JP2004066642A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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佐藤 嘉記
Katsuhiko Furukawa
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Abstract

【課題】フィルム表面に塗布層を設けたときに、その塗布層表面に析出するオリゴマーが少なく、高温下で処理した場合でも透明性の低下を起こすことのない、塗布工程適性にも優れたフィルムを提供する。
【解決手段】臨界表面張力が46dyne/cm以上であるポリエステルフィルム面に塗布層を有する積層フィルムであり、当該積層フィルムを180℃で10分間熱処理した後の塗布層表面のポリエステル起因オリゴマー量が10.0mg/m以下であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、塗布層表面へのオリゴマー析出を防止した、高度な透明性と塗布工程適性を満足する積層ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種の用途において使用されている。
しかし、用途が多様化するにつれて、フィルムの加工、使用条件も多様化し、例えばポリエステルフィルムを加熱処理すると、フィルム表面に内部から浸出してきたオリゴマーが析出してしまうという新たな問題が出てきている。フィルム表面へのオリゴマー析出が激しい場合、フィルムの加工時にオリゴマーが工程内に付着して汚染する、あるいは高度な透明性が必要な用途に使用できなくなる等、種々の問題が生じている。また、ポリエステルフィルムの表面改質を目的として、各種の塗布フィルムが提案されているが、その表面に形成させる塗布層との密着性が不足したり、塗布する組成によっては、オリゴマーの析出を促進してしまう問題が生じたりしている。
【0003】
従来、オリゴマーの析出を防止する方法としては、固相重合により原料中に含まれるオリゴマーの低減をはかったり、また、末端封鎖剤を用いてポリエステルフィルムの耐加水分解性を向上させたりすることなどが行われてきた。
固相重合すると、オリゴマーの低減と同時にポリマーの重合度も上がるため、フィルム製造の際に押出機への負荷が大きくなったり、製造工程が増加したりするため製造コストの上昇を招いてしまう。さらに、フィルムの製造条件によっては効果が見られないなど、フィルム表面へのオリゴマーの析出防止を満足する所までは至っていない。
また、末端封止剤を用いた場合は、末端封止剤に起因する異物の発生、ポリマーの着色、固層重合性の悪化等のおそれがある。
【0004】
窓貼フィルム、化粧板等の建材用、メンブレンスイッチ、透明タッチパネル等の電子材料用、情報材料用等にポリエステルフィルムを使用する場合、ポリエステルフィルムは傷が付きやすく、外観や光学的特性が損なわれやすいという欠点があるため、ハードコート層を設けたものが通常使用されている。
しかしながら、ハードコート層を設けたポリエステルフィルムは、フィルムの加工工程における熱処理によりフィルム表面にオリゴマーが析出して、透明性や表面硬度を悪化させたり、ハードコート層とポリエステルフィルムとの密着性に悪影響を与えたり、さらにハードコートの表面に析出して、透明性の悪化や、塗布工程内で搬送ロールを汚染するなどの問題点が指摘されている。
【0005】
一方、離型フィルムは、粘着剤、接着剤、貼薬剤等の粘着面保護フィルムとして、あるいはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等硬化性樹脂のシート、あるいは熱可塑性樹脂のシートを成形するためのキャリヤーシートとして用いられ、その量が拡大しつつある。
かかる離型フィルムとして、従来、ポリエステルフィルムの少なくとも一表面にビニルシロキサン基を有するシリコーン化合物の付加重合硬化物、アルキルオキシシランもしくはオキシシラン化合物の縮重合硬化物等よりなる被膜を設けたものが用いられている。この硬化物は非粘着で離型効果に優れ、また熱安定性に優れるという利点を有するが、一方、ベースフィルムであるポリエステルフィルムとの密着性が十分とは言い難く、耐久性が低いという問題を有している。
【0006】
離型フィルムにおいては、ポリエステルフィルムと離型層であるシリコーンの密着性を改良し、かつオリゴマーの析出を防止する方法として、シランカップリング剤のプライマー層を設ける方法などが提案されているが、オリゴマーの析出防止とシリコーンとの密着性を両立させるまでには至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、フィルム表面に塗布層を設けたときに、その塗布層表面に析出するオリゴマーが少なく、高温下で処理した場合でも透明性の低下を起こすことのない、塗布工程適性にも優れたフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記実情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、フィルムの塗布表面の臨界表面張力が特定範囲であるポリエステルフィルムに、塗布層を設けることにより、上記問題点を解決することを知見し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は、臨界表面張力が46dyne/cm以上であるポリエステルフィルム面に塗布層を有する積層フィルムであり、当該積層フィルムを180℃で10分間熱処理した後の塗布層表面のポリエステル起因オリゴマー量が10.0mg/m以下であることを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明にいうポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押し出される、いわゆる押出法により押し出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、縦方向および横方向の二軸方向に配向させたフィルムである。 本発明において、ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
【0011】
また、ポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体であってもよい。かかる共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸および、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または、二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
【0012】
本発明のポリエステルは、溶融重合反応で得られたものであってもよく、また溶融重合後、一度チップ化したポリエステルを固相重合したものであってもよい。特に特定の条件で固相重合を行った原料は、原料中に含まれるオリゴマー量が低減できるので好ましい。ポリエステル原料中に含有するオリゴマー量は、1.5重量%以下が好ましく、さらに好ましくは1.0重量%以下、特に好ましくは0.7重量%以下である。ポリエステル原料中のオリゴマー量が少ない場合、本発明のオリゴマー析出防止効果が特に高度に発揮される。
【0013】
本発明においては、通常のオリゴマー含有量のポリエステルからなる層の少なくとも片側の表面に、かかるオリゴマー含有量の少ないポリエステルを共押出積層した構造を有するフィルムであってもよく、かかる構造を有する場合、本発明で得られるオリゴマー析出の抑制効果を高度に発揮できる。具体的には、表面層を形成するポリエステルが含有するオリゴマーが、1.0重量%以下、好ましくは0.7重量%以下であれば、その隣接する層のポリエステルは、例えば再生原料を利用することもでき、コスト的な利点も非常に大きい。かかる低オリゴマー表面層を設けた構成のフィルムの場合は、この層表面が後述の特定の臨界表面張力を与える面の対象となる。低オリゴマー表面層の厚みは、その効果を得るために、好ましくは1μm以上、さらに好ましくは3μm以上、特に好ましくは5μm以上であって、全フィルム厚みの30%以下であることが好ましい。表面層の厚みが全厚みの30%を超えると、コスト低減効果が小さくなってしまう。
【0014】
本発明のポリエステルフィルムは、一方の表面の臨界表面張力が46dyne/cm以上であって、当該表面に塗布層を有することを特徴の一つとする。臨界表面張力の上限は、通常70dyne/cm、好ましくは60dyne/cmである。臨界表面張力が46dyne/cm未満の場合は、その表面に設ける塗布層表面の析出オリゴマー量を抑制する効果が得られない。一方、臨界表面張力が70dyne/cmを超える場合は、もはや効果は飽和に達し、例えばコロナ放電処理を行う場合に必要処理量が多すぎて生産効率が低下したり、フィルム表面へのダメージが大きくなってかえってフィルム物性の低下を引き起こしたりすることもある。
【0015】
かかる臨界表面張力の表面を得るために、本発明ではフィルムをコロナ放電処理する方法を好ましく採用する。コロナ放電処理は、空気中、窒素雰囲気中、二酸化炭素雰囲気中などの雰囲気で、電極とフィルム表面および誘電体ロールの間に一定の電圧をかけ、放電処理させる処理のことをいう。所定の臨界表面張力を得るためには、コロナ放電処理の条件を調節して得られる。電極とフィルムとの距離や雰囲気等によって条件の適性範囲は変化するが、通常は0.1〜100W・分/mの範囲で行われる。かかる処理を行って、表面の臨界表面張力を高くしたポリエステルフィルムの表面に塗布層を設けた場合、該塗布層表面に析出するオリゴマーの量が著しく少なくなるという驚くべき効果が得られる。
【0016】
本発明においては、フィルムを180℃で10分間熱処理した時の、塗布層表面へのオリゴマー析出量は、10.0mg/m以下、好ましくは5.0mg/m以下、さらに好ましくは3.0mg/m以下、特に好ましくは1.0mg/m以下であることも特徴の一つである。ここでいうオリゴマー量は、後述する方法で測定した環状三量体量(ポリエステル起因オリゴマー)を指す。フィルムの塗布層表面でのオリゴマー析出量が10.0mg/mを超える場合は、フィルムヘーズの悪化や、塗布工程内でフィルムと接触する搬送ロールにオリゴマーが付着堆積する等の問題が発生する。また、塗布層がハードコート層の場合は、ベースフィルムとハードコート層との密着性が悪くなったり、ハードコート層の表面硬度の低下などの特性に悪影響を及ぼしたりすることがある。
【0017】
本発明においては、フィルムの片面が上記した臨界表面張力を有すれば、その効果を発揮できるが、両面の臨界表面張力が上記した範囲を満足してもよい。またフィルムの片面を高臨界表面張力とし、反対面に別途塗布層を設けたものであってもよい。この場合の反対面の塗布層は、ポリエステルフィルムの製造工程内で設けられたものであることが好ましい。具体的には、未延伸シート表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、二軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。かかる塗布層を設けることにより、その表面にさらに塗布層を設けたり、他の素材とラミネートしたりするなどの加工時に、双方の密着性を高める効果や、静防性、防汚性などの機能を加えることができる。
【0018】
本発明のフィルムを180℃で10分間熱処理したときの、フィルムヘーズ値上昇分は、好ましくは0〜10.0%、さらに好ましくは0〜3.0%、特に好ましくは0〜1.0%の範囲である。フィルムヘーズの上昇分が5.0%を超える場合は、高度な透明性を必要とする分野には使用できないなど、用途が限定されてしまう恐れがある。
本発明で得られるポリエステルには、本発明の要旨を損なわない範囲で、耐侯剤、耐光剤、帯電防止剤、潤滑剤、遮光剤、抗酸化剤、蛍光増白剤、マット化剤、熱安定剤、および染料、顔料などの着色剤などを配合してもよい。また、必要に応じ、フィルムの滑り性や耐摩耗性を改良する目的などのために、ポリエステルに対し、不活性な無機または有機の微粒子などを配合することもできる。
【0019】
用いる粒子としては、酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、硫酸バリウム、フッ化リチウム、タルクおよび特公昭59−5216号公報に記載されているような架橋高分子微粉体等を挙げることができる。これらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用してもよい。
フィルム中の粒子の含有量は、通常1重量%以下、好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.02〜0.5重量%の範囲である。粒子の含有量が少ない場合には、フィルム表面が平坦化し、フィルム製造工程における巻き特性が劣る傾向がある。また、粒子の含有量が1重量%を超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎてヘージーとなる傾向がある。
【0020】
ポリエステルフィルム中に含有される粒子の平均粒径としては、特に限定される訳ではないが、通常0.02μm〜5μm、好ましくは0.02μm〜3μm、さらに好ましくは0.02μm〜2μmの範囲である。粒径が0.02μm未満の場合には、フィルム表面が平坦化し、フィルム製造工程における巻き特性が劣る傾向がある。また、粒径が5μmを超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎてヘージーとなる傾向がある。一方、フィルムの透明性を向上するため、上記した低オリゴマーポリエステル表面層に粒子を配合する方法も好ましく採用される。
【0021】
本発明において、ポリエステルに粒子を配合する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において粒子を添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用いエチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われ
る。
【0022】
本発明の積層フィルムは、フィルムとして製膜できる厚さであればよく、例えば5〜250μmの範囲から選択することができ、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜200μm厚みのフィルムとした場合、優れた効果を発揮する。フィルム厚みが5μm未満の場合は、フィルムに塗布層を形成した際に工程内での加熱、あるいは塗布材中の樹脂の硬化収縮により、カールやシワが生じる場合がある。
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法について具体的に説明するが、本発明のフィルムは以下の製造例に限定されるものではない。
まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、押出機を用い、口金から溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0023】
次いで、得られた未延伸フィルムは二軸方向に延伸して二軸配向される。すなわち、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたは、テンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜115℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜6倍、好ましくは3.5〜5倍である。そして、引き続き、130℃〜250℃の範囲の温度で30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸フィルムを得る。
【0024】
延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆるインラインコ−ティングを施すこともできる。それは、以下に限定するものではないが、例えば、1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、帯電防止性、滑り性、接着性等の改良、2次加工性改良等の目的で、水溶液、水系エマルジョン、水系スラリー等によるコ−ティング処理を施すことができる。
上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を用いることもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。また、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
【0025】
本発明においては、フィルムの少なくとも片面にコロナ放電処理を施すことにより、所定の臨界表面張力とすることができるが、かかる処理はフィルムを二軸延伸、熱処理後巻き取りを行う前、すなわち製膜工程内で行う方法、製膜後巻き取ったマスターロールを製品の幅にスリットする工程で行う方法、あるいは製品のロールからフィルムを巻き出して、再スリットを行うか、巻き直しを行う工程で実施する方法がある。製膜工程の中で、縦延伸前または横延伸前に処理を行うこともできるが、延伸及び熱処理の工程でかかる処理の効果が希薄になってしまうため、処理強度を非常に高くする必要があり、経済性の点等から好ましくない。
【0026】
本発明のポリエステルの製造方法の好ましい例について説明するが、本発明は必ずしもこれに限定されない。ここではポリエステル(A)としてポリエチレンテレフタレートを用いた例を示すが、使用するポリエステルにより製造条件は異なる。
まず常法に従って、テレフタル酸とエチレングリコールからエステル化し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換により、ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート(BHT)を得る。次にこのBHTを重合槽に移行しながら、真空下で280℃に加熱して重合反応を進めポリエステルを得る。
本発明のポリエステルの極限粘度は、通常0.40〜0.90、好ましくは0.45〜0.80、さらに好ましくは0.50〜0.70の範囲である。極限粘度が0.40未満では、フィルムの機械的強度が弱くなる傾向があり、極限粘度が0.90を超える場合は、溶融粘度が高くなり、押出機に負荷がかかったり、製造コストがかかったりする等の問題が生じる場合がある。
【0027】
本発明のポリエステルフィルムは、特定の臨界表面張力を有する表面にハードコートを形成できるが、かかるハードコート層としては、活性エネルギー線硬化樹脂層が好ましく用いられる。
活性エネルギー線硬化樹脂層の硬化成分としては、不飽和ポリエステル樹脂系、アクリル系、付加重合系、チオール・アクリルのハイブリッド系、カチオン重合系、カチオン重合とラジカル重合のハイブリッド系などを使用することができる。これらの中では、硬化性、耐擦傷性、表面硬度、可撓性および耐久性などの観点でアクリル系の硬化成分が好ましい。
上記のアクリル系硬化成分は、活性エネルギー線重合成分としてのアクリルオリゴマーと反応性希釈剤とを含有する。そして、必要に応じ、光重合開始剤、光増感剤、改質剤を含有する。
【0028】
アクリルオリゴマーとしては、代表的には、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリロイル基またはメタアクリロイル基が結合されたオリゴマーが挙げられる。その他のアクリルオリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに、メラミン、イソシアヌール酸、環状ホスファゼン等の剛直な骨格にアクリロイル基またはメタアクリロイル基が結合したオリゴマーが挙げられる。
反応性希釈剤は、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うとともに、それ自体が多官能性または一官能性のアクリルオルゴマーと反応する基を有するため、塗膜の共重合成分となる。反応性希釈剤の具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0029】
光重合開始剤としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、p−クロロベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン、アントラキノン、フェニルジスルフイド、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等が挙げられる。
光増感剤としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール等の3級アミン系、トリフェニルホスフィン等のアルキルホスフィン系、β−チオジグリコール等のチオエーテル系などが挙げられる。
【0030】
改質剤としては、塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、無機系粒子、有機系粒子、潤滑剤、有機高分子、染料、顔料、安定剤などが挙げられる。これらは、活性エネルギー線による反応を阻害しない範囲で使用され、活性エネルギー線硬化樹脂層の特性を用途に応じて改良することができる。活性エネルギー線硬化樹脂層の組成物には、塗工時の作業性向上、塗工厚さのコントロールのため、有機溶剤を配合することができる。
活性エネルギー線硬化樹脂層の形成は、硬化用樹脂組成物を前記の塗布層の表面に塗布した後に活性エネルギー線を照射して架橋硬化させることにより行う。活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、電子線、X線、α線、β線、γ線を使用することができる。活性エネルギー線の照射は、通常、塗布層側から行うが、フィルムとの密着性を高めるため、フィルム面側から行ってもよく、さらには、活性エネルギー線を反射し得る反射板をフィルム面側に設けてもよい。
【0031】
活性エネルギー線硬化樹脂層の厚さは、通常0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmの範囲である。硬化樹脂層の厚さが0.5μm未満の場合は、表面硬度が不十分となることがあり、15μmを超える場合は、硬化樹脂層の硬化収縮が大きくなり、フィルムが硬化樹脂層側にカールすることがある。本発明において硬化樹脂層側の表面硬度は、通常H以上、好ましくは2H以上である。H未満では製品となった時にキズが付きやすく、実用上好ましくない場合がある。
一方、本発明のポリエステルフィルムは、特定の臨界表面張力を有する表面に離型性を与える層を形成できる。ここで、離型性を与える層とは、ある密着性を有する物質に対し、ポリエステルフィルムそのものよりも剥離強度を小さくできる層を指すが、より具体的には、後述する剥離強度測定方法において、剥離強度が1〜200gf/50mm、好ましくは2〜100gf/50mmの範囲の剥離強度を有する表面をいう。
【0032】
かかる離型層は、離型性を有する材料を含有していれば、特に限定されるものではない。その中でも、硬化型シリコーン樹脂を含有するものによれば離型性が良好となるので好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等何れの硬化反応タイプでも用いることができる。
【0033】
具体例としては、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング(株)製SD7220、SD7226、SD7229等が挙げられる。
さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
【0034】
離型層は、非粘着で離型効果に優れているので、ベースフィルムであるポリエステルフィルムとの密着性が十分とは言い難いことが多いが、本発明においてはコロナ放電処理を行って臨界表面張力を特定範囲としているので塗布工程適性や密着性を高めることができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。
また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
【0036】
(1)ポリエステルの極限粘度
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0037】
(2)平均粒径(d50
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
【0038】
(3)フィルムの臨界表面張力
JIS−K−6768に基づき、市販のぬれ張力試験液にて測定した。また臨界表面張力が大きく、ぬれ張力試験液のぬれ状態で判断できない場合は、ぬれ張力の異なる試験液で接触角(滴下1分後の値)を測定し、接触角が0度になる点を、外挿により求めて臨界表面張力を求めた。
【0039】
(4)ポリエステル中のオリゴマー(環状三量体)含有量
所定量のポリエステル原料、またはポリエステルフィルムをo−クロロフェノールに溶解した後、テトラヒドロフランで再析出して濾過し、線状ポリエチレンテレフタレートを除いた後、次いで得られた濾液を液体クロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してポリエステル中に含まれるオリゴマー(環状三量体)量を求め、この値を測定に用いたポリエステル量で割って、ポリエステル中に含まれるオリゴマー量(環状三量体)とする。
液体クロマトグラフィーで求めるオリゴマー(環状三量体)量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解して作成した。
液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製 MCI GEL ODS 1HU
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
【0040】
(5)熱処理後の塗布層表面オリゴマー量
窒素雰囲気下、180℃の熱風循環オーブンにてポリエステルフィルムを10分間処理する。
熱処理後のポリエステルフィルムの塗布層面(所定面積)を所定量のDMFと3分間接触させ、表面に析出したオリゴマーを溶解させる。かかる操作は、例えばポリオレフィン等合成樹脂製食品容器包装等に関する自主基準において、溶出試験の中の片面溶出法に用いる溶出用器具に記載されている方法が採用できる。
次いで、得られたDMFを必要に応じて希釈等の方法で濃度を調整し、液体クロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してDMF中のオリゴマー量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m)とする。
DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解して作成した。標準試料の濃度は、0.001mg/ml〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。
液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製 MCI GEL ODS 1HU
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
【0041】
(6)熱処理フィルムヘーズ
窒素雰囲気下、180℃のオーブンで10分間放置し熱処理を行ったポリエステルフィルムをJIS−K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−20Dにより熱処理後のフィルムの濁度を測定した。
【0042】
(7)表面硬度
JIS K5400(1990)に従い、各種硬度の鉛筆を45°の角度で硬化樹脂層表面に当て、荷重1kgの下で引掻きを与え、そして、傷が発生したときの鉛筆の硬度を表面硬度とした。
【0043】
(8)剥離性評価
測定資料の離型層表面に、両面粘着テープ(日東電工社製「No.502」)の片面を貼り付けて50mm×300mmにカットした後、23℃50%RH雰囲気下に1時間放置した後の剥離力を測定する。剥離力は、放置時と同雰囲気下で、インストロン型引張試験機を使用し、引張速度300mm/分の条件下にて180度方向に剥離を行って測定した。
【0044】
実施例1
[ポリエステルの製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径1.60μmのシリカ粒子を0.2部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.66に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(1)の極限粘度は0.66、オリゴマー(環状三量体)の含有量は1.1重量%であった。
またシリカ粒子を添加しないこと以外は上記と同様にして、極限粘度0.65、オリゴマー含有量1.15重量%のポリエステル(2)を製造した。
また、同様にして得られたポリエステルを、固相重合を経由して重合度を高めたものとして、極限粘度0.72、オリゴマー含有量0.20重量%のポリエステル(3)を製造した。
【0045】
[フィルムの製造]
ポリエステルの製造方法にて得られたポリエステル(1)とポリエステル(2)とを25:75の割合で混合し、ベント付き二軸押出機により290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、83℃で縦方向に3.7倍延伸した後、テンターに導き、110℃で横方向に3.9倍延伸し、さらに、220℃で熱処理を行い、厚さ25μmのポリエステルフィルムを得た。
得られたフィルムにコロナ放電処理を施し、臨界表面張力が54dyne/cmの表面を得た。当該処理面に、活性エネルギー線硬化樹脂を硬化後の厚さが8μmになるように塗布し、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて約10秒間照射した。
活性エネルギー線硬化樹脂としては、日本化薬製KAYARAD DPHAを77部、日本化薬製KAYARAD R−128Hを18部、チバ・ガイギー製IRGACURE651を5部より成る組成物を使用した。
【0046】
実施例2
実施例1で得られたフィルムのコロナ放電処理面に、乾燥後の厚みが0.1g/mとなるように、以下の組成の離型剤を塗布して離型フィルムを得た。すなわち塗布剤組成は、硬化性シリコーン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(MEK)700部、トルエン800部、n−ヘプタン700部であった。
【0047】
実施例3
内層用原料をポリエステル(2)とし、表層用原料をポリエステル(1)とポリエステル(3)とを30:70の割合で混合したものとして、A/B/Aの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、5/28/5μmの構成で、全厚みは38μmであった。
得られたフィルムをコロナ放電処理して、臨界表面張力60dyne/cmの表面を有するフィルムを得た。得られたフィルムに、実施例2と同様の離型層を塗布により形成して、離型フィルムを得た。
【0048】
実施例4、5
実施例3のフィルムにおいて、B層中に、本フィルム製造時に発生した耳部等の再生原料を、B層の原料に対して40重量%配合したこと以外は実施例3と同様にして、共押出積層フィルムを得た。該フィルムにコロナ放電処理を施し、その条件を調整して臨界表面張力56dyne/cm、および48dyne/cmのフィルムを得た。該フィルムに、実施例3と同様の離型層を塗布により形成し、離型フィルムを得た。
【0049】
実施例6
実施例1において、コロナ放電処理の変わりに、UV照射処理を行って臨界表面張力46dyne/cmの表面を得た。得られたフィルムに、実施例2と同様の離型層を塗布により形成して、離型フィルムを得た。
【0050】
比較例1
実施例1において、コロナ放電処理を行わないこと以外は実施例1と同様にして、ハードコートを有するポリエステルフィルムを得た。
【0051】
比較例2
実施例1において、コロナ放電処理の処理量を調整して、臨界表面張力44dyne/cmの表面を有するポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに、実施例2と同様の離型層を塗布により設け、離型フィルムを得た。
【0052】
【表1】
Figure 2004066642
【0053】
熱処理後のフィルムヘーズ上昇が小さいほど、透明性が必要な用途に使用した場合の価値が高い。また表面オリゴマー量が少ない場合は、その表面に塗布等の加工を行う場合の加工特性が良好であり、搬送ロールにオリゴマーが付着するなどの問題が無くなる。実施例においても、表面オリゴマー量が少ないほど加工適性は良好であった。一方比較例のフィルムはオリゴマーの析出が抑制されておらず、加工適性が不良で搬送工程のフィルム接触部にオリゴマーが付着して、頻繁に清掃を必要とするという問題が発生し、かつ透明性を要求される用途においては、使用が制限されるという問題があった。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、発明のポリエステルフィルムによれば、高温下でもフィルム塗布層表面に析出してくるオリゴマーが少なく、塗布時の加工適性に優れ、高度な透明性を必要とする用途に使用できる有用なフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。

Claims (4)

  1. 臨界表面張力が46dyne/cm以上であるポリエステルフィルム面に塗布層を有する積層フィルムであり、当該積層フィルムを180℃で10分間熱処理した後の塗布層表面のポリエステル起因オリゴマー量が10.0mg/m以下であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
  2. 塗布層を有するフィルム面がコロナ放電処理された表面であることを特徴とする請求項1記載の積層ポリエステルフィルム。
  3. 塗布層が鉛筆硬度H以上のハードコート層であり、かつ厚みが0.2〜15μmであることを特徴とする請求項1または2記載の積層ポリエステルフィルム。
  4. 塗布層が、ポリエステルに対し離型性を付与する層であることを特徴とする請求項1または2記載の積層ポリエステルフィルム。
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