JP5990983B2 - 成形同時転写用積層フィルム - Google Patents
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Description
(1)ポリエステルを主成分とする基材フィルムの少なくとも片面に、離型層を積層してなる積層フィルムであって、190℃における100%延伸時の長手方向および幅方向の応力がいずれも5〜50MPaであり、該フィルムに5MPaの荷重を印加しながら25℃から100℃まで5℃/分で昇温した際の長手方向および幅方向の寸法変化率がいずれも1〜5%であり、離型層の表面自由エネルギーが36〜42mN/m、光沢度が140〜200である成形同時転写用積層フィルム。
(2)離型層の主成分がメラミン樹脂である(1)に記載の成形同時転写用積層フィルム。
(3)基材フィルムのポリエステルのジカルボン酸成分のうちテレフタル酸が95モル%以上、グリコール成分のうちエチレングリコールが65〜95モル%、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのいずれか1つ以上のグリコール成分が5〜35モル%である(1)または(2)に記載の成形同時転写用積層フィルム。
(4)基材フィルムがB層/A層/B層の3層構成である(1)〜(3)のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
(5)A層のポリエステルのジカルボン酸成分のうち95モル%以上がテレフタル酸、グリコール成分のうち、80〜95モル%がエチレングリコール、5〜20モル%が1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび/または2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールであり、B層のポリエステルのジカルボン酸成分のうち95モル%以上がテレフタル酸、グリコール成分のうち、90モル%以上がエチレングリコール、0〜10モル%が1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび/または2,2―ジメチル−1,3−プロパンジオールである(4)に記載の成形同時転写用積層フィルム。
(6)190℃における長手方向と幅方向の100%延伸時の応力差の絶対値が、20MPa以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
(7)離型層の厚みが0.1〜0.5μmである(1)〜(6)のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
(8)厚みムラが10%以下である(1)〜(7)のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
(9)25℃から150℃まで5℃/分で昇温した際の長手方向および幅方向の寸法変化率がいずれも0〜2%である(1)〜(8)のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
(10)成形同時転写用積層フィルムの離型層側の面と、その反対側の面との間の動摩擦係数および静止摩擦係数がいずれも0.5以下である(1)〜(9)のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
(11)成形同時転写用積層フィルムの離型層側の面の表面粗さSRaが10〜30nm、SRzが450〜1200nmである(1)〜(10)のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
(12)基材フィルムの離型層側の最表層に平均粒子径1〜5μmの粒子を0.01〜0.1質量%含有してなる(4)または(5)に記載の成形同時転写用積層フィルム。
本発明の成形同時転写用積層フィルムの基材フィルムに使用されるポリエステルは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子の総称であって、通常、ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得ることができる。
また、A層を構成するポリエステルのジカルボン酸成分のうち95モル%以上がテレフタル酸、グリコール成分のうち、80〜95モル%がエチレングリコール、5〜20モル%が1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび/または2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールであり、B層を構成するポリエステルのジカルボン酸成分のうち95モル%以上がテレフタル酸、グリコール成分のうち、90モル%以上がエチレングリコール、0〜10モル%が1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび/または2,2―ジメチル−1,3−プロパンジオールであることが好ましい。
本発明の成形同時転写用積層フィルムは、加飾層を積層し、樹脂を射出成形すると同時に加飾層を樹脂に転写させるインモールド成形用に用いることを主な目的としている。本発明の成形同時転写用積層フィルムは少なくとも片面に、離型層を積層してなり、離型層の表面自由エネルギーが36〜42mN/mである。より好ましくは、38〜41mN/mである。本発明者らは、離型層の表面自由エネルギーを36〜42mN/mに制御することで、インモールド成形用途に用いられる成形同時転写用積層フィルムとして非常に有利な特性を満たすことを見出した。離型層の表面自由エネルギーが、36mN/mより小さいと、加飾層が搬送時や保存時に自然剥離してしまう場合がある。また、離型層の表面自由エネルギーが42mN/mより大きいと、剥離性が低下してしまい、転写時にフィルムと加飾層がうまく剥離できない場合がある。
離型層の厚みは、成形同時転写用積層フィルムの断面を走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、光学顕微鏡などで500倍以上10000倍以下の倍率で観察することによって、厚みを測定することができる。
本発明の成形同時転写用積層フィルムは、離型層を設けることで、適度な離型性、高い光沢と耐薬品性を実現している。離型層としてメラミン樹脂を主成分とすることで、さらに、メラミン樹脂にアクリル樹脂を添加することで離型層の柔軟性をコントロールでき、基材フィルムに合わせた適度な成形性を付与することで成形同時転写用に適したフィルムとなる。
また、用いるロールの真円度を一定値以下にする場合、真円度はロール半径の1%以下であることが好ましい。より好ましくは0.5%以下である。工程の前方にあるロールほど高い精度が求められる。特に、キャストドラムの場合は、0.1%以下が好ましい。キャストドラムやロールの真円度は断面における最大半径と最小半径の差で表される。真円度がロール半径の1%より大きいと、ロールのムラがフィルムに転写したり、該当ロールにおけるフィルムの送り速度にムラができたりする場合があり、それが厚みムラの原因となる。
引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUCT−100)を用いて、長手方向および幅方向に切り出した幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mm(初期試料長)となるようにセットし、温度190℃、湿度65%RHの条件に設定した恒温層中で60秒間の予熱後、引張速度300mm/分で引張試験を行い、100%伸張時の応力をそれぞれF100MD値、F100TD値とした。長手方向と幅方向の応力差の絶対値を|F100MD値−F100TD値|とした。測定数(以下、Nとする)は、長手方向、幅方向にそれぞれN=5で行った。
フィルムを長手方向および幅方向に長さ50mm×幅4mmの矩形に切り出しサンプルとした。熱機械分析装置(セイコ−インスツルメンツ製、TMA EXSTAR6000)を使用して、下記の条件下で保持した際のフィルム長の寸法変化率をN=2で求めた。
試長:15mm
荷重:1000mN(フィルム厚み50μmの場合)
温度:25℃〜150℃(5℃/分)
寸法変化率(%)=[{100℃でのフィルム長(mm)−25℃でのフィルム長(mm)}/25℃でのフィルム長(mm)]×100
(2)25℃から150℃まで5℃/分で昇温した際の長手方向および幅方向の寸法変化率(寸法変化率2)
試長:15mm
荷重:19.6mN
温度:25℃〜200℃(5℃/分)
寸法変化率(%)=[{150℃でのフィルム長(mm)−25℃でのフィルム長(mm)}/25℃でのフィルム長(mm)]×100。
測定液としては、水、エチレングリコール、ホルムアミドおよびジヨードメタンの4種類を使用し、接触角計(協和界面科学(株)製CA−D型)を用いて各液体のフィルム表面に対する静的接触角を求めた。それぞれの液体について5回測定し、その平均接触角(θ)と測定液(j)の表面張力の各成分を下式にそれぞれ代入し、4つの式からなる連立方程式をγL、γ+、γ−について解いた。
=(1+cosθ)[γjL+2(γj+γj−)1/2]/2
ただし、γ=γL+2(γ+γ−)1/2
γj=γjL+2(γj+γj−)1/2
ここで、γ、γL、γ+、γ−は、それぞれフィルム表面の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターを、また、γj、γjL、γj+、γj−は、それぞれ用いた測定液の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターを示す。また、ここで用いた各液体の表面張力は、Oss("fundamentals of Adhesion", L. H. Lee (Ed.), p153, Plenum ess, New York (1991).)によって提案された値を使用した。
JIS−Z−8741(1997年)に規定された方法に従って、スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV−5Dを用いて、離型層の表面について60°鏡面光沢度をN=3で測定した。
フィルムを10cm×10cmに切り出し、長手方向に5点、幅方向に5点、のべ10点の厚みを測定し、その平均値、最大値、最小値から厚みムラを求めた。
ASTM D1894B(1963)に従い、スリップテスターを用いて、動摩擦係数および静止摩擦係数を測定した。
三次元微細表面形状測定器(小坂製作所製ET−350K)を用いて測定し、得られたる表面のプロファイル曲線より、JIS B 0601(1994)に準じ、算術平均粗さSRa値、十点平均面粗さSRz値を求めた。測定条件は下記のとおり。
X方向測定長さ:0.5mm、X方向送り速度:0.1mm/秒。
Y方向送りピッチ:5μm、Y方向ライン数:40本。
カットオフ:0.25mm。
触針圧:0.02mN。
ポリエステルフィルム10gをオルトクロロフェノール100g中に溶解させ、粒子をポリエステルから遠心分離することによってフィルム中に粒子を含有しているか評価することができる。また、粒子濃度は下記より求められる。
粒子濃度)=(粒子の質量)/(フィルム全体の質量)×100
なお、本発明のフィルムについては、重合時に粒子を添加して作製した粒子マスター中の粒子濃度と、フィルム中のその粒子マスター濃度から計算により算出した。
9.折れジワ試験
フィルムを長手方向および幅方向にそれぞれ12cm×10cmに切り出し、はさみしろ1cmで両端を幅10cm以上のクリップではさんだ。次いで、200gの錘をつけて吊るし、100℃で30分間加熱した。加熱後のフィルムの様子を観察した。
◎:折れジワなし。
○:折れジワがわずかに入る。
×:フィルムが縮み、折れジワが入る。
××:フィルムが伸び、折れジワが入る。
○以上を合格とした。
10.成形戻り試験
サンプルを長手方向および幅方向に切り出した幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mm(初期試料長)となるようにセットし、温度150℃、湿度65%RHの条件に設定した恒温層中で60秒間の予熱後、引張速度20mm/分で15mm伸長し、保持したまま室温に戻した。次いで恒温槽内に吊るし、25℃で24時間保持し、伸長サンプルとした。伸長サンプルを、(1)50℃、湿度95%で24時間、(2)−30℃で8時間、(3)80℃で16時間保持し、(1)〜(3)を3回繰り返し、さらに25℃で24時間保持し、成形戻りサンプルとした。測定数はN=3で行った。収縮率は以下の式で求めた。
収縮率(%)=[{(伸長サンプル長)−(成形戻りサンプル長)}/{(伸長サンプル長)−(初期長:50mm)}]×100
◎:収縮率が、長手方向および幅方向ともに0%以上5%以下。
○:収縮率が、長手方向が5%超10%以下かつ幅方向が0%以上10%以下、または、長手方向が0%以上5%以下かつ幅方向が5%超10%以下。
△:収縮率が、長手方向が10%超15%以下かつ幅方向が0%以上15%以下、または、長手方向が0%以上10%以下かつ幅方向が10%超15%以下。
×:上記以外。
△以上を合格とした。
離型層に、順にトップコート層、インキ層、接着層を手塗りでコーティングし、転写箔を作成した。トップコート層として、紫外線硬化型アクリル系樹脂(BASFジャパン(株)製“LAROMER”LR8983)(厚み60μm)、インキ層として、ポリウレタン系樹脂グラビアインキ(大日精化工業(株)製“ハイラミック”、主要溶剤:トルエン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール、インキ:723B黄/701R白)(厚み70μm)を形成し、さらに、接着層として、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合樹脂フィルム(オカモト(株)製ABSフィルム“ハイフレックス”、厚み100μm)を塗布した。インキ層を硬化させるために40℃で72時間エージングを行った。次に、直径50mm、絞り比(深さ/底面直径)が0.2の円筒型の金型にセットして120℃で減圧成形を行い、ABS樹脂(東レ(株)製、ABS樹脂“トヨラック”930)を用い、射出成形して、円筒型成形物を作成した。
(1)成形性
◎:円筒型成形物底側のコーナーがシャープに成形されている。
○:円筒型成形物底側のコーナーが丸みを帯びているが、成形されている。
△:成形されているが、白化している部分がある。
×:成形できていない。
△以上を合格とした。
(2)離型性
さらに、転写箔を貼り付けたままトップコート層を紫外線硬化させるため波長365nmの紫外線を2000mJ/cm2照射した後、外表面の成形転写用積層フィルムを剥離し、外表面からインキ層が見えるABS樹脂製箱型成形物を作成した。
◎:問題なく剥離できた。
○:やや抵抗はあったが、剥離できた。
×:紫外線硬化前に剥がれてしまった。
××:剥がれなかった。
○以上を合格とした。
(3)被転写体外観
ABS樹脂製円筒型成形物に蛍光灯の光を当てて観察した。
◎:光沢感に優れ、表面は平滑である。
○:光沢感はあるが、表面にうねりが見える。
△:光沢感にムラがある。
×;光沢感がない。
△以上を合格とした。
テレフタル酸ジメチル100質量部、およびエチレングリコール70質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020質量部のリン酸85質量%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行した。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、固有粘度0.65,副生したジエチレングリコール成分が、樹脂中のグリコール成分に対して、2モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。
1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が、ポリエチレンテレフタレートのグリコール成分に対して、33モル%共重合された共重合ポリエステルを使用した。
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール成分が、ポリエチレンテレフタレートのグリコール成分に対して、33モル%共重合された共重合ポリエステルを使用した。
ポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ(株)製“トレコン”、1100S)チップを使用した。
上記ポリエステルチップαを製造する際、エステル交換反応後に平均粒子径2.2μmの凝集シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを添加してから重縮合反応を行い、ポリマー中の粒子濃度2質量%の粒子マスターを作製した。
上記ポリエステルチップαを製造する際、エステル交換反応後に平均粒子径0.5μmの凝集シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを添加してから重縮合反応を行い、ポリマー中の粒子濃度2質量%の粒子マスターを作製した。
(離型層I形成用溶液)
メチル化メラミン:パラトルエンスルホン酸アミン:アクリルモノマー共重合体=20:0.4:1の質量比で調製し、トルエンで希釈した。
メチル化メラミン:パラトルエンスルホン酸アミン:アクリルモノマー共重合体=20:0.4:3の質量比で調製し、トルエンで希釈した。
メチル化メラミン:パラトルエンスルホン酸アミン=20:0.4の質量比で調製し、トルエンで希釈した。
ブチル化メラミン:パラトルエンスルホン酸アミン:アクリルモノマー共重合体=20:0.2:4の質量比で調製し、トルエンで希釈した。
アルケニル基含有オルガノポリシロキサン/ハイドロジェンポリシロキサンの付加反応型シリコーンディスパージョン:触媒=100:1の質量比で調製し、トルエンで希釈した。
基材フィルムはA層のみの構成とした。
ポリエステルチップα、ポリエステルチップβと粒子マスターMを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、A層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ:粒子マスターM=74:25:1の質量比でブレンドしてそ単軸押出機に供給し、275℃で溶融し、別々の経路でフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を90℃、延伸温度を95℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。
その後、コロナ放電処理を施し、水分散アクリル樹脂を主成分とする易接着層をメタリングバーにより塗布した。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層Iをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で20秒間乾燥し、成形転写用積層フィルムを得た。
基材フィルムはB層/A層/B層の3層積層フィルムとした。
ポリエステルチップα、ポリエステルチップβと粒子マスターMを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、A層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ=60:40の質量比になるように、B層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ:粒子マスターM=89:10:1の質量比でブレンドしてそれぞれ別の単軸押出機に供給し、275℃で溶融し、別々の経路でフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてB層/A層/B層の厚み比が1/8/1になるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
以降は実施例1と同様にして成形転写用積層フィルムを得た。
基材フィルムはB層/A層/B層の3層積層フィルムとした。
A層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ=75:25の質量比になるように、B層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ:粒子マスターM=89:10:1の質量比でブレンドした以外は、実施例2と同様にして成形転写用積層フィルムを得た。
基材フィルムはB層/A層/B層の3層積層フィルムとした。
A層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ=45:55の質量比になるように、B層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ:粒子マスターM=84:15:1の質量比でブレンドした以外は、実施例2と同様にして成形転写用積層フィルムを得た。
基材フィルムはB層/A層/B層の3層積層フィルムとした。
ポリエステルチップα、ポリエステルチップβを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、A層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ=60:40の質量比になるように、B層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ=95:5の質量比でブレンドしてそれぞれ別の単軸押出機に供給し、275℃で溶融し、別々の経路でフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてB層/A層/B層の厚み比が1/8/1になるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を90℃、延伸温度を95℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。
その後、コロナ放電処理を施し、水分散アクリル樹脂を主成分とする易接着層をメタリングバーにより塗布した。
次いでテンター式横延伸機にて予熱温度80℃、延伸温度90℃で幅方向に3.5倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で5秒間の熱処理を行い、基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムはすべり性が悪く、巻き取ることが困難であったため、カットシートとして採取した。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層Iをメタリングバーで手塗り塗布し、オーブンにて180℃で20秒間乾燥し、成形転写用積層フィルムを得た。
実施例2と同様にして基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層IIをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で20秒間乾燥し、成形転写用積層フィルムを得た。
実施例2と同様にして基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層IIIをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で20秒間乾燥し、成形転写用積層フィルムを得た。
実施例2と同様にして基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層IVをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で20秒間乾燥し、成形転写用積層フィルムを得た。
基材フィルムはB層/A層/B層の3層積層フィルムとした。
A層はポリエステルチップα:ポリエステルチップγ=45:55の質量比になるように、B層はポリエステルチップα:ポリエステルチップγ:粒子マスターM=84:15:1の質量比でブレンドした以外は、実施例2と同様にして成形転写用積層フィルムを得た。
実施例2と同様にして未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を85℃、延伸温度を95℃で長手方向に3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。
その後、コロナ放電処理を施し、水分散アクリル樹脂を主成分とする易接着層をメタリングバーにより塗布した。
次いでテンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度75℃で幅方向に3.6倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度240℃で5秒間の熱処理を行い、基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層Iをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で20秒間乾燥し、成形転写用積層フィルムを得た。
実施例2と同様にして未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を95℃、延伸温度を105℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。
その後、コロナ放電処理を施し、水分散アクリル樹脂を主成分とする易接着層をメタリングバーにより塗布した。
次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度100℃で幅方向に3.5倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で5秒間の熱処理を行い、基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層Iをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で20秒間乾燥し、成形転写用積層フィルムを得た。
実施例2と同様に基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層Iをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で5秒間乾燥し、成形転写用積層フィルムを得た。
実施例2と同様に基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層Iをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で40秒間乾燥し、成形転写用積層フィルムを得た。
実施例2と同様にして未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を90℃、延伸温度を95℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。
その後、コロナ放電処理を施し、水分散アクリル樹脂を主成分とする易接着層をメタリングバーにより塗布した。
次いでテンター式横延伸機にて予熱温度80℃、延伸温度90℃で幅方向に3.4倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で5秒間の熱処理を行い、基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層Iをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で20秒間乾燥し、成形転写用積層フィルムを得た。
実施例2と同様にして未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を90℃、延伸温度を95℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。
その後、コロナ放電処理を施し、離型層Iをメタリングバーにより塗布した。
次いでテンター式横延伸機にて予熱温度80℃、延伸温度90℃で幅方向に3.5倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で5秒間の熱処理を行い、成形転写用積層フィルムを得た。
実施例15で得られた成形転写用積層フィルムをオーブンにて180℃で20秒間アニール処理し、実施例16の成形転写用積層フィルムとした。
基材フィルムはB層/A層/B層の3層積層フィルムとした。
ポリエステルチップα、ポリエステルチップβ、ポリエステルチップδと粒子マスターMを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、A層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ:ポリエステルチップδ=50:40:10の質量比になるように、B層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ:粒子マスターM=89:10:1の質量比でブレンドしてそれぞれ別の単軸押出機に供給し、275℃で溶融し、別々の経路でフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてB層/A層/B層の厚み比が1/8/1になるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
以降は実施例1と同様にして成形転写用積層フィルムを得た。
基材フィルムはB層/A層/B層の3層積層フィルムとした。
ポリエステルチップα、ポリエステルチップβと粒子マスターNを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、A層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ=60:40の質量比になるように、B層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ:粒子マスターN=89:10:1の質量比でブレンドしてそれぞれ別の単軸押出機に供給し、275℃で溶融し、別々の経路でフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてB層/A層/B層の厚み比が1/8/1になるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
以降は実施例1と同様にして成形転写用積層フィルムを得た。成形転写用としては問題なかったが、取扱性が低かった。
基材フィルムはB層/A層/B層の3層積層フィルムとした。
ポリエステルチップα、ポリエステルチップβと粒子マスターMを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、A層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ=60:40の質量比になるように、B層はポリエステルチップα:ポリエステルチップβ:粒子マスターM=87:10:3の質量比でブレンドしてそれぞれ別の単軸押出機に供給し、275℃で溶融し、別々の経路でフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてB層/A層/B層の厚み比が1/8/1になるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
以降は実施例1と同様にして成形転写用積層フィルムを得た。
実施例1と同様に基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、トルエンのみをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で20秒間乾燥し、比較用のフィルムを得た。
このフィルムは離型層がないため、成形転写時の剥離ができなかった。
実施例1と同様に基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層Vをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて180℃で20秒間乾燥し、比較用のフィルムを得た。
このフィルムは離型層とハードコート層の密着力が弱く、成形後、紫外線照射前に剥離してしまった。
基材フィルムはB層/A層/B層の3層積層フィルムとした。
A層はポリエステルチップα:ポリエステルチップγ=35:65の質量比になるように、B層はポリエステルチップα:ポリエステルチップγ:粒子マスターM=64:35:1の質量比でブレンドした以外は、実施例2と同様にして比較用のフィルムを得た。
このフィルムは軟らかく、熱をかけるとシワが入りやすく、光沢もなかった。
基材フィルムはA層のみの構成とした。
A層はポリエステルチップα:粒子マスターM=99:1の質量比でブレンドした以外は、実施例1と同様にして比較用のフィルムを得た。
このフィルムは硬く、成形することができなかった。
実施例1と同様に基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層Iをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて140℃で20秒間乾燥し、比較用のフィルムを得た。
このフィルムは残留応力が高く、収縮しやすかった。
実施例1と同様にして未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を90℃、延伸温度を95℃で長手方向に3.0倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。
その後、コロナ放電処理を施し、水分散アクリル樹脂を主成分とする易接着層をメタリングバーにより塗布した。
次いでテンター式横延伸機にて予熱温度80℃、延伸温度90℃で幅方向に3.8倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度215℃で5秒間の熱処理を行い、基材フィルムとしてフィルム厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
この基材フィルムの易接着層面に対して、離型層Iをグラビアコート法にて塗布し、オーブンにて160℃で20秒間乾燥し、比較用のフィルムを得た。
このフィルムは長手方向と幅方向で伸長時の応力の差が大きく、物性のバラつきが大きかった。
Claims (9)
- ポリエステルを主成分とする基材フィルムの少なくとも片面に、離型層を積層してなる積層フィルムであって、25℃から150℃まで5℃/分で昇温した際の長手方向および幅方向の寸法変化率がいずれも0〜2%であり、190℃における100%延伸時の長手方向および幅方向の応力がいずれも5〜50MPaであり、該フィルムに5MPaの荷重を印加しながら25℃から100℃まで5℃/分で昇温した際の長手方向および幅方向の寸法変化率がいずれも1〜5%であり、離型層の表面自由エネルギーが36〜42mN/m、光沢度が140〜200である成形同時転写用積層フィルム。
- 離型層の主成分がメラミン樹脂である請求項1に記載の成形同時転写用積層フィルム。
- 基材フィルムがB層/A層/B層の3層構成である請求項1または2に記載の成形同時転写用積層フィルム。
- 190℃における100%延伸時の長手方向と幅方向の応力差の絶対値が、20MPa以下である請求項1〜3のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
- 離型層の厚みが0.1〜0.5μmである請求項1〜4のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
- 厚みムラが10%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
- 成形同時転写用積層フィルムの離型層側の面と、その反対側の表面との間の動摩擦係数および静止摩擦係数がいずれも0.5以下である請求項1〜6のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
- 成形同時転写用積層フィルムの離型層側の面の表面粗さSRaが10〜30nm、SRzが450〜1200nmである請求項1〜7のいずれかに記載の成形同時転写用積層フィルム。
- 基材フィルムの離型層側の最表層に平均粒子径1〜5μmの粒子を0.01〜0.1質量%含有してなる請求項3に記載の成形同時転写用積層フィルム。
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