JP5458492B2 - 成形用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、成形用二軸配向ポリエステルフィルム関し、繰返しの使用や高温熱処理、レトルト処理後の使用、水雰囲気での使用後にも優れた離型性、非付着性を発現し、かつバラツキが小さく、安定した性能を発揮するフィルムおよびその製造方法に関するものである。また、成形した前後で、表面状態が変化せず、成形後も優れた離型性、非付着性を示すフィルムに関するものである。このため、基材などに貼り合わせた後、成形加工を施したり、フィルムそのものを成形して、容器などとした場合、内容物の離型性、非付着性に優れているため、具体的には食品用容器用途などに適している。特にスチールやアルミニウム等の金属板にラミネート後、成形加工される金属缶内面用として使用する形態が非常に好ましい態様である。
ポリエステルフィルムは、良好な機械強度、熱的特性、湿度特性、その他多くの優れた特性から、工業材料、磁気記録材料、光学材料、情報材料、包装材料など広い分野において使用されている。
近年、ポリエステルフィルムはその優れた特性を生かし、基材に貼り合わせた後に成形加工を施したり、ポリエステルフィルムそのものを成形加工し、容器などとして多く使用されている。しかしながらポリエステルは、その分子骨格から離型性には乏しく、容器などの内面に使用した場合、内容物が付着してしまうという問題がある。この内容物の非付着性を付与するために、ワックスを添加したポリエステルフィルムが提案されている(例えば特許文献1)。しかしながら、この提案ではポリエステル重合時にワックスを添加、またはワックスマスターペレットを使用しているため、表面に効率よくワックスが分散せず、非付着性の効果は小さいものであった。また、ポリエステルフィルム表面にシリコーン樹脂、フッ素系樹脂などをコートして離型性を付与したフィルムが提案されている(例えば特許文献2)。しかしながら、成形性に劣るため、成形加工用途には使用できず、またレトルト処理を施した際に、性能が著しく低下してしまうという問題や、成形加工を施した際に、表面に粗れや、凹みなどの欠点が発生してしまうという問題があった。
特開2001−220453号公報 特開2004−115566号公報
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解消することにあり、高温熱処理、レトルト処理後にも優れた非付着性を示し、成形加工を兼ね備えた成形用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、以下の構成を有する。
(1) ポリエステルフィルムの少なくとも片面に表面自由エネルギーが15〜35mN/mである層厚みが0.01〜3μmのコーティング層が積層されてなり、
該コーティング層の中心線平均粗さが1〜50nmであり、
かつフィルムを任意の方向に23℃にて2倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さが1〜50nmであり、
かつ、100℃における、フィルムの任意の方向(A方向)の100%伸長時応力F100 値および、その方向に直交する方向(B方向)の100%伸長時応力F100 値がそれぞれ20〜110MPaである成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
(2) 前記コーティング層の水との接触角が90〜120°であり、
かつ180℃120分間の熱処理後の水との接触角が90〜120°である(1)に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
(3) 200℃で、フィルムの任意の一方向および、その方向に直交する方向に1.5倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さが1〜50nmである(1)又は(2)に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
(4) フィルムを任意の方向に23℃にて2倍伸長した後のコーティング層の表面自由エネルギーが15〜35mN/mである(1)〜(3)のいずれかに記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
(5) コーティング層がシリコーン化合物を用いてなる(1)〜(4)のいずれかに記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
(6) 前記シリコーン化合物が、主剤と架橋剤とを用いてなる(5)に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
(7) 前記シリコーン化合物が、主剤としてアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、架橋剤としてハイドロジェンポリシロキサンが付加反応されてなる(6)に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
(8) 125℃、0.12MPa、90分間のレトルト処理を施した際の、コーティング層と水との接触角が90〜120°である(1)〜(8)のいずれかに記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
) 融点が246〜270℃である(1)〜()のいずれかに記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
(10) 金属板貼合せ用途に使用される(1)〜()のいずれかに記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
(1) 容器成形用に使用される(1)〜(1)のいずれかに記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
(1) (1)に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルムを製造する方法であって、コーティング面の表面自由エネルギーを47mN/m以上とした後に、エマルジョン型コーティング剤をコーティングすることを特徴とする成形用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、水との接触角が大きく、表面自由エネルギーが低いため、離型性、非付着性に優れており、様々な用途に使用することができる。また、成形後も表面粗さに変化がなく、高温熱処理後も高い水接触角を示すため、フィルムを成形したり、熱処理を施した後でも、優れた離型性、非付着性を保持することができる。さらに、好ましくは成形性にも優れ、レトルト処理後も水接触角が高いので、特に食品などの容器成形用途に使用することができる。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面にコーティング層を積層してなる。コーティング層を積層することで、フィルム表面の特性を効率よく向上させることができる。
本発明におけるコーティング層を積層する方法としては特に限定されず、押出ラミネート法、メルトコーティング法を用いてもよいが、高速で薄膜コートできる点で、例えば、グラビアコート、リバースコート、スプレーコート、キッスコート、ダイコート、あるいはメタリングバーコートすることにより積層する方法が好ましく使用される。また、インラインでコーティング層を積層することも可能であり、通常の逐次二軸延伸法によるフィルム製造工程途中の縦延伸後に塗布すれば、テンター内で乾燥・熱処理および横延伸が行なわれるため好ましい。
なお、本発明においては、塗材のコーティング前に、該フィルムに表面活性化処理、例えばコロナ放電処理、オゾン処理、紫外線処理、サンドマット加工処理、薬液処理などの処理を施し、表面自由エネルギーを好ましくは47mN/m以上、より好ましくは50mN/m以上とすることが、コーティング層とポリエステルフィルムとの密着性を向上させたり、塗布欠点を解消することができるため好ましい。コーティング層とポリエステルフィルムとの密着性を向上することで、コーティング層の耐熱性、耐水性、耐レトルト性を向上することができる。
本発明において、コーティング層の表面自由エネルギーは、離型性、非付着性、取り扱い性の点から、15〜35mN/mであることが必要である。コーティング層の表面自由エネルギーが35mN/mより大きくなると、離型性、非付着性に劣る。また、表面自由エネルギーが15mN/m未満であると、フィルムの巻取性、加工性が劣ったり、ラミネートでのニップや成形加工における支点が安定しなくなる。表面自由エネルギーのより好ましい範囲は、17〜33mN/mであり、20〜30mN/mであれば最も好ましい。
また、本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムを任意の方向に、23℃にて2倍伸長した後のコーティング層の表面自由エネルギーが15〜35mN/mであることが必要である。フィルムを任意の方向に、2倍伸長した後のコーティング層の表面自由エネルギーが15〜35mN/mであれば、フィルムを基材と貼り合わせた後に成形加工を施したり、フィルム自体を成形加工した後も、離型性、非付着性において、優れた特性を示すことができる。フィルムを任意の方向に、2倍伸長した後の表面自由エネルギーのより好ましい範囲は、17〜33mN/mであり、20〜30mN/mであれば最も好ましい。
また、本発明において、コーティング層の水との接触角は離型性、非付着性、取扱い性の点で、90〜120°であることが好ましい。水との接触角が上記範囲であれば、離型性、非付着性と、取扱い性を両立することができる。水との接触角が90°未満であれば、離型性、非付着性に劣る。また、水との接触角が120°より大きくなれば、フィルムの巻取性、加工性が劣ったり、ラミネートでのニップや成形加工における支点が安定しないことがある。コーティング層の水との接触角のより好ましい範囲は、95〜120°であり、97〜120°であれば最も好ましい。
本発明において、180℃120分間の熱処理を施した際の、コーティング層と水との接触角が90〜120°であることが好ましい。180℃120分間の熱処理後の、コーティング層と水との接触角が90〜120°であれば、加熱成形、乾熱殺菌処理を行った後でも、成形加工用途、さらには食品容器用途として使用することができる。
180℃120分間の熱処理後の接触角を上記の範囲とするためには、耐熱性の高いコーティング化合物を使用したり、ポリエステルフィルムとコーティング化合物との密着性を向上させたり、コーティング化合物に架橋構造を導入することが好ましい。
180℃120分間の熱処理後の、水との接触角のより好ましい範囲は、95〜120°であり、97〜120°であれば最も好ましい。
コーティング層の表面自由エネルギー、水との接触角を上記の範囲内にするためには、コーティング層に、撥水性化合物を含むことが有効である。コーティング層を構成する組成は、撥水性化合物のみから構成されていてもよいが、本発明の特性を損なわない範囲で、樹脂、溶剤、水、金属などを含んでも良い。撥水性化合物をコーティング層の表面に均一に分散させることによって、水接触角、表面自由エネルギーを上記の範囲にすることができる。
撥水性化合物としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーンなどのストレートシリコーン、側鎖および/または末端にアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カルビノール基、アルキル基、ポリエーテル基などの有機基を導入した変性シリコーンなどのシリコーン化合物、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン、カルナウバワックス、キャンデリアワックス、モンタンワックス、ライスワックス、ステアリルステアレートなどの天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、エステルワックス、低分子量ポリエチレンなどの合成ワックスといったワックス化合物、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体などのフッ素系化合物などが挙げられるが、取扱い性、経済性、耐熱性、撥水効果の観点から、シリコーン化合物が好ましく用いられる。
本発明において、コーティング層に好ましく用いられるシリコーン化合物は、ポリエステルフィルムとの密着性、耐水性、耐熱性などの点で、主剤と架橋剤とを用いてなることが好ましい。主剤としては、上記したシリコーン化合物を用いることができる。ここでいう主剤とは、質量を基準としてシリコーン化合物中で最も多く含まれている成分のことを指す。
また、架橋剤としては、主剤と架橋反応をするものであれば特に限定されないが、例えば、主剤:アルケニル基含有/架橋剤:Si−H結合含有、主剤:シラノール基またはアルコキシ基含有/架橋剤:アルコキシ基、アシロキシ基などの加水分解基含有、主剤:ヒドロキシル基含有/架橋剤:イソシアネート基含有などの組み合わせなどが好ましく使用される。中でも、密着性、耐熱性、耐水性、耐レトルト性の点で、主剤としてアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、架橋剤としてハイドロジェンポリシロキサンを用いて付加反応して得られるシリコーン化合物が好ましく使用される。この場合は、付加反応触媒として、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体などの白金化合物、特開平4−352793号公報記載のRhCl(PhP)などのロジウム化合物を添加することが好ましい。
主剤と架橋剤との好ましい配合量は、主剤を100重量部として、架橋剤を0.05〜20重量部である。より好ましくは、0.1〜15重量部であり、0.15〜10重量部であれば最も好ましい。また、付加反応触媒の添加量としては、経済性、触媒効果の観点から、主剤100重量部に対して、0.0001〜1重量部が好ましく、0.0002〜0.8重量部であればさらに好ましく、0.0005〜0.5重量部であれば最も好ましい。
また、本発明では、コーティング層を形成させる際、上記撥水性化合物を含むコーティング組成物を作製し、これを用いてコーティング層を形成することが好ましい。コーティング組成物の形態としては特に限定されないが、例えば、オイル型、エマルジョン型、溶液型、焼き付け型、ペースト型、スプレー型などが挙げられる。ここでいう、コーティング組成物とは、コーティング層を施すときの原料組成物のことであり、コーティングする前の構成物のため、乾燥工程等で揮発する成分を含む場合もある。好ましいコーティング組成物の形態は、作業性、経済性、取扱い性などの点でエマルジョン型が挙げられる。エマルジョン型コーティング組成物は、塗布性に応じて、水で希釈して使用することができる。また、塗布性を更に向上させるために、ポリビニルアルコール系重合体またはその誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース導体、エーテル化でんぷん、デキストリンなどのでんぷん類、ポリビニルピロリドン、スルホイソフタル酸などの極性基を含有する共重合ポリエステル、ポリヒドロキシエチルメタクリレートまたはその共重合体などのビニル系重合体、アクリル系高分子、ウレタン系高分子、エーテル系高分子などの水溶性高分子化合物などを増粘剤として併用することもできる。塗布性の点から、好ましい粘度の範囲は5〜1000mPa・sであり、10〜800mPa・sであればさらに好ましく、20〜500mPa・sであれば最も好ましい。なお、ここでの粘度の値は、JIS K−7117に基づいて測定され、23℃でのものである。
また、コーティング組成物の表面自由エネルギーを下げ、フィルムへの塗布性を向上させるために、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、アセトンなどの有機溶剤を添加して使用してもよい。塗布性、取り扱い性の点で、コーティング組成物の表面自由エネルギーは30〜60mN/mであることが好ましい。コーティング組成物の表面自由エネルギーが60mN/mより大きくなると、塗布性に劣る場合がある。また、表面自由エネルギーを30mN/m未満にしようとすると、表面自由エネルギーの小さい有機溶剤を大量に添加する必要があり、取り扱い性が低下してしまうので好ましくない。コーティング組成物の表面自由エネルギーのより好ましい範囲は、30〜55mN/mであり、35〜50mN/mであれば最も好ましい。
コーティング組成物の粘度を好ましい範囲にした場合は、表面自由エネルギーは高くても塗布性に優れ、逆にコーティング剤の表面自由エネルギーを好ましい範囲とした場合は粘度が低くても塗布性に優れるため、粘度、表面自由エネルギーについては、コーティング工程の防爆設備や、コーティング組成物の保存環境などに応じて、適宜選択、調整することができる。塗布性を高めることで、撥水性化合物の効果が高まり、水との接触角、表面自由エネルギーを上記の範囲にしやすくなるので、非常に好ましい。
水溶性高分子化合物や、有機溶剤などを添加してコーティング組成物とする場合、撥水性化合物分の好ましい濃度は、均一分散性、塗布性、離型性、非付着性の点で、コーティング組成物全体を100質量%として、0.1〜60質量%であり、0.5〜50質量%であればさらに好ましく、1〜40質量%であれば最も好ましい。撥水性化合物濃度が高くなると、塗布性、均一分散性に劣る場合がある。また、撥水性化合物濃度が低くなると、離型性、非付着性に劣る場合があるので好ましくない。
撥水性化合物の濃度を上記の好ましい範囲にすることで、効率よくコーティング層の表面に分散して、水との接触角90〜120°、および表面自由エネルギー15〜35mN/mを達成することができる。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、コーティング層の中心線平均粗さが1〜50nmであることが必要である。ここでいう、中心線平均粗さとは、粗さ曲線を中心線から折り返し、その粗さ曲線と中心線によって得られた面積を測定長で割った値のことを表わす。本発明では、フィルムの幅方向(250mm)に、5cm×5cmのサンプル5枚サンプリングし、各サンプルについて、評価を行う。
評価方法としては、例えば、レーザー顕微鏡で各サンプルとも、フィルム端から、等間隔で6箇所抽出し、2次元線粗さを測定し、そのデータの平均値を中心線平均粗さとする(合計30箇所の平均値)。コーティング層の中心線平均粗さを1nm未満とするためには、コーティング前のポリエステルフィルムの中心線平均粗さを1nm未満にする必要があり、ポリエステルフィルムの取扱い性が低下してしまうため好ましくない。コーティング層の中心線平均粗さが50nmより大きいということは、コーティング層が均一に塗布されてない状態である場合があり、成形後に塗布むらの部分が欠点となる。たとえ成形後の表面粗さ自体が好ましい範囲内となった場合でも、凹みなどの大きな欠点が発生する場合があり、離型性、非付着性が悪化する可能性があるため好ましくない。
コーティング層の中心線平均粗さを1〜50nmにするためには、コーティングを施すポリエステルフィルムの被コーティング面を平滑にすることが有効である。ポリエステルフィルム面が平滑でなければ、コーティング層を均一に塗布することが困難であり、さらに薄膜であるコーティング層の表面にも影響が及ぼされる場合がある。そのためには、取扱い性を損ねない範囲においてポリエステルフィルムの粒子含有量を低減する方法、使用する粒子の粒径を小さくする方法などを挙げることができる。ここでいう取扱い性とは、フィルムの巻取り性、コーティング時のフィルムの搬送性、フィルム成形時の連続加工性などを指す。具体的には、コーティング前のポリエステルフィルム中の粒子含有量を、ポリエステルフィルム全体を100質量%として、5質量%未満、好ましくは4質量%未満にすることで、ポリエステルフィルムの中心線平均粗さを50nm以下にすることができるため有効である。ただ、ポリエステルフィルムへの粒子含有量を、0.1質量%未満にすると、ポリエステルフィルムの中心線平均粗さが1nm未満になる場合があるため、フィルムの取扱い性が低下してしまう場合がある。また、使用する粒子の粒径は4μm以下、好ましくは2.5μm以下であれば有効である。ここでいう粒径とは、数平均径のことを言う。なお、数平均径は、下記式によって求めることができる。
D=ΣDi/N(Di:粒子の円相当径、N:粒子数)
なお、粒径の測定方法は、例えば、フィルムの断面を走査型電子顕微鏡などを用いて、100000倍の倍率で場所を変えて粒子を100個観察して、観察した画像をイメージアナライザーなどに取り込んで、画像解析することによって測定することができる。
また、コーティング層の均一塗布性を向上することによって、コーティング層の中心線平均粗さを上記の範囲にすることができる。コーティング層の均一塗布性を向上させるためには、コーティング面の表面自由エネルギーを47mN/m以上とすることが有効である。
さらに、インラインでコーティング層を積層することが好ましく、この場合、縦延伸後にコーティング組成物を塗布し、テンター内で乾燥・熱処理および横延伸を行なうため、コーティング層が均一に引き延ばされ、コーティング層の中心線平均粗さを上記の範囲にするために有効である。
中心線平均粗さのさらに好ましい範囲は、2〜30nmであり、3〜20nmであれば最も好ましい。
また、本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムを任意の方向に、23℃にて2倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さが1〜50nmであることが必要である。フィルムを任意の方向に、2倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さが50nmより大きいということは、フィルムを2倍伸長することによって、コーティング層に粗れが発生している場合があり、離型性、非付着性が低下してしまうため好ましくない。また、1nm未満にするには、成形前のフィルムの中心線平均粗さを1nm未満にする必要性があり、取扱い性が低下してしまう可能性があるため好ましくない。フィルムを任意の方向に、2倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さが1〜50nmであれば、2倍伸長した後のコーティング層の表面自由エネルギーを15〜35mN/mに保持することができるので、非常に好ましい。
フィルムを任意の方向に、23℃にて2倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さのさらに好ましい範囲は、2〜30nmであり、3〜20nmであれば最も好ましい。
フィルムを2倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さの測定は、フィルムを任意の一方向および、その方向に直交する方向に長さ150mm×幅20mmの矩形に切り出したサンプルを作製して行う。任意の一方向から、30°刻みにサンプリングを行い、6サンプルを採取する。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分として各サンプルについて、引張試験を行う。各サンプル(6サンプル)について、長さ方向の中央部から、長さ2cm×幅1.5cmにサンプリングしたものを使用し、各6サンプルについて、各々5箇所抽出して測定を行い、平均値を各サンプルの値とする。
任意の一方向から、30°刻みにサンプリングした6組のサンプルについて、2倍伸長後の中心線平均粗さの値が上記した範囲に含まれていると、ある方向における測定で仮に中心線平均粗さが上記の範囲外となる場合があったとしても、フィルム成形後のコーティング層の粗れは見られず、優れた特性を示すことができる。
フィルムを任意の方向に、23℃にて2倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さを1〜50nmとするためには、コーティング層が密着性、成形追従性に優れていることが有効である。コーティング層の密着性を向上させるためには、フィルムのコーティング面の表面自由エネルギーを47mN/m以上とすること、コーティング層中に架橋構造を導入することが有効である。
また、成形追従性を向上させるためには、コーティング層の厚みを0.01〜3μmとすることが好ましい。ここで、コーティング層の厚みとは、コーティング後の乾燥厚みのことをいう。コーティング層を3μm以上にしようとすると、成形時にコーティング層に粗れや、割れなどが発生してしまう場合がある。逆に、コーティング層の層厚みが0.01μm未満であれば、コーティング層の特性が十分に発現しない場合があるので好ましくない。コーティング層の層厚みは、コーティング組成物の固形分濃度を調整したり、コーティング後のフィルムの延伸などによって調整することができる。また、例えばメタリングバーコートであれば、メタリングバーの番手によってもコーティング層の厚みを調整することができる。コーティング層のより好ましい層厚みは0.05〜1.5μmであり、0.1〜1μmであれば最も好ましい。
さらに、成形追従性を向上させるために、コーティング層を塗布した後の熱処理条件を適宜コントロールすることが重要である。熱処理温度が低すぎたり、熱処理時間が短すぎると、コーティング膜の密着性、強度が低くなる場合があり、成形追従性が劣る結果になることがある。また、熱処理温度が高すぎたり、熱処理時間が長すぎると、コーティング膜が硬くなってしまい、伸びにくい構造となる場合があるので、成形追従性が低下してしまうことがある。熱処理温度は、50〜250℃であれば好ましく、80〜245℃であればさらに好ましく、コーティング工程の短時間化のためには、150〜240℃であれば最も好ましい。また、好ましい熱処理時間は、熱処理温度によっても異なるが、1〜120秒であり、2〜60秒であればさらに好ましく、経済性の点からは、3〜30秒が最も好ましい。
また、上記したように、コーティング層とフィルムとの密着力を向上させることは、コーティング層の成形追従性の観点からも非常に重要となる。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、200℃で、フィルムの任意の一方向および、その方向に直交する方向に1.5倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さが1〜50nmであることが好ましい。200℃で、フィルムの任意の一方向および、その方向と直交する方向に1.5倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さの測定は、任意の一方向とそれに直交する方向の組合せを、以下の通り3つの組合せについて測定する。200℃に加熱したフィルムストレッチャー((株)東洋精機製作所製)に任意の一方向および、その方向に直交する方向に、90×90mmの大きさに切り出したフィルムをセットし20秒間の予熱後、どちらの方向にも1.5倍ずつ同時に2000%/分の速度で同時二軸延伸を行い伸長させサンプルを作製する。その任意の一方向から、30°刻みで3サンプルを採取し、各サンプルについて上記のとおり伸長し、各サンプル(3サンプル)中央部分から、(任意方向10cm)×(それに直行する方向10cm)のサンプルをサンプリングし、各サンプルについて、10箇所中心線平均粗さを測定し、平均値を求める。
(任意方向10cm)×(それに直行する方向10cm)に30°刻みでサンプリングした3組のサンプルについて、200℃で1.5×1.5倍に伸長した後の中心線平均粗さの値が上記した範囲に含まれていると、ある方向における測定で仮に中心線平均粗さが上記の範囲外となる場合があったとしても、高温でのフィルム成形後のコーティング層の粗れは見られず、優れた特性を示すことができる。
200℃で、フィルムの任意の一方向および、その方向に直交する一方向に1.5倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さが1〜50nmであれば、高温下での加工成形においても、コーティング層に粗れが発生しにくく、様々な形状に成形加工を行った後でも、優れた離型性、非付着性を示すことができるため、非常に好ましい。200℃で、フィルムの任意の一方向および、その方向に直交する方向に1.5倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さが50nmより大きくなると、加熱成形時にコーティング層に粗れが発生する場合があり、離型性、非付着性が低下してしまうため好ましくない。また、1nm未満にするには、成形前のフィルムの中心線平均粗さを1nm未満にする必要性があり、取扱い性が低下してしまう可能性があるため好ましくない。
200℃で、フィルムの任意の一方向および、その方向に直交する方向に1.5倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さを上記の範囲とするためには、コーティング層の密着性、成形追従性を向上させることは非常に重要であり、それに加えて、耐熱性の高いコーティング化合物を使用することが好ましい。コーティング化合物の耐熱性が低いと、高温での成形時に表面が熱により変形し、粗くなる場合がある。
さらに、任意の一方向とその方向に直行する方向に伸長させるため、フィルムの配向がバランス化されていることが好ましい。例えば、フィルムがある方向に著しく配向していると、配向している方向に伸長させる際に、フィルムおよびコーティング層にストレスがかかるので、表面が粗くなってしまう場合がある。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムはコーティング層を片面のみに積層しても、両面に積層しても問題はないが、金属板、樹脂シート、紙、木材などの基材に貼り合わせて使用する場合は、片面のみに積層するのが好ましく、コーティング層は基材側ではなく、表面となることが好ましい。コーティング層が基材側になると、基材との接着性に劣る場合があるために好ましくない。コーティング層を表面側とすることで、離型性、非付着性などの表面特性を発揮することができるので好ましい態様である。
本発明において、125℃、0.12MPa、90分間のレトルト処理を施した際の、コーティング層と水との接触角が90〜120°であることが好ましい。125℃、0.12MPa、90分間のレトルト処理を施した際の、コーティング層と水との接触角が90〜120°であるということは、レトルト処理前後で、コーティング層の表面特性に変化がないことを示している。レトルト処理前後で、コーティング層の表面特性に変化がなければ、例えば、本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムを食品容器用として使用した場合、内容物の殺菌処理としてレトルト処理を施した後においても、非付着性を示すことができるので、内容物取り出し性に優れる。この、耐レトルト処理性を示すことによって、本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、適用できる用途が飛躍的に増加するので非常に好ましいことである。
レトルト処理後の接触角を上記の範囲とするためには、コーティング化合物に架橋剤を併用して使用し、コーティング層中に架橋構造を導入することが好ましい。
125℃、0.12MPa、90分間のレトルト熱処理を施した際の、水との接触角のより好ましい範囲は、95〜120°であり、97〜120°であれば最も好ましい。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは耐熱性、樹脂の取扱い性の観点から融点が246〜270℃であることが好ましい。融点が246℃未満であれば、耐熱性に劣るため、200℃で、フィルムの任意の一方向および、その方向に直交する方向に1.5倍伸長する際に、表面に粗れが発生してしまう場合があるので好ましくない。逆に、270℃より高くなると、金属板、樹脂シート、紙、木材などの基材と貼合せて使用する際、基材との密着性に劣る場合があるので好ましくない。ここで、本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムの融点は示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度20℃/分で測定を行った際の融解現象で発現する吸熱ピーク温度である。異なる組成のポリエステル樹脂をブレンドして使用し、フィルムとした場合には複数の融解に伴う吸熱ピークが現れる場合があるが、その場合、最も高温に現われる吸熱ピーク温度を本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムの融点とする。融点が250〜270℃であればより一層好ましい。ポリエステルフィルムの融点をかかる温度範囲とする方法としては、フィルム製膜時に使用するポリエステル樹脂段階において、融点を246〜270℃の範囲としておくことが好ましく、また、異なる組成のポリエステル樹脂を用いる場合でも、融点が246℃以上であるポリエステル樹脂を使用し、また、融点が低いポリエステル樹脂をブレンドして使用する場合においても、溶融混練時の樹脂間でのエステル交換反応による融点降下を抑制するために、予め樹脂中に残存している触媒を失活させたり、触媒能を低減させるためにリン化合物を添加する。また、残存触媒量の低いポリエステル樹脂を準備するなどをすることで、融点を246〜270℃の範囲にすることができる。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、成形性、取扱い性の観点から、100℃における、フィルムの任意の方向(A方向)の100%伸張時応力F100A値および、その方向に直交する方向(B方向)の100%伸長時応力F100B値がそれぞれ20〜110MPaであ
本発明のポリエステルフィルムは、100℃におけるF100A値および、F100B値それぞれが、20〜110MPaであれば、フィルムを基材に貼り合わせた後に成形加工を施したり、フィルムそのものを成形加工するなどの成形加工性に非常に優れ
100℃におけるF100値および、F100値が110より大きくなると、コーティング層の成形追従性が良好であっても、成形時のストレスが高くなってしまい、コーティング層にひずみによる粗れが発生してしまう場合があるので好ましくない。また、逆にフィルム単体では100℃におけるF100値および、F100値が上記の範囲に入るような成形性が良好なフィルムであっても、コーティング層の成形追従性が悪いと、本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムの100℃におけるF100値および、F100値が好ましい範囲内に入らなくなってしまい、さらには表面が粗れてしまう場合がある。
また、F100値および、F100値を20MPa未満にしようとすると、フィルムの耐熱性が低下して、熱を加えた場合にフィルムの表面が粗れてしまったり、フィルムの腰が低くなりすぎて、フィルムの巻き取り時にしわが入りやすく、取り扱い性が悪くなる場合があるので好ましくない。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム単体の成形性に加え、コーティング層の成形追従性にも優れるため、様々な形状に容易に成形ができ、さらに成形後の表面の離型性、非付着性を保持することができるものである。また、フィルムの腰は保持しているので、耐熱性、取り扱い性にも優れる。
なお、本発明のポリエステルフィルムにおいて、任意方向とそれに直交する方向の100℃における100%伸張時応力を20〜110MPaとするためには、後に述べる好ましい製造方法で製造することが好ましい。また、どの方向においてもF100値は20〜110MPaになることが最も好ましいが、本発明では、F100値が20〜110MPaを示さない方向がある場合でも、F100値が20〜110MPaを満たす組み合わせが1組でもあると、優れた成形加工性を示す。
100℃におけるF100値および、F100値それぞれを、20〜110MPaとする方法としては、フィルムの配向を製膜条件により制御する手法が好ましく用いられる。さらには、使用するポリエステルの融点やガラス転移点、さらには共重合組成や共重合比率などを制御する手法も好ましく用いることができる。生産性の点からは製膜条件により制御する方法が好ましく、特に延伸時の延伸倍率、延伸温度、延伸速度を後述するフィルムの製造方法における好ましい範囲とすることにより達成することが可能である。
例えば、延伸倍率を低くしたり、延伸時の予熱温度、延伸温度を高くすることで、F100値およびF100値は小さくなる傾向になる。
100℃におけるF100値および、F100値は、30〜100MPaであれば、さらに好ましく、40〜90MPaであれば最も好ましい。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、成形性、取扱い性の点でフィルム厚みは、5〜100μmであることが好ましい。フィルム厚みが5μm未満となると形状保持の点に劣る場合がある。また、フィルム厚みが100μmを超えると、いくら熱成形時の変形応力を低減しても、実際に掛かる荷重が大きくなってしまうために、偏変形する場合があったり、成形加工のための昇温に時間が掛かるため生産性が低下する場合があるので、好ましくない。フィルム厚みのさらに好ましい範囲は、8〜50μmであり、10〜30μmであれば最も好ましい。
ここで、本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂とは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子化合物の総称であって、通常ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得ることができる。ここでジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを挙げることができる。
また、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコールなどを挙げることができる。これらの、ジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上併用してもよい。また、本発明に用いるポリエステルは1種のポリエステルであっても、2種以上のポリエステルのブレンドであってもよい。
特に好ましく用いられるポリエステルはテレフタル酸あるいはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル化反応もしくはエステル交換反応による重縮合反応によって得ることができるエチレンテレフタレートを主たる構成成分とすることが機械強度、加工性、熱特性、湿度特性などに優れるため好ましい。なおここで、主たるというのは、ポリエステル中のエチレンテレフタレート成分が30モル%以上であることを言う。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂を製造するに際しては、反応触媒、着色防止剤を使用することができる。反応触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物ゲルマニウム化合物などを、また着色防止剤としては、リン化合物などを使用することができるが、本発明では特にこれらに限定するものではない。
通常、ポリエステルの製造が完結する以前の任意の段階において、重合触媒として、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物及び/またはチタン化合物を添加することが好ましい。このような方法としては、例えば、ゲルマニウム化合物を例にすると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加する方法や、ポリエステルの出発原料であるグリコール成分中にゲルマニウム化合物を溶解させて添加する方法を使用することができる。
かかるゲルマニウム化合物としては、例えば、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム水和物あるいは、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド
などのゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフォノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウムなどのリン酸含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウムなどを使用することができる。中でも二酸化ゲルマニウムが好ましく用いられる。
また、アンチモン化合物としては特に限定されないが、例えば三酸化アンチモンなどの酸化物、酢酸アンチモンなどが使用できる。また、さらにチタン化合物としては、特に限定しないが、チタンテトラエトキシド、チタンテトラブトキシドなどのチタンテトラアルコキシドを好ましく用いることができる。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、取扱い性向上、加工時のキズ防止の観点から、数平均粒子径0.01〜5μmの粒子を含有することが好ましい。加工時のキズ防止、粒子の欠落防止の観点からは数平均粒子径は0.05〜4μmであればより好ましく、0.1〜3μmであれば特に好ましい。添加する粒子としては、たとえば、内部粒子、無機粒子、有機粒子を好ましく用いることができる。本発明の好ましい態様の二軸配向ポリエステルフィルムでは、二軸配向ポリエステルフィルムに対して粒子を好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.03〜3質量%、さらに好ましくは0.05〜2質量%、特に好ましくは0.05〜1質量%含有させることができる。また、上述した通り、積層フィルムとして特定の層にのみ粒子を添加する場合は、粒子を添加した層の粒子濃度が0.01〜5質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であれば特に好ましい。
本発明のポリエステルフィルムに内部粒子を析出させる方法としては、たとえば、特開昭48−61556号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53−41355号公報、および特開昭54−90397号公報などに記載の技術を採用することができる。さらに、特公昭55−20496号公報や特開昭59−204617号公報などに記載の他の粒子を併用することもできる。
含有する粒子濃度の測定方法は特に限定されないが、例えば、ポリエステルを溶解し、不活性粒子は溶解させない溶媒を選択し、不活性粒子をポリエステルから遠心分離し、全体質量中の粒子の質量を粒子濃度とする方法が挙げられる。溶媒としては、オルトクロロフェノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、m−クレゾールなどが好ましく使用される。
本発明のポリエステルフィルムに含有させることができる無機粒子としては、たとえば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミ、マイカ、カオリン、クレーなど、有機粒子としては、スチレン、シリコーン、アクリル酸類、メタクリル酸類、ポリエステル類、ジビニル化合物などを構成成分とする粒子を使用することができる。なかでも、湿式および乾式シリカ、アルミナなどの無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの内部粒子、無機粒子および有機粒子は二種以上を併用してもよい。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は特に限定されないが、例えばポリエステル樹脂を必要に応じて乾燥した後、溶融押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加などの方式により、キャスティングドラムに密着させ、冷却固化し未延伸シートを得た後、かかる未延伸シートを延伸する方法が挙げられる。
かかる延伸方式としては、同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれでもよい。すなわち、未延伸シートをフィルムの長手方向及び幅方向に延伸、熱処理し、目的とする面配向度のフィルムを得る方法が採用される。これらの方式の中では、フィルムの品質の点で、テンター方式によるものが好ましく、長手方向に延伸した後に、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方式、または長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方式などが面配向係数のばらつき抑制、厚みむら抑制の点から好ましく用いられる。
かかる延伸方法において、採用される延伸倍率としては、それぞれの方向に好ましくは1.6〜4.2倍、さらに好ましくは2.4〜4.0倍である。また、延伸速度は100〜200000%/分であることが望ましく、延伸温度はポリエステルのガラス転移点〜ガラス転移点+100℃の温度範囲であれば任意の温度とすることができるが、好ましくは、80〜170℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を90〜150℃、幅方向の延伸温度を100℃〜150℃とするのがよい。フィルムに非常に優れた成形性を付与するためには、特に長手方向の延伸温度を100〜130℃とすることが好ましく、特に縦延伸前において、100℃以上の高温で1〜100秒間程度、結晶化しない範囲において予熱した後、延伸することは、均一な延伸による優れた平面性、配向むら抑制による優れた成形性の発現などの点で好ましい。さらに、延伸は各方向に対して複数回行ってもよい。
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行うことができる。この熱処理は、オーブン中、加熱されたロール上などの任意の方法により行うことができる。熱処理温度は、延伸温度〜原料の融点の範囲の任意の温度とすることができるが、成形加工性と耐衝撃性の点から160〜235℃の熱処理温度であることが好ましい。かかる温度より低温であれば、耐衝撃性が悪化し、高温であれば成形加工性が悪化することがある。また、熱処理時間は他の特性を悪化させない範囲においては任意とすることができるが、通常1〜30秒間行うのが好ましい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向及び/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。
また、本発明の成型用二軸配向ポリエステルフィルムを、先に述べたようなインラインでコーティング層を積層する場合は、上記製造方法において、延伸前にコーティングした後、同時二軸延伸を行う方法や、長手方向に一軸に延伸した後にコーティングし、幅方向に延伸する方法を用いることができる。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムには、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、耐候剤、紫外線吸収剤などの添加剤を本発明の目的を損なわない程度において用いることができる。また、エンボス加工、サンドマット加工などの表面凹凸加工、あるいはコロナ放電処理、プラズマ処理、アルカリ処理などの表面処理を必要に応じて施してもよい。さらに、本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムに易接着処理剤、帯電防止剤、水蒸気・ガスバリア剤(ポリ塩化ビニリデンなど)、離型剤、粘着剤、接着剤、難燃剤、紫外線吸収剤、マット化剤、顔料、染料などのコーティングや印刷を行なってもよく、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、パラジウムなどの金属やその化合物を遮光、水蒸気・ガスバリア、表面導電性、赤外線反射などの目的で真空蒸着してもよく、その目的、方法については上記に限定されない。
本発明の成形用二軸延伸ポリエステルフィルムは、成形加工用に好適に使用することができ、例えば、基材に貼合せから成形加工を施したり、フィルムそのものを成形加工し、容器用途として使用することができる。特に、内容物との離型性、非付着性に優れているため、食品を保存するための金属板貼合せ成形加工用フィルムとして好適に使用することができる。
(物性・評価)
ポリマー、フィルムの物性、特性は以下の方法にて測定、評価した。
(1)水との接触角
23℃、65%RHの条件下で、24時間調湿したサンプルについて、接触角計(協和界面化学(株)製CA−D型)を使用して、水との静的接触角を測定した。サンプルサイズは10cm×10cmのものを使用し、そのサンプルについて、10回ずつ測定を行い、その平均値をサンプルの接触角とした。
また、熱処理後の接触角についても上記と同様にして、測定を行った。熱処理は、フィルムを12cm×12cmの金属枠に両面テープで貼り付けて固定し、熱風オーブンにて、180℃、120分間行った。レトルト処理も同様に金属枠に固定し、滅菌器にて125℃、0.12MPaの条件下で、90分間行った。
熱処理後、レトルト処理後のサンプルについては金属枠より10cm×10cmの大きさに切り出して、それぞれ10回ずつ測定を行い、その平均値をサンプルの接触角とした。
(2)表面自由エネルギー
(1)と同様にして、水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンとの静的接触角をそれぞれ測定し、表1の各液体の表面張力成分を用いて、下記の連立方程式を立てた(水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンのそれぞれの測定液を1、2、3、4とし、表1のLを1、2、3、4と置き換えた)。この方程式から、数値計算ソフト「Mathematica」の”FindMinimum”(複素数からなる関数の局所的な極小値を検索するコマンド)を用いて、その極小値を与えるγs d、γs D、γs hを求め、この方程式の最も確率の高い解とし、これを測定したフィルム表面の表面自由エネルギーとした。
Figure 0005458492
(γs d・γ1 d1/2+(γs d・γ1 p1/2+(γs h・γ1 h1/2=γ1(1+cosθ1)/2
(γs d・γ2 d1/2+(γs d・γ2 p1/2+(γs h・γ2 h1/2=γ2(1+cosθ2)/2
(γs d・γ3 d1/2+(γs d・γ3 p1/2+(γs h・γ3 h1/2=γ3(1+cosθ3)/2
(γs d・γ4 d1/2+(γs d・γ4 p1/2+(γs h・γ4 h1/2=γ4(1+cosθ4)/2。
(3)フィルムの任意の方向への2倍伸長
フィルムを任意の一方向および、その方向に直交する方向に長さ150mm×幅20mmの矩形に切り出したサンプルを作製した。同様にして、任意の方向から、30℃刻みにサンプリングを行い、6サンプルを採取した。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分として各サンプルについて、23℃にて引張試験を行い、100%伸長させた。
(4)フィルムの任意の一方向および、その方向に直交する方向への1.5倍伸長
200℃に加熱したフィルムストレッチャー((株)東洋精機製作所製)に任意の一方向および、その方向に直交する方向に、90×90mmの大きさに切り出したフィルムをセットし20秒間の予熱後、どちらの方向にも1.5倍ずつ同時に2000%/分の速度で同時二軸延伸を行い伸長させた。なお、任意の一方向から、30°刻みでサンプリングを行い、3サンプルを採取し、各サンプルについて伸長した。
(5)中心線平均粗さ
超深度形状測定顕微鏡VK−8500((株)キーエンス製)を使用して、コーティング層側2次元線粗さを測定し、そのデータより算出した。測定サンプルは、フィルムの幅方向(250mm)に、5cm×5cmのサンプル5枚サンプリングしたものを使用した。各サンプルについて、フィルム端から、等間隔で6箇所抽出し、測定を行った(合計30箇所)。対物レンズは100倍、測定ピッチは0.01μm、測長は100μm、カットオフは0.08mmとして、測定を行った。
なお、フィルムを任意の方向に2倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さの測定は、(3)で作製した各サンプル(6サンプル)について、長さ方向の中央部から、長さ2cm×幅1.5cmにサンプリングしたものを使用し、各6サンプルについて、各々5箇所抽出して行い、平均値を各サンプルの値とした。
また、200℃で、フィルムの任意の一方向および、その方向と直交する方向に1.5倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さの測定は、(4)で作製した各サンプル(3サンプル)中央部分から、(任意方向10cm)×(それに直行する方向10cm)のサンプルをサンプリングし、各サンプルについて、10箇所抽出して行い、平均値を各サンプルの値とした。
(6)コーティング層厚み
フィルムの断面を超薄切片法で透過型電子顕微鏡(日立製作所製TEM H7100)にて写真撮影し、コーティング層の厚みを測定した。測定はフィルム幅方向での中央部の任意の5ヶ所について倍率20000倍で観察し、その平均値をコーティング層の厚みとした。
(7)フィルムの融点
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用いて測定した。試料5mgをサンプルに用い、25℃から10℃/分で300℃まで昇温した際の吸熱ピーク温度を融点とした吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側の吸熱ピークのピーク温度を融点とした。
(8)100%伸長時の応力
フィルムを任意の方向およびそれに直行する方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分としてフィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ引張試験を行った。測定は予め100℃に設定した恒温層中にフィルムサンプルをセットし、90秒間の予熱の後で引張試験を行った。サンプルが100%伸長したとき(チャック間距離が100mmとなったとき)のフィルムにかかる荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(フィルム厚み×10mm)で除した値を100%伸長時応力(F100値)とした。なお、測定は各サンプル、各方向に5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
(9)離型性
(3)の方法で、任意の方向に2倍伸長させた、フィルムサンプルのコーティング層面に、幅19mmのアクリル型粘着テープ(日東電工(株)製ニットーポリエステルテープ31B)を長さ200mmとなるように貼り付けゴムローラー(線圧2kg/cm)で圧着した。この粘着テープを25℃、65%RH雰囲気下で、剥離角度90度で剥離し、以下の基準で評価した。
優:全く抵抗無く剥離できた。
良:ほとんど抵抗無く剥離できた。
可:やや抵抗は感じたが、問題なく剥離できた。
不可:強い抵抗を感じ、剥離しにくかった。
(10)非付着性
(4)の方法で、長手方向および幅方向に1.5倍伸長させたフィルムサンプルを200℃の熱風オーブン中に2分間保存したABSシート(200×300mm)に、接着シートを介して、フィルムをラミネーター(180℃、1m/min、0.3MPa)で貼り合わせた後、市販のミンチ肉を詰めたバットに入れ、40℃、65RH%で72時間養生した後、フィルムをラミネートしたABSシートを取り出し、フィルム表面への付着量(重量)を以下の基準で判定した。なお、接着シートは(日本合成化学工業(株)製 ポリエスターSP170)をメルトプレス(120℃、4MPa、1min)することで作製した。
優:0〜10%
良:10〜30%
可:30〜50%
不可:50〜100%。
(11)成形性
200℃に加熱した遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が180℃の温度になるように加熱し円柱状の金型(底面直径50mm)を用いて真空成形を行いフィルムを成形した。円筒形金型に沿って成形できた状態を成形度合い(絞り比:成形高さ/底面直径)を用いて以下の基準で評価した。
優:絞り比0.5以上で成形できた。
良:絞り比0.5〜0.3で成形できた。
可:絞り比0.2〜0.3で成形できた。
不可:破れが発生し、絞り比0.2で成形できなかった。
(12)取り扱い性
幅250mmのフィルムを20m/minの速度で、直径100mm、長さ400mmのコアに巻き取り、そのときの巻き取り易さを以下の基準で評価し、取り扱い性とした。
優:しわや、巻きずれを起こさず、全く問題なく巻き取れた。
良:フィルムにしわが入りやすく、注意を要するが、問題なく巻き取ることができた。
可:フィルムにしわが入ったが、問題なく巻き取ることができた。
不可A:フィルムが滑り、コアに巻き取ることができなかった。
不可B:しわが大量に発生し、さらにフィルムがブロッキングした。
(ポリエステルの製造方法)
以下の実施例、比較例において使用したポリエステル樹脂は以下のようにして製造した。
(PET)
テレフタル酸ジメチル100質量部、およびエチレングリコール70質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020質量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行した。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、固有粘度0.65,副生したジエチレングリコールが2モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。
(PBT)
テレフタル酸100質量部、および1,4−ブタンジオール110質量部の混合物を、窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.054質量部、モノヒドロキシブチルスズオキサイド0.054質量部を添加し、エステル化反応を行った。次いで、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.066質量部を添加して、減圧下で重縮合反応を行い、固有粘度0.88のポリブチレンテレフタレート樹脂を作製した。その後、140℃、窒素雰囲気下で結晶化を行い、ついで窒素雰囲気下で200℃、6時間の固相重合を行い、固有粘度1.22のポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)を得た。
(PTT)
テレフタル酸ジメチル100質量部、1,3−プロパンジオール80質量部を窒素雰囲気下でテトラブチルチタネートを触媒として用い、140℃から230℃まで徐々に昇温し、メタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。さらに、250℃温度一定の条件下で3時間重縮合反応を行い、極限粘度[η]が0.86のポリトリメチレンテレフタレート樹脂を得た。
(PET−G)
テレフタル酸ジメチルを100質量部、エチレングリコール70質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール7質量部の混合物に、酢酸マンガンを0.04質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃メタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.045質量部、二酸化ゲルマニウム0.01質量部を添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に275℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.67となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして1,4−シクロヘキサンジメタノールを4モル%共重合したポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。該ポリマーを3mm径の立方体に切断し、回転型真空重合装置を用いて、1hPaの減圧下、225℃で極限粘度が0.8になるまで固相重合を行い得た、ポリエステル樹脂を粉末状に凍結粉砕し、1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル共重合ポリエチレンテレフタレート(イーストマン・ケミカル社製Eatster6763)を85:15で均一に混合した。その後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして1,4−シクロヘキサンジメタノールを7.9モル%共重合したPET−Gを得た。
(粒子マスター)
また、テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部の混合物に酢酸マンガン0.04質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながら、エステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.025質量部、二酸化ゲルマニウム0.02質量部を添加した。さらに、平均粒径2.2μmの湿式シリカ凝集粒子のエチレングリコールスラリーを粒子濃度が2質量%となるように添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.63となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして粒子マスターを得た。
(コーティング組成物の製造方法)
以下の実験において使用したコーティング組成物は以下のようにして製造した。
(コーティング組成物A)
信越シリコーン(株)製のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン/ハイドロジェンポリシロキサンの付加反応型シリコーンエマルジョン(X−52−195)100質量部、触媒(CAT−PM−10)5質量部、イソプロピルアルコール100質量部、水400質量部を混合し、コーティング組成物Aを得た。
(コーティング組成物B)
信越シリコーン(株)製のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン/ハイドロジェンポリシロキサンの付加反応型シリコーンエマルジョン(X−52−195)100質量部、触媒(CAT−PM−10)3質量部、日本酢ビ・ポバール(株)製のポリビニルアルコール(JP−18)5質量%水溶液300質量部を混合し、コーティング組成物Bを得た。
(コーティング組成物C)
信越シリコーン(株)製のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン/ハイドロジェンポリシロキサンの付加反応型シリコーンエマルジョン(X−52−195)100質量部、触媒(CAT−PM−10)1質量部、イソプロピルアルコール200質量部、水1000質量部を混合し、コーティング組成物Cを得た。
(コーティング組成物D)
荒川化学工業(株)製のシリコーンエマルジョン(SILCOLEASE902)100質量部、触媒(CATA903)10質量部、水600質量部とを混合し、コーティング組成物Dを得た。
(コーティング組成物E)
東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン/ハイドロジェンポリシロキサンの付加反応型シリコーンディスパージョン(LTC750A)100質量部、触媒(SRX−212)1質量部、トルエン500質量部を混合し、コーティング組成物Eを得た。
(コーティング組成物F)
日本カーバイド工業(株)製のアクリル系エマルジョン(ニカゾールY−9105)をコーティング組成物Fとした。
(コーティング組成物G)
新中村化学の長鎖アルキルアクリレート(TR−7)を100質量部、水60質量部とを混合し、コーティング組成物Gとした。
(コーティング組成物H)
新中村化学の長鎖アルキルアクリレート(TR−7)を100質量部、水50質量部、イソプロピルアルコール20質量部を混合し、コーティング組成物Hとした。
(コーティング組成物I)
広栄化学工業(株)製のワックスエマルジョン(KEK−T)を100質量部、イソプロピルアルコール20質量部、水150質量部を混合して、コーティング組成物Iを得た。
(コーティング組成物J)
広栄化学工業(株)製のワックスエマルジョン(KEK−T)を、コーティング組成物Jとした。
(コーティング組成物K)
一方社油脂工業(株)製の非シリコーン系エマルジョン型背面剥離剤(ピーロイル406)100質量部、水500質量部を混合して、コーティング組成物Kとした。
(実施例1)
PETと粒子マスターを質量比99:1で混合し、真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度105℃で長手方向に3.0倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。この一軸延伸フィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、ポリエステルフィルムの表面自由エネルギーを52mN/mとした。その処理面にコーティング組成物Aをメタリングバー(#6)を用いて、コーティングした。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度120℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度210℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み15μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例2)
PETと粒子マスターを質量比97:3で混合し、コーティング組成物Bを用い、長手方向の延伸倍率を3.1倍、幅方向の延伸倍率を3.1倍とした以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み12μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例3)
コーティング組成物Gを用い、長手方向の延伸時のフィルム温度を95℃とし、延伸倍率を3.1倍、幅方向の延伸倍率を3.2倍とした以外は、実施例2と同様にして、フィルム厚み20μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例4)
PETとPBTと粒子マスターを質量比77:20:3で混合し、真空乾燥機にて180℃3時間乾燥して水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度100℃で長手方向に3.0倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。この一軸延伸フィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、ポリエステルフィルムの表面自由エネルギーを52mN/mとした。その処理面にコーティング組成物Eをメタリングバー(#6)を用いて、コーティングした。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度110℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み15μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例5)
PETとPET−Gと粒子マスターを質量比16:80:4で混合し、真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度100℃で長手方向に3.0倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。この一軸延伸フィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、ポリエステルフィルムの表面自由エネルギーを52mN/mとした。その処理面にコーティング組成物Iをメタリングバー(#10)を用いて、コーティングした。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度110℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度220℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
比較例6)
PETと粒子マスターを質量比97:3で混合し、真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度105℃で長手方向に3.1倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度110℃で幅方向に3.1倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度210℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、表面自由エネルギーを54mN/mとし、メタリングバー(#8)を用いて、コーティング組成物Eをコーティングし、120℃の熱風乾燥機中で、60秒乾燥させて、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例7)
PETと粒子マスターを質量比99.8:0.2で混合し、コーティング組成物Hを用い、長手方向の延伸倍率を3.3倍、幅方向の延伸倍率を3.2倍とした以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み12μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例8)
PETとPBTとPTTと粒子マスターを質量比67:15:15:3で混合し、コーティング組成物Kを用い、長手方向の延伸温度を100℃、幅方向の延伸温度を110℃、熱処理温度を240℃とした以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み20μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例9)
PETと粒子マスターを質量比99.6:0.4で混合し、コーティング組成物Cを用いた以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み15μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例10)
PETとPBTとPTTと粒子マスターを質量比69:20:10:1で混合し、コーティング組成物Bを用いた以外は、実施例8と同様にして、フィルム厚み15μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例11)
PETとPBTと粒子マスターを質量比67:30:3で混合し、コーティング組成物Dを用いた以外は、実施例8と同様にして、フィルム厚み12μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例12)
PETとPTTと粒子マスターを質量比68:30:2で混合し、コーティング組成物Gを用いた以外は、実施例8と同様にして、フィルム厚み15μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例1)
粉末状に凍結粉砕したPETと、カルナウバワックスを質量比98:2で混合し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットしてワックスマスターチップを得た。
PETとカルナウバワックスマスターと粒子マスターを質量比47:50:3で混合し、真空乾燥機にて180℃4時間乾燥して水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度95℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度100℃で幅方向に3.3倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例2)
PETと粒子マスターを質量比97:3で混合し、真空乾燥機にて180℃4時間乾燥して水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度95℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度100℃で幅方向に3.3倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み15μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、表面自由エネルギーを54mN/mとし、メタリングバー(#5)を用いて、コーティング組成物Jをコーティングし、120℃の熱風乾燥機中で、60秒乾燥させて、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例3)
コーティング組成物Fを用いた以外は、実施例4と同様にして、フィルム厚み15μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例4)
PETと粒子マスターを質量比94:6で混合し、コーティング組成物Bを用いて、長手方向の延伸倍率を3.3倍、延伸温度を100℃、幅方向の延伸倍率を3.2倍とした以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み15μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(比較例5)
PETを真空乾燥機にて180℃4時間乾燥して水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
その後、コーティング組成物Jを用いて、長手方向の延伸倍率を3.0倍、延伸温度を100℃、幅方向の延伸倍率を3.8倍とした以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み15μmのコーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
Figure 0005458492
Figure 0005458492
Figure 0005458492
※2倍伸長後の表面自由エネルギー、中心線平均粗さは、任意の方向に伸長した6サンプルについて、測定し、それらのうち、最大値および最小値のみ記載した。
※※1.5×1.5倍伸長後の中心線平均粗さは、任意の方向とそれに直交する方向に伸長した3組のサンプルについて、測定し、それらのうち、最大値および最小値のみ記載した。
※※※F100、F100は、任意の方向とそれに直交するする方向に伸長した3組のサンプルについて、測定し、それらのうち、最大値および最小値のみ記載した。
本発明の成形用二軸配向ポリエステルフィルムは、水との接触角が大きく、表面自由エネルギーが低いため、離型性、非付着性に優れており、様々な用途に使用することができる。また、成形性にも優れ、成形後、高温熱処理、レトルト処理後も優れた離型性、非付着性を示すため、特に食品などの容器成形用途に使用することができる。

Claims (12)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に表面自由エネルギーが15〜35mN/mである層厚みが0.01〜3μmのコーティング層が積層されてなり、
    該コーティング層の中心線平均粗さが1〜50nmであり、
    かつフィルムを任意の方向に23℃にて2倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さが1〜50nmであり、

    かつ、100℃における、フィルムの任意の方向(A方向)の100%伸長時応力F100 値および、その方向に直交する方向(B方向)の100%伸長時応力F100 値がそれぞれ20〜110MPaである成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 前記コーティング層の水との接触角が90〜120°であり、かつ180℃120分間の熱処理後の水との接触角が90〜120°である請求項1に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 200℃で、フィルムの任意の一方向および、その方向に直交する方向に1.5倍伸長した後のコーティング層の中心線平均粗さが1〜50nmである請求項1に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. フィルムを任意の方向に23℃にて2倍伸長した後のコーティング層の表面自由エネルギーが15〜35mN/mである請求項1に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. コーティング層がシリコーン化合物を用いてなる請求項1に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 前記シリコーン化合物が、主剤と架橋剤とを用いてなる請求項5に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 前記シリコーン化合物が、主剤としてアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、架橋剤としてハイドロジェンポリシロキサンが付加反応されてなる請求項6に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. 125℃、0.12MPa、90分間のレトルト処理を施した際の、コーティング層と水との接触角が90〜120°である請求項1に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
  9. 融点が246〜270℃である請求項1に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
  10. 金属板貼合せ用途に使用される請求項1に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
  11. 容器成形用に使用される請求項1に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルム。
  12. 請求項1に記載の成形用二軸配向ポリエステルフィルムを製造する方法であって、コーティング面の表面自由エネルギーを47mN/m以上とした後に、エマルジョン型コーティング剤をコーティングすることを特徴とする成形用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
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