適度な表面粗度を有する表面とすることが有効である。
ハードコート層を有する保護フィルムを、パネル基材に貼り合わすための基材レス両面粘着シートに貼り合わされている離型フィルムの反離型面が、ハードコート層と重ね合される場合は、ハードコート層との滑り性を改良する表面粗度では、離型層面側が接触する粘着剤を変形させるため、離型フィルムを剥がし、保護フィルムを基材に貼り合せた場合に、気泡を巻き込む等の問題がある。
一方で、離型面の表面形状は、粘着層に転写し、欠点となる凹凸を与えることになるため、より平坦な表面とすることが有効である。
また、自動検査機による検査は、より微小な欠点を検出するために偏光透過光のクロスニコルでの検査が行われ、離型フィルムに対してもクロスニコル検査への対応が求められている状況である。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、粘着層に平滑性を与えると同時に、ハードコート層と重ね合された場合でも、滑り性が改良されブロッキングの発生がなく、自動検査機による欠点検出が容易である、飛散防止のための保護フィルムに用いられる基材レス両面粘着シートに好適な離型フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構成を有する離型フィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも2層からなる構造を有し、配向角主軸の傾き(配向角)が12度以下である、厚さ50〜150μmポリエステルフィルムの片面に離型層を有し、表裏の表面粗度が異なり、離型層のフィルム表面の算術平均粗さ(Sa)が3〜15nmの範囲であり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8の範囲であり、反離型層表面の表面粗度Saが25〜45nmの範囲であることを特徴とする基材レス両面粘着シート用離型フィルムに存する。
本発明によれば、ハードコート層を有するタッチパネル飛散防止用の保護フィルムを構成する基材レス両面粘着シートに、本発明の離型フィルムを用いれば、粘着剤に対する平滑性を維持し、且つハードコート層と重ねられた場合でも良好な滑り性を有し、自動検査機での欠点検出が容易であり、本発明の工業的価値は高い。
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常60モル%以上、好ましくは80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート等であるポリエステルを指す。
本発明における、離型フィルムを構成するポリエステルフィルムは、表裏で異なる表面粗度を有するフィルムとするため、少なくとも2層構造とすることを特徴とする。
表裏で異なる表面粗度とは、滑り性を必要とする反離型層表面が、平坦性を必要とする離型層表面よりも、表面粗度(Sa)で具体的には10nm以上高いことを指す。
本発明では、離型層の表面粗度、3次元粗さパラメータにおいて算術平均粗さ(Sa)が3〜15nmの範囲であり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8である。具体的に示すと、図1のように突起の尖り具合が小さく、かつ下地の荒れ具合が大きい状態であるのが、本発明の特徴である。一般的に、最外層に粒子を用いた場合、図2に示すように、突起の尖り具合が大きく、下地の荒れ具合は小さいものになってしまう。
SaまたはSkuが3nm未満では、表面が平坦すぎるために、例えばフィルムの搬送時に傷や風呂キングの問題が発生する。また、Saが15nmを超えるか、Skuが8を超える場合は、離型フィルムとして貼り合せた粘着剤に、欠点となる凹凸を与えるために問題となる。特に、携帯タッチパネルの飛散防止用基材レス両面粘着シートは、段差を埋めるために軟らかい粘着剤が用いられたり、薄膜化されたりする傾向があり、離型フィルムの表面粗度の影響を受けやすい。
また、反離型層の表面粗度(Sa)は、25〜45nmの範囲である。反離形層のSaが25nm未満の場合、ハードコート層を有する飛散防止フィルムの保護フィルムの一部として使用され、平坦なハードコート層と重ねられた場合に滑り性が不十分となり、傷が発生する等の問題となる。また、Saが45nmを超える場合は、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、離型層表面に突起が転移したり、粒子が異物となったりして好ましくない。
表面の3次元表面粗さは、株式会社菱化システム社の「VertScan」(登録商標)を用い、光干渉法にて、640μm×480μmの領域における表面形状と面粗さの測定を行った。
具体的に説明すると、算術平均粗さ(Sa)とは、二次元のRaを三次元に拡張したもので、表面形状曲面と平均面で囲まれた部分の体積を測定面積で割ったものであり、以下の式から求められる。表面をXY面,高さ方向をZ軸とした時、A:定義された領域(画像全体とする)、Z(x,y):画像点(x,y)の高さ0の面からの高さとすると、下記式で示される。
表面高さ分布とがり(Sku)とは、表面形状曲面の鋭さの尺度で、表面高さ分布の広がりを特徴づけるもので、次式で定義される。
上記式中、Sqとは、二次元のRq(RMS)を三次元に拡張したものであり、これは統計学で標準偏差σを表している。表面形状曲面と平均面との距離を二乗した曲面と,平均面によりはさまれる部分の体積を測定面積で割った後に平方根を求めた二乗平均平方根偏差であり、以下の式から求めることができる。
なお、Skuが3の時が正規分布であることを表し,この数値が小さくなるにしたがって、表面高さ分布がなだらかな形状をしており,数値が大きくなるに従って突起がシャープであることを表す。
離型層の表面粗度を満足させるためには、離型層側のポリエステルフィルムの再外層に粒子を実質的に含有しないことが必要である。本発明において、実質的にとは再外層当たりの粒子重量が50ppm以下であることを意味する。
また、本発明における積層ポリエステルフィルムにおいて、離型層側のSaおよびSkuを同時に満足するための具体的手段として、ポリエステル樹脂に有機系結晶核剤を使用することが好ましい。
有機系結晶核剤は、主にポリエステルの結晶化速度向上効果を有するものであれば、その種類は特に制限されるものではない。例えば、ジベンジリデンソルビトール(DBS)化合物、1,3−O−ビス(3,4ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ジアルキルベンジリデンソルビトール、少なくとも一つの塩素または臭素置換基を有するソルビトールのジアセタール、ジ(メチルまたはエチル置換ベンジリデン)ソルビトール、炭素環を形成する置換基を有するビス(3,4−ジアルキルベンジリデン)ソルビトール、脂肪族、脂環族、および芳香族のカルボン酸、ジカルボン酸または多塩基性ポリカルボン酸、相当する無水物および金属塩などの有機酸の金属塩化合物、環式ビス−フェノールホスフェート、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプテンジカルボン酸などの二環式ジカルボン酸および塩化合物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−ジカルボキシレートなどの二環式ジカルボキシレートの飽和の金属または有機の塩化合物、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の脂肪酸、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、グリセロール、グリセリンモノエステルなどの高級脂肪酸エステル、および類似物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明における有機系結晶核剤としては、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩からなることが特に好ましい。本化合物の場合、他の材料に比べ、ポリエステルの結晶化を促進する効果が高く、少量で効果を発揮できコスト面での優位性が高い。
スルホンアミド骨格またはスルホンイミド骨格を有する化合物としては、例えば、スルホンアミド、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、トルエン−4−スルホンアミド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、4−アミノベンゼンスルホンアミド、N−ブチル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニルーメチルーベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−ピリジン−2−イルベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−チアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−チアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(2,6−ジメトキシ−ピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド、4−アミノ−6−クロロ−ベンゼン−1,3−ジスルホン酸ジアミド、6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−スルホン酸アミド、5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸アミド、4−ナトリウムオキシ−ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ベンゼンスルホニルアミノ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド等が挙げられ、本発明においては、ベンゼンスルホンアミド、トルエン−4−スルホンアミド、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシドの金属塩であるものが好ましく用いられる。
上記スルホンアミド化合物またはスルホンイミド化合物の金属塩における金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタニウム、マンガン、鉄、亜鉛、珪素、ジルコニウム、イットリウムまたはバリウムから選択される金属が挙げられ、それらの中でも、カリウム、リチウム、ナトリウム、カルシウムは、微細結晶の生成効果に優れているので好ましく、ナトリウムが、特に好ましい。
本発明のポリエステルフィルムの結晶核剤は、フィルム表面の摩擦係数を軽減させるべく、フィルムの離型層側の最外層に含有されていることが好ましく、最外層中の結晶核剤の含有量は、0.1〜5.0重量%の範囲が好ましい。5.0重量%を超える量含有しても、前記SaおよびSkuの値は往々にして、変化し難い傾向にある。一方、ポリエステル層内の結晶核剤の含有量が0.1重量%未満だと、結晶核剤の効果が不十分な傾向があり、十分な滑り性や巻き特性を得ることができない場合がある。
本発明における反離型層の表面粗度を満足させるために、反離型面となるポリエステル層は、ハードコート層と重ねられた場合の滑り性を与えるため、平均粒子径が通常2.0〜4.0μm、好ましくは3.0〜4.0μmのものを使用する。平均粒子径が2.0.μm未満では、本発明で必要な反離型フィルムの表面粗度Saを得ることができないことがあり、平滑なハードコート層重ねられた場合の滑り性が不十分となることがある。平均粒子径が、4.0μmを超える場合も、発明で必要な反離型層の表面粗度(Sa)を得ることができないことがあり、貼り合せた粘着剤に欠点となる凹凸を与えることがある。
反離型層となるポリエステル層中の粒子含有量は、0.10〜0.50重量%の範囲が好ましい。粒子含有量が0.10重量%未満では、フィルム表面の突起が少なく、平滑なハードコート層重ねられた場合の滑り性が不十分となることがある。粒子配合量が0.50重量%を超える場合は、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、離型層表面に突起が転移したり、粒子が異物となったりすることがある。
配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、フィルム原料の製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリマーを製造する任意の段階において添加することができる。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明の基材レス両面粘着シート用離型フィルムは、基材レス両面粘着シートを保護する役目を持たせるために、フィルム厚さは、50〜150μmである。フィルム厚さが50μm未満では製造工程で、突起に接触した場合等に粘着剤を変形させることがある。フィルム厚さが150μmを超える場合は、ポリエステルフィルムの強度が強くなり、粘着剤に離型フィルムを貼り合せた後のロール外観が悪くなったり、コストが高くなったりすることがある。
本発明の大きな特徴は、積層されたポリエステルにより、離型層表面と反離型層表面を構成することであり、各積層ポリエステルの厚さ比は、通常5〜95%の範囲、好ましくは10〜90%の範囲、さらに好ましくは20〜80%の範囲である。各積層ポリエステルの厚さ比が、5%未満や95%を超えた場合は、反対面の影響を受け、本来の役割を果たさないことがある。離型層側の積層ポリエステが5%未満の場合は、反離型層側の積層ポリエステルに含有した粒子の影響を受け、離型層表面に粘着剤の不具合となるような突起が現れることがある。反離型層側の積層ポリエステルが5%未満の場合は、表面粗度が低くなり、ハードコート層との滑り性が悪くなることもある。
本発明の離型フィルムに用いる二軸配向ポリエステルフィルムは、配向主軸の傾きが12度以下、好ましくは10度以下であることを満足する必要がある。なお、ここでいう配向主軸の傾きとは配向角とも称され、フィルム幅方向または縦方向に対する主軸の傾きである。
本発明の離型フィルムが基材レス粘着剤を介して、飛散防止用フィルムに貼り合わされた状態で、偏光透過光のクロスニコル法による検査が行われた場合に、この検査工程にて配向角が12度を超える二軸配向ポリエステルフィルムを使用した離型フィルムでは、光漏れが大きく、異物や傷等の欠陥検出に支障をきたす。
本発明の離型フィルムに用いられる二軸配向ポリエステルフィルムにおいて配向主軸の向きは、縦延伸における温度および延伸倍率、横延伸における温度および延伸倍率、および弛緩処理等の条件を変更することで調整することができる。
本発明の離型層は、離型性を有する材料を含有していれば、特に限定されるものではない。その中でも、硬化型シリコーン樹脂を含有するものによれば離型性が良好となるので好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等何れの硬化反応タイプでも用いることができる。
具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング(株)製SD7220、SD7226、SD7229等が挙げられる。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法としては、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
本発明における離型層の塗布量は、通常0.01〜1g/m2の範囲である。
本発明において、離型層が設けられていない面には、接着層、帯電防止層、塗布層等の塗布層を設けてもよく、また、ポリエステルフィルムにはコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
軽剥離側に相当する離型フィルムの剥離力は、3〜50mN/cmが好ましく、さらに好ましくは5〜25mN/cmである。
軽剥離側に相当する離型フィルムの剥離力を低く抑えることにより、重剥離側の離型フィルムの剥離力を低くしても、軽剥離側と重剥側の離離型フィルムの剥離力差を大きくすることができる。
また、軽剥離側の離型フィルムの剥離力を一定の値以上とすることによって、使用前に離型フィルムが粘着剤層から不意に剥がれたり、離型フィルムが粘着剤層から浮いたりすることが防止される。
重剥離側に相当する離型フィルムトの剥離力は、10〜100mN/cmが好ましく、さらに好ましくは15〜50mN/cmである。
重剥離側の離型フィルムの剥離力を低く抑えることによって、離型フィルムを剥離したときに生じる、離型フィルムへの粘着剤の残留や、ジッピング等を防止することができる。
基材レス両面粘着シートは、例えば、重剥離側の離型層面に粘着剤が設けられた後に、軽剥離の離型フィルムが貼られ、軽剥離と重剥離の離型フィルムが両側に貼り合わされた状態で製品となり、飛散防止用の保護フィルム等に供される。
製品となった基材レス両面粘着シートは、軽剥離側の離型フィルムが剥がされ、ハードコート層を有する飛散防止用保護フィルムの反ハードコート層側の面に、軽剥離の離型フィルムを剥がした粘着剤面が貼り合わされ、ハードコート層面の反対面が、反離型層面の構成となる。この時に、ハードコート層と反離型層面が重なるため、ハードコート層と反離型層面の滑り性が必要となる。
基材レス両面粘着シートには、軽剥離と重剥離の離型フィルムが使用されているが、本発明の離型フィルムは、少なくとも、ハードコート層と重ねられる重剥離側の離型フィルムに用いる必要がある。
ただし、基材レス両面粘着シートの軽剥離側でも、離型層面の表面が平坦な表面粗度を有しているので、粘着剤に平滑性を与えることができるので、基材レス両面粘着シートの軽剥離側に用いても本発明の効果が得られる。
次に本発明の離型フィルムの基材となるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においては離型フィルムを構成するポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法とは、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
ポリエステルフィルムの表面に塗布層を形成する方法は、特に制限されないが、ポリエステルフィルムを製造する工程中で塗布液を塗布する方法が好適に採用される。具体的には、未延伸シート表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、二軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。これらの中では、未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布後、フィルムに熱処理を行う過程で同時に塗布層を乾燥硬化する方法が経済的である。
また、塗布層を形成する方法として、必要に応じ、前述の塗布方法の幾つかを併用した方法も採用し得る。具体的には、未延伸シート表面に第一層を塗布して乾燥し、その後、一軸方向に延伸後、第二層を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。
ポリエステルフィルムの表面に塗布液を塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター等を使用することができる。
本発明において用いる塗布液は、通常、安全性や衛生性の観点から水を主たる媒体として調整されていることが好ましい。水を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する目的あるいは造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は、主たる媒体である水と混合して使用する場合、水に溶解する範囲で使用することが好ましいが、長時間の放置で分離しないような安定した乳濁液(エマルジョン)であれば、水に溶解しない状態で使用してもよい。有機溶剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
次に、実施例を挙げて本説明をさらに説明する。ただし、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における物性の評価方法は以下のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
(3)算術平均表面粗さ(Sa)、表面高さ分布のとがり(Sku)
株式会社菱化システム社の「VertScan」(登録商標)を用い、光干渉法にて、640μm×480μmの領域における表面形状と面粗さの測定を行った。本発明で規定する表面の3次元表面粗さパラメータの、算術平均粗さ(Sa)と表面高さ分布のとがり(Sku)は、測定された3次元表面形状をISOparam処理して得られる値である。
株式会社菱化システム社の「VertScan」(登録商標)を用い、光干渉法にて、640μm×480μmの領域における表面形状と面粗さの測定を行った。本発明で規定する表面の3次元表面粗さパラメータの、算術平均粗さ(Sa)と表面高さ分布のとがり(Sku)は、測定された3次元表面形状をISOparam処理して得られる値である。
(4)配向角主軸の傾き(配向角)の測定
カールツァイス社製偏光顕微鏡を用いて、ポリエステルフィルムの配向を観察し、ポリエステルフィルム面内の主配向軸の方向がポリエステルフィルムの幅方向に対して何度傾いているかを測定し配向角とした。この測定を得られたフィルムの中央部と両端の計3カ所について実施し、3カ所の内で最も大きい配向角の値を最大配向角とした。
カールツァイス社製偏光顕微鏡を用いて、ポリエステルフィルムの配向を観察し、ポリエステルフィルム面内の主配向軸の方向がポリエステルフィルムの幅方向に対して何度傾いているかを測定し配向角とした。この測定を得られたフィルムの中央部と両端の計3カ所について実施し、3カ所の内で最も大きい配向角の値を最大配向角とした。
(5)離型フィルムの剥離力(F)の評価
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(6)実用特性
<粘着剤の変形>
基材レス両面粘着シートより離型フィルムを剥がした後の粘着剤表面を目視観察し、粘着剤表面の状態を評価した
○:非常に平坦で、基材に貼り合せた時に問題となる凹凸は見られない
△:僅かに凹凸が見られるが、基材に貼り合せると埋まるレベルであり、実用上支障がないと判断できる
×:明確な凹凸が見られ、基材に貼り合せた場合に気泡となり、実用上問題となる
<粘着剤の変形>
基材レス両面粘着シートより離型フィルムを剥がした後の粘着剤表面を目視観察し、粘着剤表面の状態を評価した
○:非常に平坦で、基材に貼り合せた時に問題となる凹凸は見られない
△:僅かに凹凸が見られるが、基材に貼り合せると埋まるレベルであり、実用上支障がないと判断できる
×:明確な凹凸が見られ、基材に貼り合せた場合に気泡となり、実用上問題となる
<ロール巻き取り性>
下記に示す生産工程でのロール巻き取り状況や、巻き取ったロール外観より、ロール巻き取り性を評価した。
・ポリエステルフィルムの生産工程
・離型フィルムの生産工程
・基材レス両面粘着シート生産工程
◎:どの生産工程でも問題のない外観を有するロールが得られ、広い範囲の巻き取り条件で、問題のない外観を有するロールが得られた
○:問題のない外観を有するロールが得られ、巻き取り条件の範囲が狭い生産工程が見られた
△:各工程での巻き取り条件の範囲が狭く、時々外観不良のロールが発生した
×:各生産工程を通して、外観の良いロールを得ることが難しい
下記に示す生産工程でのロール巻き取り状況や、巻き取ったロール外観より、ロール巻き取り性を評価した。
・ポリエステルフィルムの生産工程
・離型フィルムの生産工程
・基材レス両面粘着シート生産工程
◎:どの生産工程でも問題のない外観を有するロールが得られ、広い範囲の巻き取り条件で、問題のない外観を有するロールが得られた
○:問題のない外観を有するロールが得られ、巻き取り条件の範囲が狭い生産工程が見られた
△:各工程での巻き取り条件の範囲が狭く、時々外観不良のロールが発生した
×:各生産工程を通して、外観の良いロールを得ることが難しい
<偏光透過光のクロスニコル検査性>
光軸をクロスさせた偏光板2枚の間に離型フィルムをはさみ、光源から、偏光板/離型フィルム/偏光板を通過した偏光透過光を目視観察し、欠点の検出状況により判定を行なった。
《判定基準》
○:離型フィルムのベース部分が暗く、欠点が輝点として容易に見られる
×:離型フィルムのベース部分が明るく、欠点が輝点として見られない
光軸をクロスさせた偏光板2枚の間に離型フィルムをはさみ、光源から、偏光板/離型フィルム/偏光板を通過した偏光透過光を目視観察し、欠点の検出状況により判定を行なった。
《判定基準》
○:離型フィルムのベース部分が暗く、欠点が輝点として容易に見られる
×:離型フィルムのベース部分が明るく、欠点が輝点として見られない
実施例1〜3、比較例1〜5:
<ポリエステルの製造>
・ポリエステル(1)の製造
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻し、実質的に微粒子を含まないポリエステル(1)を得た。このポリエステルの固有粘度は0.70であった。
<ポリエステルの製造>
・ポリエステル(1)の製造
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻し、実質的に微粒子を含まないポリエステル(1)を得た。このポリエステルの固有粘度は0.70であった。
・ポリエステル(2)の製造
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒子径0.7μmの合成炭酸カルシウム粒子を1.0部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻しポリエステル(2)を得た。得られたポリエステルの合成炭酸カルシウム粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.65であった。
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒子径0.7μmの合成炭酸カルシウム粒子を1.0部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻しポリエステル(2)を得た。得られたポリエステルの合成炭酸カルシウム粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.65であった。
・ポリエステル(3)の製造
ポリエステル(2)の製造方法において、平均粒子径0.70μmの合成炭酸カルシウム粒子に変えて、平均粒子径3.4μmのシリカ粒子を用いた以外は、ポリエステル(2)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(3)を得た。得られたポリエステルのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.65であった。
ポリエステル(2)の製造方法において、平均粒子径0.70μmの合成炭酸カルシウム粒子に変えて、平均粒子径3.4μmのシリカ粒子を用いた以外は、ポリエステル(2)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(3)を得た。得られたポリエステルのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.65であった。
・ポリエステル(4)の製造
ポリエステルBの製造方法において、平均粒子径0.70μmの合成炭酸カルシウム粒子に変えて、平均粒子径1.5μmの炭酸カルシウム粒子を用いた以外は、ポリエステル(2)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(4)を得た。得られたポリエステルの炭酸カルシウム粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.65であった。
ポリエステルBの製造方法において、平均粒子径0.70μmの合成炭酸カルシウム粒子に変えて、平均粒子径1.5μmの炭酸カルシウム粒子を用いた以外は、ポリエステル(2)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(4)を得た。得られたポリエステルの炭酸カルシウム粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.65であった。
・ポリエステル(5)の製造
ポリエステル(2)の製造方法において、平均粒子径0.70μmの合成炭酸カルシウム粒子に変えて、平均粒子径2.2μmのシリカ粒子を用いた以外は、ポリエステル(2)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(5)を得た。得られたポリエステルのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.65であった。
ポリエステル(2)の製造方法において、平均粒子径0.70μmの合成炭酸カルシウム粒子に変えて、平均粒子径2.2μmのシリカ粒子を用いた以外は、ポリエステル(2)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(5)を得た。得られたポリエステルのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.65であった。
・ポリエステルフィルム製膜条件−1
ポリエステルA〜F、結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムまたはモンタン酸ナトリウムを表1に示す配合比でA層、B層の混合原料とし、2台の二軸押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、全厚みに対して、A層とB層の厚み比を表2に示す構成比となるように、2種2層の構成で20℃に冷却したキャスティングドラム上に共押出し、冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、85℃にて縦方向に2.9倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て125℃で5.4倍の横延伸を施した後、215℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4.5%の弛緩を加え、下記表1〜3に示す厚さのポリエステルフィルムを得た。
ポリエステルA〜F、結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムまたはモンタン酸ナトリウムを表1に示す配合比でA層、B層の混合原料とし、2台の二軸押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、全厚みに対して、A層とB層の厚み比を表2に示す構成比となるように、2種2層の構成で20℃に冷却したキャスティングドラム上に共押出し、冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、85℃にて縦方向に2.9倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て125℃で5.4倍の横延伸を施した後、215℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4.5%の弛緩を加え、下記表1〜3に示す厚さのポリエステルフィルムを得た。
・ポリエステルフィルム製膜条件−2
ポリエステルA〜F、結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムまたはモンタン酸ナトリウムを表1に示す配合比でA層、B層の混合原料とし、2台の二軸押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、全厚みに対して、A層とB層の厚み比を表2に示す構成比となるように、2種2層の構成で20℃に冷却したキャスティングドラム上に共押出し、冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、85℃にて縦方向に3.4倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て125℃で4.0倍の横延伸を施した後、230℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4.5%の弛緩を加え、下記表1〜3に示す厚さのポリエステルフィルムを得た。
ポリエステルA〜F、結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムまたはモンタン酸ナトリウムを表1に示す配合比でA層、B層の混合原料とし、2台の二軸押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、全厚みに対して、A層とB層の厚み比を表2に示す構成比となるように、2種2層の構成で20℃に冷却したキャスティングドラム上に共押出し、冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、85℃にて縦方向に3.4倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て125℃で4.0倍の横延伸を施した後、230℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4.5%の弛緩を加え、下記表1〜3に示す厚さのポリエステルフィルムを得た。
<離型フィルムの製造>
得られたポリエステルフィルムのA層側に下記組成からなる離型層を塗布量が0.1g/m2(乾燥後)になるように設けた後に、120℃、30秒間熱処理し、剥離力15mN/cmの軽剥離側用離型フィルムと、剥離力80mN/cmの重剥離側用離型フィルムを得た。
・軽剥離側用離型フィルムの離型剤組成
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
・重剥離側用離型フィルムの離型剤組成
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 90部
重剥離コントロール剤(SD−7292:東レ・ダウコーニング製) 10部
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1) 1500部
得られたポリエステルフィルムのA層側に下記組成からなる離型層を塗布量が0.1g/m2(乾燥後)になるように設けた後に、120℃、30秒間熱処理し、剥離力15mN/cmの軽剥離側用離型フィルムと、剥離力80mN/cmの重剥離側用離型フィルムを得た。
・軽剥離側用離型フィルムの離型剤組成
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
・重剥離側用離型フィルムの離型剤組成
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 90部
重剥離コントロール剤(SD−7292:東レ・ダウコーニング製) 10部
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1) 1500部
<基材レス両面粘着シートの製造>
得られた重剥離側用離型フィルムの離型剤層の上に、アクリル系粘着剤溶液を乾燥後の膜厚が25μmとなるように、アプリケータを用いて塗工した後、その塗工膜を120℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成した。アクリル系粘着剤溶液は、アクリル酸ブチルとアクリル酸とのモノマー基準の質量比が99:1の共重合体溶液(溶媒:トルエン、固形分濃度40質量%)100質量部に、ポリイソシアネート系架橋剤(東洋インキ製造(株)製、商品名「BHS8515」、固形分濃度37.5質量%)1質量部を添加混合して得られたものであった。次いで、軽剥離側用離型フィルムの離型剤層と粘着剤層とを貼り合わせて実施例1の基材レス両面粘着シートを得た。
得られた重剥離側用離型フィルムの離型剤層の上に、アクリル系粘着剤溶液を乾燥後の膜厚が25μmとなるように、アプリケータを用いて塗工した後、その塗工膜を120℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成した。アクリル系粘着剤溶液は、アクリル酸ブチルとアクリル酸とのモノマー基準の質量比が99:1の共重合体溶液(溶媒:トルエン、固形分濃度40質量%)100質量部に、ポリイソシアネート系架橋剤(東洋インキ製造(株)製、商品名「BHS8515」、固形分濃度37.5質量%)1質量部を添加混合して得られたものであった。次いで、軽剥離側用離型フィルムの離型剤層と粘着剤層とを貼り合わせて実施例1の基材レス両面粘着シートを得た。
本発明の離型フィルムは、ハードコート層を有する飛散防止用フィルムに用いられても欠点の検出が容易にでき、ハードコート面との滑り性が良く、粘着剤の変形を抑えることができ、飛散防止用に用いる基材レス両面粘着シート用の離型フィルムとして、好適に利用することができる。
Claims (3)
- 少なくとも2層からなる構造を有し、配向角主軸の傾き(配向角)が12度以下である、厚さ50〜150μmポリエステルフィルムの片面に離型層を有し、表裏の表面粗度が異なり、離型層のフィルム表面の算術平均粗さ(Sa)が3〜15nmの範囲であり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8の範囲であり、反離型層表面の表面粗度Saが25〜45nmの範囲であることを特徴とする基材レス両面粘着シート用離型フィルム。
- 離型層側のポリエステル層が、粒子を実質的に含有せず、反離型層側のポリエステル層が、平均粒子径2.0〜4.0μmの粒子を含有する請求項1に記載の基材レス両面粘着シート用離型フィルム。
- 基材レス両面粘着シートの重剥離側に用いられる請求項1または2に記載の基材レス両面粘着シート用離型フィルム。
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JP2015133159A JP2017013387A (ja) | 2015-07-02 | 2015-07-02 | 基材レス両面粘着シート用離型フィルム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2015
- 2015-07-02 JP JP2015133159A patent/JP2017013387A/ja active Pending
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