JP2012025071A - 離型ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】離型ポリエステルフィルムを光学用途、例えば、タッチパネル、液晶偏向板、位相差板等に用いる場合、偏光板に貼り付けた後に該当製品サイズへ打ち抜く工程でチリが発生することのない離型フィルムを提供する。
【解決手段】融点(TmB)が180〜225℃の範囲であるポリエステル層Bと、当該層Bに隣接する層Aを少なくとも1層有する積層ポリエステルフィルムであって、層Aの融点(TmA)が層Bの融点より高く、融点の差(TmA−TmB)が10〜40℃の範囲であり、当該ポリエステルフィルムの片面にシリコーン系離型層を有し、当該離型層が少なくとも1種類の遷移金属系触媒を0.5〜5.0重量%含有することを特徴とする離型ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学用途向けの基材レス両面粘着シート用や偏光板基材用として好適な離型ポリエステルフィルムに関するものである。
基材レス両面粘着シート用、もしくは、偏光板セパ用の離型ポリエステルフィルムを偏光板に貼り付けて、製品にする工程で、離型ポリエステルフィルムごと切り取る、打ち抜き作業が行われることがある。
この打ち抜き作業では、ポリエステルフィルムにおける加工時の裁断、つまり、打ち抜いた時に、その切れた時のチリなどの発生のし難さが重要となる。
異物やキズの検査が厳しい偏光板基材用途では、その打ち抜き作業で偏光板やポリエステルフィルムのチリなどが発生すると、使用される粘着剤への異物となる可能性があり、生産性の低下を招く。
特開2003−231214号公報 特開2002−361737号公報 特願2001−301024号公報 特願2010−121101号公報 特開2009−220496号公報 特願2009−188230号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、離型ポリエステルフィルムを光学用途、例えば、タッチパネル、液晶偏向板、位相差板等、に用いる時、偏光板貼り付け後に該当製品サイズへの打ち抜き工程を有する場合に、その打ち抜きの際にチリが発生し、工程汚染、粘着剤へのチリの痕が残る、コストなどの問題を解決した、安価な離型ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、融点(TmB)が180〜225℃の範囲であるポリエステル層Bと、当該層Bに隣接する層Aを少なくとも1層有する積層ポリエステルフィルムであって、層Aの融点(TmA)が層Bの融点より高く、融点の差(TmA−TmB)が10〜40℃の範囲であり、当該ポリエステルフィルムの片面にシリコーン系離型層を有し、当該離型層が少なくとも1種類の遷移金属系触媒を0.5〜5.0重量%含有することを特徴とする離型ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、偏光板基材の生産工程における、打ち抜き、つまり、切り抜きが容易な離型ポリエステルフィルムで、そのときにチリなどが発生し難い離型ポリエステルフィルムを提供することができるため、その工業的価値は高い。
本発明のフィルムを構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸が好ましく、これらのほかに、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの公知のジカルボン酸の一種以上を、共重合成分として含んでいてもよい。また、ジオール成分としては、エチレングリコールが好ましく、これらのほかに、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの公知のジオールの一種以上を、共重合成分として含んでいてもよい。
本発明においてフィルム各層の融点を指定範囲に収めるためには上記第三成分の量を調整することが有効である。
重合触媒としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物やゲルマニウム化合物やチタン化合物が挙げられる。チタン化合物では、例えばテトラアルキルチタネート、テトラアリールチタネート、シュウ酸チタニル塩類、シュウ酸チタニル、チタンを含むキレート化合物、チタンのテトラカルボキシレート等であり、具体的にはテトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、シュウ酸チタニルアンモニウム、シュウ酸チタニルカリウム、チタントリアセチルアセトネート等が挙げられる。
また、本発明のポリエステルフィルムには、無機粒子、有機塩粒子や架橋高分子粒子を添加することが好ましい。用いることのできる無機粒子としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化リチウム等が挙げられる。一方、有機塩粒子としては、蓚酸カルシウムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等が挙げられる。また、架橋高分子粒子としては、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体が挙げられる。その他ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機粒子を用いてもよい。
使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。
これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明のポリエステルフィルムの総厚みは、本発明のポリエステルフィルムが使用される用途に応じ適宜選択されるため、特に限定されないが、機械的強度、ハンドリング性および生産性などの点から、好ましくは12〜100μmである。
本発明の基材として用いられるポリエステルフィルムは多層構成が必要である。少なくとも一方の外層を溶剤に強いスキン層とすることで、打ち抜き性と耐溶剤性を両立させることができる。
多層構成を達成するため方法に関しては特に限定されるものではないが、その経済性から溶融押出機を2台または3台以上用いる、いわゆる共押出法により、2層または3層以上のフィルムを得ることが好ましい。
本発明のフィルムにおいて本発明の主旨を損なわない範囲において、帯電防止層、接着層、オリゴマー析出防止層等の塗布層を設けてもよい。
塗布層を設ける場合は、インラインコーティングにより設けられるのが好ましい。インラインコーティングは、ポリステルフイルム製造の工程内で塗布を行う方法であり、具体的には、ポリエステルを溶融押出ししてから二軸延伸後熱固定して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法である。通常は、溶融・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸シート、その後に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルム、熱固定前の二軸延伸フィルムの何れかに塗布する。これらの中では、一軸延伸フィルムに塗布した後に横方向に延伸する方法が優れている。斯かる方法によれば、製膜と塗布乾燥を同時に行うことができるために製造コスト上のメリットがあり、塗布後に延伸を行うために薄膜塗布が容易であり、塗布後に施される熱処理が他の方法では達成されない高温であるために塗膜とポリエステルフィルムが強固に密着する。
塗布層の厚さは、乾燥後の厚さとして、通常0.001〜10μm、好ましくは0.010〜5μm、さらに好ましくは0.015〜2μmである。塗布層の厚さが0.001μm未満の場合は、帯電防止効果が十分に改良されない場合がある。塗布層の厚さが10μmを超える場合は、塗布層が粘着剤のような作用してロールに巻き上げたフィルム同士が相互に接着する、いわゆるブロッキングを生じることがある。
ポリエステルフィルムの表面に塗布層を形成する方法は、特に制限されないが、ポリエステルフィルムを製造する工程中で塗布液を塗布する方法が好適に採用される。具体的には、未延伸シート表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、二軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。これらの中では、未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布後、フィルムに熱処理を行う過程で同時に塗布層を乾燥硬化する方法が経済的である。また、塗布層を形成する方法として、必要に応じ、前述の塗布方法の幾つかを併用した方法も採用し得る。具体的には、未延伸シート表面に第一層を塗布して乾燥し、その後、一軸方向に延伸後、第二層を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。ポリエステルフィルムの表面に塗布液を塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター等を使用することができる。
本発明において用いる塗布液は、通常、安全性や衛生性の観点から水を主たる媒体として調整されていることが好ましい。水を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する目的あるいは造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は、主たる媒体である水と混合して使用する場合、水に溶解する範囲で使用することが好ましいが、長時間の放置で分離しないような安定した乳濁液(エマルジョン)であれば、水に溶解しない状態で使用してもよい。有機溶剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
本発明においてポリエステルフィルム上に形成する離型層は、離型性を有する材料を含有していれば、特に限定されるものではない。その中でも、硬化型シリコーン樹脂を含有するものによれば離型性が良好となるので好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等何れの硬化反応タイプでも用いることができる。
具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング(株)製SD7220、SD7226、SD7229等が挙げられる。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
また、上述のとおり、離型層中にアミノ基を有するシラン化合物を添加することもある。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法としては、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。本発明における離型層の塗布量は、通常0.01〜1g/m2の範囲である。
本発明において、離型層が設けられていない面には、接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層等の塗布層を設けてもよく、また、ポリエステルフィルムにはコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
また、粘着剤層または離型層の塗膜の乾燥および/または硬化(熱硬化、電離放射線硬化等)は、それぞれ個別又は同時に行うことができる。同時に行う場合には、80℃以上の温度で行うことが好ましい。乾燥および硬化の条件としては、80℃以上で10秒以上が好ましい。乾燥温度が80℃未満または硬化時間が10秒未満では塗膜の硬化が不完全であり、塗膜が脱落しやすくなるため好ましくない。
本発明におけるポリエステルフィルムでは、塗布層をきれいかつ頑丈にするため、遷移金属系触媒を用いる。塗布層中の遷移金属系触媒含有量は、0.5〜5.0重量%、好ましくは1.5〜4.0重量%の範囲が良い。塗布層中の遷移金属系触媒含有量が0.5重量%よりも低い場合、剥離力の不具合や、塗布層での硬化反応が不十分になるため、面状悪化などの不具合を生じる場合があり、一方、塗布層中の遷移金属系触媒の含有量が5.0重量%を超える場合には、コストがかかる、また、反応性が高まり、ゲル異物が発生する、等の工程不具合を生じてしまう。
本発明のフィルムを構成するポリエステルフィルムは、ベースとなる層Bと、B層に隣接する層Aを少なくとも1層有し、層Bの融点(TmB)が180〜225℃の範囲であり、層Aの融点(TmA)がベース層Bの融点より高く、その融点の差(TmA−TmB)が10〜40℃あることが必要である。この条件を満足する場合、離型層を塗工する際に、ポリエステルフィルムの耐溶剤性が良く、また、偏光板貼り付け後の打ち抜き作業の際に、チリが発生し難いなどの利点が生じる。フィルムのベース層の融点(TmB)が180℃未満の場合、塗布層を設ける時にかかる温度、および、偏光板作製時に温度を加える場合、穴が開いたり破れたりするなどの現象が発生する場合が多く、耐熱性に劣る。層Bの融点(TmB)が225℃より高い場合、特に低い温度および低い圧力下でフィルムが変形せず、成型性に劣る。融点の差(TmA−TmB)が10℃未満の場合、フィルムの上に表面処理を実施する際に必要な耐溶剤性を持たせた場合、フィルムの打ち抜き性に劣るなど、2つの特性を両立させることが困難である。融点の差(TmA−TmB)が40℃より大きい場合、フィルムが変形した際にベース層Bと外層Aの間にクラックが入り、その界面で剥離してしまうという現象が起こってしまう。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)ポリエステル組成
ポリエステルフィルムを重水素化トリフルオロ酢酸に溶解し、 1 H−NMR法で分析してイソフタル酸含有量および1,4−シクロヘキサンジメタノール含有量を求めた。
(3)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(4)離型フィルムの剥離力(F)の評価
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(5)離型ポリエステルフィルムのDSC測定による融解ピーク温度(Tm)の測定
ティーエーイインスツルメント社製の示差走査熱良計「MDSC2920型」を使用し、ポリエステル樹脂約5mgを0℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温させた際に得られる融解に伴う吸熱ピークの温度をTmとした。上述の方法により得た融解ピーク温度の内、製膜したフィルムの外層(A層)のみをサンプリングし測定したものの融解ピーク温度を艶消し性外層A(TmA)とし、製膜したフィルムの外層(A層)を除去したフィルムから得られた融解ピーク温度をベース層Bの融点(TmB)とし、融点の差=(TmA)−(TmB) を求めた。
○:TmB:180〜225℃の範囲、TmA−TmB:10〜40℃の範囲
×:TmB:180℃より小さい、225℃より高い、TmA−TmB:10℃より小
さい、℃より高い
(6)打ち抜き性
偏光板と離型ポリエステルフィルムが貼り合わされたものを工程内で所望のサイズに切り取る際の打ち抜きカットのし易さを評価した。次のような基準で判断する。
○:きれいにカットでき、カット時にチリがほぼ発生しない
×:引っ掛りが生じ、カット時にチリが発生する
(7)打ち抜き後の、剥離特性
<離型特性>
粘着層を有する偏光板と離型フィルムを剥がした時の状況より、離型特性を評価した。次のような基準で判断する。
○:離型フィルムがきれいに剥がれ、粘着剤が離型層に付着する現象が見られない
△:離型フィルムは剥がれるが、速い速度で剥離した場合に粘着剤が離型層に付着する ×:離型フィルムに粘着剤が付着する
(8)総合評価
打ち抜き性、剥離特性から、生産歩留まり、生産性全てを考慮に入れた評価を行う。次のような基準で判断する。
○:生産性良く、十分に製品として供給できる
×:生産性が悪いか、剥離特性の問題が多発する
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(a)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.61に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.61のポリエステル(a)を得た。
<ポリエステル(b)の製造方法>
ポリエステル(a)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径0.8μmの合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(a)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(b)を得た。得られたポリエステル(b)は極限粘度0.60であった。
<ポリエステル(c)の製造>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、固有粘度0.45に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(c)を得た。このポリエステルの固有粘度は0.45であった。
<ポリエステル(d)の製造>
このポリエステルチップを固相重縮合法にて固有粘度を上げた。予備結晶化槽にて170℃の窒素雰囲気化にて0.5時間処理した後、不活性ガスを流す塔式乾燥機を用い、200℃の温度下にて水分率が0.005%になるまで乾燥した。その後固相重合槽へ送り、240℃にて3時間、固相重合を行い固有粘度0.70のポリエステル(d)を得た。
<ポリエステル(e)の製造>
ポリエステル(d)を製造する際、固相重合槽にて5時間固相重合を行い、固有粘度0.80のポリエステル(e)を得た。
<ポリエステル(f)の製造方法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で重合し平均径2.5μmの非晶質シリカを0.50部含有した原料チップを製造した。この原料のジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は16モル%であった。
<ポリエステル(g)の製造方法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で重合した原料チップを製造した。この原料のジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は22モル%であった。
<ポリエステル(h)の製造方法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で重合した原料チップを製造した。この原料のジオール成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノール含有量は33モル%であった。
実施例1:
〈ポリエステルフィルムの製造〉
外層Aの原料としてポリエステル(b)30重量%、ポリエステル(f)40重量%と、ポリエステル(e)30重量%とを混合し、内層Bの原料として、ポリエステル(a)20重量%、ポリエステル(g)30重量%とポリエステル(h)50重量%とを混合し、2台のベント付き押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て120℃で5.1倍の横延伸を施した後、220℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4%の弛緩を加え、幅4000mmのマスターロールを得た。このマスターロールの端から1400mmの位置よりスリットを行い、コアに1000m巻き取りし、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの全厚みは38μm(層構成:表層4μm/中間層30μm/表層4μm)であった。
得られたポリエステルフィルムに、下記に示す離型剤組成−Aからなる離型剤を塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるようにリバースグラビアコート方式により塗布し、ドライヤー温度120℃、ライン速度30m/minの条件でロール状の剥離力が21mN/cm離型フィルムで、そのポリエステルフィルムのTmBは218℃、TmA−TmBは30℃であった。
<離型剤組成−A>
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 20部
触媒(PL−50T:信越化学製) 0.3部(1.5wt%)
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)
得られた離型ポリエステルフィルムは、下記方法で偏向板を作成された。得られた離型ポリエステルフィルムは、打ち抜き性が良好、チリが発生せず、かつ、剥離特性も良好で、粘着剤付き偏光板ときれいに剥がれ、粘着剤が離型層に付着する現象が見られなかった。
<離型フィルム付き偏光板の製造>
偏光板に下記に示すアクリル粘着剤を、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃の乾燥炉内を30秒で通過させた後、離型フィルムを貼り合わせ、粘着剤を介して離型フィルムと偏光フィルムが密着された離型フィルム付き偏光板を作成した。フィルムの貼り合せ方向は、離型フィルムの幅方向が、偏光フィルムの配向軸と平行となるように行った。
・アクリル粘着剤塗布液
アクリル粘着剤(オリバインBPS429−4:東洋インキ製) 100部
硬化剤(BPS8515:東洋インキ製) 3部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 50部
実施例2〜6:
実施例1において、ポリエステルフィルム製造時の外層Aと内層Bの原料種・配合比を変更する、塗布層中離型剤組成の遷移金属系触媒含有量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られた結果をまとめて下記表1に示す。
Figure 2012025071
比較例1〜6:
実施例1において、ポリエステルフィルム製造時の外層Aと内層Bの原料種・配合比を変更する、塗布層中離型剤組成の遷移金属系触媒含有量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られた結果をまとめて下記表2に示す。
Figure 2012025071
※1)原反フィルムの耐溶剤性が悪く、塗布が困難
※2)ベースフィルムのA、B間で層間剥離が起こった
※3)コストが高いため、生産性に問題がある
本発明のポリエステルフィルムは、偏光板基材の生産工程における、打ち抜き、つまり、切り抜きが容易な離型ポリエステルフィルムで、そのときにチリなどが発生し難い離型ポリエステルフィルムとして好適に利用できる。

Claims (1)

  1. 融点(TmB)が180〜225℃の範囲であるポリエステル層Bと、当該層Bに隣接する層Aを少なくとも1層有する積層ポリエステルフィルムであって、層Aの融点(TmA)が層Bの融点より高く、融点の差(TmA−TmB)が10〜40℃の範囲であり、当該ポリエステルフィルムの片面にシリコーン系離型層を有し、当該離型層が少なくとも1種類の遷移金属系触媒を0.5〜5.0重量%含有することを特徴とする離型ポリエステルフィルム。
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