JP6460183B2 - 離型フィルム - Google Patents

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本発明は、離型フィルム使用の際、加熱工程を経ても重剥離化せず、ひっかかり等の工程不具合を起こさず、良好な剥離性を維持し、検査性が良好な離型フィルムに関するものである。
近年、薄膜型の光学製品の需要は著しいものがあり、効率的かつ安定的に製品を生産することが必要であり、工程で不具合が生じる可能性を減らすことは極めて重要である。
これら製品、例えば液晶ディスプレイでは必ず「貼り合わせる」という工程を経る。この際、粘着剤の使用が不可欠であり、その際に剥離フィルムが使用されるのが一般的である。
剥離フィルムの上に粘着剤を塗工し、例えば偏光板と接着させる。その後の工程で、さらに偏光板の上に基盤を貼り付ける際に剥離フィルムを剥ぐ。この粘着剤塗工時に、溶剤系使用の粘着剤は溶剤を蒸発させ、乾燥させるために加熱工程を経る。
剥離フィルムは一般的に加熱されると剥離力が高くなる。そのため、加熱された際の剥離力が重要であるが、加熱温度・時間等の諸条件によって剥離力の上昇量が異なるため不具合を生じる。剥離時に想定された以上の力を必要とした場合、歩留まりを悪くするなどの不具合が生じる。
さらに、これらセパレーターと貼り合わせをして、光学的評価を伴う検査を実施する場合がある。その場合、偏光作用のある光学部材を通して検査を行う際に、角度により検査視野が暗くなる場合がある。
配向角をコントロールしたセパレーターは、こうした偏光検査において有利ということが知られている。
こうした配向角をコントロールした剥離フィルムは加熱収縮率が大きいという欠点を持っており、顧客で使用する前にできる限りフィルムへの熱量を減らすことが求められている。
特開2003−220666号公報 特開昭58−213024号公報 特開平9−12650号公報 特開平3−115367号公報 特開平2012−255750号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、加熱工程を経る粘着剤用離型フィルムとして、加熱後の剥離力が上昇せず、加工性・検査性に優れた離型フィルムを提供するものである。
本発明者は、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる離型フィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面にシリコーン離型層を有し、当該離型層にオニウム塩を含み、フィルム面内における配向角の変化量が8度/500mm以下であることを特徴とする離型フィルムに存する。
本発明は、離型フィルムへの加熱が行われても剥離力が高くなることがないため、ひっかかり等が起こらず、加工性が優れ、検査性が良好な離型フィルムであるため、その工業的価値は高い。
本発明における、ポリエステルフィルムは単層構成であっても積層構成であってもよく、例えば、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を超えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常60モル%以上、好ましくは80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート等であるポリエステルを指す。
本発明において、ポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.01〜1μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、3μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において離型層を塗設させる場合等に不具合が生じる。
さらに、ポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分であり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分である。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明の離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではない。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明におけるポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来から公知の延伸方式を採用することができる。
さらに上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明における離型フィルムを構成するポリエステルフィルムは、フィルム面内における配向角の変化量の幅が8度/500mm以下であり、好ましくは5度/500mm以下である。配向角の変化量が8度/500mmを超える場合には、偏光板検査時に偏光板の位置により透過光強度が変動し、偏光板検査に障害となる。配向角の変化量とは試料フィルムの幅方向において、ある一点とそこから500mm離れたところとの配向角の差を複数測定し、その中で最大の差のことである。
本発明における離型層を構成する硬化型シリコーン層は、オニウム塩を含むことが必須であり、その硬化方法は、紫外線硬化型等の熱硬化でなければ何れの硬化反応タイプでも用いることができる。
本発明において、ポリエステルフィルム上に離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは80〜150℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。また、熱処理と紫外線照射との併用が必須である。無溶剤系のシリコーンを使用する場合、熱処理工程を省き紫外線照射のみを用いてもよい。
離型層の塗工量(乾燥後)は塗工性の面から、通常、0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.01〜0.2g/m範囲である。塗工量(乾燥後)が0.005g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる。一方、1g/mを超えて厚塗りにする場合には離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下し、コストアップになる。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
また、本発明におけるポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
オニウム塩とは水素化によりプロトン化される塩化合物の総称であり、それらであればなんら限定されるものではない。具体例をあげると、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、フルオロニウム塩、クロロニウム塩、ブロモニウム塩、ヨードニウム塩などがあげられる。本発明において特に好ましいオニウム塩としては、ハロゲン原子を含むオニウム塩である。
これらオニウム塩は、外部からエネルギーを加えられることで酸を放出しシリコーン硬化の開始剤となる。例えば、エポキシ基を持つようなシリコーンはこれら強酸からのプロトン付加を受け開環し、付加反応が進行する。
本発明における剥離特性を達成させるための手段としては、該離型層中のオニウム塩を適宜選択し、含有量を適当に変更させることにある。該離型層中のオニウム塩量は特に限定されるものではないが、乾燥後の重量分率にして5%〜0.5%の範囲が好ましく、より好ましくは3%〜1%の範囲である。0.5%未満では十分な硬化が進行せず、5%を超える場合酸濃度が上昇し、生産時に危険が生じる。
本発明で使用する塗布液は、密着向上剤、軽剥離添加剤、重剥離化剤、帯電防止剤、染料、顔料等を添加してもよい。これら添加剤は単独でも使用してもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)測定
パーキンエルマー社製DSC−II型測定装置を用い、サンプル重量10mg、窒素気流下で、昇温速度10℃/minで昇温し、ベースラインの偏起開始温度をTgとした。
(4)UV照射強度測定
USHIO社製のUIT−201を使用し、紫外線照射装置に通し、紫外線(UV)積算光量を測定した。
(5)離型フィルムを構成するポリエステルフィルムのフィルム面内における配向角の変化量の測定
試料フィルムの幅方向において、中心となる位置より、幅方向に両端に向かって、500mm毎の位置および、最両端のサンプルを切り出し、それぞれ王子計測器社製の自動複屈折率計(KOBRA−21ADH)を用いてフィルム幅方向500mm毎の配向角の変化量を求めた。なお、最両端の位置を含む配向角の変化量を算出する際、サンプル位置間が500mmに満たない場合は、比例計算にて500mm毎の配向角の変化量を算出する。続いてフィルム長手方向について、3m長を切り出し、フィルム幅方向に対して中心となる位置から長手方向に500mm毎(含両端)、計7箇所の位置より、サンプルを切り出し、配向角を求めた。このようにして幅方向、長手方向での500mm毎の配向角の変化量を求め、最大の変化量をそれぞれフィルムの配向角の変化量とした。また、測定の際にはすべてのサンプルにおいて配向角の基準軸を同一とすることが重要であり、基準軸については任意に決定できる。
《判定基準》
○:8度/500mm以下の場合
×:8度/500mm以上の場合
(6)離型フィルムの常態剥離力(NF)測定
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(7)加熱剥離力(HF)測定
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、100度にしたオーブン内に1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
《判定基準》
○:NF/HF≧1の場合
×:NF/HF<1の場合
(8)残留接着率測定
離型層表面に粘着テープ「No.31B」(日東電工(株)製)を2kgゴムローラーにて1往復圧着し、100℃で1時間加熱処理する。次いで、圧着した離型フィルムを剥がし、粘着テープ「No.31B」を使用し、JIS−C−2107(ステンレス板に対する粘着力、180°引き剥がし法)の方法に準じて接着力Fを測定する。粘着テープ「No.31B」を直接ステンレス板に粘着・剥離した際の接着力F0に対するFの百分率を残留接着率とした。
《判定基準》
○:90%以上の場合
△:70%〜90%の場合
×:70%以下
(9)離型フィルムの塗膜密着性促進評価(実用特性代用評価)
試料フィルムを恒温恒湿槽中、60℃、80%RH雰囲気下、4週間放置した後に試料フィルムを取り出した。その後、試料フィルムの離型面を触手により5回擦り、離型層の脱落程度を下記判定基準により判定を行った。
《判定基準》
○:塗膜の脱落が見られない
△:塗膜が白くなるが脱落はしていない
×:塗膜の脱落が確認された
(10)異物認知性
試料フィルムの幅方向が偏光フィルムの配向軸と平行となるように、公知のアクリル系粘着剤を介して試料フィルムを偏光フィルムに密着させ、離型フィルム付き偏光板を作成した。ここで上記偏光板を作成する際、粘着剤と偏光フィルムとの間に50μm以上の大きさを持つ黒色の金属粉(異物)を50個/mとなるように混入させた。このようにして得られた異物を混入させた偏光板離型フィルム上に配向軸が離型フィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より10人の検査員がそれぞれ目視にて観察し、粘着剤と偏光フィルムとの間に混入させた異物を見いだせるかどうかを下記分類にて評価した。なお、測定の際には、得られたフィルムの中央部と両端部の計3箇所のフィルムを用いて評価し、目視検査性が最も良好であった箇所の結果を持って、そのフィルムの異物認知性とした。
《判定基準》
○:異物認知性良好
×:異物認知性不良
(11)連続剥離性
試料に下記の組成からなるアクリル系粘着剤を塗工し、加熱乾燥し、偏光板と張り合わせを行う。加熱時間を一分とし温度を60度〜100度まで5度ずつ上昇させたものをそれぞれ採取し、連続的に全試料フィルムを剥離する。連続的に剥離が可能かどうかを判断した。
<アクリル系粘着剤組成物>
(モノマー配合組成)
アクリル酸2−エチルヘキシル 70重量%
アクリル酸2−メトキシエチル 29重量%
アクリル酸4−ヒドロキシブチル 1重量%
上記モノマー組成100重量部に対して、日本ポリウレタン製コロネートLを0.1部添加し、アクリル系粘着剤層形成用組成物を得た。
《判定基準》
○:全試料フィルムで連続的に剥離が可能
×:一部フィルムでひっかかりが発生するなど連続的に剥離が不可能
(12)塗布外観(実用特性代用評価)
幅1000mmの試料フィルムを、長手方向に10m程度、塗布層が設けられた離型層表面にハロゲンライトの光を当て、目視にて離型層を観察し、塗布層に起因するムラ状に見える外観を判定基準により判定を行った。
《判定基準》
○:ムラ状に見える模様が確認されず、良好である
△:ムラ状に見える模様がわずかに確認される
×:ムラ状に見える模様が明瞭に確認され、良好ではない
なお上記では、長尺サンプルについてムラを確認しているが、例えばA4サイズ程度の大きさのフィルムであっても、上記と同様な方法にて、ムラの良否を判断することが可能である。
(13)総合評価(実用特性代用評価)
実施例および比較例において製造した、離型フィルムを用いて、配向角、加熱時の剥離性、残留接着率、密着性、連続剥離性、塗布外観の各評価項目につき、下記判定基準により総合評価を行った。
《判定基準》
○:実用上、問題ないレベルで、配向角、加熱時の剥離性、残留接着率、密着性、連続剥離性、塗布外観の全てが△以上の場合
×:実用上、問題があるレベルで、配向角、加熱時の剥離性、残留接着率、密着性、連続剥離性、塗布外観の内の少なくとも一つが×
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
〈ポリエステルの製造〉
製造例1(ポリエチレンテレフタレートA)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチレングリコールスラリーエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.03部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートA1を得た。
製造例2(ポリエチレンテレフタレートB)
製造例1において、平均粒径2.5μmのシリカ粒子を0.6部添加する以外は製造例
1と同様にして製造し、固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートBを得た。
製造例3(ポリエステルフィルムF1の製造)
ポリエステルAを中間層の原料とし、ポリエステルAとポリエステルBの混合原料を9:1の割合で混合したものを表層の原料とし、2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に2.8倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で5.4倍延伸し、200℃で熱処理を行った後、横方向に3%弛緩し、厚さ38μm(表層1.9μm、中間層34.2μm)の透明ポリエステルフィルムを得た。
製造例4(ポリエステルフィルムF2の製造)
ポリエステルAを中間層の原料とし、ポリエステルAとポリエステルBの混合原料を9:1の割合で混合したものを表層の原料とし、2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、230℃で熱処理を行った後、横方向に4.3%弛緩し、厚さ38μm(表層1.9μm、中間層34.2μm)の透明ポリエステルフィルムを得た。
使用した離型剤(a)は下記表1のとおりである。
使用した硬化剤・添加剤(b)は下記表2のとおりである。
使用した密着向上剤(c)は下記表3のとおりである。
実施例1:
<離型フィルムの製造>
厚さ38μmのポリエステルフィルムF1の塗布層上に下記離型層組成(A)を塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるように、オフラインにて、リバースグラビアコート方式により塗布した後、120℃、30秒間熱処理し、その後、高圧水銀ランプ照射装置(EUV482A:セリテック社製)で200mJ/cmで照射を行った。
離型層組成A
UV硬化型シリコーン樹脂(a1) 100部
オニウム塩型硬化剤(b1) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
以上より、得られた離型フィルムの特性を表1示す。
実施例2〜5および比較例1〜4:
実施例1において、離型層組成を下記表4に示すとおり変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。上記実施例および比較例で得られた各離型フィルムの特性を下記表5に示す。
比較例5〜8:
実施例1において、離型層組成を下記表1に示すとおり変更し、熱処理時間を150℃、30秒にし、高圧水銀ランプの照射の有無以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。上記比較例で得られた各離型フィルムの特性を表5に示す。
比較例9:
実施例1において、フィルムタイプをF2に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
上記比較例で得られた各離型フィルムの特性を表5に示す。
比較例7、8の剥離力については、5Nのロードセルを使用した際、測定限界値を超える剥離力が必要であったため、測定を行うことができなかった。
本発明の離型フィルムは、加熱後の剥離力が上昇せず、加工性・検査性に優れた離型フィルムを提供するものである。

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面にシリコーン離型層を有し、当該離型層を形成する組成物は紫外線硬化型シリコーン樹脂およびオニウム塩を含み、フィルム面内における配向角の変化量が8度/500mm以下であり、かつ、離型層の剥離力が下式で示され、離型層の塗工量(乾燥後)が0.005〜0.5g/mであることを特徴とする離型フィルム。
    常態剥離力÷加熱剥離力≧1.32
  2. 残留接着率が90%以上である請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 前記離型層は、密着向上剤を含む請求項1または2に記載の離型フィルム。
  4. 前記密着向上剤がシランカップリング剤である請求項3に記載の離型フィルム。
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