JPH1017683A - 大型成形転写箔用ポリエステルフィルム - Google Patents

大型成形転写箔用ポリエステルフィルム

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JPH1017683A
JPH1017683A JP17481496A JP17481496A JPH1017683A JP H1017683 A JPH1017683 A JP H1017683A JP 17481496 A JP17481496 A JP 17481496A JP 17481496 A JP17481496 A JP 17481496A JP H1017683 A JPH1017683 A JP H1017683A
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polyester
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heat
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孝文 工藤
Tetsuo Yoshida
哲男 吉田
Yukihiko Nanhei
幸彦 南平
Kinji Hasegawa
欣治 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深絞り加工性に優れたインモールド転写箔用
のベースフィルムに有用な大型成形転写箔用ポリエステ
ルフィルムを提供する。 【解決手段】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返
し単位とするポリエステル(I)と、ブチレンテレフタ
レートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(II)
とを溶融混合したポリエステルブレンド物からなるフィ
ルムであって、該ポリエステル組成物の結晶化温度が6
5〜170℃、二次転移温度が25〜69℃、且つ融点
が260℃以下であり、そしてフィルムの融解熱が8.
1cal/g以上13cal/g以下、面配向係数が
0.08〜0.12、且つ100℃におけるF250値
が1kg/cm2 以上15kg/mm2 以下であること
を特徴とする大型成形ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大型成形転写箔用ポ
リエステルフィルムに関し、更に詳しくは自動車ダッシ
ュボードまわりなどの射出成形等において成形と同時に
転写印刷するインモールド成形転写用の転写箔(インモ
ールド成形転写箔)の基材フィルムとして有用な大型成
形転写箔用ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形等において成形と同時に
転写印刷するインモールド成形転写用の転写箔として、
ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル
フィルムや塩化ビニル系樹脂のフィルムを基材フィルム
(ベースフィルム)として用い、ベースフィルムの表面
に離型層(メジューム層)を塗工し、更にその上に印刷
層を設けた積層フィルムが用いられている。
【0003】インモールド成形転写に用いられる積層フ
ィルムは、成形転写の後に離型層面と印刷層面との間で
分離される。即ち、成形転写の後に印刷層は成形品の表
面に接着して製品として取出され、離型層はベースフィ
ルムに積層した状態で成形後取り除かれる。
【0004】このような転写法は、家庭用電化製品、自
動車内装品、台所用品、化粧容器、玩具類などに使用さ
れるプラスチック成形品に用いられている。特に、ベー
スフィルムとしてポリエステルフィルムを用いた転写箔
が種々提案されており、例えば、特定の融解熱を有する
ポリエステルからなり特定の屈折率、面配向度のポリエ
ステルフィルムを用いたもの(特開平1−45699号
公報)、イソフタル酸を特定の割合で共重合した特定の
融解熱を有するポリエステルからなり特定の屈折率、面
配向度を有するポリエステルフィルムを用いたもの(特
開平1−40400号公報)が知られている。
【0005】ところが近年、上記のプラスチック成形品
に対して、その意匠性や居住性等に関する消費者ニーズ
が多様化し、特に大型でかつ深絞り度の高い立体曲面構
造の表面仕上げが望まれる傾向が強くなっている。
【0006】このような深絞り度が高く複雑な形状の成
形品に上記のようなポリエステルをベースフィルムに用
いたインモールド成形転写用の転写箔を用いると、ポリ
エステルフィルムの伸びが極めて小さいため、成形工程
においてフィルム破れが頻発し、転写が事実上不可能と
なる。この為、ポリエステルフィルムを用いた転写箔
は、底が浅く、且つ単純な形状の金型を用いた成形転写
においてのみ使用されているのが現状である。
【0007】一方、塩化ビニル系樹脂フィルムをベース
フィルムに用いた転写箔の場合は、深絞り度が高く、複
雑な形状の成形品に対する成形性に優れているが、ポリ
エステルフィルムに比べてフィルムの平滑性に劣り、ま
たフィルム表面や内部に存在する粗大物数も極めて多い
ため正確且つ鮮明な転写印刷ができない欠点がある。
【0008】更に、成形品の形状は近年ますます多種多
様となり、上記の深絞り性を必要とする成形転写の需要
は増加してきており、転写箔のベースフィルムとしてポ
リエステルフィルムの平滑性を維持し、且つ塩化ビニル
系樹脂フィルムの深絞り性を兼ね備えたフィルムが望ま
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような従来技術の問題点を解消し、平滑性と深絞り加工
性に優れた転写箔の基材フィルムを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の目的は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単
位とするポリエステル(I)と、ブチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位とするポリエステル(II)とを
溶融混合したポリエステルブレンド物からなるフィルム
であって、該ポリエステル組成物の結晶化温度が65〜
170℃、二次転移温度が25〜69℃、且つ融点が2
60℃以下であり、そしてフィルムの融解熱が8.1c
al/g以上13cal/g以下、面配向係数が0.0
8〜0.12、且つ100℃におけるF250値が1k
g/mm2 以上15kg/mm2以下であることを特徴
とする大型成形転写箔用ポリエステルフィルムにより達
成される。
【0011】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明において、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とするポリエステル(I)は、少くとも50モル%
がエチレンテレフタレートからなるポリエステルであ
り、好ましくは70モル%以上がエチレンテレフタレー
トからなるポリエステルである。
【0012】このポリエステルにおいて、第3成分とし
て共重合させることのできる成分としては、酸成分で
は、例えばイソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環族ジカルボン酸を挙げることができ、特に脂
肪族ジカルボン酸が好ましい。
【0013】また、共重合させることのできるアルコー
ル成分では、例えばジエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族ジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環
族ジオールを挙げることができる。これらは単独で、あ
るいは2種以上を組み合せて用いることができる。
【0014】また、本発明においてブチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(II)
は、少くとも50モル%がブチレンテレフタレートから
なるポリエステルであり、好ましくは70モル%以上が
ブチレンテレフタレートからなるポリエステルである。
【0015】このポリエステルにおいて、第3成分とし
て共重合させることのできる成分としては、酸成分で
は、例えばイソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸を挙げることができ、またアルコール
成分では例えばエチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオー
ルを挙げることができる。これらは単独で、あるいは2
種以上を組み合せて用いることができる。
【0016】ポリエステル(I)及びポリエステル(I
I)がコポリマーである場合の共重合成分の割合は、そ
れらの種類にもよるが、結果として、後述する結晶化温
度、二次転移点、融点および融解熱を満足するようにす
るのが好ましい。
【0017】また、ポリエステル(I)とポリエステル
(II)の混合割合も後述する結晶化温度、二次転移点、
融点および融解熱を満足すれば、特に限定されるもので
はないが、深絞り加工性、耐熱性、平滑性等の点で、ポ
リエステル(I)が80〜30重量%、ポリエステル
(II)が20〜70重量%の割合で混合するのが好まし
い。特にポリエステル(I)が80〜60重量%、ポリ
エステル(II)が20〜40重量%の割合で混合すると
深絞り度の高い(絞り比が0.2以上)の立体曲面構造
の成形体での深絞り加工性が優れたものになるため好ま
しい。尚、本発明における絞り比とは、インモールド成
形転写の際の立体構造を有する成形体において、成形体
の深さを成形体開口部の最小長さで除した値であり、例
えば成形体開口部が長方形の場合は成形体の絞り深さを
成形体の縦方向長さと横方向の長さのうち最小長さで除
した値、或いは成形体開口部が円形の場合は成形体の絞
り深さを成形体の直径で除した値等である。
【0018】本発明におけるポリエステル(I)及びポ
リエステル(II)は、それぞれその製法によって限定さ
れることはない。例えば、テレフタル酸、エチレングリ
コール(または1,4−ブチレングリコール)及び共重
合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反応生成
物を重縮合反応させて共重合ポリエステルとする方法、
あるいはジメチレンテレフタレート、エチレングリコー
ル(または、1,4−ブチレングリコール)及び共重合
成分をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成
物を重縮合させて共重合ポリエステルとする方法、が好
ましく用いられる。
【0019】かかる溶融重合により得られたポリエステ
ルは、更に、固相重合させて重合度を高めることができ
る。固相重合したポリエステルを本発明に用いると、オ
リゴマーがフィルム表面に析出するのを防止できるので
好ましい。
【0020】本発明におけるポリエステルを製造する際
に、必要に応じ、他の添加剤例えば酸化防止剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等も添加することができ
る。かかる酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェ
ノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、硫黄原子
含有エステル化合物等を、また紫外線吸収剤としては、
例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系
化合物、サシレート系化合物等を挙げることができる。
【0021】本発明におけるポリエステルは、フィルム
に適度の摩擦、作業性を持たせるため不活性粒子を含有
させるのが好ましい。該不活性粒子としては、例えば、
カオリン、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム等の
微粒子、あるいは架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレ
ン等の如き耐熱性のよいポリマーよりなる微粒子を挙げ
ることができる。
【0022】本発明において、ポリエステル(I)とポ
リエステル(II)とを溶融混合したポリエステルブレン
ド物は、結晶化温度が65〜170℃、二次転移温度が
25〜69℃、且つ融点が260℃以下である。さらに
フィルムの融解熱が8.1cal/g以上13cal/
g以下である。
【0023】この結晶化温度が65℃未満であると、結
晶性が高すぎるため加工性が不良となり、一方結晶化温
度が170℃を超えると、フィルムの厚み斑や平面性が
不良となる。
【0024】また、二次転移温度が25℃未満である
と、例えばロール延伸によりフィルムを延伸する際に、
フィルムがロールに粘着する等により製膜性が不良とな
り、一方二次転移温度が69℃を超えると、延伸性が不
足し製膜性や加工性が不良となる。
【0025】さらに、融点が260℃を超えると、射出
成形の際に賦型性が不足する等成形性が不良となる。
尚、融点の下限は215℃迄であることが射出成形の際
の耐熱性が良好となるため好ましい。
【0026】さらに、フィルムの融解熱が8.1cal
/g未満の場合、結晶性が低下し原料ポリマー乾燥時に
乾燥機内でブロッキングを起こすばかりか、フィルム製
膜時の厚みも悪化する。一方この融解熱が13cal/
gを超えると、結晶性が高すぎる為に深絞り成形性が悪
化する。
【0027】ここで、ポリエステルブレンド物の結晶化
温度、二次転移温度、融点およびフィルムの融解熱は、
DSC測定機(例えば、Du Pont Instru
ments 910 DSC)を用い、サンプル量を約
20mgとして測定される温度および熱量である。
【0028】即ち、融点はサンプルを常温から昇温速度
20℃/分で290℃まで昇温した際に得られる融解ピ
ークの頂点の温度である。結晶化温度及びガラス転移温
度は、サンプルを常温から昇温速度20℃/分で290
℃まで昇温し、290℃で3分間保持後、20℃以下に
急冷し、再度昇温速度20℃/分で昇温した際のガラス
転移による変位温度及び結晶化ピークのピーク頂点の温
度より求める。
【0029】また、フィルムの融解熱は試料フィルムの
結晶融解に伴うピークの面積を求め、下記式に従い算出
する。
【0030】
【数1】融解熱=A・S/m(cal/g) ここで、 A:同一条件でインジウムを測定したときのチャート上
での面積(cal/cm2 ) S:試料のピーク面積(cm2 ) m:試料の重量(g)である。
【0031】かかる結晶化温度、二次転移温度、融点お
よび融解熱を有するポリエステルブレンド物は、前記ポ
リエステル(I)とポリエステル(II)とを上記した結
晶化温度、二次転移温度、融点および融解熱となるよう
溶融混合をすることにより得ることができる。例えば、
ポリエステル(I)としてイソフタル酸を2〜50モル
%、好ましくは5〜30モル%共重合したエチレンテレ
フタレートを用い、ポリエステル(II)としてポリブチ
レンテレフタレート或いはイソフタル酸を50モル%以
下、好ましくは30モル%以下の割合で共重合したブチ
レンテレフタレートを用い、ポリエステル(I)を80
〜30重量%、特に80〜60重量%、ポリエステル
(II)を20〜70重量%、特に20〜40重量%の割
合で溶融混合することにより得ることができる。
【0032】本発明におけるポリエステルフィルムは、
面配向係数が0.080以上0.120以下となる特性
を有する。
【0033】ここで、面配向係数とは、下記の式により
定義されるものである。
【0034】
【数2】f=[(nx+ny)/2]−nz
【0035】上記式において、fは面配向係数、nx、
ny、nzはそれぞれフィルムの横方向、縦方向、厚み
方向の屈折率である。
【0036】上記の屈折率は、アッベの屈折計の接眼側
に偏光板アナライザーをとりつけ、単色光NaD線で、
それぞれの方向の屈折率を測定したものである。尚、マ
ウント液はヨウ化メチレンを用い、測定温度は25℃で
ある。
【0037】本発明におけるポリエステルフィルムは、
さらに、100℃におけるF250値が1kg/mm2
以上、15kg/mm2 以下となる特性を有する。ポリ
エステルフィルムの100℃におけるF250値が上記
の範囲にあると、深絞り度が高く複雑な形状への成形が
可能になるばかりでなく、成形機へ機械的負荷が軽減さ
れ、好ましい。
【0038】ここで、100℃におけるF250値は1
00℃にてフィルム(10mm幅の短冊型試料)の引張
試験をチャック間隔10cm、引張速度10cm/分の
条件で、試料が250%の伸度を示した時の応力を求
め、この応力を試料の断面積で除して得られる値であ
る。
【0039】かかる面配向係数および100℃における
F250値を有するポリエステルフィルムは、例えば本
発明におけるポリエステル(I)、(II)を所定の割合
で押出装置を用いて溶融し、溶融したポリエステルブレ
ンド物をシート状に押出し、回転冷却ドラム上で急冷固
化して得られた未延伸シートを所定の倍率で二軸方向に
延伸して二軸延伸フィルムとすることにより得ることが
できる。
【0040】本発明のポリエステルフィルムは、従来よ
り知られている製膜方法を用いて製造することができ
る。例えば、上述のポリエステル(I)とポリエステル
(II)とを押出機で溶融混合した後シート状に押出し、
急冷して未延伸フィルムをつくり、これをロール加熱、
赤外線加熱等で加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィル
ムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用
して行うのが好ましい。延伸温度はポリエステルブレン
ド物のガラス転移点(Tg)より高い温度、更にはTg
より20〜40℃高い温度とするのが好ましい。
【0041】縦延伸フィルムは、続いて、横延伸、熱固
定、さらに所望により熱弛緩の処理を順次施して二軸延
伸フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させ
ながら行う。横延伸の処理はポリエステルブレンド物の
二次転移温度(Tg)より20℃高い温度から始めると
よい。そしてポリエステルブレンド物の融点(Tm)よ
り(120〜30)℃低い温度まで昇温しながら行う。
この延伸開始温度は(Tg+40)℃以下であることが
好ましく、また延伸最高温度はTmより(100〜4
0)℃低い温度であることが好ましい。
【0042】横延伸過程での昇温は連続的でも段階的
(逐次的)でもよい。通常逐次的に昇温する。例えばス
テンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複
数に分け、各ゾーン毎に所定温度の加熱媒体を流すこと
で昇温する。横延伸開始温度が低すぎるとフィルムの破
れが起こり、好ましくない。また延伸最高温度が(Tm
−120)℃より低いとフィルムの熱収が大きくなり、
また幅方向の物性の均一性が低下し、好ましくない。一
方延伸最高温度が(Tm−30)℃より高いとフィルム
が柔らかくなり、外乱等によってフィルムの破れが起こ
り、好ましくない。
【0043】上記延伸条件についてさらに説明すると、
前記未延伸シートを60〜130℃、さらには90〜1
25℃の温度で2〜6倍、さらには2.5〜4.0倍延
伸し、次いで一段目と直交する方向に60〜130℃、
さらには90〜125℃の温度で2〜6倍、さらには
2.5〜4.5倍延伸するのが好ましい。
【0044】かくして得られる二軸延伸フィルムを、1
50〜250℃、さらには180〜230℃の温度で1
秒〜10分間熱処理するのが好ましい。その際、20%
以内の制限収縮もしくは伸長、または定長下で行い、ま
た2段以上で行っても良い。
【0045】本発明のポリエステルフィルムの厚みは2
5〜40μmであることが好ましい。この厚みが25μ
未満では加工時に破れ等が生じやすくなり、一方40μ
mを超えるものは、加工性が悪くなるばかりでなく不経
済である。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
また、ポリエステル及びフィルムの特性については、下
記の方法で測定または評価した。
【0047】(1)融点および融解熱 DuPont Instruments 910型 D
SCを用い、ポリエステル約20mgを20℃から29
0℃迄20℃/分の速度で昇温させた際に得られる融解
ピークの頂点温度を融点(Tm)とした。また、融解熱
はフィルム試料の結晶融解に伴うピークの面積を求め、
下記式に従い算出した。
【0048】
【数3】融解熱=A・S/M(cal/g) A:同一条件でインジウムを測定したときのチャート上
での面積(cal/cm2 ) S:試料のピーク面積(cm2 ) m:試料の重量(g)
【0049】(2)結晶化温度 DuPont Instruments 910型 D
SCを用い、ポリエステル約20mgを20℃から29
0℃迄20℃/分の速度で昇温させ、290℃で3分間
溶融保持した後20℃以下迄急冷し、次いで20℃から
20℃/分の速度で200℃迄再度昇温させた際の結晶
化ピークのピーク頂点温度を結晶化温度(Tcc)とし
た。
【0050】(3)二次転移温度 DuPont Instruments 910型 D
SCを用い、ポリエステル約20mgを20℃から29
0℃迄20℃/分の速度で昇温させ、290℃で3分間
溶融保持した後20℃以下迄急冷し、次いで20℃から
20℃/分の速度で200℃迄再度昇温させた際のガラ
ス転移による変位温度を二次転移温度(Tg)とした。
【0051】(4)面配向係数 アッベの屈折計の接眼側に偏光板アナライザーを取り付
け、マウント液にヨウ化メチレンを用い、測定温度25
℃にて単色光NaD線で、フイルムの横方向屈折率(n
x)、縦方向屈折率(ny)および厚さ方向屈折率(n
z)屈折率を測定し、下記式により面配向係数(f)を
求めた。
【0052】
【数4】f=[(nx+ny)/2]−nz
【0053】(5)100℃におけるF250値 東洋ボールドウィン(株)製、テンシロン万能型引張試
験機に恒温槽を取り付け、100℃にて(10mm幅の
短冊試験試料)の引張試験をチャック間隔10cm、引
張速度10cm/分の条件で行い、試料が250%の伸
度を示した時の応力を試料の断面積で除し得られた値を
F250値(kg/mm2 )とした。
【0054】(6)加工性 縦1000mm、横200mm、最大深さ300mmの
金型を用い、270℃で予備加熱した後、フィルムを真
空成形にて、金型内部に成形した。該成形時のフィルム
破断の頻度によりフィルムの加工性を以下のように評価
した。 ○:フィルムの破断が全くない。 △:時々フィルムの破れが1〜2カ所発生する。 ×:フィルムの破れが頻発し、使用不可である。
【0055】(7)平滑性 幅(横方向)3cm×長さ(縦方向)2mのフィルムサ
ンプルの厚みを、長さ方向に5cm間隔で測定し、測定
された厚みの平均厚み、最大厚みおよび最小厚みを用い
下記式により最大厚み斑および最小厚み斑を求めた。
【0056】
【数5】最大厚み斑(%)=[(最大厚み−平均厚み)
/平均厚み]×100
【0057】
【数6】最小厚み斑(%)=[(平均厚み−最小厚み)
/平均厚み]×100
【0058】上記の最大厚み斑(%)および最小厚み斑
(%)のうち大きい方の値(厚み斑(%))を用いて平
滑性を評価した。尚、厚み斑(%)が5%未満であれば
平滑性が良好であり、4%以下であれば特に平滑性が良
好である。
【0059】[実施例1〜6および比較例1〜6]表1
に示すポリエステル(I)とポリエステル(II)とを表
1に示す割合で溶融ブレンドしたポリエステル材料を回
転冷却ドラム上にシート状に溶融押出し、急冷固化して
未延伸シートを得、この未延伸シートを表1に示す延伸
温度、延伸倍率および熱固定温度で表2に示す厚みの二
軸延伸フィルムを得た。この二軸延伸フィルムを構成す
るポリエステルの結晶化温度、二次転移温度、融点およ
び融解熱を表1に示す。また二軸延伸フィルムの面配向
係数、100℃におけるF250値および加工性、平滑
性の評価結果を表2に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】表2に示した結果より明らかなように、実
施例のポリエステルフィルムは大型成形での深絞り加工
性、平滑性に優れるものであった。
【0063】
【発明の効果】本発明の大型成形転写箔用ポリエステル
フィルムは、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とするポリエステルと、ブチレンテレフタレートを
主たる繰り返し単位とするポリエステルとを溶融混合し
たポリエステルブレンド物からなり、かつ特定の物性を
有するフィルムであるため、優れた深絞り加工性、平滑
性を有し、自動車の外装品、ダッシュボード等のような
大型成形品の製造に有用な転写箔のベースフィルムとし
て極めて有用なことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は成形と同時に転写も行う成形転写法の概
略を示す図である。図中の1は金型、2は射出機、3は
ベースフィルム、4は印刷層を含む層を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 (72)発明者 長谷川 欣治 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返
    し単位とするポリエステル(I)と、ブチレンテレフタ
    レートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(II)
    とを溶融混合したポリエステルブレンド物からなるフィ
    ルムであって、該ポリエステルブレンド物の結晶化温度
    が65〜170℃、二次転移温度が25〜69℃、且つ
    融点が260℃以下であり、そしてフィルムの融解熱が
    8.1cal/g以上13cal/g以下、面配向係数
    が0.08〜0.12、且つ100℃におけるF250
    値が1kg/mm2 以上15kg/mm2 以下であるこ
    とを特徴とする大型成形転写箔用ポリエステルフィル
    ム。
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