JP2008163275A - 成型同時転写用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 主たる構成成分以外の共重合成分を1種以上含有し、かつ主たる構成成分の含有量が90モル%以下であるポリエステルからなるフィルムであって、フィルム表面の中心線平均表面粗さRaが70nm以上であることを特徴とする成型同時転写用ポリエステルフィルム。
【選択図】 図1
Description
まず、本発明における主たる構成成分とは、ジカルボン酸とジオールの脱水縮合により得られる、いわゆる繰り返し単位と呼ばれる、ヒドロキシカルボン酸のことを指す。
中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとする。(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線 y=f(x)で表したとき、次の式で与えられた値を〔μm〕で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表わした。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=1/L∫0 L|f(x)|dx
測定試料をフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量部)の溶媒に溶解させて濃度c=0.01g/cm3の溶液を調製し、30℃にて溶媒との相対粘度ηrを測定し、極限粘度[η]を求めた。
図1に示すポリエステルフィルム(3)に離型層、印刷層及び接着層(4)を形成し、縦35cm、横25cm、最大深さ3.0cmの金型(1)を用い、IRヒーターで予備加熱後、金型内部に真空または圧空成型法により予備成型を実施した。成型によるフィルムの破断の頻度により、下記基準で成型性の評価を行った。
○:フィルム破断、クラック発生等がなく、均一な厚さで成型される
△:フィルム破断はしないが、局所的にフィルムが極めて薄い部分が存在する
×:フィルムが頻発に破断する
<ポリエステル(1)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.680に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(1)の極限粘度は0.680であった。
出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール54重量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール25重量部とし、触媒としてテトラブチルチタネート0.011重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とし、さらに1時間反応を継続した。その後、温度を230℃から徐々に昇温すると共に圧力を常圧より徐々に減じ、最終的に温度を280℃、圧力を0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.70に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(2)の極限粘度は0.700、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は33モル%であった。
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、定法の溶融重縮合法で製造したものを使用した。得られたポリエステル(3)の極限粘度は0.715、イソフタル酸の含有量は22モル%であった。
ポリエステル(1)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径3.5μmのシリカ粒子を3部、三酸化アンチモン0.03部を加えて、極限粘度0.700に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(1)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(4)を得た。得られたポリエステル(4)は、極限粘度0.700であった。
ポリエステル(1)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.2μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.03部を加えて、極限粘度0.610に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(1)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(5)を得た。得られたポリエステル(5)は、極限粘度0.610であった。
A層にイソフタル酸の含有量が8.8モル%、平均粒子径2.4μmのシリカ粒子の配合量が5000ppm、平均粒子径4.0μmの有機粒子の配合量が5000ppmとなるように重合したポリエチレンテレフタレートを、B層にポリエステル(1):ポリエステル(2):ポリエステル(3)=20:50:30の配合比で、室温で十分に攪拌・混合したものを用い、280℃でTダイを有する押出機より押出し、静電印加法を適用して急冷固化し、無定形シートを得た。得られたシートを縦方向に80℃で3.4倍延伸した後、続いて100℃で横方向に3.0倍延伸し、4%の幅方向の弛緩を行いながら188℃で熱処理を行った。得られたフィルムの平均厚さは75μmであった。得られたフィルムの特性は下記表1のとおりであり、優れた特性を示した。
A層に使用する樹脂をポリエステル(1):ポリエステル(3):ポリエステル(4)=10:40:50の配合比で同様に攪拌・混合したものに変更した以外は実施例1と同様の方法で厚み75μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1のとおりであり、優れた特性を示した。
イソフタル酸の含有量が14.3モル%、平均粒子径4.0μmの有機粒子の配合量が12000ppmとなるように重合したポリエチレンテレフタレートを280℃でTダイを有する押出機より押出し、実施例1と同様の方法で厚み50μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1のとおりであり、優れた特性を示した。
A層に使用する樹脂をイソフタル酸の含有量が9モル%、平均粒子径2.2μmのシリカ粒子の配合量が7000ppmとなるように重合したポリエチレンテレフタレートに、B層に使用する樹脂をポリエステル(1):ポリエステル(2):ポリエステル(3)=70:10:20の配合比で同様に攪拌・混合したものに変更した以外は実施例1と同様の方法で厚み75μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1のとおりであり、成型時に不均一に伸びる上、表面光沢度が強く成型品の外観にも劣っていた。
A層に使用する樹脂の混合比をポリエステル(3):ポリエステル(5)=65:35に変更した以外、実施例1と同様の方法で厚み75μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1のとおりであり、金型に追従するものの、表面光沢度が強く成型品の外観に劣っていた。
B層に使用する樹脂をポリエステル(1):ポリエステル(2):ポリエステル(3)=70:10:20の配合比で同様に攪拌・混合したものに変更した以外は実施例2と同様の方法で厚み75μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1のとおりであり、成型時に不均一に伸びるため、表面光沢度がまばらになってしまい、成型品の外観にも劣っていた。
2 射出成型機
3 フィルム
4 離型層、印刷層および接着層からなる層
Claims (1)
- 主たる構成成分以外の共重合成分を1種以上含有し、かつ主たる構成成分の含有量が90モル%以下であるポリエステルからなるフィルムであって、フィルム表面の中心線平均表面粗さRaが70nm以上であることを特徴とする成型同時転写用ポリエステルフィルム。
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JP2007000195A JP2008163275A (ja) | 2007-01-04 | 2007-01-04 | 成型同時転写用ポリエステルフィルム |
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JP2007000195A JP2008163275A (ja) | 2007-01-04 | 2007-01-04 | 成型同時転写用ポリエステルフィルム |
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JP (1) | JP2008163275A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010053142A1 (ja) * | 2008-11-06 | 2010-05-14 | 小野産業株式会社 | 樹脂成形品およびその製造方法 |
JP2011230436A (ja) * | 2010-04-29 | 2011-11-17 | Mitsubishi Plastics Inc | 深絞り成形同時転写用二軸延伸ポリエテルフィルム |
JP2012140498A (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-26 | Mitsubishi Plastics Inc | 深絞り成型同時転写用二軸延伸ポリエテルフィルム |
Citations (3)
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JPH08300471A (ja) * | 1995-03-09 | 1996-11-19 | Toray Ind Inc | 二軸配向ポリエステルフィルム |
JPH1017683A (ja) * | 1996-07-04 | 1998-01-20 | Teijin Ltd | 大型成形転写箔用ポリエステルフィルム |
JP2006281732A (ja) * | 2005-04-05 | 2006-10-19 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | インモールド成形用ポリエステルフィルム |
-
2007
- 2007-01-04 JP JP2007000195A patent/JP2008163275A/ja active Pending
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