JP5591004B2 - 離型ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、光学用途向けの基材レス両面粘着シート用や偏光板基材用として好適な離型ポリエステルフィルムに関するものである。
基材レス両面粘着シート用、もしくは、偏光板セパ用の離型ポリエステルフィルムを偏光板に貼り付けて、製品にする工程で、離型ポリエステルフィルムごと切り取る、打ち抜き作業が行われることがある。
この打ち抜き作業では、ポリエステルフィルムにおける加工時の裁断の際に、打ち抜きしやすさ、つまり、切れやすさが重要となる。
生産性向上のために行われる偏光板基材の連続生産において、できた製品を所望のサイズに問題なく打ち抜くことができなければ、生産性の低下を招く。
特開2003−231214号公報 特開2002−361737号公報 特願2001−301024号公報 特願2010−121101号公報 特開2009−220496号公報 特願2009−276271号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、離型ポリエステルフィルムを光学用途、例えば、タッチパネル、液晶偏向板、位相差板等において使用した際、偏光板に貼り付けた後に該当製品サイズへの打ち抜き工程を有する場合に、その打ち抜き性に起因する生産性、コストなどの問題を解決した、安価な離型ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は上記実情に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、フィルムの結晶化度が35〜45%である基材ポリエステルフィルムの片面に溶剤系のシリコーン系離型層を有する離型フィルムであり、当該離型層に少なくとも1種類の遷移金属触媒を0.5〜5.0重量%含有することを特徴とする光学用離型ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、偏光板基材の生産工程における、打ち抜き性、つまり、切り取りが容易な離型ポリエステルフィルムを提供することができるため、その工業的価値は高い。
本発明におけるポリエステルフィルムを構成する、ポリエステルフィルムは、機能性や価格の面が優れることから、積層構造を有することを必須とし、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明において使用するポリエステルは、生産コストの削減や工程作業容易化を追及した結果、ホモポリエステルであることが好ましい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。
本発明のフィルムの少なくとも一方の最外層に、特定の無機粒子を特定量含有することが好ましい。具体的には、本発明のポリエステルフィルムの最外層に含有する粒子のモース硬度は8以上であることが好ましい。モース硬度が8未満であると、表面処理効果が存分に発揮できないことがある。本発明で用いる粒子としては、具体的には、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド、バナジウムカーバイド、チタンカーバイド、ボロンカーバイド、ほう化タングステン、ボロンナイトライト等を挙げることができる。そして、これらの中では、工業的に入手が容易な酸化アルミニウムまたはシリコンカーバイド、これらの中でも、酸化アルミニウムが好ましい(例えば、特開平5−128490号公報等に具体例の記載がある)。
上記の高硬度の粒子の最外層中の含有量は、通常0.075重量%以上であり、0.10重量%以上が好ましい。当該粒子量が0.075重量%未満では、表面処理光が十分に発揮できないことがある。
本発明において硬度の高い無機粒子を用いる理由は、後の工程で表面処理をするポリエステルフィルムの最外層を比較的硬くすることで、その表面処理、本発明の場合、具体的には、いわゆるラビング処理を行う際に、ある程度のラビング条件においても、効果的に処理が行えるようにするためである。
本発明で用いる粒子の1次粒径は、通常0.50μm以下であり、0.005〜0.50μmの範囲が好ましい。ここでいう1次粒径とは、非凝集性粒子においては、いわゆる平均粒径を指し、凝集性粒子においては、凝集塊を構成する微小粒子の平均粒径を指す。表層中の粒子の1次粒径が0.50μmを超えると、粒子表面の凹凸のサイズが顕著になることがあり、粒子とポリエステルとの間に空隙ができる割合が増大し、比較的ポリエステルと近似した屈折率の粒子種をもってしても、当該空隙による入射光の散乱を低減することができないことがあり、その結果、フィルムが不透明となるおそれがある。また、人による視認性において添加粒子の粒状感が確認できるため、画像鮮明性の点において、問題となることがある。最外層が含有する粒子の1次粒径は細かいほど良く、0.10μm以下、さらには0.07μm以下が好ましい。しかし、1次粒径が0.005μmに達すると凝集性が著しくなり、高剪断の2軸押出機による溶融押出でも微分散せずに、平均粒径0.15μm以上の凝集塊が多数生成してしまう可能性がある。
また、本発明におけるポリエステルフィルムにおける無機粒子の含有方法は、塗布よりも練り込み方法を用いることが好ましい。輝度向上部材用途ポリエステルフィルムでは、後工程において、液晶を塗布する工程があり、当該工程では、リオトロピックとサーモトロピックによる方法を用いることが一般的であり、リオトロピック方法では、溶剤を用いるために、コーティングにより無機粒子を含有させると、この塗布層が溶解された後、粒子凝集などを引き起こし、フィルム面状にムラなどの表面不具合を生じてしまう可能性が高い。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、上記の無機粒子のほかに、いわゆるバイモーダルによる表面処理効果向上のため、他種の粒子を用いてもよく、シリカ粒子を併用することが好ましい。
併用するシリカ粒子の形状に関しては、特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。
併用する粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.1〜2μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、易滑性を十分に付与できない場合がある。一方、3μmを超える場合には、フィルムの製膜時に、その粒子の凝集物のために透明性が低下することがあるほかに、破断などを起こしやすくなる傾向があり、生産性の面で問題になることがある。
併用する粒子の最外層中の含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合には、フィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常10〜350μm、好ましくは50〜250μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルム製造に関しては、同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
ポリエステルフィルムの表面に塗布層を形成する方法は、特に制限されないが、ポリエステルフィルムを製造する工程中で塗布液を塗布する方法が好適に採用される。具体的には、未延伸シート表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、二軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。これらの中では、未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布後、フィルムに熱処理を行う過程で同時に塗布層を乾燥硬化する方法が経済的である。また、塗布層を形成する方法として、必要に応じ、前述の塗布方法の幾つかを併用した方法も採用し得る。具体的には、未延伸シート表面に第一層を塗布して乾燥し、その後、一軸方向に延伸後、第二層を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。ポリエステルフィルムの表面に塗布液を塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター等を使用することができる。
本発明において用いる塗布液は、通常、安全性や衛生性の観点から水を主たる媒体として調整されていることが好ましい。水を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する目的あるいは造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は、主たる媒体である水と混合して使用する場合、水に溶解する範囲で使用することが好ましいが、長時間の放置で分離しないような安定した乳濁液(エマルジョン)であれば、水に溶解しない状態で使用してもよい。有機溶剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
本発明においてポリエステルフィルム上に形成する離型層は、後述する少なくとも1種類の遷移金属系触媒を特定含有し、離型性を有する材料を含有していれば、特に限定されるものではない。その中でも、硬化型シリコーン樹脂を含有するものによれば離型性が良好となるので好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等何れの硬化反応タイプでも用いることができる。
具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング(株)製SD7220、SD7226、SD7229等が挙げられる。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
また、上述のとおり、離型層中にアミノ基を有するシラン化合物を添加することもある。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法としては、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。本発明における離型層の塗布量は、通常0.01〜1g/m2の範囲である。
本発明において、離型層が設けられていない面には、接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層等の塗布層を設けてもよく、また、ポリエステルフィルムにはコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
また、粘着剤層または離型層の塗膜の乾燥および/または硬化(熱硬化、電離放射線硬化等)は、それぞれ個別又は同時に行うことができる。同時に行う場合には、80℃以上の温度で行うことが好ましい。乾燥および硬化の条件としては、80℃以上で10秒以上が好ましい。乾燥温度が80℃未満または硬化時間が10秒未満では塗膜の硬化が不完全であり、塗膜が脱落しやすくなるため好ましくない。
本発明におけるポリエステルフィルムでは、離型層の外観を良くし、かつ耐久性を付与するため、遷移金属系触媒を用いる。塗布層中の遷移金属系触媒含有量は、0.5〜5.0重量%、好ましくは1.5〜4.0重量%の範囲である。離型層中の遷移金属系触媒含有量が0.5重量%よりも低い場合、剥離力の不具合や、離型層での硬化反応が不十分になるため、面状悪化などの不具合を生じ、一方、離型層中の遷移金属系触媒の含有量が5.0重量%を超える場合には、コストがかかったり、反応性が高まるため、ゲル異物が発生したりする等の工程不具合が生じる。
本発明の離型ポリエステルフィルムの基材であるポリエステルフィルムの結晶化度は、打ち抜き工程で、きれいにカットするための要素で、本発明においては重要な要件である。本発明でいう結晶化度とは、示差熱量計(以下、DSCと略記する)測定における融解熱法で定義する。このとき、完全結晶PETの融解熱(ΔH)は、Groeninckxらの値、117.6J/gを採用した。
本発明で用いるポリエステルフィルムの結晶化度は、35〜45%であり、好ましくは40〜43%の範囲である。フィルム結晶化度が45%より大きい場合、打ち抜き工程の際にチリが多く発生してしまい、また、35%より小さい場合、打ち抜き工程の際にカッター歯に樹脂が粘着するなど、生産性の点で不具合となる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)ポリエステルフィルムの透過率測定
JIS − K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−300Aによりポリエステルフィルムの全光線透過率を測定した。次のような基準で判断する。
(4)ポリエステルフィルムのヘーズ(濁度)測定
JIS−K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−20Dにより、フィルムのヘーズを測定した。
(5)ポリエステルフィルムの加熱収縮率測定
ポリエステルフィルムを縦長さの方向(以後、MDと略する)と横幅の方向(以後、TDと略する)にそれぞれ、任意の長さL(cm)でサンプリングする。続いて、そのサンプルをオーブンで160℃、5分の加熱を行い、そのサンプルをオーブンから取り出して長さl(cm)を測定する。この操作を3回行い、平均値を加熱収縮率の値として採用する。下記式で加熱収縮率は算出できる。
加熱収縮率(%)={(L−l)/L}×100
(6)離型フィルムの剥離力(F)の評価
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(7)離型ポリエステルフィルムのDSC測定による結晶化度の計算
ポリマー10mgをパーキンエルマー社製DSC−1型差動熱量計(DSC)にセットし、N気流中で20℃/minの昇温速度で加熱してゆき、25〜300℃の測定範囲で該ポリマーの融解に伴う吸熱量(J/g)(実測融解熱:ΔHexp)を求めた。
ΔHexp(J/g)=(ポリマーの融解に伴う吸熱量)/(ポリマーの試料重量)
結晶化度は以下の式で算出できる。
Χc(%)=ΔHexp/ΔH×100
実測融解熱:ΔHexp(J/g)
完全結晶PETの融解熱:ΔH(J/g)
ただし、ΔHはGroeninckxらの値、117.6J/gを用いた。文献として、「飽和ポリエステル樹脂ハンドブック」(湯木 和男 編者 日刊工業新聞社 平成5年版 PP217〜)を参照した。次のような基準で判断する。
○:35〜45%の範囲
△:35〜39%、44〜45%の範囲
×:35%よりも低い、または、45%よりも高い値
(8)打ち抜き性
偏光板と離型ポリエステルフィルムが貼り合わされたものを工程内で所望のサイズに切り取る際の打ち抜きカットのしやすさを評価した。次のような基準で判断する。
○:きれいにカットできる
×:引っ掛りが生じる
○および△のものが実使用上問題のないレベルである。
(9)打ち抜き後の、剥離特性
<離型特性>
粘着層を有する偏光板と離型フィルムを剥がした時の状況より、離型特性を評価した。次のような基準で判断する。
○:離型フィルムがきれいに剥がれ、粘着剤が離型層に付着する現象が見られない
△:離型フィルムは剥がれるが、速い速度で剥離した場合に粘着剤が離型層に付着する ×:離型フィルムに粘着剤が付着する
(10)総合評価
打ち抜き性、剥離特性から、生産歩留まり、生産性全てを考慮に入れた評価を行う。次のような基準で判断する。
○:生産性良く、十分に製品として供給できる
×:生産性が悪いか、剥離特性の問題が多発する
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(a)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.61に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.61のポリエステル(a)を得た。
<ポリエステル(b)の製造方法>
ポリエステル(a)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径0.8μmの合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(a)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(b)を得た。得られたポリエステル(b)は極限粘度0.60であった。
<ポリエステル(c)の製造>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。
一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、固有粘度0.45に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(c)を得た。このポリエステルの固有粘度は0.45であった。
<ポリエステル(d)の製造>
このポリエステルチップを固相重縮合法にて固有粘度を上げた。予備結晶化槽にて170℃の窒素雰囲気化にて0.5時間処理した後、不活性ガスを流す塔式乾燥機を用い、200℃の温度下にて水分率が0.005%になるまで乾燥した。その後固相重合槽へ送り、240℃にて3時間、固相重合を行い固有粘度0.70のポリエステル(d)を得た。
<ポリエステル(e)の製造>
ポリエステル(d)を製造する際、固相重合槽にて5時間固相重合を行い、固有粘度0.80のポリエステル(e)を得た。
実施例1:
〈ポリエステルフィルムの製造〉
表層の原料としてポリエステル(e)70重量%と、ポリエステル(b)30重量%とを混合し、中間層の原料として、ポリエステル(a)84重量%とポリエステル(b)16重量%とを混合し、2台のベント付き押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て120℃で5.1倍の横延伸を施した後、熱固定温度225℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4%の弛緩を加え、幅4000mmのマスターロールを得た。このマスターロールの端から1400mmの位置よりスリットを行い、コアに1000m巻き取りし、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの全厚みは38μm(層構成:表層4μm/中間層30μm/表層4μm)であった。
得られたポリエステルフィルムに、下記に示す離型剤組成−Aからなる離型剤を塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるようにリバースグラビアコート方式により塗布し、ドライヤー温度120℃、ライン速度30m/分の条件でロール状の剥離力が21mN/cm離型フィルムで、そのポリエステルフィルムの結晶化度は41.8%であった。
<離型剤組成−A>
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 20部
触媒(PL−50T:信越化学製) 0.3部(1.5重量%)
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)
得られた離型ポリエステルフィルムは、下記方法で偏向板を作成された。得られた離型ポリエステルフィルムは、打ち抜き性が良好なもので、かつ、剥離特性も良好で、粘着剤付き偏光板ときれいに剥がれ、粘着剤が離型層に付着する現象が見られなかった。
<離型フィルム付き偏光板の製造>
偏光板に下記に示すアクリル粘着剤を、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃の乾燥炉内を30秒で通過させた後、離型フィルムを貼り合わせ、粘着剤を介して離型フィルムと偏光フィルムが密着された離型フィルム付き偏光板を作成した。フィルムの貼り合せ方向は、離型フィルムの幅方向が、偏光フィルムの配向軸と平行となるように行った。
・アクリル粘着剤塗布液
アクリル粘着剤(オリバインBPS429−4:東洋インキ製) 100部
硬化剤(BPS8515:東洋インキ製) 3部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 50部
実施例2〜5:
実施例1において、ポリエステルフィルム結晶化度(製造時の熱固定温度)を変更する、塗布層中離型剤組成の遷移金属系触媒含有量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。作製したポリエステルフィルムは表1に示す通りであった。
Figure 0005591004
比較例1〜5:
実施例1において、ポリエステルフィルム結晶化度(製造時の熱固定温度)を変更する、塗布層中離型剤組成の遷移金属系触媒含有量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られた結果をまとめて下記表2に示す。
Figure 0005591004
※1)コストが高いため、生産性に問題がある。
本発明のポリエステルフィルムは、需要が大きい光学用途における偏光板基材用分野で、打ち抜き性が良く、生産性が良い離型ポリエステルフィルムとして好適に利用できる。

Claims (1)

  1. フィルムの結晶化度が35〜45%である基材ポリエステルフィルムの片面に溶剤系のシリコーン系離型層を有する離型フィルムであり、当該離型層に少なくとも1種類の遷移金属触媒を0.5〜5.0重量%含有することを特徴とする光学用離型ポリエステルフィルム。
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