JP5236315B2 - 成形同時転写用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本発明のフィルムを構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を必須とするものが好ましく、これらの他に、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの公知のジカルボン酸の一種以上を、共重合成分として含んでいてもよい。また、ジオール成分として、エチレングリコールを必須とするものであり、これらの他に、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの公知のジオールの一種以上を、共重合成分として含んでいてもよい。
TA Instruments社製の示差走査熱量計「DSC−2920型」を使用し、試料5mgを0℃から300℃まで20℃/min.の速度で昇温させた際に得られる融解に伴う吸熱ピークの温度をTmとした。上述の方法により得た融解ピーク温度の内、B層融点は、製膜したフィルムの表層(A層)を除去したフィルムから得られた融解ピーク温度とし、A層融点は、B層融点と異なる融解ピーク温度とした。
アイティー計測制御製動的粘弾性測定装置(DVA−200型)を使用した。幅5mmのフィルムをチャック間20mmとなるように測定装置にセットし、0℃から300℃まで10℃/min.の速度で昇温させながら、周波数10Hzで粘弾性の推移を測定した。
(3)面配向度(ΔP)、複屈折率(Δn)
アタゴ製アッベ式屈折計を使用した。ヨウ化メチレンをマウントして、試料フィルムを測定面が下になるようにプリズムに密着させ、単色光ナトリウムD線(589nm)を光源として、主配向方向の屈折率nγ、それに対し面内垂直方向の屈折率nβ、および厚み方向の屈折率nαを測定した。得られた値から下記式によりA層の面配向係数ΔPおよび複屈折率Δnを求めた。なお、測定試料は製品マスターロールの中央部より採取した。
Δn=nγ−nβ
ΔP=(nγ+nβ)/2−nα
算術平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとする。(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線 y=f(x)で表わしたとき、次の式で与えられた値を〔μm〕で表わす。算術平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の算術平均粗さの平均値で表わした。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
測定試料をフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量部)の溶媒に溶解させて濃度c=0.01g/cm3の溶液を調製し、30℃にて溶媒との相対粘度ηrを測定し、極限粘度[η]を求めた。
150±2℃の温度のギアオーブン中において、縦10cm、横10cmのフィルムを無負荷の状態で3分間収縮させ、縦および横方向についての加熱収縮率を、次式により算出した。
加熱収縮率=(L0−L)×100/L
ただし、L0は原長(cm)であり、Lは収縮後の長さである。
図1に示すように、ポリエステルフィルム(3)に離型層、印刷層および接着層(4)を形成し、縦35cm、横25cm、最大深さ3.0cmの金型(1)を用い、IRヒーターで予備加熱後、金型内部に真空または圧空成型法により予備成型を実施した。予備加熱によるフィルムの融解状況より、下記基準で耐熱性の評価を行った。
○:加工温度に耐久でき、予備成型に対応できる
△:予備成型に対応できるが、稀にフィルム軟化による変形が発生する
×:フィルム融解による穴開きや、フィルム軟化による変形が頻繁に発生
上記(7)の方法にて予備成型を実施した際、成型によるフィルムの破断の頻度により、下記基準で成型性の評価を行った。
○:フィルム破断、クラック発生等がなく、均一な厚さで成型される
△:フィルム破断はしないが、局所的にフィルムが極めて薄い部分が存在する
×:フィルムが頻発に破断する
上記(7)の方法にて予備成型を実施した後、樹脂を射出し、成型転写を行った。得られた成型品への印刷の図柄の抜けや歪みの状態により、下記基準で適性の評価を行った。
○:印刷抜け、歪みが全くない
△:印刷抜け、歪みがほとんどない
×:印刷抜け、歪みがある
離型層表面に、アクリル粘着テープ「No.31B」(日東電工製)を貼り付けて、室温にて1時間放置後、引張試験機にて引張試験300mm/分で180°剥離を行い、剥離が安定した領域における平均剥離荷重を粘着テープ幅で除した値を剥離力[mN/cm]とした。
<ポリエステル(1)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.680に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(1)の極限粘度は0.680であった。
出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール54重量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール25重量部とし、触媒としてテトラブトキシチタネート0.011重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とし、さらに1時間反応を継続した。その後、温度を230℃から徐々に昇温すると共に圧力を常圧より徐々に減じ、最終的に温度を280℃、圧力を0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.70に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(2)の極限粘度は0.700、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は33モル%であった。
ポリエステル(1)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.2μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.03部を加えて、極限粘度0.610に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(1)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(3)を得た。得られたポリエステル(3)は、極限粘度0.610であった。
ポリエステル(1)の製造方法において、出発原料のジカルボン酸をテレフタル酸ジメチル80重量部、イソフタル酸ジメチル20重量部としたこと以外はポリエステル(1)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(4)を得た。得られたポリエステル(4)は、極限粘度0.670であった。
<塗布剤の調整>
下記表1に示す水性塗料原液を下記表2に示す割合で配合してP1〜P4の水性塗布剤を調製した。
上記ポリエステル(3)、(4)をそれぞれ35%、65%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(1)、(2)、(4)をそれぞれ10%、50%、40%の割合で同様に混合した混合原料をB層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々280℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、キャスティングドラム上に、2種3層(ABA)の層構成で共押出し、静電印加法を適用して急冷固化させて無定形シートを得た。得られたシートを縦方向に80℃で3.4倍延伸した後、表2に示す水性塗布剤P1を縦延伸フィルムの片面に塗布し、続いて100℃で横方向に3.4倍延伸し、5%の幅方向の弛緩を行ないながら182℃で熱処理を行なった。得られたフィルムの平均厚さは75μm、塗布層の厚みは0.1μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、A層、B層で使用したポリエステル原料とその配合比、製膜時に形成する塗布層の種類を下記表3に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表4に示す。
2:射出成型機
3:フィルム
4:離型層、印刷層および接着層からなる層
Claims (1)
- 主たる構成成分以外の共重合成分として、イソフタル酸単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を合計10〜30モル%の範囲で含有し、融点(TmB)が180〜230℃の範囲にあるポリエステルB層の少なくとも片側に、主たる構成成分以外の共重合成分を含有し、融点(TmA)が200〜255℃の範囲にあるポリエステルA層を積層した構造を有するフィルムであり、それぞれの融点の差(TmA−TmB)が5℃以上であり、フィルムの貯蔵弾性率E’が80℃で400〜1800MPa、160℃で10〜60MPaの範囲であり、片面に離型層を有することを特徴とする成型同時転写用ポリエステルフィルム。
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