JP2010247423A - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、成形性、離型性を同時に備えた離型フィルムを提供する。
【解決手段】融点が210℃以上245℃以下、および配向係数が0.10以上0.16以下の基材フィルムの少なくとも片方の面に、帯電防止性を有する成分と離型性を有する成分とを構成成分として含有する離型層を設けた離型フィルム。さらに、離型性を有する成分が、ポリビニルアルコール又はポリエチレンイミンを塩素化アルキロイル又はアルキルイソシアネートで長鎖アルキル化した共重合体であり、帯電防止性を有する成分が、第四級アンモニウム塩型カチオン化合物である離型フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は離型フィルムに関する。さらに詳しくは、耐熱性、成形性、離型性を同時に備えた離型フィルムに関する。
表示材、建材、自動車部品、電子部品などで使用される、樹脂、金属、木材等を原料とする素材からなる部材の表面保護および/または加飾用には、各種のプラスチックフィルムが用いられている。かかる部材は、一般に様々な形状をしており、そのため表面保護および/または加飾用に用いられるプラスチックフィルムとしては、部材の形状に追随できるように、成形性を有する必要がある。このような成形性を有するプラスチックフィルムの代表的なものとして、ポリ塩化ビニルフィルムがあるが、かかるフィルムは、燃焼した際にダイオキシン等の有毒物質が発生する等の問題がある。また、耐熱性が低く、成形加工時に金型に張り付いてしまう等の問題がある。そこで、かかる問題を解決すべく、例えば特許文献1のようなフィルムが提案されている。
特開2004−122669号公報
上記特許文献1に開示されているフィルムは、耐熱性および成形性に優れ、また比較的融点も高いため、上述のような成形用途、とりわけ成形同時加飾用途に好適に用いられるものである。しかしながら、近年においては、成形部材のさらなる生産性向上の要求があり、上記特許文献1に開示されているフィルムでは不足の場合がある。
本発明は、上記要求を十分に満足すべく、耐熱性、成形性、離型性を同時に備えた離型フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の融点を有し、特定の配向の態様を有する基材フィルムに特定の離型層を設けた離型フィルムが、上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、基材フィルムの少なくとも片方の面に離型層を有する離型フィルムであって、基材フィルムの融点が210℃以上245℃以下、面配向係数が0.10以上0.16以下であり、離型層が帯電防止性を有する成分と離型性を有する成分とを構成成分として含有する離型フィルムである。
さらに本発明は、離型性を有する成分が、ポリビニルアルコール又はポリエチレンイミンを塩素化アルキロイル又はアルキルイソシアネートで長鎖アルキル化した共重合体であり、帯電防止性を有する成分が、第4級アンモニウム塩型カチオン性化合物であること、離型層がバインダーを含有すること、少なくとも片方の表面における表面粗さ(SRz)が2400nm以下であることのうち、少なくともいずれか1つの態様を具備することによって、さらに優れた離型フィルムを提供することができる。
さらに本発明は、上記離型フィルムを用いた成形用シートを包含する。
本発明によれば、耐熱性、成形性、離型性を同時に備えた離型フィルムを提供することができる。かかる離型フィルムを成形用として、とりわけ成形同時加飾用として用いることによって、成形加工時における金型等との貼り付きを従来よりもさらに好適に抑制することができ、成形部材の生産性を高くすることができる。
更には、本発明の好ましい態様によると、離型フィルム表面の平滑性が適度であるため、成形部材表面への離型フィルムの表面形状の転写が生じたとしてもその影響が小さく、外観が良好な成形部材を得ることができると同時に、巻取り性等のフィルムの取り扱い性に優れる。
したがって、本発明の離型フィルムは、成形部材の表面保護用途、成形用途、とりわけ成形同時加飾用途に好適に用いることができる。
以下、本発明の離型フィルムを構成する各構成成分について説明する。
<基材フィルム>
本発明における基材フィルムは、本発明が規定する融点の態様、および面配向係数の態様を有していれば、それを形成する材料は特に限定されないが、ポリエステル樹脂が好ましい。かかるポリエステル樹脂としては、共重合ポリエステル樹脂が好ましい。
(共重合ポリエステル樹脂)
本発明における共重合ポリエステル樹脂としては、共重合ポリエチレンテレフタレートが代表例として挙げられる。かかる共重合ポリエチレンテレフタレートにおける共重合成分としては、酸成分でも良いし、アルコール成分でも良い。酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香族二塩基酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等を例示することができる。また、アルコール成分としては、ブタンジオ−ル、ヘキサンジオール等の如き脂肪族ジオール、シクロヘギサンジメタノールの如き脂環族ジオール等を例示することができる。これらは単独または二種以上を使用することができる。
共重合ポリエステル樹脂における共重合成分の割合(共重合量)は、その種類にもよるが、結果として共重合ポリエステル樹脂の融点が、好ましくは210℃以上245℃以下、さらに好ましくは215℃以上240℃以下、特に好ましくは220℃以上235℃以下となる範囲である。共重合ポリエステル樹脂の融点を上記数値範囲とすることによって、基材フィルムの融点を本発明が規定する範囲とすることが容易となる。
本発明においては、上記のような態様を満足する特に好ましい共重合ポリエステル樹脂として、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートを例示することができる。かかるイソフタル酸成分の共重合量は、共重合ポリエステル樹脂における全酸成分100モル%に対して、好ましくは1モル%以上25モル%以下、さらに好ましくは5モル%以上20モル%以下、特に好ましくは10モル%以上15モル%以下である。このような態様とすることによって、成形性をより高くすることができる。また、耐熱性と成形性とのバランスに優れる。また、基材フィルムの融点を、本発明が規定する範囲とすることが容易となる。また、基材フィルムの面配向係数を、本発明が規定する範囲とすることが容易となる。また、基材フィルムと離型層との密着性をより高くすることができ、得られる成形部材の外観を良好なものとすることができる。
本発明における共重合ポリエステル樹脂は、その製法は限定されない。例えば、テレフタル酸、エチレングリコール及び共重合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエステル樹脂とする方法、あるいは、ジメチルテレフタレート、エチレングリコール及び共重合成分をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエステル樹脂とする方法等が好ましく用いられる。
(粒子)
本発明における基材フィルムは、粒子を含有することが好ましい。粒子を含有することによって、巻取り性等のフィルムの取り扱い性を向上することができる。かかる粒子としては無機系粒子、有機系粒子の如何を問わない。無機系粒子としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、二酸化チタン粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム等を例示することができ、有機系粒子としてはシリコーン粒子等を例示することができる。各種加工工程におけるシリコーン粒子のブリードアウト、およびそれによる工程汚染を考慮すると、無機系粒子が特に好ましい。
かかる粒子の平均粒径は、0.01μm以上2.5μm以下であることが好ましい。平均粒径が2.5μmを越える場合は、成形加工により変形した部分において、粗大粒子(例えば10μm以上の粒子)が起点となり、ピンホールが発生したり、場合によってはかかるピンホールによってフィルムが破断したりすることがある。又、粗大粒子によりフィルムの表面が粗くなりすぎると、成形部材表面にフィルムの表面形状が転写したり、フィルムのヘーズが高くなったりして、成形部材の外観が劣る傾向にある。このような観点から、粒子の平均粒径は、さらに好ましくは0.1μm以上2.3μm以下、特に好ましくは1.0μm以上2.0μm以下である。
本発明における粒子は、球状粒子であることが好ましく、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2であることが好ましい。かかる態様であると、ヘーズおよび表面性(平滑性)により優れる。また、これらの特性と取り扱い性とを両立することが容易となる。このような粒子としては、真球状シリカ粒子、真球状酸化チタン粒子、真球状ジルコニウム粒子、真球状シリコーン粒子等が例示できる。
また、本発明における粒子は、単分散であることが好ましく、粒径分布がシャープであることが好ましく、分布の急峻度を表わす相対標準偏差が、好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.3以下であることが好ましい。かかる態様であると、ヘーズおよび表面性(平滑性)により優れる。また、これらの特性と取り扱い性とを両立することが容易となる。
ここで、粒子の平均粒径及び粒径比は、次のようにして求めることができる。すなわち、先ず粒子表面に金属を蒸着して、電子顕微鏡にて例えば1万〜3万倍に拡大して観測する。得られた像から、すくなくとも100個の粒子について、長径、短径及び面積円相当径を求め、次いでこれらを次式にあてはめることによって算出される。
平均粒径(D)=測定粒子の面積円相当径の総和/測定粒子の数
粒径比=粒子の平均長径/該粒子の平均短径
また、粒径の相対標準偏差は次式で表わされる。
Figure 2010247423
ここで、
Di:個々の粒子の面積円相当径(μm)
D :平均粒径(μm)
n :粒子の個数
粒子の含有量は、基材フィルムの質量を基準として、好ましくは0.001質量%以上0.5質量%以下である。かかる含有量は、フィルムの取り扱い性、透明性、平滑性等を考慮して決める必要がある。粒子の含有量が多すぎると、フィルムが滑りすぎる傾向にあり、巻取り時にフィルムが横滑りしてしまう等、巻取り性に劣る傾向にある。また、ヘーズが高くなる傾向にあり、成形同時加飾用途において、とりわけその中でも成形部材にフィルムが残存する用途においては、成形部材の外観に劣る傾向にある。更には、フィルムの平滑性に劣る傾向にあり、成形部材表面への転写が起こりやすくなる傾向にある。他方、少なすぎると、フィルムの滑りが悪くなる傾向にあり、巻取り性に劣る傾向にある。このような観点から、含有量は、さらに好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下、特に好ましくは0.05質量%以上0.15質量%以下である。
粒子の粒径および含有量の態様としては、一般に粒径の大きな粒子を用いる場合は少量、粒径の小さな粒子を用いる場合は多量添加するのが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明における基材フィルム、あるいはそれを形成する共重合ポリエステル樹脂には、必要に応じ、また本発明の目的を損なわない範囲において、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の添加剤を添加することができる。
(融点)
本発明における基材フィルムは、融点が210℃以上245℃以下である。ここで融点とは、示差走査熱量計(DSC)(TA Instruments社製、商品名「DSC2920 Modulated」)を用い、25℃から20℃/分の速度で昇温させて得られた結晶融解ピーク温度の値である。
融点が上記数値範囲にあると、耐熱性および成形性に同時に優れる。また、離型層との密着性に優れる。融点が高すぎる場合は、成形性に劣る傾向にある。他方、融点が低すぎる場合は、耐熱性に劣る傾向にあり、成形加工における押出樹脂の種類によっては、かかる押出樹脂の温度(溶融された樹脂の温度)や金型の温度によって基材フィルムが変形してしまう等の問題が生じやすくなる傾向にある。このような観点から、基材フィルムの融点は、好ましくは215℃以上240℃以下、さらに好ましくは220℃以上235℃以下である。
(面配向係数)
本発明における基材フィルムは、面配向係数が0.10以上0.16以下である。ここで面配向係数は、以下の式により定義されるものである。
P=[(nMD+nTD)/2]−nZ
上記式において、Pは面配向係数、nMDはフィルムの縦方向(長手方向、MD)の屈折率、nTDはフィルムの横方向(フィルム面内において長手方向と垂直な方向、TD)の屈折率、nZはフィルムの厚み方向の屈折率を示す。なお、屈折率は以下のようにして測定する。すなわち、アッベ屈折率計の接眼側に偏光板アナライザーを取り付け、光線としてNaD線を用い、マウント液としてヨウ化メチレンを用い、測定温度25℃にて測定する。
面配向係数が上記数値範囲にあると、基材フィルムが適度に配向している態様を示し、耐熱性および成形性に同時に優れる。また、本発明における離型層との密着性に特に優れる。面配向係数が低すぎる場合は、フィルムの面方向における配向が低すぎる傾向にあり、成形性は高くなる傾向にあるものの、耐熱性に劣る傾向にある。また、経時により脆化しやすくなる傾向にある。他方、面配向係数が高すぎる場合は、フィルムの面方向における配向が高すぎる傾向にあり、耐熱性は高くなる傾向にあるものの、成形性が低くなる傾向にある。このような観点から、基材フィルムの面配向係数は、好ましくは0.11以上0.15以下、さらに好ましくは0.11以上0.14以下である。
(縦方向の屈折率、横方向の屈折率、厚み方向の屈折率)
本発明における基材フィルムの縦方向の屈折率は、好ましくは1.61以上1.66以下、さらに好ましくは1.615以上1.655以下である。また、本発明における基材フィルムの横方向の屈折率は、好ましくは1.61以上1.66以下、さらに好ましくは1.615以上1.655以下である。本発明においては、縦方向の屈折率および横方向の屈折率が同時に上記数値範囲にあることが好ましく、成形性の面内均一性に優れる。特に好ましくは、基材フィルムの面内において、全ての方向の屈折率が上記数値範囲にある態様であり、成形性の面内均一性に特に優れる。
本発明における基材フィルムの厚み方向の屈折率は、好ましくは1.505以上1.545以下、さらに好ましくは1.510を越え1.540以下、特に好ましくは1.510を越え1.530以下である。厚み方向の屈折率が上記数値範囲にあると、成形性により優れる。厚み方向の屈折率が高すぎる場合は、成形性に劣る傾向にある。他方、低すぎる場合は、耐熱性に劣る傾向にある。
本発明において上記のような面配向係数、および、縦方向、横方向、厚み方向の屈折率を得るためには、基材フィルムの製造工程において、特に縦延伸条件、横延伸条件、熱固定条件等の条件を適宜調整すればよい。例えば、縦延伸倍率、横延伸倍率を小さくしたり、縦延伸温度、横延伸温度を高くしたり、熱固定温度を基材フィルムを形成する樹脂の融点に近づけるべく高くしたりすることによって、縦方向および横方向の屈折率は低くなる傾向にあり、厚み方向の屈折率は高くなる傾向にあり、面配向係数は小さくなる傾向にある。
(基材フィルムの製造方法)
本発明における基材フィルムは、好ましくは上記粒子を含有した上記共重合ポリエステル樹脂を溶融し、ダイより吐出してフィルム状に成形し、縦方向および横方向に二軸延伸し、熱固定することにより得ることができる。
溶融および吐出の条件としては、用いる樹脂の融点や溶融粘度、目的とするフィルム厚みを考慮して適宜調整すれば良い。
本発明では、基材フィルムの製造方法においては、基材フィルムの配向の態様を本発明が既定する範囲とするために、特に延伸条件および熱固定条件が重要である。具体的には、本発明においては、縦延伸倍率は2.5〜3.6倍とすることが好ましく、2.8〜3.3倍とすることがさらに好ましい。同時に、横延伸倍率は2.7〜3.6倍とすることが好ましく、2.9〜3.5倍とすることがさらに好ましい。さらに、熱固定温度は150〜230℃とすることが好ましく、190℃以上210℃以下とすることがさらに好ましい。特に好ましくは、かかる条件の中から、厚さ方向の屈折率が1.505以上1.545以下、縦方向および横方向の屈折率が1.61以上1.66以下となるような延伸条件および熱固定条件とするのが良い。さらに、フィルムの密度が1.385g/cm未満、さらには1.380〜1.384g/cmとなるような延伸条件および熱固定条件とすることが好ましい。
本発明における基材フィルムの厚みは、好ましくは10〜100μmである。さらに20〜80μm、特に40〜60μmであることが好ましい。フィルム厚みが薄すぎる場合は、加工時に破れ等が生じやすくなるばかりでなく、離型フィルムとして使用する際に薄すぎてシワになりやすい等、取り扱い性に劣る傾向にある。他方、厚すぎる場合は、過剰品質であって不経済であるばかりでなく、離型フィルムとして使用する際にコシが強すぎて成形加工しづらくなる場合がある。
<離型層>
本発明における離型層は、離型性を有する成分と帯電防止性を有する成分とを構成成分として含有するものである。
(離型性を有する成分(離型剤))
離型性を有する成分(離型剤)としては、長いアルキル側鎖をもつポリマーが好ましく、炭素数12以上、特に16〜20のアルキル鎖をもつアルキルアクリレートとアクリル酸とのコポリマーがさらに好ましい。アルキルアクリレートのアルキル鎖の炭素数が12未満では十分な剥離性が得られないことがある。
これらの中、特に好ましくは、ポリビニルアルコール又はポリエチレンイミンを塩素化アルキロイルまたはアルキルイソシアネートで長鎖アルキル化した共重合体が好ましく、具体的には、ポリビニルアルコールとオクタデシルイソシアネートとの反応によって得られるポリビニル−N−オクタデシルカルバメートや、ポリエチレンイミンとオクタデシルイソシアネートとの反応によって得られるポリエチレンイミン−N−オクタデシルカルバメートなどが挙げられる。
本発明においては、離型剤としてフッ素系離型剤も用いることができる。
(帯電防止性を有する成分(帯電防止剤))
帯電防止性を有する成分(帯電防止剤)としては、界面活性剤や導電性樹脂等任意の帯電防止能を持つ化合物を包含する。
この帯電防止剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜3級アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン系帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性の帯電防止剤等の各種界面活性剤型帯電防止剤、更には上記の如き帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤等が挙げられ、又、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有し、電離放射線により重合可能なモノマーやオリゴノマー、例えば、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマー、それらの第4級化合物等の重合性帯電防止剤も使用できる。
また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性ポリマーや、スズ、アンチモン系フィラー、酸化インジウム系フィラーをバインダーに分散したものも使用できる。これらの中、第4級アンモニウム塩型カチオン性化合物が好ましい。
本発明において、帯電防止剤と離型剤の量比(固形分質量比)は、5/95〜95/5の範囲が好ましく、20/80〜80/20の範囲がさらに好ましく、40/60〜60/40の範囲が特に好ましい。量比を上記数値範囲とすることによって、離型性と帯電防止性とのバランスがより良好となる。また、金型からの剥離性により優れる。
(バインダー)
本発明においては、離型層の強度および成形性、基材フィルムへの密着性、耐水性、耐溶剤性、耐ブロッキング性などの特性を向上するために、離型層がバインダーを含有することが好ましい。
上記バインダーとしては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル樹脂などの熱可塑性樹脂および/または熱硬化性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などの高分子化合物を好ましく例示できる。このうち、熱可塑性樹脂としてはポリエステル樹脂が特に好ましく、熱硬化性樹脂としてはメラミン樹脂が特に好ましく、上記特性をさらに向上させることができる。さらに架橋剤として、上記バインダーとは異なる、メラミン系化合物(例えば、メチロール化あるいはアルキロール化したメラミン系化合物)、尿素系化合物、グリオキザール系化合物、アクリルアミド系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物(例えば、ポリイソシアネート)からなる群より選ばれた少なくとも1種類を含有することが特に好ましい。かかる架橋剤を含有することによって、バインダーと架橋剤とか架橋した高分子体が形成される。これによって、上記特性、とりわけ成形性をさらに向上させることができる。このような観点においては、バインダーとして熱可塑性樹脂を用いた上で架橋剤を用いる態様が好ましく、かかる態様において、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂を用い、架橋剤としてメラミン系化合物を用いる態様が特に好ましい。
離型層を構成する帯電防止剤、離型剤及び必要に応じて配合されるバインダーの量比は用途によって異なるが、後述する表面固有抵抗、剥離力、ヘーズ等の特性を満足する量比とすることが好ましい。例えば、離型層にバインダーを配合する場合、その含有量は、離型層の固形分の質量を基準として10質量%以上80質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がさらに好ましく、上述のバインダー含有による効果をより向上させることができる。また、架橋剤の含有量は、バインダー100質量%に対して、30質量%以上70質量%以下が好ましく、40質量%以上60質量%以下がさらに好ましく、上述の架橋剤含有による効果をより向上させることができる。
(厚み)
本発明における離型層の厚みは、好ましくは0.01μm以上1μm以下、さらに好ましくは0.02μm以上0.3μm以下である。厚みが0.01μm未満であると十分な帯電防止効果や離型性が得られないことがあり、他方1μmを超える離型層は、過剰品質であり不経済である。
本発明においては、上述のような離型層を採用することによって、金型からの剥離性に特に優れた離型フィルムを得ることができる。これによって、成形部材の生産性を向上することができる。また、成形加工後においても、離型層のヒビ割れが生じにくく、曇りの少ない外観が良好な成形部材を製造することができる。
<離型フィルム>
本発明の離型フィルムは、上述した基材フィルムの少なくとも片方の面に、上述した離型層を有するものである。
(表面粗さ(SRz))
本発明の離型フィルムは、少なくとも片方の表面における表面粗さ(SRz)が、好ましくは2400nm以下、更に好ましくは2200nm以下である。表面粗さ(SRz)が上記数値範囲にあると、平滑性に優れ、フィルムの表面凹凸形状が成形部材表面へ転写したとしても、その影響を小さくすることができ、外観の良好な成形部材を得ることができる。表面粗さ(SRz)が上記数値範囲を超えると、離型フィルム表面の凹凸形状が成形部材表面に転写し、成形部材の外観に劣る傾向にある。表面粗さ(SRz)の下限は特に規定されるものではないが、500nm程度である。又、巻き特性(取り扱い性)を考慮すると800nm以上であることが好ましい。このような表面粗さ(SRz)とするには、基材フィルムが含有する粒子の態様を適宜調整すればよく、例えば上述のような本発明における好ましい粒子の態様とすればよい。
なお、このように本発明においては、離型フィルムの少なくとも片方の表面における表面粗さ(SRz)が上記のような態様であることが好ましいが、いずれの表面を上記のような態様とするかは、用途によって適宜選択すれば良い。例えば、成形同時加飾用途において、成形加工後に意匠を有するフィルムが成形部材に残存する用途においては、意匠を設けない側の離型フィルム表面を上記のような態様とすることが好ましい。また、成形加工後に意匠を成形部材に残してフィルムは剥離して残存しない用途においては、意匠を設ける側の離型フィルム表面を上記のような態様とすることが好ましい。
(剥離力)
本発明の離型フィルムは、離型層表面における剥離力が、好ましくは20g/25mm以上400g/25mm以下、さらに好ましくは30g/25mm以上150g/25mm以下、特に好ましくは30g/25mm以上50g/25mm以下である。尚、ここで剥離力は、ポリエステル粘着テープ(日東電工株式会社製、品番:31B)を測定面に貼り付け、300mm/分の速度で180度の角度で剥離するときの剥離力を表す。剥離力が上記数値範囲にあると、金型との離型性に優れ、成形加工工程においてフィルムが金型へ貼り付いてしまうのを抑制することができ、成形部材の生産性をより向上することができる。また、離型フィルムを巻き取った際の耐ブロッキング性に優れる。それにより、離型層を有しない側の表面における離型成分等による汚染を抑制することができ、成形部材の外観をより良くすることができる。
(表面固有抵抗)
本発明の離型フィルムは、離型層表面における表面固有抵抗が、好ましくは10Ω/□以上1013Ω/□以下、さらに好ましくは10Ω/□以上1010Ω/□以下である。表面固有抵抗が上記数値範囲にあると、離型フィルムにゴミ等の異物が付着しにくくなり、それにより成形加工工程における成形不良やフィルム破断を抑制できる。また、外観のより良好な成形部材を得ることができる。また、金型からの剥離性に優れる。
剥離力および表面固有抵抗は、上述の離型剤および帯電防止剤の含有量を適宜調整することによって達成することができる。例えば、これらの量比を上述した好ましい範囲とすれば良い。また、離型層におけるこれらの合計の含有量を、離型層の質量を基準として、20質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、30質量%以上60質量%以下とすることがさらに好ましい。
(ヘーズ)
本発明の離型フィルムは、ヘーズが20%以下であることが好ましい。ヘーズが上記数値範囲にあると、成形同時加飾用途において、フィルムが成形部材に残存する用途では、意匠が見やすくなる、光沢感に優れる等の効果が得られ、結果として外観の優れた成形部材を得ることができる。また、フィルムが成形部材に残存しない用途においても、フィルムに意匠を印刷後、成形加工前に意匠の欠点を確認することが容易となり、結果として外観に優れた成形部材を得ることが容易となる。このような観点から、ヘーズは15%以下であることがさらに好ましい。ヘーズの下限は低ければよく、特に限定されないが、実質的な下限は0.1%以上である。このようなヘーズとするには、基材フィルムが含有する粒子の態様を適宜調整すればよく、例えば上述のような本発明における好ましい粒子の態様とすればよい。
<離型フィルムの製造方法>
本発明の離型フィルムは、上記離型剤、帯電防止剤、任意に配合してもよいバインダー等、離型層を構成する各構成成分を含有する塗液を調製して、かかる塗液を基材フィルムに塗布し、得られた塗膜を乾燥することにより形成することができる。かかる塗液の調製に用いられる媒体としては、各構成成分の溶解性の観点から、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの有機溶剤を例示することができる。これらは単独で用いることもできるし、もしくは溶解性をさらに高めて、それにより離型層の外観をさらに良くするという観点から、複数を組み合わせた混合溶剤を用いることができ、好ましい。また、かかる媒体としては、上記のような有機溶剤が好ましいが、水性塗液(水を媒体とするもの)を用いることも可能である。
本発明における塗液の固形分濃度は特に制約はないが、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜30質量%がさらに好ましい。固形分濃度が30質量%を超えると塗布外観が悪化しやすくなる傾向にある。
本発明の離型フィルムは、上記の離型層を形成するための塗液を基材フィルムの少なくとも一方の面に塗布して得られるが、該基材フィルムとしては、例えばポリエステルフィルムの場合、前述の方法で延伸されて結晶配向が完了したポリエステルフィルム、あるいは結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムが好ましく挙げられる。
結晶配向が完了したポリエステルフィルムとしては、ポリエステルを熱溶融してそのままフィルム状とした未延伸フィルムを縦方向及び横方向に二軸延伸し、熱固定処理をしたものを例示することができる。結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとしては、ポリエステルを熱溶融してそのままフィルム状とした未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向のいずれか一方に配向せしめた一軸延伸フィルム、縦方向および横方向の2方向に低倍率延伸配向させたもの(最終的に縦方向および横方向に再延伸させて配向結晶化を完了させる前の二軸延伸フィルム)を例示することができる。
基材フィルムへの塗液の塗布方法としては、公知の任意の塗布方法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法およびカーテンコート法などを単独または組み合わせて適用するとよい。なお、水性塗液を用いる場合には、塗液の安定性を助ける目的で若干量の有機溶剤を含有させてもよい。
乾燥温度は50℃以上150℃以下が好ましく、60℃以上120℃以下がさらに好ましく、70℃以上110℃以下が特に好ましい。乾燥時間は、10秒以上300秒以下が好ましく、60秒以上200秒以下がさらに好ましく、100秒以上150秒以下が特に好ましい。このような乾燥条件を採用することによって、基材フィルムの平坦性を維持しながら塗膜の乾燥および架橋反応を好ましく進行させることができ、優れた塗膜を得ることができる。乾燥温度が高すぎる場合および乾燥時間が長すぎる場合は、基材フィルムが変形してしまい、平坦性に劣る傾向にある。他方、乾燥温度が低すぎる場合および乾燥時間が短すぎる場合は、架橋反応が進行しにくくなる傾向にある。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、各特性値は以下の方法によって測定、評価した。
(1)融点
樹脂サンプルの場合は10mg、フィルムサンプル(離型フィルム)の場合は20mgサンプリングし、アルミニウムパンに充填したものを示差走査熱量計(DSC)(TA Instruments社製、商品名「DSC2920 Modulated」)にセットし、20℃/分の速度で25℃から290℃まで昇温した。空のアルミニウムパンを対照として熱量変化を記録し、最も高温部の吸熱のピークに相当する温度を基材フィルムの融点(単位:℃)とした。なお、本発明においては、上記測定において離型層に由来するピークがあったとしても、離型層と基材フィルムとの質量の差が十分に大きいため、基材フィルムに由来する融解ピークを明確に判断することができる。
(2)屈折率(面配向係数)
得られた離型フィルムについて、縦方向、横方向および厚み方向の各方向の屈折率をアッベ法にて測定し、得られた屈折率を基材フィルムの屈折率とした。また、面配向係数は前述の計算式によって計算し、基材フィルムの面配向係数とした。
(3)表面粗さ(SRz)
基材フィルムの両面に離型層を有する場合は任意の離型層表面について、基材フィルムの一方の表面に離型層を有する場合は離型層を有しない側の表面について測定した。三次元粗さ測定機(小坂研究所製SE―3CK)を用いて、針径2μmR、針圧30mg、測定長1mm、サンプリングピッチ2μm、カットオフ0.25mm、縦方向拡大率2万倍、横方向拡大率200倍、走査本数100本の条件にてフィルム表面の三次元表面プロファイルを得た。得られたプロファイルから、10点平均表面粗さを求め、表面粗さ(SRz)(単位:nm)とした。
(4)ヘーズ
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用して離型フィルムのヘーズ(単位:%)を測定した。
(5)剥離力
離型フィルムの離型層表面に、ポリエステル粘着テープ(日東電工株式会社製、型番:31B、25mm幅)を、2kgのローラーを用いて均一な力で貼り合わせてサンプルを作成した。作成したサンプルから、引っ張り試験機機にて、ポリエステル粘着テープを速度300mm/分、角度180度で剥離した時の剥離力を測定した。かかる測定を任意の5箇所について実施し、それらの平均値を剥離力(単位:g/25mm)とした。
(6)表面固有抵抗
離型層表面について、タケダ理研社製の固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度65%RHの雰囲気で、印加電圧100Vで1分後の表面固有抵抗を測定した。かかる測定を任意の5箇所について実施し、それらの平均値を表面固有抵抗(単位:Ω/□)とした。
(7)成形加工特性
金型に、得られた離型フィルムを、離型層側が金型側、反対側が射出側となるように設置し、10cm角の大きさで、立ち上がり15mm、コーナー部のRが2mmのトレー状成形品を射出成形した。この時、成形用の樹脂には、ポリカーボネート/ABS樹脂アロイを用い、樹脂温度260℃、金型温度50℃、樹脂圧力約350MPaとした。離型フィルムが被覆された状態で成形化工品の外観観察してから、フィルムを剥離し、成形部品を得た。
[成形状況評価基準]
本工程における成形状況を、以下の指標により評価した。
○:フィルムが破れず、シワも無い。
×:フィルムが破れた、もしくは大量のシワが発生した。
××:フィルムとトレー状成形品および/または金型と離型フィルムが融着した。
[剥離前外観評価基準]
離型フィルムが被覆された状態で成形加工品の外観を、以下の指標により評価した。
○:フィルムに曇りが見られず、成形加工品表面を明瞭に観察できる。
×:フィルムに曇りが見られ、成形加工品表面を観察しにくい。
[剥離後外観評価基準]
得られたトレー状成形品の外観を、以下の指標により評価した。
○:成形品表面に凹凸形状の転写が見られない。
×:成形品表面に凹凸形状の転写が見られる。
[実施例1]
(基材フィルム)
共重合ポリエステル樹脂として、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(イソフタル酸成分の共重合量:12モル%(共重合ポリエステルの全酸成分100モル%に対して)、融点226℃、固有粘度0.60dl/g)に、粒子として平均粒径1.5μmの球状単分散シリカ(粒径比1.07、相対標準偏差0.1)を、基材フィルム質量を基準として0.1質量%となるように添加した樹脂組成物を、溶融温度280℃でダイより溶融押出し、冷却ドラムに接触させて急冷固化して未延伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを100℃で予熱した後に縦方向に3.0倍に延伸し、更に110℃で予熱した後に横方向に3.1に延伸し、続いて200℃で2秒間熱固定し、厚み50μmの二軸配向フィルムを得た。
(離型層)
帯電防止性を有する成分として第四級アンモニウム塩型カチオン性高分子化合物(綜研科学株式会社製、エレコンドPQ−50B)、離型性を有する成分としてポリエチレンイミンオクタデシルカルバメート(日本触媒株式会社製、RP−20)、バインダーとしてポリエステル樹脂(日立化成工業株式会社製、エスペル1510)、及び架橋剤としてメラミン系化合物(三和ケミカル株式会社製、ニカラックNS−11)を、20/20/40/20(固形分質量比)の比率で混合し、酢酸エチルとトルエンとの50:50体積%混合溶剤で、塗液の固形分濃度が1質量%となるように希釈し塗液を調製した。
調製した塗液を、上記で得られた二軸配向フィルムの片面にグラビアコーターを用いて5g/mのウェット塗布量となるように塗布し、100℃で2分間乾燥、硬化させ、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表1に示す。なお、離型フィルムにおける離型層の厚みは5μmとなる。
[実施例2]
延伸倍率を3.1×3.2(縦延伸倍率×横延伸倍率)とした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1および2で得られた離型フィルムは、成形性に優れるものであった。また、金型からの剥離が非常に容易であった。また、基材フィルムと離型層との密着性に優れ、金型の汚染がなかった。
[比較例1]
実施例1で用いたポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体の代わりに、ポリエチレンテレフタレートホモポリマー(融点256℃、固有粘度0.65dl/g)を使用した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表1に示す。
比較例1で得られた離型フィルムは、基材フィルムが不適であり、成形加工できなかった。また、基材フィルムと離型層との密着性に若干劣り、僅かに金型の汚染が見られた。
[比較例2]
離型層において、離型性を有する成分としてのポリエチレンイミンオクタデシルカルバメートを用いない以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表に示す。
比較例2で得られた離型フィルムは、離型層が不適であり、金型からの剥離が困難であった。
[比較例3]
共重合ポリエステルとして、実施例1で用いたポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体の代わりに、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(イソフタル酸の共重合量:22モル%(共重合ポリエステルの全酸成分100モル%に対して)、融点201℃、固有粘度0.65dl/g)を使用した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表1に示す。
比較例3で得られた離型フィルムは、基材フィルムが不適であり、成形加工工程において一部フィルムが溶融してしまったような跡が見られた。
[比較例4]
延伸倍率を3.5×3.8(縦延伸倍率×横延伸倍率)とし、熱固定温度を220℃とした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表1に示す。
比較例4で得られた離型フィルムは、基材フィルムが不適であり、成形加工できなかった。また、基材フィルムと離型層との密着性に若干劣り、僅かに金型の汚染が見られた。
[実施例3]
粒子として、平均粒径3μmの塊状シリカ(相対標準偏差0.2)を用い、その添加量を0.08質量%とした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 2010247423

Claims (5)

  1. 基材フィルムの少なくとも片方の面に離型層を有する離型フィルムであって、基材フィルムの融点が210℃以上245℃以下、面配向係数が0.10以上0.16以下であり、離型層が帯電防止性を有する成分と離型性を有する成分とを構成成分として含有する離型フィルム。
  2. 離型性を有する成分が、ポリビニルアルコール又はポリエチレンイミンを塩素化アルキロイル又はアルキルイソシアネートで長鎖アルキル化した共重合体であり、帯電防止性を有する成分が、第四級アンモニウム塩型カチオン化合物である請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 離型層がバインダーを含有する請求項1または2に記載の離型フィルム。
  4. 少なくとも片方の表面における表面粗さ(SRz)が2400nm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の離型フィルムを用いた成形用シート。
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