JP2012027232A - 偏光板基材用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリビニルアルコールを含有する塗布液をポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布して得られた塗布層を有し、当該塗布層上に、少なくとも1種類以上の白金触媒を0.5〜5.0重量%含有するシリコーン系離型層を有する離型フィルムであり、当該離型フィルムのヘーズが7%以下、写像性値が89%以上あることを特徴とする偏光板基材用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。さらに、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。
さらに本発明の易接着樹脂層中には、必要に応じて塗布層の滑り性改良のために不活性粒子を含んでいてもよい。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
JIS − K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−300Aによりポリエステルフィルムの全光線透過率を測定した。次のような基準で判断する。
ポリエステルフィルムを縦長さの方向(以後、MDと略する)と横幅の方向(以後、TDと略する)にそれぞれ、任意の長さL(cm)でサンプリングする。続いて、そのサンプルをオーブンで160℃、5分の加熱を行い、そのサンプルをオーブンから取り出して長さl(cm)を測定する。この操作を3回行い、平均値を加熱収縮率の値として採用する。下記式で加熱収縮率は算出できる。
加熱収縮率(%)={(L−l)/L}×100
SAICASを用いて、試料フィルムに斜め切削を行い、断面を露出させた。その後、
TOF−SIMS(飛行時間型質量分析マススペクトル)を用いて、ポリエステルフィルム塗布層中に含まれる白金を含む触媒量を求めた。
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
あらかじめ、未熱処理の離型フィルムを空気中、180℃で10分間加熱する。その後、熱処理をした該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmの箱の内面にできるだけ密着させて箱形の形状とする。塗布層を設けている場合は塗布層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルホルムアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のOL量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面OL量(mg/m2)とする。
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
王子計測機器株式会社製のマイクロ波方式分子配向計を用い、透過マイクロ波強度パターンからMOR_C値を求めた。
JIS−K7105に準じ、スガ試験機(株)製写像性測定機 ICM−1により、透過法にてフィルムの写像性値を測定した。なお、値は、光学くし0.125mmのものを読みとる。次のような基準で判断する。
○:89%以上
×:89%よりも小さな値
JIS−K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−20Dにより、フィルムのヘーズを測定した。また、熱処理後のヘーズは、無張力状態で180℃雰囲気中5分間、熱処理したフィルムのヘーズを測定した。次のような基準で判断する。
<フィルムヘーズ>
○:7%以下
×:7%よりも大きな値
<加熱時のフィルムヘーズ>
○:8%以下
×:8%よりも大きな値
<反射光下での目視検査性>
偏光板検査を考慮に入れて、フィルム上に離型剤を塗布しドライヤー温度120℃、ライン速度30m/minの条件で得た離型フィルムの幅方向が、偏光フィルムの配向軸と平行となるように、粘着剤を介して離型フィルムを偏光フィルムに密着させ偏光板とし、蛍光灯反射下で偏光板を目視にて観察し、反射光下での目視検査性を下記基準に従い評価した。なお、測定の際には、A4サイズのサンプルを切り出して実施した。
「判定基準」
○:検査性良好
△:ほぼ問題なく検査できる
×:検査性不良
○および△のものが実使用上問題のないレベルである。
偏光板検査を考慮に入れて、フィルム上に離型剤を塗布しドライヤー温度120℃、ライン速度30m/minの条件で得た離型フィルムの幅方向が、偏光フィルムの配向軸と平行となるように、粘着剤を介して離型フィルムを偏光フィルムに密着させ偏光板とした。ここで上記偏光板を作成する際、粘着剤と偏光フィルムとの間に50μm以上の大きさを持つ黒色の金属粉(異物)を50個/m2となるように混入させた。このようにして得られた異物を混入させた偏光板離型フィルム上に配向軸が離型フィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より目視にて観察し、クロスニコル下で粘着剤と偏光フィルムとの間に混入させた異物を見いだせるかどうかを下記基準に従い評価した。なお、測定の際には、得られたフィルムの幅方向に対し中央部と両端部の計3ヶ所から、それぞれA4サイズのサンプルを切り出して実施した。
「判定基準」
○:異物認知性良好
△:比較的問題なく異物認知できる。
×:異物認知性不良
○および△のものが実使用上問題のないレベルである。
上記判定基準中、○以上のものが実使用上問題なく使用できるレベルである。
粘着層を有する積層フィルムより離型フィルムを剥がした時の状況より、離型特性を評価した。
○:離型フィルムが綺麗に剥がれ、粘着剤が離型層に付着する現象が見られない
△:離型フィルムは剥がれるが、速い速度で剥離した場合に粘着剤が離型層に付着する
×:離型フィルムに粘着剤が付着する
製膜性、生産性、検査特性等、全てを考慮に入れた評価を行う。次のような基準で判断する。
○:OLが少なく、工程汚染を防げ、生産しても充分に製品として供給できる
△:OLが少なく、工程汚染を防げ、生産性が良い、かつ、光学検査での不具合の頻度
が少ない
×:OL封止能が悪い、または、生産性が悪い。光学検査での不具合が多発する。
<ポリエステル(a)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.61に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.61のポリエステル(a)を得た。
ポリエステル(a)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径1.0μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が0.6重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(a)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(b)を得た。得られたポリエステル(b)は極限粘度0.63であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、固有粘度0.45に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(c)を得た。このポリエステルの固有粘度は0.45であった。
このポリエステルチップを固相重縮合法にて固有粘度を上げた。予備結晶化槽にて170℃の窒素雰囲気化にて0.5時間処理した後、不活性ガスを流す塔式乾燥機を用い、200℃の温度下にて水分率が0.005%になるまで乾燥した。その後固相重合槽へ送り、240℃にて3時間、固相重合を行い固有粘度0.70のポリエステル(d)を得た。
ポリエステル(d)を製造する際、固相重合槽にて5時間固相重合を行い、固有粘度0.80のポリエステル(e)を得た。
ポリエステル(b)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径1.0μmの合成炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、2.0重量%にした以外は、ポリエステル(b)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(f)を得た。得られたポリエステル(f)は極限粘度0.63であった。
〈ポリエステルフィルムの製造〉
表層の原料としてポリエステル(e)83重量%と、ポリエステル(b)17重量%を混合し、中間層の原料として、ポリエステル(a)を、2台のベント付き押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、次に下記塗布剤を塗布量(乾燥後)が0.03g/m2になるように塗布した後、テンターに導き、横方向に120℃でテンター内で予熱工程を経て120℃で5.1倍の横延伸を施した後、220℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4%の弛緩を加え、幅4000mmのマスターロールを得た。このマスターロールの端から1400mmの位置よりスリットを行い、コアに1000m巻き取りし、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの全厚みは38μm(層構成:表層4μm/中間層30μm/表層4μm)であった。
(化合物例)
・ケン化度88モル%、重合度350のポリビニルアルコールバインダーポリマー:A
・メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリロニトリル/N−メチロールメタアクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)バインダーポリマー:B
・架橋剤 ヘキサメトキシメラミン架橋剤:C
・粒子 コロイダルシリカ(平均粒径:70nm):D
固形分配合比:A/B/C/D=30/24/42/4
<離型剤組成−A>
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 20部
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 0.3部(1.5重量%)
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)
偏光板に下記に示すアクリル粘着剤を、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃の乾燥炉内を30秒で通過させた後、離型フィルムを貼り合わせ、粘着剤を介して離型フィルムと偏光フィルムが密着された離型フィルム付き偏光板を作成した。フィルムの貼り合せ方向は、離型フィルムの幅方向が、偏光フィルムの配向軸と平行となるように行った。
アクリル粘着剤(オリバインBPS429−4:東洋インキ製) 100部
硬化剤(BPS8515:東洋インキ製) 3部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 50部
実施例1において、ポリエステルフィルム製造時の粒子含有ポリエステル種、粒子含有ポリエステルの配合量を変更する、塗布層中離型剤組成の白金触媒含有量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られた結果をまとめて下記表1に示す。
実施例1において、ポリエステルフィルム製造時の粒子含有ポリエステル種、粒子含有ポリエステルの配合量を変更する、塗布層中離型剤組成の白金触媒含有量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られた結果をまとめて下記表2に示す。
Claims (2)
- ポリビニルアルコールを含有する塗布液をポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布して得られた塗布層を有し、当該塗布層上に、少なくとも1種類以上の白金触媒を0.5〜5.0重量%含有するシリコーン系離型層を有する離型フィルムであり、当該離型フィルムのヘーズが7%以下、写像性値が89%以上あることを特徴とする偏光板基材用ポリエステルフィルム。
- 180℃で5分間熱処理後のヘーズが8%以下であることを特徴とする請求項1記載の偏光板基材用ポリエステルフィルム。
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